我が国における現代家族の機能の特性
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(2) . 第8 巻 第1 号. 北海道学芸大学紀要 (第一部). 昭和32年8月. 我が国における現代家族の機能の特性. 北. 村. 達. (北海道学芸大学旭川分校社会学研究室). ′ T◇ru Ki rAMURA : The Character of the. Modern Fami ion i l n Japan y Funct. 目. 1. 序. 次. 説. 江 家族の機能に関する諸学説 皿 我が国家族の構造と機能的特性. 1. ▽ 家族制度への意識と機能的特性 1 ▽ 家族の職業と機能的特性 \ 1 結. 序. 語. 説. 家族は人類の歴史と共に最も古く普遍的な集団であ り、 社会集団のうちで我 々にとって親近性の ある、 しかも重要な集団として位置ずけられてきた。 集団としての家族は多くの機能を有し 家族 、 成員は之等の機能を結合の紐帯として相互に結び合 わされ、 家族の統一が保たれてきたし- 現在も 其の類型は異なっていても、 夫々の家族において機能を 遂行し続けている。 清水教授は 「家族機能 は人々の日常的な行為聯関を媒介する事によって、 家族の形成と存立とに不可欠の要素をなす 」と 。 )如何なる構成の家族においても 家族の機能は家族の統一性と安定性保持の有力な 言われるが、1 、 原 因と な っ て い る。. 一般に家族が家族成員に対して果す固有の機能は、 社会体制の変化 家族構造の変化の如何に拘 、 らず、 常に不変的な機能として遂行されている。 然し他方、 家族は常に限定された機能 のみを遂行 しているのではない。 家族外社会或は社会集団の変化と、 経済組織 政治組織の変動に伴なって家 、 族の機能も変化してきている。 家族が社会集団と して、 家族外社会集団と関連 調和を保っていか 、 ねばならないから、 我々も社会体制の変化と関連ずけて、 家族の機能を考察すべきは当然である 。 本稿は主として旧家族制度を法制上崩 壊した戦後の家族に焦点をあてて、 其の機能的特 性を追求. しようとするのである。 戦後は法律の改正、 旧政治体制の崩 壊、 民主々義諸制度の導入 資本主義 、 的、 或は社会主義的思想の流入、 社会的分化に伴ない、 家族を構成する人々の思想的変化を祷ら. し、 従って家族の機能も単純化している如く考えられる。 然 し他方、 現在の家族の中核をなす者 は、 過去の家長制家族時代に育ってきた者が多く、 叉長い間の伝統で培われた 「家族制度」 イ デオ. ロギーは簡単に崩壊しそうもない。 更に家族の構造も後述する如く 戦前に比較してそれ程大きな 、 変化もみせていない。 か る観点より過渡期にある現代の日本家族の機能を並列的にあげて その 、 性格を明らかならしめる事は容易でない。 然 し私はその機能的特性を探るのに二つの手掛かりを得 た。 即ち戦後精密なる国勢調査によって、 現代の家族の構造と職業別類型 世帯構成等を明確に把 、 5- -12.
(3) . 北. 村. 達. える事が出来たし、 叉各種機関による全国的な社会調査の結果も発表されている。 それらを参考に し、 更に家族の機能に関する諸学説を検討しながら、 以下家族機能の特性に就いて論及する。 =. 家族の機能に関する諸学説. 従来家族の機能に就いては、 多くの社会学者によって論じられてきた が、 家族の主たる機能は何 かに就いては、 家族を如何に定義ずけ、 その集団的特質を如何に把握するかによって異なってくる 事は勿論 である。 例えばマックス o ウェ←バーは家族を経済的共同体として重視し、 家族は経済的 2 ) に共産的共同が行なれわるところに特質ありとするので、 家族では経済的機能及び扶養的機能が ノ宗教的機 .して把える観点に立てば、3 主とされる。 叉クーランジュの如く家族を宗教的共同社会と なる機能のみで 家族成員間の結合が図ら 時代に於ても単一 能が重視 される。 然 し家族は如何なる 、 が の紐帯となっている。 其の 尚幾多の機能 家族結合 族でも 代化した家 く 最も近 たのでな れてき 、 、 農村家族の機能として把握し 大家族或は家長制家族 、 点で家族の機能を普遍的に論及した学者は、 の家族機能の変容として把えたか く過程 分解してい より小家族へ 、 小家族或は近代都 たか、 大家族 市家族の機能として把握 している。 第一に大家族或は家長的家族の機能としてフィーヤカソトは、 ① 経済的共同、 ② 法的、 政治的 統一、 ③ 個人の家族内への融合、 ④ 宗教的共同、 ⑤ 相互の内的、 感情的要求の実現をあげて ) ソ ロ ー キ ソ は 農 村 家 族 の機 能 的特 性 と して、 ① 生殖的機能、 ② 生活資料獲得の機能、 い る。 4 ③ 教育的、 訓育的機能、 ④ 擁護的機能、 ⑤ 慰安娯楽的機能、 ⑥ 統制的、 規律的機能をあげて、 5 都 市 家 族 の機 能 と の 差 異 を 明ら かに して い る。 ) 叉、 リ ン・ スミ ス は、 ① 種の再生産、 ② 子供の. 扶養、 養育、 ③ 青少年の教育、 訓練、 ④ 子供の社会化、 ⑤ レクリェー ション、 ⑥ 外敵、 危険か ) 農村家族はか る機能を遂行 してきた らの成員の保護、 ⑦ 老人、 能力なき成員の保護をあげ、6 し、 遂 行 し続 け る と 言 っ て い る。. このように大家族、 農村家族内に於て多数の複雑な機能が遂行されてきたのは、 言うまでもなく 自給自給的な経済組織の下にあっては、 衣食住の生産及び供給は一切家族内でなされねばならない し、 家族員の人格形成、 教育、 職業的訓練、 社会活動も家族内で行なわれた。 前資本主義時代にお いては、 農村家族に限らず、 殆ん どの 家族は経済生産団体として、 組も子も、 夫も妻も生産の為め に共同に労力を提供する と共に消費の共同もなされ、 家族成員は相互に睦み合い、 慰め合い、 病弱 者の保護、 世話、 救済、 外敵からの防衛も行われ、 家庭内で宗教的礼拝、 儀式も執行されたので、. 自然に家族精神も培われた。 当時の家族は経済団体、 宗教団体政治団体と しての機能を遂行しなけ ればならなかった。 清水教授が 「大家族は父祖から伝えられた精神的遺産と物質的遺産の中にその 統一性の原因を見出すだけではなく、 更に多くの 家族機能によって結びつけられる。 」 と言われる )確かに複雑多様な機能が家族間の結合を強化し、 大家族、 農村家族の安定性を保っていたの が、7 は事実である。 叉中世封建制時代の家長的家族では、 共通の宗教を持ち、 同じ祖先を祭り、 祖先からの伝統を受 け継ぎ、 家長の支配統制の下に、 全成員が服従 していたので、 個人よりも家族自体が 重んぜられ、. 家族成員は感情的に融合し、 生産、 生活面の共同 が行われていたので、 多様な機能が遂行されてき た の で ある。. 然るに資本主義的大企業の発 生は生産団体としての家族の意義を失わしめた、 各種分業の発達、 家庭日常品の工場生産、.社会施設の増大は、 大家族の機能を奪ったし、 家族自体其の機能を社会へ 分散移譲しているd 叉国家自ら家族個人へ保護の手を差し伸べて、 社会保障制の確立により、 遂に はマックス・ウェ←バーが重視する扶養的機能すら奪われる危険がある。 オグノも…ソは家族の一般 -126一.
