小学校英語活動における教師の実践的知識の研究-3人の教師の事例研究を通して-
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(2) データから概念を抽出し,概念同士の関係づけ. ての経験を反映していることを強調した。. 第二言語教師の研究として,Go1ombekは,教. によって研究領域に密着した理論を生成するク. 師の語りの事例研究を通して,個人的実践的知. ラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた。. 識と授業実践がいかにr教師自身に関連し,状. これから英語活動を始める新任教師Cの語り. 況的で,実践に向き,ダイアレクティック. から,①英語活動実践への不安,②授業での自. (dia1eCtiCa1)で,ダイナミックで,同様に,倫. 己の役割に対する不安,を抱えていることが明. 理的で,情緒的で,相互関係的. らかになった。また,ALT(教師D)の語りから. (consequentiality)である」(p.452,訳は筆. は,①子どもとの関わりを重視する指導観,②. 者による)のかを示し,特に個人的実践的知識. 自らの経験不足を補う手立て,③不安と負担が. の相互関係性という特徴を強調した。また,教. 軽い英語活動の実践へ好意的評価という3点を. 師の個人的実践的知識の相互関係的側面を理解. 読み取ることができた。そして,すでに英語活. するためには,教師は自らの実践を語り,その. 動の実践を経験し,学校の研究推進に当たった. 語り(narratiVe)を理解したり,意味づけたりす. 熟練教師(教師B)へのインタビューからは,①. る必要があることに言及した。. 研究授業をきっかけとした役割分担の認識,②. 先行研究から,教師の個人的実践的知識を静. 研究推進担当としての使命感,③新しい指導観. 的な知識としてだけでとらえるのではなく,よ. という語りが現れた。それぞれの教師の語りを,. り包括的な視点から捉える必要があると考えた。. Johnstonらの専門家としての成長のフレーム. 本研究では,英語活動に取り組む教師を対象と. ワークに当てはめ,教師のビリーフや知識,教. し,彼らを取り巻く社会文化的状況を含め,教. 師としての成長に影響する要因を,教師ごとに. 師の実践的知識を包括的にかつダイナミックに. 分析を進めた。その結果,子ども理解(Cogniti㎝. 捉える視点としてJohnston,Pawan&. in the c1assro㎝),教材理解・準備(C㎝tents),. Mahan−Tay1・r(2005)による教師の専門家とし. 他教科との繋がり(Comecti㎝),自己の役割. ての成長モデルを分析の理論的基盤として援用. (po㎜itment),同僚性(po11egia1ity)という. する。そして,Johnstonらが示す,(1)教師の. 5Csが,英語活動に取り組む教師の専門性とし. ライフストーリー,(2)専門家としての成長,. て必要な要素であることが明らかとなった。. (3)教師のビリーフと知識,(4)アイデンティ. そして,本研究で取り扱ったティーム・ティ. ティー,(5)社会政治および社会文化的な文脈. ーチングの実践を多面的に捉え,その理解を深. の5つの観点から,それぞれの教師の語りを分. めるという上記に掲げた研究目標②を達成する. 析することにした。. ために,3名の教師の語りの分析結果を統合し,. 研究に参加した教師は,本研究の背景となっ. 小学校英語活動におけるティーム・ティーチン. た兵庫県内の公立小学校で,英語活動に関わる. グでは,「同僚性(Co11egia1ity)」が重要である. 新任教師,熟練教師,そしてALTを含めた3名. ことを示唆する。. である。これらの教師に英語活動についてのイ ンタビューを行い,分析の対象とした。分析は,. 主任指導教官 吉田 達弘. 予め設定されたカテゴリーに基づくのではなく,. 指導教官 吉田 達弘. 一259一.
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