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マイクロポーラ流体の基本的定常流れ問題の解析 利用統計を見る

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マイクロポーラ流体の基本的定常流れ問題の解析

宮沢直季

(昭和62年9月1日受理)

Analysis of Some Basic Steady Flow Problems

in Micropolar Fluids

NaokiMIYAZAWA

      Abstract   Some analytical solutions are presented for applications of micropolar fluid theory which considers microscopic motions of fluid elements in adition to its classical translatory degrees of freedom to classica団uid mechanics problems. By using its theory, exact solutions are obtained to basic steady flow problems with three kinds of boundary conditions. Influences of variation of newly proposed material constants and boundary conditions to micro−macroscopic physical quantities such as velocity, micro−rotation, couple stress and so on are examined through numerical results in some detai1. It is shown that the obtained results here can be reduced to those of classical theory and/or the other theories of fluids with microstructure by specifying their material constants. 1. まえがき  現実的な問題として,異方性流体,液晶,乱流,混 相流,血液流,電磁流体など多種多様な流体が存在す る。中でも混相流,血液流については,粒子(浮遊物 質,赤血球等)の大きさが代表的幾何学的次元のオー ダと同程度であること,粒子がそのまわりの流体によ って決定される回転速度と独立に回転することから, この種の流体に対して従来の解析方法を適用するのに は限界があり,流体の微視構造を考慮したより一般的 な理論の確立が望まれている。このような観点から, 従来までの古典流体力学に対して微視構造を有する流 体力学(微視連続体流体力学;Microcontinuum Fluid Mechanics)の研究が最近多くの研究者によって注目 されつつある。その代表的なものは,連続体としての アプローチからEringen3)は極性流体の一般理論の定 式化を行った。そこでは,変形可能な微視要素のもつ 流体特性の考慮がなされている。一方,マイクU te−一 ラ流体は上述の一般理論を特殊化したものであり, Eringen‘)によって同じく提案された。これに対し, Arimanらは1972年までに発表された微視連続体流 * 土木工学科,Department of Civil Engineering. 体力学の諸理論1)と流体力学における広範な流れの問 題への適用例2)に対する包括的な概説を与えた。しか しながら,この種の流体力学は学問的に必ずしも体系 化されておらず,今後多くの実際問題に適用してその 位置ずけや見直しが行われなければならないのが現状 である。  本研究では,基本的な流れの問題に対してマイクロ ポーラ流体理論をさまざまな:境界条件の下で解き,物 質定数が速度,微視回転速度,その他の諸量に及ぼす 影響について調べることを目的としている。これらの 問題に対して包括的に述べている論文がないことか ら,本研究での解析では簡単で厳密解をもつ問題に限 定した。しかし,ここで得られた結果は,より複雑な 問題を研究するときの有益な示唆を与えることが期待 される。 2.マイクロポーラ流体の概要(背景と考え方の紹介)  Eringen3}は,流体要素の局所的構造と微視運動に起 因するいくつかの微視的効果を示す流体としてマイク ロ流体(microfluids)理論を提案している。そこでは, 従来の連続体力学で考えられている要素を巨視的要素 (macro−element,ここでは古典流体粒子と呼ぶ)と し,その内部に分布している要素を微視的要素(micro

(2)

一element,微視流体粒子と呼ぶ)として両者を区別さ れる。このマイクロ流体理論では,微視的レベルでの 流れの運動学に基づいて,微視流体粒子は古典流体粒 子とは独立に移動,回転変形をしうるものとする。 すなわち,運動学的変数として回転テンソル(gyration tensor)レktが導入され,その微視的運動によって局所 的慣性を生じることになるが,それを統括する微視慣 性モーメント(micro−inertia moment)iktの保存則が 付加される。一方,マイクロ流体の基本法則は微視流 体粒子に対して古典的なCauchyの運動法則,質量保 存則およびエネルギー保存則を適用し,これらの保存 則を古典流体粒子上で単純統計平均操作をすることに よって求められる。この過程において,新しい物理量 として回転慣性(inertial spin)csr kt,1次物体モーメ ント(first body moment)1,,,微視応力平均(micro −stress average)shlおよび1次応力モーメント(first stress moment)/lktmが導入され,1次応力モーメント のつり合い式が加えられる。構成関係式は,応力およ び応力モーメントが,変形速度テンソルと微視変形速 度テンソルの関数として定義される。この種の理論に 対しては,異方性流体,液晶,乱流,混相流や血液流 などへの広汎な適用がなされつつある。  マイクロ流体理論は数学的取り扱いが極めて複雑で あることから,実際の工学的問題に適用でき,しかも

微視的効果をある程度反映させる理論として,

Eringen4)はマイクロポーラ流体(micropolar fiuid)理 論を提案した。この理論では,マイクロ流体理論に対 する微視慣性モーメント,1次応力モーメントおよび 回転テンソルが次式のような拘束された運動として設 定される。 i・t一噬ツ刎・ilhtm−一』レ・・一一…(2・・) すなわち,マイクロポーラ流体では,古典的な諸量に 加えて微視回転とそれに伴う微視回転慣性とを生じ, 表面偶力と物体偶力が許容されるところにその特徴が ある(ただし,流体中の微視要素の変形は許容されな い)。マイクロポーラ流体理論では,流体粒子の並進速 度を表わす古典的なベクトル場v、とその粒子の回転 速度を表わすベクトル場(微視回転速度ベクトル)レ」 の二つの基本的で互いに独立な運動学的ベクトル場が 導入される。さらにEringen5)は,微視伸縮(micros− tretch)流体理論を提案した。この理論では,式(2.1) の代わりに次式のような拘束された運動が仮定され る。 i・1− nδ励㎞一・1・・s・・一一1”EtmrMhrt レht=レδhl+εhlr2/r (2.2) この理論とマイクロポーラ流体理論の違いは,微視伸 縮スカラーレと1次応力モーメントベクトルλ,をも つことであり,レの存在が,流体粒子の一様伸縮性を意 味する。したがって,この理論はマイクロポーラ流体 理論の拡張理論として認識することができる。

