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全文

(1)

哲学うらない

著者名(日)

井上 円了

雑誌名

井上円了選集

19

ページ

415-475

発行年

2000-03-20

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00004713/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

哲学うらない

 著了固よ井

(3)

       らニ じぞ 哲畢う占虫ひ↓名改獲堂茂翼は湊壷薪灘ー−        不、恩議庵主人 遠 r・、・蔽 ・﹁ごパ㍗  ㌧◇・、“ シ.s︾    第一段 竃 論   Sべ、    余が尭年妖怪藁を講鐵し其中に+日慌綴に篠はる糠慾人相宗

﹁鍵翻

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 相 k’灘  ’懲. に皆 足t’tW ’  ・人 ず♪ 之灘  想ま ・ よ  灘 る顯 に㌧譲 哲欝 扇曳 的’⑳ 占ま暴

病音 的ぜ 相ず 藤灘 ゼぱ 以を色 、燈轡 せめ (巻頭)

考る ら、に代ふ    

ざδぼか泡ずξ蓉湾し克れぱ凝綾傭方灘麺菅亭的真法9灘ぎ 書牢案ぷ爾き潜ξ︽香簡を昏せらβ・麟ぬ﹀余ど癒己        まり れ磁慈鼻ぎ造衰饗だき竈欝姪鯵墜餐劔奇多用に取紛蓑今灘ま

議芦書罐t曇馨璽β其書達書内芝

 廣ぐ懸磯に告白債るぐとと驚れぴ.    露細貴 竃脆      一 5.その他  『妖怪叢書』第1編として発行。 6.発行所  哲学館 サイズ(タテ×ヨコ) 1. 215×140mm 2.ページ 総数:104 4   4

告言

広序

明治34年12月29日  目録:〔1〕  本文:95 3.刊行年月日  底本:初版 4.句読点  あり 明整昧+慨硲+竺允二十乖箇笛鯛 主、似 皐浄一 ガこ十丸日娼駁 印 毅脊 ぴ・樗 者 瀦彙 、印瑚、厨、・ 鞭柘、蕨、脳 …:嚢 捌

.thtrha−w一 燃き縛 億   京

画敵暫   鞘  舞砲    舘寅  曇書扉驚 、熟 上  、晦 了、r 、遠卓宙﹀漏ぷ蛋懸為Ψ^貢埴・ 声、膓  磯 衆r 、、 E、葦渚草る臼W慰¶蒼良、 務娠霧翼倉、主傷、、、﹁  遷急費理∬一蚕一、 誉、、r、灘華∴二﹀、鱗  驚京宙泰諺開路蒐斑宇噌●殉

﹄購一㍍

(4)

哲学うらない        ぼくぜい  余は、今日民間に行わるる種々のト麸、方位等は、古人の妄想より起こりたる上に、後人が愚民を弧.惑する       ふけい ために、往々不稽の妄語を付会したるものなれば、明治の世界にかかる笠法、相術を用うるは、実に昭代の汚 点、国民の恥辱なりと信じ、これを一撃の下に退治し尽くさんと努めたるも、いまだその功を奏するに至らず。 しかして退きて考うるに、余が退治のその功を奏せざるは、文明の進歩、人知の程度なお低きによるを知る。こ こにおいて、余は今日の人知に相応せる笠法、相術を案出して、もって従来のト笠、方位に代用せんと欲し、論        かんこつだつたい 理学の方式より換骨奪胎して、一種の新笠法を構成せり。これを名づけて﹁哲学うらない﹂、あるいは﹁改良牌巫 法﹂または﹁ト笈新法﹂と名つく。  およそ、人の事に当たりて疑いを起こし惑いを生じ、自ら決心断行することあたわざるは、思想のいまだまっ たからず、論理のいまだ明らかならざるによる。かくのごとき場合には、運を天に決する方法を取るよりほかな        えきぜい  きぼく  こぎよう きも、これを従来のごとく易笠、亀ト、五行、干支等に考うるは、愚の至りというべし。むしろ論理の方式に 考えて、運命の向背を定むるは、学術世界に相当せる笠法と称すべきなり。なんとなれば、論理の不明より生じ たる疑惑は、必ず論理の形式によりて天に訴うべき道理なるによる。これ、余が論理学の論式にもとづきて、笠 法を案出したるゆえんなり。       15  人、もしこの﹁新笠法﹂を通覧するときには、自然に論理学の骨子を知了するを得べし。ゆえに、これを論理 4

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      いつばん      ぜんぴよう 学入門と称するも可なり。すでにこれによりて論理学の一斑を知れば、進んでその学の全豹を知らんと欲し、       16       ことわざ       4 さらに進んで哲学の全体を知らんと欲するに至るべし。 諺に、   牛に引かれて善光寺参り とあるがごとく、この論法に引かれて、自然に哲学の都城に進入するものなしというべからず。されば、人をし て他日必ず、   ぜい   笠に引かれて哲学参り と唱えしむるに至ることあるべし。果たしてここに至らば、余が本望を達したるものなり。ゆえに、世の識者が これを見ていかなる笑評を加うるも、余があえて辞せざるところなり。  この﹁笈法﹂を読みて論理学を知らんと欲するものは、必ず論理書につきて講究すべし。その書の、現今民間 に行わるるもの数種あり。いずれにつきて講究するも可なり。よろしく書林の目録につきて検すべし。もし、初 学にして本書の解し難き場合には、哲学館発行の﹃通俗哲学講義録﹄を一覧するも可なり。この﹃講義録﹄中に     せいじ は、塚原︹政次︺学士の﹁論理学講義﹂を通俗に和解して、初学の自修に備えたるものあり。  余はさきに﹃妖怪学講義﹄を講述し、後に﹃妖怪学雑誌﹄を編集し、ともにすでに世に行われしが、これより        ほけつ さらに﹃妖怪叢書﹄を著して、以上両書の補閾となさんとす。今、この﹁麸法﹂をもって叢書第一編と定む。そ        じよう し の第二編は﹃天狗論﹄と題し、近日脱稿をまちて上梓すべし。ここに一言を添えて、そのことを予告するもの なり。

  明治三十四年十二月       著者誌

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哲学うらない

哲学うらない        第一段 笈 論       ぼくぜい  余が先年妖怪学を講述し、その中に、﹁今日世間に伝わるト笠、人相、家相等は、みな古人の妄想より出でて、 今日の学理に合せず、陳腐を極め、考うるに足らず、これに代うるに哲学的占法、学術的相法をもってせざるべ からず﹂と公言したれば、その後諸方より、哲学的占法につき余の考案を聞きたしとて、書簡を寄せらるる向き あり。余もひとたび己の愚見を発表したき心得なりしも、なにぶん多用に取り紛れ、今日までそのままに打ち捨 て置きしが、近ごろひまを得てその腹案を編述し、もって広く世間に告白することとなれり。       えきぜい  きばく   みくじ       かい  人相、家相は別問題として、ここにこれを除き、易笈、亀ト、御圏のごとき種々の占法を見るに、その魁たる ものは易笠なり。ゆえに、易麸にして陳腐なるを知らば、ほかの諸術の考うるに足らざるはむろんのことなるべ し。それ、易はシナ哲学の本源にして、その宇宙の玄理、万化の妙用を説くに当たりては、西洋哲学も三舎を避 くるほどの勢いなり。されど、これをト笈に応用して人事の吉凶禍福を予定するに至りては、古代の妄想と断ず るよりほかなし。ゆえに余は、易理を賛すると同時にト笠を排するものなり。  古来、和漢の学者が易を崇拝するのあまり、神人感通を信じ、↓般にト籏を許すに至りたれども、今日なおか かる迷信に恋々たるは、識者の笑いを免れず。されどまた、ト笈の人生に必要なる場合なきにあらざれば、これ       17        ぎ く     4 を全廃するも不可ならんか。その必要とはなんぞや。曰く、﹁人が事を処し理を判ずるに当たりては、疑催こも

