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教員養成課程における理科の指導法改善(Ⅱ)

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教員養成課程における理科の指導法改善(Ⅱ)

小田切  真

Improvement of the Quality of Science Education in Pre-service 

Teacher Training Course (II)

Makoto ODAGIRI

2017 年8月 29 日受理

抄   録

 平成 29 年文部科学省令第 20 号をもって学校教育法施行規則の一部を改正する省令 が制定され、また、平成 29 年文部科学省告示第 63 号及び第 64 号をもって、それぞ れ小学校学習指導要領の全部を改正する告示、中学校学習指導要領の全部を改正する 告示が公示された。今回の改訂は、平成 28 年 12 月の中央教育審議会答申で示された 教育課程の基本的な考え方等を踏まえて行われた。  ここでは、平成 32 年 4 月 1 日から全面実施となる新しい小学校学習指導要領第 2 章各教科第4節理科に論点を絞り、平成 29 年 6 月公示「小学校学習指導要領解説理 科編」を基調資料として設定し、小学校学習指導要領改訂の基本的な方向性に準拠し た各学年別の理科の指導法の改善策を検討するとともに、その成果としてモデルとな る小学校理科指導法のシラバスを作成した。 キーワード:小学校理科指導法、資質・能力の3つの柱、理科の見方・考え方、       主体的・対話的で深い学び、カリキュラム・マネジメント

1.はじめに

*1

 今回の改正においては、急速に変化し予測不可能な未来社会において、豊かな創造

性を備え持続可能な社会の創り手となることが期待される子供が自立的に生き、社会

の形成に参画するための資質・能力を確実に身に付けていくことが重視されている。

 また、知識及び技能の習得と、思考力・判断力・表現力等の育成のバランスを重視

する現行学習指導要領の枠組みや教育内容を維持した上で、知識の理解の質をさらに

高め、資質・能力を育む「主体的・対話的で深い学び」を実現するための授業改善が

強調されている。

 これらの基本的な考え方により、理科においても資質・能力を育成する学びの過程

についての考え方を明らかにするとともに、指導内容の示し方の改善及び教育内容や

(2)

学習・指導の改善や充実を図るための「主体的・対話的で深い学び」の実現や教育環

境の充実などが改訂された。

 新しい小学校学習指導要領(以下、

「新指導要領」という。

)及び新しい小学校学習

指導要領解説理科編(以下、

「解説理科編」という。

)は、これまでの慣例から考えれ

ば平成 32 年度から約 10 年間「小学校理科」の指導指針(学びの地図)となる。教員

養成課程においては、この教育課程を正確に理解させるとともに、子供とともに歩み

続ける教員の育成が大きな課題となる。

 ここでは、教員養成課程における小学校理科の指導法の在り方について、新指導要

領及び解説理科編が示す基本的な方向性に準拠した改善策を検討していく。

2.小学校理科の目標に留意した指導法の改善

*2

 ⑴ 小学校理科の教科の目標に関する改善

 新指導要領及び解説理科編を資料として、小学校理科の教科の目標を構造化しなが

ら[表1]の通りに整理した。ここでは、小学校の理科という教科においてどのよう

な資質・能力の育成を目指しているのかを階層的に示した。 

補1 に つ い て の 考 え 方 を 明 ら か に す る と と も に 、 指 導 内 容 の 示 し 方 の 改 善 及 び 教 育 内 容 や 学 習 ・ 指 導 の 改 善 や 充 実 を 図 る た め の 「 主 体 的 ・ 対 話 的 で 深 い 学 び 」 の 実 現 や 教 育 環 境 の 充 実 な ど が 改 訂 さ れ た 。 新 し い 小 学 校 学 習 指 導 要 領 ( 以 下 、「 新 指 導 要 領 」 と い う 。) 及 び 新 し い 小 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 理 科 編 ( 以 下 、「 解 説 理 科 編 」 と い う 。) は 、 こ れ ま で の 慣 例 か ら 考 え れ ば 平 成 32 年 度 か ら 約 10 年 間 「 小 学 校 理 科 」 の 指 導 指 針 ( 学 び の 地 図 ) と な る 。 教 員 養 成 課 程 に お い て は 、 こ の 教 育 課 程 を 正 確 に 理 解 さ せ る と と も に 、 子 供 と と も に 歩 み 続 け る 教 員 の 育 成 が 大 き な 課 題 と な る 。 こ こ で は 、 教 員 養 成 課 程 に お け る 小 学 校 理 科 の 指 導 法 の 在 り 方 に つ い て 、 新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 が 示 す 基 本 的 な 方 向 性 に 準 拠 し た 改 善 策 を 検 討 し て い く 。 2 . 小 学 校 理 科 の 目 標 に 留 意 し た 指 導 法 の 改 善 *2 ( 1 ) 小 学 校 理 科 の 教 科 の 目 標 に 関 す る 改 善 新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 を 資 料 と し て 、 小 学 校 理 科 の 教 科 の 目 標 を 構 造 化 し な が ら [ 表 1 ] の 通 り に 整 理 し た 。 こ こ で は 、 小 学 校 の 理 科 と い う 教 科 に お い て ど の よ う な 資 質 ・ 能 力 の 育 成 を 目 指 し て い る の か を 階 層 的 に 示 し た 。 補 1 今 回 の 改 訂 で は 、 各 教 科 等 に お い て 育 成 を 目 指 す 資 質 ・ 能 力 が 3 つ の 柱 で 整 理 さ れ た こ と を 踏 ま え 、 小 学 校 理 科 に お い て も 3 つ の 柱 に 沿 っ て 育 成 を 目 指 す 資 質 ・ 能 力 が [表1]小学校理科の教科の目標 小 学校学習指 導要領及び 同解説理科 編 による小学 校理科の教 科の目標 目標 学習の過程 自然に親しみ,理科の見方・考え方を働かせ,見通しをもって観察,実験を行うことなどを通して,自然の事 物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 資質・ 能力 (1) 自然の事物・現象についての理解を図り,観察,実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。 (2) 観察,実験などを行い,問題解決の力を養う。 (3) 自然を愛する心情や主体的に問題解決しようとする態度を養う。 ※ 「小学校学習指導要領」及び「小学校学習指導要領解説理科編」を参考に「小学校理科の教科の目標」を構造化した。 自然に親しみ 理科の見方・考え方を働かせ 見通しをもって観察,実験を行うことなどを通して 自然の事物・現象についての問題を科学的に解決する 見方 エネルギー 主として量的・関係的な視点 粒子 主として質的・実体的な視点 生命 主として多様性と共通性の視点 地球 主として時間的・空間的な視点 考 え方 比較 自然事象を対応させ比べる 関係付け 自然事象を様々な視点から結び付ける 条件を制御 自然事象に影響を与える要因を区別する 多面的思考 自然事象を複数の側面から考える 科 学的 実証性 考えられた仮説が観察,実験などによって検討することができるという条件 再現性 観察,実験などを複数回行っても,同一の実験条件下では,同一の結果が得られるという条件 客観性 実証性や再現性という条件を満足することにより,多くの人々によって承認され,公認されるという条件 (三つの柱 ) 資質・ 能力 (1) 知識及び技能 (2) 思考力,判断力,表現力等 (3) 学びに向かう力,人間性等

(3)

