明星大学40㎝望遠鏡による
シーイングの測定
明星大学
理工学部 総合理工学科 物理学系
13S1-005
目次
1.要旨
2.シーイング
3.観測
4.シーイングの測定方法
5.1ピクセルあたりの離角について
6.観測結果
7.まとめ
8.考察
9.結論
10.参考
11.謝辞
1.要旨 日頃何気なく夜空を見上げると、多くの天体がキラキラと瞬いている。単に星 を眺めているだけであれば、大変趣のある現象だ。しかし、本来点光源に見え るはずの恒星がぼやけたり、位置がぶれて見えるため、科学的な天体観測にお いて星の瞬きは非常に厄介なものである。この現象による観測条件の良し悪し はシーイングと呼ばれ、大気の揺らぎの影響による。このシーイングは、どの ような気温で、どのような湿度で、どのような時間で影響するのかなど、観測 していく。 この研究の中では、離角の小さい重星の離角を様々な条件で測定し、ある区 間内での最大値~最少値と標準偏差を求め、それをシーイングの指標とした。そ の結果として、観測時のシーイングは「湿度」と「高度」に大きく影響される ことがわかった。 2.シーイング 前項で述べたとおり、シーイングは「大気の揺らぎ」により決まる。では、シ ーイングは主に何に影響されるのだろうか。 ① 空気に含まれる水分 空気中には水分が含まれている。光が空気中から水中もしくは水中か ら空気中へ入射する際には屈折が起きる。恒星から発せられる光が大 気中で屈折を繰り返し、シーイングの悪化につながる。 ② 気温の変化 飽和水蒸気量が関係。気温が高いと飽和水蒸気量も大きくなり、より 多くの水分が空気中に含まれる。 ③ ほこりや塵による影響 大気中のほこりや塵が、恒星からの光を妨げる。 ④ 季節 季節による気温の変化はもちろん、夏の梅雨や冬の偏西風などで、上 記の内容に影響される。 ⑤ 空気中の分子 気温が高いと、空気を構成する分子の運動が活発的になる。 主にこれらの影響により、シーイングが悪化する。
3.観測 『使用機材』 ・明星大学40 ㎝望遠鏡 おもに天体の観測を行う ・デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkⅡ シーイングの測定材料の写真を撮影 ・ステライメージ CR2 データを Fits データに変換 ・マカリ 撮影した画像の光量を数値化 『観測天体』 かに座φ2 (𝜑!𝐶𝑛𝑐) 「連星」 赤経:8h 26m46.9s 赤緯:26゜56’07” 主星:6.3 等 伴星:6.3 等 離角:5.2 秒角
『連星の撮影』(各区間:約5 分 露出時間:0.6 秒) 観測の季節に見ることのできる連星を決め、気温・湿度・高度・風量などの条 件を変化させ、断続的に撮影する。 連星は、離角が大きすぎず、更には二つの恒星が判別できる距離であり、更に はできるだけ等級の近いものを選ぶ。 シーイングの影響により速いスピードで恒星像の中心が動いているため、撮影 時は各区間ごとで連続して多くの枚数を撮影をする。 『観測日時について』 月 日 時刻 [開始] [終了] 高度 天候 気温(℃) 湿度(%) 風速(m /s) 撮影枚数 2018 1月11日 1時23分30秒 1時28分20秒 78゜38 快晴 4.4 42 1 57枚 1月21日 21時27分36秒 21時32分31秒 55゜08 はれ 6.9 36 4.1 58枚 1月26日 0時21分08秒 0時25分43秒 79゜04 快晴 -4 51 2 47枚 1月26日 5時29分03秒 5時33分53秒 19゜11 快晴 -6 61 1 42枚
4.シーイングの測定方法 撮影した写真を解析する 光量を数値化し、その写真時の連星の離角を測定するために、アプリ「マカリ」 を使用する。 ① 写真をマカリに読み込ませ、二つ恒星上にグラフを引く。 ② そのグラフを数値化し、2つの山の中心を決める(各恒星の中心となる)。
③ 各中心をグラフの座標の始点と終点とすることで、その写真での連星の離角 を測定することができる。
④ 1つの区間すべての写真の離角を測定し、その中での最大値~最少値の幅と 標準偏差をその時のシーイングの指標とする。
5.1ピクセルあたりの離角について マカリで撮影した写真の光量を数値化し、離角を決める際に与えられる距離の 単位は、「ピクセル」である。これを離角に変換する際に、「1ピクセルあたり の離角」が必要になってくる。 これを算出するには、実際に離角のわかっている多少距離のある二つの恒星を、 前項のシーイングの測定方法と同じように作業し、実際の離角を出た値で割る ことで1ピクセルあたりの離角を算出することができる。 実際の計算 今回1「ピクセルあたりの離角」を算出するために観測した天体は、 ふたご座 ・GSC1918.2338 赤経7h29m20.2s 赤緯 28゜07’ 05” ・GSC1918.2337 赤経7h29m48.6s 赤緯 27゜54’ 57” の二つとした。 この二つの恒星の実際の離角は、約535 秒角である。マカリで与えられた二つ の恒星の距離は、1785.7 ピクセルであったので、 804 ÷ 1785.7 ≒ 0.45 よって、1ピクセルあたりの離角を0.45 とした。 これを使用して、各測定結果の離角を導いていく。
