<研究ノート>経営学教育での大学教授法序説 I
著者
涌田 宏昭
著者別名
Wakuta Hiroaki
雑誌名
経営論集
巻
31
ページ
77-113
発行年
1988-03-25
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005744/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja経 営 学 教 育 で の 大 学 教 授 法 序 説I
涌
田
宏大昭
目
次1.
まえがき2.
知識伝達の準備3.
経営学教育のメニュ―4,
生産管理の講義と傾向5.
情報処理・情報管理論・経営情報論の講義6.
支援 ツールについて
771.
ま え が き
大学での教育 は,高 等学校までの教育 と異って,検定 書科 書もなく,また,
大学の教員は,高等学 校までの教員 と違って,教職課程を経て教員免許証を
取 得する必要がない。つ ま り,大 学での教育は,その教育担当者 の個 々の才
覚・力量に まか された 部分が非常に多い とい うことがで きるSLl)
。 他方, 高
等学校までの教育課程 での教育は,逆 にある程度定型化され,教育実習に よ
る実地訓練を経験した教育 担当者によって行われる。
この2 つ の教育の タ イプ の違い には,もちろ んそれな りの意味があ り,考
え方があって実施されてい る。簡 単にい うならば,大 学での教育に は,教育
の他に研究 とい う役割があ り, この研究は教育に反映す るこ とが一つの立て
前 となってい る。つ ま り,研 究の一 部分は教育に反映し て,常に学問の高き
水準が,速みやかに教育を 通し て伝達されるための配慮がほどこされてい る
のである。そし てまた教育 におい ての実践結果が,研究の推 進に も何等かの
寄与をするであ ろ うとい う期 待も含 まれてい る。これに対し て,高等学校 ま
での教育では,知識の伝達を手段 とした教育 パターV が厳し く確立している。
い わゆる制度的教育な のであ る。
し かし, その是非を 論 んずることが, 本稿の目的で はない。 指摘したい
のは,1 つ は, 教育 の環境が 戦後著し く変化し できた ことであ る。Tために
教育は,あ る程 度定型化される必要が生じ, また,教育の システ ム化 も徐 々
に進行し てきてい るとい う点で ある。 第2 の点 は, 研究に 関す る方 法も特
に社会科学では変化し 発展しつつ あ るこ とであ る。 す なわち, 従来の 単な
る文 献研究から次第に脱却し,実証的,実験的方 法が導入され, また他方で
は,理論の比較論 も重視され始め,さらにデ ータベ ース技術の利用に よる分
析的方法も開発されつつあ り,研究の方式・方 法が多 彩となって きているこ
とである。
そ のために,研究につい ての側面は,今 日では大 学院レ ベルにすでに移行
し ,学部におけ る教育 と研究の関係は次第に うす れてきているのがその実態
であ る。 もっとも,工科系 におけ る実験-y ステ ムの存 在は,今 日でも部分的
には戦前 スタ イルを継承し ているけ れ ども,産学問 協同等 のレベ ルの高い側
面は,大学院にそ の実際をゆだねてし まってい る とい って よい であろ う。
そして,その教育は,教育担当者 の研究上 の特色や個性的知識 の伝達方 法
を 豊富に折 り込んできたこれまで の在 り方を 次第に変えることになっている
と考えら れる。つ ま り,教育はあ くまで教育 とし ての確立された方 法と方式
にゆだ ねられる 部分が多 くなってい るのであ る。したがって,一 定の工程の
上に, 個々の教育者の特色が付加され,いわば多品種少量生産の ような型で,
教育過程 が進行することになるのであ る。
‥ コ
こ の場 合,教育担当の分野に対し て,研究担当 の分野を兼ねる研究・教育
者 とし てはどのような関係になるのであろ うか。 これも生 産現場に対す る研
究開発 部門 の関係で説明がつけ られ よう。ただし ここでは,両分野にかかお
る担当 者は同一人物であ って,機 能的に表 わされている組 織の中で,彼は仕
事 とし てこれを区分けし て実際の活動を遂行す ることにな る。その特色あ る
行程 に立だされている故 に,研究 と教育 との両面 の交 流は,彼 の創 造性と計
画 性とそして 実行性に負うところ は現在で もなお大 きい。しかし ながら,教
育に求 めら れる個人的努力 のそれ よりも徐 々にではあ るが,組 織的努力の必
要性 は高まってい る。基礎的学習の 明確化,応用的 学習の比重 の増大,専門
分野 の細分化 と知識の広さ深 さの進 行等がその主 要因 とし てあげ られるであ
ろ う。
この ような見方から,教育につい て次の ような考え方,視点からこ れを組
み立ててみる方 法があ るのではない か と考え た。1
) 教育は知識の移転・伝達であ るこ と注2
)
。
経営学教育での大学教授法序説1792 ) 教 育 に は あ ら か じ め メ ニ ュ ーを 用 意 す る こ と。3 ) 知 識 の 伝 達 に は ,そ れに 相応 し い 手 段 が あ る こ と。4 ) 知 識 の 伝 達 のた めに は , それ は系 統立 てら れ てい なけ れ ば な ら ない こ と。5 ) 関 連す る 知 識 につ い て 乱 そ の 関 連枝 につ い て 明 ら か に さ れ てい るこ と。6 ) 知 識 の 開 発 ・利 用 に つ い て時系 列的 な説 明が 付 さ れ て い るこ と。7 ) 知 識 につ い て は, そ れ が一 般 的 な も の であ る か , 特 定 化 さ れ た も のか 等 の利 用 ガ イドが 付 さ れ てい る こ と。8 ) 知 識 につ い て理 解方 法 と利 用方 法 につ い て の ガ イド が 付 さ れ てい る こ と。9 ) 対 立 的 知 識 につ い て の 解説 があ るこ と。10 ) 学 習 過 程 が シ ス テ ム化 さ れて い る こ と 。11 ) 学 習 過 程 に は 目標 か お る こ と。12 ) 学 習 過 程 には フ ィード バ ッ ク・シ ステ ムか お る こ と。13 ) 教 育 に は パ タ ―ン か お る こ と。14 ) 教 育 の パ タ ーン は , イタ ージ で認 識 で き るこ と 。15 ) 教 育 に は デ ータ ベ ースが 確 立し て い る こ と 。16 ) デ ータ ベ ー ス利 用 につ い て の 情報 技 術 が 導 入 さ れ てい る こ と 。17 ) 学 習 者 が 彼 固 有 の デ ニ タベ ースを 持つ こ と 。
2.
