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近年の社会的スキル教育についての展望

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Academic year: 2021

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(1)Title. 近年の社会的スキル教育についての展望. Author(s). 戸田, まり; 小原, 卓也; 小綱, りか; 紺野, 響平. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 62(1): 159-169. Issue Date. 2011-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/2413. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第62巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.62,No.1. 平成23年8月 August,2011. 近年の社会的スキル教育についての展望. 戸田 まり・小原 卓也*・小網 りか*・紺野 響平*. 北海道教育大学札幌枚心理学第4研究室 北海道教育大学大学院教育学研究科*. RecentSocialSkillsTrainingProgrammes forChildrenandAdolescents:An Overview. TODAMari,OBARATakuya*,KOZUNARika*andKONNOKyohei* DepartmentofDevelopmentalPsychology,SapporoCampus,HokkaidoUniversityofEducation. GraduateSchoolofSchooIEducation,SapporoCampus,HokkaidoUniversityofEducation*. 概 要 本論では,近年,児童生徒の人間関係形成力を高める方法として学校等でも用いられるようになった社会 的スキル教育について概観する。特に小学校,中学校の通常学級で,学級を対象に,最近数年間に行われた ものの内容,評価方法等を比較検討してゆく。こうした実践は主としてどのような形で用いられているのか, どういった対象あるいはターゲット行動に有効で,どのような方法で効果測定されているのか等を展望し, これらプログラムが現在持つ課題の指摘と,今後の現実的で有効な利用方法と応用性について考察する。. 問 題 近年,ポジティブな人間関係を形成するための. 対人関係を形成したり維持したりする行動は,例 えばスポーツでの技能と同様,トレーニングに よって向上すると考えたのである(アージル,. スキルを高める方法として,社会的スキル教育,. 1972)。この考え方,すなわち,練習によって対. あるいは社会的スキル・トレーニング(Social. 人関係を形成したり維持したりする技能(社会的. SkillsTraining.以卜,本論ではSSTと省略する). スキル)が上達するという考え方がSSTの根幹と. やそれに類したプログラムが注目され,数多く学. なっている。生得的な能力や傾向,あるいは幼少. 校現場で用いられている(戸田,2006)。社会的. 期の親子関係といったそれまでの経験や生育歴等. スキル(ソーシャル・スキル)とは,対人関係を. は問わず,現時点での「技能」と考えることでト. 円滑に進めていくために相手の行動を理解した. レーニング(教育)が可能になる。また,技能が. り,それに応じて自己の行動を調節するといった. 乏しいのは知らなかった,もしくは経験してこな. 心理学的機制を指す。この概念を心理学に導入し. かったからであり,適切なシステムの元に訓練を. たのは社会心理学者のアージル(Argyle,M.)で,. すれば,技能が獲得できると考えるのが特徴であ. 159.

(3) 戸田 まり・小原 卓也・小網 りか・紺野 響平. る。この考え方,ならびにトレーニングの方法は,. ているように,学習内容や学習の意義について学. 社会的学習理論や行動療法を基礎としている。. び(教示),モデルを見せ(モデリング),話し合. こうしたSSTに関する書籍は近年,特に学校. いや理解の確認などを交えながら練習を行い(リ. 向けに数多く出版されており(相川・佐藤(2009),. ハーサル),その結果に対しフィードバックし,. 渡辺・小林(2009)など),多くの実践が報告さ. 日常での一般化を促すという形のコーチング法を. れている。また,導入初期の時期にSSTの理論. 利用した形式で,学級や学校を対象として行われ. 的背景や実施方法について包括的に紹介した佐. た実践を主として検討していく〈. 藤・佐藤・岡安・高山(2000)をはじめとして, 濱田・大野木(2005),宮前(2006),原田(2008) などが学校でのSST運用の状況と課題について. 検討している。たとえば宮前(2006)は,2005年. 小学校の学級集団を対象としたSST 学級集団を対象とした社会的スキル・トレーニ. までに報告された小学校及び中学校での集団. ングは2000年以降,小・中学校を中心にかなり試. SST数十例を紹介し,こうした実践が主として. みられている。藤枝・相川(1999,2001)の研究. 授業時間内に行われており,一次的援助としては. が学級で適用する形のモデル的な実践例となって. 一定の効果が認められるが,現に問題を抱えてい. おり,後続の研究も類似の形式が多い。Table.1. る児童生徒の二次的,あるいは三次的援助として. に,2005年以降に小学校の学級を対象に実施され. は課題を残すと指摘した。また原田(2008)は小・. た研究例を挙げる。. 中学生に比べ高校生での実践が少ないこと,ほと. 対象となる学年は,小学校4年生以降が全体の. んどのSSTでは認知的な側面に重点があるが,. 約3分の2を占める。低学年の場合,中・高学年. 適切な行動を取るためにに不可欠な感情調整につ. と同様に学級全体に対して獲得してほしいスキル. いてはあまり焦点化されてないと述べている。. を設定し,SSTを実施したものもあるが,小泉・. 佐藤ら(2000)が導入期からの概観を,濱田・. 若杉(2006),深澤(2007)のように対象とした. 大野木(2005),宮前(2006)などがその時点ま. い児童を念頭に置いた上で,その児童が在籍する. での実践について概観しているので,本論文では. 学級全体に対して実施するという形も取られてい. それ以降の,主として2005年以降に発表された. る。これらの研究では発達障害等が疑われる児童. SSTの実践研究を学校種別に取り上げ,現在,. に対してアセスメントを行い,その児童が獲得す. どのような形で実施されることが多いのか,対象. べきスキルを設定すると共に,周囲の児童が当該. は誰で,効果測定はどう行われ,効果や影響はど. 児童を承認し受け入れていくためのSSTも兼ね. のように考えられるのか等について検討してゆ. た実践となっている。また低学年では自己記入式. く。こうした検討を通し,SSTの利用が有効と. の評定尺度を使用しても信頼性に乏しい面が否定. 考えられる条件について整理し,今後の実践の指. できないため,事後の授業や自由遊び場面での行. 標を作成することを目的とする。なお,各論文・. 動観察などの評価方法が採用されていることが特. 報告によって「社会的スキルトレーニング」「ソー. 徴である。. シャルスキル・トレーニング」「社会的スキル学. ターゲットとなるスキルは,話を聞く(聴く). 習」「社会的スキル教育」など,さまざまな用語. ことに関するものが非常に多い。Table.1には17. が用いられているが,本論ではそれらをまとめて. の研究例をあげたが,うち「上手な(積極的な). 「社会的スキル・トレーニング(SST)」と一括. 聴き方」「話を聞くスキル」等が挙げられている. して表記する。またSSTやそれに類したプログ. のは12にのぼる。また「あたたかい言葉かけ」と. ラムは様々な形で実践されているが,本論では,. 題されたSSTもよく採用されており,小学校の. 相川・津村(1996),佐藤ほか(2000)で示され. SSTで頻繁に取り上げられるのが「相手の話を. 160.

