森鷗外『魔睡』論(二〇一三年度卒業論文要旨集)
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(2) 森鷗外『魔睡』論. 尾崎翠『無風帯から』論. 用いられたことが強調されていることが解った。. 術は怪しく官能的に描かれ、医療法ではなく犯罪の道具として. その結果、本作品の事件は事実であり、鷗外は事実を元に書 き、読者はモデル小説だと捉え得ると結論づけた。また、催眠. 描かれていることについても分析を行った。. 作品を発表した意図を考察した。また、本作品で貞操について. さらに、鷗外の妻や女性に対する考え方、医学に対する考え 方を調査し、鷗外が自身の評価を下げる可能性があるのに、本. した。. 段として描かれている催眠術の作品発表当時のイメージを分析. を元にして書いたのか検討した。また、作品中で猥褻行為の手. されてきた。そのため、鷗外周辺の言説を調査し、鷗外が事実. 三浦謹之助の間で実際に起こったことであると先行研究で指摘. 本作品には、主人公・大川博士の妻が医者の磯貝に猥褻行為 をされた疑いが描かれている。それは鷗外と妻の志げ、医者の. でに「悲惨」さを感じていたのは、「僕」が自身の愛情を正当. できるからである。前者の場合、 「 僕 」 が「 光 子 」 に 執 拗 な ま. していたからである。もう一つは、「僕」が「光子」への愛情. 「僕」が、「光子」が異母妹であれば婚姻関係を結べると誤解. 「僕」が、 「光子」が異母妹であれば愛情を告白できる また、 と考えている理由について二つの可能性を見いだした。一つは、. 子」へ宛てた書簡だったのではないかと読むこともできる。. イニシャルが「M」であることに注目すると、 友人ではなく「光. 子」 への愛情の告白となっているというズレを生み出している。. 『無風帯から』が書簡体形式である事に注目した。書 まず、 簡体形式をとることで、「僕」 の内面の告白を強調することがで. ことを通して、新たな読みを提示することを目的とした。. 『無風帯から』を、 「僕」と「光子」の関係を中心に分析する. への愛情についての分析が不十分であった。そこで本研究では. 『無風帯から』はこれまで、尾崎が書いた他の兄妹の物語と 切り離された分析が行われておらず、「僕」が抱いている 「光子」. 近代文学研究室 〇四四五 齋藤 榛菜. そして、鷗外が作品を発表した意図は、大川博士が妻の不貞 行為により肉欲にかられて悩むところから、精神をもって愛す. 化しようとしたからだという読みが可能になる。. 近代文学研究室 九四一八 大野 茜. る状態に至り、悩みから抜け出すところを書くためだったと考. に感じていた不安と罪悪感を「光子」が異母妹である事で解消. き、 友人「M」宛ての書簡であるにも関わらず、 その内容が「光. えた。. 『無風帯から』は「M」に「光子」を託す書簡という形式に 隠して「僕」が「光子」への愛情を告白した物語なのである。. - 68 -.
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