Web周辺技術についての学生実験 ~情報系学科の読み書きそろばん~
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(2) 1年次:. Web 入門: リテラシーとしての Web 個人 Web ページの作成実験1: (本実験) 2年次:前期実験 個人 Web ページの作成実験2: (本実験) 後期実験 個人 Web ページの作成実験3: (本実験) 3年次:前期実験 WebComputing (1 ):Java&Applet クライアント側の動的コンテンツ WebComputing( 2 ):CGI による WWW サーバプログラミング 2年よりさらに本格的な内容( FORM をゴール) CGI におけるクライアント側からのデータ受渡し 後期実験 WebComputing( 3 ):ソケットと HTTP ソケットによる分散プログラミングと HTTP による 応用層のプロトコルの理解 WebComputing( 4 ):Servlet による WWW サーバプログラミング CGI ではない、より洗練されたサーバプログラミング 講義「コンピュータネットワーク」. 図1.当学科内の Web ・ネットワーク技術教育 3.本実験の内容 3 . 1 実験環境 本 実 験 は 図 2 に 示 す 、 本 学 科 の 教 育 用 計 算 機 シ ス テ ム Eden[ 5 ][ 6] [ 7][ 8]のネッ トワークの中の右下に位置する教育ネットワークの中で実施されたものである。この教育 ネ ッ ト ワ ー ク と は 学 生 用 の PC 教 室 を 構 成 す る PC 端 末 群 ( Pentium3, 650MHz, 128MB, 20GB, 95 台, Windows2000 と Linux とのデュアルブート環境)とサーバ( UNIX の認証なら びにファイルサービスを行う Unix サーバ、 Windows の認証を行う Windows サーバ)からな り、プライベートアドレスを用い、対外的セキュリティを考慮したネットワーク設計にな っている。この中にある WWW サーバは、学生実験専用のものであり、 3.3 、3.4 で述べる 実験はこのサーバを利用している。. 図2.学科の教育用システム Eden のネットワーク全体図([7 ]から引用) 本実験はこの中の教育用ネットワーク内で実施した. 3 . 2 実験1の内容など 3.2.1 実施時期と学生の状態など 学部1年生の6月に、講義「コンピュータ序論」の中の1テーマとして実習形式で行っ た。1学年85名を対象に一斉授業として2週間に分けておこなった。 TA を2名つけて、 時間数は通算2時限分(3 時間)で行った。 学 生 は 、 4 月 か ら プ ロ グ ラ ミ ン グ 演 習 や Web、 電 子 メ ー ル や ワ ー プ ロ の 使 い 方 の リ テ. −10−.
(3) ラ シ イ 教 育 を 受 け て い る 。 Web に つ い て は 、 利 用 者 と し て の 受 動 的 な 使 い 方 の 指 導 で あ る。学生にとってはこの実験で初めて Web サーバに直接触れることになり、ネットワー クを介したマシン上での作業という意味でも初めてのものである。 3.2.2 実験の目的と内容概略 ( 1 ) 目的 学生実験用 Web サーバ上の自分の Web ページを直接 HTML 言語を用いて作成する。 ( 2 ) 内容概略 教育用計算機システムのネットワーク構成の説明、一般的な Web の仕組み( http ,html , URL など)の説明、後で述べる「 Web ページの倫理」の説明、 HTML の基本的なタグの説 明(サンプルの例示)をしてから、実習を行う。実習は、次のような手順で行った。 a . コマンドレベルの telnet と ftp の使い方の練習する。 b . テキストエディタで10行程度の自分の自己紹介 Web ページの HTML ファイルを 書く。 c . HTML ファイルを学生実験用 Web サーバの自分のホームディレクトリのドキュメ ントルートディレクトリ(public_html)に転送する。 c . PC 教室の PC からブラウザで確認する。 3.2.3 主な教示例など ( 1 ) Web ページの倫理について Web ページ作成者としての倫理に重点をおいた説明をしている。 ( 2 ) 課 題 の Web ページの完成度 この実験のテーマは Web の環境の理解にあるので、 Web ページの完成度については画 面の綺麗さ、デザインの良さは評価対象にしないことも学生に指示している。 3.2.4 本実験の意義 ( 1 ) HTML ファイルをテキストエディタで作成させたこと 学生によっては、テキストエディタでなくワープロで綺麗に清書した文書ファイル ( .doc ファイルなど。表面上は HTML 文書だが、それが綺麗に清書してあるもの。)を作成 する者もいるのだが、当然 Web サーバに転送しても正しくブラウザで表示できない。こ の理由を考えさせることは、教育的である。 