6.観測結果
1月11日(木) 時間 [開始] [終了] 気温 湿度 高度 1時23分30秒 1時28分20秒 4.4℃ 42% 78゜38
N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 1 23分30 0 11.6 5.22 21 10 100 12 5.4 41 50 200 10.2 4.59 2 35 5 11.9 5.355 22 15 105 11.4 5.13 42 55 205 12.1 5.445 3 40 10 12.5 5.625 23 20 110 11.6 5.22 43 27分0 210 11.1 4.995 4 45 15 11.5 5.175 24 25 115 12.5 5.625 44 5 215 10.5 4.725 5 50 20 10.5 4.725 25 30 120 11.7 5.265 45 10 220 11.7 5.265 6 55 25 8.2 3.69 26 35 125 11.6 5.22 46 15 225 10.9 4.905 7 24分0 30 11 4.95 27 40 130 11.9 5.355 47 20 230 10.1 4.545 8 5 35 10.5 4.725 28 45 135 10 4.5 48 25 235 10.6 4.77 9 10 40 11.5 5.175 29 50 140 10.7 4.815 49 30 240 10.9 4.905 10 15 45 11.4 5.13 30 55 145 11.7 5.265 50 35 245 10.4 4.68 11 20 50 12.3 5.535 31 26分0 150 10.3 4.635 51 40 250 11.5 5.175 12 25 55 11.4 5.13 32 5 155 11.6 5.22 52 45 255 11.4 5.13 13 30 60 11.6 5.22 33 10 160 11.8 5.31 53 50 260 11.3 5.085 14 35 65 12 5.4 34 15 165 10.6 4.77 54 55 265 15 40 70 12.3 5.535 35 20 170 10.7 4.815 55 28分0 270 10.6 4.77 16 45 75 11.3 5.085 36 25 175 11.1 4.995 56 5 275 10.7 4.815 17 50 80 10 4.5 37 30 180 10.9 4.905 57 10 280 11.5 5.175 18 55 85 10.7 4.815 38 35 185 11.4 5.13 58 15 285 19 25分0 90 8.8 3.96 39 40 190 10.6 4.77 59 20 290 11.5 5.175 20 5 95 11 4.95 40 45 195 11.1 4.995 最大-最少 標準偏差 1.935 0.361234 風速 1m /s 1月21日(日) 時間 [開始] [終了] 気温 湿度 高度 21時27分36秒 21時27分31秒 6.9℃ 36% 55゜08
N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 1 27分36秒 0 10.8 4.86 21 16 100 11.6 5.22 41 56 200 12.2 5.49 2 41 5 12.8 5.76 22 21 105 11.4 5.13 42 31分1 205 11.4 5.13 3 46 10 11.4 5.13 23 26 110 11.2 5.04 43 6 210 10.8 4.86 4 51 15 11.7 5.265 24 31 115 10.8 4.86 44 11 215 10.8 4.86 5 56 20 10.6 4.77 25 36 120 12 5.4 45 16 220 13.6 6.12 6 28分1 25 9.4 4.23 26 41 125 11.5 5.175 46 21 225 11.4 5.13 7 6 30 10 4.5 27 46 130 10.7 4.815 47 26 230 12.5 5.625 8 11 35 11.4 5.13 28 51 135 11.3 5.085 48 31 235 11.4 5.13 9 16 40 10 4.5 29 56 140 11 4.95 49 36 