 今回の改訂では、各教科等において育成を目指す資質・能力が3つの柱で整理され

たことを踏まえ、小学校理科においても3つの柱に沿って育成を目指す資質・能力が

整理されている。これが今回の改定における最大の変更点であり、理科指導法の改善

においては最重要項目となる。

 まず、どのような学習の過程を通して資質・能力を育成するのかを理解させるよう

に授業を改善していく。基本的には全 15 回の講義を通して【子供が理科の「見方・

考え方を働かせ」て「科学的に解決する」ために必要な(3つの柱に沿った)資質・

能力を育成する】ことを深く理解させることである。

 次に、それぞれを単独に扱うのではなく、問題解決という学習の過程を通して「見

方・考え方」と「資質・能力」を同時に且つ相乗的に育成する授業イメージが描ける

ようにしていく。そのために、

各学年の目標及び主な内容を主体的に読解させながら、

具体的な授業場面を想定した授業設計を行う方法を身に付けさせていく。

 最終段階では、教材研究を更に深めるために必要となる学問領域との関係を捉えさ

せるとともに、小学校理科の全体構造に関する理解を深めていく。さらに、小学校理

科の特性や学習指導理論に応じた情報機器及び教材の効果的な活用法についても体験

的に習得させるとともに、授業設計に活用することができるようにする。

 ⑵ 小学校理科において育成を目指す資質・能力に関する改善

 自然の事物・現象についての問題を科学的に解決するために必要な資質・能力につ

いては、相互に関連し合うものであり、どのような「見方・考え方」を働かせること

により、どのような「知識・技能」及び「思考力・判断力・表現力等」を身に付ける

ことを目指すのかを理解させていくことが必要となる。

 また、⑴、⑵、⑶で記載されている資質・能力について、⑴には「知識及び技能」を、

⑵には「思考力、判断力、表現力等」を、(3) には「学びに向かう力、人間性等」を

示していることを理解させるとともに、それが学習等の順序を示しているものではな

いことも説明しておかなければならないだろう。

 さらに、各学年の目標については(丸囲み数字(①~③)を活用して)

「A物質・

エネルギー」

「B生命・地球」の内容区分ごとに、育成を目指す資質・能力が示され

ていることを解説する。①には「知識及び技能」を、②には「思考力、判断力、表現

力等」を、③には、

「学びに向かう力、人間性等」が示されていることを理解させる

とともに授業設計や学習指導へ位置付けることができるように改善していく。

 その際、

「知識及び技能」及び「思考力、判断力、表現力等」に関する指導は、従

前通りの展開で「各学年の目標及び内容」を十分理解させるとともに、

「学習指導案

の作成」

「模擬授業とその振り返り」

を繰り返すことで可能になると考えている。一方、

「学びに向かう力・人間性等」については、学年や単元ごとに大きく異なることは考

えられないことから、各学年各区分の目標において「③」に示された内容を共通的に

扱いながら、

「情意・態度」あるいは「道徳科などとの関連」の側面からも適切な指

導ができるように留意していく。

(4)

3.小学校第3学年理科の指導法における改善事項

*3

 ⑴ 小学校第 3 学年理科の目標及び重点について

 新指導要領及び解説理科編を資料として、小学校理科第 3 学年の目標を構造化しな

がら[表2]の通りに整理した。

新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 を 資 料 と し て 、 小 学 校 理 科 第 3 学 年 の 目 標 を 構 造 化 し な補2 が ら [ 表 2 ] の 通 り に 整 理 し た 。補 2 小 学 校 第 3 学 年 に お い て 育 成 す る 資 質 ・ 能 力 は 、 思 考 力 、 判 断 力 、 表 現 力 等 の 柱 に お い て は 「 比 較 し な が ら 調 べ る 活 動 」 を 通 し て 「 自 然 の 事 物 ・ 現 象 に つ い て 追 究 す る 中 で 、 差 異 点 や 共 通 点 を 基 に 、 問 題 を 見 い だ し 、 表 現 す る こ と 」 が 示 さ れ て い る 。 ま た 、学 び に 向 か う 力 、人 間 性 等 の 柱 に お い て は 、「 主 体 的 に 問 題 解 決 し よ う と す る 態 度 」 及 び 「 生 物 を 愛 護 す る ( 生 命 を 尊 重 す る ) 態 度 」 が 示 さ れ て い る 。 こ れ ら の 資 質 ・ 能 力 を 育 成 す る た め に 必 要 な 知 識 及 び 教 育 技 術 を 理 科 指 導 法 等 の 授 業 で 養 う た め に は 、ま ず 、「 比 較 し な が ら 調 べ る 」活 動 に つ い て 十 分 に 理 解 さ せ 納 得 さ せ る 必 要 が 生 じ る 。 自 然 の 事 物 ・ 現 象 を 比 べ る た め に は ど の よ う な 見 方 ・ 考 え 方 が 必 要 と な る の か 、 ま た 、 比 べ る こ と に よ り ど の よ う な 資 質 ・ 能 力 が 育 成 さ れ る の か を 学 生 自 身 が 納 得 ・ 体 得 で き る よ う な 主 体 的 な 活 動 を 構 成 し て い く 。 比 較 に 関 す る 指 導 は 従 前 通 り の 展 開 で 講 義 可 能 だ が 、 そ こ か ら ( 子 供 が 主 体 的 に ) 問 題 を 見 い だ し て い く 過 程 を 理 解 す る の が 容 易 で は な い と 推 察 す る 。 果 た し て 小 学 校 3 年 生 の 子 供 に 「 問 題 を 見 い だ す 」 こ と が 可 能 な の か 。 新 指 導 要 領 に 込 め ら れ た 真 意 を 推 測 し な が ら 、 学 生 と と も に 理 解 を 深 め て い き た い 。 さ ら に 、 小 学 校 第 3 学 年 に お い て 理 科 が 開 始 さ れ る こ と を 踏 ま え 、 理 科 と い う 教 科 [表2]小学校理科第3学年の目標 小学校学習指 導要領及び同解 説理科編によ る第3学年の目 標等 目標 自然の事物・現象について,理科の見方・考え方を働かせ, 問題を追究する活動を通して,物の性質,風と ゴムの力の働き,光と音の性質, 磁石の性質及び電気の回路,身の回りの生物,太陽と地面の様子についての 理解 を図り,観察,実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにするとともに, 問題解決の力や生物を 愛護する態度,主体的に問題解決しようとする態度を養う。 重点 学習の過程において,自然の事物・現象の差異点や共通点を基に,問題を見いだすといった問題解決の力を育 成する。 第3学 年の目 標 ( 1 )物 質・ エネルギー ① 知識・技能 の理解を図り,観察,実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。物の性質,風とゴムの力の働き,光と音の性質,磁石の性質及び電気の回路について ② 問題解決の力 追究する中で,主に差異点や共通点を基に,問題を見いだす力を養う。物の性質,風とゴムの力の働き,光と音の性質,磁石の性質及び電気の回路について ③ 情意・態度 追究する中で,主体的に問題解決しようとする態度を養う。物の性質,風とゴムの力の働き,光と音の性質,磁石の性質及び電気の回路について ( 2 )生命・地球 ① 知識・ 技能 基本的な技能を身に付けるようにする。身の回りの生物,太陽と地面の様子についての理解を図り,観察,実験などに関する ② 問題解 決の力 に,問題を見いだす力を養う。身の回りの生物,太陽と地面の様子について追究する中で,主に差異点や共通点を基 ③ 情意・ 態度 体的に問題解決しようとする態度を養う。身の回りの生物,太陽と地面の様子について追究する中で,生物を愛護する態度や主 ※ 「小学校学習指導要領」及び「小学校学習指導要領解説理科編」を参考に「第3学年理科」の目標等を構造化した。

 小学校第 3 学年において育成する資質・能力は、思考力、判断力、表現力等の柱に

おいては「比較しながら調べる活動」を通して「自然の事物・現象について追究する

中で、差異点や共通点を基に、問題を見いだし、表現すること」が示されている。ま

た、学びに向かう力、人間性等の柱においては、

「主体的に問題解決しようとする態度」

及び「生物を愛護する(生命を尊重する)態度」が示されている。

 これらの資質・能力を育成するために必要な知識及び教育技術を理科指導法等の授

業で養うためには、まず、

「比較しながら調べる」活動について十分に理解させ納得

させる必要が生じる。自然の事物・現象を比べるためにはどのような見方・考え方が

必要となるのか、また、比べることによりどのような資質・能力が育成されるのかを

学生自身が納得・体得できるような主体的な活動を構成していく。

 比較に関する指導は従前通りの展開で講義可能だが、そこから(子供が主体的に)

問題を見いだしていく過程を理解するのが容易ではないと推察する。果たして小学校

(5)