HTML ファイルはサーバからクライアントへ単なるデータとして読み込まれるテキスト ファイルであることを理解させる。 (2)コマンドレベルの telnet , ftp を使用したこと 学部1年生の6月の実験であり、学生はこれまでネットワーク環境をブラックボックス として扱ってきた。ここで telnet、 ftp をコマンドレベルで扱うことによって、例えば ftp であればログインして、相手先のディレクトリ、自分のディレクトリを意識して put また は get することになる。一つ一つの操作をディレクトリ構造を意識しながら自分の手を動 かすことによって、ブラックボックスではなく実体を持った対象として認識できる。 3.2.5 学生の感想 次のようなものが代表的なものであり、おおむね好評だったことがわかる。 Linux の操 作については慣れの問題かもしれない。 「今回の実習では普段、何気なく利用しているインターネットの web ページがどのよ うにして作られているかを理解することができた。」 「初めてのホームページ作りだったので、難しかったですが楽しく学ぶことができまし た。」 「 Web ページ作成の初歩の初歩がわかっただけでもうれしい。」 「今回は Linux を使った実習で、まだ慣れていないせいかあまりよく理解できなかった。 コマンドを入力していろいろなことを行うというのは、今まであまりやったことがないの. −11−.
(4) で違和感もあり、ほとんど TA の人に聞いていたような気がする。」 3 . 3 実験2 3.3.1 実験時期と学生の状態など 学部2年生の6月に、情報コミュニケーション工学実験1の中の1テーマとして行った。 1学年85名を半数ずつにわけて行った。 TA を2名つけて、時間数は 3 時限分( 4 時間 30 分)で行った。 学生は、プログラミングについては約1年2ヶ月の経験がある。ただし、専門教育とし てのコンピュータネットワークなどはまだ履修していない。これまでのほとんどの実験演 習 が Windows ベースだったため、 Unix オペレーティングシステムでの経験がほとんどな い。また、この実験は学生にとっては初めてのセキュリティという実体のある概念を経験 する実験になる。 3.3.2 実験の目的と内容概略 ( 1 ) 目的 セキュリティ上のことに注意を置きながら、サンプルプログラムとして与えられた CGI プログラムをインストール実行することによって、 CGI の実行環境などを実体験する。 ( 2 ) 内容概略 サンプル CGI プログラムを5本準備する。 CGI の一般的な説明と実行方法、 SSI の説明、 クッキーの説明を行ってから、サンプルプログラムを用いて実習を行う。 CGI プログラム を作成はしない。 a . サンプルプログラムを指定のディレクトリから自分のホームディレクトリにコピー して、学生実験用 Web サーバの自分のドキュメントルートディレクトリに ftp 転送する。 b . PC教室のPCのブラウザから、サンプルを実行する。 c . CGI 環境変数を調査する。 d. サンプルの SSI の実行プログラムの部分を” ls ”に変えて、自分のドキュメント ルートディレクトリの中のファイル一覧が表示されることを確認する。 h . クッキーを利用したサンプルを実行する。このとき、クッキーの値がどのように変 わるか確認する。 3.3.3 主な教示例、課題例など ( 1 ) サンプルプログラムと実行環境 図3にサンプルプログラムの一部を示す。実験2は、これらを自分のホームディレクト リにコピーするところから始まる。実際にこれらを動作させるためには、学生実験用 Web サーバの自分のドキュメントルートディレクトリにこれらのファイルを ftp 転送して、フ ァイルのアクセス制限を「他人からの実行許可」に設定しなければならない。これらを一つ 一つ手作業で行うことで、 CGI の実行環境が理解できるようになる。なお、 .htaccess ファ イルは最初から設定されているので、学生はその中身に触れる必要はない。 <サンプル S1 >. <サンプル S3 (ドライバ部分)>. #!/usr/bin/perl print"Content-Type:text/html¥n¥n"; print"< HTML >"; print"< H1 >Hello!CGI. </H1> "; print"< /HTML > ";. <サンプル S2 > #!/usr/bin/perl print"Content-Type:text/plain¥n¥n"; foreach( keys %ENV){ print$_.'='.$ENV{ $_} ."¥n"; }. 図3. 実験2のサンプルプログラム例. <HTML> <HEAD> <TITLE >SSI アクセスカウンタ< /TITLE > </HEAD > <H1> SSI アクセスカウンタ</H1 > <HR> <!--#execcmd="./no_4.pl"-- > <BR > リロードすると数字が増加します。 <HR> ssicount< BR> </BODY> </HTML >. −12−.