 上述のマイクロポーラ流体理論に関連して

Kirwan6)は次のことを指摘している。  (1)マイクロポーラ流体理論の場の方程式が,七つの 未知数(密度,速度,微視回転速度)を含む七つの方 程式(質量保存の方程式,運動量および角運動量のっ り合い方程式)から成り,構成方程式は六つの物質定 数をもつのに対し,古典理論(ナビエ・ストークス流 体理論)は四つの未知量(微視回転速度を除く)を含 む四つの方程式(上述のものから角運動量のつり合い 方程式を除く)で構成され二つの物質定数をもつ。し たがって,このことが,ナビエ・ストークス流体の問 題に対するよりもより洗練された解法テクニックを必 要とするだけでなく,付加境界条件を明確に与える必 要がでてくる。しかし,マイクロポーラ流体理論の複 雑さによって,古典理論の経験をもって新規の付加境 界条件に物理的概念を与えるということはできない。  (2)古典理論では,与えられた流れの状況に対して, 相似速度形をもつ(すなわち,粘性係数のスケールを 変えることによって,水路流に対する気体の速度は, 液体に対するものと同一になる)。一方,マイクロポー ラ流体理論では,物質定数の相対的大きさで速度形は 大きく変化する。  (3)マイクロポーラ流体理論の複雑さは,与えられた 問題に対して全く異なる解を生ぜしめる物質定数と境 界条件のさまざまな組み合せが可能であることに起因 している。他方では,この理論は,広範な現象に合う ように境界条件を調整することができる点で魅力的 な,しかし相対的に未開発な分野である。したがって, どの現象に対して,いかなる境界条件を使うべきかの 認識および,各種の問題の解析と実験との比較によっ て得られる知見を蓄積していくことが必要である。 3.マイクロポーラ流体の基礎方程式 前節で述べたようにマイクロポーラ流体理論は,マ イクロ流体理論を特殊化することによって導き出せる ものである。この誘導と記号の説明については付録A に示した。  3.1 場の方程式  マイクロポーラ流体の場の方程式をベクトル表示す

(3)

ると次のように与えられる4)。  質量保存の方程式: 袈+ク・(ρの一・ 運動量のつり合い方程式: (!{十2μ)7ク・v−(μ十x)7×7×v 十2x7×レー7π十ρf 一ρ[霧一7×(7×v)+†7(v2)] 角運動量のつり合い方程式: 4(αH一β+γ)77・v−4γ7×7×レ 十2x7×v−4xv十ρ1=ρノρ 微視慣性の保存則: 晋+v・クノー・ (3.1) (3.2) (3.3) (3.4) ここに,λ,μは古典流体力学の粘性係数であり,一方, X,α,β,γはマイクロポーラ流体の新しい物質定数で ある。文字の上に付けられた・(ドット)は実質微分を 示す。上式で注目すべきことは,新しく導入された物 質定数κ,α,β,γ,微視慣性ノおよび物体偶力1がす べて零のとき,場の方程式はナビエ・ストークスの方 程式に帰着される。したがって,マイクロポーラ流体 理論はその特殊な場合として古典理論を包含するもの となっている。式(3.2),(3.3)は速度vと微視回転速 度レに対して連成した方程式であるが,x=0のとき は連成せず,それぞれ独立に解くことが出来る。非圧 縮性流体(ρ=const)に対しては,7・v・=Oであり, 熱力学的圧力πは,境界条件から決定される未知圧力 pによって置き換えられる。  3.2 構成方程式  応力テンソルthtと偶応力テンソルMktに対するマ イクロポーラ流体の構成方程式は,直交デカルト座標 系で次のように与えられる。  tht=(一π+λ〃。,r)δ、、+(μ一x)(v、,1+Vl,。)    −F2x(Vt,k一εrhtレr)   =(一π十λVr,r)δkl十2Ptd,,十2κεhtr(ωr一レr)       (3.5) Mkl−4αVr,rδht+4βVh,t+4γレ,,々         (3.6) ここで,コンマの次の添字は空間座標Xkに関する偏微 分を示す。繰返し添字は範囲(1,2,3)上での和を示し, 自由指標は値1,2,3を取る。  物質定数に対する熱力学的拘束条件は,Clausius− Duhemの不等式があらゆる独立な運動に関して満足 されなければならない条件下で次式となる15}。

;1‡㌶;r兵;:ハγ≧。}(3・7)

 3.3境界条件  速度vおよび微視回転速度レに対する場の方程式 を解くためには,境界条件が与えられなければならな い。速度vに対しては,従来と同じようにすべらない 境界条件が仮定される。微視回転速度レに対する境界 条件に対しては,過去いくつかの提案がなされている が,まず,第一は境界で微視回転速度が零であるとす る条件4}7)9)1°}16)であり,第二は境界で微視回転速度が 流体の渦度に等しいとする条件16)17)である。前者につ いては,微視構造の速度に対してすべらない条件と同 値であることを意味し,後者は線型等方理論において 境界で反対称応力成分が零になることを意味する。 Kirwanl2)はこれら二つの境界条件に対する物理的理 由が説得力をもたないことから,微視回転速度が境界 で任意である条件を提案した。さらに,Kirwan6)は一 般的な境界条件としてl/B+nuk=0を採用している。 ここで,l/Bおよびuhは境界での微視回転速度および 流体の渦度であり,nは任意の値を取る。また, Kolpa− shchikovら14)はKirwanのものと同様な境界条件を 提案している。 4.マイクロポーラ流体のいくつかの基本的流れ  マイクロポーラ流体理論の平面流に対する適用につ いては,Ariman7)らは平行平板間のクウェット流れお よびボアズイユ流れの問題にマイクロポーラ流体理論 を適用して,Stokes8)によって提案された偶応力理論 の結果と比較した。さらに,Ariman9)らは,平行平板 間のクウェット流れおよびボアズイユ流れの問題に適

用して,古典流体力学の結果と比較している。

Eringen4)はマイクロポーラ流体の円管内のボアズイ ユ流れに対する解析解を求め,古典解との比較を行っ た。続いてAriman1°)らはマイクロポーラ流体理論お よびダイポーラ(dipolar)流体理論11)を円管内のボア