240 11.3 5.085 10 21 45 10.6 4.77 30 30分1 145 50 41 245 10 4.5 11 26 50 12.3 5.535 31 6 150 51 46 250 11.4 5.13 12 31 55 11 4.95 32 11 155 10 4.5 52 51 255 11.3 5.085 13 36 60 12.4 5.58 33 16 160 11.2 5.04 53 56 260 11.4 5.13 14 41 65 11.4 5.13 34 21 165 11.2 5.04 54 32分1 265 10.6 4.77 15 46 70 11.6 5.22 35 26 170 11.4 5.13 55 6 270 11.4 5.13 16 51 75 11.2 5.04 36 31 175 11.4 5.13 56 11 275 11.7 5.265 17 56 80 12.1 5.445 37 36 180 10.6 4.77 57 16 280 11.4 5.13 18 29分1 85 11 4.95 38 41 185 11.7 5.265 58 21 285 10.8 4.86 19 6 90 10.8 4.86 39 46 190 10.6 4.77 59 26 290 11.7 5.265 20 11 95 11.7 5.265 40 51 195 9.4 4.23 60 31 295 10.8 4.86 最大-最少 標準偏差 1.89 0.346637 風速 4.1m /s
1 月 11 日(木) 1 月 21 日(金) 0 1 2 3 4 5 6 7 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 離 角 ( 秒 角 ) 時間(秒) 0 1 2 3 4 5 6 7 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 離 角 ( 秒 角 ) 時間(秒)
1月26日(金) 時間 [開始] [終了] 気温 湿度 高度 0時21分08秒 0時25分43秒 ー4℃ 51% 79゜04
N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 1 21分08秒 0 8.1 3.645 21 53 100 8.7 3.915 41 33 200 8.9 4.005 2 13 5 7.1 3.195 22 58 105 7.8 3.51 42 38 205 9.6 4.32 3 18 10 8.8 3.96 23 23分3 110 10 4.5 43 43 210 7.4 3.33 4 23 15 7.3 3.285 24 8 115 9.7 4.365 44 48 215 7.2 3.24 5 28 20 9.6 4.32 25 13 120 8.8 3.96 45 53 220 5.6 2.52 6 33 25 6.3 2.835 26 18 125 9.9 4.455 46 58 225 4.9 2.205 7 38 30 8.5 3.825 27 23 130 7.7 3.465 47 25分3 230 5.9 2.655 8 43 35 6.5 2.925 28 28 135 10 4.5 48 8 235 4.4 1.98 9 48 40 8.3 3.735 29 33 140 5.6 2.52 49 13 240 9.3 4.185 10 53 45 8.8 3.96 30 38 145 50 18 245 6.6 2.97 11 58 50 31 43 150 51 23 250 7.3 3.285 12 22分03 55 32 48 155 52 28 255 8.9 4.005 13 8 60 33 53 160 53 33 260 7.2 3.24 14 13 65 8.5 3.825 34 58 165 54 38 265 9.3 4.185 15 23 70 7.9 3.555 35 24分3 170 7.9 3.555 55 43 270 8.1 3.645 16 28 75 8 3.6 36 8 175 8.7 3.915 17 33 80 9.6 4.32 37 13 180 7.7 3.465 最大-最少 標準偏差 18 38 85 7.8 3.51 38 18 185 5.9 2.655 3.06 0.695783 19 43 90 11 4.95 39 23 190 4.2 1.89 20 48 95 8.7 3.915 40 28 195 5.8 2.61 風速 2m /s 1月26日(金) 時間 [開始] [終了] 気温 湿度 高度 5時29分34秒 5時33分53秒 ー6℃ 61% 19゜11