(5) ( 2 ) CGI 環境変数の調査 サンプル S2 は CGI 環境変数を表示するものである。図4が表示結果である。これらの 内容を学生に確認させることによって、ある Web ページを参照しただけで、どういう情 報 が CGI 環境変数として Web サーバに読み込まれる可能性があるかを確認することがで きる。 QUERY_STRING= SERVER_ADDR=172.17.1.8 HTTP_ACCEPT_LANGUAGE=ja SERVER_PROTOCOL=HTTP/1.1 HTTP_CONNECTION=Keep-Alive REMOTE_PORT=1103 HTTP_ACCEPT=image/gif, image/x-xbitmap, image/jpeg, image/pjpeg, application/vnd.ms-powerpoint, application/vnd.ms-excel,application/msword,*/* HTTP_USER_AGENT=Mozilla/4.0 (compatible;MSIE6.0;WindowsNT5.0;T312461; .NETCLR1.0.3705 ) GATEWAY_INTERFACE=CGI/1.1 HTTP_HOST=www.edu.cs.tuat.ac.jp SERVER_SOFTWARE=Apache/1.3.12 ( Unix) ( Red Hat/Linux) mod_jk mod_ssl/2.6.6 OpenSSL/0.9.5a DAV/1.0.1 PHP/4.0.1pl2mod_perl/1.24 SERVER_ADMIN=root@localhost REMOTE_ADDR=172.17.3.32 SCRIPT_NAME=/~nose/jikken2001/no_2.cgi HTTP_ACCEPT_ENCODING=gzip,deflate SERVER_NAME=www.edu.cs.tuat.ac.jp DOCUMENT_ROOT=/var/www/html REQUEST_URI=/~nose/jikken2001/no_2.cgi REQUEST_METHOD=GET SCRIPT_FILENAME=/home/nose/public_html/jikken2001/no_2.cgi PATH=/usr/local/bin:/u. 図4. CGI 環境変数の一覧. ( 3 ) SSI による危険性の実験 図3のサンプル S3 の < !--#exec cmd="./no_4.pl"-- > の 行 の ./no_4.pl というファイルはア クセスカウンタプログラムの本体である。その部分を例えば、 < !--#exec cmd="ls"-- > と変更 す れ ば 、 学 生 実 験 Web サーバの自分のドキュメントルートディレクトリの直下にあるフ ァイル一覧が表示( ls コマンド)される。これを体験させる課題を与えている。このことは、 悪意のある Web ページ作成者が cat /etc/passwd と書いておけばどうなるか、または CPU 負荷のかかるプログラムを、ここで実行させればどうなるかを考えさせる課題になってい る。 ( 4 ) クッキーの内容の確認 本稿ではソースプログラムは示していないが、サンプルとして「クッキーを利用したア クセスカウンター」をインストールして実行する。そのページに不特定多数の人がアクセ スするとカウンタに1が足されていくのだが、アクセスした各個人別のアクセス回数をク ッキーを使って保存して表示するものである。 このプログラムを実行して、 Windows2000 であれば「 c:¥Documents and Settings¥ ユーザ名 ¥cookies¥ 特定ページの URL 名」にクッキーが保存されるので、実際にクッキーの内容をみ て、アクセス毎に書き変わることを確認する。 この課題によって、各利用者毎に Web ページのアクセス回数が簡単にわかってしまう こ と 、 そ の Web ページが何らかの個人情報をクッキーを使って保存している可能性もあ ることを理解させる課題になっている。 図5はサンプル S4 によるクッキーの例である。ここでは変数 usercount の値が6である ことを示している(このユーザからは6回アクセスがあった)。 usercount 6 www.edu.cs.tuat.ac.jp/~nose/jikken2001/ 1024 2865430528 30124157 1987195728 29540457 *. 図5. クッキーの例. 3.3.4 本実験2の意義 ( 1 ) CGI環境変数の調査をして、 Web ページを表示させているだけで自分のマシンの OS 情報、ブラウザの種類、 IP アドレスなどが Web サーバに流れることを示した。. −13−.