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こもに至り、猶予自ら決するあたわざることあり。いかなる豪傑にても往々判断に苦しみ、なにほどの学者にて        18 もときどき疑惑を起こす場合すくなからず。かくのごとき場合には、運を天に決する必要あり。これ、世にト笠 4 の起こるゆえんにして、またその用あるゆえんなり﹂と。  易の書たるや、もと天運の理を明らかにし、人事の変を示したるものなれば、人の判断に迷い取捨に苦しむ場 合には、自然に易卦の上に可否を考うるに至り、聖賢もこれをもって天下を治むる要具となせしに相違なかるべ        えきぜい し。これまた、易笠の今日に伝わるゆえんなり。ゆえに易笠の用は、人の疑いを解き、惑いを決するにほかなら ず。換言すれば、運を天に決するものなり。しかして、これによりて未来の吉凶禍福を談ずるがごときは、けだ し、易の本意にあらざるべし。        きぼく       みくじ  運を天に決する法は、必ずしも易笠に限るにあらず、亀トにても可なり、御闇にても可なり。もっと簡便なる        まし       ぼく ものにては、銅貨を投げて表裏の出ずるを見、あるいは箸を立てて、その倒るる方を見てトするも可なり。され ど、あまり簡易なる法もしくは由来の正しからざるものにては、信仰の念起こらず、したがって決心を定むるこ と難きの不便あり。ゆえに、易のごときシナ哲学の玄妙を極め、かつ聖賢の称賛せるものにつきて、運命を判ず るに至りたるなり。       ひけつ  易はシナ哲学としては上乗に位し、その中に説くところ、実に宇宙の秘訣を開示せる点すくなからずといえど も、今日、西洋学のかくまで隆んなるに当たりては、疑いを解き理を判ずるに、易笠よりはなお一層勝りたるも のなきにあらず。そは、すなわち西洋哲学の中において求めざるべからず。これ、余が先年より哲学的占法を工 夫せるゆえんなり。かくして数月を経る間に、一つの新案を考出するに至れり。これを名づけて﹁哲学的籏法﹂

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哲学うらない または﹁哲学うらない﹂という。これに比するに、易笠のごときは陳腐にして、かつ、今日に適せざること自ら 知るべし。  哲学は易と異なりて、もっぱら精神思想の原理および作用を研究する学なり。ゆえに、古来これを解して思想 の学という。そのうち主として思想論理の作用を指示するもの、これを論理学という。すなわち、人の思想およ び論理は、すべて論理学にて指定せる規則によらざるはなし。しかして、人の理に迷い、事に惑うは、全く論理 に暗く思想の定まらざるによる。ゆえに、疑いを解き惑いを弁ずるには、論理学の規則に考うるをもって最も適 当なる方法となす。  およそ世の開明文化は、知識の進歩に出でざるはなし。しかして、知識の進歩は論理の発達なり。論理いよい よ明らかなれば、理として知れざるはなく、事として弁ぜざるなきのみならず、器械の工夫、工芸の発達に至る まで、みなその応用の結果ならざるはなし。学問、教育の目的も、要するに人の論理力を開発、養成するに帰 す。ゆえに、文明世界を名づけて論理世界と称するも可なり。古人は論理に暗きがゆえに種々の妄想をえがき、 疑惑を起こし、今人は論理に明らかなるをもって、妄想、疑惑の度を減ずるに至れり。されど、なお多少の疑惑 を有するは、今日の進歩上やむをえざることなれば、論理の方式をかりてその可否を判定するは、実に今日の学 術世界に相応せる一大方便なりと信ず。  論理の方式に論式と名つくるものあり。論式とは推論の方式を義とし、論理作用の規則をいう。この論式に正        えきぜい あり不正ありて、その正を可とし、その不正を否とす。これ、なお易笈の吉凶におけるがごとし。ゆえに余は、       19       4 この正不正によりて、事の可否、利害を判ぜんと欲す。もし、論式の本意よりいえば、かくのごとき笠法に当て

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はむべきものにあらざるも、己の力にて到底惑いを解き疑いを決することあたわざる場合には、これを易頷に考       20 うるよりも、論式に考うる方、大いに道理あることと信ず。ゆえに余は、この籏法をもって論理の本意といわず 4 して方便というなり。  人、あるいはこれを難じていわん、﹁論理のいわゆる論式は形式のみ。既定の論理をこの形式に当てはめ、そ の是非正邪を判ずるもののみ。しかるに、これを笠法に用うるは、ただに論理の本意にあらざるのみならず、全       さ  た く方角違いの沙汰なり﹂と。余、これに答えていわん、﹁易は天地万物の変化するゆえんを説きたるもののみ。 しかるに、これを笈法に用いて未来の吉凶を判ずるは、易の本意にあらざるのみならず、全く方角違いの沙汰な り﹂と。かかる方角違いのもの、なお世にいれられ人に信ぜらるるはなんぞや。けだし、今日の進歩、人知いま だまったからず、論理いまだ明らかざるをもって、人、往々疑惑を抱き、取捨に苦しむことあればなり。かかる 場合には、運を天に決するの必要より笈法の世に行わるるものとせば、これを易法に訴うるよりも論式に考えて 決する方、比較上、正当ならんと信ずるなり。ゆえにその要は、ただ運を天に決するの一方便とするのみ。  運を天に決するは、今日の進歩上、および人生の状態上、万やむをえざることなれども、一時の籏法によりて 一国、一家、↓身の、未然における吉凶禍福を予定するがごときは、大いにいわれなきことなり。世間、これに よりてきたすところの弊害、また必ず多からん。これ、易籏の世に害あるゆえんなり。ゆえに、その害を除かん と欲し、哲学的笠法を案出し、その用はただ人の百方工夫の末、到底、己の力にて決断取捨しあたわざる場合に 備うるもののみ。余、かつてこれを聞く。盲人は道の両岐に分かるるに会し、その右すべきか左すべきか明らか ならざる場合には、己の所持せる杖を投げ、その向かうところに行路を定むという。杖の用はもと道を指示する

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哲学うらない ためにあらざるも、万やむをえざる場合には、これによりて行路を判ずるもまた一方便なり。ゆえに、余が論式 を笈法に用うるは、盲人の杖におけるがごときのみ。決して、これによりて一国、一家、一身の、未然における 天幸、天災を予知するがごとき妄用をなすの意にあらざるなり。  論理学は諸学の根底となれる学問なれば、人文、人知の進歩に伴いて最も急要なる学科なり。古来、東洋の学       しんしん 術の進まざりしは、この学に暗きがゆえなりと断言しても不可なからん。これに反して西洋の騒々たるは、論理 応用の結果と解して可なり。ゆえに、わが国もその人の業務のいかんを問わず、いやしくも中等以上の教育を受 くるものは、論理の講究をゆるがせにすべからず。しかるに、論理は学び難くしてかつ記憶し難きは、学生の通        ぜいほう 患とするところなり。ゆえに、もし論理の一端を笠法に応用し、平常疑いを決し惑いを解くごとに、いちいち論 式を考定するに至らば、論理講究の一助となるは必然なり。これを易笠のなんらの実用なきに比すれば、そのま さること万々なりと知るべし。  されば、論式を笈法に用うるは一挙両得の策にして、古来凡百の占法に比するに、利ありて害なきものなるこ と明瞭なり。ゆえに余は、この笠法をもって文明世界に相当せる改良牌巫法といわんとす。しかれども、人これを 濫用するの恐れあれば、あらかじめ、その笠法に関する注意と心得とを挙げて示すべし。        うち      そと   一、事を処し物を断ずるに当たり、疑惑内に生じ猶予外に起こり、己の力にて取捨決行することあたわざる     場合に限り、この法につきて可否を考定すべし。   一、この法は、運を天に決する代わりに論式に訴うるものなれば、天に対する心得にて誠心誠意をもって考        21        4     定するを要す。