(4) . 我が国における現代家族の機能の特性. 的機能として、 ① 情愛的機能、 ② 経済的機能 ⑧ 教育的機能 、 、 ④ 防衛的機能、 ⑤ 慰安娯 楽的機能、 ⑥ 規 律的機能、 ⑦ 宗教的機能をあげ 之等の機能が曽っては家族結合の紐帯をな し 、 ていたが、 経済的変化、 文化の発展に伴なって 夫婦 中亡 ・の近代家族へ移行するに従い、 主なる機 、 能は情愛的機能に凝集されてくると言っている 8 ) バ 。 叉 ーナー ド女史は家族の機能と して、 ① 生 殖機能、 ② 防衛的機能、 ③ 社会化的機能 ④ 情愛的機能 ⑤ 規律的機能をあげ 家族外の 、 、 、 生活の組織や訓練が多くなるにつれ 家族は感1 青を和らげたり、 叉表現したりする方面で、 大 きな 、 任務を果 し、 情愛的機能は重要な意義を持つと言っている 9 。) かくて機能の 単純化は家族の形態を小型ならしめ 夫婦或は夫婦と未婚の子女を以て構成する近 、 代家族へ分解する傾向 にある。 此の家族は特 に生産を自ら行なわない都市へ集中し 生活の機械 、 化、 簡易化、 家族成員の個人主義的、 合理主義的態度 商業的娯楽の追求等によって 家族員の自 、 、 由と平等が確立されている反面 不安定性もある 、 。. 小家族或は都市近代家族の機能に就 いて論じている学者に マー ドックとマッキー ミー の 述 ぶる 、 所は現在一般 化されている。 マー ドックは一夫婦と未成年の子女のみで構成される家族を核的家族 o )複合家族と対立させているが か}る核的家族と と称し、l 言われる小家族の機能と して、 ① 性 、 的機能、 ② 経済的機能、 ③ 生殖的機能 ④ 教育的機能の四機能をあげ そのうち 性的及び経 、 、 済的機能は夫婦を中心として、 生殖的 教育的機能は親子を中心と して遂行されていると言う 1 1 、 。 )マ. ッキ ー バ ー は、 ア ソ シェ ショナ ル な 近 代 家 族 の機 能 と して 、 ① 性関係の規制、 ② 種の再生産と 之に伴なう年少者の保護 育成 ③家庭 home の供給 (物質的生活の安定 精神的緊張の緩和 、 ) 、 、 2 ) を あげ て い る。 1. 此の両 者のあげた家族の機能は資本主義的社会における近代家族の基本的な機能として残る であ. ろう。 即ち性的機能は夫婦以外の機関で遂行されたり 或は婚姻前の性的結合があっても これら 、 、 は一時的、 瞬間的、 衝動的、 便宜的 打算的なものであり 法律的にも 社会的にも承認された婚 、 、 、 姻における性結合とは異なる。1 3 )叉婚姻における性的機能は無軌道 無拘束な性関係を規制 し 社 、 、 会的秩序の維持に大 きな意義を見出さねばならない 経済的機能 は家族成員の生命維持の為めに当 。 然遂行されるし、 種の再生産、 生殖的機能は産児制限が如何に徹底化しても 尚人間の原本 的本能 、 として、 大多数の家族に 重要な機能と して残っている (最も小家族化傾向にある最近のアメリカ 。 家族に於ても、 7組の夫婦のうち6組は子供を持っている 1 ) ) 子が無力、 無知な者と して家族内 。4 に生れてきた以上、 その養育、 教育は 児童施設 の完備に拘らず 尚理想として親の愛情と庇護の 、 、 下に行われるだろう。 叉家族外の社会が複雑化 し 人間はそ こでは警戒と緊張の渦巻の中 で 、 、 機械 的、 一面的な社会関係を持つ事が多く なればなる程 家族はその代償として 緊張を緩和し 、 、 、 精神 を安 定 さ せ る 役 目を 果 す の で、 マッ キ ー パ ー の home の提供 オグ ミー ン ミ←ナ リ ー ドの情 愛 的 、 機能が重要な意味を持つ事になる。 最後に社会主義社会における家族の機能はどのように変化 しているであろうか 曽って十月革命 。 0年代の ソ ヴェト社会では 個人の私有財産を廃し 凡てが国有 後の1 92 化、 社会化されるに対 応 、 、 し、 将来家事も社会化されるだろうと考えられ ヴォリフ ソソは 「家族は 生産謡勤労の 、 単位とし 、 て存在しない、 子供の養育、 教育の機能 病人 老人保障の機能も家族から 社会へ移るで 、 、 あろ 、 う。 叉社会的 給養の施設が台所をなく し 共同洗濯場 共同食堂施設の増加により家庭の 消費 、 経済 、 的機能を失い、 家族 は死滅するだろう 」と言っていたが 1 5 。 、 )現実のソヴェト社会の家族では、 農村 に於ても生産は家族よりコルホーズへ移行 :して生産単位でなくなった 然るに消費経 済的機能、 子 。 供、 老人を 扶養する機能 は未だ完全に社会へ移行せず 家族内で遂行され 6 )特に子供に対 ている。1 、 する教育的機能は、 マカ レンコによって指摘されて以来 子は社会的施設で 教育きれるよりも、 親 、 - 127 -.