知識伝達 の準備
教育につい ての伝達的側面を ここで論ずるためにぱ,1 つ は,知識の伝達
を 情報システ ムの点から考えてみることと, その2 とし て,知 識の集積につ
い て検討し てみること,そして第3 の点とし て,受げ手 の立場 より検討する
こと,がまず必要である。
第1 の点か らは,伝達 のためのメッセ ージと伝 達のシ ステ ム設計,第2 点
で は,知識 の構 造化とそのフ ァイル,第3 の点 については, 情報 の理解度,利
用効果,とい う諸点が問題 とされることになるであろ う注3)
。 ここではこれら
の中から,知識 の構造化 とそ のファイ ルについて考え, 次節では メッセージ
の中味 とし ての メニューについて検討を加えて みたい。 そし て,この検討の
過 程からカリキ ュラム編成 への基本となる足 場を 明らか にし てゆきたい と考
え てい る。
1) 知m の伝達と媒体
伝達 には媒体を 選択し なくてはなら ない。 従来,教育てぱ音声 と文書 とが
よく使用 されてきてい る。 講義や読書会等でみかけるが, 現在では,OHP
や スライド,あるい はVTR
が併用 されるようにな り, 複数の媒体を 使用す
るこ とに よる伝達 の適 切性の増大 が計られている(図1 参照 )
。またさらに,
テキ スト学│青報通信技術 による方 法注4
) デ ータベ ースに よる方 法で, 伝達
手段は多彩 とな り利用効果 も多 角化されている。
図1 媒 体 の 選 択2) 伝達事項の把握
知識伝達につい ては,一 定の考え 方で分類 された事項別 の情報があ り, ま
たそれらの事項 には,伝達 の際,受け 手の理解の適切性を 考慮して,そ の順
① メ ニ ュ ー
② ガ イダ ン ス
③ 総
論
④ 各
論
⑤ 事
例
⑥ ま
と
め
→
図2 伝 達 事 項 の 分 類 と 順 序経営学教育での大学教授法序説181 序 ぶつけ ら れ るこ とに な る。 図2 は そ の一 例を 示 し た も ので あ る。 ノニ ュ ー は カ リキ ュ ラ ム表や 科 目ご とに 付 さ れた 講義 の概 要 とい わ れ る も の であ り, ガ イダ ン スは , 科 目 の 選択 条 件 , 科 目 の履 行条 件 等を 示 し た も の であ る。 ③ ∼⑥ は, 知 識 そ の も の の 区 分け で あ る。
3) 知識の区分
知識はある視点 よりみて,いくつか にこれを分類するこ とがで きる。専門
知識とい う知識がその一つ の例であ る。専門はその中で またいくつ かに分類
され区分される。 図3 はそ の例を抽 象的な図表示で表し たものであるが,知
識の伝達の際には,こ れを 適当な形 に情報化して通信す るこ とになる。 コー
ド化を進めれば,知談 贋報 の伝達 は,システム化を計 り易 くな り,伝達手段
の合理化を高 めるだろ う。
大 分 類i
中 分 類l
小 分 類
図3 知識情報の分類4) 知識レベルの区分・関連
知識の一つの集合は,これを 区分し ,また,その知識の集合の中味の関連
を みてみると,図4 に表わした よ うな関係とし て捉えることがで きる。そし
て,この ような作業 に よって,知識 の集合をあ る観点 より考え て, より完全
な集合 とし て整えるこ ともできる。図4 は,上位の知識は理論的 なレベルで
あ り,下位 の集合は技 法的 なもので,中位レ ベルに技術知識の集 合かお り,
「l |− − − 1 ・ − I − 「
-理
論
的
知
識
A
技 術 的 知 識
B
技 術 的 知 識
技 法1
技 法2
技 法3
技 法4
図4
知識のレベル例
それぞれ の関 係か ら集合の全体を形づく ってい るとい うこ とができる。
5) 関連枝について
知識に はそ れに関連する知識があ る。 関連知識は,取扱 う知識の元となる
ものや,取扱 う知識を援け る知識,あ るいはそ れよ り発 生的に展開する知識,
また,取扱 う知 識と分類上,対等の位置にあ る知識等 夕のものがあ る。した
がって,これ ら関連知識がどのような配列 になっているかを図5 の ような表
し方 で捉え てみる必要かおる。この場合, 関連枝ご とにそ の関連の意味を付
されば なら ない。
図5 知 識 の 関 連 枝経営学教育での大学教授法序説1836} 知識の成長 知識 は , そ の元 に な る考え 方 や 原 理 , 技 術 等 の発 展 , 環 境 の 変化 , 経 験 の 拡 大等 に よっ て 次 第 に増 大し, 成 長発 展す る も の で あ る 。 そ し て, こ の成長 発 展 を図6 の よ うに描 く こ とが で き る。 知 識 は,a … …n とい っ た理 論 や技 術 等 々の も の に よ り,時 系 列 的 な中 でそ の成 長 図 を 示 す こ とが で き る。そ こ で 伝 達さ れ る知 識 の時 間的 成 長発 展 の前 後 関 係 にそ の過 程 で0 位 置づけ を 明確 にし てお く こ とが伝 達 条件 の 一つ と考 え ら れ る。 知 識 の 発 展 図6 知識の成長発展
匹 )
時 間7) 派生的知識について
\
知識は前述し た ように元になるものと元の ものから派生し ,さら に派生的
に発展し た もの とがあ る。し たがって,あ る知 識を 獲得する と,そ の知 識の
位置づけ が 明らかであ ると,その関連から, 未獲得の知 識の存在が推測され
る。また,未知のものの検討の中から,原理的 な拡張や 未開拓の理論・技術
・技法が明らか となり,研究開発の方向を握か にも役立つ。知識の伝達 と理
解は,新し い知識への展開の可能性を生か ことになる。
8) 知識伝達とその方式化
伝達 には,知識開発の方式 によって いくっ か のスタ イルがあ る。研究 ・教
育 の側面 で よく採用 されるの昿
文献研究,事 例研究, モデル研究,実証研
究 といった方式 であ る。これら の方式 には,図8 に示す ように理論研究スタ
知
識
伝
達
の
考
え
方
図7 派 生 的 知 識 の 展 開 理 論 研 究 情 報 シ ス テ ム 八 支 援 型 ・心 j i k F −⇒
文 献 研 究・事 例 研 究モ デル 研 究・実 証 研 究 Jk − − j 1 k 「 事 実 研 究 図8 伝達の方式化と支援システムイル と事実研究 (分析) スタ イルのものが上下的 関係で位置し ている。そこ
で これら研究スタ イルを前提 とし ながら知識伝達 の方式を択 ぶこ とになるが,
この場 合,知識 デ ータ・ベ ースか らのガイド的な支援技術を 利用するこ とが,
効果的 である○
以上,知識伝達 に当って,あらかじめ準備しておく研究 事項を 解説し たの
経営学教育での大学教授法序説185 で あ るが , こ こ に指 摘し た 事 項 は , 教 育 とい う立 場 から の知 識 伝 達 の方 式 ・ 方 法を 情報 通 信 とい う考 え 方 か ら アレ ン ジし た もの で, 広 い 意 味 で の知 識 伝 達 におけ る一 般論 で は な い 。 そ の限 りで は , 情 報 通 信的 アプa − チ に よる 知 識 教育 とい うこ とが で き よ う。 そ し て, 今 日の大 学 教 育 , 特 に文 系 の社 会科 学系 列 の 教育 環 境 では , そ の 社 会 背 景や 基 盤 の変 化 とそ の変 化 の速 度か ら みて , こ の よ うな 考 え方 や 技 術 の導 入 は, 必要 不可 欠 な も の と な りつ つ あ る とい え る。 つ ぎ に こ の序 説 で は, 知 識 伝 達 に おい て重 要 な方 法 の 一 つ とし て の教 育 メ ニ ューにつ い て 考え て みる こ と に す る。 教育 メニ ュ ーは , 俗 語 的 言い 方 で あ る が, 教育 に つい て ど の よ うな知 識 が , ど の よ うな 考え 方 で , ど の ような 順 に 用意 さ れて い る のか , そ し て そ の 特 長 は ど こ にあ る の かを 示 し た も ので あ る。 大 学 では , 履 修 要綱 , 履 修 要 覧 , 学 生 便覧 , 講義 要綱 ,( 以下 こ れ らを 履 修要 覧 等 と表 示 す る) とい っ た ブ ッ クで 取 り扱 われ て い る 。
3.