N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 N O . 時間 経過時間 距離[pix] 離角 1 29分3 0 5 2.25 21 43 100 7.3 3.285 41 23 200 10.6 4.77 2 8 5 6.3 2.835 22 48 105 10.1 4.545 42 28 205 12.2 5.49 3 13 10 7.2 3.24 23 53 110 6.7 3.015 43 33 210 9.9 4.455 4 18 15 11.9 5.355 24 58 115 10.1 4.545 44 38 215 5 23 20 6.8 3.06 25 31分3 120 45 43 220 6 28 25 5.1 2.295 26 8 125 46 48 225 7 33 30 10.8 4.86 27 13 130 47 53 230 8 38 35 8.7 3.915 28 18 135 48 58 235 9 43 40 9.4 4.23 29 23 140 8.8 3.96 49 3 240 4.5 2.025 10 48 45 5.9 2.655 30 28 145 7.1 3.195 50 8 245 5.6 2.52 11 53 50 9.1 4.095 31 33 150 5.8 2.61 51 13 250 8.6 3.87 12 58 55 32 38 155 3.5 1.575 52 18 255 5.9 2.655 13 30分3 60 33 43 160 5.2 2.34 53 23 260 8.8 3.96 14 8 65 34 48 165 7.3 3.285 54 28 265 7.2 3.24 15 13 70 35 53 170 7.1 3.195 55 33 270 5.1 2.295 16 18 75 8.7 3.915 36 58 175 8.1 3.645 56 38 275 5.9 2.655 17 23 80 37 3 180 5.9 2.655 57 43 280 7.3 3.285 18 28 85 38 8 185 9.4 4.23 58 48 285 8.7 3.915 19 33 90 39 13 190 5.9 2.655 59 53 290 6 2.7 20 38 95 40 18 195 5.3 2.385 最大-最少 標準偏差 3.915 0.926188 風速 1m /s
1 月 26 日(金)① 1 月 26 日(金)② 0 1 2 3 4 5 6 7 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 離 角 ( 秒 角 ) 時間(秒) 0 1 2 3 4 5 6 7 0 30 60 90 120 150 180 210 240 270 離 角 ( 秒 角 ) 時間(秒)
月 日
湿度(%) 最大-最少 標準偏差
1月21日
36
1.89 0.338462
1月11日
42
1.93 0.361234
1月26日
51
3.06 0.695783
1月26日
61
3.92 0.926188
7.まとめ 前記の通り、最大値~最小値の幅と標準偏差がシーイングの指標となり、これよ り考察をしていく。 8 考察 ・湿度とシーイングの関係 図からわかる通り、湿度が高くなっていくにつれシーイングも大きくなって いる。そのため、空気中の水分により恒星からの光が屈折を繰り返すことでシ ーイングとなり、湿度が高いとシーイングがより大きく、湿度が低いとシーイ ングもより小さくなっていくことがわかった。 月 日 時刻 [開始] [終了] 高度 天候 気温(℃) 2018 1月11日 1時23分30秒 1時28分20秒 78゜38 快晴 4.4 1月21日 21時27分36秒 21時32分31秒 55゜08 はれ 6.9 1月26日 0時21分08秒 0時25分43秒 79゜04 快晴 -4 1月26日 5時29分03秒 5時33分53秒 19゜11 快晴 -6 湿度(%) 風速(m /s) 最大離角 最少離角 最大-最少 標準偏差 42 1 5.62 3.69 1.93 0.361234 36 4.1 6.12 4.23 1.89 0.338462 51 2 4.95 1.89 3.06 0.695783 61 1 5.49 1.57 3.92 0.926188・高度とシーイングの関係 ① ② 1/26① 1/26② 1/26 の 2 つのデータを比較する。両データとも、日にちはもちろん気温・湿度・ 天候・風速にほとんど変わりはなかったが、高度のみ大きな違いがあった。こ れにより、恒星の高度とシーイングに大きな関係があることがわかる。
月 日
時刻 [開始]
[終了]
最大-最少
標準偏差
高度(平均)
1月26日 0時21分08秒
0時25分43秒
3.06
0.695783
79゜04
1月26日 5時29分03秒