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 ↓、この法は、 時目前の疑いを解き惑いを決し、取捨を定め去就を判ずるにとどめ、決してこれによりて        22    未来永遠の吉凶禍福を予言するがごとき、妄想、迷信の具となすべからず。       4  一、この法は、一事に対し一回考定すれば足れりとす。再三考定するは、かえって疑惑を増すの恐れあれば    戒むべし。 この笠法によりて可否を考定せんと欲するものは、必ず右の心得を守るべし。       第一一段 笈 目  論理学のいわゆる論式は三個の命題より成り、命題は二個の名辞より成る。余はこれを麸法に応用するに当た       ぜいこん       ぜいあん       ぜいしき り、その名称を改めて名辞を笠根と呼び、命題を笈案と呼び、論式を笈式と呼ぶ。  笠根二個相合して笠案を成すに、上位にある笈根を上根と名づけ、下位にある笠根を下根と名つく。これを論 理学にては主辞、賓辞と名つくるなり。  笠案三個相合して笠式を成すに、第一位にあるものを初案と称し、第二位にあるものを中案と称し、第三位に あるものを終案と称す。あるいはまた、第一位、第二位を提案と称し、第三位を断案と称す。しかして、第一位 の提案を前提︵大提案︶といい、第二位の提案を後提︵小提案︶という。すなわち、前提は初案に同じく、後提 は中案に同じく、断案は終案に同じきなり。しかして、この提案、断案の名称は、論理学にて用うるところによ る。  前提、後提の二案は、必ずその間に連絡するところなかるべからず。ゆえに、両案の籏根のうち、一個は必ず

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哲学うらない 前後に通ずるを要す。すなわち、前提の上根と後提の上根もしくは下根と同一なるか、または前提の下根と後提 の上根もしくは下根と同一なるかを要するなり。かくして、一笠根の前後二案に通ずる必要あるより、両提案の 笠根は四個にあらずして、三個にて足ることと知るべし。この二案に通じたる笹根を中根と名づけ、前提に特殊 なる笠根を前根と名づけ、後提に特殊なる笠根を後根と名つく。すなわち、前根、中根、後根の三個をもって、 両提案を成すを知るべし。この三根を論理学にて、大名辞、中名辞、小名辞と名つくるなり。  断案は両提案を結合して成るものなれば、その上下両根は提案の前根、後根によりて成る。ゆえに、三個の笈 案を分解すれば、三個の笈根より成るを見るべし。  また、籏根に広狭二種あることを知らざるべからず。広根とは、麸根の意義全体を表顕する場合をいい、狭根 とは、その意義の一部分を表顕する場合をいう。その説明は論理学に譲りてこれを略す。         たいりよう  つぎに、笠案に太量、少量、陽性、陰性の四種あることを知らざるべからず。太旦是巫案とは、籏案の上根の 広根なる場合をいい、少量笹案とは、これに反して狭根なる場合をいう。また陽性笠案とは、上根と下根との連 絡を正面より表顕する場合をいい、陰性籏案とは、反面より表顕する場合をいう。その説明も論理学に譲る。  ここに笈案の種類を挙示すること、左のごとし。 423

(13)

 かくして、一笠案の太量にして陽性なるものを太陽笠案と名づけ、太量にして陰性なるものを太陰麸案と名づ

       24

け、少量にして陽性なるものを少陽笈案と名づけ、少量にして陰性なるものを少陰笠案と名つく。この四種は、 4 笠式を考定するに最も必要なるものなれば、さらにこれを開示すべし。  もし、数字をもって表するときは、一数を太陽の符号とし、二数を太陰の符号とし、三数を少陽の符号とし、 四数を少陰の符号とすることを記すべし。  この四種の各笠案につき麸根の広狭を異にすることは、後に参照を要する場合あるべきをもって、ここに表出 すること、左のごとし。 四 三 二 笠 、 、 、 、 案 少 少 太 太 簸 陰 陽 陰 陽 根 上 狭 狭 広 広 根 下 広 狭 広 狭 根

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 すなわち、太陽笠案にありては、上位は広根にして下位は狭根なり。太陰笠案にありては、上下両位とも広根 なり。少陰笠案にありては、上下両位とも狭根なり。少陰牌巫根にありては、上位は狭根にして下位は広根なり。 ゆえに、上下両根の広狭いかんによりて、笠案の何種たるを判知すべし。これ、論理学の定むるところに従うな り。 哲学うらない        第三段 笈 則  笠式は初、中、終三笠案、すなわち前後両提案と断案との三案より成ることは、前すでに述べたるがごとし。 この両提案と断案との関係を考定して、可否の判断を下すを﹁哲学うらない﹂と名つくるなり。これを考定する      ぜいいん  ぜいえん  ぜいか  ぜいへん  ぜいつう に当たり、籏因、笈縁、麸果、笠変、笠通等の名目あれども、その説明は後に譲り、ここに﹁哲学うらない﹂に       ぜいそく 要するところの規則を挙示すべし。これを笠則という。  笠則は論理学の規則にもとづきて定めたるものにして、その諸則を列挙すれば左のごとし。これを論理学にて は論式の規則と名つく。

第第第第第

五四三ニー

条条条条条

両提案ともに陰性笠案なる場合には、なんらの断案をも案出することあたわず。 提案において狭根なるものを、断案において広根ならしむるは不可なり。 中根は少なくとも一度は広根なるを要す。 各笠式は必ず三笠案︵初中終︶を有すべく、また三笠案に限るべし。 各笠式は必ず三↑巫根︵前中後︶を有すべく、また三笈根に限るべし。 425

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  第六条 一提案陰性たらば、断案は必ず陰性たるを要す。       26   第七条 両提案ともに陽性たらば、断案は必ず陽性たるを要す。       4   第八条 両提案ともに少量なる場合には、なんらの断案をも案出することあたわず。   第九条  提案少量ならば、断案は必ず少量なるを要す。  笠式の可否は、必ずこの規則に考えて決するものとす。もし、その各条の説明は論理学に譲りてこれを略す。  この笠則のほかに心得べき要目は、麸式の上に籏形と笈体との二種あることなり。籏形とは論理学のいわゆる 図式と名つくるものにして、両提案中の中根の位置を定むる方式をいう。この形に四様あり。これを第一形、第 二形、第三形、第四形と名つく。第一形は、中根が前提の上位と後提の下位とにある場合をいい、第二形は、中 根が前提の下位と後提の下位とにある場合をいい、第三形は、中根が前提の上位と後提の上位とにある場合をい い、第四形は、中根が前提の下位と後提の上位とにある場合をいう。今、これを左に表示すべし。ただし、その 表中、前は前根を表し、後は後根を表し、中は中根を表するなり。しかして、笠式は前根、中根、後根の三麸根 より成り、前提は前根、中根の二者より成り、後提は後根、中根の二者より成り、断案は前根、後根の二者より 成ることは、前に述ぶるところに照らして知るべし。    一、中根が前提の上位と後提の下位とにある場合。

  

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(16)

哲学うらない    二、中根が両提案の下位にある場合。

  

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   三、中根が両提案の上位にある場合。

  

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   四、中根が前提の下位と後提の上位とにある場合。

  

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 かくして、笠式を考定するには必ず笠形を定めて、中根の位置いずれにある︹か︺を明らかにするを要するな り。つぎに笠体とは、麸式を構成せる各笠案の性と量とを定むるをいう。性に陰陽の二種あり、量に太少の二種 あることは、前に述ぶるところによりて知るべし。  笠形に籏体を当てはむる場合に、中根および前後両根の、あるいは広根となり、あるいは狭根となることあ        27        4 り。例えば、第一形の前提に太陽麸案を当てはむれば、中根は広根となり、前根は狭根となる。もし、これに少