(4) 近年の社会的スキル教育についての展望. 」. ト. 卜、. 栂. 卜芸. 」 サも. 味.塵. (lJ. 鹿. 1響. 東屋 亜 無頼 釆も. 亡= ▲甘く. e 至匡 e擦 占ニ\ 釆も 掛麹. 刷. ぎ栂. 栂裔■β. 逗巨ぎ. 寮・味. 層簑望 ミヤ ニ1⊥. e 卜麗寒 堰」樹 山l+ト」ナく ⊇ 檎一 匹:{ ユ. 味. ベ 軋 m・⊥ 弔く望栂. 蛮 ヽ .ベ .. こ 」. 華望. 砥、T e. ㌣.穆. 騰\/岬. 撫=畠. 翼. ⊥1ミ+卜. 1■β朴. Ⅲ母簑. 十/. 味e 憮. ︵︶堪り︼㌫1て喜︶. 頭. ㌢\. 塵増 朴獲. 上」 、く■−. ナ\ ニ ト. e味簑. h 望 卑 亜ト. 1墨 ⊥±ぎⅡて娃∴攣 e樹. A」寧. 」ゝ 壮. ト中増生\. ぺ:宕. ・・. †二 層 容. 叶. 籠. 蟹. 」ゝ 叶. ーR. 催 埜. ,_∠_. ベ 喜. ト ニ:1. −≡. 叶. (Ⅱ. .. 善い 、ここミヤヽ 空 く「恩 慮射トヱ ぐ 皿 貴慮 塵ヽ. 細 碑. 朴∼卜奄 ・・・. ↑SS厳科吏﹂刃轟東南聾朴′て. 亡. .. 細 群 享. 亡. 聖1 毎1〆け\雷. 聖1. 「□・⊥. 森[」訂. (Ⅱ ベ. 史」ⅡJ冬荒. 細 群 享. 聖=毒. 卓梶 叶トP ベH. ##. 廉堰′浸 ・芸写・・・. 蚕 軍 細 世群. 霊∵霊 査巨躯. ,_∠_. (1. 籠ユ. 1潔ベ. .砥. ■ゝ ■ゝ 叶叶 ベベ. e. #. I冒. 二. 想. 卍. ■ゝ. 蛮 顔. ≦=\. 鑑 −≡ (Ⅱ. 章 e寒 空い魚. K. 堰堰 烏龍 「□屋 皿慮. 龍」ゝ ¢. 細 群 享. 亡. 亡 聖1. ⅢJ=生. (Ⅱ ベ・1. 聖1. 慮 々、ヽ 匡[ 匡[ 勺1. 匡[. 匡[. 匡[. 1r). T・・■ T・・■. 1r). .トP 題萱 .量 ニ 昔一蛮. 匡[. 匡[. 蛮絹恕 顔 e ノ訂. l .ヽ 壷〉㌣). 轟. 蛮ト lト. ﹁d一q再ト. 壬\. ヽ王卜纏. ▼十I卜. ・. ?′. り今\ヰ. キ、1 ヽ キ、. ⊃. 匡[. 拍Im. 二ゝ. 全 量.ヽ 争 世ト. 車. 1 恩斗. く. 刃・. ヽ 「■■■ヽ /■. He・趣. 缶、. 紅顔 ヽ⊥ト†く礪. 三 巳∽月 . へ . 同 1冥 ベ ⊃ト麗ト 国 凶 」ゝ ーヽ,_∠_ ミ ヘT r †ト て ノ\毒l 軋ト 軋車\/ 卑と・m宰 卑・」 ● ≠. e缶 私淑帯皇嘲 ニ. 瓦. 匡[. 勺1. ヽ キ\」1 1へT駆 ⊃卜薦さト 全 車 e 7ト て 楽!d トキ 卓 卑」.量増. ヽ や、 =、 ㌢\ 7ト て. .._ ::・・l 1.ヽど 1「\ヽ一時 窯 べ\叶 1蚕室ト′琳 l. 卑」. 慮1 1礪悟空蟹 毒.叶 4室へ・ 侭\−ト婁 1÷ 十 ⇒ト忘 肇Ilベ 喉「ヽ・eぐ一心 1÷ 十. 琳h 丸顔トロ制壷 蜜ぢン ベ 鰹11セ\′「 慮」ヽ ヰ」P 慮 r\斗 r\べ 璽;真上‘ 慮 r\亙㌧臣 ハ 慮 卜 1〉. ミ・噴 ・章. 二ゝ ヽ/. 叶. 亘. rト、. ベ 漣 ,_∠_ 絹糾. 亭 rト、. ・匡漣 ミ 宝区 叶1匡. キ\ ニ ′ト e卓iG、Gト 丈 ・肘. 蛮・挫. 勅 ニ. 磐量. 史上吏. Ill萱■巴 磐卓十 #噴. 掛. ■R. †で価 廿卜吏 ⊥ト兎. 盤卜漣 ・■ ≡≡・≡≡・・ 蟄漣岬 祁=畠. 罵絹 一. ⇒,⊥. 塵 朴. 阜. 埜 増. J\レ 量∵ヒ. 琳†q. )や、、. N塵 阜樽. 衷 †・・・{. 勅 二 堤訂 トP.. 劇 柵 悼悼 陣陣. 瞞 哺 ⊂⊃. 礪 ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃⊂⊃ ⊂⊃ 額 N N. く.⊂〉. ±. ぐ 磐e. 【R. 【R 母 害匡. +・ニ. ベ e′ト甘 釆も・臼 ・†qベ 」 釆も. 廿卜吏抑廿ト \/匪麺轄 染車 e 1痛ぃ針⊥ 磐萱填採岬 ぜe匪. 田 )や、、. 1っ・R. 勺1. {巳. ≡ 匡. ♯. 頑 奥. 堰. 綽. 壬. ⊂⊃ ⊂⊃. 卜、. ⊂⊃ ⊂⊃. 卜、. ⊂⊃ ⊂⊃. ・棟. 1ユ ゝノ 勅鴨. ミ 勅 £ 廿卜萱†q. 磐量 二 墓 慧ミ芯. ■R. く.⊂〉. 勅. 鹿 寧 ヰ ニ. 叶重いや壷. ■R. けづ. 堰. (.D. 染. 細 国 ヾ1正. 掛 1n ln. 十毒 阜染. 叶 ヽ. ヰ∵凧1戒‥笹 ぺ n. 爺誌 †・・・{. 朴 慮. 霊 長. ロ. rト、 ■R. ■R ≒上げ. り rト、. 」ゝ. れハ/ ⊥=麒. ㌻、 ・車叫 †で †で価 ユ ニ国 h トP・ †q勅†q占> ニ 騒・ l セ\岬 車菩空車十く量 窮 岬沖 ぺ 竜:. e. けづ. く.⊂〉. 匡. ⊂⊃ ⊂⊃. →塵 阜樽. 1r). 塵 壁 牡 壁 ⊂⊃ ⊂⊃ 卜、. †・・・{. 磐 哩. ≡. F. 華. L. ⊂⊃ ⊂⊃. 00. 卜、. ⊂⊃.