3年生の子供に「問題を見いだす」ことが可能なのか。新指導要領に込められた真意

を推測しながら、学生とともに理解を深めていきたい。

 さらに、小学校第3学年において理科が開始されることを踏まえ、理科という教科

の特性及びその学習の特徴的な「型」を考察させるとともに、

生活科で身に付けた「見

方・考え方」を活用・発展・深化させた体験型の授業を設計する方法も身に付けさせ

ていく。生活科指導法は元より、他教科の教科指導法との連携を深めながらカリキュ

ラム・マネジメントについても常に意識させていく。

 ⑵ 小学校第 3 学年理科の内容について

 新指導要領及び解説理科編を資料として、小学校理科第 3 学年の内容等を区分や柱

を視点に構造化しながら[表3]の通りに整理した。

補3

 最も難しくなるのは、

「問題を見いだす力」を育てる授業設計だろう。小学校 3 年

生の子供の認識や思考、学力などの実態を視野に入れるとともに、差異点や共通点か

ら問題を発見するような授業をどのように構成していくのか、時間をかけて取り組ま

せていく。

 教材研究及び学習指導案の作成と模擬授業を位置付ける場合は、

「磁石の性質」あ

るいは「電気の通り道」を課題単元としたい。この単元ならば、

「磁石に引き付けら

れる物と引き付けられない物」

あるいは

「電気を通すつなぎ方と通さないつなぎ方」

「電

気を通す物と通さない物」といった「類としての見方」を活用しながら「比較する能

力」を育成するイメージを描くことができると推察する。

 知識面については十分に理解していると思われるが、

「音の伝わり方と大小」につ

いては新指導要領で追加された内容であり、物理的な側面からの理解を図るとともに

教材研究へ活用できるように補足する。また、

技能面においては「太陽と地面の様子」

に関する観察技能及び指導法を身に付けさせる内容を取り入れていく。

の 特 性 及 び そ の 学 習 の 特 徴 的 な「 型 」を 考 察 さ せ る と と も に 、生 活 科 で 身 に 付 け た「 見 方 ・ 考 え 方 」 を 活 用 ・ 発 展 ・ 深 化 さ せ た 体 験 型 の 授 業 を 設 計 す る 方 法 も 身 に 付 け さ せ て い く 。 生 活 科 指 導 法 は 元 よ り 、 他 教 科 の 教 科 指 導 法 と の 連 携 を 深 め な が ら カ リ キ ュ ラ ム ・ マ ネ ジ メ ン ト に つ い て も 常 に 意 識 さ せ て い く 。 ( 2 ) 小 学 校 第 3 学 年 理 科 の 内 容 に つ い て 新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 を 資 料 と し て 、 小 学 校 理 科 第 3 学 年 の 内 容 等 を 区 分 や 柱 を 視 点 に 構 造 化 し な が ら [ 表 3 ] の 通 り に 整 理 し た 。補 3 最 も 難 し く な る の は 、「 問 題 を 見 い だ す 力 」を 育 て る 授 業 設 計 だ ろ う 。小 学 校 3 年 生 の 子 供 の 認 識 や 思 考 、 学 力 な ど の 実 態 を 視 野 に 入 れ る と と も に 、 差 異 点 や 共 通 点 か ら 問 題 を 発 見 す る よ う な 授 業 を ど の よ う に 構 成 し て い く の か 、 時 間 を か け て 取 り 組 ま せ て い く 。 教 材 研 究 及 び 学 習 指 導 案 の 作 成 と 模 擬 授 業 を 位 置 付 け る 場 合 は 、「 磁 石 の 性 質 」あ る い は「 電 気 の 通 り 道 」を 課 題 単 元 と し た い 。こ の 単 元 な ら ば 、「 磁 石 に 引 き 付 け ら れ る 物 と 引 き 付 け ら れ な い 物 」あ る い は「 電 気 を 通 す つ な ぎ 方 と 通 さ な い つ な ぎ 方 」「 電 気 を 通 す 物 と 通 さ な い 物 」と い っ た「 類 と し て の 見 方 」を 活 用 し な が ら「 比 較 す る 能 力 」 を 育 成 す る イ メ ー ジ を 描 く こ と が で き る と 推 察 す る 。 知 識 面 に つ い て は 十 分 に 理 解 し て い る と 思 わ れ る が 、「 音 の 伝 わ り 方 と 大 小 」に つ い て は 新 指 導 要 領 で 追 加 さ れ た 内 容 で あ り 、 物 理 的 な 側 面 か ら の 理 解 を 図 る と と も に 教 材 研 究 へ 活 用 で き る よ う に 補 足 す る 。 ま た 、 技 能 面 に お い て は 「 太 陽 と 地 面 の 様 子 」 に 関 す る 観 察 技 能 及 び 指 導 法 を 身 に 付 け さ せ る 内 容 を 取 り 入 れ て い く 。 4 . 小 学 校 第 4 学 年 理 科 の 指 導 法 に お け る 改 善 事 項 * 4 ( 1 ) 小 学 校 第 4 学 年 理 科 の 目 標 及 び 重 点 に つ い て [表3]小学校理科第3学年の内容構成 小 学校第3学年 の 内容構 成 A 物質・ エネルギー エネル ギー エネルギーの捉え方 エネルギーの変換と保存 エネルギー資源の有効利用 粒子 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー B 生命・ 地球 生命 生物の構造と機能 生命の連続性 生物と環境の関わり 地球 地球の内部と地表面の変動 地球の大気と水の循環 地球と天体の運動 ※ 「小学校学習指導要領」及び「小学校学習指導要領解説理科編」を参考に「第3学年理科」の内容構成を構造化した。 風とゴムの力の働き ・風の力の働き ・ゴムの力の働き 光と音の性質 ・光の反射・集光 ・光の当て方と明るさや暖かさ ・音の伝わり方と大小 磁石の性質 ・磁石に引き付けられる物 ・異極と同極 電気の通り道 ・電気を通すつなぎ方 ・電気を通す物 物と重さ ・形と重さ ・体積と重さ 身の回りの生物 ・身の回りの生物と環境との関わり ・昆虫の成長と体のつくり ・植物の成長と体のつくり 太陽と地面の様子 ・日陰の位置と太陽の位置の変化 ・地面の暖かさや湿り気の違い

(6)

