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マウスをモデルとするES細胞及び核移植による遺伝子改変動物作出技術の開発に関する研究

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Academic year: 2021

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マウスをモデルとするES細胞及び核移植による遺伝

子改変動物作出技術の開発に関する研究

著者

水谷 英二

859

発行年

2005

URL

http://hdl.handle.net/10097/16779

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名(本籍)

学 位 の 種 類

学 位 記 番 号

学位授与年月 日

学位授与 の要件

研 究 科 専 攻

学 位 論 文 題 目

みず たに えい じ 水 谷 英 二 博 士(農 学) 農 博 第859号 平 成18年3,月24日 学 位 規 則 第4条 第1項 該 当 農 学研 究科 応用 生命 科学 専攻 (博 士課程) マ ウス を モデ ル とす るES細 胞 及 び核 移 植 に よ る遺 伝 子 改 変動物 作 出技 術 の開発 に関す る研 究

論 文 審 査 委 員

(主 査)教 授 佐 藤 (副 査)教 授 西 森 助 教授 佐 々 田 助 教授 豊 水

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1.緒 言 体 外 で 生 殖 細 胞 を操 作 す る こ とに よ り産 子 を生 産 す る発 生 工 学 技 術 は,実 験 動 物 で の胚 培 養 ・体 外 受 精 技 術 に始 ま り,1980年 代 か らは ウ シ な どの産 業 動 物 で の体 外 成 熟 培 養 ・受 精 ・胚 培 養i(IVMFC)に 続 き,ご く最 近,1997年 に は体 細 胞 を ドナ ー 核 と した ク ロー ン ヒツ ジ を作 出す る核 移 植 技 術 ま で発 展 して き て い る。 この 間,胚 性 幹 細胞(ES細 胞)を 利 用 した ジー ン ター ゲ テ ィ ン グ法 が 開発 され, ES細 胞 を培 養 下 で遺 伝 子 操 作 した 後 に受 精 卵 へ 注 入 しキ メ ラマ ウス を作 り,F1 キ メ ラマ ウ ス 同 士 の 交 配 に よ りノ ック ア ウ ト動物 の作 出 が 可能 とな っ た。 しか しな が ら,ES細 胞 に よ りキ メ ラ個 体 を作 出す る能 力 は異 な り,ま た,F1キ メ ラマ ウス が作 出 され た場 合 で も生 殖 細 胞 にES細 胞 由来 の遺 伝 子 が導 入 され ず 目的 の 遺伝 子 改 変 マ ウス が得 られ ない 場 合 も多 い 。