ズイユ流れに適用し,両者の結果を比較した。

Kirwan12}らは,マイクロポーラ流体理論の平面クウェ ット流れ,平面ボアズイユ流れの支配方程式に対する 厳密解を得たが,そこではArimanおよびEringenが 用いた微視回転速度が零の境界条件とは異なり微視回 転速度が任意であるような境界条件の設定によって広

範な種類の流れの現象予測を可能にした。また

Kirwan13)らは,境界条件が時間に依存する場合のマ イクロポーラ流体の平面流に対する一般解を得た。 Kolpashchkovi4)らは,熱伝導マイクロポーラ流体の 平面ボアズイユ流れの問題を解析的に求め,物質定数 を決定する方法を提案した。内径が10”6mよりも小さ い毛細管を用いた水の粘性係数の測定結果から,得ら

(4)

れた結果はボアズイユの法則に一致しないことを示し た。  ここでは,マイクロポーラ流体理論をいくつかの基 本的な粘性流れの問題に対して適用する。流体は非圧 縮性で,物体力と物体偶力は無視できる場合を考える ことにする。解析にあたり微視回転速度の境界条件を 与える必要があるが,ここでは次の三つのケースを取 扱うことにする。境界条件(1)……微視回転速度が零。 境界条件(2)……微視回転速度の勾配が零(すなわち微 視回転速度は境界で一定値をもつ)。境界条件(3)……偶 応力が零。速度に対する境界条件は,どのケースにつ いても速度が零の通常の条件が設定される。なお,上 記の境界条件(1)については3.3で述べたように多くの 研究者によって計算されているが,境界条件(2),(3)に ついてはこれまで調べられていない。  4.1平行平板間のボアズイユ流れ  一定圧力勾配で流れる平行平板間の定常流れを考え る。間隔は2hで,平板は無限に広いものとする。流れ の方向にx軸を,両平板に垂直な方向にz軸をとる。 速度と微視回転速度は次式のような成分をもつ。

二:=鵠  }(4・・)

連続の方程式は自動的に満足され,場の方程式は次式 のようになる。

㌶籔《=°}回

この方程式の一般解は次式のように表わされる。 v(・)一歳。)(Cl…hK・+c2・i・hK・)

+耀・2+2偏+α

9(z)=Cl sin hKz十c2 cos hKz

+毒篇͡

(4.3) ここ一(・, K− oγ(μκμ十x)}1/2・ Cl−c4は積分定数である・ 境界条件は,次のおとりである。  境界条件(1)z−±hでv−O,9=・0  (4.4) ’境界条件(2)z’・=±hでv=0,d2/dz−0(4.5) したがって,上式の境界条件のもとで式(4.2)の微分方 程式を解くと,速度および微視回転速度は無次元表示 でTable 1のようになる。また,渦度,見掛けの粘度, 応力および偶応力は次式より計算され,その結果を無 次元表示で同じくTable 1に示した。ただし, A= −dP/dx,ζ一・/h,・一・/μ, x ・・ h/e.・A == κ’,レ・=β/γで,式(3・7)よりε≧0,X;) O・ 1vl≦1である。

   1dv

 ω=一z一頂 ・, 一』Z3(一/)ただし・Q−∫己

   dv

     −2x(ω一9) txz=μ

   dz

t・・一μ農+2・(ω一9) (4.6) Table l Exact solutions for the Poiseuille flow betweeen parallel plates.

Physical quantity Solution for boundary condition(1) Solution for boundary condition(2)

_    ρ 一   、 2ε1cos h(Aζ)−cos hω

一  2ε1c°sh(λζ)}

〃+ζ・一@一{・一

Velocity ↓,=

ン爾元 〃=1一ζ+百ど兀一一一一.…si。 h(λ) 1十ε λ2    cos h(A)

Micro−rotation 一   Ω 一       sin h(、λζ) Ω一一ζ+÷sinh(λζ) velocity Ω= ?V2μ Ω=一ζ+;1}而研. cos h(A)

_     ω _      ε  sin h(ノ1ζ) _      1 sin h(λζ)

Vorticity ω=

宸V2μ ω=一ζ+『鴛S一;i。h(λr ・一一ζ+、三。兀。。、h(A)

ApParent viscos一 _  μ1 3ε  1     cos h(λ)

3ε11sinh(A)

p]

ity μ1=一・.@    μ π1−1/L1+了干了、・{1−・翫、(万月 μ1−1/L1−、+。ア{1、。。sh(A) Shear stress ム・・=_    右x]_    たz τ。x=一ζ Q      sin h(!1ζ) τx。=一ζ Q         2ε  1 sin h(Aζ) τwz= `ん …一一ζ+書。面(、)・ τκz=一ζ+1+ε λ cos h(A) _    卿zy _    2      cgs h(λζ) 一旦{−1+c°sh(λζ)} Couple stress 晦=・

エ2

Q    〃∂yz”2・・= D4r1戸 〃… t仁1+・,、。五(万}一一〃2yz:=レ〃2∼」1 ”2君ツ=@κ2     cos h(A)

鼈黶

V2yz=レ吻zy

(5)

