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ナル フク セイ 氏名(生年月日〉 本 籍 学 位 の 種 類 学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学 位 論 文 題 目鳴 海
福
星
医学博士 乙第5
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号 昭和8
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年12月
16 日 学位規則第5
条第2
項該当(博土の学位論文提出者〉 小 児 腎 疾 患 に お け る 可 溶 性 免 疫 抑 制 因 子 に つ い て 第l
編 基 礎 的 研 究 第2
編 臨 床 的 研 究 論 文 審 査 委 員 ( 主 査 〉 教 授 杉 野 信 博 〔 副 査 ) 教 授 太 田 和 夫 , 教 授 梶 田 昭論 文 内 容 の 要 旨
目的 腎疾患とくに糸球体腎炎における免疫応答機構解明 の目的で,免疫担当細胞間相互作用およびその作用を 調節する可溶性因子の解析が進んでいる.現在のとこ ろ細胞間相互作用の研究は主としてT
細胞機能の解 明が中心であり,可溶性因子は活性化する因子と抑制 する因子に大別され研究されている.活性化因子とし ては生物学的活性の異なるインターロイキン 1 および 2が知られているが,抑制因子は未だ同定されてはい ない.しかし抗原特異性のある因子とない因子の存在 が推測されており,それらの因子のバランスが保たれ ることで,生体内の免疫応答が維持され,その破綻に よって疾患が発症・進展するとも考えられている.今 回小児腎疾患患者を対象として,可溶性免疫抑制因子 存在の有無および各種腎疾患におけるその意義につい て研究を行なった. 方法 対象症例は慢性血液透析患児例を除きすべて腎生検 を行なし、,その組織型が明らかな症例である.基礎的 研究として,微少変化型ネフローゼ症候群患児の初発 時血清およびびまん性増殖性変化のある紫斑病性腎炎 患児血清を用い,臨床的研究として, IgA 腎症,急性 腎炎,紫斑病性腎炎,膜性増殖性腎炎,巣状糸球体硬 化症,無症候性微少血尿,微少変化型ネフローゼ症候 群,ループス腎炎,慢性血液透析患児の血清を用いた. 実験方法は患児血清より分子炉過膜である PTGC~こ よって分子量1万以下の血清分画を抽出し,その分画 について基礎的研究として,1.全血清との抑制作用の 比較,.
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免疫電気泳動法,.
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正常リンパ球PHA
反応 における添加量の影響,.4 耐熱性の検討,.5 添加時期 のリンパ球芽球化反応に対する影響について研究を行 ない,臨床的研究は各症例の分子量1万以下の分画を 正常リンパ球PHA
反応に添加し,それぞれの抑制率 を求め検討した.なお正常コントロール値としては健 康成人男子より得た血清を用いた. 結果 基礎的研究により,.
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微少変化型ネフローゼ症候群 初発時の患児血清中の分子量1万以下の分画に高い抑 制活性が認められ,紫斑病性腎炎患児も正常コント ロールに較べ有意に抑制率が高かった..2 この分画中 に存在する抑制因子は,免疫電気泳動法では検出され なかった..3 この分画中の抑制因子は量依存的にリン パ球のPHA
反応を抑制し,前処置による抑制効果が 最も強く, リンパ芽球に対する効果は弱く,その活性 はC
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分間の熱処理によっても低下しないことが 判明した. 臨床的研究により,1.多くの腎炎患、児血清中の分子 量 1 万以下の分闘に高い抑制活性が認められ,その抑 制率は組織障害の程度と相関していた..
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紫斑病性腎 炎,急性腎炎,微少変化型ネフローゼ症候群では臨床 症状の改善に伴い,抑制率の正常化傾向が認められた 3 . 巣状糸球体硬化症およびループス腎炎患児ではそ 7 8 6 ーの抑制率は正常範囲ないし正常上限であった.. 血液4 透析患児では,その分画の抑制活性は透析前は高く, 透析後は正常範囲内にあった. 考 察 糸球体腎炎の多くはその組織蛍光抗体法によって糸 球体に免疫グロプリンや補体の沈着を認めたり,患者 血中に免疫複合体が証明されたり,低補体血症を認め ることなどより,その発症・進展に免疫応答が関与し ていると考えられている.また組織所見で異常のほと んど認められない徴少変化型ネフローゼ症候群におい ても免疫応答の関与およびその異常について報告され ている.本研究によって,分子量 1 万以下の血清分画 中に高力価の可溶性免疫抑制因子が,微少変化型ネフ ローゼ症候群のみならず,多くの腎炎患児にも認めら 1 4 9 れ,それらが組織型や臨床経過と相関していることが 明らかとなった.とくに巣状糸球体硬化症では抑制率 が正常範閤内であることより,その発症・進展に免疫 応 答 の 関 与 が 乏 し い こ と , ま た 自 己 免 疫 疾 患 で あ る ループス腎炎では抑制率が低く,その発症の一因とし て免疫抑制因子の低下が関与しているものと考えられ た.さらに基礎的研究により可溶性免疫抑制因子の生 物・化学的性質の一部が明らかとなった. 結論 可溶性免疫抑制因子活性の測定は,腎疾患における 免疫応答の関与およびその異常を知るための検査とし て有用であり, とくに組織所見や臨床経過と相関が認 められることより,予後判定の一手段になりうるとの 結論が得られた.