経営学教育のメニ ュー
経営学教育につい てここで検討する場合, まず経営学 とい う科目では,何
を メニューとして盛 り込む か とい うこ とが問題 となる。これ までの教育で は
洋 書とい われる文献の中 で経営学関係の文 献を択 び,教材 とし て適合してい
る と思われるものを 講義の柱にすえて,教育 メニューを作 り上げ るとい う方
法が採られたこともあ る。択 らばれた文献 の多くは,欧 米の大 学におしヽて, 経
営 学関係講座で使用されてい る ものであ るo
そ の故に, わが国で著述され
た その後の経営学教科書は,ほ とんどが輸入学問であ づて,1970 年代以前は,
これらの考え方や技術の消化に多 くの時 間を費してい たのが実情である。
今日では,そ の当時の影響 もまだ まだ残 ってはいるか, 次第に実践 と実際
を ふまえ た経営学へ と歩き出している。 現状の一端を履 修要覧等から拾 い出
し て検討し てみよう。
1) 「経営学」
「経営学基礎論」メニュー
経営学教育の手始めは,経営 学につい ての入門,概論 とい われる知識伝達
から始まるのが一般的な パタ ーンであ る。 ここでは,1
・2 年 次用 に設け ら
れ た経営学の入門的講義 科目の講義概要に 目を通し てみ よう。
ここで のキ ーワードは,企業,株式会社制 度,経営 ,経営 者,組織,戦略,
経営 管理 , 管 理 行 動, 企 業 成長 , 経営 学 研 究 の方 法 とい っ た も の であ る。 経 営 学 基 礎論 教 授 伊 賀 隆 経営学に。興味をもってもらうこと, そして経営学的な考え方 を身にっけてもらうこ とを目的として, 次のような順序でし ゃべるつもりです。I いま,なぜ経営学なのか。経営 社会はどう変ってきたか。 経営学者は何を見た のか。H 必要悪 としての組織。権力 と権限と権威。組織 の寿命は?m イ可が「やる気上を起こさせるのか。さまざまな帝王学。 葛藤 と紛争は組織の宿 命か。 Ⅳ 過去と未来とのはざまで。成功の本質と失敗の本質。 危機にど う対処するか。v 日本的経営 の前途。非営利企業 の役割。世界企業の登場。 〈神戸大学経営学部〉 経 営 学 教 授 清 水 龍 螢 本 講 義 は , 企 業 成 長 の立 場 か ら 経 営 学 を 講 ず る も の で あ る 。 こ の 経 営 学 は , 実 践 性 を も ち な が ら し か も 同 時 に 科 学 性 , 論 理 性 を も つ こ と に よ っ て 現 代 日 本 の 企 業 経 営 現 象 を よ り深 く 考 え よ う とす る も の であ る 。 モ の 基 本 的 命 題 は 次 の よ うな も の であ る。 企 業 の 利 潤 の 源 泉 は 人 々 の 創 造 性 の発 揮 に あ る 。 こ の 創 造 性 が 利 潤 を 生 み , 企 業 成 長 を 促 進 す る 。 ま た 企 業 経 営 の 軸 は 製 品 戦 略 で あ る 。 現 代 企 業 勿 製 品 戦 略 の中 心 は 安 定 製 品 の コ ス ト ダ ウ ン と 新 製 品 ・ 新 事 業 開 発 の2 つ であ る 。 前 者 は 経 営 者 の 管 理 者 精 神 で , 後 者 は 企 業 家 精 神 に よ っ て 支 え ら れ る 。1 現 代 企 業 の性 格 ,2 企 業 成 長 と 日 本 の 特 質,3 ト ップ ・ マ ネ ジ メ ン ト,4 製 品 ,5 組 織 ,6 財 務,7 経 営 関 係 ,8 経 営 学 研 究 の た め の 方 法 論 〈 慶 応 義 塾 大 学 商 学 部 〉 経 営経 済 学 総 論 教 授 山 田 珠 夫 「経営」とし て,現 在の日本の大企業 の経営を財務的観点から取り上げ る。 大企業は, そ の必 要とする巨額の事業資本をどのようにして調達し ているのだろ う か。すぐに思い浮かぶのは銀行や株式市場や社債市場であるが, それらと企業はどの ような関 係にある のだろ うか。 そして,そこでの関係から,企業 の経営 の在りかたに 対してどのような影響が及ぶのだろ うか。 このような問題に答えてゆくためには,企業の経営を, それに資本的枠組を与えて
経営学 教育で0 大学教授法序 説187 い る株 式 会 社 制 度 の観 点 か ら 考 察 す る こ と が 必 要 と な る 。 そ こ で, 本 講 で は, こ れ か ら 本 格 的 に 経 営 学 ・ 経 済 学 を 学 ぼ う とす る 者 の た め の 予 備 的 知 識 の 提 供 を も 目 的 とし つ つ , 日 本 の 株 式 会 社 を め ぐ っ て 現 在 生 じ て い る 様 々 な 問 題 と問 題 点 に つ い て 解 説 し , そ れを 通 じ て 現 在 の 日 本 の 株 式 会 社 の 基 本 的 性 格 を 考 え て み る こ と とし た い 。 〈 名 古 屋 大 学 経 済 学 部 〉
経 営 学 概 論
授
授
教
教
一 吉 久 元 村 葉 奥 稲I
経営の事例1
私企業の事例2
公企業の事例
上l
皿 経営の史的展開
Ⅲ 経営学の方法と体系
ご1
径営理論と経営政策論2
経営理論の認識の立場3
経営理論の機能4
経営学の体系IV
国別の経営学とその問題点1
アメリカ経営学2
ドイツ経営学3
日本経営学4
経営学の問題V
企業の環境と制度I
企業の環境一 経済的,技術的,社会・文化的,および政治的-2
企業の制度3
企業の経営者と利害者集団VI
企業の構造と職能1
企業の構造2
企業の過程化職能3
企業の組織化職能
Ⅶ 企業職能のトリr=2
ジー1
マーケティング2
生 産
経 営 教 授 岡 本 康 雄 講義の概要・目的 本講義は,経営研究の基本的課題,すなわち企業 の行動メカニズムを, 企業環境 と の関連において,多 角的にあきらかにし, 最終的に現代企業の構造と機能を解明する こ とを目的とし ている。この観点から以下の様なサブテーマを とりあげる予定である。I. 経営研究の方法 (1) 経営研究の回顧と展望 (2) 行動論的アプロ ―チと体系論的アプローチ (3) 基礎概念rr. 企業0 意味 (1) 企業の伝統的理解 (1) 企業の経済活動と協働活動 Ⅲ。企業の成立(要件) (1) 所有 と会社企業(2 ) 協働体系 の必要 と発展 (3) 企業における雇用関係の特質IV. 現代企業 の全体像 (1) 現代株式会社における所有と経営の分離 (2) 企業目的 の多 様化 と企業 行動 (3) 企業環境 とそ の内部化 (4) 企業資源の固定性 (5) 企業 の適応 と成長V. 現代企業 と社会VI. 経営戦略 (1) 企業環境と経営戦略 3 456 会計と情報 業の戦略 と 企業の戦略 計画設定
務
事
財
人
研 究 開 発 皿 企 業 の 戦 略 と管 理 1 2 〈 横 浜 国 立 大 学 経 営 学 部 〉経 営 学 教 育 で の 大 学 教 授 法序 説189 ('^) 経営多角化戦略 (3) 競争戦略 と機能別戦略 Ⅶ. 経営組織と管理行動 (1) 経営・管理行動の役割 (2) 管理行動の組織化 (3) 管理機構の諸形態 (4) 作業機構の諸形態 (5) 小集団とリーダーシップ (6) 経営組織の動態と経営環境 可。企業 の業 務活動の展開と管理 バ1) 購買・製造・販売・財務・労務の各業務活動間の相互関連 (2) 生産様式と生産管理 の展開 (3) 労働市場 と労務管理 (4) 市場環境とマーケティン グ (5) 資金市場の財務管理 Ⅸ. 企業集団 と多国籍企業 (1) 古典的企業集中の諸形態 (2) ゴング= マ リット (3) 日本の企業集団(4 ) 多国籍企業 と国際経営 〈東京大学経済学部〉 以 上, 紹 介し た 若 干 の 例か ら 理 解 で きる よ うに ,2 つ の タ イプ が あ る。1 つ は, 企業 とは 何 か , 経 営 と は何 か , 経営 者 の役 割, 戦 略 の必 要 性 とい っ た 点 から ,経 営 学 に 興 味 を 持 た せ る こ とを 重 視し た 教育 を 採 用 し て い る タ イプ であ る。 他 の1 つ は , 経営 学 の 方 法 論 , 学 説 から 体系 を 概 説 し , 企業 論 , 経 営 管 理論 の 入 門 的講 義 へ と展 開 し て ゆ あ タ イプ であ る 。 こ こ で は , ど の タ イ プ が 優れ てい るか とい うこ と には 関 係 な く,経 営 学を 学 ぶ 者 に対 し て ,何 を 知 識 伝達 とし て 重 要 と考 え る か , そ し て 入 門部 分 で は, 何を 与 え て お くべ き か とい う 入門上 の知 識 集 積 の 過 程 論 が 検 討 され ねば な ら ない 。
