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小児がんで入院中の思春期の子どものエンドオブライフケアに携わる看護師のケアにおける困難感の構造

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Academic year: 2021

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様式2号(第5条関係)

修 士 論 文 要 旨

看護学専攻 小児看護学 分野 学籍番号 219602 氏 名 小笠原 史士 論文題目 小児がんで入院中の思春期の子どものエンドオブライフケアに携わる看護師のケアにおけ る困難感の構造 キーワード 小児がん、思春期、看護師、エンドオブライフケア、困難感 【研究目的】 本研究では、思春期の小児がんの子どものエンドオブライフ(以下EOL)ケアに携わる看護師の困難感 の構造を明らかにすることを目的とした。 【研究方法】 日本小児がん研究グループ(JCCG)病院会員施設 167 施設に研究依頼文を送付し、承諾が得られた 43 施設426 名に無記名自記式質問紙調査を実施した。質問項目は、対象者の属性と小児がん看護や小児の EOL ケアに関する先行文献をもとに作成した困難に関する44 項目である。また、質問項目は、小児がん看護を 専門とする看護師2 名による内容妥当性の検討、I-T 相関および Cronbach’s αの算出による信頼性の検討、 探索的因子分析(主因子法、プロマックス回転)を行った。そして、対象者の属性による困難感の質問項目 の合計得点の差異の分析のため、t 検定と一元配置分散分析を行った。 【結果】 回答者は164 名であり、回答に欠損のあるものを除外し、159 名を分析対象者とした。思春期の小児がん のEOL ケアにおける看護師の困難感は、「医師による病状の説明後に子どもの気持ちを理解するためのコ ミュニケーション」や「看取りの時の家族への声のかけ方」などの【患児や家族とのコミュニケーションの 取り方】、「看護師間で担当の子どものケアの方針について話し合う機会を設ける」などの【患児の治療方針 や看護方針についての情報共有】、「家族と子どもの意見が異なるときに子どもの意思を尊重する関わり」な どの【患児の意思や現状を尊重した上での最善の関わり】、「衰弱する子どもを看ることが辛くても看護のた め感情をコントロールすること」などの【患児を看護する際の自己の気持ちのコントロール】、「面会や付き 添いの制限などの病院の規則を子どもの状態に応じて変更すること」や「家族のプライベートスペースを確 保すること」といった【入院環境や規則の調整】、「子どもの痛みに関するアセスメント」などの【患児と看 護師の心身の苦痛を緩和する知識や技術】の6 因子 30 項目から構成された。累積寄与率は 60.57%、I-T 相 関は全ての項目で有意差があり、Cronbach’s αは全体で 0.950、各因子で 0.709~0.927 であった。KMO の値は0.926 であった。また、対象者の属性による困難感の差異は、どの対象者の属性においても困難感の 合計得点に有意差はみられなかった。 【考察】 思春期の小児がんの子どものEOL ケアにおける看護師の困難感の質問項目は、Cronbach’s αの値から 十分な信頼性が確認され、KMO の値から標本妥当性およびスーパーヴィジョンにより内容妥当性が確保さ れているといえる。また、累積寄与率が 60%以上あり構成概念妥当性も概ね確保されているといえる。そ して、思春期の小児がんの子どものEOL ケアにおける困難感は、思春期の認知発達段階は形式的操作期に あり、看護師は自身の言葉で予後を推測されるのではないかと思い不用意に発言できない緊張感や曖昧な返 答が不安の増強につながるのではないかとの思いなどが表れたと考える。また、意思決定できる年齢にある にもかかわらず、家族の意向で予後を伝えることができない葛藤や友人との結びつきが強い年代にあるため 面会制限などの規則をいかに調整するかといった困難感があり、今回明らかとなった思春期の小児がんの子 どものEOL ケアの困難感の構造は、思春期の年代の特徴が反映された内容であると考える。

参照

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