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液体燃料中における衝突摩耗に関する研究

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Academic year: 2021

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Title

液体燃料中における衝突摩耗に関する研究( 内容の要旨

(Summary) )

Author(s)

木下, 雅夫

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第092号

Issue Date

1998-12-02

Type

博士論文

Version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1813

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名 (本籍) 学 位 の 学位記号番 号 学位授与年月 日 専 攻 学位論文題 目 木 下 雅 夫(岐阜県) 博 士(工学) 甲第 92 号 平成10 年12 月 2 日 生産開発システム工学専攻 液体燃料中における衝突摩耗に関する研究 (Study onItnpact Wearin Liquid Fuels) 学位論文審査委員 (主査) 教 授 堂 田 邦 明 (副査) 教 授 藤 井 洋 教 授 丸 井 悦 男

論文内容の要旨

近年は都市部の大気汚染の間遠から,石油代替燃料自動車の低公害性につい ても議論され始めた.その中でアルコールは有力な石油代替エネルギとして注 目されており,アルコール燃料を使用できる自動車の研究・開発が活発に行わ れている.特にメタノールは工業的に合成する事が比較的容易であり,実用性 の高い石油代替燃料と考えられている.メタノール自動車は,石油代替および 低公害性の両面から期待がもたれている次世代車の一つであり,LNGやCNG 車そして電気自動車とともに重要な位置を占めている. しかし,メタノールエンジンを実用化するための技術的な課題も多く残され ている.その一つに燃料噴射弁の摩耗に関する間遠がある.燃料噴射弁はエン ジン筒内に燃料を供給する役割を果たしている部品である.メタノールとガソ

リンはその粘度がほぼ等しいにもかかわらず,メタノール燃料を用いると燃料

噴射ノズルが著しく摩耗するという問題が生じている.

本研究では,メタノールを用いた場合の燃料噴射弁の摩耗機構を明らかにす

る事を目的としている.そのためには,燃料噴射弁のように数Gねの衝撃的な 圧縮応力が繰り返し加わる系において,いかなる要因により摩耗が進行するの

かという点を明らかにする必要がある.そこで,燃料噴射弁の動作性能や摩耗

状況を評価する試験を行った上で,燃料噴射弁の摩耗現象をシミュレートし得

る衝突試験装置を製作した.この装置は液体中で銅球を平板に繰り返し衝突さ

せて,銅球と平板の摩耗状況ならびに銅球と平板間の接触電気抵抗を測定でき

るようにしたものである.本研究の特徴は,この装置を用いて液体燃料中の衝

突摩耗現象を解析した事にある.

本論文の第1章では,メタノールエンジンの開発動向と開発課題,ならびに それらに関連した研究事例について詳細調査した結果を報告した.

(3)

-4-第2章では,液体燃料の性状とトライボ特性について報告した.燃料噴射弁

の動作環境を明確にした上で,振り子試験機と四球試験機を用いて燃料,アル

コールおよびパラフィン系炭化水素の摩擦係数と耐荷重能を測定し,燃料種の

違いを評価した. 第3章ではメタノールエンジンの燃料噴射弁の摩耗状況を報告した.メタノ ール燃料を用いた場合,燃料噴射弁にどのような摩耗が生じるのか,そして, 燃料噴射弁の摩耗が噴射弁性能にどのような影響を与えるのかという点をまと めた. 第4章では,衝突試験装置を用いた実験の結果を報告した.接触電気抵抗の 測定結果と摩耗との関係を調べるとともに,衝突力を変えてアルコールおよび パラフィン系炭化水素中で試験を行い,接触電気抵抗の特性を明らかにした. さらに,衝突荷重と接触電気抵抗の関係から得られる特性曲線を利用して,衝

突荷重が加わった場合の液体の耐荷重能を指標化した.

最後に第5章で,全体の検討結果をまとめた.

本研究の成果は,衝突荷重が接触電気抵抗と摩耗現象とに相関関係があるこ とを見出した事,ならびに衝突荷重と接触電気抵抗の関係から得られる特性曲

線を利用して液体の耐衝撃荷重能を指標化し,アルコールの耐衝撃荷重能が同

一粘度のパラフィン系炭化水素の耐衝撃荷重能より小さい事を明らかにした事

である.その結果,繰り返し衝撃荷重が加わる系の液体の耐衝撃荷重能と硬質

金属部材の摩耗との関係が明確になり,メタノール燃料を用いた場合の燃料噴

射弁の摩耗機構を明らかにする事ができた.

学位論文等審査結果の要旨

近年は都市部の大気汚染の問題から,石油代替燃料自動車の低公害性につい ても議論され始めた.その中で,アルコールは有力な石油代替エネルギとして 注目されている・特にメタノールは工業的に合成する事が比較的容易であり, 実用性の高い石油代替燃料と考えられている.メタノール自動車は,石油代替 および低公害性の両面から期待がもたれている次世代車の一つであり,LNGや CNG車そして電気自動車とともに重要な位置を占めている.

本研究の目的札

メタノールを用いた場合の燃料噴射弁の摩耗機構を明らか

にする事である.そのためには,燃料噴射弁のように数Gねの衝撃的な圧縮応

力が繰り返し加わる系において,いかなる要【引こより摩耗が進行するのかとい う点を明らかにする必要がある.そこで,燃料噴射弁の動作性能や摩耗状況を 評価する試験を行った上で,燃料噴射弁の摩耗現象をシミュレートし得る衝突

試験装置を製作した.この装置は液体中で鋼球を平板に繰り返し衝突させて,

鋼球と平板の摩耗状況ならびに銅球と平板間の接触電気抵抗を測定できるよう

にしたものである・本研究の特徴は,この装置を用いて液体燃料中の衝突摩耗

(4)

-5-現象を解析した事にある. 本論文の第1章では,メタノールエンジンの開発動向と開発課題,ならびに それらに関連した研究事例について詳細に調査した結果を報告している・

第2章では,液体燃料の性状とトライボ特性について報告している・燃料噴

射弁の動作環境を明確にした上で,振り子試験機と四球試験機を用いて燃料, アルコールおよびパラフィン系炭化水素の摩擦係数と耐荷重能を測定し・燃料 種の違いを評価している. 第3章では,メタノール燃料を用いた場合,燃料噴射弁にどのような摩耗が 生じるのか,そして,燃料噴射弁の摩耗が噴射弁性能にどのような影響を与え るのかという点をまとめている.さらに,燃料の種類を変えた時の燃料噴射弁 の摩耗状況を比較して,燃料噴射弁の摩耗要因を検討している.また,燃料添 加剤・ノズル材質・表面処理等による燃料噴射弁の摩耗抑制を図った時の効果 についても言及している. 第4章では,衝突試験装置を用いた実験の結果を報告している・接触電気抵 抗の測定結果と摩耗との関係を調べるとともに,衝突力を変えてアルコールお よびパラフィン系炭化水素中で試験を行い,接触電気抵抗の特性を明らかにし ている.さらに,衝突荷重と接触電気抵抗の関係から得られる特性曲線を利用

して,衝突荷重が加わった場合の液体の耐荷重能を指標化している.

本研究の成果は,衝突荷重が接触電気抵抗と摩耗現象とに相関関係があるこ

とを見出した事,ならびに衝突荷重と接触電気抵抗の関係から得られる特性曲

線を利用して液体の耐衝撃荷重能を指標化し,アルコールの耐衝撃荷重能が同

一粘度のパラフィン系炭化水素の耐衝撃荷重能より小さい事を明らかにした事 である.

本論文によって得られた知見と成果は,工学上および工業上,重要な貢献を

なすものであると判定される.

参照

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