一方,1997年 に株 化 細 胞 の乳 腺 細 胞 を ドナ ー核 と した 核 移 植 技 術 に よ り体 細 胞 ク ロー ン ヒツ ジ が作 出 され,哺 乳 類 に お い て も体 細 胞 か ら ク ロー ン個 体 が 作 出 で き る こ とが 証 明 され,現 在 ま で に 10種 類 以 上 の動 物 種 にお い て 体 細胞 ク ロー ン個 体 の作 出 が 報 告 され て い る。 核 移 植 技 術 の大 き な利 点 と して,体 細 胞 に遺 伝 子 の 相 同組 換 え を行 う こ とに よ り, マ ウス 以外 の動 物 で樹 立 が 困難 なES細 胞 を用 い ず に遺伝 子 改 変 動 物 を作 出 で き る可能 性 が あげ られ る。しか しな が ら,現 在 の とこ ろ核 移 植 技術 に よ る体 細胞 ク ロー ン個 体 作 出 の 成 功 率 は数%と 低 い う え に ,体 細 胞 ク ロー ン個 体 に お け る 様 々 な異 常 も報 告 され,成 功 率 の 向上 お よび 正 常 個 体 作 出 系 の 開発 が 望 まれ て い る。 以 上 の 背 景 下,本 研 究 で は実 験 動 物 と して広 く利 用 され てい るマ ウス を用 い, 発 生 工 学 を利 用 した産 子 獲 得 技 術 の基 礎 研 究 と して,ま ずジ第 一 にES細 胞 を用 い た遺 伝 子 改 変 動 物 の作 出効 率 を上 げ るた め に,従 来 の体 外 受 精 や 自然 交 配 で は な く,顕 微 授 精 技 術 を用 い る こ とを発 想 した。 顕 微 授 精 技 術 で は,1個 の精 子 を直 接 卵 子 へ 注 入 す る こ とか ら,精 子 数 が少 ない 場 合 や 運 動 能 力 を持 た ない 精 子 か らで も産 子 を得 る こ とが可 能 で あ る。第 二 に,体 細 胞 ク ロー ン個 体 作 出 の効 率 向上 を 目的 に体 性 幹 細 胞 を用 い た体 細 胞 ク ロー ン個 体 作 出法 の 開発 お よび 体 細 胞 由来 耳S細 胞 注 入 法 に よ る ク ロー ン胚 の発 生 能 力 の改 良 を検 索 した 。 2.顕 微 授 精 を併 用 した 効 率 的 なES細 胞 由来 産 子 の作 出 2.1.GFPを 発 現 す るES細 胞 由 来 精 子 分 別 に よ る顕 微 授 精 Greenfluorescenceprotein(GFP)遺 伝 子 を導 入 した3種 類 のES細 胞 をマ ウ スの 胚 盤 胞;期胚 に注 入 後 仮 親 子 宮 へ 胚 移 植 し,キ メ ラマ ウス を作 出 した(Fig.1)。作 出 した6頭 の 雄 キ メ ラ マ ウ ス を 自然 交 配 した 結 果,3頭 の 個 体 でES細 胞 由 来 の 産 子 が 得 られES細 胞 の生 殖 細 胞 系 列 へ の分 化 が確 認 され た(Tablel)。 次 に,6頭 の個 体 か ら精 巣 を取 り出 し,UV照 射 下 で解 析 した と ころ,す べ て の キ メ ラマ ウ ス精