(5) 戸田 まり・小原 卓也・小網 りか・紺野 響平. ・・. ど 桝. 質1潔 計磐. 勾.ト. 十‘十‘十‘. (Ⅱ 。. 丑Ⅱ ■ヽ 左′ ⊂コ. ,_∠_. ■ゝ. A」. 亡. 聖=毒. 聖1. 勺1. ⊂⊃ り T・ ■ 一−.=■. 二ゝ 車. 轟. 亡. 亡. 亡. 聖1. 聖1. 匡[. 匡[. 青い 時日酢 刃撃. 斗匡[. 三た.〔. 匡[. m増 ヽ 車卜舶1鍬. 匡[ T・・■. ミ ミ 忌 牟 礼ベ. ニ ヽ =、. 漣1 卓 漣1 漣 忠. 1r). 紅 く 頑 レ =、ト. 司1 1−L 廿− ′−」. =、 ㌢\. ≡ l. ヽ. 、. ロ. ベ. ,_∠_. ,_∠_. ㌻、. †で 八. h 砥 n 牒e キ\ ・か.吋. 廿卜轄 1採. ・.\. ± n 量「□ 串こ 価・ ニ ヰ 量刑. −. 憩磐. 割く1. rト、 【R. 〉n・. 琳裔 価恕. 匿e†q. ニ・挫. 絹東経. 量罫 憩顧. ・ ロ ヰト⊥ 勅 ヽ. 勺1. 勺1. ⊂⊃ ⊂⊃. 1r). £\e. 亘. 1r). ←棒1. エココ. 謳. ⊂⊃ ⊂⊃. ⊂⊃ ⊂⊃. ⊂⊃ ⊂⊃. ■. rト、. †で価. 言. ・†qe・(Ⅱ ′ヽ 釆も・だ れJ. ⊥=煎. けづ 壌 題. 00. 慮杜策ぎ. ■べ採なm. 廿卜忘>. ■R. 麺 糾 喩・柊 00. 額. せ・主. ・挺e. ヤ 壁 宅轄. 刃ヰ耽々\壁 爬1ントく漣. ≡ 磐. £健 染中臣±・1 廿卜吏 ニ. ぜe萱量′「争 ⊥ト鳴㌧嶋. (.D. (.D. (.D. 勺1. −≡. 掛 礪 00 ⊂⊃. 。. 1r). 細 柵. 」ゝ. 磐n. 掛 朴 慮 衷. 7ト。鮒. 一望. 肇卓. 1†く. 壷】£\咤. e. 塵嫌 朴直. 二ゝ. ・ヽ奄. ヽ く 轄. =、=、e. ≡ 華ヾ=ト 糾11㌘サ這. 卓叶 肇[ユケ 雅一L佃. 軋 二l爬. 皆. 。. 壬も⇒. 二ゝ. 制全句 望 車 巳. 裔. .. 二ゝ. 聾l重訂. 匪. 十‘ト. 瀧. 吏朴聾. 」 ≡ 貢 壷】. 閏. 牡 謳 巾 魂 ⊂⊃ ⊂⊃. 叡 壁. 叡 楳. ⊂⊃ ⊂⊃. ⊂⊃ ⊂⊃. T・・■. T・・■. ︵想. ﹁d一q再ト. .ヽへ. ヽ や、. Ⅱこ. 十 ⊃ ∴ ヽトヘ. 丁 卍皆 lト 軋漣 e盟. 朴。婁 悪感㌣. {・・・†. ⊥ く 。 争 へ′ト 帰ぐ. 1 中三> ベ =、′「. 随. 叶. (Ⅱ. 聖1. 1tや 堅≡争 軍手 瑚吏. 蛮1 嬰ロ 壁ト⊥. (Ⅱ >\. 籠.ヽ. 聖=毒. m. 音」1 史1く. 国 凶 7ト て. 「□1. 堰 籠 「□. 1ゼ ナ. 聖1. .ヽ ㌻、. 栂 牽 ■. 染. 堰 籠 「□. ﹁紳脾血F. ↑SS厳科吏﹂刃轟衷心壁掛′て. ===. (⊃′. ‥ ≠. 亡. 亜 単三 匡[. [⊃. ⊂yベ. 蚕 軍 細 世群. e. 匡[. 三. [⊃. (Ⅱ. 匝. 慮. 亜 正く 」ゝ ロ 叶. ■R. 享1=. 朴. 琳. ︵机壁︶. 碑 鑑. 塵1望. (⊃′. 堰頑埜 堰・R掴 龍(J木 能吏 掴1堪 烏龍卜n 放心′与 鹿家籠. 蚕 軍 細 世群. 増 獲. 獲バ\⊥. 蛮 n 卜蛮1 龍雄レ 霊 宝. く侍寮1 祁「\+トト布[ 屋蛮 ニ く侍 く侍. 籠 1潔e 羊 堰. ..萱 芸. ーR. ■ゝ. #[]ニ ‥(Ⅱ,−」 #ミ h#⊥ # # ‥ ‥ 慮歴 ヽぐ 阿 J」.一. 想 細. 左′. 誌 ミ」 増 中味. ﹁糎群落﹂レマネ漣沖朝出朴双.紳柵二心㌣世見り7やd罫.望しゝ?ぐり. ベ e ベ ベ攣き. ・R…匡 叶 叶 叶⊥ 醤叶 ベ ヽ 1†く ⇒ 堰蓋墜耕 ベ ベ. 章. ⊂=エ ・R. 禦:せ・ニ. 轄!. ミロ 屠ミ. 蛮・R. 獲敗 慶弔皇 朴値. 1節=ミ⊥ 屋髄′与 て 童十頭. ミ†く++主 ■ゝ. 」=. 増七三. .. ぺ.這1匿. 蟹. ;!−::ll. ・. 叶. 堰卓さ ぺ 鹿部Tlト #全署. 主要≧碩. ⊂=エ ・R. ベ ロ籠 ′ト.華 左′ ⊥喜 望やぎ. 刷. ≡≡. 望簑. 幸手い. 叶1堰. 亡=. ▲甘. 麗. e(Ⅱ盤. 頭 釆も. †q轄!. 十‘. 籠 Ⅲ. ベ工 型1. く. 寮. 二志tq d ↑ ︶ 。 吏 ﹂ 痛 心 ㈹ 刃. ・匡歴. 1堪 能. ︵嘩輔N. 糎 堰. 叶・。.