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陽籏案を当てはむれば、前根、中根とも狭根となる。しかるに論理学にありては、牌巫形の何種たるを問わず、一       28 笹式において二個の中根のうち、少なくも↓個は広根なるを要する規則あり。また提案において、前根なり後根 4 なり、いずれにても狭根なりしものを、断案にきたりて広根ならしむるは、論理学の禁ずるところなり。これに よりて、笠則第三条、第四条の生ずるゆえんを知るべし。  かくして笠式を考定するには、第一に笠形を定め、第二に笠体を定め、第三に九条の麸則に考えて可否を定む るなり。しかして、これを牌巫法に応用するに当たりては、さらにその麸式の上につきて、筑因、籏縁、笠果の関 係および変通を考定するを要す。そのつまびらかなるは、後に笈式、笈変、笈用を説明するときに譲る。        第四段 笠 法     ほん  りやく  笠法に本、略二種を分かち、本笠法はいちいち笈根を考えて籏案を作り、もって籏式を定むる方法をいい、 略麸法は笠根を見ずして、ただちに笹案を作り、もって笠式を定むる方法をいう。  籏根、笠案を作るには、碁石を用うるを便なりとす︵笈竹または碁石に類したるものを用うるも可なり︶。こ れを仮に笠石と名つく。その数およそ七、八十個の笠石を、片手をもって無意偶然に握り取り、その数を算し て、前に述ぶるところの籏形および笠体を定むるなり。  まず、笠形を定むる法は、笠石を一握して、これを四個ずつにかぞえ、その残数一個なるときは第一形と定 め、二個なるときは第二形と定め、三個なるときは第三形と定め、残数全くなきときは第四形と定むるなり。こ の法は、本、略両牌巫法に通ず。

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哲’学うらない  つぎに、笠体を定むる法は、本笈法と略笈法と同じからず。まず本笠法においては、笈石をもって麸根を作 り、笠根に考えて笹案を定むるなり。その法は笠石を一握し、これを二個ずつにかぞえ、その残数をもって麸根 の数と定む。かくのごとくすること、第一回より四回に及ぶ。第一回の残数は前提の上根の数とし、第二回の残 数はその下根の数とし、第三回の残数は後提の上根の数とし、第四回の残数はその下根の数とするなり。今、仮 にその残数を、順次に二と一と、一と二とに定むれば、左のごとくなるべし。   二ー一 ︵前提︶   一ー二︵後提︶  ここにおいて、各提案の籏根の数を、笠案の量と性とに配合せざるべからず。すなわち、両提案の上根の数を もって量を定め、下根の数をもって性を定むるなり。しかして、量の方は少量を一とし、太量を二とし、性の方 は陽性を一とし、陰性を二とす。ゆえに、前表の前提︵二 一︶は太陽笠案に当たり、後提︵一ー二︶は少陰笹 案に当たるを知るべし。左にその配合表を掲ぐ。   二  一  太陽箪案    二  二ー太陰麸案   一  一  少陽笠案    一  二ー少陰籏案  この表に照らして麸案の種類を定むべし。かくして両提案すでに定むれば、これを笠形に考えて断案を作るこ とを得るなり。  つぎに、略笠法において笠体を定むるには、まず笠石を一握し、これを四個ずつにかぞえ、残数一ならば太陽       捌 笠案とし、二ならば太陰笠案とし、三ならば少陽笠案とし、もし残数全くなきときは、その数を四と見て、これ

(19)

を少陰籏案とするなり。       30  かくして、はじめに前提を定め、つぎに後提を定め、すでに両提案を考定したる後に断案を案出し、初めて笠 4 式を成すなり。しかるに、両提案の状態により、断案を結成し得ざることあり。かくのごとき場合には、不完な る笈式を成す。ゆえに、これを不正式と名つく。これに対して、完全なる笈式を正式と名つく。この正式、不正 式の組織法および断案案出法は、後に↑巫式を詳述するときに説明すべし。また、正式に籏通式あり、不正式に笈 変式あることも、後に籏変、笠用を挙示するときに譲る。  前述の本笠法は事の重大なるときに用い、略笈法は重大ならざるときに用うるを常法とす。ゆえに、普通の場 合には略麸法にて足るものと心得べし。        第五段 笈 器       ぜいき  およそ笠法を行うに要するところの器具あり。これを↑巫器と名つく。その器に三種あり。笠机、籏石、麸木な り。笈机は笠石、笠木をその上に置き、かつ、これに対して籏法を行うものなり。これ、別に一定せる机を用う るに及ばず、よろしく普通の机を用うべし。笈石は前に指示せるごとく、碁石もしくはこれに類するものを用 い、その数五十個以上百個までをよしとす。籏木のことは前にいまだ述べざるところなれば、ここにその用法を 説明せざるべからず。  前段の笈法につきて断案を案出し、笠式を構成するには、笠木をもって笹根、↑巫案の数を表記する必要あり。 笠木には大、中、小の三種を分かち、大五個、中三個、小四個、都合十二個あるを要す。その形は柱形にして、

(20)

哲学うらない 易笠に用うる算木のごとし。大、中、小三柱ともに、その幅八分角にして、大柱の方は長さ三寸二分、中柱の方 は長さ二寸四分、小柱の方は長さ一寸六分とす。  大柱は笠案を表記するために用うるものにして、総計五個あるを要し、そのうちの四個は各前面に、    θ太陽麸案  背面に    O太陰笈案  右面に    ◎少陽笠案  左面に    ㊧少陰籏案 と記入し、はじめに前提を考定して太陰笠案○を得れば、一個の籏木を取りて、その背面を示しおくべし。つぎ に、後提を考定して少陽笠案㊤を得れば、さらに一個の笠木を取りて、その右面を示しおくべし。つぎに、前後 両提案より断案を案出して少陰麸案⑲を得れば、さらに一個の笠木を取りて、その左面を示しおくべし。なお、 余りたる一個は笠変、笠通の場合にその用あり。また、別に残りたる一個は四面ともに文字を記入せずして、不 正式の断案を欠きたる場合に用うるなり。中柱はその数三個あるを要す。その第一は笈形の数を表記するために 用うるものなれば、その各面へ横に第一形、第二形、第三形、第四形と記入し、笹形を算定して例えば二の数を        31 得れば、第二形の面を出しおくべし。       4

(21)

 笠形は最初に定むるものなれば、その箪木を首位に置き、その下に順次に笠案を表示せる笠木を置き、 笠式の形体を完成するものとす。余、前掲の例を麸形に加えて示すこと、左のごとし。

第二形

○太陰笠案

○少陽籏案

⑲少陰籏案

もって 432  中柱の第二は麸変を表記するために用うるものなれば、その各面へ横に陽変陰、陰変陽、少変太、太変少と記 入し、笠変ある場合にはこの柱を大柱の下に置き、その籏変に相当せる面を示すべし。  中柱の第三は頷通を表記するために用うるものなれば、その各面へ横に陽通陰、陰通陽、少通太、太通少と記 入し、笠通ある場合にはこの柱を大柱の下に置き、その籏通に相当せる面を示すべし。  前図の笠式は量の変通によりて笠通を有するものなれば、少通太の面をもって表示せざるべからず。その図、 香 弟 形

○太陰笠案

⑲少陰篭案

筑通式

◎太陰笈案

○太陰笠案

(22)