2)「経営総論」のメニュー
ということから 考え てくる と,入門 から一歩踏み込 んで,経営学そ のもの
の総論的講義につい て検討して みる必要かお る。ここでのキーワ ードを並 べ
てみ ると,経営学の本質,企業 の指導原 理,戦略論,組 織, 管理,人間関係
そして最近 では,日本的経営,経営比較,国際経営, またFA
,0A
とい っ
た先端技術関 係と企業経営等々があげ られる。
これらの キーワードから,経営学総論 の内容についてそ の輪 郭を伺い知 る
こ とがで きるのであ るが,講義担当者の専門領域が メ ニューに反映して,一
般的概説部分の組み立 は同じであっても,財務管理分野 ,生 産管理 分野,労
務管理分野等の専門畑の違い から各論的 組み立て方 は必 ずし も同一ではない。
むし ろ ここにその特色,特長といわれるものが出ている といえ るムつぎに,
具体的に メニ ュー例をあげ てみよう。
十
経 営 学 総 論 教 授 経営学全体にわたって,大切と思われる事項を広く取 り上げ, 勉強する各論 の領域へのよき導入部となるよう講義する予定。1. 経営管理2. 経営学の本質3. 各国の経営学4. 経営者 し5. 経営職能6. 経営組織7. 生産とその管理8. 労務とその管理9. 国際経営 経 営 学 総 論 教 授 経営学おるび企業についての基本的理解を得ることを目指す。 りである。1. 経営学 の発展2. 経営学 の課題3. 国民経済と企業4. 企業 の諸形態5. 企業 の資本と経営6. 企業 の指導原理 村 松 司 叙 このあと学生諸君が 〈 成 蹊 大 学 経 済 学 部 〉 万 仲 脩 一 内容は凡そ,次の通7。 企業管理の諸問題 経 営 学 教育 で の大 学 教 授 法序 説191 〈 神 戸 商 科 大 学 〉 経 営 学 総 論 教 授 十 川 広 国 本講義の目的は,経営学 の知識や考え方について平易に論じながら, 現代の企業経 営の実態を理解・分析するための基礎を修得するところにある。 具体的な講義内容は ほぼ次のような順序で行われる。1. 経営管理の本質2. 経営思想の展開3. 経営戦略と意思決定4. 経営組織5. 財務分析6. 日本的経営の特質7. 経営の国際化8. 経営比較 〈慶応義塾大学 商学部〉 1. 2. 3. 4. 5 経 営 学 総 論 教 授 野 口 祐 経営学とは何かー その方法論的考察一一 企業形態変化のメカニ ズム 企業管理の特質 経営管理の展開一 典型としてのアメリカ・西ドイツ・フラン ス・日本の 特殊 性一 現代経営組織論の性格 〈 慶応義塾大学商学部〉 経 営 学 総 論 (2 年) 教 授 林 昭 現代の企業 と企業経営について基礎的・一般的知識を修得し, 経営学の各論に進ん でい くための前提となる講義をする。1. 企業 とは何か,企業はど うし 七成立してきたか,企業 の組織形態, 集中形態と その特徴について考える。2. 現代企業の性格と特徴,現代は大企業の時代といわれ, 企業は社会的責任を負 う時代になってい る。 企業を支配し 運営しているのはもはや大株主ではなくて専 門経営者だといわれる。はたして大企業は変化したのか。 日本の六大企業集団 の −
実 態 は ど う な っ てい る か 。 こ れ ら の 問 題 に つ い て 考 え る 。3. 現 代 企 業 の 管 理 , 企 業 管 理 の生 成 ・ 発 展 ,い ま 進 め ら れ て い る 大 規 模 な合 理 化 , 日 本 的 経 営 の変 化 な どを ど う考 え た ら よい か な ど に つ い て 考 え る 。2 年 次 で うけ た 経営 学 総 論 の 識 義 に つ い て ,ま ず そ の 要 点 を ま とめ 最 初 に 講 義 す る 。 そ の上 で 今 年 は 現 代 日 本 の 企業 と企 業 経営 の諸 問 題 を つ ぎ の 各 項 目に つ い て 考 え た い 。1. 転 機 に 立 つ 世 界 と 日本 の 経 済2. 経 営 経 済 学 の 現 代 的 課 題1 ) 現 代 企 業 の 構 造 と 特 徴2 ) 現 代 企 業 の管 理 構 造3. 技 術 革 新 の下 で の企 業 と 労 働1 )FA,OA 化 と現 代 企 業2 ) 技 術 革 新 と企 業 労 働 〈 竜 谷 大 学 経 営 学 部 〉 経 営 学 総 論 教 授 坂 井 正 廣 私たち のクラスは「再履修者クラス」と呼ばれている。このことは, 受講生は既に 経営学総論を学んだこ とのある人びとであるとい う前提を意味してい ると 私は考えて いる。 それ故, 経営学の 上級クラスとして, 組織の理論 と管理 の理論をケース分析 を中心 としつつ径営学の一 生産・労務・販売・事務・組織・ 財務などの一一 基礎的 諸問題を一緒に考えていきたい と思ってい る。 ①ケース分析, ②ペーパーの 提出, ③ケースの作成などの作業は単位取得の必要条件とな る。 人数が余 り多くなければ英 語のテキストを使用したい と考えてい る。い ずれにせ よ,仕事 と生活, 仕事と責任, 仕事 と権威な ど具体的問題から実践の理論化と理論の実践化を志 向しながら, 講義と ケース討論を両立させていきたい と願ってい る。 〈青山学院大学経営学部〉 経 営 学 総 論 〔白 山 〕 教 授 島 袋 嘉 昌 本講は近代的企業活動に対応できるところの企業内の経営に 関する専門的研究を中 心的なねらい としている。とくに日本的経営の特質を明らかにし, さらに学生諸君が 将来国際化時代に適応できるように配慮し ていきたい。 (1) 序説…経営的生産の史的展開 (2) 経営管理 の特質(成行管理,課業管理,同時管理→現代的経営管理) (3) 企業 経営 と労使合意決定 の特質 (4卜 日本的労使協議制の特質 と問題点
経 営 学 教 育 で の大 学 教授 法 序 説193 (b) 経営民主化と労働者の経営参加 (6) 労使合意決定の経営学(7 ) 結 〈東洋大学経営学部〉 ところ で,履 修 要 覧 等 の も の に 掲 載 さ れ て い る 講 義概 要は , 一 応 の メ ニ ュ ーで あっ て , 必要 に 応じ て メ ニ ュ ーは 変 更 さ れ た り,あ るい は 新 し い 事項 が 付 加 され た りす る であ ろ う。 特 に最 近 の 傾 向 とし て 国際 化 , 情 報 化 , 日本 的 経営 風土 の 特色 等 の点 が加 わ り, そ れ ら の 視点 か ら講 義 内 容 の 組 み 立 て直 し も 考え ら れ てい る。 し かし 問 題 とな る のは , こ れ まで の 経営 学 教育 で扱 っ て きた 企 業 は ,第2 次 産 業が 主 で あ っ て, 今 日, 第3 次 産 業 , あ るい は第4 次 産業 な ど の 著し い 発 展 の下 で は ,内 容的 に 不 充 分 の とこ ろ もあ る。 つ ま り, さ ら に踏 み込 ん だ 研 究 を基 とし た 教育 が 必 要 な の で あ る。
3)「経営学原理」のメニュー
経営学総論 と経営学原理の講義 は, これを 同一視している ところ と,総論