(6) 近年の社会的スキル教育についての展望. 聞くスキル」「トゲのない友好的な言葉で話しか. この場合,社会的スキルそのものが個々の児童に. けるスキル」の2つだと考えることができる。. どれほど定着したかはわからないが,本人や周囲. SSTの内容は,なぜこのスキルについて学習. のスキル向上の結果として学級内での居心地が改. するのかの教示を行い,悪いモデル・良いモデル. 善したり,学級に対する満足度が高まったりする. を呈示して改めるべき部分を意識させ,ロールプ. ことが予想できる。この他の指標としては教師評. レイなどを通して相互にリハーサルを行い,. 定が多い。教師評定ではひとりの担任が30∼40名. フィードバックをして般化を促すという典型的な. の児童個人について評定しなければならないた. ものが多い。しかし多賀谷・佐々木(2008)のよ. め,評定内容によっては非常に負荷の高いものと. うに特にSST専用の時間を設定せず,担任のト. なる。また,SSTの指導者と評走者が同一人で. レーニングを行った上で,通常の授業や学校生括. ある場合,効果を過大に評価するおそれもあり,. の中で望ましい行動が出た時に賞賛し,その場で. 留意が必要である。. 少しの時間を割いて全員がリハーサルを行うと. SSTの効果であるが,まったく何の変容も見. いった工夫のあるSSTも見られる。学校や学級. られなかったとする研究はなく,Table.1に挙げ. の置かれた状況は様々であり,小規模校(縞内ほ. たすべての研究でSST直後は何らかの望ましい. か,2006)での出前授業的な実践や,大規模校で. 変化が認められている。ただしこれら17の研究の. SSTを行う際の校内組織の作り方(秦野,2010). 中でフォローアップ調査を行っているのは5つの. など,検討されている内容は多岐にわたる。. みで,翌年度にブースター・セッションを設定し. 回数は1回きりのものはなく,授業時間を利用. た原田・佐藤(2007)を含めても3分の1程度で. した4∼5回のセッションを行うことが多い。. ある。SSTにおいては常に日常生活への般化が. Table.1には記載していないが,利用される時間. 問題となるため,フォローアップ調査は必須であ. は学括,道徳,特別活動などが当てられ,それぞ. ろう。またフォローアップで効果が認められたと. れの授業の目標に沿ってSSTが設定されている。. しても,それはSSTの効果なのか,他の授業や. 算数を利用して,教科を学習すると同時にSST. 学校行事などの要因が影響したものか,はっきり. を行った平石・塗師(2005)は,時間の割り振り. と弁別できない場合が多いと思われる。複数回で. が難点となる場合に参考になるだろう。. のフォローアップや,多くの研究の積み重ねによ. SSTの時間の指導者は,全体としてみると担. るメタ分析を行う必要があるだろう。. 任が多い。17例のうち,主たる指導者が担任であ るものが12例であり,その他の場合も担任は ティームティーチング担当など補助者として参加 している。導入され始めた初期の頃は研究者(大 学教員や大学院生)が授業を行うことも多かった が,近年では担任に対して研修を行い,担任が指. 中学校の学級集団を対象としたSST Table.2は,2005年以降に発表された,中学校 の学級集団を対象としたSST例である。. 中学校の対象年齢は全学年であるが,進学した. 導する形が多いように見受けられる(本出ほか,. ばかりの中1に対し,新しい集団への適応を促し,. 2009など)。. 不登校や対人葛藤の予防のためにSSTが行われ. 評価指標は圧倒的に自己評定が多い。ターゲッ トスキルそのものの度合いをたずねる藤枝・相川 (2001)で用いられた尺度や,社会的スキルにつ. た研究がある(森ほか,2006;江村ほか,2006な ど)。本論文で取り上げた中で,中3だけが対象 となった研究はなかったが,受験を控えた時期に. いての尺度(嶋田ほか,1996;渡遽ほか,2002). 必須ではない特別の教育を行う余裕は乏しいと思. が用いられるほか,河村茂雄によるQUアンケー. われる。/ト学校で行われたような,障害を持った. ト(図書文化)を評価指標としている研究もある。. 児童の社会的スキル向上に焦点を当てながら,当. 163.