(5) . 北. 村. 達. の 愛清の下で教育される傾向にある。 叉一夫一婦 制の確立により、 夫婦の愛情も深化されているの で、 情愛的機能も家族結合 の紐帯となっている。 従って家族は決して死滅する事なく・ マカレソコ が、 「家族こそは、 社会の自然な最初の細胞であり、 人間生活のすばらしさを実現する所 であると ともに、 叉人間の勝利する力の憩する場所であり、 生活の第一の喜びである子供が成長す る場所で 7 )社会主義社会でも重要な社 会集団と されているので、 家族の機能も資本 ある。 」と指摘する如く、1 主義社会における家族機能と余り差はない。 m. 我が国家族の構造と機能的特性. 我が国における家族が戦前よ り戦後の変化の過程のなかで、 第=項で明らかにした如く、 複雑、 多様な機能を単純化させて きているかは疑問である。 即ち日本の家族は諸外 国の家族にみられない. 特質を有していたからである。 即ち過去の家族制度の強固な家長的家族をみても、 欧州諸国の家長 的家族とは異なった特性を持っている。 戦前の我が国家族においては、 「家」 なる概念が 重 視さ. れ、 「家」 は現実の家族成員の生死を超え、 過去より現在に至り、 更に未来にも繋がる超世代的な 抽象的存在であった故、か〉る 「家」 の維持、存続、 継承は現実の家族にとって重要な機能とされて いた。 鈴木教授は日本における一般的家族の構造を直系家族 (直系親族及び将来家長たる直系卑属 8 )かかる直系家族は特に農村家族に多く、 従 の配偶者及び無配偶者の傍系親族を含む。 ) となし、1 って其の家族の機能と して、 ① 性欲充足の機能、 ② 生殖の機関 としての機能、 ③ 生産の為め. の結社としての機能、 ④ 消蛮生活団体としての機能、 ⑤ 老幼病弱者保護機関としての機能、 相 互保険団体と しての機能、 ⑥ 教育機関としての機能、 ⑦ 教団としての機能、 ⑧ 娯楽休養の機 関 と して の 機 能、 ⑨ 株其他社会的権利義務の主体としての機能をあげて、 その内容、 特性に就い 9 )これらの機能の中には農村家族のみに特殊的な機 能もあるが、 日本の て詳細に論じられている。1 家族が個人よりも 家族を重んずる家族本位制を基盤としていた故、 その多くの機能は直系家族の機 能として一般化され得よう。 叉戸田博士は我が国における 「家」 の機能とLて、 ① 家族成員の内. 的安定作用、 ② 物的生活の保障作用、 ⑧ 幼少者及び老弱者保護作用、 ④ 徳行助長及び犯罪防 0 ) 止作用、 ⑤ 祖孫一体化と 「家」 の継承をあげて説明 しておられる。2 両学者のあげた家族の機能的特性を探れば、 我が国では 「家」 は観念的にも、 現実的にも一つの. 生きた統一体であって、 家族の機能は此の 「家」 の存続、 発展に関連するもの が多かった、 家名の 連続、 家系の維持、 祖先崇拝、 家産の維持、 相続は重大な事柄で、 之を行なう為め、 子の出生、 養. 育、 教育にも多く の関心が示された。 特に祖先崇拝心は強く、 鈴木教授も 「祖霊の信仰は、 縦の世 代間の関係を 緊密ならしむると共に、 横に現在家族員の関係をも緊密ならしむるものである。 」と言 1 」「家」 存続の為めに祖先の祭宛は必要な行事であり、 叉祖先に帰一し、 之を崇拝する われるが、2 事によ り家族成員の精神的安定も図られていた。 性的機能は生殖的機能に接続し、 「家」 の跡継を. 得る為めに遂行された。 将来の 「家」 継承者たる長男に対する特別の養育、 待遇は親の老後の扶養 を対価とした。 かく して直系家族においては、 個人は家族に緊縛され、 家族全体としての融合した 生活はあっても、 その中で個人生活は分化していなかったのである。 農、 漁村家族では共同の労力. 提供と消費がなされ、 慰安、 娯楽の追求も家族を中心に遂行されてきた。 戦後、 民法の改正、 農地改革、 自由主義思想の流フ \ 、 婦人の解放等が我が国家族の構造に如何 なる変化を喬らしているかを、 昭和 25年の国勢調査の集計よりみれば第 1 表より第3 表に示す如 く で あ る。. 第1表、 第2表によれば、 家族の世帯人員は30年前の大正9年に比して殆 んど変動をみせておら ず、 全国及び郡部においては、 却って膨脹している。 市部では3人乃至 5人世帯に中心がおかれて -128-.
