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小学校英語活動における教師の実践的知識の研究-3人の教師の事例研究を通して-

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Academic year: 2021

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(1)小学校英語活動における教師の実践的知識の研究     一3人の教師の事例研究を通して一 専攻   教科・領域教育学専攻 コース  言語系コース. 学籍番号 M07151B 氏名   中林 佳奈.  平成20年度の学習指導要領の改訂で,小学校. ②それぞれの教師の語りの分析結果を統合. に「外国語活動」が新たな領域として新設され,. することで,本研究で取り扱ったティー. 平成23年度から第5,6学年で週1時間ずつ実施. ム・ティーチングの実践を多面的に捉え,. される。移行期間の現在,すでに多く小学校で. その理解を深めること。. 実践が始まっているが,筆者自身も,ボランテ.  まず,先行研究から教師の知識についての理. ィア外国語指導補助員として,小学校の英語活. 論的考察を行った。E1baz(1981)は,ある言語教. 動の実践開発の支援者および授業者として参加. 師の事例研究から,教師は,専門的で固有な知. してきた。その学校での実践では,様々な課題. 識を授業という実践を通して生成し知識を使用. に直面しているが,例えば,担任教師やALTと. していることや,教師の知識が直感的で暗黙的. のティーム・ティーチングでは,事前の打ち合. な特徴をもっていることを指摘した。そして,. せを行っていたにも関わらず,3名の授業者同. このような知識を「実践的知識」と呼んだ。注. 士が,お互いに活動の意図や役割をうまく理解. 目すべきは,従来の知識観とは異なり,学問的. できず,授業が円滑に進まないことをしばしば. あるいは理論的な知識だけでなく,状況的,個. 経験した。教師行動が教師の異なる言語学習や. 人的,社会的,経験的といった特性を上げ,専. 教育の経験や知識に支えられることを考えれば,. 門家としての教師の知のあり方を正当化した点. 複数の教師がかかわるティーム・ティーチング. にある。. において,こういった混乱は当然起こってくる.  Conne11y&C1andinin(1988)亨ま, E1baz(1981). ものと思われる。そこで,本研究では,授業に. の研究を受け,教師の実践的知識は,頭の中に. 臨むそれぞれの教師の内面,すなわち,小学校. あるだけでなく,身体化された知識(embodied. 英語活動における教師の実践的知識,ビリーフ. know1edge)であることを強調し,それを「個人. に目を向け,3人の教師の語りを分析した。具. 的実践的知識」と呼んだ。そして,個人的実践. 体的には,以下のような事柄を目指す。. 的知識を「教育状況という生活を知る倫理的,. ①小学校英語活動が導入されるという新た. 情緒的,審美的な方法」(p.59)であり,r経験的,. な学校教育の制度的変化の中で,教師のビ. 具体的であり教師生活の語りから再構成される. リーフや知識の形成に影響を与え,教師の. 知識」(C1andinin&Come11y,1987,P1490). 成長及び葛藤・不安を生み出す要因を,そ. と定義している。彼らは,教師の個人的実践的. れぞれの教師の語りを通して検討すること,. 知識は,より状況的で包括的に個人や教師とし. 一258一.

(2) データから概念を抽出し,概念同士の関係づけ. ての経験を反映していることを強調した。.  第二言語教師の研究として,Go1ombekは,教. によって研究領域に密着した理論を生成するク. 師の語りの事例研究を通して,個人的実践的知. ラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた。. 識と授業実践がいかにr教師自身に関連し,状.  これから英語活動を始める新任教師Cの語り. 況的で,実践に向き,ダイアレクティック. から,①英語活動実践への不安,②授業での自. (dia1eCtiCa1)で,ダイナミックで,同様に,倫. 己の役割に対する不安,を抱えていることが明. 理的で,情緒的で,相互関係的. らかになった。また,ALT(教師D)の語りから.  (consequentiality)である」(p.452,訳は筆. は,①子どもとの関わりを重視する指導観,②. 者による)のかを示し,特に個人的実践的知識. 自らの経験不足を補う手立て,③不安と負担が. の相互関係性という特徴を強調した。また,教. 軽い英語活動の実践へ好意的評価という3点を. 師の個人的実践的知識の相互関係的側面を理解. 読み取ることができた。そして,すでに英語活. するためには,教師は自らの実践を語り,その. 動の実践を経験し,学校の研究推進に当たった. 語り(narratiVe)を理解したり,意味づけたりす. 熟練教師(教師B)へのインタビューからは,①. る必要があることに言及した。. 研究授業をきっかけとした役割分担の認識,②.  先行研究から,教師の個人的実践的知識を静. 研究推進担当としての使命感,③新しい指導観. 的な知識としてだけでとらえるのではなく,よ. という語りが現れた。それぞれの教師の語りを,. り包括的な視点から捉える必要があると考えた。. Johnstonらの専門家としての成長のフレーム. 本研究では,英語活動に取り組む教師を対象と. ワークに当てはめ,教師のビリーフや知識,教. し,彼らを取り巻く社会文化的状況を含め,教. 師としての成長に影響する要因を,教師ごとに. 師の実践的知識を包括的にかつダイナミックに. 分析を進めた。その結果,子ども理解(Cogniti㎝. 捉える視点としてJohnston,Pawan&. in the c1assro㎝),教材理解・準備(C㎝tents),. Mahan−Tay1・r(2005)による教師の専門家とし. 他教科との繋がり(Comecti㎝),自己の役割. ての成長モデルを分析の理論的基盤として援用. (po㎜itment),同僚性(po11egia1ity)という. する。そして,Johnstonらが示す,(1)教師の. 5Csが,英語活動に取り組む教師の専門性とし. ライフストーリー,(2)専門家としての成長,. て必要な要素であることが明らかとなった。. (3)教師のビリーフと知識,(4)アイデンティ.  そして,本研究で取り扱ったティーム・ティ. ティー,(5)社会政治および社会文化的な文脈. ーチングの実践を多面的に捉え,その理解を深. の5つの観点から,それぞれの教師の語りを分. めるという上記に掲げた研究目標②を達成する. 析することにした。. ために,3名の教師の語りの分析結果を統合し,.  研究に参加した教師は,本研究の背景となっ. 小学校英語活動におけるティーム・ティーチン. た兵庫県内の公立小学校で,英語活動に関わる. グでは,「同僚性(Co11egia1ity)」が重要である. 新任教師,熟練教師,そしてALTを含めた3名. ことを示唆する。. である。これらの教師に英語活動についてのイ ンタビューを行い,分析の対象とした。分析は,. 主任指導教官 吉田 達弘. 予め設定されたカテゴリーに基づくのではなく,.   指導教官 吉田 達弘. 一259一.

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参照

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