(7) 戸田 まり・小原 卓也・小網 りか・紺野 響平 ・匡 麗 令・仰 . 望釆も 望巳 壌 叶 朝 望 鼎 楽 聖 望 ㌣蛮 ㌣′与 岬 味 ベ 岩 ■β 巳 朝 ㌣ 「卓 ト」 月 ■大p 購 簑 罵味埜 刷 吏令. 味. ・・・. 喋. 富曇撃 巳 葛. _1肇 噴巳聾」賛 毒 味望. ︵︶堪り︼㌫1て喜︶. =・・ ・. 巳 督 煩 ぃ 陣 頭 想 定\. 剥 糎. 」吏 宰. 寒林肯 ベ味望葛 珊長 森 寮 「本港媒 ベトト嵩 ト \/1漣楽 宅∴ゝミ ト. . ・・≡≡. v. 堰堰 徳徳. 叶. 蟹 や、、や、、. 「□屋. 」=. 叶 糎. ■ゝ. 章 皿慮. ・⊥. 叶. ■ゝ. e トゝノ㌣. 叶. ,_∠_. 蛮 朝一ぐ頃. #轟 キ、巳へT. #ミ頗. 堰イ さ二十1ゼミ悪 耗バトせ 十÷. ■■■・一 塁芸写.. (Ⅱベ 皿=ミ[ト耗 (Ⅱ羊朴. 壷m. 群 享. 細 碑 ↑SS厳科吏﹂刃轟東南聾朴甘. 鑑. せ・H. せ・H. キ\. 堰 籠 「□. 東壁忘. ヰヽ■ 世相. ヒ三. ヒ三. 春雷1. 聖1覆. 聖1覆. 聖 ⊂⊃ な ⊂⊃ 匡[. 匡[. ・ 礫漣 ユ〔→. 妄 拐. レ. ユ〔→. 宿. N.¢一q再ト. m. 軋・臼. ヽや、▼→ ヽべ\g. =、ト岳− ⊃;\饉. 7トて痘. 卑」題. 慧毒. 嫌 ・ 蛮 ・ 刃」 橿 ⇒ い ミ 評Ⅱ. 二ゝ ヽ 「■■■ヽ. 軋 朝. 缶、. ヽや、▼→ =、ト岳− 7トて e. ヽや、. ヽ中、サも. =、㌢\. =、トⅡこ. 7トて. 卑」疋\. 卑」麗. 卑」聾. 1 海 く ∃匡 ⊃ 掛. く ′ト ⊃ 衷. ・1壷時セ\ ・1桓1 ・1蓉 ・1桓1 侭ヽ瑠莞′ト鑑 侭ヽ朴 侭ヽ\/′「 侭ヽ朴 頗=\直川皿Ⅲ 慮卜「く 慮卜媒コと 慮卜「く. /■. 卑」. ⊃ 衷. ・・:=. 慮卜. ー. m. 7トてN. 恥∵く(「匿ドトでン;. 卑」轄璽漣回虫. ・1量. 1÷十. 拝呈. 匡[. 車. .ベ. 7トて e. 」 心. 軍軍森 慧軍森. 1 トP. 同.  ̄」=、 (Ⅱ や、. T・・■. 至‡_‡_. 国 凶. 堰⊥ 龍ベ. T・・■. 匡[. 匡[. 三. 匪. 聖 な ⊂⊃. †・・■ N m. 〔、. 亘. H」. H」. 匡[匡[匡[. 轟. 準. ベす、・匡. 細 群世. 慮. 染. H. 小. 蛮・ 攣 蛮・ 攣 く侍べ 聾 く侍べ 聾 #主 軸 ′ 堰主 堰主 龍々い⊥肇 龍々い⊥肇 Ⅲ♪=く頑 Ⅲ♪=く頑 こヽ丁専 こヽ丁専. h. (Ⅱミ. 細 群 享. 春雷1匡[ 聖1朴. 匡[. ㌢\. 研一 ⊂:1. 細). ミト. Ⅱ町 慮. 犀・ )N. 墓≡範. ミト. ベす、・匡. ㌢\. 宅肇 も二;層 顔尋 1(「聾. や、、. や、、. K. .畠. 侭ヽⅡこ. ・1漣 一散頗国. 惜ヽ師巳Eem. 慮「=n肇 慮卜橿巳 慮卜盤割くこり斗「 ▲毎. 二ゝ. 二ゝ. 叶. ベ rト、. ,_∠_. 田. ㌻、. h. 【R. も 価 態 ニ †qe. キ\. 細. 掛 同 額. 琳′「. ト申釆も 母体量墓e 大ト訂 ぼ蛮 宅e吏釆もキロ 」′k. 量帯皇墓. rト、 ■R. 十ニ(=∴く. 磐磐 磐ニ ュ訂n #. 円 e 匪・R. 蟄巳輿. ::・・l! こ璧曽 ≡・lll. 彗肇. ぜ′与壁 壁萱嶋1採 朴占>. 輿匪足早卜轄. ニ愛三>. 吏亜美も. 吏室川ト 嶋璽1. 瓢量. ÷ {・・・†. ÷. {・・・†. {・・・†. ÷. ÷. ■R. ■R. 蛸 けづ. 柵. ±1 量ロ ゃゃ †q琳⊥ 勅勅 勅†で価†で八 顔. \/セ\. 掛 朴 慮 衷. 車. e. 叡 壁. けづ. −≡ 1ゴ. ⊂⊃ ⊂⊃ 礪 く.⊂〉. 魂 ⊂⊃. ⊂⊃ ⊂⊃⊂⊃ く.⊂〉. ÷. 笹 ・ヤ 横型 ⊂⊃ ⊂⊃ く.⊂〉. ÷. ÷. ÷. ■R. ■R. 1せトP宿 ■ ・ ・ ・・ 脚. 釦 −≡. 魂 ⊂⊃ ⊂⊃ く.⊂〉. けづ 蜃 壌. けづ 蜃 壌. ⊂⊃ ⊂⊃. 卜、. く.⊂〉. ⊂⊃ ⊂⊃. ■R. けづ. 某 卜、. ⊂⊃.