を1 ・2 年 次対象,原理は3 ・4 年 次対 象とし て区別し ている ところ とがあ
る。原理は経営学の原理を 研究する講義 科目 と理解する と,初級は総論,上
級向け は原理 とい うこ とになる。 メニ ューについ ての例をみ よう。
経 営 学 原 理
教 授 経営学の前パラダイム期,パラダイム形成期,パラダイ ム期, タイム論争期」の論議を中心として,次の項 目について述べる。 1 2 3 鈴 木 英 寿 さ ら に 今 日 の 「 パ ラ 経営学の国際的系譜 組織学説 組織理論の分類,組織編成 の理論,行動科学的組織理論,組織変革 の理論 経営経済学説 計算制度の理論,経営 の経済理論,意思決定の理論,企業 の理論 〈早稲田大学商学部〉 経 営 学 原 理 教 授 対 木 隆 英 本年の経営学原理は,企業の理論(制度論的企業論)を前半で, 社会的責任の問題 を後半でとりあげる。前半で,現代的企業 の成立や企業の変化を 目的論, 構造論を通し て 述 べ, 後 半 で, そ れ に 伴 っ て確 立 し て く る 企 業 の 社 会 的 責 任 の 意 味 と 内 容 に つ い て 論 及 し な が ら , 現 代 企 業 の 将 来 展望 を お こ な う。 〈 成 蹊 大 学 経 済 学 部 〉
経 営 学 原 理
教 授 田 島 壮 幸 本年度は,お よそ下記のような項目について講述する予定である。 ① 経営学の対象 と課題 ② 市場経済体制下の企業 ③ 株式会社企業の特質 ④ ⑤ ⑥ ⑦ 「 資 本 と 経 営 の 分 離 」 と 企業 の 目 的 企 業 の 生 産 活 動 の合 理 化 企 業 活 動 の 合 理 化 と 企業 の 組 織 企 業 活 動 の 合 理 化 と市 場 経 営 学 原 論I 企業制度と経営者主義1 企業 と組織体2 経営者 と株主 との関係3 企業 の消費者保護4 企業における公害防止管理5 企業 の概念上の基盤n 企業の経営 者理論1 企業の経営者理論2 経営組織 と企業行動3 経営情報 と企業行動4 経営者の自由裁量モデル5 企業存続モデル Ⅲ 経営者経済学1 科学と規範2 企業 の営利主義 と社会的責任3 経営者経済学の性格4 利 潤 〈 一 橋 大 学 商 学 部 〉 教 授 奥 村 悳 − 〈 横 浜 国 立 大 学 経 営 学 部 〉丿 卜経営学教育での大学教授法序説195
この科 目の場合,年 ご とに課題を変え て,企業本質論 ,企業環境論丿 経済
社会と企業,企業 行動論 とい った研究分野から,高度な研 究成果 が知識化 さ
れ る。したがって,知識伝達用 めテキストについて 乱
それらの講義内容 と
の関連でバ ラエ テ ィに富んでいる。
原理のテキ ストの中 で,特 にこれまで特色のあった もの としては,山城 教
授(現創価大学経営学部 教授) の経営学原理(白桃書房刊
昭41 )があ る。
この著書では,経営学 の生成 ,マネジメントの思想,企業 体制,経営 と管
理,マネジメント と計画,組織, コントcr ール等の諸事項が盛 られ,中で も
“経営体”理論 の展開は,原理書 とし ての大きな特色を なし てい る。 この よ
うないわゆる思想 ・構想を 背景 とした指導原理書 乱 こ こで扱わ れる講義 メ
ニューの一つのパ ターンであ るといえるが,この他に, 組織科学, システム
科学,情報科学 との強い関連で構成されるアプp ―チも重 要であるし ,また,
経 済社会におい ての企業j カ ニズムの解明, 社会体制 と企業制 度の比較研 究,
とい う分野も原理 書の特色を形 づ くる側面であ ると考えられ る。
そして,知識伝達 とい う観点 よりみる と,入門的講義 のそ れ と異な り,原
理 的講義は,そ の難解な点,優 れて特色のある点,思想と技術 の点 等につい
て,他の説や 他の知 識情報 との違ト を明確にする伝達方 法も欠かす ことは で
きない。 このために, デ ータベ ース技術の支援を 必要 とする。
4) 「経営管理論」のメニュー
経営管理論 の科 目は,総論 や概論 と並 んで,経営学教育の中核的 存在の科
目 といえる。この科 目は,初級的 内容で配置されてい る もの と,上 級的内容
で考えられてい るもの とがある。径営管理とは何かを 理解し てもら うことに
重点をおい てい るものは前者であ るし ,経営管理研究あ るいは 実践におい て,
最近特に重視されてい る課題 や新傾向の問題を中心に取 り上げ てい るもの,
また,そ れらを 講義の一 部で扱ってい るものは,後者の例 となる。
そして,文献 ・資料を ブ ッ クの形だけ ではなく,各種媒 体を 駆使して伝達
す る方法も次第に重 要 とたってお り,さらに事例研究や モデルの使用,実際
例の研究とし て,調査等 の方 法も採 用されてい る注6
)
。しかし,そ こで使用 さ
れる材料が, 講義にマ ッチし たものであ るかど うかが,知識伝達 の効果を左
右する。 メニュ ー例を みよ う。
経・営 管 理 論 教 授 中 橋 国 蔵 経営管理 とは何かを簡単に考察したあとで,主要な経営管理問題について, できる だけケー スをまじえながら講義したい。 受講生各自がテキストを読んできていること を前提とする。学生からの質問をめぐる議論を中心に 講義をすすめ ることができれば よい と考えている。1. 経営管理の主要問題2. 経営戦略3. 経営組織4. 組織過程5. 管理システム6. 組織文化< 神戸商科大学〉 経 営 管 理 論 教 授 友 安 一 夫 経営管理論は,元来,仕事組織におけ る管理者の行動原則となるべき 知識の体系と して発達してきた。し かし環境の激変 にともなってこれからの経営組織では, 管理者 であ るとないとにかかわらず,自分で仕事を管理し, また任務や専門を異にする多く の関係者だちと有効なチームワークを 組んでいけるこ とが必要になる。 今年 度の講義では, このような新し いマ ネジメントがどのように形成されてきたか を考慮す る。 しかしあ まり多くの構成要素に力を分散して平板な知識 の羅列とならな い ように,そ の重点を「組織と管理者」の関係におい て, それを中心 としたマネジメ ント の重要問題に焦点を 絞って,なるべく具体的な解決となるように説明していく。1. 管理組織の発達2. 管理機能と管理者行動3. 組織構造 と管理人材4. 環境激変に対応する組織 と人材の革新 〈日本大学商学部〉 経 営 管 理 論 教 授 影 山 喜 一 「 国際化のなかの企業経営の理論と実際」 第二次世界大戦後,もっとも深刻な不況を迎え, あらゆる国々が経済運営に苦心惨 惟する。ずっ と優等生を自認してきた日本の企業 と官庁 も例外ではない。 そ ういった 状況を背景 とし て,経営学はあらだな対応を迫られつつある。OHP やビデ オとい った視聴覚機器をできるだけ 多 く使いたい。 前半を オーソドッ