(6) ( 2 ) SSI による危険性を示した。 /etc/passwd の表示したらどうなるか。悪意のある Web ペ ージ作成者がいたらどうなるか。 ( 3 ) アクセスカウンターのインストールし、クッキーの内容を実際にみることによりク ッキーとは何かについて、具体的に知ることができた。 3.3.5 学生の感想 学生の代表的な感想文は次の通りである。 「一年前に作ったホームページが二年になって実験で使ったので、学んでいることの積 み重ねみたいなものを感じた。」 「 CGI とはどういうものか今まで全く知らなかった。クッキーについても、名前は知っ ていたが、それが何なのか知らなかった。しかし、今回の実験で基本的な概念は理解でき たと思う。」 「 今 回 の 実 験 を 通 し て 、 Web ペ ー ジ の セ キ ュ リ テ ィ に つ い て の 意 識 が 高 ま っ た 。 印 象 的 だ っ た の は CGI の 環 境 変 数 と し て 、 か な り の 情 報 が 相 手 側 に 送 ら れ て い る こ と で あ る。」 「今回は WWW におけるセキュリティのことについて実験した。以前からニュースや テ レ ビ の 特 番 な ど で ネ ッ ト 犯 罪 な ど が 取 り 上 げ ら れ て い る の を 見 て 、 Web 上におけるセ キュリティには注意しなければならないことは知っていた。しかし具体的にどんなことに 注意するのかわからなかったのでこの実験は意欲的にできたと思う。」 3 . 4 実験3 3.4.1 実施時期と学生の状態など 学部2年生後期の 10 月に、情報コミュニケーション工学実験2の1テーマとして行っ た。1学年85名を半数ずつ2週に分けて行った。それぞれの週で学生を2∼3人ずつの 15グループに分けて、1グループごとに1台の Web サーバを構築させた。実験終了後 には、15台の Web サーバが構築されることになる。実験は TA を5名つけて、実験時間 は3時限分( 4 時間 30 分)で行った。 この実験機は、使い古しの PC ( Pentium166, 80MB , 1.7GB )15台であり、PC 教室に持 ち込んで図2の教育用ネットワークに接続して、本実験3に使用した。学生は、本来の PC 教室の PC からこの実験機にアクセスすることになる。 学生にとっては初めての自由に使える root 権限をもったマシン上での実験である。実験 機を物理的にそばに置くことによって、ネットワークの利用が実感できる。 3.4.2 実験3の目的と内容概略 ( 1 ) 目的 15 台の実験機を用いて、 Web サーバプログラム( apache )を学生自身がインストールする こ と に よ っ て 、 Uinx における基本的なセキュリティ(ユーザとアクセス制限)の考え方、 及 び Web サーバの仕組みを実体験する。 ( 2 ) 内容概略 事前に使い古しの PC 15台(これが実験機となる)に LinuxRedHat7.3 をサーバ(ただし X , apache のインストールはしない)としてインストールしておき、DNS への登録までは 終了させておく。実験開始時には、本体とディスプレイ、ネットワークケーブルは取り外 した状態で PC 教室のそばに設置しておく。本実験は2∼3人が1グループとなって行う。 a . 本体、ディスプレイを正しく接続し、ネットワーク HUB に 10BaseT ケーブルを接 続し、実験機に電源を入れ起動する。 b . 実験機に直接ログインして各人が自分の利用者登録を行う。 c . グループの代表者が実験機の telnet と ftp をセットアップする。 d . グループの代表者が実験機に apache をインストールする。ここで実験機は Web サ ーバとして動作し始める。 e . 各人が Web サーバの初期状態を確認する。. −14−.