Myz−4β窒

    dg

Mzy=4γ

    dz

 次にマイクロポーラ流体の物質定数および境界条件 の選択が速度,微視回転速度,その他の諸量にどのよ うな影響を及ぼすかを調べることにする。まず,物質 定数κは式(4.6)3.4から明らかのように微視流体粒子 の回転速度とそれらを含む古典流体粒子の回転速度  (渦度)の差,すなわち相対的回転速度と古典流体粒 子に作用する応力の反対称成分を関係づける物質定数 である。古典的な応力成分と関係することから,流れ に及ぼす運動学的微視構造の影響を示すものと思われ る。一方,物質定数β,γは微視流体粒子の回転速度の 場所的変化と古典流体粒子に作用する偶応力を関係づ ける物質定数である。偶応力成分と関係することから, 流れに及ぼす力学的微視構造の影響を示すと思われ る。次に,境界条件の選択については,境界条件(1)は Kirwan6)による一般的境界条件のn=0に対応する ものであるが,境界条件(2)については,Kirwanは何も 述べていない。ここで境界条件(2)の物理的意味を考え ると,:境界と微視流体粒子との間に作用し合う偶応力 が十分に小さいことを意味するものと考えられる。平 面ボアズイユ流れの場合では,境界条件(1)は:境界で微 視回転速度自身が零,すなわち9−0の拘束を与える のに対し,前節で述べた境界で微視回転速度が流体の 渦度に等しい条件(この場合,得られる解は古典ボア ズイユ流れの解と一一致する)は,式(4.2)から回転速度 の2階微分が零,すなわちd29/dz2 =・ Oの拘束を与え ることを意味する。したがって,ここで提示した境界 条件(2)は,両者の中間的な拘束状態を示すものと思わ れる。なお,Table 1から明らかのように,平面ボア ズイユ流の解に対して,sin h(λ)をλcos h(λ)で書き 替える’と,境界条件(1)の結果は,形式的に境界条件(2) の結果に帰着される。  平面ボアズイユ流については,境界条件(1)と境界条 件(2)の解が古典ボアズイユ流の解に帰着されるのは, ε=0すなわちx=0の場合とX=・。すなわちγ= 0の場合である。しかし,x=0の場合は微視回転速度 自身が零になるのに対し,γ一〇の場合は偶応力m。. が零になり,式(4.2)1からの=2すなわち相対的回 転速度が零になる。x=∞の別の考え方は,γが一定 としたときに水路幅hが大きくなる場合で,このとき 古典ボアズイユ流を示すが,水路幅が小さくなるにつ れて古典ボアズイユ流からはずれ微視構造の影響が現 れることを示している。このことは,前述のように Kolpashchikovら14)の指摘(実験結果による)と対応 するところである。  次にε一。。(すなわちx−∞)の極限の場合を考え ると,境界条件(1),②とも,マイクロポーラ流体理論          X=1.0 ζ=1.0 ζ=−1.0 x=2・o @x−1.・ γ=3・O w−1.5 x=5・o @x−3.O        x→/万万=。。     X=5.0        :Classcical theory    ε=x/μ=。。 …一…・− aoundary condition (1) −Boundary conditi・n(2) Fig. l Distributions of velocityσfor the Poiseuille flow    between parallel plates(ε=○○). 一10 .・・ ・習 ζ=1.0 ♪ 〆 ≧ … ダ i ε=OO π=5.0  、 :  i w=3.0 一一一一一一aoundary condition (1) x−2・・ ら骸、’,…    B・undary c・nditi・n(2)一一.−1_一      一一 γ=1.5        ; X=1.0        ] 一一 ω=Ω .0   −0.5    0 i… 0.5    1.0 @ γ=1.0 … Z=2.0 … γ=3.0 ζ=−1.0 …   .i ξ .°  8 .㍊・ .  X=5.0       γ=∞ 戟@   classica18’        theory Fig.2 Distributions of vorticityゐfor the Poiseuille flow    between parallel plates(ε=∞). ζ=LO ..◆・・”◆” …・ ∵…騨箔 X=1.O w=2.O y=3.0 ∫ ・ ■ . ◆・ .’. D■・ ..・ X=5.0 ’ 一 一1.0  −0.5 .o       τκz n.5    1.0 κ=5.0 ネ=3.0 ! … γ=2.O w=1.0 ・・ 怐D・@     ・’●・,・ ’ 」 γ=。。亀z=デzヱ @’Classical t       ・ . s誌iぷ一’” ζ=−1.0 Fig.3  Distributions of shear stressちz for the Poiseuille    How between parallel plates(ε=Oo). 1) 2)

(6)

一1.0 ζ= LO■一        X=2.O        Z=5.0 ,ダ1 「一一一=一      一一一一一一Boundary condition (1)     −Boundary condition (2)       泥y      O.5    1.O    X=5.O    X=・2.O    X=1.O    rニ0       ζ=−1.0^㌔ .Fig.4  Distributions of couple stress Mz), for the Poiseuille    fiow between parallel plates(ε=○○). 「・”◆’ @  .  °’°・   ノ

鎮ジニr芦

ζ=1.0 =30.0 .1’・’ ε=κ/μ=1 Boundary condition(1) =10.0 ■’ 、 @. x   「・.. ‘’・. 一  一  一  一       一 高奄モ窒潤│rotationΩ =5.0 .’・、’・’・、㌢      ●■..■一..A・ k_ vorticityあ 、 =0 o、㌧ ’.、・. ’・A’・ ’、㍉ .  ◆ 一  一 一1.0 一〇.5 0 ’、 三、. X=5. w=10.0 ネ;30.0   s f 、’.’ 、’・. 唐ナ  ・  ・‘ ㌦.、・◆      ・ x一九/∫57万=。。 @;Classical theory .   、、’・.  . \判!、 セ … ζ=−1,0