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巣 の 曲精 細 管 内 にGFP蛍 光 を発 現 す る領 域 が存 在 した。 この領 域 は発 現 して い な い領 域 とで縞 模 様 状 の コ ロニ ー を形 成 して い る こ とが観 察 され,2種 類 の 曲精 細 管 を容 易 に 分 離 す る こ とが 可能 で あ っ た(Fig.2お よび3)。 そ こ で,こ れ らの精 細 管 を別 々 に切 り出 し精 巣 内 精 子 を採 取 し,そ れ ぞ れ の精 子 を マ ウ ス の成 熟 卵 子 へ 顕微 注 入 し,翌 日2細 胞 期 へ発 生 した胚 を仮 親 子 宮 へ胚 移 植 した。そ の結 果, 6頭 す べ て の キ メ ラマ ウス精 巣 か ら採 取 したGFP蛍 光 を発 現 す る 曲精 細 管 内 の 精 子 に よ る顕微 授 精 に よ り,ES細 胞 由来 の産 子 を得 る こ とがで き た(Table2)。 特 に,6頭 中2頭 の個 体 で は 自然 交配 に よ りES細 胞 由来 産 子 が得 られ な か っ た が (Tablel),顕 微 授 精 に よ りES細 胞 由来 産 子 を効 率 的 に作 出す る こ とが で き た。 一方 ,GFP蛍 光 を発 現 しな い もの で はES細 胞 由来 の産 子 が得 られ なか っ た。 以上 の結 果,GFPを 導 入 し顕 微 授 精 技 術 を用 い る こ とで,ES細 胞 由来 の子 孫 が 得 られ る こ とが示 され た。 この こ とに よ り,キ メ ラ個 体 でES細 胞 の生 殖 細 胞 系 へ の 寄 与 率 が 低 く 自然 交配 で はES細 胞 由来 の 産子 が得 られ ない 場 合 で も,精 巣 内 に はES細 胞 に 由来す る生殖 細胞 が存 在 す る可能 性 が初 めて 明 らか に され,顕 微 授 精 に よ り確 実 にES細 胞 由来 の産 子 を作 出 で き る方 法 が開発 され た 。 2.2.GFPを 発 現 す るES細 胞 由来 円形 精 子 細 胞 を用 い た顕微 授 精 顕 微 授 精 法 の 応 用 技 術 と して 成 熟 精 子 に な る前 の 円 形 精 子 細 胞 を 用 い た Roundspemlatid切ection(ROSI)法 が あ る。 この方 法 に よ り,遺 伝 的 に希 少価 値 が 高 い モ デ ル 動 物 で あ る も の の精 子 形 成 不 全 や 乏 精 子 症 の個 体,あ るい は精 子 形 成 過 程 が完 成 す る前 の 未 成 熟 個 体 か らで も産 子 を得 る こ とが 可 能 で あ る。 そ こ でGFP蛍 光 を発 現 す るES細 胞 由来 の キ メ ラマ ウス を作 出 し,精 子 形 成 過 程 が完 成 して い な い20日 齢 の精 巣 か ら円形 精 子 細 胞 を採 取 後 顕微 授 精 し,ES細 胞 由来 産 子 を作 出す る可 能 性 を検 索 した。20日 齢 の キ メ ラマ ウス精 巣 をUV照 射 下 で 観 察 した ところ,成 熟 キ メ ラ マ ウス精 巣 と同様 に 曲精 細 管 内 にGFP蛍 光 を発 現 す る領 域 と発 現 しな い領 域 が存 在 した。続 い て,GFP蛍 光 を発 現 して い る 曲精 細 管 領 域 を切 り出 し採 取 した細 胞 懸 濁 液 を観 察 した 結 果,円 形 精 子 細 胞 が存 在 し てい た が成 熟 精 子 は認 め られ な か っ た。そ こで,円 形精 子 細 胞 を用 い てROSIを 行 っ た結 果,供 試 した3頭 す べ て でES細 胞 由来 の産 子 が得 られ,そ の率 は100% で あ っ た(Table3)。 2.3.GFP非 導 入ES細 胞 由来 精 子 分 別 に よ る顕 微授 精 前 節 ま で の実 験 でGFPを 導 入 したES細 胞 を用 い て作 製 した キ メ ラマ ウス精 巣 内生 殖 細 胞 の顕 微 授 精 に よ りES細 胞 由来 産 子 を効 率 的 に作 出す る こ とに成 功 した。 この場 合,GFP蛍 光 を指 標 に生 殖 細 胞 を分別 した が,ES細 胞 に遺 伝 子 導入 す る 場 合 必 ず し もGFP遺 伝 子 を並 行 導 入 す る あ る い は で き る と は 限 らず,前 節 ま で の 方 法 をそ の ま ま利 用 で き ない 可 能 性 が あ.る。 そ こで,GFPを 導 入 しな い ES細 胞 由来 精 子 を キ メ ラマ ウス精 巣 内で 分別 す るた め,キ メ ラ作 製 時 にGFPを