(6) . 我が国における現代家族の機能の特性 第1 表 世帯数の世帯人員別割合. 1全. 4 8. 70. t30 l . ( ▲ X ) 77. 3 1. t18 丁 t 4 丁 1▲. 十1 ▲ .76 1 1 4 1. 1. 80. 9. 48. 2. 25. 2. 12. ″ 14年. 2 6 .. loo 0 ,. 100 0 .. 0 100 .. 昭和5年 〃. lo年. 〃 15年. 国1市 部1郡 部. 4 98 . 5. 03. 4 47人l 4.99人 .. 4 4 31 . 61 4 . 74 4 ,. 〃 22年. 5 00 , 4 85 .. 62 4 . 2 4 .5. 〃 25年. 4 97 .. 4 45 .. 卑. 主 者. 1 00 . 0 82 .. ’. 2 69 . 1 0 .3. 同 配 偶 者 直 系 尊 属 ( X ) 他 そ の の 家 族 r 「 ノ 使用人 同居人等 q ノ 、. 1 0 ,. 4 89人 , 4 88 .. 系. ・ i. 第2表 一般世帯一世帯当人員. 大正9年. 風. 5 01 . 11 5 . 18 5 . 25 5 .. 20 5 . 5 3 .4. .本表は過年度の国勢調査の 比較表 (註) 小山隆、 家族の構造 (現代家族構造 6より転載 1巻) 、p1. 大正 9 年. 全国1市部1郡部 市 部 郡 部. ( ′ ” . 9 1 .. 1全. 昭 和 25.年. 4 t. 帯 配 「 ノ 偶 t54 r f r f ▲ . 9. 数. 世帯主との続柄別にみた一世帯当人員 (1人世帯を除く). 国1市 部1郡 部 2. 総. 第3 表. 1 00 , 81 0 .. 2 33 . 0 0 .7. 20 27 0. 0 , 0 18 2 0 0 . .. 0 09 0.13 .. 00 1 ・ 0 8 .3. 1 0. 1 0. 0 9. 0 0. 2 93 . 0 i7 .. 1 1. 2 6. 0 4. 0 5. 0 32 . 2 0 .1. 0 8. 0 0. 0 4. 0 7. 0 07 .. (註) 大正9年の国勢調査結果の分析は戸田博士の資料 に基く。. いるが、 郡部では4人乃至7 人世帯と言う大家族構成を なし、 此の点では近代小家族化の傾向と逆行している。 続柄別の家族構成も直系尊属及び直系卑属 の配偶者を包 含した直系家族型が、郡部で半数を占め、市部でも約3割. に達する。 叉 「共の他の家族」 は傍系親族を意味すると 考えられるので、 之を包含した複雑な家族構成は全家族 の過半数を占めている。 之を大正9年の戸田博 士の分析. 結果と比較しても、 農村では直系家族、 傍系家族は膨脹 して い る。 か る逆行化現象に就いては小山教授も疑問 を持たれ、その原因と して出生率の増加、死亡率の減少、 2 J現 婚姻年令の上昇、 住宅事情の四つをあげているが、 2. 実の我が国家族は、 その構成上より未だ直系家族の優位. 生を承認せざるを得ないのである。 直系家族が優位性を占めているので、 之と関連する家族の機能も、 核的家族の遂行している性 的、 経済的、 生殖 的、 教育的機能のみに限定されない。 家族内に多数の幼年者及び老年者を包含し. ているので、 自然の愛情として、 彼等の保護、 扶養 がなされる、 老人との同居家族においては、 家 族の前時代的圧力も強く、 之が伝統保存の機能を強化し、 祖先崇拝、 宗教的機能も営まれよう。 三. 世代家族で家庭の権威的、 指導的地位が祖父母の世代にある時は、 祖父母は日常生活面で家族員を 統制しようとし、 規律的、 秩序維持的機能も残される。 叉指導権 が父母の世代にあっても、 家族成 員の多い事は機能が複雑化する事になる。 子供数が第3表の示す如く、 大正9年に比 して遥かに多. い事は、 最近の産制実行にも拘わらず、 昭和22年より25年に 亘る出生増加と乳児死亡減少に基因す るのであるが、 直系家族でも、 夫婦家族でも、 子供が世帯構成の中心をなしている。 ここに我が国 家族は依然として夫婦関係より親子関係の優越している事を看取し得る。 親の子に対する教育が如 何に自由になっても、 叉子の養育、 教育機関が増加しても、 親の子に対する教育的機能は減少して いない。 生れてくる子にとって家族が第一次集団として大きな意義を有する事は多く の学者によっ 3 )家族は第一次的集団たる価値を持つ曙卵器であり、 幼児は最も可塑的な時 て述べられているが、2 期をここで過し、 言語、 判断力、 愛情等を家族内で学びとる。 我が国では子が乳幼児期にある時 -12 9-.
