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トリメトキシフェニル(TMP)ヨードニウム塩を用いる選択的カップリング法の開発

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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨及び論文審査の結果の要旨の公表 学位規則第 8 条に基づき、論文の内容の要旨及び論文審査の結果の要旨を公表する。 フリガナ 氏名(姓、名) コセキ ダイチ 小関 大地 授与番号 甲 1390 号 学 位 の 種 類 博士( 薬学 ) 授与年月日 2020 年 3 月 31 日 学位授与の要件 本学学位規程第18条第1項該当者 [学位規則第 4 条第1項] 博士論文の題名 トリメトキシフェニル(TMP)ヨードニウム塩を用いる選択的カップリング法 の開発 審 査 委 員 (主査) 土肥 寿文 (立命館大学薬学部教授) 豊田 英尚 (立命館大学薬学部教授) 梶本 哲也 (立命館大学薬学部教授) 論文内容 の要旨 ジアリールヨードニウム塩 (Ar1(Ar2)I+X-) は 2 つの芳香環がヨウ素原子上で T 字構造を なす 3 価の超原子価ヨウ素化合物であり、ヨードアレーン部位が高い脱離能を示すことか ら、有機合成化学における有用なアリール化剤として近年注目されている。しかし、本化合 物が有する 2 つのアリール基(Ar1および Ar2)はいずれも反応するため、アリール化の選択性 の制御が極めて困難である。このような理由から、有機合成に用いられるジアリールヨード ニウム塩は主に対称ヨードニウム塩 (Ar1 = Ar2)に限られ、反応への利用は限られていた。 近年では、ダミーリガンドとして 2,4,6-trimethyphenyl (Mes)基を導入したジアリールヨ ードニウム塩が選択的なアリール化剤として報告されているが、反応に用いるには遷移金属 触媒による活性化が必要である。そのため、ジアリールヨードニウム塩の反応性を向上させ る新規ダミーリガンドの開発が望まれていた。 申請者は本論文中において、ダミーリガンドとして 2,4,6-trimethoxyphenyl (TMP) 基を 有するジアリールヨードニウム塩を種々合成し、続いてアリール化における反応性について 検討した。第1章ではフルオロアルコール溶媒を用いる TMP ヨードニウム塩の一般合成法を 確立し、第2章ではカルボン酸リガンドを有する TMP ヨードニウム塩を利用することでカル ボン酸の高効率的・高選択的なメタルフリーアリール化反応を実現した。さらに第3章では、 TMP ヨードニウム塩が遷移金属触媒反応においても高い反応性を示し、高選択的なアリール 化剤として利用できることを明らかにした。

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論文審査 の 結 果の要 旨 クロスカップリング反応は、2 つの異なる有機化合物を選択的に結合させる反応であり、 適切な触媒反応条件、基質を選択することで、炭素-炭素結合や炭素-酸素結合、炭素-窒 素結合等を形成できる有用な手法である。パラジウムなどの遷移金属触媒を用いるカップリ ング反応は、基質一般性や官能基耐性に優れており、現在、多くの医薬品や生物活性天然物 の合成に利用されている。 21 世紀に見出された新しいカップリング法として、近年、超原子価ヨウ素反応剤を用いる 手法が注目されている。申請者は、本法のさらなる展開として、超原子価ヨウ素反応剤であ るジアリールヨードニウム塩を利用したヘテロ求核種とのカップリング反応を検討した。そ の成果として、2,4,6-trimethoxyphenyl (TMP) 基を有する TMP ヨードニウム塩が、ヘテロ 求核種とのカップリングにおいて優れた反応性と化学選択性を兼ね備えた有用なアリール 化剤となることを見出した。TMP ヨードニウム塩がメタルフリー反応や遷移金属触媒反応な ど、様々なカップリング反応で高い反応性を示すことを明らかにした本研究成果は、創薬研 究や医薬品合成プロセスの場における有用な新規合成ツールを提案するものとして、高い評 価に値するものである。 本論文の審査に関しては、2020年1月10日(金)に公聴会を開催し、学位申請者による論 文内容の説明の後、審査委員は学位申請者に対する口頭試問を行った。各審査委員および公 聴会参加者より、TMPヨードニウム塩の結晶構造の解釈や安定性、活性化方法に関する意見 や質問があった。また、さらに研究を進展させるために、TMPヨードニウム塩の反応性につ いての理論化学的考察や、回収・再利用を考慮した効果的な合成プロセスへの展開について の説明を求められた。いずれの質問に対しても、学位申請者の回答は適切なものであった。 以上により、公聴会での口頭試問結果を踏まえ、審査委員会は、本論文は本研究科の博士 学位論文審査基準を満たしており、博士学位を授与するに相応しい水準に達しているとの判 断で一致した。 試験 または 学 力 確 認の 結 果 の要 旨 本論文の公聴会は、2020年1月10日(金)14時00分~15時10分にサイエンスコア5階会議 室において行われた。 学位申請者は、本学学位規程第18条第1項該当者であり、主査および副査は、論文内容 および公聴会での質疑応答を通して、学位申請者が十分な学識と、博士学位に相応しい能 力を有していることを確認した。 以上の点を総合し、学位申請者:小関大地に対して、本学学位規程第 18 条第 1 項に基づ いて、博士(薬学 立命館大学)の学位を授与することが適当であると判断する。

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