経営学 教育での大 学 教授法序 説197 ク スな 学 説 史 と理 論 の紹 介 に あ て , 後 半 で 代 表 的 実 証 研 究 の成 果 に 依 拠 し た 各 論 を 手 掛 け る予 定 で い る 。 ト 〈 東 京 経 済 大 学 経 営 学 部 〉 経 営 管 理 論 教 授 渡 辺 峻 現 代 企 業 に お け る 労 働 ・ 組 織 ・ 管 理 の諸 現 象 ( な ら び に そ の 理 論 ) を , 経 営 経 済 学 の 諸 命題 に 即 し て 把 握 し , そ の 歴 史 的 経 済 的 特 質 を 究 明 す る こ と が , 社 会 科 学 とし て の 「 経営 管 理 論 」( 企業 管 理 論 ) の 目 的 とい え る 。 講 義 の 重 点 は, ① 現 代 企 業 管 理 の 構 造 的 特 質, ② 現 代 企 業 管 理 の 具 体 的 実 際 を 担 う管 理 ・ 事 務 労 動 者 , ③ 企 業 管 理 の諸 理 論 の 特 質 , で あ る 。 第1 部 「 現 代 企 業 管 理 と 管 理 労 働 」 第2 部 「 企業 管 理 の 諸 理 論 」 ①「 管 理 論 」 の 動 向 と 「 科 目 の性 格 」 ⑦ 伝 統 的 管 理 論 と そ の 特 質 ②管 理 職 労 働 と そ の 手 段 お よ び 組 織 ⑧人 間 関 係 論 と そ の 特 質 ③企業 管 理 の 基 本 構 造 と 管 理 労 働 ⑨ 現 代 管 理 論 と そ の 特 質 ④管 理 職 労 働 者 の 位 置 と 状 態 ⑩ そ の 他 ,「 経 営 管 理 上 に 関 す る ⑤過 渡 期 の 企 業 管 理 と 管 理 労 働 時 事 的 諸 問 題 ⑥OA と ホ ワ イ ト カ ラ ー 労 働 者 以 上 は, 一 応 の め や す で あ り , 時 間 配 分 の 都 合 で , 若 干 変 更 す る こ と もあ り うる 。 テ キ スト とレ ジ メ を 中 心 に 進 め る が ,「 ノ ー ト 講 義 」「 板 書 」「 資 料 配 布 」「 ス ラ イ ド 」 「 テ レ ビ ・ ビ デ オ 」 な ど , 多 様 な の で 注 意 さ れ た い 。< 立 命 館 大 学 経 営 学 部 〉 経 営 管 理 論1. 経営管理論の展開 (1) 経営計画論の発展 (2) 組織内の人間問題 (3) 組織構造 設計の発展と課題 (4) マネジメント・コントロールの性格2. 経営情報システ ム論 ゛3. 戦略的経営論 教 授 関 口 操 〈 慶 応 義 塾 大 学 商 学 部 〉
経 営 管 理 論
教 授
車 戸 上
実
経営管理論は,とくにアメリカで発達した学問であり, 企業のManagement
ない
しManaging を 取 扱 う。 し た が っ て , こ の 講 義 の 内 容 は 以 下 の も の と な る で あ ろ ‰ マ ネジ メ ン ト 思 想 の 歴 史 的 考 察 , マ ネ ジ メ ン ト の プ ロ セ ス, 意 思 決 定 の 意 味 とプl==・ セ ス, 組 織 に お け る 意 思 決 定 や 特 質 , 計 画 化 の 本 質 , モ の 種 類 と 体 系 , 組 織 化, 責 任 と 権 限, コ ン フ リ ク ト の 問 題 , ト ッ プ マ ネジ メ ン ト とそ の 責 任 , 近 代 的 組 織 論, 動 機 づ け の 理 論 , 経 営 参 加 , 統 制 お よ び モ の 技 法 , マ ネジ メ ン ト の 将 来 な ど 。 犬 〈 早 稲 田 大 学 商 学 部 〉 経 営 管 理 論 講 師 柴 田 悟 ― 単に学説を追りのではなく,現実の経営管理問題を記述することを課題とする。 経 営管理問題は多くのものを数えることができ, それへのアプローチも種々存在する。 本講では次のような内容を取 り上げる。 ①組織の構造的側面, ②組織の 人間的側面( モティベーション・リーダーシップ), ③経営戦略,④組織の統合問題。 以上 の問題を現実の日本企業を例に とり,できるだけ身近なものとして考えていく。 アプローチとしては,行動科学的,条件理論的方法論を採用する。 〈横浜国立大学経営学部〉 経 営 管 理 論 非常勤講師 小 松 陽 。一( 甲南大学経営学部教授) 経営管理論の展開を学説的に 講義す る。 ①古典派経営管理論, ②人間関係学派, ③Barnard 理論, ④Simon 理論,⑤コンティンジェソシー・セオリー, ⑥ネオ・コソ ティンジェンシー・セオリー,⑦最近の研究動向。経営管理論の主要な概念, 命題, パラダ イムの学習・理解をめざして, できるだけ平易に,事例を まじ えて講述する。< 関西学院大学商学部〉 経 営 管 理 論 教 授 飯 野 春 樹 変化する環境のなかで経営システ ムの均衡を維持して, その長期的存続をはかる管 理 の機能を,組織理論に即して総合的に解明す る。 〈京都大学経済学部〉
以上 のメニューの中で注 目されるのは ,VTR
等の新 しい手段を利用する
傾向か=出てい る点であ る。
しかし,注 意し なけ れば ならない のはノOHP
やVTR :等の機材を使用す る
際 に,受 講者の数を考慮しなけ ればなら ない こ とであ る。30り50 人程 度のも
のと,・
・100人 ∼200人程度の ものを 考えた場合 ,0HP
は前 者でVTR
は前者
経営学教育での大学教授法序説199 を 含め て後 者 の 場 合 で も活用 し うる (大 型 プ ロ ジ ェ クタ ーの 利 用 を 前 提 とす る)。 また , あ ら か じ め クラス の 構成 をい くつ か の 班 に 分 け て , 課 題研 究 方 式 を 導 入す る こ と も一 案 であ る 。講 義 自 体が 科 学 的 に管 理 さ れ るこ とが , 実 用的 マ ネ ジ メ ン ト 教育 の 今 日的 課題 とな っ てい る か らで あ る。 この科 学 的 に管 理 され た 教 育 とい っ た場 合 に は , まず 教 育 内 容 がっ ぎ の よ うな知 識 伝 達 区 分 を 持 ち , 同時 に伝 達 プ ロセ スに は フ ィ ード バ ッ クル ープ を 設け て, 伝達 内 容 の 正 確 な 学習 過 程を 実現し なけ れば な ら な だ ろ う。a ) 一 般 的 ・共 通 的 知 識 ( 理論 ・考え 方 )b ) 特 定 的 ・理 論 的 知 識 (理 論 ・考え 方 )O 一 般的 ・共 通 的 知 識 (技 術 ・技 法)d ) 特 定 的 ・ 技 術 的 知 識 (技 術 ・ 技 法)O 事 実 ・事 例 につ い て0 知 識 ∩ 関 連 知 識g ) 上 記 諸 知 識 を 利 用 す るた め の 知 識
4.
生産管理の講義と傾向
経営管理 は,全 般管理 と部門管理とに分れる。部門 管理は,財 務,購買,
生産,販売,人事,技術等 々の管理部門に分けて研究す るのが,伝 統的経営
管理論であった。そ の後,組織科学の発達や マーケテ ィン グの強化,研究開
発の重視,情報技術の影響等が,きわめて顕著な事実 となって, 経営管理論
め講義におい ての知 識伝達 乱 これら0 知識を加味するご とに より,いろい
ろ と変化し てきている。
本稿では,そ れら の変化を生産と情報 とい う側面 で検討し て,経営学教育
が,21世紀に向け て どの よう な煩向を辿るであろ うか, また, どのような知
識伝達が必要であ ろ うかを考え てみたい。 材料の一つ に, 数大学の履修要覧
等の講義概 要を メニュー例とし て参照しつつ話を運ぶこ とにす る。
ところで, この節でぱまず生産管理論を取 り上げ るのであ るが, この分野
は生産技術の革新 のみなら ず,情報技術 の進歩にも影響されて,生 産システ
ムや技法も著しい発展を遂げてい る。そこで,個 々の生 産シ ステ ム,生産工
程を包含す る全体のシ ステムの変化や個 々の生産技術 とそ れらを包含すると
ころの生産技術 体系 ,そし て管理技術などの変化 とその現況 につい て,第1
次産業以来,今 日ま での流れを考える。 また生産の技術の 革新 に加えて他方
で は,これらの シス テ ムを設 計し管 理す る ところ の技術を含 み,そ の基礎 と
背景を なす理論・考え方を 柱として, これらを どのように知識化す るかを 講
義 タ ニ
―の中で検討し なけ れば なら ない 注7)
。
た とえば, テ ィラーシステ ム, フ ォードシ ステ ム,そして最近の多 種少量
生産方式 などを解説し ながら, 最新型 とい われるFMS,
あるいはFA
等を
考察し,そのもとを なす技術の特長 と問題 性を 検討す るとい うのが,一つ の
パターンのよ うであるが, これらの中軸 の知識に,何を加味した知識化か行
われているかが, メニューの特 色 と多 くのパタ ーンを生かことになろ う。