哲学うらない 右のごとし。  小柱は本案法を行うに当たり、 し、その各個の各面に、 前後両提案の麸根の数を表記するために用うるものなれば、総数四個あるを要

[[目[川因

と記入しおくべし。例えば、本麸法において提案を定むるに、麸石を算して第一回に残数二を得れば、一個の小 柱を取りて同因﹂の面を出しおき、第二回にまた残数二を得れば、さらに石の小柱を取りて[圏の面を 出しおくべし。これを合して前提とす。すなわち、その式の前提は太陰笠案と定むるなり。第三回には残数一を 得れば、別に一個の小柱を取りて[日回の面を出しおき、第四回にまた残数一を得れば、さらに一個の小柱を 取りて﹁園の面を出しおくべし。これを合して後提とす。すなわち、その式の後提は少陽筆と定むるな り。かくして前後両提案を考定すれば、小柱を除き去り、その代わりに大柱を取りて、これに相当せる面を出し おくべし。その図、左のごとし。

[因﹁圏

[∪[圏

しかして、 すなわち

○太陰笠案

θ少陽笠案

      認 各提案の笈根を定むるに、はじめに太少の量を定め、後に陰陽の性を定むることは、前にすでに指

(23)

示せるところなり。  この小柱は本笠法を行うに用ありて、略笠法を行うに用なきも、笈変式および笈通式に本変両式を対照して表 記せんとするときには、小柱を用いざるべからず。その用法を前掲の笹通式に配合して示すこと、左のごとし。 ltfir 弟 形 434

○太陰笠案

○太陽笠案

○太陰笠案

 もし、笠変式の場合における一例を示さば、例えば、第一形の下にて前提は太陽笠案、後提は少陰籏案にし て、断案を欠きたるものが、笠変によりて後提は少陽笠案となり、断案もまた少陽笠案となりたる場合には、笹 木の配置、左表のごとくなるべし。

θ太陽笠案

○少陽麸案

◎少陽笈案

すべて笈法を行うには、以上のごとき笠木を備うるを要するも、もし笠木なき場合には、紙筆をもっていちい

(24)

哲学うらない ちその上に記入するも可なり。かくして、笠法を行わんとするものは必ず笠机に向かい、その上の右方に笠石を        ひたい 置き、左方に笠木を置き、右手にて無意偶然に笈石を一握し、その手を額にあて、閉眼黙思して、天に対し神 に向かうがごとく、身心ともに恭敬の儀容を示し、慎重の態度を取り、誠心誠意をもって行わざるべからず。笈 形を定むるにも、麸体を定むるにも、本笠法を行うにも、略笠法を行うにも、麸石を握るごとに、必ず右のごと き閉眼黙思、恭敬慎重を要するなり。  左に麸石、笠木を机上に配置する図を示すべし。 机 右方︵笈石︶ 上位 下位 左方︵笠木︶  かくして、一握したる麸石をかぞうるときには、これを机の下位に置きてなすべし。また、 定めたるときは、順次にこれに相当せる笹木を左方より取りて、これを上位に置くべし。       第六段 笈 式 麸式を組成せる各↑巫案に、太陽、 太陰、少陽、 笠形および笠体を       35        よう          少陰の四種あれば、前後両提案を合するときは、十六様の提案

(25)

式を生ずる理なり。今、 を表示すること、左のごとし。      第]列  一1一      第二列  二ー一      第三列  三−一      第四列  四i   第一列は太陽を前提としたる場合、 したる場合をいう。表中一ー一は、 これに準ず。      よシつ  この十六様の形式につき、これを笈則に照らすに、断案を案出すべからざるもの七種あり。すなわち、二ー 二、二i四、四ー二、四ー四の四種は、笠則第五条によりて、頷式を成すあたわず。また、三−三、三ー四、四 ー三の三種は、笹則第八条によりて、笠式を成すあたわず。ゆえに、この七種を除去すれば、断案を考定して笈 式を完成し得べきもの、左の九種あるのみ。   一ー一  一ー二  一ー三  一ー四  二ー一  二ー三  三ー一  三−二  四ー一  つぎに、この九種を笈形に考えて、正式を成すやいなやを判定せざるべからず。     第一形︵中根が前提の上位と後提の下位とにある場合︶  まず、これを第一形に考うるに、一 一の提案よりは、一または三の断案を案出するを得るも、二または四の 符号をもって太陽を↓とし、太陰を二とし、少陽を三とし、少陰を四とし、十六様の形    ︵以下、麸案の性と量とは、みな数の符号をもって表示するものと知るべし︶     一ー二  一ー三  一ー四     二ー二  二ー三  ニー四     三ー二  三ー三  三ー四     四−二  四ー三  四 四       第二列は太陰を前提としたる場合、第三列は少陽、第四列は少陰を前提と      上位の一は前提を表し、下位の一は後提を表するものと知るべし。余はみな 436

(26)

哲学うらない 断案は、笠則第七条によりて不成立となる。つぎに一 二の提案よりは、笠則第六条および第四条により、なん らの断案をも案出するを得ず。つぎに一ー三の提案よりは、籏則第七条および第九条により、三の断案を得べ し。つぎに一−四の提案よりは、笠則第六条、第九条および第四条により、なんらの断案をも案出することあた わず。つぎに二ー]の提案より、二または四の断案を得べし。一または三の断案は、笠則第六条の許さざるとこ ろなり。つぎにニー三の提案より、四の断案を得、その他の断案は笈則第六条、第九条の禁ずるところなり。つ ぎに三−一の提案よりは、笠則第七条、第九条および第四条により、なんらの断案をも得ることあたわず。つぎ に三−二も、第六、第九両条によりて不成立なり。つぎに四ー]よりも、笠則第三条により、断案を考定するあ たわず。  ゆえに、第 形の下に成立し得る笠式は左の四式なり。   一1一 一  一i三ー三  ニー一 二  二 三 四  そのほか、一1一 三および二ー一ー四の二式も成立し得るも、右表の第 式と第三式との中に含蓄せらるる ものとす。     第二形︵中根が両提案の下位にある場合︶  つぎに、第二形の上に考うるに、まず一ー一の提案よりは、第三条の笈則により、なんらの断案を見るあたわ ず。一 二の提案よりは、第六則により、二または四の断案を作ることを得。↓ー三よりは、第三則により、断 案を引くあたわず。一ー四の提案よりは、第六則および第九則により、四の断案を得べし。二 一の提案より は、第六則により、二または四の断案を得るなり。つぎに二ー三よりは、第六則および第九則により、四の断案 437

(27)

を得べし。三ー一の提案よりは、第三則により、なんらの断案を結ぶあたわず。三ー二および四ー一よりは、第       38 六則、第九則および第四則により、いかなる断案をも案出すべからず。ゆえに、第二形より得るところは、左の 4 四式のみ。

   ー二ー二 一四四 ニー一1二 二ー三ー四

 そのほか、一1二 四および二 一1四の二式あれども、右表の第一式と第三式の中に含蓄せらるるものと す。     第三形︵中根が両提案の上位にある場合︶  つぎに、第三形の上に考うるに、まず↓ー一の提案よりは、第七則および第四則により、三の断案を結ぶを 得。一−二の提案よりは、第六則および第四則により、なんらの断案を見るあたわず。一ー三の提案よりは、第 七則および第九則により、三の断案を得べし。↓ー四よりは、第六、第四両則により、なんらの断案を結ぶあた わず。二ー一よりは、第六、第四両則により、四の断案を案出するを得。二ー三よりは、第六、第九両則によ り、四の断案を構成するを得。三ー一よりは、第七、第九両則により、三の断案を考定するを得。三−二より は、第六、第九、第四の三則により、なんらの断案をも作るあたわず。四1一よりは、第六、第九両則により、 四の断案を成すを得るなり。ゆえに、第三形の下にて成立する笠式は、左の六種なりとす。

  一ー一ー三  ー三ー三 二ー一ー四 二三四 三1↓1三 四−一i四

    第四形︵中根が前提の下位と後提の上位とにある場合︶  つぎに、第四形の上に考うるに、まず一−一の提案よりは、第七則および第四則により、三の断案を案出する

(28)