(7) . . 北. 村. 達. は、 親は子と密接に接触しているので、 子のバースナリテイ形成に重要な作用を与えている。 清水 教授は 「幼児は既存のシステムに従う事なく しては、 如何なる欲求も充足される事はない。 幼児が 成人の庇護と助力との下に欲求を充足し得 るのは、 現に成人の内部を形成している行動様式に自己 )我が国では夫々の家族に特異なる慣習、 風習が 4 を従わせる場合に限られている。」と言われ るが、2 残存 しているので、 子供達は父母の課する生活様式に従って、 考え、 行動する事を余儀なく され. る。 従って個人の社 会化の為めの機能も 未だ大きな意義を持っている。 W. 家族制度への意識と機 能的特性. 家族の構造を外形的にみれば、 30年前と現在とでは、 大きな差異がみられないので、 家族の機能 に就いても特 異なる差異は考えられない。 然し戦後の種々なる変化により、 直系家族を構成する家. 族成員にも思想的変化を与えているだろうし、 特に近代都市家族構成員は家族外社会の影響によっ て、 進歩的意識を持っているとも考えられる。 若し家族成員の意識面で、 大なる変化があれば、 少. くとも家族は機能的に変化している。 然し過去の家族制度が崩壊しても、 長い間培われてきた 「家 族制度」 イ デオロギーも消滅しているかは疑問であり、 之等は家族制度への意識の調査と現実の家 族生活の実態に触れなければ、 結論 し得ない。 ここでは全国的に家族の 実態を 知り得る統計的資料 がないので、 家族制度への意識調査を通じて、 機能的特 性を把握してみよう。 各種機関による調査 のうちから、 信頼度の高いと思料 される国立世論 調査所の調査資料の一部を提示 した結果は第4表 5 ) 乃 至 第 6 表 の 如 く で あ る。 2. 第4 表. 家族制度に関する世論調 査より. 8年5月、 東京都内に住む20才~59才の男女600名に就いて個別面接聴取) (昭和2 1 . 前の家族制度によい点があったか? イ. な. い。 … … …… …… …… …… …… …… … …… …13%. 戸主権の権威…………… 5% 親権の 〃 …… ……… 4 夫権の 〃 …………… l 協同体的意識……………15 口. ・ ・…… 5 ・ 家 を 大 切 に し た=・. あった. 5 組を大切にした…………1 階層的道徳…… …………lo. , , .7o% . , ,. 扶養関係 ………………… 1 そ の 他 …… …… …”・…… 3 不 ・ 明 …… …… …… ……11. 7% ・ 不 明 一…-…… …………… -……………1 ノ 2 . 家に仏壇や神棚があって祖先を祭る習慣はよいと思うか?. 6% 3 イ、 積 極 的 肯 定………▼……-- - -…-…・ 口、 ニ、. 59 肯 定 … … - … … … … -・… …… …・. 否定 … 不 明・. -. ・ 3 ・ … 2. 3 . 女が結婚すれば男の姓を名乗らねばならぬが、 それは正しい事と思うか? イ、 正. し. 46% ・ い …… … … … ” … … … … … … … …・. 9 ロ、 正 し く な しー… …………… -………… …4 明……-…- ---…… ……“5 ハ 不 4 . 親の扶養は長男だけでするか、 子供全部 です べきか? 30一 -1.
(8) . 我が国における現代家族の機能の特性 イ、 長 男 一 ロ、 子 供 全 ・ ノ の 、そ ニ、 不. ノで … … … - … … …… … … … …J3% 部 … ……… - … - -……………7 9 他 … … -‐ ‐…‐ ‐…‐ ‐… … … … …・7 明 … … - - … … - - … … … …” 1. 5 , 財産を子供に分ける時、 どんな分け方がよいか? ;…… …- … … -・… …-5 3% イ、 平 等 に や る …- 一・ 25 ロ、 長男に多くやる………… ………………… … ……・ ・ 0 ハ、 親の世話をする者に多くやる………… ……………1 二、 本当に平等にする為め、 能力のない子、 生活に. . ,4 困る子などに多くやる ホ、 嫁に行った者は少くする………… ………… … …・ ・1 へ、 そ ト、 不. 他 ” 明 ……. の. 5 - ” ・ ・ ・ … 2. 第5表. 農地相続世論調査より. (昭和26年2月全国39町村第一種専業農家満2 0才以上男女2 000名に就いて調査) , 1 . 今迄家の跡は長男がとっていたが、 これからは? イ、 長. 男 …… …… …… …… … … …山 … …”69%. ハ、 不 ・. 明 …… …… …… …… …… …… …… … 3. 28 ロ、 誰 で も よ しー…‐ ‐………………………………’. 2 , 他によい職業があったら、 農業を止めてその方へ転業するか? イ、 転 業 す る … …………………………………”24% ロ、 や は り 農 業 を す る …… …… …… …… …… …… ……73 ハ、 不 明 …… …… …… …… …… …… …… … 3 ・. 3 . 法律では全財産の巧は妻が、 労は子供達が平等に分ける事になっているが、 それに就い てどう考える かえ イ、 何も分らぬが均分がよし …‐ ‐……………………・8% ロ、 法律に定められているから均分がよい……………16 反りは別…… ………………10 ハ、 均分はよいが、 長男跡1 ニ、 均分はよいが、 実際には出来ない………………… 7 ホ、 均 分 は よ く な い …… …… …… …… …… …… …… …51. 明 一 … … ……… … … … … … … … 8 へ、 不 4 . 土地を皆の子に平等に分けたら、 長男は今迄通り家に対する務めを果さなくてもよいか? イ、 果 さ なく て も よ い … … …… …… …… …… …… ……38%. ロ、 果さなければならなしー………………………… …54 明 … … … ……… … … … - … … … 8 ハ、 不 第6 表. 老後の生活に就いての世論調査より. 0才~59才の男女2 000名に就いて調 査) (昭和28年8月、 全国65町村の2 , 1 . あなたが年とったら、 子や孫と一緒に暮 したいと思うか? 82% イ、 一緒に暮 したしー…………………………………………………………・ 口、 別居してもよいが r - . ・J “. 一 」. 子供の仕送りを受けて暮したし-・3% 子供の仕送りを受けなしー………・7 不. ……11. 明 …… …… …… … … … l. 子供の仕送りを受けて暮したし…・1 ー 子供の仕送りを受けなしー………・3. 明………… - - - … - -‐ ‐一 - - …………… 3 二・ 不 2 , 親 が年とって働けなくなったら扶養すべきか? 1- -13.