’託違灘

・ ζ=1.0 ε=x/μ=0 :Classical theory ’/ ζ=−1.O Fig.5 Distributions of velocity σ for Poiseuille flow     between parallel plates(X=o). の解はStokesによる偶応力理論の解に帰着される。 Fig.1からFig.4にこの場合の無次元化された速度 σ,渦度の,応力万。および偶応力nt。yの分布をx= 〃レZをパラメータとして示した・偶応力理論に帰着 される理由は,の一9のように微視回転速度が渦度と 等しくなり,偶応力理論でなされた仮定と同じとなる からである。Fig.1の速度分布は,両境界条件ともxが 増加すると古典ボアズイユ流の解に一致し,xが減少 すると速度は零に近づく。このことから物質定数は古 典ボアズイユ流の速度を相対的に遅らせる効果(すな わち,いかなる物質定数κを選んでも速度を促進する ことはない)をもつことがわかる。特に,境界条件(1) の方が境界条件(2)よりもこの効果が顕著である。注目 すべきことは,速度を最大速度で無次元化すると境界 条件(2)は放物線分布となるのに対し,境界条件(1)は放 物線分布にならず,水路中心に向かって凸な分布とな り,上下の境界付近で特に速度減少の影響を受けるこ Fig.6 Distributions of micro−rotation velocityΩand    vorticity●for the Poiseuille flovL・ between parallel    plates [boundary condition(1),ε=1]. X=3.O X=1.O Z=re ㌔」 ・、 、s 1 ζ=LO ’、》 ㌧ ‘     . P0.0’ ⑳..   、’.、 D   三φ・ `      ◆、 、・  ’・.、 「ご一・/μ一1B・undary・・ndi邑・    一一一一一miCrO−rOtatiOnΩ 3.0 1 一…… 魔盾窒狽奄モ奄狽剩 1.0 O ◆蕊、   e己、、    ぶ’÷、 工1 ’‘   1.0 一〇.5 0 、       → O.5    1.0 、竃、. 、 蠕、、’. X=1.O w=3.0 ㍗㌻s 、一、/扉一.. X=10.0 ∵.、 ・. ㌔    ㌔ 1 、㌧、㍉ ‘  三㌔ 三. 1  三、 、’, ζ=−1.0 ‘   三‘㌔ ㌔.い、 Fig.7 Distributions of micro−rotation velocityΩand vorticityゐfor the Poiseuille How between parallel plates [boundary condition(2),εニ1]. とである。Fig.2の渦度分布から, xが減少するほど渦 度が減少し,流体粒子を回転させまいとする傾向にあ ることが観察される。これはFig.3, Fig. 4に示す応力 蕎、と偶応力nt。ッの分布図から明らかのように,応力 の非対称と偶応力の存在に起因し,力のモーメントの 作用によって,流体粒子の回転に抵抗するからである。 Fig.3では, x=。○のとき5。=屍xであるが, x= oのときには,万。=一玩で応力は反対称となる。Fig. 4では,偶応力はX=∞のとき零になり,境界条件の 影響によって偶応力の最大値は,:境界条件(1)の場合, 境界上であるのに対し,境界条件(2)では水路中央であ る。もう一つの物質定数βに対しては,y==β/γ=1 のとき砺。;砺yで偶応力は対称,v=0のとき砺。 =0,レ=−1のときは砺。=−Mッ。で偶応力は反対 称になる。この物質定数βは速度に対して何の影響を 及ぼさない。

(7)

 次にX=0(すなわちγ ・=・・)の極限を考えると, 偶応力以外は,境界条件(1),(2)とも同じ解を与え微視 回転速度は零である。この場合の速度分布万をεをパ ラメータとしてFig.5に示す。μをμ+κに置き換え て無次元化すると,この速度形は,古,典解の速度形に なる。Fig.6, Fig.7は,ε=1のときの境界条件(1), (2)に対して微視回転速度と渦度の分布を示したもので ある。xが小さくなるほど相対的回転速度が大きくな り,速度を遅らせる効果を示していると考えている。  4.2 平行平板間のクウェット流れ  平行平板間のクウェット流を考える。間隔は2hで 平板は無限に広いものとする。下の平板は静止し,上 の平板が一定速度σで動く。速度と微視回転速度は, 式(4.1)のように与えられる。連続の方程式は自動的に 満足され,場の方程式は次式のようになる。 この方程式の一般解は次式のように表わされる。 v(z)一埠る)(Cl・・shK・+c2・i・hK・)     一十2c3烈一c4  9(z)=Ci sin h Kz十c2 cos h Kz−十c3 境界条件は次のとおりである。  境界条件(1):z−−hでv=∫2=O

       z=hでv=U ∫2=0

(4.8) }(4・9)

: 

F:∴璽。/.(4・1・)

したがって,速度,微視回転速度,渦度,見掛けの粘 度,応力および偶応力は,無次元表示でTable 2のよ うになる。ただし,見掛けの粘度は次式より計算され る。 r・ ・ …晋L−hrw・壁面せん断応力(4・11) 境界条件(2)の解は,古典クウェット流の解と同じであ る。したがって,ここでは境界条件(1)の場合だけを考 えればよい。平面ボアズイユ流と同様に,解が古典ク ウェット流の解に帰着するのは,ε=0とX=・。であ るがX=0の場合を考えると,応力己x,在,偶応力 M。y見掛けの粘度厄2は,εの値に対して変化するの   ζ=1 一一一

ィv

 ζ=−1 Fig.8 Distributions of velocityρfor the Couette flow    between parallel plates [boundary condition (1),    ε=∞]. Table 2 Exact solutions for the Couette flow between parallel plates.

Physical quantity Solution for boundary condition(1) Solution for boundary condition(2)

_    〃 sin砲ζ)一ζsi肋(λ) Velocity カ=

、2

〃=1+ζ+εどsihh(!{)一λ(1十ε)cos h(λ) 万=1+ζ Micro−rotation 一   Ω 一 λ(1+ξ) cos h(λζ)−cos h(λ) 豆=⊥ velocity 32= ム/2カ 』2=@ 2 εsin h(A)一λ(1十ε)cos h(λ) 2 _    ω _  1 ε λcos h(λζ)−sin h(λ) _  1 =  一 Vorticity ω= ム〃2〃 ω= Q十・ Q一一}.⊥一・@εsin h(λ)一λ(1十ε)cos h(λ) ω  2 ApParent viscos− 奄狽 _  μ2 ハ2=一  @    μ ρ2=1+ε π2=1 _    ㌃x εsin h(λ)    一一一..一..一・⊥一.一一女」一 乞zκ;1 Shear stress τ之∀= ]「o滋 Q    蕨一イ 島x=1一 @       ε 唐奄氏@h(A)一λ(1十ε)cos h(λ) @ 2λcos h(λζ)−sin h(λ) rxz=1 τ湿= ハUl2カ τκ。=1+ε一.・..・        ...・テsln h(λ)一!1(1十ε)cos h(λ) _    〃2zy 一 ...sin.h(Aζ) 励zy=0 Couple stress 初zツ= ハσ 黶Q @   勿yz初yz=

ハu

〃2z}・=ε @      ε

鼈黹

ナ2yz=レη2zy 1一r−・ 唐奄氏@h(A)一λ(1十ε)cos h(λ) 励y。−0

(8)