4.小学校第4学年理科の指導法における改善事項

*4

 ⑴ 小学校第4学年理科の目標及び重点について

 新指導要領及び解説理科編を資料として、小学校理科第4学年の目標を構造化しな

がら[表4]の通りに整理した。

新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 を 資 料 と し て 、 小 学 校 理 科 第 4 学 年 の 目 標 を 構 造 化 し な が ら [ 表 4 ] の 通 り に 整 理 し た 。 小 学 校 第 4 学 年 に お い て 育 成 す る 資 質 ・ 能 力 は 、 思 考 力 、 判 断 力 、 表 現 力 等 の 柱 に お い て は 「 関 係 付 け て 調 べ る 活 動 」 を 通 し て 「 自 然 の 事 物 ・ 現 象 に つ い て 追 究 す る 中 で 、 既 習 の 内 容 や 生 活 経 験 を 基 に 、 根 拠 の あ る 予 想 や 仮 説 を 発 想 し 、 表 現 す る こ と 」 が 示 さ れ て い る 。ま た 、学 び に 向 か う 力 、人 間 性 等 の 柱 に お い て は 、「 主 体 的 に 問 題 解 決 し よ う と す る 態 度 」 及 び 「 生 物 を 愛 護 す る ( 生 命 を 尊 重 す る ) 態 度 」 が 示 さ れ て い る 。 こ れ ら の 資 質 ・ 能 力 を 育 成 す る た め に 必 要 な 知 識 及 び 教 育 技 術 を 理 科 指 導 法 等 の 授 業 で 養 う た め に は 、ま ず 、「 関 係 付 け て 調 べ る 」活 動 に つ い て 十 分 に 理 解 さ せ 納 得 さ せ る 必 要 が 生 じ る 。 自 然 の 事 物 ・ 現 象 の 変 化 ( 観 察 や 実 験 の 結 果 ) に 着 目 し 、 そ の 原 因 を 追 究 す る た め に は ど の よ う な 見 方 ・ 考 え 方 が 必 要 と な る の か 。 ま た 、 関 係 を 発 見 す る こ と に よ り ど の よ う な 資 質 ・ 能 力 が 育 成 さ れ る の か 。 第 3 学 年 理 科 の 指 導 法 で 学 ん だ 知 識 を 基 に 対 話 的 な 活 動 を 通 し て 学 生 自 身 に 考 え さ せ て い く 。 関 係 付 け に 関 す る 指 導 は 従 前 通 り の 展 開 で 講 義 可 能 だ が 、 そ こ か ら ( 子 供 が 見 い だ し た 問 題 に つ い て ) 根 拠 の あ る 予 想 や 仮 説 を 発 想 す る 過 程 を 理 解 す る の が 容 易 で は な い と 推 察 す る 。 果 た し て 小 学 校 4 年 生 の 子 供 に 「 根 拠 の あ る 」 予 想 や 仮 説 を 立 て さ せ [表4]小学校理科第4学年の目標 小学校学習指 導要領及び同解 説理科編によ る第4学年の目 標等 目標 自然の事物・現象について,理科の見方・考え方を働かせ,問題を追究する活動を通して,空気,水及び金属 の性質,電流の働き,人の体のつくりと運動,動物の活動や植物の成長と環境との関わり,雨水の行方と地面の 様子,気象現象,月や星についての理解を図り,観察,実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする とともに,問題解決の力や生物を愛護する態度,主体的に問題解決しようとする態度を養う。 重点 学習の過程において,自然の事物・現象から見いだした問題について,既習の内容や生活経験を基に,根拠の ある予想や仮説を発想するといった問題解決の力を育成する。 第4学 年の目 標 ( 1 )物 質・ エネルギー ① 知識・技能 る基本的な技能を身に付けるようにする。空気,水及び金属の性質,電流の働きについての理解を図り,観察,実験などに関す ② 問題解決の力 経験を基に,根拠のある予想や仮説を発想する力を養う。空気,水及び金属の性質,電流の働きについて追究する中で,主に既習の内容や生活 ③ 情意・態度 うとする態度を養う。空気,水及び金属の性質,電流の働きについて追究する中で,主体的に問題解決しよ ( 2 )生命・地球 ① 知識・ 技能 人の体のつくりと運動,動物の活動や植物の成長と環境との関わり,雨水の行方と地 面の様子,気象現象,月や星についての理解を図り,観察,実験などに関する基本的な 技能を身に付けるようにする。 ② 問題解 決の力 人の体のつくりと運動,動物の活動や植物の成長と環境との関わり,雨水の行方と地 面の様子,気象現象,月や星について追究する中で,主に既習の内容や生活経験を基に, 根拠のある予想や仮説を発想する力を養う。 ③ 情意・ 態度 人の体のつくりと運動,動物の活動や植物の成長と環境との関わり,雨水の行方と地 面の様子,気象現象,月や星について追究する中で,生物を愛護する態度や主体的に問 題解決しようとする態度を養う。 ※ 「小学校学習指導要領」及び「小学校学習指導要領解説理科編」を参考に「第4学年理科」の目標等を構造化した。

 小学校第4学年において育成する資質・能力は、思考力、判断力、表現力等の柱に

おいては「関係付けて調べる活動」を通して「自然の事物・現象について追究する中

で、既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想し、表現すること」

が示されている。また、学びに向かう力、人間性等の柱においては、

「主体的に問題

解決しようとする態度」及び「生物を愛護する(生命を尊重する)態度」が示されて

いる。

 これらの資質・能力を育成するために必要な知識及び教育技術を理科指導法等の授

業で養うためには、まず、

「関係付けて調べる」活動について十分に理解させ納得さ

せる必要が生じる。自然の事物・現象の変化(観察や実験の結果)に着目し、その原

因を追究するためにはどのような見方・考え方が必要となるのか。また、関係を発見

することによりどのような資質・能力が育成されるのか。第 3 学年理科の指導法で学

んだ知識を基に対話的な活動を通して学生自身に考えさせていく。

 関係付けに関する指導は従前通りの展開で講義可能だが、そこから(子供が見いだ

(7)

した問題について)根拠のある予想や仮説を発想する過程を理解するのが容易ではな

いと推察する。果たして小学校4年生の子供に「根拠のある」予想や仮説を立てさせ

ることが可能なのか。新指導要領がここまで要求しなければならなかった背景を推測

しながら、学生とともに理解を深めていきたい。

 ⑵ 小学校第4学年理科の内容について

 新指導要領及び解説理科編を資料として、小学校理科第4学年の内容等を区分や柱

を視点に構造化しながら[表5]の通りに整理した。

 最も難しくなるのは、

「根拠のある予想や仮説を発想する力」を育てる授業設計だ

ろう。小学校4年生の子供にとっての「根拠」をどのように考えるか、既習の内容や

生活経験が十分ではない子供たちにどこまで求めるのか、具体的な授業を想定した授

業設計と学習指導案の作成ができるように改善していく。

 教材研究及び学習指導案の作成と模擬授業を位置付ける場合は、

「空気と水の性質」

を課題単元としたい。この単元においては、

「空気と水の性質について、体積や圧し

返す力の変化に着目して、それらと圧す力とを関係付けて調べる」活動が柱となる。

ここに重点を置いた指導案の作成等に取り組むことで、

「因果としての見方」を活用

しながら「関係付けの能力」を育成するイメージを描くことができると推察する。

 知識面については、

「金属、水、空気と温度」及び「人の体のつくりと運動」

「月と

星」などの単元において、それぞれの学問領域と関係させながら身に付けることがで

きるようにする。また、

「雨水の行方と地面の様子」については新指導要領で追加さ

れた内容であるため、土の粒の大きさと水のしみ込み方に関する理解を図るとともに

教材研究へ活用できるように補足する。また、技能面においては「簡易検流計」の正

しい使い方及び授業での活用法を取り入れるようにする。

る こ と が 可 能 な の か 。 新 指 導 要 領 が こ こ ま で 要 求 し な け れ ば な ら な か っ た 背 景 を 推 測 し な が ら 、 学 生 と と も に 理 解 を 深 め て い き た い 。 ( 2 ) 小 学 校 第 4 学 年 理 科 の 内 容 に つ い て 新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 を 資 料 と し て 、 小 学 校 理 科 第 4 学 年 の 内 容 等 を 区 分 や 柱 を 視 点 に 構 造 化 し な が ら [ 表 5 ] の 通 り に 整 理 し た 。 最 も 難 し く な る の は 、「 根 拠 の あ る 予 想 や 仮 説 を 発 想 す る 力 」を 育 て る 授 業 設 計 だ ろ う 。 小 学 校 4 年 生 の 子 供 に と っ て の 「 根 拠 」 を ど の よ う に 考 え る か 、 既 習 の 内 容 や 生 活 経 験 が 十 分 で は な い 子 供 た ち に ど こ ま で 求 め る の か 、 具 体 的 な 授 業 を 想 定 し た 授 業 設 計 と 学 習 指 導 案 の 作 成 が で き る よ う に 改 善 し て い く 。 教 材 研 究 及 び 学 習 指 導 案 の 作 成 と 模 擬 授 業 を 位 置 付 け る 場 合 は 、「 空 気 と 水 の 性 質 」 を 課 題 単 元 と し た い 。こ の 単 元 に お い て は 、「 空 気 と 水 の 性 質 に つ い て 、体 積 や 圧 し 返 す 力 の 変 化 に 着 目 し て 、 そ れ ら と 圧 す 力 と を 関 係 付 け て 調 べ る 」 活 動 が 柱 と な る 。 こ こ に 重 点 を 置 い た 指 導 案 の 作 成 等 に 取 り 組 む こ と で 、「 因 果 と し て の 見 方 」を 活 用 し な が ら 「 関 係 付 け の 能 力 」 を 育 成 す る イ メ ー ジ を 描 く こ と が で き る と 推 察 す る 。 知 識 面 に つ い て は 、「 金 属 、 水 、 空 気 と 温 度 」 及 び 「 人 の 体 の つ く り と 運 動 」「 月 と 星 」 な ど の 単 元 に お い て 、 そ れ ぞ れ の 学 問 領 域 と 関 係 さ せ な が ら 身 に 付 け る こ と が で き る よ う に す る 。ま た 、「 雨 水 の 行 方 と 地 面 の 様 子 」に つ い て は 新 指 導 要 領 で 追 加 さ れ た 内 容 で あ る た め 、 土 の 粒 の 大 き さ と 水 の し み 込 み 方 に 関 す る 理 解 を 図 る と と も に 教 材 研 究 へ 活 用 で き る よ う に 補 足 す る 。 ま た 、 技 能 面 に お い て は 「 簡 易 検 流 計 」 の 正 し い 使 い 方 及 び 授 業 で の 活 用 法 を 取 り 入 れ る よ う に す る 。 5 . 小 学 校 第 5 学 年 理 科 の 指 導 法 に お け る 改 善 事 項 * 5 ( 1 ) 小 学 校 第 5 学 年 理 科 の 目 標 及 び 重 点 に つ い て [表5]小学校理科第4学年の内容構成 小学校 第4学年 の内容構 成 A 物 質・エネ ルギー エ ネルギー エネルギーの捉え方 エネルギーの変換と保存 エネルギー資源の有効利用 粒子 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー B 生命・ 地球 生命 生物の構造と機能 生命の連続性 生物と環境の関わり 地球 地球の内部と地表面の変動 地球の大気と水の循環 地球と天体の運動 ※ 「小学校学習指導要領」及び「小学校学習指導要領解説理科編」を参考に「第4学年理科」の内容構成を構造化した。 電流の働き ・乾電池の数とつなぎ方 金属,水,空気と温度 ・温度と体積の変化 ・温まり方の違い ・水の三態変化 人の体のつくりと運動 ・骨と筋肉 ・骨と筋肉の働き 雨水の行方と地面の様子 ・地面の傾きによる水の流れ ・土の粒の大きさと水のしみ込み方 空気と水の性質 ・空気の圧縮 ・水の圧縮 季節と生物 ・動物の活動と季節 ・植物の成長と季節 天気の様子 ・天気による1日の気温の変化 ・水の自然蒸発と結露 月と星 ・月の形と位置の変化 ・星の明るさ,色 ・星の位置の変化