(8) 近年の社会的スキル教育についての展望 壁± 車 ee ぐ、 っミ穆勅 ト量. ■R. 喋. 頗1e 衷e 母通辞. e .. 四 。. l −≡− ト ト .. 牽 。. ロ寮 巳べ 〉㌣課. 巳丁\e. 鼎H. 。. e・匡華. 巳Ⅱ望. く巳ぎ 一. ・. ・欒. ==. _. ee・肇. く‘く嬉上垣 甘1尋塩増. .. 寮 ▲. 蟹 蛮. 叶㌧⊥鎖 ベ1t与 宅策. ,_」(⊃㌧_」 ,_」. 」=. ㌢\. #・葛. ・・手篭. 堰輔. 籠. 叶肇. 叶. ㌢\. ㌢\. 叶. ,−」(Ⅱ. 肇. ㌢\. トミト ト. hミ. キ、ペこ 々、 キ、. 1叶 キ、ベ. ‥蛮‥. 1潔く侍1潔 1潔. 中.. 籠#烏 龍 Ⅲ.匪 世 (Ⅱ萱 (Ⅱト・⊥・匡 lll = 塁・ 「□匪 「□1」ゝ. ︵机壁︶. 細 碑 冠雪1. 亡. ヒ三. 聖1. 聖1覆. 随 頗 裂. ‥蛮 堰顔. 渠.忙=泰. .堅 強 沖 ミK 卍 草 せ・ヽ. 轟. ベH ⊥. 準. 蛮ニ1(亜. 亘 く肇1 1尋填丁. 占ニ\. 窯ミ′、砥箪(. ‥増⊥. 龍#. 「□. 彗妻鹿妻騨. 」 心. Ⅱ町 慮. 城 車軸. e. ↑SS厳科吏﹂刃轟衷心壁掛甘. 宿. 細 群 享. 匡[. 匡[. 匡[. 匡[. 勺1. (.D. (.D. H」. 鑑. Lnl. K惑. 1叶1 1. .. 章 #. 叶. K[⊃ ナく++K. t▼. 叶. ヰ・. .べ攣 卓.車. 鮮. ■ゝ. _沸望」 ・・・喜≡ 」亜証ぎ. 抑制り□樹 中唾りⅡ望. __. ≡≡. 1尋麗樹. 聾 増 嫌. 世.群. 聖1世春. 聖 な ⊂⊃ ⊂⊃. 慮. T・・■. 匡[ 匡[. 匡[. 森 ・ 悪. ミ. 111寮. ∧. 争 m 争 岬 1. ′ヽ. N.¢一q再ト. 轟 染. ユ ・e 1 喜瀦 く 11衷. 1 勅. e 嫌. 三 ヽキ、m ヽ べ\く. 刃′ト 軋 喋刃 ヽへ寮駆福. 同 =、 ㌢\ =、+ト1. 7トて塩漣漣. 随. 卑ユ」匪. 中⊥亡. ・. 1Ⅱ: 1恩籍 1÷十十 1÷十恵窒 慮=\「 慮卜朴e. 二ゝ. 二ゝ. ・・・≡≡ ・. 侭ヽ喜蛮e. l卜 や、≠、. h+;\n. ロ H .. rト、. ベ 量 ロ. ロ. 量墓e 旛量寓墓e. キ\ 丈卜卓上げ e・臼亜美もキロ. 足早卜轄 匪吏・R廿卜轄. 嶋」」塀 萱痛撃1採 掛 朴 慮 衷 四. 紳 椒 壷】. 争 l卜. ユ」. ⊃ ナ\. 釆も 宣告. 軋 宗. … =ヨ:.・・. N り )一_.=■. =、ト巴. 卑」中毒†q. {・・・†. 細 柵 壬 1ゴ. 1ゴ. ⊂⊃ 掛 礪 卜、 ⊂⊃ ⊂⊃ 額 凹 00. ..売. 7トて黄 卑」{. 壁・匡. ベ′与紳 「. 1÷、丁≡コ≡. 慮卜奥堅. 安雄. 十′′† 巳 n. 磐量. 釆も・臼. 廿卜吏 1嶋. ÷. 首琳攣. 量1. 秋口 価⊥ ミ ミ ニ ヽ. 採価 荘 も叶叶量n .β漣甘.ヽ 巳二 箪 墓トK†くべJ∈ 女傑轄1 埜量肇珂 心中\\/吏埜 皿梁戒心 肇懸軍く衷 lll!_≡_ 遷・. 上」 、く■− e. 慮 ミミ 缶 叶叶 \ ベペ 嘩 走岬 磐増産墓. ÷ {・・・†. ÷. ÷. 亜 双. 瑚. 塵 ミ. ≡士 特撮. 閂 奥. ∃班 食紅. ⊂⊃ ⊂⊃. #山東漣」掛. 1⊥1 亡二_. rト、」ゝ. 副 罷 埜. ■R. 勅 ニ. ・ ≡・. 醤 慮. {・・・†. ÷. ・. ヽべ\害. ÷ ÷. ∽ .針′「刊. く ロ. ・聾 ≡堪 慮卜1喜喋. 母巳継 巳. 嘩く侍聖 ト. 1 年、. e. ㌻、 十†十†ニやへ 摸冊いや摸♪ †で価 h ユ ニニ「 ユ ニ;ミニこ ∩. 勺. トPH. 1. ・R. ミ. 1窯建議. 二ゝ. 叶 {\ 1 {\. 司 ′ヽ ∧. .トP. 〔、. 壷】. ・R l・⊥. ⊂⊃ ⊂⊃. ⊂⊃ ⊂⊃ T・・■. ÷. ■R■R け‘†H. 手車. †・・・{. ÷. ■R. けづ =. ■■. 三. の ⊂⊃ ⊂⊃ ⊂⊃. ⊂⊃ ⊂⊃. ⊂⊃ T・■ N N. T・・■.