η=1.0 ζ ==−1.O Fig.9 で誉ミここ・こきi  、      、  、     、、   、      s     ’  、      、    、  .  s     s   N           x   ’、 Y三   ‘      、   ‘       s   ‘       、   ‘       ‘   ‘ =・ゐ/∫ア7万=1Boundary condition (1)   一一一一一一micro−rotationΩ   ・・…一一一・−vorticityあ ‖i㌻、

i懸

ε=x/μ=O:Classical theory ε=1.0 ε=4.0 ε=10.0 n ゆ・・.・1…i,・・1。、Ω・ω    i  /i㌧’1!  ,一。。:百一石    /ノ,ξ霧,二1。。(;°u・le s‘「ess the°「・   ノた〆㌍’ ::{:1   ノ  /” 「,・・:”ノi  ,’〆る/ ./手!∼i   乙’    ・’ ・  .:  ’       ..・’ φ’   ・ ・  ’       .・・’  .・’     t  t    .■      .        t   ・  Distributions of micro−rotation velocityΩand  vorticity 6b for the Couette floNNT between parallel,  plates[boundary condition(1), X=1]. ζ=1.0 ㍉\ ”、 、 .・  .◆・ ’. ㌔. 、㌔ 、 … ε     ・       . テ=1.0 ㌔   三 : ε ε=2.0−一. ε ε=4.o−一ロー … ε ε=10.0−一≒→.li … ε ・一・・一一毒汽 … ε 、 … パi  . _4.0・−2.0…iρ … 2.0 4.0 ・ξi ・∼1 i ξ ・ ∫ ’・   ・@・ ご ∫ 三          .g●@      .●.        .. D°@     ・’     女    ’ ζ=−1.0 ε=x/μ=O:Classical ε=1.0 ε=2.0 ε=4.0 ε=10.0 ε:=Oo ちκ,万2 X=h〃π=1Boundary condition (1) theory  4.3円管内のボアズイユ流れ  一定圧力勾配で流れる円管内の流れを考える。円管 の内径をRとし,円管は無限に長いとして,円筒座標 (r,θκ)を導入する。速度と微視回転速度は次式のよ うな成分をもつ。

二1二1:㍍㌶  }(4・12)

連続の方程式は自動的に満足され,場の方程式は次式 のようになる。 (μ+x)景(・多…)

+2・景(r9)一{裟一・  (4・・3)

2・彦{諸(r9)}一・影一2κΩ一・ この方程式の一般解は, v(・)一κ(i等。){一白晒)+c・K・(Kr)} +☆言〆−2禽1・・+c4 shear stress 一__,一,,_唐??≠秩@stress 三篇 Txz Fig.10 Distributions of shear stresses ちx,’rxi for the    Couette flow between parallel plates[boundary    condition(1), X=1]. が,速度万,渦度9は古典クウェット流の解に帰着さ れる(微視回転速度は当然零である)。Fig.8はε=○。 の極限のときの無次元化された流速分布であるが,流

速はX−〃偏の変化に対してさほど変化しないこ

とがわかる(このことはεを変えても同様である)。 Fig.9, Fig.10はx ==1のときの無次元化された微視 回転速度豆,渦度の,応力万x,万zをε=x/μをパラ メータとして示した図である。Fig.9のようにε=∞ のとき渦度=微視回転速度であるが,ε=0のとき渦 度は1/2に漸近するのに対し,微視回転速度は零に漸 近する。Fig.10の応力分布は,ボアズイユ流の場合と 異なり,乙。は古典解とならず物質定数で変化し,ε= 0のときに乙。=τ。。になる。偶応力分布は,ボアズイ ユ流と同じように境界で最大値をとる。  9(r)=c111(Kr)+c,K,(Kr)      一晶影・+÷ 境界条件は,次のとおりである。  境界条件(1)二r=Rでv=9=O

       r=0でv,9が有限

 境界条件(2):r=Rでv−0,d2/dr−O

       r−0でv,9が有限

 境界条件(3):r=Rでv=0,M,θニO

       r=Oでv,9が有限

(4.14) }(4・15) }(4・16) }(4・・7) したがって,境界条件のもとで式(4.13)の微分方程式 を解くと,速度および微視回転速度は無次元表示で Table 3のようになる。また,渦度,見掛けの粘度,応 力および偶応力は,次式より計算されるが,その結果 も無次元表示でTable 3に示した。ただし,A=−dP/

如一・/R,・一拠一R/v/il,17・A一品(百

i,i=β/γで式(3.7)よりε≧o, x≧o,1レ1≦1である。

    1dv

 ω=−7}万

断霊C雲)ただし・Q−llR2πrvdr

      dv Trz==(μ十x)        十2xg       dr (4.18)

(9)

Table 3 Exact solutions for the Poiseuille flow through a circular tube.

Physical quantity Solution for boundary condition(1) Solution for boundary condition(2) Solution for boundary condition(3}

_    〃   一..」一A ・−1−・・一

v巫僻η)

・−1−・L

ホ滉ω・㊨

2(1一レ)ム(λイ。(λ) Vel㏄ity  〃=・ @       AR2/4μ 〃ω σ=1一η2@         z2  1v(λ) Micro−rota・_  Ω       一一一.← 一  五(λη) 一 ∬1(Aη)、 一  1一レ∬1(λη) 、i。nv,1㏄i,yΩ二ンR/4, 層Ω一η一一 X一 Ω=η一@     〃(2) Ω=η       λ N(A) _    ω _     ε .  ε∬1(λη) V°ni・ity ・=^脳万          L@互)ω=η一≡ムω ω=η一H工ξ.π(万 .  ε1一レ岨ω=η一1百λN(λ) Apparent vis・. μ、 A。、ity  μ3=一芦 β・−1/{1+釈告δ一π』暮∼1㍍} 厄一1/{1一π告訂巫(λ櫟} ●=1/{1錯詔λム(編』∬1(λ} Shear s・・恥…一・ 一τrz=一ナ・・一一・+詳謝 一τrz=一η c一一・+1きξ辮 一τπ=一η ]三r − 一η+1………ξ一ユ・「元」∠畿{1≧      Ωrτz「=一

bQ

C・upl・…e… 一籏 @      _    〃2θr @      物・=・λjP‘ 伽= n・{1−・−41:61)・(1・・)綴‖} v=?o・−1−.響留1+(1+・弓}謝} 碗・・− U{1−・」鍋・(1+・)一腸編} qθr @− ±{レー1−一 留{;12)+(1十レ)一鍋} ・・一’ウ〃[1一論){刷一(1+・)禦}] E・…完[1・硫輌)一(1+・)禦}] 〃ω一AI,,(λ)一ム(λ)N(λ)一ム(λ)一禦(1・・) η=1.0