哲学うらない を得。一ー二よりは、第六則により、二または四の断案を得べし。一1三および一ー四よりは、第三則により、 なんらの断案を見るあたわず。二ー一よりは、第六、第四両則により、四の断案を得。二 三よりは、第六、第 九両則により、同じく四の断案を得。三ー一よりは、第七、第九両則により、三の断案を得べし。三−二および 四 一よりは、第六、第四両則により、なんらの断案をも考定するあたわず。ゆえに、第四形における正確なる 笹式は、左の五種なりとす。

  一ー一ー三 一ーニー二二一四二ー三ー四三ー一ー三

 そのほか正式の中に算すべきものは、一ー二ー四の一式なるも、こは右表の第二式中に含蓄せらるるものと す。  以上四種の笠形に照らして断案を構成し得たる正確なる笠式は、第 形の下に四式、第二形の下に四式、第三 形の下に六式、第四形の下に五式ありて、総計十九式なり。今、さらに一覧の便を計り、全表を作りて挙示する こと、左のごとし。   第一形四種  一ー一ー一、一ー三i三、二ー一ー二、ニー三ー四   第二形四種  一ー二 二、一ー四ー四、二ー一ー二、二ー三ー四   第三形六種  一ー一ー三、一 三1三、二ー一ー四、二ー三ー四、三ー一 三、四1一−四   第四形五種  一ー一ー三、一ー二ー二、二ー一ー四、二 三−四、三ー一ー三  この正式をいちいち笈則に考えて、その正確なるゆえんを証明するは、論理学の書に譲る。 439

(29)

      第七段 笈 変       よう      40  提案の種類は、各提案に太陽、太陰、少陽、少陰の四様ありて、両提案を合する場合には都合十六様あること 4 は、前段のはじめに述べたるがごとし。もし、これを四種の笠形に当てはむれば、総計六十四種ある割合なり。 しかるに、そのうち正確なる笹式すなわち正式はわずかに十九種とすれば、他の四十五種はみな不正確、不完全 なるものたるを知るべし。この四十五種中、四種の笠形に通して不正確なるもの七種あり。その他は、各種の笠 形に限りて特別に不正確なるものなり。これを総じて不正式と名つく。今左に、通別を分かちたる全表を挙示す べし。     第一形の下にある不正式十二種   ︵通︶二ー二、二ー四、三三、三ー四、四ー二、四三、四四   ︵別︶ ↓ー二、一ー四、三ー一、三ー二、四ー一     第二形の下にある不正式十二種   ︵通︶ 二ー二、二 四、三ー三、三ー四、四 二、四ー三、四ー四   ︵別︶ 一−一、一−三、三−一、三 二、四−一     第三形の下にある不正式十種   ︵通︶ 二ー二、二ー四、三−三、三−四、四ー二、四ー三、四ー四   ︵別︶ 一ー二、一−四、三 二     第四形の下にある不正式十一種

(30)

哲学うらない   ︵通︶ 二ー二、二ー四、三ー三、三ー四、四ー二、四 三、四 四   ︵別︶ 一ー三、一ー四、三ー二、四ー一  すなわち、総計四十五種なり。この四十五種は、論理学の方にありては、全く不正確のものとして除去すれど も、これを麸法に応用するに当たりては、その間に変通を考定して、これを正式に転換する法あり。これを麸変 と名つく。この麸変を知るには、笹因、笈縁、笠果の三種あることを知らざるべからず。︵論理学にて古来用う る一定の転換法あれども、その法を笈式に応用するときは、笈形に変動を与うるをもって、麸法の場合に適せ ず。よって余は、別に一種の転換法を案出せり。ただし、論理学の転換法も全くその用なきにあらざれば、後に 笠転を説明するときにその用法を示すべし︶  笈式を笠法に応用するときは、各笈案に因、縁、果の名目を付し、もって笠の用を明らかにする必要あり。す なわち、前提を笠因と名づけ、後提を麸縁と名づけ、断案を笠果と名つく。けだし笠法の目的は、運を天に決す るゆえんを指示するにあれば、論理の形式の上に天運の向背変通を見て、事の可否、吉凶を判知するものなり。 ゆえに、論理の方にて正不正は、笠法の方にて可不可︵吉凶︶となることを知るべし。かつ、天運は人力、人意 をもって動かすべからざるものなるも、なおそのいくぶんかは、人力、人意をもって左右し得るものなることを 知らざるべからず。かくして、その左右し得る点につきて、なるべく不可なるものも可に変じ、不吉なるものも 吉に変ずるは、すなわち笈変の目的とするところなり。  一麸式につき、笈因︵前提︶は天運既定の位にして、動かすべからざるものと定む。笠縁︵後提︶は天運の今 すでに定まらんとする場合にして、多少左右し得るものとなす。笠果は天運のいまだ定まらざる場合にして、因 441

(31)

と縁との事情によりて定まるものとなす。        42  ゆえに、前掲の四十五種の不正式は、笹因、籏縁ともに定まれりと見て、その果の不可、不吉を予定したるも 4 のなれども、もし、笠縁の上にいくぶんの変通を考えて、天運の上に多少の変動を見る場合には、笠果の上に成 功を示すことなきにあらず。ゆえに、これより笠縁の性もしくは量を変じて、麸果の上にいかなる変動あるかを 見んと欲す。  笠変を考定するには、あらかじめ左の規則を心得おかざるべからず。   ︵一︶ 笠因すなわち前提は、天運既定の位なれば、その性もその量も、決して変換すべからず。   ︵二︶ 笠縁すなわち後提は、天運既定と未定との間にある場合なれば、笠果において不可、不吉を得たると      きに限り、その性もしくは量を変換して、笠果の可否を見ることを得。ただし、性と量とを同時に変      換すべからず。  この規則によりて、四十五種の不正式の可否を考定すべし。     第一形   ︵通︶ 第一の二ー二は、その性を変じて二ー一とすれば、二の断案を引くことを得。第二のニー四は、その      性を変じて二ー三とすれば、四の断案を結ぶことを得。第三の三ー三、第四の三ー四、ないし第七の      四ー四は、性を変ずるも、または量を変ずるも、断案を考定するあたわず。   ︵別︶ 第一の一−二は、その性を変じて一1一とすれば、一の断案を得べし。第二の一ー四は、その性を変      じて一⊥二とすれば、三の断案を得べし。その他、三ー一、三ー二、四ー はとうてい不可能なり。

(32)

哲学うらない   第二形 ︵通︶ 二ー二および二ー四は、その性を変じてニー一および二ー三とすれば、前者は二の断案、後者は四の    断案を結ぶことを得べし。三ー三、三ー四、四 二、四⊥二、四ー四はみな不可能なり。 ︵別︶ 一ー一および一−三は、その性を変じて ー二および 1四とすれば、前者は二の断案、後者は四の    断案を結ぶことを得。その他はみな不可能なり。   第三形 ︵通︶ 第一の二ー二、第二のニー四は、その性を変じて二 一および二ー三とすれば、二者ともに四の断案    を得、第三の三 三は、その量を変じて三−一とすれば、三の断案を得べし。第四の三ー四は不可能    なり。第五の四 二は、その性を変じて四1↓となし、第六の四ー三は、その量を変じて四ー一とな    さば、ともに四の断案を得べし。第五の四1四は不可能なり。 ︵別︶ 一ー二、一ー四、三ー二は、その性を変じて一ー一、一1三、三−一とすれぼ、おのおの三の断案を    見るに至るべし。   第四形 ︵通︶ 第一の二ー二および第二の二ー四は、その性を変じてニー一および二ー三とすれば、二者ともに四の    断案を結ぶことを得べし。第三の三ー三は、その量を変じて三ー とすれば、三の断案を得べし。そ    の他の四種は不可能なり。       43 ︵別︶ 第一の一ー三および第二の一ー四は、その量を変じて一1一および]ー二とすれば、前者は三、後者 4

(33)