5時33分53秒
3.92
0.926188
19゜11
・高度と大気内の距離の違い 上記の「高度とシーイングの関係」についてまとめていく。 なぜ高度の低いデータの方がシーイングに大きな影響が出たか。結論として、 高度の違いにより恒星からの光が大気内を進む距離に違いがあるからであった。 大気内の水分がシーイングに影響があることは述べたが、光の進む距離が長け れば長いほど、その影響が大きく現れるからである。 次に、高度と大気内の距離に関係があるのかを述べていく。 ・高度と距離 図のように、地上から大気内の高さを ℎ、高度を 𝜃、恒星から観測者までの大気 内の距離を 𝑥とするとき、大気内の距離 𝑥を求める式は、 となる。ここで、ℎ=100km とすると、観測時の高度の距離は以下のようなデー タになる。
月 日
高度
最大-最少
標準偏差
x
1月11日
78゜38
1.93
0.361234
102
1月21日
55゜08
1.89
0.338462
122
1月26日
79゜04
3.06
0.695783
101
1月26日
19゜11
3.92
0.926188
307
例えば高度をそれぞれ5°区切りで代入すると、 となる。 これにより、高度が高いと距離は短く、高度が低いと距離は長くなり、更に は高度が低くなるにつれその変化は大きくなることがわかった。 ・望遠鏡の分解能 (0.29”) 波長 青→最小で435nm 赤→最大で750nm これより分解能は、 青→約0.23” 赤→約0.39” となる。 分解能を離角の標準偏差と比べると、1/11 と 1/21 のデータについては同等だが、 1/26 のデータについては離角の揺らぎの方が有意に大きい。このため、離角の 揺らぎの要因はシーイングの悪化にあると言える。 h 高度 x 高度 x 100 90゜ 100 45゜ 141 85゜ 100 40゜ 155 80゜ 101 35゜ 174 75゜ 103 30゜ 200 70゜ 106 25゜ 236 65゜ 110 20゜ 292 60゜ 115 15゜ 386 55゜ 122 10゜ 576 50゜ 130 5゜ 1148
・1/26 の 2 つのデータについて 1/11、1/21 の二つのデータに関しては、離角の値が 5 秒前後であり観測天体 の実際の離角と比較してもまともな値であったが、1/26 の 2 つのデータに関し ては、離角の値が4 秒前後であったため、実際の離角より小さくなっているこ とがわかる。更には、シーイングについても1/11・1/21 は約 1.9 秒角に対し、 1/26 の2は共に 3 秒超えている。これについての考察を述べていく。 「シーイングと離角」 シーイングが大きければ大きいほど、実際の離角と比べ撮影した写真の離角 は小さくなってしまう可能性があると考えられる。 「気温の比較」 観測した4つのデータの気温を比較すると、1/26 は両データとも気温がマイ ナスであった。逆に、1/11 と 1/21 の気温は 4.4℃、6.9℃と 0℃を上回っている。 観測地点の気温がマイナスであることが、離角を小さくしてしまう原因なので はないかと考えられる。 「気象データより」 特に1/11 と 1/26①のデータを比較すると、高度・天候・湿度・風速はさほど 変化はなく、気圧等についても大きな変化はなかったが、露点温度についての み1/11 -3.8℃、1/26 -12.5℃と大きな違いが見られた。この「露点温度」が シーイングに影響がある可能性があると考えられる。 9.結論 結論として、天体観測を行う際「湿度が低いと空気中の水分による屈折量が 減り、シーイングが良くなる」と「高度ができるだけ高い時に観測することで、 大気内の距離が短くなり、シーイングを抑えることができる」の2 点を踏まえ ると、比較的良いシーイングで観測をすることができるということがわかった。
10.参考 • http://www.akamoz.jp/you/stars/calc-angle.htm 離角測定 • http://www.tenki.jp/past/ 気象データ • 「天体ガイド マップ STAR ATLAS 2000.0(天体ガイド編)」 監修 冨田弘一郎 観測天体(重星)の決定 11.謝辞 本研究・論文作成にあたり、不慣れなためにどの事柄に対しても時間のかかる 自分でありましたが、未熟な自分に対して常に親切かつ丁寧なご指導をしてく ださった 井上一先生 小野寺幸子先生 日比野由美先生 に大変感謝しておりま す。本当にありがとうございました。 また、その他の関係者の方々、同研究室の仲間たちにも恵まれ、充実した1 年 間を過ごすことができました。いくつものご迷惑をおかけしただろうと思いま すが、どの方も親切であったこと、とても感謝しております。ありがとうござ いました。 以上、ここに謝辞として示させていただきます。