影多

り=β/γ== −1・O v=・O.0 レ=0.5 レ=0.8 レ=0.9 ’  レ・=1.0:Classical     theory η=1.O Fig.11 Distribution of、・elocityσfor the Poiseuille flow    through a circular tube [boundary condition (3),    ε=X=1].       dv Tkr=(μ一x)        −2xg

     dr

輪一4βテ+4・袈

Mer−4畷一4・8

 境界条件の選択について述べると,境界条件(1)は前 の平面ボアズイユ流の場合と同じ境界で微視回転速度 が零の条件であるが,前出の境界条件(2)が偶応力が零 という考えに立つと,この条件はここで提示した境界 条件(3)に対応し,境界条件(2)は境界条件(3)の特殊な場 合と考えられる(レ=旦=0の場合したがって得ら       γ れた解も同じになる)。なお,Table 3から明らかのよ うに境界条件(1)の解はム(A)をλ1。(A)−1,(λ)と書き替 えると境界条件(2)の解と形式的に同じになる。 η・=1.0 Boundary condition(3) @  ε=κ/μ=1 @   z=R/∫57戸=1      −     miCro.rotationΩ      一一……vorticityω ‘ 1   〃三 〆堰^褒’_彪!議_’・’      一      一 一1.0      −0.5       霊,      .! ’       .・’・ ’       Ωω0        0.5        1.0      , ’ ’1 り=0.9 閨≠O.5 閨=│1.0          .

^竃1

η=1.0 Fig.12 Distribution of micro−rotation velocityΩand vor−    ticity面for the Poiseuille flow through a circular    tube[boundary condition(3),ε=X=1].  円管内ボアズイユ流については,微視回転速度と渦 度の符号の差を除けば,境界条件(1)と境界条件(2)に対 する解は,いかなる物質定数に対しても平面ボアズイ ユ流れの速度,微視回転速度,渦度,見掛けの粘度及 びせん断応力の分布とほぼ同じ傾向を示す。また,境 界条件(1),(2),(3)の解が古典ボアズイユ流の解に帰着 されるのは,ε=0とX=。。の場合(この場合はω= ρすなわち相対的回転速度は零になる)である。また, 境界条件(3)に対して,レー1のときに古典ボアズイユ 流の解に帰着される(この場合もω=9である)。x= 0の極限をとると,偶応力以外は:境界条件(1),(2),(3)は 同じ解を与え微視回転速度は零である。しかも微視回 転速度と渦度の符号の差を除けばこの結果は,平面ボ アズイユ流から得られたものと同じになる。しかし, 境界条件(3)の解は,式中にもう一つの物質定数レの影

(10)

響を受ける。Fig.11, Fig.12は, x=ε=1のときの :境界条件(3)における無次元化された速度,微視回転速 度および渦度をレ=β/γをパラメータとして示した 図である。 5.む す び  本論文では,微視連続体流体力学の一理論であるマ イクロポーラ理論を提示し,基本的な定常流れ(平面 ボアズイユ流,平面クウェット流,円管内ボアズイユ 流)の問題に対してこの理論を三種類の境界条件の下 で解き,解析解を求めた。さらに物質定数や境界条件 の差異が速度,微視回転速度,その他の微視的一巨視 的諸物理量に及ぼす影響について議論され,基本的な 流れの特性が明らかにされた。ここで得られた結果に おいて物質定数をある値に特殊化すれば従来までの古 典理論やその他の理論に帰着される。  今後の課題としては,今までに提案されている微視 連続体流体力学の諸理論の相互関連性を明確に位置づ けることであり,またそれらの理論を流体力学の各種 問題に適用し,新しい流体物質を含めた広範な実験と 理論解析結果との比較検証等を実施することである。  終わりに,本論文を取りまとめるに当たり有益なご 助言を賜わった本学土木工学科荻原能男教授,平嶋健 一教授,砂田憲吾助教授ならびに環境整備工学科竹内 邦良教授に深謝します。 付録A.マイクロポーラ流体の基礎方程式の誘導  マイクロ流体理論に対する基礎方程式は,直交デカ ルト座標系κ1,κ2,κ3およびオイラー的表示で次のよ うに表される3)。なお,コンマに続く添字は,空間座標 Xhに関する微分を表し,文字の上の・(ドット)は実質 微分を表わす。たとえば,〃勾≡∂Vk/∂κ1,以≡∂レh/∂t +レh,IVtである。また,繰り返された添字は,範囲(1,2, 3)上での和を表す。  質量保存の方程式: 留+(・v・),・ ・=・ 運動量のつり合い方程式: tkt,k十ρ(ft一乏)t)=0 1次応力モーメントのつり合い方程式 (A.1) (A.2) tmt−Sml+71htm,h+P(ltm− 6 tm)=0 エネルギー保存の方程式: (A.3) ρξ=thtVt,k十(Sht−tht)レht十!ahtm l/mt,h十qh,h十ρh        (A.4) 慣性回転に対する運動学的関係式: x3 x1 x2 Fig. A.1 Positive couple stress components. δ々z≡玩(Pmh+レ。々レmn) (A.5)  微視慣性の保存則  ∂ihm    十ikm,rVr−irmレih−ikrVrm=0    (A.6)  ∂t 線形構成方程式[熱伝導しない微視等方性流体;  ihm=ノ/2・δhm] : t、、 ==(一π+Adrr+λ。レrr)δ。、+μ(v。,t+v、,。)    十μo(2yht十Vk,1−Vl,k)十μ1(2レtk−Vk,1十Vt,h)       (A.7)  Sht=(一π十λd.十ηo Vrr)δhl−十μ(Vh,t十Vt,h)    十色(レht十レth)      (A.8) il、、m ==(?’1・2・m,,r+γ、レ,m,r+7’3、17、rr,m)δhl     十(γ42/tr,r十γ5 Vrl,r十γ6レグr,t)δkm     +(γ,レ、,,r+γ,レ。h,。+γ,レrr,h)δ、m+γ1。レkt,m     十γ11】ノhm,t十γ12レth,m十γ132/mh,‘     十?’14 2/tm,h 十 ?’ls 1/mt,h       (A.9) エントロピーの原理(Clausius−Duhemの不等式):  ρF≡ρ ij−(qh/θ),h一ρh/θ≧0       (1.10) これらの方程式で使用された文字は以下のようなもの である。 ρ iリh tkt fi Sht 、lht.=1次応力モーメント ltm 一質量密度 =速度ベクトル ー応力テンソル =単位質量あたりの物体力 =微視応力平均(micro−stress average)  Sht=Stk       (first stress moment) =単位質量あたりの1次物体モーメント  (first body moment) δtm=慣性回転(inertial spin) ε =単位質量あたりの内部エネルギー密度