(9) 戸田 まり・小原 卓也・小網 りか・紺野 響平. 人の在席クラス全体にも働きかけるという方式は. いる。担任評定が小学校より少ないのも中学校の. 中学でも見られた(木原ほか,2007)。. 特徴である。これは金山ほか(2006)でも指摘さ. ターゲットスキルとしては,「あたたかい言葉. れているように,教科担任制の中学では学級担任. かけ」及び類似のスキルが選ばれやすいことは小. 制の小学校に比べ担任が個々の生徒と接する時間. 学校と似ているが,「上手な聴き方」よりもアサー. が短く,担任であってもひとりひとりの評定がよ. ション・トレーニングを利用した「上手な断り方」. り困難であるためと考えられる。しかし自己評定. の方が採用される場合が多い。この他,感情や怒. のみでは評価指標としてやや不十分であり,自己. りなど気持ちのコントロールもターゲットとなる. 評価以外の簡便な評価方法の開発が望まれる。. 場合が多く,中学年という発達段階を反映したも のと考えられる。. 自己評価で捉えられたSSTの効果であるが, 小学校同様,直後の査定では効果が認められてい. 回数は1年を通して計画された湯浅ほか(2006). る。ターゲットスキルにしても,社会的スキルや. の他は,50分授業を利用した2∼3回の実施であ. 学級満足感にしても,向上することが多い。しか. る。中学は各教科の授業時間数が多い上に教科担. しフォローアップ調査を行っている研究では効果. 任制でもあり,小学校よりも裁量のきく時間が少. は必ずしも維持されていない。金山・小野(2006). ないことが反映しているのかもしれない。その中. ではターゲットスキルの一部が事後に比べて低下. で佐野・小泉(2005)は,国語の学習指導要領に. している。また森ほか(2006)では学級満足感が. 内容として含まれている「話すこと,聞くこと」. 低下している。これらの原因がSSTそのものに. についての能力を育成するためのSSTを開発し,. あるのか,それとも他の学校行事や出来事の影響. 国語科の授業として位置づけて施行している。/ト. を受けてたまたまこのような結果になったのかは. 学校でも算数としてSST内容を組み込んだ平. わからない。SSTでは獲得したスキルの般化と. 石・塗師(2005)の研究があるが,このような教. 維持が課題であることは従前から多々指摘されて. 科と結びついたSSTのあり方は,今後の参考と. おり,このことは現時点でも依然として課題とし. なるだろう。. て残されていると言えよう。. 指導者は担任や副担任など,日常的に生徒と接 している教員が行うことが多い。大学などから研 究者が出向く場合,生徒や学校の事情をそれほど. 考 察. 詳しくは知らないこともあり,セッションの中で. 以上,近年の社会的スキル・トレーニングとそ. 担任ほど適切に個々の生徒に対応できないことが. の周辺について概観してきたが,これらから以下. あり得る。逆に担任は,実施するSSTそのもの. の点が指摘できる。. についての知識が研究者よりは乏しく,ていねい. 第一に,小学校および中学校の学級を対象とし. な説明や研修なくしては効果が上がらない恐れが. て行われたSSTを概観する限り,コーチング法. ある。今回の諸研究の中で,担任が指導したもの. を用いた学級SSTはある程度の効果を持つと言. では,ほとんどで研究者側からの研修が行われて. える。評価指標の中には変化が認められないもの. いたが,SSTのような教科と直接の関連がない. や,ごく一部,望ましくない方向への変化が見ら. 教育を行う場合の研究者と学校の連携のあり方も. れるものもないわけではないが,ほぼすべての研. 課題であろう。. 究でターゲットとしたスキルや広く社会的スキル. 評価方法は,今回挙げたすべての研究で自己評 定が用いられていた。評定尺度はターゲットスキ. など指標の少なくとも一部は向上している。. しかし,セッションを終えたあとの般化と維持. ルそのものについてたずねるもののほか,社会的. は課題である。このことは再三,SSTの持つ問. スキル,孤独感,攻撃性の尺度などが採用されて. 題点として指摘されており,セッション後も学ん. 166.

(10) 近年の社会的スキル教育についての展望. だ内容をポスターなどで呈示する(金山・小野,. 試行してゆくことで,さらに洗練されたプログラ. 2005),シールなどのトークンを用いる(小泉・. ムを目指すことができるだろう。. 若杉,2006;水谷・岡田,2007;後藤ほか,2009), 時期を置いて復習セッションを行う(原田・佐藤,. 第四に,既に他で指摘されている点ではあるが (佐藤,2009),ターゲットスキルと発達段階と. 2007;湯浅ほか,2007)などの工夫が試みられて. の関係を明確化すべき時期に来ていると思われ. いる。こうした般化のための工夫がどの程度効果. る。/ト学校でも中学校でも,最も頻繁に取り上げ. を持つのかについては,はっきり検討されておら. られていたスキルは「あたたかい言葉かけ」であっ. ず,今後のさらなる課題と言えよう。. た。むろん,SST自体の内容はそれぞれの年齢. 第二に,評価指標の開発が課題としてあげられ. 段階にあわせて変更してあると思われるが,小学. る。今回取り上げた諸研究のほとんどで自己評価. 校低学年で必要な「あたたかい言葉かけ」と,中. が指標として用いられている。自己評価は簡便で. 学生や高校生で必要な「あたたかい言葉かけ」の. あるが,社会的望ましさや,自己を客観視できな. レベルを区別するなど,ソーシャルスキル自体の. いことから来る評価の歪みから自由ではない。し. 内容を発達的観点から分類し検討することが必要. かし行動観察等を行うには多大な時間と労力がか. であろう。. かり,学校ですべての児童生徒に対し毎回取り入. 最後に,事前アセスメントの必要性を挙げたい。. れるのが困難なことも事実である。自己評価を求. 特別支援教育の枠組でSSTを試行する場合,小. めるにしても,質問紙尺度だけではなく投影法的. 泉・若杉(2006)や木原ほか(2007)にあるよう. な手法を用いる,具体的な行動チェックリストの. に,事前に当該児童・生徒にどんなスキルが必要. 形にするなど,何らかの新しい手立てを考える必. かというアセスメントが行われ,それに沿って. 要があるだろう。また,評価指標であると共に,. SST内容を決定する。しかし本論で取り上げた. 記入することで本人が自らの向上を具体的に把握. ような他の通常学級でのSST実施の場合,教師. できるような形にできれば理想的である。. 側の「こんなところが不足している」という日頃. 第三に,個々人のスキル獲得のプロセスをより. の感覚だけでターゲットスキルを設定し,事前ア. 丹念に検討していく必要性が示唆される。本論文. セスメントとしては児童生徒への質問紙による自. で取り上げた研究のパラダイムは,集団に対し. 己評定のみという場合が少なくない。そのスキル. SSTを行い,何らかの評価指標の平均値の推移. は当該の児童生徒集団にとってどの程度欠けてい. でプログラムの効果を測っている。しかし個々人. るのか,どこまで引き上げれば満足すべきレベル. のベースラインとしてのスキルはまちまちである. なのかを慎重に吟味する姿勢が必要と思われる。. 上に,当初からスキルの高い個人と,低い個人と. 社会的スキルの学習は,多くの場合,まったく. が同じ方式でスキルアップできるかは不明であ. 知らないことを学ぶわけではない。ふだん無意識. る。適性処遇交互作用のような事態が起こってい. に行っている自らの行動を改めて意識化し,おの. ないか,もしあるとすればどのような対応が考え. おのの行動の意義や,行動が周囲に与・える印象,. られるか等を検討していくことが今後必要であろ. 影響といったものを今まで気づかなかった側面か. う。社会的スキルがうまく発揮できない背景とし. ら見て再認識し,自分にも他人にも心地よい対人. ては,重要性の認識の乏しさから行動が出てこな. 行動をめざすものである。若い段階で,学校とい. い場合,頭ではわかっているが恥ずかしさや気後. う教育集団の中で組織的にこのような学習ができ. れで行動できない場合,望ましくないレベルの行. る機会は貴重であり,より実り多い教授・学習方. 動が習慣となっており,なかなかそれが変えられ. 法をめざして今後も検討を重ねていくことが望ま. ない場合など様々な要因が考えられる。それぞれ. れる。. の要因にどのような学習方法が効果的かを考え,. 167.