(7) f . グループの代表者が apache のドキュメントルートディレクトリを変更して、実験 機 の Web サーバとしての表紙ページを作成する。 g . アクセスログ(access_log と last コマンド)を参照する。 3.4.3 主な教示例、課題例など ( 1 ) 利用者登録について 利用者登録を学生に行わせたことは、普段学生が利用している教育用システムなどにお いて自分が利用している資源の確保の仕方を理解させる一旦にはなったのではないかと思 われる。 ( 2 ) telnet のセットアップ( xinetd の利用)について RedHatLinux7.3 には標準で xinetd(ポート監視用のデーモンプログラム)が動作している。 実験機の初期状態では、 telnet を xinetd によってアクセス不可に設定してあるので、これ をアクセス可に設定させた。学生には xinetd に関しては特に説明しない。 ( 3 ) ftp と apache のインストール( rpm の 利 用 ) ftp は wu-ftpd-2.6.2-5.i386.rpm を、 apache は apache-1.3.23-11.i386.rpm を利用した。今回の実 験 で rpm を選んだ理由は、アンインストールが簡単にできることである。実験中、学生が インストールするため、何が起こるかわからない、実験の時間中に何時でも実験機を初期 状態に戻せることが実験を円滑に進行させる鍵になると考えたからである。 ( 4 ) Web サーバの初期状態の確認(ユーザとアクセス制限の実習) こ こ で は 、 apche の イ ン ス ト ー ル 直 後 の ド キ ュ メ ン ト ル ー ト デ ィ レ ク ト リ の 位 置 ( /var/www/html )、 html ファイル cgi ファイルの置き場所( html ファイルは自分のホームディ レクトリの下の public_html ディレクトリの下、 cgi ファイルは /var/www/cgi-bin の下)、 httpd の実行ユーザ(apache )を確認させた。このとき、 Unix マシンにおける基本的なセキュリテ ィ(ユーザとアクセス制限)について実習ができた。 ( 5 ) Web サーバの初期状態の確認(まとめ) Web サ ー バ の 初 期 状 態 に つ い て 、 具 体 的 に ど こ の デ ィ レ ク ト リ に 何 が 設 定 さ れ て い る というのは 、 本 質 的 な 話 で は な い 。 今 回 の 実 験 で 採 用 し た apache のバージョンでは初期 状態がそうなっているというだけの話である。技術的にそういう概念があるということこ そが、本質的な事柄である。このことを理解できる課題にした。 ( 6 ) apache の設定ファイル(/etc/httpd/conf/httpd.conf)の修正 httpd.conf フ ァ イ ル の 中 の 設 定 項 目 の う ち 、 一 部 の 項 目 の 設 定 を 修 正 し て 再 実 行 す る 。 他の項目について何があるのかはレポートの課題として調査させた。たとえ一部であって も修正させることによって、 apache に何ができて何ができないのか、それの理解を容易に することができたと思われる。 ( 7 ) アクセスログを参照する Web サーバは、ただ単に httpd が動いているだけではない。それだけでは安定稼働しな い。システムに何が起こっているのか、ログファイル(利用記録)を常に監視することで、 サーバの異常を発見できる。このログファイルを見ることによって、本実験の締めくくり とした。 /etc/httpd/logs/access_log と last コマンドを参照させた。 3.4.4 本実験3の意義 ( 1 ) 学 生 に root 権限を持たせて、実験機に利用者登録から始めて Web サーバをインスト ールさせたこと Web サーバといっても、1台の Unix マシンであるという理解ができた。 Unix マシンの. −15−.