(9) . 北. 村. 達. イ、 どんな場合でも子が親を養うのは当然だ…… ……17% 19 口、 子に能力がない場合は仕方がなし-………………・ 41 ハ、 親に自活の能力がある場合は養う必要なしー……・ 13 ニ、 場合によっては親を養わなくてもよし-…………・ 0 明 … …………… …‐ ‐… … ………-1 ホ、 不. 之等の調査を通じて言い得る事は、 最も社会的分化が進行 し、 近代生活における機能の分化と組 織化が行なわれ、 その中で個人の自由と平等が確保されていると考えられる東京都内居住者でも、. 尚過去の家族制度に美点を見出している者が7割 に達している現実は、 家族は社会の発展に平行し て近代化 していない事を裏書している。 特に親を中心とする家共同体意識は強いので、 家族 個人は. 己の伝統的慣習を 未だ家族内では個人的に分化するよりは、 相互に結合しようとしている。 祖先祭ネ 殆んどの者が肯 定しているので、 祖先崇拝の機能は家族内で遂行されている。 此の点、 山根教授が 6 ノ当を 「祖先崇拝を家族主義的機能として、 都市に於ては殆ん ど停止している。 」と言われるのは、 2 得ない。 財産相続、 親の扶養に就いては、 平等意識 の方が強いが、 親を見捨てる子は殆んどいない から、 扶養的機能も家族内 で果されている。 男性側の 「家」 を継いでいく意識も未だ半数の者に残 っているから、 「家」 存続の家族主義的機能 が全く消失しているとは考えられない。 家族が一代限 りでなくなると言う近代意識は到底普遍化の段階ではないと言い得よう。 直系家族が多数存する農業家族では、 家族を 「家」 と観念し、 その 「家」 は長男が受け継ぐべき であると考える者は7割に達しているので、 「家」 の維持、 存続は家名の連続、 家業継承、 家系の. 維持を伴ない、 財産相続に裏ずけられて、 実質的に強化されている。 均分相続を望む者も あるが、 現実には農地細分、 経営不可能となって、 実現が困難である。 仮に均分相続が可能となっても、 長 男は家族内に留まって、 一家を統制し、 親を扶養すべきであると考えているようで、 此の点家族の 機能は近い将来に簡単に縮少されそうもない。 第6表によって都市、 農村を通じて、 老後、 親が子や孫と同居を希望する者が8割以上に達 して いるのは、 生活上の不安を感じている事にもよるが、 之を度外視しても、 親子間に精神的繋がりを 持続しようとしているので、 之は所謂戸田博士 の家族の老弱者保護作用、 精神安定作用として重視 7 )日本家族の特殊的な機能とも言えよう 以上によって我が国では都市 農 村を問わ される所 で、2 。 、. ず、 未だ家族制度への意識は相当根 強いので、 それだけ家族の機能も複雑に遂行されている訳であ る。 只都市家族の一部では小家族への分解傾向を辿り、 個人の主体性を尊重するから 家族の機能 、 も単純化している。 従ってここでは家族間の結 合 紐帯となる有力なる機能 は情愛的機能に移行し て、 消費的共同が行なわれ、 生殖的機能も抑制されているが、 家族間の結合が必らずしも弱化して いるとは言えない。 若し離婚、 別居、 葛藤等が激しく、 家族の不安定性が強いとしたら、 情愛的機. 能すら失なわれている結果である。 然し我が国ではか る家族分解は、 戦後自由主義の影響下に結 婚 した家族の間に部分的にみられる程度で、 一般的 傾向とは言えない。 ▽ 家族の職業 と機能的特性 家族 が生産団体として存在を続けている場合には、 第=項でも明らかならしめた如く、 家長が中 心となり家族成員の労力を統制するが、 之は家業を成功させる為 めには体力と経験の豊富な男子が 家業の支配者として適格と考えられるからである。 か}る家族においては、 尚男性は家庭内で主権 を保持し、 外部に対して家族を代表する事になる。 そこでは生活慣 習や労働技術の習得も家族を通 して行なわれるので、 複雑な機能が家族によって遂行される。 叉生産団体としての家族を血統の者 によって維持、 存続させる事も重要な事である。 即ち祖先から家業 ●を継承してきた家族は現在の世. 代の者の結束によって強く結合 し、 崩壊しないように しなければならないからである。 高度資本主 32 -1 ,-.
(10) . 我が国における現代家族の機能の特性. 義社会の中にあっても、 尚家族が生産団体として生き続ける限り、 生産を共同する事を通じて 他 、 の機能も統合される 可能性がある。 従って我が国でも資本主義社会の中に存在 しながら 完全に消 、 費団体となっている都市家族と生産団体たる農、 漁、 山村家族、 小商工業家族とは 機能面で大き 、 な差異がある。 即ち前者では個人的行動が中心となって、 家族の機能が 単純化しているが 後者で 、 は生産の共同から日常生活面の共同も行なわれるので、 自然、 家族の機能も多様化する事になる 。 我が国に 於ける昭和25年国勢調査結果の産業別世帯数、 世帯人員 14才以上就業者 産業三大別就 、 、 8 業人口の比率は第7表及び第8表に示す如くである。2 」 第7表. 世帯主の産業別一般 世帯数、 世帯人員及び1 4才以上男女就 業人ロ. 世滑数 人世唱 総. 数. 農. 業. 林業及狩 猟 業 (伐木業を含む) 漁 業 及 水 産. 養. 殖. 業. 鉱. loo 0% . 34 4 . 1 4 . 2 3 .. 建. 設. 業. 2. 5 52. 製. 造. 業. 17 8 .. 業. 及 売 小 卸 売 業 金 融ト 保 険・ 不 動 産 業. 運輸通信及び其の他の公益事業 サ. ビ. ー. ス. 業. 公. 務. 分 類不能 の 産 業 及 不 詳 第8表 産. 業. 三. 大. 別. 第一次産業 (農林水産業) 第二次産業 (鉱工建設業) 第三次産業 (販売その他) 第. 一. 次. 産. 業. 第. 次. 産. 業. 第. 二 三. 次. 産. 業. 第. 一. 次. 産. 業. 第. 二. 次. 産. 業. 第. 三. 次. 産. 業. 12 9 . 13 6 8 . 9 6 . 5 6 , 0 2 .. 5 9人 . 2 5 .. 14 才. 総. 数. ・ 男. 女. 100 0% ・. 100 0% ・. 45 3 . 1 2 .. 100 0% .. 35 8 .. 60 4 , 0 4 .. 5 8 , 4 8 .. 1 9 . L6. 8 4 . 4 7 . 4 7 .. 3 9 . 15 9 .. 5 O . 4 7 .. 以上就業者. lo 8 . 0 1 .. 4. 5 4 5 . 4 3 ,. 5 I . 8 9 .. . 4 2 , 0 2 .. 1 6 . 2 8 . 2 3 , 6 O .. 0 6 . 0 5 . 0 6 .. 18 5 ,. 11 8 ,. lo 7 ・. IQ8. 1 I ・ 7 4 ,. 0 .9 1 4 .. 7 8 . 5 7 .. 10 6 . 1 9 .. 0 3 .. I 0 . ・. 三大産業別就業人ロ比較. =獅 肪 年 1 昭和2 2年 1 昭和5年. %B孝 % 言 三 三 「誓 三 言 三 40 3 .. 43 9 . 28 3 . 27 8 .. 43 2 .. 61 3 . 12 9 .. 69 1 .. 60 8 .. 25 8 .. 18 2 ,. 26 8 . 32 9 .. 12 7 .. 23 9 . 32 9 .. 14 0 . 25 2 .. 大正9年 53 6% . 20 8 . 25 6 .. 48 3 . 23 3 . 28 4 .. 62 4 . 16 3 . 21 3 .. 第7 表によれば我が国家族の職業は資本主義化の過程にあるに拘わらず 未だ家族が生産を行な 、 う農、 林、 漁業、 小商工業は全産業の6割以上に達し、 一世帯平均人員も賃金労 働者 俸給生活者 、 4才以上就業者数も 7割に及ぶ 三大産業別就業人口も大正7年に比較 家族に比して多く、 従って1 。 す れば若干変化を示しているが、 昭和 5年とは殆ん ど差異がなく 特に資本主義経済の中 心をなす 、 一133--.