(8)

5.小学校第5学年理科の指導法における改善事項

*5

 ⑴ 小学校第5学年理科の目標及び重点について

 新指導要領及び解説理科編を資料として、小学校理科第5学年の目標を構造化しな

がら[表6]の通りに整理した。

[表6]小学校理科第5学年の目標 小学校学習指導要領及び同解説理科編による第5学年の目標等 目標 自然の事物・現象について,理科の見方・考え方を働かせ,問題を追究する活動を通して,物の溶け方,振り 子の運動,電流がつくる磁力,生命の連続性,流れる水の働き,気象現象の規則性についての理解を図り,観察, 実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにするとともに,問題解決の力や生命を尊重する態度,主体的 に問題解決しようとする態度を養う。 重点 学習の過程において,自然の事物・現象から見いだした問題についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想 するといった問題解決の力を育成する。 第5学年の目標 ( 1 )物質・エネルギー ① 知識・ 技能 どに関する基本的な技能を身に付けるようにする。物の溶け方,振り子の運動,電流がつくる磁力についての理解を図り,観察,実験な ② 問題解決の力 説を基に,解決の方法を発想する力を養う。物の溶け方,振り子の運動,電流がつくる磁力について追究する中で,主に予想や仮 ③ 情意・態度 解決しようとする態度を養う。物の溶け方,振り子の運動,電流がつくる磁力について追究する中で,主体的に問題 ( 2 )生命・地球 ① 知識・ 技能 験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。生命の連続性,流れる水の働き,気象現象の規則性についての理解を図り,観察,実 ② 問題解 決の力 や仮説を基に,解決の方法を発想する力を養う。生命の連続性,流れる水の働き,気象現象の規則性について追究する中で,主に予想 ③ 情意・ 態度 重する態度や主体的に問題解決しようとする態度を養う。生命の連続性,流れる水の働き,気象現象の規則性について追究する中で,生命を尊 ※ 「小学校学習指導要領」及び「小学校学習指導要領解説理科編」を参考に「第5学年理科」の目標等を構造化した。

 小学校第5学年において育成する資質・能力は、思考力、判断力、表現力等の柱に

おいては「条件を制御しながら調べる活動」を通して「自然の事物・現象について追

究する中で、予想や仮説を基に、解決の方法を発想し、表現すること」が示されてい

る。また、学びに向かう力、人間性等の柱においては、

「主体的に問題解決しようと

する態度」及び「生物を愛護する(生命を尊重する)態度」が示されている。

 これらの資質・能力を育成するために必要な知識及び教育技術を理科指導法等の授

業で養うためには、まず、

「条件を制御しながら調べる」活動について十分に理解さ

せ納得させる必要が生じる。例えば、振り子が1往復する時間に着目しておもりの重

さや振り子の長さなどの条件を制御したり、流れる水の速さや量に着目してそれらの

条件を制御したりする授業をイメージさせながら検討させていく。

 その際、第3学年及び第4学年の指導法で学んだ「差異点や共通点を基に、問題を

見いだす力」

「既習の内容や生活経験を基に、根拠のある予想や仮説を発想する力」

の更なる育成にも留意させながら、目的を設定し計測して制御するといった考え方に

(9)

179

ついても理解させていく。

 条件制御に関する指導は従前通りの展開で講義可能だが、そこから(子供が見いだ

した問題についての予想や仮説を基に)解決の方法を発想する過程を理解するのが容

易ではないと推察する。また、その学習過程をどのように評価するのか。解決の方法

を発想する力を目指す資質・能力とした場合、その評価の観点をどのように考えるの

か。新指導要領及び解説理科編においては言及されていないため、

評価の基準(規準)