生 産 管 理 論 教 授 向 井 武 文 「 生 産 管 理 論 の 根 本 問 題 」 企 業 の 活 動 は , 過 程 的 に は 財 崔 購 買 , 労 務 , 生 産 お よ び 販 売 の 五 つ の 機 能 か ら 成 り立 っ て い る 。 生 産 管 理 論 は , 狭 義 に お い て は こ の うち 生 産 機 能 の 合 理 的 な 形 成 と 維 持 を 中 心 課 題 とす る 企 業 管 理 論 の 中 核 で あ る 。 今 年 度 は , 次 の問 題 を 中 心 に し て 講 義 を 行 な う。(1)テ イ ラ ー ・ シ ス テ ム の 社会 的 背 景 ,(2)テ イ ラ ー ・ シ ス テ ム の 本 質,(3) フ ォ ー ド ・ シ ス テ ム と 生 産 の 自 動 化.(4) フ ォ ー デ ィ ズ ム と企 業 の 社 会 的 責 任 , ㈲ 企 業 の 変 質 と 新 し い 指 導 原 理 。 〈東 京 経 済 大 学 経 営 学 部 〉生 産 管 理 論
教 授 門 田 安 弘( 筑 波 大 学 社 会 工 学 系) 日本企業 の生産管理システ ムを講義する。 レJIT 生産システ ムの体系2. かんばん方式とかんばん枚数の計算公式3. 基本生産計画と部品納入内示計画(販売業者・メーカー・部品業者の 情報ネッ トワーク)4. 平準化生産と製品投入順序計画の数学的最適化5. 生産リードタイムの短縮方法6. 定期発注法によるかんばん方式の効果(数値実験)7. 定量発注法によるかんばん方式の効果 (数値実験)8.MRP とかんばん方式 の比較と統合9. 部品業者のJIT システ ムへの対応(調査票による実証研 究)10. 生産の国際的ネットワークの理論 〈京都大学経済学部〉経 営 学 教 育 で の 大 学 教 授 法 序 説1101 生 産 管 理 論 助 教 授 高 桑 宗 右 ヱ 門 生 産 管 理 に 関 す る 諸 問 題 に つ い て , 管 理 工 学 ・ 科 学 的 ア プ ロ ー チ に よ る 立 場 か ら 講 義 す る 。 お も な 講 義 項 目 は 次 の 通 り で あ る 。1. 生 産 管 理 の 意 義5. 生 産 統 制2. 全 般 的 生 産 計 画6. 生 産 管 理 シ ス テ ム3. 生 産 プ ロ セ ス 計 画7. 自 動 生 産 シ ス テ ム ・FA4. 生 産 ス ケ ジ ュ ー リ ン グ8. 生 産 管 理 情 報 シ ス テ ム 〈 東 洋 大 学 経 営 学 部 〉 生 産 管 理 論 教 授 小 川 英 次 生 産 管 理 論 は 生 産 シ ス テ ム の マ ネ ジ メ ン ト 問 題 を 取 扱 う 。 こ こ で 生 産 シ ス テ ム は 広 義 に 解 釈 さ れ る の が 今 日 適 当 と な っ て い る 。 具 体 的 に い え ば 製 造 は い う に 及 ば ず 製 造 の 前 段 階 で あ る 製 造 準 備 , 製 品 テ ス ト , 製 品 設 計 , 研 究 開 発 等 は 生 産 シ ス テ ム の 不 可 欠 な サ ブ ・ シ ス テ ム と 考 え る の が よ い 。 製 造 は も っ ぱ ら 「 も の 」 を 造 る こ と に か か お る の に た い し , 製 造 の 前 段 階 は 主 と し て 「 情 報 」 を 生 産 す る 。 こ の 意 味 に お い て 生 産 管 理 は , 製 造 な ら び に 製 造 に か か お る 情 報 の 生 産 を マ ネ ジ す る 問 題 を 扱 う 。 今 日 の よ う に 市 場 , 技 術 , 社 会 の 変 化 が 著 し い と き , こ れ ら 環 境 の 変 化 に 対 応 す る た め 生 産 シ ス テ ム は 大 き く 変 化 さ せ ら れ る 必 要 が あ る 。 し た が っ て 生 産 シ ス テ ム を 土 台 と す る 生 産 管 理 も 当 然 大 き く 変 化 す る だ ろ う 。 も ち ろ ん 生 産 管 理 シ ス テ ム 自 体 の 変 化 も あ る 程 度 可 能 だ ろ う 。 し か し 生 産 シ ス テ ム と 生 産 管 理 シ ス テ ム の 両 方 が 環 境 変 化 に 適 合 し て い る こ と が 望 ま し い 。 こ の よ う な 考 え 方 は , 最 近 台 頭 著 し い サ ー ビ ス ・ シ ス テ ム に つ い て の マ ネ ジ メ ン ト に も 等 し く 適 用 で き る 。 つ ま り 今 日 の 生 産 管 理 論 は , シ ス テ ム 運 営0 マ ネ ジ メ ン ト 論 あ る い は ま た シ ス テ ム の 生 産 的 経 営 論 と も 呼 ぶ こ と が 適 切 で あ る 。 う え に 述 べ た よ う な 考 え 方 に 基 づ い て 生 産 管 理 論 の 講 義 は 以 下 の 順 序 で 行 な わ れ る 。 第1 部 生 産 管 理 の 基 礎8. プ=t セ ス と 職 務 の 設 計1. 生 産 管 理 の 意 義9. 設 備 の マ ネ ジ メ ン ト2. 生 産 形 態10.r= ・ケ ー シ ョ ン と レ イ ア ウ ト の 問 題3. 生 産 管 理 形 態 第3 部 生 産 管 理 シ ス テ ム4. 生 産 戦 略11. 生 産 計 画 第2 部 生 産 シ ス テ ム12. 日 程 と 在 庫 の 管 理5. 研 究 開 発13. 品 質 管 理6. 製 品 ・ サ ー ビ ス の 開 発14. ト ヨ タ 生 産 管 理7 \ 作 業 の 標 準 化 ㎜ 〈 名 古 屋 大 学 経 済 学 部 〉
生 産 管 理 論 助教授 林 芳 男 生産管理の目的は,商品(財又はサービ ス)を供給する経営主体が そ の商品に対す る需要に無駄なく応えていくにはど うすれば良いかという経営意思決定 の 問題を解く ことにある。つ まり, 必要な も0 を必要な ときに必要なだけそ の顧客に供給できれば 良いのに違いない のであるが,そこには利益最大化,費用最小化, 生産効率の向上, 品切れ率の最小化等といった複雑多様な 目標を設定することができ, 現実 の経営環境 を精密に把握していけばいくほど問題が難し くなっていく。本講義では, 生産管理に 係わる基本的な問題点の認識,モデ ルの設定そしてその解法について論じ る。 講義は 大体次の要項について行 う。1. 生産管理 とは2. 生産管理の方法論3.PERT/CPM によるプロジェ クトの調整4. 長期生産計画の策定5. 生産工程の設計6. 生意設備 の規模と立地 の分析7. 生産管理のための情報 システ ム8. 中期間の計画とスケジ:3-ーリング9. 在庫管理10.MRP11. 短期生産計画12. 流通システム(流通経路における在庫の問題,輸送 の問題)13. 品質管理 との係わり14. 企業の生き残り戦略 との係わり 〈近畿大学商学部〉 生 産 管 理 論 教 授 市 村 隆 哉 近代企業のめざましい発展は, 科学技術の進歩と管理技術の発達によるところが多 い。需要の多様化に伴って製品仕様あるいは生産工 程も複雑化, 精緻化しつつあ るが, 生産活動が複雑化するほど生産システムの機能 と構造を明らかにし, より効率的な生 産活動をすすめる理論や手法の必要性が増大する。 本講では生産活動を 構成す る基本的な要因および生産システ ムについての 基本的な 理論の学習を目指す。生産管理は生産計画 と生産統制の機能に大別され, これらはま た製品 の特徴や生産形態によっていくつか0 方式に分類される。 前期は総論として生産システムの構成要素, 生産管理の機能など生産管理システ ム の概略を学び,後期は各論としてラ イI/,= ツト, 個別生産方式と生産計画 の手法, お よび生産統制を学び,さらに人と生産の問題,製品開発の問題, コンピ ュータに よ る生産システムの設計の問題,lニiポットの問題など, 生産を とりまく諸問題について も触れてゆくつ もりである。 〈日本大学商学部〉