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ホ ス ト胚 に導 入 し,GFPを 導 入 して い な い3種 類 のES細 胞 を用 い キ メ ラ個 体 を 作 出 した 。そ の結 果,作 出 した キ メ ラマ ウス精 巣 をUV照 射 下 で観 察 した ところ, GFP蛍 光 を強 く発 現 して い る曲精 細 管 領 域 と弱 い 領 域 が縞 状 に存 在 した。 二 つ の領 域 の 曲精 細 管 をそ れ ぞ れ切 り出 して精 子 を採 取 し,顕 微 授 精 を行 っ た結 果, 強 いGFP蛍 光領 域 か らは ホ ス ト胚 由来 の産 子 のみ が得 られ,弱 い領 域 か らはES 細 胞 由来 の産 子 が得 られ た(Table4)。 以 上,第1節 か ら3節 まで の結 果 か ら,本 章 で 開発 したES細 胞 由来 精 子 の 分 別 に よ る顕微 授 精 は キ メ ラ個 体 を作 出す る能 力 が低 いES細 胞,あ るい は 自然 交 配 で は 目的 の遺 伝 子 改 変 マ ウス が得 られ な い 場 合 で も応 用 範 囲 の広 い 技 術 で あ る こ とが 証 明 され た。 3.幹 細 胞 を用 い た体 細 胞 ク ロー ン個体 作 出 法 の 開発 3.1.神 経 幹細 胞 の採 取 とそ の特性 解 析 ク ロー ンマ ウス は卵 丘 細 胞 や セル トリ細 胞 な どの 分 化 した体 細 胞 や 多 能 性 を 持 つES細 胞 か ら作 出 され,後 者 で成 功 率 が 高 い こ とが報 告 され てい る。 こ の こ とは未 分 化 な ドナ ー 細 胞 が体 細 胞 ク ロー ン個 体 作 出 に適 して い る こ と を示 唆 し て い る。近 年,特 定 の組 織 へ 分化 す る種 々 の体 性 幹 細 胞 が見 つ か り,ES細 胞 が樹 立 され て い な い 動 物 種 にお い て遺 伝 子 改 変 動 物 作 出 の材 料 と して期 待 され て い る。 本 章 で は未 分 化 で あ る と考 え られ る体 性 幹 細 胞 の 一種 で あ る神 経 幹 細 胞 を ドナ ー 核 と して核 移 植 を行 い,体 細 胞 ク ロー ン個 体 作 出 効 率 の 向上 と共 に体 性 幹 細 胞 利 用 の 可能 性 を検 索 した。 生 後1∼4日 齢 の雄 マ ウス脳 か ら脳 室 周 辺 の 細胞 を採 取 した 。採 取後 単離 した 細 胞 を 浮遊 培 養 し,球 形 の細 胞 塊 を得 た 。得 られ た 細 胞 塊 が神 経 幹細 胞 の集 ま り に よ る ニ ュー ロス フ ェア で あ る こ とを確 認 す るた め,神 経 幹 細 胞 マ ー カ ー で あ るmusashi抗 体 お よび 分化 神 経 細 胞 マー カー で あ る β皿 一tubulin抗体 で免 疫 蛍 光 染 色 を行 った。 得 られ た細 胞 塊 はmusashi抗 体 陽性,β 皿一tubulin抗体 陰性 を示 し,神 経 幹細 胞 塊 で あ る こ とが確 認 で き た(Fig.4)。 さ らに,こ れ らの細 胞 塊 を接 着 培 養 した とこ ろ,培 養10∼14日 目にニ ュー ロ ン,オ リゴデ ン ドロサ イ ト,グ リア 細 胞 の 分 化 神 経 細 胞 マ ー カ ー に対 して 陽性 細 胞 が観 察 され,分 化 能 を維 持 して い る こ とが示 され た(Fig.5)。これ らの細 胞 塊 を ピペ ッテ ィ ン グに よ り単 離 し た 後 再 培 養 す る と新 た に 細 胞 塊 を 形成 す る こ とか ら,自 己増 殖 能 も持 って い る こ とが わ か っ た。 3.2.神 経 幹細 胞 核 移 植 に よる体 細胞 ク ロー ン胚 の発 生 能 ドナ ー 細 胞 と して,継 代 培 養3回 未 満 の 神 経 幹 細 胞,卵 丘 細 胞,セ ル ト リ細 胞 お よびES細 胞 を使 用 し核 移 植 を行 い,作 出 した2細 胞 期 胚 を仮 親 子 宮 へ 胚 移 植 した。そ の結 果,神 経 幹 細 胞 で は ク ロー ン個 体 作 出率 は0.5%(5/1072)で あ っ た の