の作成とともに理解できるように改善していかなければならないだろう。

 ⑵ 小学校第5学年理科の内容について

 新指導要領及び解説理科編を資料として、小学校理科第5学年の内容等を区分や柱

を視点に構造化しながら[表7]の通りに整理した。

 最も難しくなるのは、

「解決の方法を発想する力」を育てる授業設計だろう。小学

校5年生の子供にとっての「解決」をどのように考えるか。自然事象から問題を見い

だすことすらままならない子供たちに、根拠のある予想や仮説を立てさせ解決の方法

を発想させることができるのか。具体的な授業を想定した授業設計と(評価を位置付

けた)学習指導案の作成ができるように配慮していく。

 教材研究及び学習指導案の作成と模擬授業を位置付ける場合は、

「植物の発芽、

成長、

結実」の単元から「発芽の条件」を課題としたい。実際に条件を制御しながら植物を

育てる活動を体験させることで、

「時系列としての見方」と「生命を尊重する態度」

を学生自身が身に付けることができるように展開していく。

 知識面については、

「物の溶け方」の単元において、溶けている物の均一性に関す

る内容が中学校から移行されたため、化学という領域を見通した「粒子」についての

基本的な概念と合わせて理解を深めることができるようにしていく。

し た 問 題 に つ い て の 予 想 や 仮 説 を 基 に ) 解 決 の 方 法 を 発 想 す る 過 程 を 理 解 す る の が 容 易 で は な い と 推 察 す る 。 ま た 、 そ の 学 習 過 程 を ど の よ う に 評 価 す る の か 。 解 決 の 方 法 を 発 想 す る 力 を 目 指 す 資 質 ・ 能 力 と し た 場 合 、 そ の 評 価 の 観 点 を ど の よ う に 考 え る の か 。新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 に お い て は 言 及 さ れ て い な い た め 、評 価 の 基 準( 規 準 ) の 作 成 と と も に 理 解 で き る よ う に 改 善 し て い か な け れ ば な ら な い だ ろ う 。 ( 2 ) 小 学 校 第 5 学 年 理 科 の 内 容 に つ い て 新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 を 資 料 と し て 、 小 学 校 理 科 第 5 学 年 の 内 容 等 を 区 分 や 柱 を 視 点 に 構 造 化 し な が ら [ 表 7 ] の 通 り に 整 理 し た 。 最 も 難 し く な る の は 、「 解 決 の 方 法 を 発 想 す る 力 」を 育 て る 授 業 設 計 だ ろ う 。小 学 校 5 年 生 の 子 供 に と っ て の 「 解 決 」 を ど の よ う に 考 え る か 。 自 然 事 象 か ら 問 題 を 見 い だ す こ と す ら ま ま な ら な い 子 供 た ち に 、 根 拠 の あ る 予 想 や 仮 説 を 立 て さ せ 解 決 の 方 法 を 発 想 さ せ る こ と が で き る の か 。 具 体 的 な 授 業 を 想 定 し た 授 業 設 計 と ( 評 価 を 位 置 付 け た ) 学 習 指 導 案 の 作 成 が で き る よ う に 配 慮 し て い く 。 教 材 研 究 及 び 学 習 指 導 案 の 作 成 と 模 擬 授 業 を 位 置 付 け る 場 合 は 、「 植 物 の 発 芽 、成 長 、 結 実 」 の 単 元 か ら 「 発 芽 の 条 件 」 を 課 題 と し た い 。 実 際 に 条 件 を 制 御 し な が ら 植 物 を 育 て る 活 動 を 体 験 さ せ る こ と で 、「 時 系 列 と し て の 見 方 」と「 生 命 を 尊 重 す る 態 度 」を 学 生 自 身 が 身 に 付 け る こ と が で き る よ う に 展 開 し て い く 。 知 識 面 に つ い て は 、「 物 の 溶 け 方 」の 単 元 に お い て 、溶 け て い る 物 の 均 一 性 に 関 す る 内 容 が 中 学 校 か ら 移 行 さ れ た た め 、 化 学 と い う 領 域 を 見 通 し た 「 粒 子 」 に つ い て の 基 本 的 な 概 念 と 合 わ せ て 理 解 を 深 め る こ と が で き る よ う に し て い く 。 6 . 小 学 校 第 6 学 年 理 科 の 指 導 法 に お け る 改 善 事 項 * 6 ( 1 ) 小 学 校 第 6 学 年 理 科 の 目 標 及 び 重 点 に つ い て [表7]小学校理科第5学年の内容構成 小学校 第5学年 の 内容構 成 A 物質・エ ネルギー エネルギー エネルギーの捉え方 エネルギーの変換と保存 エネルギー資源の有効利用 粒子 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー B 生命 ・地球 生命 生物の構造と機能 生命の連続性 生物と環境の関わり 地球 地球の内部と地表面の変動 地球の大気と水の循環 地球と天体の運動 ※ 「小学校学習指導要領」及び「小学校学習指導要領解説理科編」を参考に「第5学年理科」の内容構成を構造化した。 振り子の運動 ・振り子の運動 物の溶け方(溶けている物の均一性(中1より移行)を含む) ・重さの保存 ・物が水に溶ける量の限度 ・物が水に溶ける量の変化 植物の発芽,成長,結実 ・種子の中の養分 ・発芽の条件 ・成長の条件 ・植物の受粉,結実 動物の誕生 ・卵の中の成長 ・母体内の成長 流れる水の働きと土地の変化 ・流れる水の働き ・川の上流・下流と川原の石 ・雨の降り方と増水 天気の変化 ・雲と天気の変化 ・天気の変化の予想 電流がつくる磁力 ・鉄心の磁化,極の変化 ・電磁石の強さ

(10)

6.小学校第6学年理科の指導法における改善事項

*6

 ⑴ 小学校第6学年理科の目標及び重点について

 新指導要領及び解説理科編を資料として、小学校理科第6学年の目標を構造化しな

がら[表8]の通りに整理した。

新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 を 資 料 と し て 、 小 学 校 理 科 第 6 学 年 の 目 標 を 構 造 化 し な が ら [ 表 8 ] の 通 り に 整 理 し た 。 小 学 校 第 6 学 年 に お い て 育 成 す る 資 質 ・ 能 力 は 、 思 考 力 、 判 断 力 、 表 現 力 等 の 柱 に お い て は「 多 面 的 に 調 べ る 活 動 」を 通 し て「 自 然 の 事 物・現 象 に つ い て 追 究 す る 中 で 、 よ り 妥 当 な 考 え を つ く り だ し 、 表 現 す る こ と 」 が 示 さ れ て い る 。 ま た 、 学 び に 向 か う 力 、人 間 性 等 の 柱 に お い て は 、「 主 体 的 に 問 題 解 決 し よ う と す る 態 度 」及 び「 生 物 を 愛 護 す る ( 生 命 を 尊 重 す る ) 態 度 」 が 示 さ れ て い る 。 こ れ ら の 資 質 ・ 能 力 を 育 成 す る た め に 必 要 な 知 識 及 び 教 育 技 術 を 理 科 指 導 法 等 の 授 業 で 養 う た め に は 、ま ず 、「 多 面 的 に 調 べ る 」活 動 に つ い て 十 分 に 理 解 さ せ 納 得 さ せ る 必 要 が 生 じ る 。 自 然 の 事 物 ・ 現 象 を 多 面 的 に 調 べ る た め に は ど の よ う な 見 方 ・ 考 え 方 が 必 要 と な る の か 。 ま た 、 多 面 的 に 調 べ る こ と に よ り ど の よ う な 資 質 ・ 能 力 が 育 成 さ れ る の か 。 学 生 自 身 が 納 得 ・ 体 得 で き る よ う な 主 体 的 な 活 動 を 構 成 し て い く 。 多 面 的 な 思 考 に 関 す る 指 導 は 従 前 通 り の 展 開 で は 成 立 し な い 。 現 行 の 小 学 校 学 習 指 導 要 領 及 び 同 解 説( 平 成 20 年 6 月 )に は「 多 面 的 」と い う 単 語 の 記 載 が な く 、旧 小 学 校 学 習 指 導 要 領( 平 成 10 年 12 月 )に 位 置 付 け ら れ て い る こ と の 説 明 を し な が ら 、「 多 面 的 に 調 べ る 」 と は ど う い う こ と な の か 考 え さ せ て い き た い 。 こ れ に よ り 、 多 面 的 に 調 べ る 活 動 等 に つ い て は イ メ ー ジ を 描 く こ と が 可 能 に な る と [表8]小学校理科第6学年 小学 校学習指導要領及び 同解説理科編 による第6学年の目 標等 目標 自然の事物・現象について,理科の見方・考え方を働かせ,問題を追究する活動を通して,燃焼の仕組み,水 溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や働き,生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わり,土地のつ くりと変化,月の形の見え方と太陽との位置関係についての理解を図り,観察,実験などに関する基本的な技能 を身に付けるようにするとともに,問題解決の力や生命を尊重する態度,主体的に問題解決しようとする態度を 養う。 重点 学習の過程において,自然の事物・現象から見いだした問題について追究し,より妥当な考えをつくりだすと いった問題解決の力を育成する。 第6学年 の目標 ( 1 )物質・ エネルギー ① 知識・技能 図り,観察,実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や働きについての理解を ② 問題解決の力 中で,主にそれらの仕組みや性質,規則性及び働きについて,より妥当な考えをつくり燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や働きについて追究する だす力を養う。 ③ 情意・態度 中で,主体的に問題解決しようとする態度を養う。燃焼の仕組み,水溶液の性質,てこの規則性及び電気の性質や働きについて追究する ( 2 )生命・ 地球 ① 知識・ 技能 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わり,土地のつくりと変化,月の形の見 え方と太陽との位置関係についての理解を図り,観察,実験などに関する基本的な技能 を身に付けるようにする。 ② 問題解 決の力 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わり,土地のつくりと変化,月の形の見 え方と太陽との位置関係について追究する中で,主にそれらの働きや関わり,変化及び 関係について,より妥当な考えをつくりだす力を養う。 ③ 情意・ 態度 生物の体のつくりと働き,生物と環境との関わり,土地のつくりと変化,月の形の見 え方と太陽との位置関係について追究する中で,生命を尊重する態度や主体的に問題解 決しようとする態度を養う。 ※ 「小学校学習指導要領」及び「小学校学習指導要領解説理科編」を参考に「第6学年理科」の目標等を構造化した。

 小学校第6学年において育成する資質・能力は、思考力、判断力、表現力等の柱に

おいては「多面的に調べる活動」を通して「自然の事物・現象について追究する中で、

より妥当な考えをつくりだし、表現すること」が示されている。また、学びに向かう

力、人間性等の柱においては、

「主体的に問題解決しようとする態度」及び「生物を

愛護する(生命を尊重する)態度」が示されている。

 これらの資質・能力を育成するために必要な知識及び教育技術を理科指導法等の授

業で養うためには、まず、

「多面的に調べる」活動について十分に理解させ納得させ

る必要が生じる。自然の事物・現象を多面的に調べるためにはどのような見方・考え

方が必要となるのか。また、多面的に調べることによりどのような資質・能力が育成

されるのか。学生自身が納得・体得できるような主体的な活動を構成していく。

 多面的な思考に関する指導は従前通りの展開では成立しない。現行の小学校学習指

導要領及び同解説(平成 20 年 6 月)には「多面的」という単語の記載がなく、旧小

学校学習指導要領

(平成 10 年 12 月)

