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肥満児の身体能力特性 -等尺性膝伸展筋力・片脚立位時間における検討-

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Academic year: 2021

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27. 肥満児の身体能力特性

-等尺性膝伸展筋力・片脚立位時間における検討-

中尾聡志

1)

野村卓生

2)

明﨑禎輝

3)

山﨑裕司

4)

細川公子

5)

宮野伊知郎

6)

岡田泰助

7)

石田健司

1)

谷 俊一

1) 1) 高知大学医学部附属病院リハビリテーション部 2) 大阪府立大学総合リハビリテーション学部 3) 厚生年金高知リハビリテ ーション病院リハビリテーション科 4)高知リハビリテーション学院理学療法学科 5) 高知大学医学部附属病院医療サービス課栄 養管理室 6)高知大学医学部医学科医療学講座公衆衛生学 7) 医療法人治久会 もみのき病院小児科 【目的】 生活習慣病の予防は、小児期からの適切な生活習慣の維持が重要であり、中でも運動療法は食事療法・生 活指導と共に重要である。わが国において、肥満児の増加は深刻な問題であり、その改善策として、運動療法 が推奨されるが、肥満児の運動能力特性として、走力・跳力・敏捷性・全身持久力の低下が報告されており、 非肥満児と比較し運動能力の低下が顕著である。加えて、バランス能力の低下も予測され、より運動嫌いを助 長することが考えられるが、肥満児のバランス能力に関する検討は見受けられない。また、肥満児におけるバ ランス能力と膝関節伸展筋力の関連性を検討した報告も認められない。本研究の目的は、肥満児のバランス 能力特性と筋力特性を把握することで、小児肥満に対する運動療法プログラムを再考することである。 【対象と方法】 対象は、肥満児 24 名(11.2±2.4 歳)、同年代の非肥満児 63 名(10.9±0.8 歳)である。肥満児の定義として、肥満 度計算式より算出し、肥満度が 20%以上の児を肥満児とした。 方法は、バランス能力評価として開眼・閉眼片脚立位時間を、膝伸展筋力評価として等尺性膝伸展筋力を両群 測定し、等尺性膝伸展筋力は得られた値を体重で除し正規化を行った。得られた値は 2 群間で比較検討し(有意 水準 5%未満)、加えて開眼・閉眼片脚立位時間と等尺性膝伸展筋力値との関連性をピアソンの積率相関係数を 用い検討した(有意水準 5%未満)。 【結果】 各項目における平均値は、開眼片脚立位時間:肥満児 41.9±20.9 秒・非肥満児 52.7±14.6 秒、閉眼片脚立位時 間:肥満児 14.5±12.8 秒・非肥満児 24.7±17.9 秒、等尺性膝伸展筋力:肥満児 56.5±16.3%・非肥満児 64.4±17.9%であり、肥満児の開眼片脚立位・閉眼片脚立位時間が有意に低下していた(p<0.05)。また、等尺 性膝伸展筋力と片脚立位時間の間に関連性は認めなかった。 【考察】 肥満児の身体特性として、筋力は非肥満児と有意な差を認めなかったものの、バランス能力は有意に低下して いた。肥満児の立位姿勢における特徴として、腹部脂肪が多く体幹容積が大きい・胸椎後弯が顕著・体幹容積 が大きく、相対的に体重支持面が小さいことが報告されており、肥満児の体型自体が片脚立位保持に不利な姿 勢を呈していることが考えられ、肥満児の姿勢制御には下肢筋力のみならず肥満体型による様々な身体的要 因が関与していることが推察される。 以上の結果を踏まえ、運動療法への展開として、肥満児のバランス能力の根本的改善には肥満体型の改善 が最重要ではないかと考えられ、加えてバランス課題を用いたアプローチも考慮する必要があると考える。 【まとめ】 肥満児のバランス能力は非肥満時と比較し低下しており、その要因として肥満児自身の立位姿勢・身体的特徴など が関与していることが推察される。運動療法への展開として、肥満児のバランス能力の根本的改善には肥満体型の 改善が最重要ではないかと考えられる。

参照

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