  は二の断案を得べし。第三の三ー二は、その性を変じて三1↓とすれば、三の断案を得べし。第四の

  四ー一は不可能なり。

以上、四種の笠形につき、笈変の状態を考定したる結果を、表を作りて示さば、左のごとし。

念︰二三⋮羅∵四 鱗い三∴

∴≡︰三拶四二⋮∵

44 4

(34)

 これを要するに、麸式総計六十四種のうち、正式十九種、変式二十二種、不変式二十三種となる。その表、左 のごとし。 牌巫

ト籠詩︷⋮≒“

哲学うらない

      第八段笠 用

 これより、まさしく笠法を実際に応用して、 を改めて、笹因、笈縁、笈果の語を用うべし。

  

@ 

髄U⋮÷式

可否、吉凶を判定せんとするに当たり、第一に提案、断案の名目 445

(35)

 そのうち、笈因は天運の既定せる位にして、人力のいかんともすべからざるものとし、笠果は天運のいまだ定       46 まらざる位にして、今よりそのいかように定まるかを見るものとし、麸縁は天運の既定、未定の間にありて、多 4 少人力をもって左右し得るものとす。その理は、前段においてすでに一言せしところなり。  笈式中の正式は笠果を見ることを得るものなれば、天運の命ずるところにより、成功あるものと断定し、これ を可とし、利とし、吉とするなり。不正式はこれに反して成功なきものと断定し、これを不可、不利、不吉とす るなり。  そのうち、変式は人力の作用、笈縁の変更によりて、不可を変じて可とし、不利、不吉を変じて利とし、吉と       ひつじよう することを得るものとし、不変式はその結果動かすべからざるものにして、不可、不利、不吉の必定せるもの とするなり。  麸式の上に可否、利害、吉凶を判ずるには、正式は笠果の上においてし、不正式は麸果を見ることあたわざる        ひつきよう ものなれば、籏因の上においてす。そのゆえは、不正式の笠果を結ぶことあたわざるは、畢寛するに、籏因の 中に既定せる不可、不利、不吉の原因ありてしかるものと断定するによる。  しかれども、笈縁もこれと全く関係なきにあらざれば、笈因の不可、不利、不吉なるものが、笈縁のいかんに よりて、軽重加減することありと知るべし。もし、変式の場合においては、ただちに笈果の上に成功のいかんを 判知するを得るなり。  かくして判断を下すに当たり、多少の語弊を免れざるも、従来の慣例に従い、可なる方はすべて吉と呼び、不 可なる方はすべて凶と称すべし。かく余が可否の代わりに吉凶の語を用うるも、ただ疑を定め事を決するに当た

(36)

哲学うらない       ぼくぜい り、その一事のなすべきか、なすべからざるかにつきて可否を示すまでにて、決して世間のト笠のごとく、これ によりて一身、一家、一国の万般の上につき、将来における天幸天災を予言するの意にあらざることを記せざる べからず。  また、笹因および笠果に性と量との別あれば、吉凶の方にもこの別を示す必要あり。よって、太量、少量は大 吉、小吉、大凶、小凶をもって示し、陽性、陰性は上吉、下吉、上凶、下凶をもって示さんと欲す。しかしてそ の大小は、吉凶につきて、分量の多寡、事柄の大小、軽重等を意味し、上下は吉凶につきて、性質の良不良、品 位の高下等を意味するものと知るべし。  正式および変式にありては、麸果の上にて吉の大小、上下を判じ、不正式にありては、笠因の上に凶の大小、 上下を判ずるに、麸案の種類に応じて、左のごとき判語を用うるなり。

  

@ 

@太

z亙師共鴎太陰亙師顯鴎

  

@ 

@少

」西蕊少陰亙牌誘

 この判語は、不正式の場合には笈因の性と量とを見て定むるも、なお、麸縁のこれに加わりて多少の変動を現 ずる理なれば、笈縁の量に軽重を分かち、性に明暗を分かちて、笠因の上に加減するところあるを知らしめんと 欲す。       47

 すなわち、      4

(37)

       ぜいひよう  かくして、後に笈表の下に至り、この四種の判語を笈因の凶の大小、上下に添えて、笠縁の影響いかんを示 さんとす。ただし、このことは不正式の場合に限るものと知るべし。  上述のごとく、笠因および笈果の上に性の陰陽、量の太小を考定する必要あるのみならず、麸変の場合には笈 縁の性と量とを考察して、これを変換する必要あれば、左にさらに性と量との比較表を掲げて、その別を詳記明 示するを要するなり。

  

@ 

@性

レ11㌶㌶誘鯛樋鷲杜︰甦鷲

  

@ 

@量{

│杜︰誘虻懸駆甦三纂︰横鷲

 この表に考えて、笹変の場合に、あるいは陽性を変じて陰性となし、陰性を変じて陽性となし、あるいは太量 を変じて少量となし、少量を変じて太量となすには、いかなる方針を取るべきやを判知すべし。例えば、笠縁の 上に陽性を変じて陰性となさんとするときは、もし、方位につきていわば、最初南せんと欲するものは、北に方 向を変ぜざるべからず︵あるいは、最初北せんと欲するものは、南に方向を変ずるも可なり︶。もしまた、年月

(38)

哲学うらない につきていわば、春夏の間になすべきことは、秋冬の間に移さざるべからず︵あるいは、最初秋冬の間になさん と定めたる場合には、これを変じて春夏の間に移すも可なり︶。もしまた、事業につきていわば、進取せんとす ることは、退守するようにせざるべからず。その他は前表に照らして考定すべし。これに反して、麸縁の上に陰 性を変じて陽性となさんとするときは、正しく前例の反対を取るべし。つぎに、笈縁の上に少量を変じて太量と なさんとするときは、もし、方位につきていわば、近きに行かんとするものは、遠きに行かざるべからず︵ある いは、最初遠きに行かんとしたる場合には、これを変じて近きに行くも可なり︶。もし、年月につきていわば、 急速になさんとすることは、時日を延遷するようにすべし︵あるいは、最初延遷せんと思いたる場合には、急速 に行うも可なり︶。もしまた、事業につきていわば、小事を捨てて大事を取らざるべからず。その他は前表に考 えて推知すべし。  右は、変式につきて麸縁を変換せしむる事例を示したるものなり。しかるに、正式の上にも笈果の陰性を変じ て陽性となし、少量を変じて太量となさんと欲するときは、笠縁の変通を考定することを得べし。すなわち、麸 縁の上の性もしくは量を動かして、他の正式に合することと合せざることとあり。その合する場合を笠通と名つ く。  もし、笠通を行わんと欲するときは、笠変と同 の方法を取らざるべからず。しかして、麸変と笹通との二者 を混同せざるを要す。すなわち、笠変は変式の上に限り、笠通は正式の上に限るものなり。また、笠変によりて 得たる笠式を、さらに麸通によりて変換せんとするは、笈法の許さざるところなり。 449

(39)

       第九段 笈 表       50  これより四形六十四式の全表を掲げて、いちいちその変通、吉凶を指示すべし。左の表中、第一列は一をもっ 4 て始まりたる籏式を列挙し、第二列は二をもって始まりたるもの、第三列は三、第四列は四をもって始まりたる 笈式を列挙するなり。  左表中、笠変を示すときに、陽変陰、あるいは少変太とあるは、麸縁の陽性を変じて陰性となし、少量を変じ て太量となすの意なり。また、笈通を示すときに、陰通陽、あるいは少通太とあるは、笠縁の陰性をして陽性に 通ぜしめ、少量をして太量に通ぜしむるの意なり。余はみなこれに準知すべし。左に籏変、籏通の全表を掲ぐ。  笈表の上に正式中の笹通を有するものは、特にそのことを指示する必要あれども、笠果の陰性なるものを陽性 とし、少量なるものを太量とする場合をもって足れりとす。これに反して、笠果の陽性を陰性とし、太量を少量