に位置付けられていることの説明をしながら、

「多

(11)

面的に調べる」とはどういうことなのか考えさせていきたい。

 これにより、多面的に調べる活動等についてはイメージを描くことが可能になると

考えられるが、そこから「より妥当な考えをつくりだし表現する過程」を理解するの

が容易ではないと推察する。果たして小学校6年生の子供に「より妥当な考え」をつ

くりだすことが可能なのか。また、

「より妥当である」ことをどのように実証するの

かなど、

新指導要領及び解説理科編からは読み取れない内容を多面的に推論しながら、

指導計画を作成することができる段階まで到達させたい。

 ⑵ 小学校第6学年理科の内容について

 新指導要領及び解説理科編を資料として、小学校理科第6学年の内容等を区分や柱

を視点に構造化しながら[表9]の通りに整理した。

 最も難しくなるのは、

「より妥当な考えをつくりだす力」を育てる授業設計だろう。

小学校6年生の子供が持っているであろう「妥当性を検討する尺度」を想定するとと

もに、より妥当な考えを目指して主体的に何度も取り組む情意・態度面をどのように

育てていくのか、課題を設定しながら時間をかけて取り組ませていく。

 教材研究及び学習指導案の作成と模擬授業を位置付ける場合は、

「月と宇宙」を課

題単元としたい。観察はできるが証明が難しい単元であるからこそ、モデルや図に表

現しながらより妥当な考えを目指すことが可能になると推察する。

 知識面については原則として全単元(確かな知識として身に付けていることを)確

認していく。特に、

「電気の利用」に関しては「プログラミングを体験しながら論理

的思考力を身に付ける」ことが例示されているため、その不十分な記載を補完しなが

ら「プログラミング」について取り上げる必要が生じる。視聴覚機器の有効活用と合

わせて(技能面も含めた)指導法を身に付けさせる内容を位置付けていく。

考 え ら れ る が 、 そ こ か ら 「 よ り 妥 当 な 考 え を つ く り だ し 表 現 す る 過 程 」 を 理 解 す る の が 容 易 で は な い と 推 察 す る 。 果 た し て 小 学 校 6 年 生 の 子 供 に 「 よ り 妥 当 な 考 え 」 を つ く り だ す こ と が 可 能 な の か 。ま た 、「 よ り 妥 当 で あ る 」こ と を ど の よ う に 実 証 す る の か な ど 、 新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 か ら は 読 み 取 れ な い 内 容 を 多 面 的 に 推 論 し な が ら 、 指 導 計 画 を 作 成 す る こ と が で き る 段 階 ま で 到 達 さ せ た い 。 ( 2 ) 小 学 校 第 6 学 年 理 科 の 内 容 に つ い て 新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 を 資 料 と し て 、 小 学 校 理 科 第 6 学 年 の 内 容 等 を 区 分 や 柱 を 視 点 に 構 造 化 し な が ら [ 表 9 ] の 通 り に 整 理 し た 。 最 も 難 し く な る の は 、「 よ り 妥 当 な 考 え を つ く り だ す 力 」 を 育 て る 授 業 設 計 だ ろ う 。 小 学 校 6 年 生 の 子 供 が 持 っ て い る で あ ろ う 「 妥 当 性 を 検 討 す る 尺 度 」 を 想 定 す る と と も に 、 よ り 妥 当 な 考 え を 目 指 し て 主 体 的 に 何 度 も 取 り 組 む 情 意 ・ 態 度 面 を ど の よ う に 育 て て い く の か 、 課 題 を 設 定 し な が ら 時 間 を か け て 取 り 組 ま せ て い く 。 教 材 研 究 及 び 学 習 指 導 案 の 作 成 と 模 擬 授 業 を 位 置 付 け る 場 合 は 、「 月 と 宇 宙 」を 課 題 単 元 と し た い 。 観 察 は で き る が 証 明 が 難 し い 単 元 で あ る か ら こ そ 、 モ デ ル や 図 に 表 現 し な が ら よ り 妥 当 な 考 え を 目 指 す こ と が 可 能 に な る と 推 察 す る 。 知 識 面 に つ い て は 原 則 と し て 全 単 元 ( 確 か な 知 識 と し て 身 に 付 け て い る こ と を ) 確 認 し て い く 。特 に 、「 電 気 の 利 用 」に 関 し て は「 プ ロ グ ラ ミ ン グ を 体 験 し な が ら 論 理 的 思 考 力 を 身 に 付 け る 」 こ と が 例 示 さ れ て い る た め 、 そ の 不 十 分 な 記 載 を 補 完 し な が ら 「 プ ロ グ ラ ミ ン グ 」 に つ い て 取 り 上 げ る 必 要 が 生 じ る 。 視 聴 覚 機 器 の 有 効 活 用 と 合 わ せ て ( 技 能 面 も 含 め た ) 指 導 法 を 身 に 付 け さ せ る 内 容 を 位 置 付 け て い く 。 7 . 新 指 導 要 領 及 び 解 説 理 科 編 に 準 拠 し た 小 学 校 理 科 指 導 法 の シ ラ バ ス 案 * 7 こ れ ま で の 検 討 結 果 及 び 解 説 理 科 編 第 4 章 指 導 計 画 の 作 成 と 内 容 の 取 扱 い に 示 さ れ [表9]小学校理科第6学年の内容構成 小 学校第 6 学年の 内容構 成 A 物質・ エネルギー エネ ルギー エネルギーの捉え方 エネルギーの変換と保存 エネルギー資源の有効利用 粒子 粒子の存在 粒子の結合 粒子の保存性 粒子のもつエネルギー B 生 命・ 地球 生命 生物の構造と機能 生命の連続性 生物と環境の関わり 地球 地球の内部と地表面の変動 地球の大気と水の循環 地球と天体の運動 ※ 「小学校学習指導要領」及び「小学校学習指導要領解説理科編」を参考に「第6学年理科」の内容構成を構造化した。 てこの規則性 ・てこのつり合いの規則性 ・てこの利用 水溶液の性質 ・酸性,アルカリ性,中性 ・気体が溶けている水溶液 ・金属を変化させる水溶液 人の体のつくりと働き ・呼吸 ・消化・吸収 ・血液循環 ・主な臓器の存在 燃焼の仕組み ・燃焼の仕組み 生物と環境 ・生物と水,空気との関わり ・食べ物による生物の関係 (水中の小さな生物(小5から移行)を含む) ・人と環境 土地のつくりと変化 ・土地の構成物と地層の広がり(化石を含む) ・地層のでき方 ・火山の噴火や地震による土地の変化 月と太陽 ・月の位置や形と太陽の位置 電気の利用 ・発電(光電池の働き(小4より移行)を含む),蓄電 ・電気の変換 ・電気の利用 ※電熱線の発熱(中学校へ移行) 植物の養分と水の通 り 道 ・でんぷんのでき方 ・水の通り道

(12)