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に 対 し,卵 丘 細 胞 お よ び セ ル ト リ細 胞 で は そ れ ぞ れ2.7%(12/440)と2.2% (10/451)で あ り,ES細 胞 の場 合 で は3.5%(7/198)で あ っ た(Table5)。 神 経 幹細 胞 の 核 移 植 に よ って 得 られ た ク ロー ン個 体 は正 常 な 繁 殖 能 力 を示 した(Fig.6)。 次 に, ク ロー ン胚 の発 生 が どの段 階 で 停 止 して い るの か を体 外 胚 培 養 に よ り調 べ た 。 神 経 幹 細 胞 の場 合,2細 胞 期 へ の発 生 率 が セ ル トリ細胞 や 卵 丘 細 胞 と同様 で あ っ た の に対 し,4細 胞 期 へ の発 生 率 は急 激 に低 下 し桑 実 胚/胚 盤 胞 期 へ発 生 した もの は7.1%で あ った 。分 化 した体 細 胞 で は50%以 上 の ク ロー ン胚 が桑 実/胚 盤 胞 期 へ 発 生 した。ES細 胞 で は2細 胞 期 へ の発 生 率 が最 も低 く約30%で あ っ た が,こ れ らの大 部 分 は桑 実/胚 …盤胞 期 へ 発 生 した(Table6)。 以 上,第1節 お よび 第2節 の結 果 は,神 経 細 胞 で あ って も幹 細 胞 な らば核 移 植 に よ る初 期 化 が 可 能 で あ る こ とを示 し,生 後 の マ ウス 神 経 細 胞 か ら直 接 ク ロー シ個 体 を作 出 した,初 めて の成 功 例 で あ る。 さ らに,神 経 幹 細 胞 は未 分 化 状 態 を 維持 した ま ま 増殖 ・培 養 が可 能 な 細胞 で あ る こ とが わ か った 。 本 研 究 で は未 分 化 な 体 性 幹 細 胞 を ドナ ー 細 胞 と して用 い る こ とに よ り作 出効 率 の 向 上 を期 待 し た が,必 ず しも高 い結 果 で は な く,用 い る ドナ ー 細 胞 に適 した 処 理 が必 要 で あ る こ とが 示 唆 され た 。今 後,神 経 幹 細 胞 は種 々 の 改善 が必 要 で あ る とはい え核 移 植 技 術 を用 い た ノ ッ クア ウ ト動 物 作 出 な どの材 料 と して利 用 が期 待 で き る。 3.3.体 細 胞 由来 胚 性 幹 細 胞(ntES細 胞)注 入 に よる ク ロー ン胚 の発 生 能 力 向上 卵 丘細 胞 な どの体 細 胞 核 移 植 胚 で は胚 盤i胞期 胚 の 内部 細 胞 塊(ICM)に お け る 遺 伝 子 発 現 の異 常 が報 告 され て お り,ク ロー ン胚 で正 常 に遺 伝 子 発 現 す るICM の数 を増 や す こ とで,ク ロー ン胚 の発 生 能 力 向上 の可 能 性 を検 索 した。 そ こで, 核 移 植 技 術 に加 え て キ メ ラ作 出技 術 を併 用 す る こ とを発 想 した 。す な わ ち,体 細 胞 核 移 植 胚 を作 出後 培 養 す る こ とでntES細 胞 を樹 立 し,こ の細 胞 を他 の 同 じ起 源 を持 つ 体 細 胞 ク ロー ン胚 に移 植 す る こ とで,ク ロー ンキ メ ラ胚 を作 製 した 。通 常,キ メ ラ胚 を作 出す る場 合胚 盤 胞 期 胚 へES細 胞 を注 入 す るが,仮 親 へ の移 植 時 間 を考 慮 し,4∼8細 胞 期 胚 の囲 卵腔 内 へntES細 胞 を注 入 しキ メ ラ胚 を作 出 し た。対 照 と して,ES細 胞 を用 い た。作 出 した ク ロー ン キ メ ラ胚 盤 胞 期 胚 に つ い て,ICMを 認識 す るOct4抗 体 と栄 養 膜 細 胞 を認 識 す るcdx2抗 体 に よ る免 疫 染 色 後,全 細 胞 数,Oct4発 現 細 胞 数 お よび 個 体 へ の発 生 能 を調 べ た 。 そ の結 果,通 常 の卵 丘 細 胞 ク ロー ン胚 で胚 盤 胞 期 で の細 胞 総 数 が平 均41.4個,cdx2発 現 細 胞 数 が31.0個,Oct4発 現 細 胞 数 が7.2個 で あ った の に 対 し,胚 間 で バ ラツ キ は あ る も の のES細 胞 を 注入 した 区 で は細 胞 総 数 の平 均 は51.5個,cdx2発 現 細 胞 数 は36.5

