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排便ケアにおける訪問看護師の臨床判断の特徴 - 病棟看護師との違いに着目して -

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Academic year: 2021

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(1)論文要旨 排便ケアは、訪問看護において頻繁に行われる日常生活援助である。在宅患者の場合は、介護力 や支援システムなどの条件によって、排便ケアをめぐる問題は複雑多岐にわたり、訪問看護師には 多様な対応が求められている。しかし、訪問看護における排便ケアに関する研究報告は少ない。そ こで実践につながる示唆を得るために、本研究では、排便ケアにおける訪問看護師の臨床判断を、 病棟看護師との比較対照を通して検討し、その特徴を記述し、考察することを目的とした。 研究デザインはインタビューによる質的記述的研究である。研究参加者は、勤務先の管理者から すぐれた看護実践をしていると推薦を受けた訪問看護師 13 名と、専門看護師教育課程に在籍する 大学院生(以下、病棟看護師とする)7 名であった。半構成的インタビューを行い、質的記述的に 分析した。 訪問看護師と病棟看護師の臨床判断の内容を比較対照したところ、 本質的には違いがなかったが、 患者の状態や取り巻く状況によって、優先する判断内容や具体的手段には違いがみられた。病棟看 護師の臨床判断では、 排便障害をもつ患者の苦痛緩和に主眼が置かれ、 訪問看護師の臨床判断では、 患者や家族の意向と生活に主眼が置かれていた。訪問看護師の臨床判断の特徴として、以下 4 点が 明らかになった。 第一に、 〔患者の意向や自尊心と看護上の必要性に折り合いをつけた対応を考える〕や〔排便ケア を受け入れてもらえるよう人間関係を築く〕に示されたように、訪問看護師は、排便ケアにあたり 患者の意向を尊重し、自尊心や警戒心などの心情に配慮し、性急に医療者の考えを押し付けるので はなく、慎重なアプローチをとっていた。 第二に、 〔家族の介護負担に配慮し訪問時に便を出し切るケアを行う〕や〔患者や家族に服薬やセ ルフケアの支援を行う〕に示されたように、訪問看護師は、患者や家族のセルフケア能力に合わせ て、多様な支援体制をとりながら排便ケアを行っていた。 第三に、 〔看護師自身の手指の感覚を頼りに、腸管刺激のタイミングや加減を見計らいつつケアを 進める〕に示されたように、訪問看護師は、訪問時に便を出し切る必要があると判断したときには、 ケアの最中に自分自身の手指を使う看護の技を取り入れていた。 第四に、 〔嵌入便に注意して直腸診を行い、摘便が必要かどうか検討する〕や〔訪問や通所の時間 を考慮して下剤の内服日程・時間を調整する〕 、 〔季節に応じて下剤や水分摂取量を調整する〕に示 されたように、訪問看護師は、排便ケアのなかで会得した看護の技を活用する判断を行っていた。 本研究から、患者の状態と取り巻く状況を包括的にアセスメントし、医療面と生活面を踏まえた 看護の視点をもって判断することが、 排便ケアの質向上につながると示唆された。 訪問看護師には、 在宅患者を取り巻く周囲の人々との協働において、十二分にこの看護の視点を発揮することが求め られている。そのためには、患者や家族の要求だけにとらわれず、客観的指標や理論的根拠を用い て適切な判断を行うことが必要であり、訪問看護師が活用する資源や教育システムを整える課題が 示唆された。.

(2)

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