7.新指導要領及び解説理科編に準拠した小学校理科指導法のシラバス案

*7

 これまでの検討結果及び解説理科編第 4 章指導計画の作成と内容の取扱いに示され

た事項に配慮しながら、本稿のまとめとして小学校理科の指導法を想定したシラバス

モデルを[表 10]の通りに作成した。

た 事 項 に 配 慮 し な が ら 、 本 稿 の ま と め と し て 小 学 校 理 科 の 指 導 法 を 想 定 し た シ ラ バ ス モ デ ル を [ 表 1 0 ] の 通 り に 作 成 し た 。 8 . お わ り に こ こ で は 、平 成 30 年 度 入 学 の 学 生 を 想 定 し た「 小 学 校 理 科 指 導 法 」を 研 究 成 果 と し [表10]小学校理科指導法シラバスモデル 授業の目標 小学校学習指導要領理科に示された教科の目標,育成を目指す資質・能力を理解し,小学校 理科の学習内容について背景となる学問領域と関連させて理解を深めるとともに,これまでに 蓄積された小学校理科の学習指導理論を踏まえて,具体的な授業場面を想定した授業設計及び 教材を活用した模擬授業を行う方法を身に付ける。 到達目標 (1)小学校学習指導要領における理科の目標と内容及びその全体構造を理解している。 (2)小学校理科の学習評価の考え方及び指導上の留意点を理解している。 (3)小学校理科の背景となる学問領域との関係を理解し教材研究に活用することができる。 (4)子供の認識や思考,学力などの実態を視野に入れた授業設計の重要性を理解している。 (5)具体的な授業(模擬授業)を想定した学習指導案を作成することができる。 (6)模擬授業の実施とその振り返りを通して授業改善の視点を身に付けている。 (7)小学校理科の特性に応じた情報機器及び教材の効果的な活用法を理解している。 (8)小学校理科におけるプログラミング教育の在り方について理解している。 (9)小学校理科における「主体的・対話的で深い学び」説明することができる。 回 授業の概要及び授業時間外学修(次回までの課題) 1 小学校理科教育のこれまでとこれから(学習指導要領(教育課程)の変遷)を理解する。課題:「社会に開かれた教育課程と理科の指導」についてまとめる。 2 小学校学習指導要領(及び同解説理科編)の読み方を学び改定の方向性と枠組みを理解する。課題:「理科における学びの地図=学習指導要領の枠組み」についてまとめる。 3 小学校理科の特徴的な「見方・考え方」と理科で育成する「資質・能力」について整理する。課題:「科学的な見方や考え方と理科の見方・考え方」についてまとめる。 4 小学校理科における「目標に準拠した評価」の観点及びその評価方法ついて理解する。課題:「資質・能力の三つの柱を踏まえた小学校理科の評価の在り方」についてまとめる。 5 小学校理科3-6年「エネルギー領域」の科学的知識・技能及び学問領域との関係を理解する。課題:小学校理科における「エネルギー領域」の系統的・関連的なイメージ図を作成する。 6 小学校理科3-6年「粒子領域」の科学的知識・技能及び学問領域との関係を理解する。課題:小学校理科における「粒子領域」の系統的・関連的なイメージ図を作成する。 7 小学校理科3-6年「生命領域」の科学的知識・技能及び学問領域との関係を理解する。課題:小学校理科における「生命領域」の系統的・関連的なイメージ図を作成する。 8 小学校理科3-6年「地球領域」の科学的知識・技能及び学問領域との関係を理解する。課題:小学校理科における「地球領域」の系統的・関連的なイメージ図を作成する。 9 小学校理科授業の作り方①=学習指導案の構成を理解し教材研究の方法を身に付ける。課題(例)第3学年:エネルギー領域「磁石の働き」の学習指導案を作成する。 10 小学校理科授業の作り方②=学習評価を位置付けた学習指導案の重要性を理解する。課題(例)第4学年:「空気と水の性質」の学習指導案を作成する。(次回:模擬授業) 11 模擬授業①=各自15分間の模擬授業を実施するとともに的確な振り返りができる。課題:相互評価と講評を生かし「小学校理科における授業改善の視点」についてまとめる。 12 小学校理科授業の作り方③=情報機器の活用を位置付けた授業設計について理解する。課題(例)第5学年:「発芽の条件」の学習指導案を作成する。(次回:模擬授業) 13 模擬授業②=各自20分間の模擬授業等を通して授業設計及び教材研究の重要性を再確認する。課題:「小学校理科におけるプログラミング教育の在り方」についてまとめる。 14 小学校理科における「主体的・対話的で深い学び」について具体的な授業像を描くことができる。課題:「小学校理科におけるアクティブ・ラーニング」についてまとめる。 15 小学校理科の観点から「カリキュラム・マネジメント」を推進する方法について理解する。課題:「これからの小学校理科教育」について15回の講義で身に付けたことをまとめる。 ※「講義全体の概要」「教科書の該当ページ」「成績評価の方法及び基準」「定期テスト」等については省略した。

(13)

8.おわりに

 ここでは、平成 30 年度入学の学生を想定した「小学校理科指導法」を研究成果と

して示した。全 15 回の目標及び課題を示すことで「育てたい教員像」を描くことを

心掛けた。実際の講義においては、

「障害のある児童への指導」

「道徳科などとの関連」

「理科の学習の型を踏まえた言語活動の充実」

「コンピュータや情報通信ネットワーク

の活用」などについても有機的な視点で理解させていかなければならない。

 また、

小学校の理科を本質的に成立させる要件である「体験的な学習活動」及び「自

然に直接関わる授業」のイメージが描けるような授業改善も必要となる。主体的・対

話的な問題解決の活動を十分に体験していない学生にそれができるようになるのか。

小学校の教員として理科を教えるための知識や技術を身に付けさせるだけでなく、

「自

然に対する豊かな感性」を育む場の構成に留意していかなければならないだろう。

 さらに、異常な自然現象(災害)が頻発する現状から「自然災害との関連」につい

ても適切な指導ができるようにしなければならない。そのためにも、地域の「博物館

や科学学習センターなどとの連携」を位置付ける企画力や、万が一を想定した「事故

防止、薬品などの管理」についても身に付けることができるように工夫をしなければ

ならないだろう。正課外活動や参考文献・参考資料の提示も充実させたい。

 さて、今回の改訂で重視されている「カリキュラム・マネジメント」について、新

指導要領の各教科等の内容を精査したが「連携・協力して組織的に執筆した」部分を

見いだすことができなかった。今後、他教科等との関連を図った事例集等が発表され

ると推察するが、各学校において「工夫を凝らすことが可能な内容」として前向きに

捉えさせていきたい。

 最後に、本稿をまとめている平成 29 年 8 月末現在、新指導要領を前提とした「学

習評価」に関する詳細な情報は入っていない。観点別学習状況やその評価規準及び新

しい指導要録の様式等が参考資料としても示されていない状況の中、新しい指導要領

に準拠した教科書は間に合うのか。今回の新指導要領の改定では数多くの疑問点が残

るが、これも学びと成長の好機と捉え、子供の未来を責任もって拓く教員、覚悟・気

概のある教員を育成していく。

(14)

      

補注

補1 小学校理科の教科の目標は、最初に「どのような学習の過程を通して資質・能

力を育成するのか」を示し、次に「育成を目指す(3つの柱に沿った)資質・

能力」を示している。従前の目標とは表現方法が大きく異なるため、学習の過

程については「見方・考え方」及び「科学的」という言葉について補足すると

ともに文節に区切り階層性を示すことにした。また、

「資質・能力」について

は3つの柱を位置付けることとした。

補2 理科の教科の目標である3つの柱のうち「問題解決の力」以外の2つの柱につ

いて簡略化して示すことにした。まず、

「自然の事物・現象についての理解や

観察、実験などに関する基本的な技能」については「知識・技能」と示し、

「自

然を愛する心情や主体的に問題解決しようとする態度」については「情意・態

度」と示した。

「情意」という言葉は指導要領にも解説理科編にも記載されて

いないが、

「学びに向かう力、人間性」との結合性・整合性を踏まえ使用する

こととした。

補3 反転部分(黒塗りつぶし白文字)及びその範囲の下線部分は、今回の改訂によ

り追加した内容、小学校の学年間で移行した内容、中学校へ移行した内容等に

ついて強調するために使用することとした。

      

基調資料

 

*1

 文部科学省(2017)

:小学校学習指導要領 理科編、pp.5-11

 

*2

 同上、pp.12-20

 

*3

 同上、pp.29-43

 

*4

 同上、pp.44-58

 

*5

 同上、pp.59-71

 

*6

 同上、pp.72-89

 

*7

 同上、pp.90-99

 ※その他、各学年の内容構成については pp.22-25 を参考にした。

      

参考資料等

 中央教育審議会(2016)幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学

習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)

 文部科学省(2017)学校教育法施行規則の一部を改正する省令の制定並びに幼稚園

教育要領の全部を改正する告示、小学校学習指導要領の全部を改正する告示及

び中学校学習指導要領の全部を改正する告示等の公示について(通知)

 文部科学省令第 20 号(2017)

参照

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