個,Oct4発 現 細 胞 数 はll.5個 と増 加 した(Fig.7お よびFig.8)。 これ らの結 果 か ら,

ES細 胞 の 注 入 が 胚 盤 胞 期 で の 細 胞 増 殖 を促 進 して い る 可 能 性 が 示 唆 され た 。 作 出 した ク ロー ン キ メ ラ胚 を仮 親 子 宮 に移 植 し個 体 へ の発 生 能 を調 べ た 。 そ の結

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ク ロー ン個 体 作 出効 率 は 向上 しな か った(Table7)。 本 節 の結果,ク ロー ン胚 に ES細 胞 を 注入 す る こ とで胚 盤 胞 期 にお け る細 胞 数 が増加 す る こ とが示 され た も の の,胚 移 植 して もク ロー ン作 出 効 率 は改 善 され な か った 。 以 上,本 研 究 は 実 験動 物 と して広 く利 用 され て い るマ ウ ス を用 い,発 生 工 学 を利 用 した 産 子 獲 得 技 術 の 基礎 研 究 と して, 1.顕 微 授 精 を併 用 した 効 率 的 なES細 胞 由来 産 子 の作 出 につ い て, ・ES細 胞 をGFPで 蛍 光 標 識 す る こ とに よ りキ メ ラ個 体 で のES細 胞 由来 生 殖 細 胞 とホ ス ト胚 由来 生殖 細 胞 を 区別 で き る ・ 作 出 した キ メ ラ個 体 の うち,自 然 交 配 で産 子 にES細 胞 由来 遺 伝 子 導 入 が認 め られ な い 場 合 で も精 巣 内精 子 の分 別 が 可能 で,ES細 胞 由来 精 子 の顕 微 授 精 に よ り非 常 に効 率 よ くES細 胞 由来 産 子 が得 られ る ・ ホ ス ト胚 にGFP蛍 光 を発 現 させ る こ とで ,キメ ラ個 体 で 蛍 光標 識 され て い な いES細 胞 由来 生 殖 細 胞 を選 択 的 に 採 取 で き,遺 伝 子 改 変 した あ らゆ るES 細 胞 に利 用 可能 で あ る こ とを 明 らか に し,ES細 胞 を利 用 した遺伝 子 改 変 動 物 を作 出す る発 生 工 学 技 術 に新 しい可 能 性 を提 供 し,さ らに, 2.体 性 幹 細 胞 を用 い た 体 細胞 ク ロー ン個 体 作 出 法 の 開発 につ い て, ・ 体 細 胞 ク ロー ンが 生 まれ な い と考 え られ て い た 生 後 の神 経 系 細 胞 で あ っ て も神 経 幹 細 胞 の核 移 植 に よ り作 出 可 能 で あ る 3.ntES細 胞 注 入 に よる ク ロー ン胚 の発 生 能 力 向 上 につ い て, ・ 体 細 胞 ク ロー ン胚 へ のntES細 胞 注 入 に よ りク ロー ン胚 盤 胞 期 胚 の細 胞 数 を 増加 させ る こ とが で き る こ とを 明 らか に し,マ ウス も含 め た 哺 乳 類 で の体 細 胞 ク ロー ン個 体 作 出 効 率 を 向上 させ る た め の手 がか りを提 供 す る もの と確 信 す る。

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丁able2.MicroinseminationusingtesticularspermderivedfromGFP-labeledEiScells Chimera N◎.需 Regionof Seminiferous tubules No.ofembryos transferred**Total No.(%)oftitters Withblack eyes GFP-positiveand black-eyed 1 z 3 4 5 6 green non-green green non-green green non-green green non-green green non-green green non-green 130 79 89 51 n ∠ ハ O F O 4 τ 7 眞 り 4 3 4 Ω U Ω U 7 ハ ◎ ハ0 ハ δ 3 64 30 ハ ◎ (0 4 τ 、 リ ム 7 β 0 ∩∠ -﹃ 0 β0 1 1 5 β 0 向0 ∩∠ ハ◎ n∠ 1 1 64(100) 0(0) 46(100) 0(0) 27(100) 0(0) 10(67) 0(0) 35(100) 0(0) 11{69) 0(0) 39(61) 0(0) 24(52) 0(0) 16(59) 0(0) 5(33) 0(0) 16(46) 0(0) 4(25) 0(0) *ThesamenumberrepresentsthesamechimericmouseinthistableandinTable1 . **Allembryosweretransferredatthetwo -cellstage. Table3.Microinseminationusingroundspermatidsfromgreenseminiferoustubulesof 20-day-oldchimeras No.(%)of撒ers Chimera No.壷 No.ofembryos

transferred*" Total Withblack

eyes GFP-positiveand black-eyed 1 40 6 6(100) 2(33) 2 3 72 80 2 14 2(100) 14(100) 1(50) 7(50) "Allembryosweretransferredatthetwo -cellstage . Table4.Microinseminationusingtesticularspermderivedfromnon-GFPlabeled, transgenicallymarkedEScells Typeof donorES cell Regionof Seminiferous tubules No.ofembryos transferred*Total No.(%)oflitters Withblack eyes Retg transgenic 1 2 green non-green green non-green 76 77 43 64 36 27 18 29 0(0) 27(100) 0(0). 29(100)

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B".: Fig.4.Immunofluorescentstsiningof neurospheres. Neurosphereswerepositiveforthe neuralstemcellmarker,Musashi(A,A', A"),andwerenegativeforthemature neuralcellmarker,βlll-tubulin(B,B', B").A:Abright-fieldimageof neurospheresstainedwsthMusashi antibody,A':DAPIstaining,A" Musashiantibody,aneuralstemcell marker,B:abright-fieldimageof neurospherestainedwithβm-tubulin antibody,B':DAPI,B":βm-tubulin. Scalebar=100um.