(11) 戸田 まり・小原 卓也・小網 りか・紺野 響平 践総合センター研究紀要15,21−31 文 献. 相川 充 2008/ト学生に対するソーシャルスキル教育 の効果に関する基礎的研究:攻撃性の分析を通して 東京学芸大学紀要.総合教育科学系 59,107−115. 相川 充・津村俊充(編)1996 社会的スキルと対人 関係 誠信書房 相川 充・佐藤正二(編) 2009 実践!ソーシャルス キル教育 図書文化 アージル,M.(著) 辻正三・中村陽書(訳)1972 対人行動の心理 誠信書房 大門明美・尾崎康子 2008/ト学校1年生における学校 ストレスに関する研究:社会的スキル教育による軽減 効果 教育実践研究:富山大学人間発達科学研究実践 総合センター紀要 2,45−55. 出口拓彦・木下雅仁・吉田俊和 2010 「人間や社会に 対する考え方の基礎を養う」授業の効果に対する実験 的検討 教育心理学研究,58,198−211. 江村理奈・金Ill元春・中台佐喜子・新見直子・前田健一 2006 中学校新入生に対するソーシャルスキル教育の 効果 広島大学心理学研究,5,149−159.. 江村理奈 2007 中学生に対するソーシャルスキル教育 が仲間受容に及ぼす効果 宮崎女子短期大学紀要 34, 25−30.. 江村理奈 2008 中学校におけるソーシャルスキル教育 の効果 宮崎学園短期大学紀要(1),37−44.. 藤枝静暁・相川 充1999 学級単位による社会的スキ ル訓練の試み 東京学芸大学紀要.第1部門,教育科 学 50,13−22. 藤枝静暁・相川 充 2001/ト学校における学級単位の 社会的スキル訓練の効果に関する実験的検討 教育心 理学研究 49(3),371−381. 深澤淳一. 2007 ソーシャルスキル教育を用いた通常の. 学級で学級担任が行う特別支援教育−一小学校1年生の. 「見るスキル」の向上を目指した取り組み 明治学院 大学心理学部付属研究所紀要(5),61−70. 後藤書道・松田 純・佐藤 寛・佐藤正二 2009 児童 における集団社会的スキル訓練の維持効果:1年間の. フォローアップによる検討 宮崎大学教育文化学部附 属教育実践総合センター研究紀要17,137−149 濱田典子・大野木裕明 2005/ト・中学校におけるソー. シャル・スキル・トレーニング実践の現状と課題 福 井大学教育実践研究(30),163−172.. 原田恵理子 2008 感情の認知に焦点化した「ソーシャ ルスキルトレーニング」研究の動向と課題 法政大学 大学院紀要(61),79−87.. 原田勝哉・佐藤正二 2007 児童に対する集団社会的ス キル訓練の維持効果の検討:学級編成とブースター. セッションの影響 宮崎大学教育文化学部附属教育実. 168. 秦野真一 2010 大規模校におけるソーシャル・スキル 教育:全校規模で取り組むための工夫 教育実践研究 20,235−240,2010−03. 平石聡子 2005 算数へ適用した集団SSTの効果(1)一遊. び場面のビデオ分析を通して一 日本教育心理学会第 47回総会発表論文集,266.. 平石聡子・塗師 斌 2005 学級を対象とした友情形成 スキル獲得の試み−一算数への集団SSTの適用 横浜国 立大学教育相談・支援総合センター研究論集(5), 79−99. 本田莫大・大島由之・新井邦二郎 2009 不適応状態に ある中学生に対する学級単位の集団社会的スキル訓練 の効果:ターゲット・スキルの自己評定,教師評定,. 仲間評定を用いた検討 教育心理学研究 57(3), 336−348.. 岩瀧大樹 2009 役割演技およびソーシャルスキルト レーニングを取り入れた道徳授業に関する研究:小学. 校5年生を対象とした検討 撃苑 826,A42−A53 金山元春・中台佐喜子・江村理奈・前田健一 2006 中 学校における職場体験学習と連動したソーシャルスキ ル教育 広島大学心理学研究,5,131−148.. 金山元春・小野昌彦 2006 中学生に対する集団社会的 スキル訓練 教育実践総合センター研究紀要15, 77−84.. 金子和宏・岩澤利子 2009 高学年のためのソーシャル スキル指導モデルの開発:ソーシャルスキルトレーニ. ングと学校行事を一体化させた指導が学級生活満足度 に及ぼす影響 教育実践研究19,165−170 木原伸幸・外山敦子・戸ケ崎泰子・椎葉恵美子 2007 アスペルガ一障害の生徒が在籍する学級でのソーシャ ルスキル・トレーニングの効果 宮崎大学教育文化学 部紀要.教育科学16,153−163. 小林朋子・永山隆博・望月香緒荊・太田賀子・宮本みず き・鳥山舞衣・佐藤拓弥・後藤舞子・渡辺弥生 2009. 感情に焦点をあてたソーシャルスキル・トレーニング (S・S・GRIN)に関する研究(1)一中学校全クラスにお. けるソーシャルスキル・トレーニングの効果について 一 目本数青心理学会第51回総会発表論文集,282.. 小林朋子・望月香緒荊・永山隆博・山本尚乃・太田賀 子・宮本みずき・鳥山舞衣・佐藤拓弥・江崎 瞳・後 藤舞子・田中久穂・渡辺弥生 2010 中学生を対象と. した感情面に焦点をあてたソーシャルスキル・トレー ニング(S.S.GRIN−A)の実践 静岡大学教育実践総合 センター紀要18,113−120.. 小泉令三・若杉大輔 2006 多動傾向のある児童の社会 的スキル教育:個別指導と学級集団指導の組み合わせ を用いて(実践研究)教育心理学研究 54(4),546−557. 宮前義和 2006 本邦の小学校・中学校における集団社.

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参照

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