(11) . . 村. 北. 達. 第二次産業に急激な進展がみられない。 か る実態から家族は家族外社会体制の変動に比して、 変 化せず、 かなり遅滞し、 生産団体としての機能を遂行していると言 えよう。 特に数的に優位を占め る 農 る農業家族では依然として家族全員の労「動に依存せざるを得ない経営から脱し切 れないでい 。 が活動し得 業の機械化も進められている が、 過少な耕地を相手とする稲作経営では、 有効に機械 農 ず、 未だ多く手労働に頼り、 叉雇傭労働に充分依存するだけ彼等の生活水準が高まっていない。 されているの よって指摘 業家族の全成員が長時間家内労働に従事 している実態は、 多くの 学 者に 1 0 されている。 之は小商 時間働か 一日平均約 9 )再説 しないが、 農繁期、 農閑期を平均しても、 で、2 1 7 かけて、 春 1 6 工業者の場 合にも同 様である。 全国的な統計と しては、 少し古いが昭和 年から 年に 働時間を除 夏、 秋、 冬の四季に分けて行 なわれた日本放送協会の国民生活時間調査のうち、 家事労 0%抽 5年国勢調査の1 0表は昭和2 いた職業労働時間を業種別に一表にしたのが第9 表である。 叉第1 5 ) 出集計14才以上の週間労働時間である。2 第9表. 雪. 南 時 間 ゲ働 別 職業 種洲 業季 ミ労. 子 計 一. メド. 子 書 庭タ - 計 際 ト ,. 細. ′ J ・ 売. 業 者. 俸 給 生活者 工場労務者. 7 0 .. 第10表. 1001 6 .. 時 分 214 9 . I 503 .. 時 分1 4 I . 6 3 9 I . 41 839 . 3 1002 ,. 3 9 . 9 45 .. 7 0 ・ 7 0 ・ .. 10 0 .. 4 4 .. 4才以上就業人ロ 産業別、 就業時間別1 -. 4 35一48149一5916o時間 20一3 間 -時 間1時 間1以 上 時 6 7 1 ,9.61 24.7 23.3 22,2 . ・ メ 1 ; モ 1 g l z 30,3 18.4 逮 2 3. 木業 ) 霊 業(含伐 林業及狩猟業 赫 . 26 8 21 7 62 . . 業. 設. 建 製. loo 0 . 0 l0 1 o 0 o.. 2 I . 2 2 .. 三 愛, : i ¥ 1 畳 ?際‐ 8 8 菱』 {. 業 造 卸 売 業 及 小 売 業. - 金 融 保 険 及 不 動産 業 運輸通信その他公益事業 公. . 9 1.. 業. 鉱. サ. 劃. . 漁業及水 産 養 殖 業. ー. ビ. ス. 0 100 .. 0 ioo . 100 0 . ・. 業. 0 100 . ・. 務. 0 100 .. 分類不能の産業 及 不 詳. 100 0 .. 2 I . 1 6 .. 1 7 . 2 I .. 7 3 . 1 I 1 .. 24. 1 0 ・ . 5 0 .. 1 5 . 28 0 .. 1 3 . 4 9 .. 4 i . 5 3 .. 1 10 . 7 4 . 2 12 .. I 60 .. 51 9 . 2 40 . 6. 56 . 28 0 .. O 25 . 35 O .. l 7 . 4 12 .. I 27 , 4 24 .. O 30 .. 12 5 .. 6 22 . ノ ・ r r 28J. 6 9 . 12 9 .. O 25 . I J 24 .. 0 17 ・ 3 I 1 I1 .. 9 15 .. 7 3 73 .. 註 1 0 , 6 0 . 08 04 03 02 02 03 08 03 05 37. 4才以上の週間労 0表によれば、 家族が生産団体である場 合には平均労働時間が長く、 1 第9 表、 1 な役割 働時間も労働基準法に拘束されず、 48時間以上労働も比率的に高い。 叉婦人も労働面に大き じて全成員 時間労働を通 業 長 を果して いる事は、 家族の職 が全員の協力を 必要とするからである。 が強く結合するので、 自然、 家族の伝統も豊かとなり、 家業を通 じて祖先に対する崇拝心も起り、 叉家業を益々盛んならしめる為めに、 財産は成る可く分割 しない様に、 多くは長男に継承しようと. するから、 家族主義的機能も遂行される。 子供達は親の行なってきた経験を見習い、 親から職業的 教育も受けるので、 教育的機能も大きな意義を有する。 子が出生の時より長期に亘って親の下で生 活するので、 愛、 正義、 正直、 孝行等 の道徳も油養されるし、 叉文化的環 境から隔絶された農、 山 34 - -1.