C' ・」彊

﹁ C" Fig.5.Immunofluorescentstainingof differentiatedneurospheres. Neurosphereswereculturedongelatin-coatedplatesfor10days. Morphologicallydifferentiatedneural cellswereobservedaroundtheattached neurospheres.A:Abright-fieldimageof neurospheresstainedwithMusashi antibody,A':DAPIstaining,A" Musashi,B:abright-fieldimageof/3111-tubulinantibody,B':DAPI,B":βllト tubutin.C:abrightfieldofmouseanti-glialfibrillaryacidicprotein(GFAP) antibody,C':DAPI,C":GFAP,D:a brightfieldimageofO4,anti-oligodendrocytemarker,D':DAPI, D":04.Scalebar=30um. D' D" Table5.FulltermdevelopmentofclonedembryosfromNSCs,Sertoli,CumulusandES cellnuclei Typeof donor cell No.of oocytes il噂ected No.of oocytes With PN(ーJo) No.ofembryos developedto two-cell stage(%ア No.of embryos transfereed No.of髄ve of『sp餉g (%)鼎 NSC 1887 1503(79.7)a 1097(71.8) 1072 5(0.5) Sertoli 686 581(84.7)a,e 451(77.6) 451 10(2.2) cumulus ES 573 569 529(92.3)b・c 541(95.1)b・c 440(83.2) 198(36.6)a aao 198 12(2.7) 7(3.5) Percentagesagainstnumberofpronuclearformation(PN).

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..一.嚢.矧 霧..・.. ..`』 欝:・.. r..1..緊 .1馨護ぎ i…難 …… ;攣.. li轟i・ ・灘 Fig.6.Clonemicefrom neuralstemcells.A:Clone mouseat14.5dpc.B: Adultclonemouse(arrow). Themousehasnormal abilityofreproduction. Table6.InvitrodevelopmentofclonedembryosfromNSCs,Sertoli,CumulusandEScell nuclei Typeof donor cell No.of oocytes injected No.of oocytes withPN(%) No.ofreconstructedembryosdevelopedto two-cell stage(%)" 4-8cell stage(%)" Morula/ Blastocyst (%)★ NSC 333 295(88.6)e,b 214(72.5) 68(23.1) 21(7.1) Sertoli 277 267(96.4)8 227(85.0) ND 134(50.2)a

cumulus 319 239(74.9)h 180(75.3) 147(61.5)a 129(54.0)a

ES 374 363(97.1)a 135(37.2)a 118(32.5)h 111(30.6)b "Percentagesagainstnumberofpronuclearformation(PN) . 恥cP<0 .05. A B 60 50 40 30 20 A' B蟹 Fig.7:Clonedblastocystfromcumuluscellsand clonedblastocystfromcumuluscellinjectedEScells. A:DAPIstainingofclonedblastocystfromcumulus cell.A':cdx2(Red)andOct4(Green)antibody stainingofA.B:DAPIstainingofEScellinjected clonedblastocystfromcumuluscell.B':cdx2(Red) andOct4(Green)antibodystainingofB.Bar-10um 10 0 No.of totalcells No.ofcdx2 positive ce襲S .・雛 No.ofOct4 positive ICMcells Fig.8.Blastocystcellnumberofclonedembryosfromcumulus cellsandEScellinjectedclonedembryosfromcumuluscells. EachvalueindicatesmeanアSE. 團:cumulusclone,■:cumulusclone+EScelI

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Table7.EffectofntEScellinjectionintoclonedembryosfromcumuluscells Treatment No.of oocytes injected No.ofembryosthat developedto 2-cell stage (%) 4-ce麗 stage (%) No.of embryos .ESce闘 injected No.of embryos transferred No.of live offspring (%)冑 No.of dead o什 §pring (%)★ No.of only placenta (%)★ Cumulus clone 256 158 (61.7> 131 (51.2) 100 1(1.0) 0(0) 0(0) GFP-ntES Cellinjected 202 156 (77.2) 147 (72.8) 14プ 131 0(0) 0(0) 0(0) EScell injected 217 190 (87.5) 153 (70.5) 153 132 1(0.7) 0(0) 0(0) *Percentagesagainstnumberofembryotransfer .

