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アルコール性肝障害における肝酸素需給動態の検討

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Academic year: 2021

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Title

アルコール性肝障害における肝酸素需給動態の検討

Author(s)

笠原, 彰紀

Citation

Issue Date

Text Version ETD

URL

http://hdl.handle.net/11094/34781

DOI

rights

Note

Osaka University Knowledge Archive : OUKA

Osaka University Knowledge Archive : OUKA

https://ir.library.osaka-u.ac.jp/

(2)

<

52

>

かさ はち あ彰き 紀 氏名・(本籍) 笠 原 学位の種類 医 ρず三ι斗 学位記番号 弟

663

5

τEコヨ 学位授与の日付 昭和 59 年 10 月 31 日 学位授与の要件 学位規則第 5 条第 2 項該当 学位論文題目 アルコール性肝障害における肝酸素需給動態の検討 論文審査委員

教(主査授) 阿部

教(副査授) 坂本 幸哉

教授岸本 論文内容の要首 (目的) アルコール'性肝障害においては,肝臓の小葉中心域に脂肪浸潤や壊死が認められ,この小葉中心域は 肝小葉内で=最も酸素分圧の低い部位であるため,肝臓での酸素需給の異常がアノレコーノレ'性肝障害の一因 と考えられている口しかし,アルコール性肝障害における酸素需給動態に関する報告は少なく,末だ一 定の見解は得られていない。そこで,本研究では臓器反射スベクトノレ解析法・水素クリアランス法を用 い,アノレコー jレ性肝障害の各病型における肝局所血行動態・酸素需給動態を検討し,アルコー jレ'性肝障 害の進展との関係を明らかにすることを目的とした。 (対象ならびに方法) 毎日 5 合 10年以上飲酒を継続し,輸血歴・肝炎の既往を認めず、血清 HBs 抗原陰性の大酒家を対象とし た口 「アルコー jレと肝 J 研究班の分類に基づいた肝組織像の内訳は,特別の組織学的異常所見を認めな い非特異性変化 3 例,脂肪肝 3 例,肝線維症 7 例,小葉の%以上の著明な脂肪浸潤を伴なう肝線維症 10 例,肝硬変症 15例であった。 アルコー jレ'性障害肝の散乱反射スペクトルは,臓器反射スペク卜 jレ解析装置を用い,腹腔鏡施行時に 径 8 mm の optical

f

i

b

e

r

bundle を腹腔内に挿入しチップを肝表面に密着させ瞬時に連続的に測定記録し た口肝局所血液量の指標としては,肝局所の Hb 濃度と比例関係の成立する 569 と 650 nm のスペク卜 jレ強度差(反射減光度差 L1

Er 569 - 650

)を用い,肝局所Hb 酸素飽和度 Cestimated

80

2 )は oxy-Hb, deoxy-Hb の等吸収点で=ある、 569.586 nm と Hb0

2

のα ピークである 577 nmのスペク卜 jレ強度から求

めた。また,肝臓を optical fiber で圧迫,局所への血液の流入を遮断し,その後oxy-Hb より deoxy-Hb

(3)

-218-へ一定のスピードで変化するスペク卜 jレを分析ーして肝局所 m VIVO 酸素消費 (estimated

V

O

2 )を求め た。更に, 12 名の患者において双極型水素電極を肝内に刺入し,水素ガスを 1E/分, 2 分間吸入せし め,門脈経由の水素流入を無視で、きる水素吸入終了 1 分以後のクリアランス曲線より, Fick の原理を応 用した Kety の組織クリアランス理論に基づき肝局所血流量を算出した。 (結果) (1) 肝局所血液量の指標とした .1

Er 569 -

650 は,非特異性変化1. 01 士 0.09 ,肝線維症 0.72 士 0.12 , 肝硬変症 0.40 士 0.14 と肝臓の線維化が進展するのに伴ない低下した。脂肪肝の .1

Er 569 -

650 は 0.74 士 0.07 と桝寺異性変化に比し有意に低下し,肝術佐症に脂肪浸潤を伴なえば .1

Er 569 -

650 は 0.53 士 0.09 と肝線維症単独に比し更に低下した。

(

2

)

肝局所 Hb酸素飽和度 Cestimated

SO

z) は,非特異性変化60士 1 %,肝線維症 52士 9 ~ぢ,肝硬変症 42士 9% と非特異性変化に比し肝線維症で軽度低下し, 肝硬変症で有意に低下した。他方,脂肪浸潤を 伴なっても肝局所 Hb酸素飽和度は低下しなかった。

(

3

)

肝局所 m VIVO 酸素消費 Cestimated VO

z

) は,非特異性変化1. 06 士 0.22μmoles Od仰・ g

liver

,

肝線維症 0.54 士 0.13μmoles O

2

/問 .0g liver,肝硬変症 0.23 土 0.13μmoles

Oz/

m

i

n

.

o g liverと肝臓

の線維化の進展に伴ない有意に低下した。脂肪肝の肝局所 ln VIVO 酸素消費は 0.88 士 0.09μmoles

O

2/

m

i

n

.

o g liver,と非特異性変化に比し低下する傾向を認め, ~部勝佐症に1副方浸潤を伴なえば 0.39 士 0.16 μmoles O

2

/ 加L0 g liver,と肝線維症単独に比し更に低下する傾向を認めた口

(

4

)

肝局所血液量の指標とした .1

Er 569 -

650 と肝局所 ln VIVO 酸素消費の聞には有意の正の相関関係

(

r

=

0

.

7

8

3

,

P

<

0

.

0

0

1

)が認められ,肝局所血液量の低下に伴ない肝局所 ln VIVO 酸素消費は低下 した口

(

5

)

臓器反射スペクトル法 lとより求めた肝局所血液量の指標 .1

Er 569 -

650 と水素クリアランス法によ り測定した肝局所血流量の聞には有意の正の相関関係 C r ニ 0.893 ,

P<

0.001) が認められ ,.1

Er569

-650 は肝局所血流量の良い指標ともなると考えられた。 (総括) アルコール性肝障害で、は,肝局所血流は初期病変と考えられる脂肪肝の段階より低下し,更に肝臓の 線維化が進展するのに伴ない低下した口肝酸素消費は,アルコーノレ性肝障害の進展に伴なう肝局所血流 の低下 lζ 従って低下したが,肝局所 Hb 酸素飽和度は肝硬変症に至るまで低下を認めなかった。以上の 様な肝局所血行動態・酸素需給動態の異常が,アルコール'性肝障害の病変の進展に密接に関与すると考 えられた。 論文の審査結果の要旨 アルコーノレ性肝障害の増加にともない,その発症進展機序の解明は重要視されている口本論文は,臓 器反射スペクトノレ解析法および~*素クリアランス法を用い, ヒ卜ア jレコーノレ性肝障害においては,肝臓

(4)

-219-への酸素供給と肝臓での酸素利用の両者が障害されることを明らかにし,乙の肝酸素需給の異常がアノレ コーノレ'性肝障害の進展に寄与することをヒトにおいて初めて証明した。 n u つ eu n 4

参照

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