(8) ホームディレクトリ、パスワードファイル、 UID 、 GID を理解できた。この実験ばかりで はなく、普段使っている教育用システムの利用者登録の概念を理解できた。 ( 2 ) 実験機をすぐ目の前において、ネットワークを介して操作させたこと ネットワークを利用する上で必要な telnet、 ftp の概念を理解できた。 3.4.5 学生の感想 学生のレポートの感想は次のようなものであった。 「今までの Web サーバの実験では、何がどのように構成されていて、どのような働き をしているのかということが完全には理解できないままにコマンドを打ち込んでいたのだ が、今回の実験でそれらの疑問が大きく解決することができた。」 「ホームページ作成について凝縮された内容だったと思う。」 「今回の実験で良かったと思うことは実験機とクライアント PC を目の前にして telnet や ftp の実験を行ったことである。実際目の前にアクセスしようとしている PC があるの は 、 telnet や ftp を行う際に自分が今何を行っているのか理解する助けとなった。」 「 Web 関連に興味のある私としては楽しく、そしてなかなか軽快に実験できたと思う。 1箇所2箇所詰まってしまった点はあったがそれはそれで勉強になった。」 「今回の実験はとても難しかった。コマンドがたくさんあってそれを打ち込むことに集 中してしまい、課題を一つ一つ時間内にこなすことに目的が移ってしまった。」 4.まとめ Web 周 辺 技 術 に つ い て の 学 生 実 験 に つ い て の 報 告 を 行 っ た 。 学 生 の レ ポ ー ト の 感 想 に あるように比較的、学生の興味を活かす方向での課題の選定に成功したと思われる。しか し、特に実験3は15台の PC の準備が予想以上にたいへんだったことと、実験当日は4 時間半の間にすべての課題を終了させたので、逆に Web に興味のない学生はつらい実験 だったかもしれない。 しかし、結果として4時間半で Web サーバの構築実験が終了できたことは、意味が大 き い と 思 わ れ る 。 今 後 は ( 学 科 の 実 験 カ リ キ ュ ラ ム の 移 行 計 画 に も よ る の だ が ) Web サ ーバのインストール実験に引き続き、メールサーバ、ファイアウオールなどの様々なネッ トワーク環境の(比較的短時間で終了する)構築実験を考案していきたいと思う。 5.謝辞 本稿を執筆するにあたり、本学科の並木美太郎助教授には貴重な助言をいただいた。感 謝の意を表します。 参考文献 [ 1] 情 報 処 理 学 会 : 大 学 の 理 工 系 学 部 情 報 系 学 科 の た め の コ ン ピ ュ ー タ サ イ エ ン ス 教 育 カ リ キ ュ ラ ム J97 , 1997 [ 2 ] http://www.acm.org/sigcse/cc2001 [ 3 ] 池 田 克 夫 編 : 情 報 工 学 実 験 , オ ー ム 社 ,1993 [ 4] 三 井 浩 康 , 田 中 勝 也 , 塩 澤 秀 和 : 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム 構 築 学 生 実 験 の 提 案 と 実 施 評 価 , 情 報 処 理 学 会 論 文 誌 , Vol.43No.9,2002 [ 5 ] 野 瀬 隆 他 , IT 時 代 を 担 う 人 材 を 育 成 す る 教 育 用 計 算 機 シ ス テ ム 「 Eden 」の設計(1 ) ∼ 基 本 設 計 に つ い て ∼ , 情 報 処 理 学 会 第 62 回全国大会 5Y04 , 2001 [ 6 ] 櫛 橋 康 博 他 , IT 時 代 を 担 う 人 材 を 育 成 す る 教 育 用 計 算 機 シ ス テ ム 「 Eden 」 の 設 計 (2 ) ∼ 情 報 処 理 教 育 用 ク ラ イ ア ン ト サ ー バ シ ス テ ム に つ い て ∼ , 情 報 処 理 学 会 第 62 回 全 国 大 会 5Y05, 2001 [ 7 ] 毛 利 公 一 他 , IT 時 代 を 担 う 人 材 を 育 成 す る 教 育 用 計 算 機 シ ス テ ム 「 Eden 」 の 設 計 (3 ) ∼ 高 速 ネ ッ ト ワ ー ク シ ス テ ム に つ い て ∼ , 情 報 処 理 学 会 第 62 回 全 国 大 会 5Y06 , 2001 [ 8 ]並木美太郎他, IT 時 代 を 担 う 人 材 を 育 成 す る 教 育 用 計 算 機 シ ス テ ム 「 Eden 」の設計(4 ) ∼ 教 育 支 援 環 境 シ ス テ ム に つ い て ∼ , 情 報 処 理 学 会 第 62 回全国大会 5Y07 , 2001. −16−.
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