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論 文 審 査 結 果 要 旨

現在 の と ころ核 移 植 技 術 に よる体 細 胞 ク ロー ン個 体 作 出 の成 功 率 は 数%と 低 い うえに,体 細 胞 ク ロー ン個 体 に お け る様 々 な異 常 も報 告 され,成 功 率 の 向 上 お よび 正 常 個体 作 出 系 の 開発 が望 まれ て い る。本 研 究 で は実 験 動 物 と して 広 く利 用 され て い るマ ウ ス を用 い,発 生 工 学 を利 用 した産 子 獲 得 技 術 の 基礎 研 究 と して,ま ず,第 一 にES細 胞 を用 い た 遺 伝 子 改 変 動 物 の作 出 効 率 を上 げ るた め に,従 来 の 体 外 受精 や 自然 交 配 で は な く,顕 微 授 精 技 術 を用 い る こ とを発 想 した 。 顕 微 授 精 技 術 で は,1個 の精 子 を 直接 卵 子 へ 注 入 す る こ とか ら,精 子 数 が 少 ない 場 合 や 運 動 能 力 を持 た ない 精 子 か らで も産 子 を得 る こ とが 可 能 で あ る。 第 二 に,体 細 胞 ク ロー ン個 体 作 出 の効 率 向 上 を 目的 に体 性 幹 細 胞 を用 い た体 細 胞 ク ロー ン個 体 作 出 法 の 開 発 お よび 体 細 胞 由来ES細 胞 注 入 法 に よ る ク ロー ン胚 の発 生 能力 の 改 良 を検 索 した結 果,以 下 の成 果 を得 た。 1.顕 微 授 精 を併 用 した 効 率 的 なES細 胞 由来 産 子 の作 出 につ い て,(1)ES細 胞 をGFPで 蛍 光 標 識 す る こ とに よ りキ メ ラ個 体 で のES細 胞 由来 生 殖 細 胞 と ホ ス ト胚 由来 生 殖 細 胞 を区 別 で き る,(2)作 出 した キ メ ラ個 体 の うち,自 然 交配 で 産 子 にES細 胞 由来 遺 伝 子 導 入 が 認 め られ な い場 合 で も精 巣 内 精 子 の分 別 が 可能 で,ES細 胞 由来 精 子 の顕 微 授 精 に よ り非 常 に効 率 よ くES細 胞 由来 産 子 が 得 られ る, (3)ホ ス ト胚 にGFP蛍 光 を発 現 させ る こ とで,キ メ ラ個 体 で 蛍 光 標 識 され て い な いES細 胞 由来 生 殖 細 胞 を選 択 的 に採 取 で き,遺 伝 子 改 変 した あ らゆ るES細 胞 に利 用 可能 で あ る,こ とを 明 らか に し, ES細 胞 を利 用 した遺 伝 子 改変 動 物 を作 出す る発 生 工 学 技 術 に新 しい可 能 性 を提 供 した 。 2.体 性 幹 細 胞 を 用 い た体 細 胞 ク ロー ン個 体 作 出 法 の 開 発 に つ い て,(1)体 細 胞 ク ロー ンが 生 まれ ない と考 え られ て い た生 後 の神 経 系細 胞 で あ って も神 経 幹 細 胞 の核 移 植 に よ り作 出可 能 で あ る,(2) ntES細 胞 注 入 に よ っ て ク ロー ン胚 の発 生 能 力 向 上 す る,(3)細 胞 ク ロー ン胚 へ のntES細 胞 注 入 に よ りク ロー ン胚 盤 胞 期 胚 の細 胞 数 を増 加 させ る こ とが で き る こ とを 明 らか に し,マ ウス も含 めた 哺 乳 類 で の体 細 胞 ク ロー ン個 体 作 出効 率 を 向上 させ る技 術 を開 発 した。 本 研 究 は応 用 動 物 科 学 にお い て 高 く評 価 され る。 よ って 博 士(農 学)の 学 位 を授 与 で き る も の と判 定 した 。

参照

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