(40)

哲学うらない とするは、実際上、人の望むところにあらざれば、笠表中にこれを略するを知るべし。 第一形諸式 第一列 第二列 一ー一、その果一︵太陽︶上大吉

二、上亘建鳴賢上↑ポ

丁三、その果三少陽︶上小吉蕊㍉工杜ボ︶∴㍉

茜上大⊥舞講ボ亮。

二ー一、その果二︵太陰︶下大吉

二二、下大⊥竃議腎亡

二=﹁その果四︵少陰︶下小吉蕊﹄談噺ゴ。

〒三大凶︷狸㌔麗⊆。

451

(41)

∴蓮繍⋮

452 第二形諸式          第          列

エ、上大⊥竃還賢聡

一ー二、その果二︵太陰︶下大吉

丁三大凶狸㌔ぎ下⋮ 。

  四、その果四︵少陰︶下小吉

(42)

哲学うらない    二ー一、その果二︵太陰︶下大吉

  

@〒二、下大⊥竃講学 堅。

第二列

  

@二三その果四︵少陰︶下小士∴唖↑つ詳 [↑ 。

  

@二三大⊥狸㌔ぎ口に=

∴訓  

∴禰  

453

(43)

  第三形諸式

∴蛭三麟∵一﹄

∴ 三  ︰

(44)

哲学うらない 第三列 第四列 三ー 、その果三︵少陽︶上小吉

三⊥、上⊥舞運ボ 二引↑ 。

三三上小凶︷纏霊壁一㌍ボ

三ー四、上小凶︵軽暗︶ 四ー一、その果四︵少陰︶下小吉

四−二、下小⊥竃鶏㍉主

四三下小凶爲甦鰐竪

四ー四、下小凶︵軽暗︶ 455

(45)

第四形諸式 第↓列

こ、その果三少陽︶上小吉︷罐㌔⊇学註。

    筈     司       1          一 一−二、その果二︵太陰︶下大吉

丁三大⊥竃議ボ︶に一。

西上大凶纏竃麓⊆。

    その果四︵少陰︶下小吉

二三下大⊥篭㌔賢㏄一。

ニー三、その果四︵少陰︶下小吉

二占下大⊥狸㌔鰹⊆。

456

(46)

第三列

 第

 四

 列

一 一

四四四四三

ll[ll

四三ニー四

、   、   、   、   、 三ー一、その果三︵少陽︶上小吉

=三、上⊥曇ヨ賢二い 。

三三上小凶狸竃霞一ボポ

    上小凶︵軽暗︶     下小凶︵重明︶    下小凶︵重暗︶    下小凶︵軽明︶    下小凶︵軽暗︶ 哲学うらない       第一〇段 笈 転  すでに笈式、麸用、麸表を挙示したれば、笠法を行い可否を判ずるに、なんらの不都合なかるべし。ゆえに、 笠法の説明はここに終結を告ぐることとなす。しかるに、また一事をなすに当たり、己の代わりに他人をしてそ のことをなさしむる場合あり、かかる場合の可否も考定せざるべからず。例えば、前述の笠法につき、己自ら一 事をなさんとするに当たり、これを考定して不可、不利、不吉なる結果を得たる場合に、他人をして己に代わり        掴 て同一事をなさしめてはいかんを考定せんと欲することあり。そのときには、別に笠式を作りて結果を案出する

(47)

       ぜいてん に及ばず、一の笈形を他の笠形に変転して、可否を判断することを得。ここにこれを笠転と名づけて、籏変、笠       58 通に区別するなり。すなわち、笠変、笠通は一定の↑巫形の下に変通あるものをいい、笹転は二種の笠形の間に変 4 通あるものをいうの別あり。       き  し  笹形は麸体を定むる基趾なれば、決して動かすべからざるものなれども、提案の性質を失わずして転換し得る 場合には、笈形の上に変動を与うるも論理学の許すところにして、笈則の禁ぜざるところなり。しかれども、一 人の身にして籏形を変ずるは笠法の許さざるところなれば、他人をして代理せしむる場合に限り、牌巫転の上に可 否を考定するも差し支えなかるべし。笠案の転換法は論理学の規定せるところなるも、その規則によらば、笠形 の上に変動を与うるをもって、さきに笠変、笠通を見る場合には、別に笠縁の上に性と量とを転換する法を案出 し、これによりて考定したるも、笠転の場合には、論理学の転換法を応用するを最も適当なりと信ずるなり。た だ、その法を天運既定の笠因の上に施すは、正しく判定せんとする事件の変更せざる限りは、笠法の許さざると ころなり。ゆえに、これを籏縁の上に応用せんと欲するなり。       こう  論理学の転換法は、四種の笈案につき、毫もその性質を変ぜずして、上根、下根を転置する方法をいう。これ に二様あり。その一を制限転換法と名づけ、その二を単純転換法と名つく。制限転換法とは、笹根の上にある制 限を与えて、従来広根なる上根を狭根に変ずるがごとき場合をいい、単純転換法とは、なんらの制限を付せずし て、ただちに下根を上根に転置する場合をいう。その転換の規則二条あり。すなわち左のごとし。その条中、可 転笈案とは、まさに転換を行わんとする麸案をいい、被転笠案とは、すでに転換せられたるものをいう。   一、可転笠案において狭根なる麸根を、被転麸案において広根ならしむべからざること。

(48)

哲学うらない   二、笠案の性を変じて陽性を陰性とし、あるいは陰性を陽性とすべからざること。  この規則にもとづきて転換法を行うに、太陽笠案は、さきに笠目の下に表示せる広狭二根表に考うるに、下位 の狭根なるものを上位に転ずるものなれば、少陽笠案に変形せざるを得ず。しからざれば、転換法第一則を犯す に至る。よって、太陽の量を制限して少陰となす。これ、すなわち制限転換法なり。つぎに、太陰笈案は上下両 根ともに広根なれば、その位置を転換するも、なんらの規則を犯すことなければ、制限を加えずして直接に転換 するを得べし。また、少陽麸案は上下両根ともに狭根なれば、太陰と同じく直接に転換するを得。この二者はす なわち単純転換法なり。少陰麸案は上位に狭根を有し、下位に広根を有するものなれば、制限法にても単純法に ても、規則第一条もしくは第二条を犯すをもって、とうてい転換すべからざるものとす。これを要するに、   太陽笠案は制限転換法によりて少陽麸案となる。   太陰麸案は単純転換法によりてやはり太陰笹案となる。   少陽笹案は単純転換法によりてやはり少陽笹案となる。   少陰笠案は不可転なり。  これを麸式の上に考えて笈縁の転換を行わば、必ず中根の位置に変動を与え、したがって↑巫形の変転を見るに 至るべし。例えば第一形につきて考うるに、第三段の麸則の下に出だせる表に照らすに、中根の位置は前提の上 位と後提の下位にあり。しかるに、笈案︵後提︶の上下両根を転置するときは、中根の位置を両提案の上位に見 るに至るべし。かくのごときは第三形の場合なれば、笠転によりて第一形は第三形に変ずるを知るべし。また、 第二形は中根の位置が両提案の下位にあれば、麸縁の転換によりて、後提の中根は上位に移るべし。かくのごと 459

(49)

きは第四形の場合なれば、笠転によりて第二形は第四形に変ずるを知るべし。また、第三形は笈転によりて第一       60 形に変じ、第四形は笠転によりて第二形に変ずる理は、中根の位置の転換を考定しきたらば、ただちに知ること 4 を得べし。ゆえに余は、左に六十四式のいちいちにつきて、この麸転の結果を挙示すべし。その表中、可転式と はまさに笠縁を転換せんとする原式を示し、被転式とはすでに笈縁を転換したる結果を示すものなり。        第一形︵可転式︶      第三形︵被転式︶

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