(12) . 我が国における現代家族の機能の特性. 漁村家族 では家族自体で災害、 病気に対し防衛したり、 協力もするし、 家族成員が集って慰安、 娯 楽を求めるので、 そこに成員間に愛情が交流 し、 家族間の結合を強化する事になる。 従って資本主. 義的近代社会が集団とその機能を分化しているに拘らず、 容易に之等の集団に家族の機能を移譲し 得ないと言う特- 注がみられるのである、 そして日本家族の生活水準の低い事は、 一層各個人を家族. へ縛りつけているのである。 勿論第W項でも述べた如く、 都市近代家族 がその機能を縮少しっ る傾向も見逃せない特質ではあるが、 数的にみれば少数である。 、 な 結. あ. 語. 以上によって我が国に於ける現代家族の機能的特性を家族の構造と職業、 家族成員の意識の面よ り明らかにしてきたが、 直系家族、 生産団体たる家族が多い事、 家族制度への意識が強い事によっ て家族主義的機能が未だ遂行されている事を認めざるを得ない。 その点我が国現代家族は家族外社. 会集団の近代化、 民主化に平行して近代化しておらず、 変化の過程は極めて緩慢である。 緩慢であ る他の原因は、 日本家族がその類型の如何を問わず生活水準が低く、 家族個人の独立を許さず、 家 族的共同を余儀なくせしめている事にも求められる。 家族の構造と職業とは決して対立して考ぅべきでない。 直 系 家族型は生産団体たる家族に多い. し、 家族自らが生産を行なうが故に、 自然、 家族成員を複雑に包含する直系家族を構成する。 此の 両者が絡み合って日本家族の機能の多様性がみられるが、 その結果家族間の結合も維持され、 統一 も図られている。 戦後僅かの年数では家族の構造、 機能も大きな変革を示していない事は事実であ るが、 之は欧米諸国が長い民主々義的伝統の中で、 家族を近代化してきた事実と同÷ の基準で考え られないからである。 従って大都市に発生してい る近代家族も未だ前近代的性格を残存しているで. あろうし、 叉機能的にも縮少し、 単純化していると即断 し得ない。 そこにアメリカ近代家族と日本 近代 家 族 の 差異 も 発 見 し得 る の で あ る。 1 ) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8). 9 ) 1 0) 1 . ) 12) 13) 14) 15 ) 16) 17 ) 18) 19 ) 2 0 ) 2 1) 22) 23). 19 57・4,20) (. 3頁 清水盛光、 「家族」19 戸田貞三、 「家族構成」28頁 戸田貞三、 「家族構成」41頁. A. Vi f l l l l t ehre er s くandt scha ,pp 442一445 、 Gese. 25頁 鈴木栄太郎、 「日本農村社会学原理」123‐1 15頁 小倉武一、 「農民と社会」 1 36頁 清水盛光、 「家族」1. f i W. F. 0gburn & M. F. Niml くof QI Ogy , soc ,pp 474一476. 津留. 2頁、 外林大作外、 「社会心理学」35頁 宏、 「家族の心理」3. ia ISt G. P. Murdoc l ture ruc く , pp .-3 , soc i IS S t t G. P, Murdock r a r u c u e o c , pp . = ,. 6頁 菊地綾子、 近代家族の構造と機能、 (家族問題と家族法 1)24 細著、 「近代家族」72頁 i l i j j n the Twent amki can Fami eth Ce t n yi ur .Sir y , The Amer , 井上勇邦訳 137頁 稲子恒夫、 十月革命とソヴェト同盟の家族、 「家族問題と家族法1)19 2頁 稲子恒夫、 前掲論文、200頁 マカ レソコ、 「親のための本」 (マカ レソコ著作集第4巻)9 1頁 鈴木栄大郷、 「日本農村社会学原理」 172頁 0-2 42頁 鈴木栄太郎、 前掲書、21 戸田貞三、 「家と家族制度」 58-116頁 鈴木栄太郎、 前掲書、 265頁 ・山 隆、 日本の都市における家族構成の特質 (都市問題、 第47巻、 第6号)5 ノ 」 87頁、589頁 戸田貞三、 「家族・結婚」2 .3頁、 清水幾太郎 「社会心 理学」88頁. 4 9E 2 ) 清水幾太郎、 前掲書、8 t. 35一 一1.
(13) . 北. 村. 達. 25 ) 戸田貞三、 「家族・結婚」 所収の附表より転載 したもので、 第4表は質問項目22間中より5問、 第5表 5間中より3H= は2 、 第6表は12間中より2問を選 び出したもので、 紙数の都合で、 全項目の掲載を省略 した。 詳細は同書参照 2頁) 2 6 ) 山根常男、.都市生活における家族の機能、 (都市問題、 第47巻、 第6号、59 27 56頁 ) 戸田貞三、 家族の構成と機能、 (社会学体系、 第1巻、 家族)42- 2 8) 第7表、 第8表は、 最近の人ロに関する統計資料増補7版 (人口問題研究所編) より転載 29) 鈴木栄太郎、 前掲書、2 2 12 2頁 14‐ 30頁、 小倉武一、 前掲書、119- 30) 第9表は、 小山瞳、 日本近代家族 (社会学大系、 第1巻、 家族)189頁より転載 o表は、 人口問題研究所編、 前掲資料より転載 第l 附記 本稿を草するにあたり、 北海道大学鈴木教授より御示唆を与えられ、 叉本 学飯野教授の御校閲 をいた だいた。 両先生に謝意を表する。. -136-.
(14)
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