(11)

 ソkt=回転テンソル(gyration tensor)  qh=物体の外側に向けられた熱ベクトル  h=単位質量あたり熱源  η=単位質量あたりのエントロピー

 θ=温度

 imt =微視慣性モーメント(micro−inertia moment)    Zmt =Ztm  δ,t=クロネッカーのデルタ  π二熱力学的圧力  λ,λ),μ,μ。,μi,η。,9,,γ1∼γIS ==物質定数  式(A.1),式(A.2)は古典流体力学に対する質量保 存の方程式,運動量のつり合い方程式である。Ahtm= ltm=27tm=ihM=0のとき,式(A.3),式(A.4),式 (A.6)は古典流体力学に対するものに帰着する。構成 方程式に対する非線形理論については文献3)で詳しく 述べられている。  マイクロポーラ流体理論では,マイクロ流体理論に おいて次のような拘束された運動を仮定する。  71htm=_,ah.t,レkt=一レ‘丘      (A.11) すなわち,微小体積要素に含まれるおのおのの流体点 が従来の剛体運動に加えて,回転テンソルVhlによっ て記述される平均的意味でのその体積要素の中心まわ りで回転することができる。しかし,レhtが反対称テン ソルであることから粒子の微視的変形は許容されな い。  式(A.9)に対してλktmと一ilkmtを計算し,両辺を等 しいとし,式(A.11)2を使うとあらゆる運動に対して 式(A.11)1が成り立つためには,λ々Zmは次のような値 をもたなければならない。  71htm=(γ1一γ2)(】ノmr,rδkt一レlr,rδkm)     十(γ10一γ12)(レkt,m一レhm,t)     −L(γ14一γ15)2/tm,k        (A.12) そこで,式(A.11)の反対称性を考慮して,以下のよう な新しい変数を導入する。

 _1

レ・= Q−Erhtl7htレh’=ε・h”・

Mkr≡一』妬九・一一

・吻砺

,     . .    1  . σ・≡一ε・h・ Oktσ圃=一Sε・k・σ・ lr≡一・・h・lht 1・・,]一一lirErhilr 上式中で  εhtm =交代テンソル (A.13) (A.14) (A.15) (A。16) レ, =微視回転速度ベクトル(micro 一 rotation     VelOCity VeCtOr)  Mhr=偶応力テンソル(couple stress tensor)  δ々 =微視慣性回転(micro−inertial rotation)  1々 =単位質量あたりの物体偶力(body couple) Mk,の符号の約束は応力テンソルと同じでFig. A.1 に示した。  ここで,式(A.3)にε,tmを掛けて式(A.14)∼式 (A.16)を使うと,線形運動量のモーメントのつり合い 方程式として次式が得られる。  M,k,。 十 eht,ttr十ρ(1々一δ々)=0     (A.17) 同様に,式(A.4)に式(A.13)∼式(A.14)を使って書 き替えると,エネルギー保存の方程式が次式のように 得られる。  ρξ=tkt(Vt,h一εhtrレr)十MhtVt,h十(7h,h十ρh   =thtdlhヰthteklr(ωr一レr)十Mhtレt,k十qk,h十ρh       (A.18) 上式で,

砺≡去(耐山変形巌テンソル

ω・・≡ 氏izノ々,t−Vt,ん)古典的な回転テンソル ω・≡一 ・ 輪渦度ベクトルWkl・・=−e・…Vm さらに,応カテンソルは,μrμo≡κとおくと次式と なる。  τ川一(一π+λv。.。)δht+(μ一κ)(Vh,ど+Vt,h)    +2x(v,,,一ε,hlVr)   =(一π十λVr,r)(Skt十2Ptd々,十2xektr(ωr一レr) 同様に,偶応カテンソルは,式(A.12)にε。tmを掛け, 式(A.13)∼(A.14)を使い,α=1/2(γ12一γ1。),β=1/ 2(γ2一γi),γ=1/2(γ一γ2+γlo一γ12一γ14十γ15)と置け ば次式のように得られる。  Mh、=4evv,,。δht+4βレh,t+4rVi,k     (A.20) ここで,A,μは古典流体力学の粘性係数であり,一方, X,α,β,γはマイクロポーラ流体の新しい物質定数で ある。  微視慣性の保存則については,微視等方性,すなわ ち㌦=」/2・δhmを仮定し,レhlの反対称性を使うと次 式のように得られる。

盈一晋+斑一・   (A・2・)

ただし,ノは微視慣性(micro−inertia)である。  慣性回転に対する運動学的関係式については,式 (A.5),式(A.15),式(A.11)2を使うと次式となる。  δr=μr      (A.22)  密度ρ,速度Vkおよび微視回転速度Yhによって満 足される場の方程式は,式(A.19)∼(A.22)を式

(12)

(A.3)に代入すると次式となる。 袈一+(ρ・・),・一・   一 n,k十(λ十μ一x)Vt,kl十(μ十x)Vk,tt   十2xehtmレm.t十ρ(fh−Oh)=0   4(α+β)レt,hl+4γレ々,tt+2εhtmVm,t−4xレh   十ρ(1々一ノレん)=0 また,式(A.18)に式(A.19),式(A. エネルギー方程式は次式のように   ρζ = −rrdhh十λd,,d,,十2Ptd,∼d,ん (A.23) (A.24) (A.25)   20)を代入すると, 表わせる。 十4x(ωん一Uh)(ωh一レ丘)十4αレ々,hYt,∼ +4βレk,〃t,k+4γレ↓,kレt,k+qk,h+ρh (A.26)

参考文献

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Table 3 Exact solutions for the Poiseuille flow through a circular tube.

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