生 産管理論( 前期)
経営学教育での大学 教授法序 説1103 非 常 勤 講 師 貫 隆 夫 I. 技術一般の概念,n. 管理 の概念,Ⅲ。管理技術の概念,IV. 管理の二重性,V. 生産管理技術の二重性,VI. 生産技術 の発達の傾向性につい て, Ⅶ。生産技術 と 生産管理,VⅢ。生産管理発達史,K. 現代生産管理の基本問題 以上の項目に則し て, 大量生産体制を特徴とする現代企業の生産がその技術と管理 においていかかる論理 と問題性を持つものであるかを検討する。 武蔵大学教授〈慶応義塾大学商学部〉 以 上 ,若 干 の メ ニ ュ ー例を 通し て , 筆 者 はつ ぎ の よう な問 題 を 考え る。a) 生 産 シ ステ ムに つ い て , ど の年 代 か ら 解説 す る か 。b ) 生 産 管 理 技 術 の 発 展を ど の辺 りか ら 取 り上 げ る か (た とえ ば, テ ーラ し 等 は, 歴 史 の中 で 話す )c ) 情報 技 術 の導 入・適 用 に よる シ ステ ム の変 化をFA の み な ら ずOA の 立 場 との 対 比 で , ど の程 度 ふ れ るか (た とえ ば ,CAD&CAM の 問 題 や ロ ボ ット 技 術 ,計 測 化 シ ス テ ムだけ で な く,0A との 接 点 を 検 討 す る こ とに よる 新 し い シ ス テ ム設 計 の話 な ど)注8)d ) マ ーケ テ ィン グや 研 究開 発 の 分 野 に ど の程 度 ま で立 ち 入 る か 。e ) 技 術 革新 と シ ス テ ム再 設 計 に よる新 し い 仕 事 と 労働 の問 題 注9) り 第1 次産 業 や 第3 次 産 業 等 で の 生 産概 念, 生 産 技 術 に つ い て の知 識 化 と教 育 に つい て の 間 題 。 これら の問 題 は ,生 産 管 理 論 を 扱 う担 当 者 の専 門 化 の 方 向 やレ ベ ル に よっ て,い ろ い ろ と異 な る であ ろ うが , 何 ら か の形 で問 題 指 摘を し な が ら ,現 在 か ら 未来 へ の ,あ るべ き生 産 シ ス テ ム, 生 産技 術 お よび 管理 思考 につ い て , 適 確な 理 解を 導 び き 出 せ る よ う配 慮 す べ き も の と考え る 。 また , シ ステ ム の理 解 や 技術 の 理 解 を 促 進す る た め に は, 事 例 の用 意ば か りでな く ,音 声 に れ ま で の講 義 方 法 ) に よる もの に加 え , 画 像 媒 体を 併 用 す る効果 を 考え た い 。5.
情報処理・情報管 理論 ・経営情報論の講義
情報管理論 とか経営 情報論 とい う科目は,最近 になって次第に増加した科
目である。企業 へのコンピ ュ ータの導 入の増大が,経営学教育においても コ
ンピ ュータの理解と活用 のための技術 習得を必要としているからである。 し
がし,これらの知識化 については,上記 の科目 より 乱
情報処理論,コンピ
ュータ概論 ,計算機概論 とい った科 目が,直接 これ の知 識化を扱うている科
目 といえる。
情報管 理論や 経営 情報論 は, コンピ ュータ科 学の発展,情報科学の応用 と
い った 側面 から,次第にこの影響が,経営 学教育 に強 まるにつれて設置され,
重視 されて きた 科目であ る。前者の科 目は,情報 の本質 論,情報利用の一般
的考え方 と技術,情報処理,媒体論,通信論, システ ム設 計論 ,デ ータベ ー
ス,情報の セキ ュリテ ィ,情報監査,お よび事務機械化,OA
論等を盛り込
む内容の科 目といえる。
これに対 して経営情報論は,情報管理論 の科目に重複す る部分を もつが,
どち らか とい うと経営管理とい う分野をそ の主 領域の一つ として構成される
情報論で,そ の特長的な点 は,意思決定や情報戦略 等の分野を持ち,また,
管理各分野,た とえば,生産情報システム,財務 情報 シ ステ ム,あ るいは,
マ ーケテ ィン グ情報システム,会計 隋報システ ムとい う応 用的情報システム
も当然扱 うこ ととなろ う注10)
。
なお, サ イバネテックス, オート メーショ ン思想,情報 科学アプ ローチ等
を採 り入 れて,経診 盾報科学論 とし て内容構成を 計るこ ともあ り注il) 情報
システ ムと組織科学の視点を重点として 情報システ ム論, さらに経営的に接
近し て,経営 情報システ ム論 という科 目もあ る。し かし ,以上の説明は一応
の 目安的な ものであって,内容には相当の重 複かお り, 構成も講義も, コン
ピ ュータ概論 の延長である ものもあ る。 メニ ューを紹 介す る。
情 報 処 理 講 師 若 尾 良 男 「 コ ン ピ ュ ー タ 概 論 」 今 日 の 社 会 に お い て コ ン ピ ュ ー タ は 不 可 欠 で あ り, こ れ を 有 効 に 利 用 す る た め に は コ ンt: ュ ー タ の 理 解 が 必 要 であ る。 コ ン ピ ュ ー タ と は 何 か , ど の よ う に 動 作 し , ど の よ うに 利 用 し て い け ば よい か とい った コ ン ピ ュ ー タ の 基 礎 を 学 ぶ 。1 ) コ ン ピ ュ' タ の 機 能 ,2 ) ハ ー ド ウ ェ ア ,3 ) ソ フ ト ウ ェ ア ,4 ) コ ン ピ ュ ー タ の 社 会 へ の 適 用 〈 東 京 経 済 大 学 経 営 学 部 〉経営 学教育で の大 学 教授法序説1105 情 報 処 理 論( 全) 教 授 定 道 宏( 神 戸 大 学 経 済 経 営 学 研 究 所) 電子 計 算 機 の 基 礎 知 識 に つ い て 講 義 お よび 実 習 を 行 う。 講 義 で は , 電 子 計 算 機 が 情 報 を ど の よ うに 処 理 す る か , モ の 仕 組 みを 解 説 し , 主 要 項 目 と し て 次 の知 識 を カ バ ― す る 。(1) 電 子 計 算 機 の 構成 ・ 動 作 ,(2)オ ペ レ ー テ ィ ン グ シ ス テ ム,(3)TSS 処 理 ・ バ ッ チ 処 理 ・ リ ア ル タ イ ム処 理 ,(4)フ ァ イ ル 編 成 と デ ー タ 構 造 ,(5) デ ー タ 通 信 と 誤 り 制 御 ,(6) コ ン ピ ー− タ ネ ット ワ ー 久(7) 人 工 知 能 用 言 語 等 実 習 で は , 情 報 処 理 教 育 セ ン タ ー に あ るTSS 端 末 を 操 作 し て 基 本 的 な プ リ ク ラ ミ ン ク技 術 を 習 得 さ せ る 。TSS 端 末 の 操 作 法 をBASIC 言 語 に よ る プ リ ク ラ ミ ン クを 通 じ て 演 習 を 行 い , プl==Zダ ラ ミ ン グ の 基 本 的 手 法 をFORTRAN77 言 語 に よ り 行 う。 次 の 具 体 例 で 実 習 す る 。(1)肥 満 度 計 算 ,(2)初 等 統 計 値 の 計 算 ,(3) 成 績 表 お よ び 棒 グ ラ フ の 作 成,(4) 電 話 番 号 検 索 ,(5)シ リ ト リ,(6) 預 金 出 入 れ 機 の プ =tグ ラ ミ ン グ 等 。< 京 都 大 学 経 済 学 部 〉 情 報 管 理 論 講 師 酒 井 博 敬 データベース概念にもとづく情報システム設計技法の理 解を 目的とし て, 次につい て講述する。 ・ネット ワーク・データ・モデル ・関係データ・モデ ル ・意味論データ・モデル ・情報システ ムの概念設計 〈京都産業大学経営学部〉 情報 処 理 概 論 助教授 遠 山 暁 最近のコンピュータおよび通信装置などの情報技術の発達と普及は, 驚異的である。 我々は,それらの影響をまったく受けないで生活することは不可能 である。しかし , それらの技術の活用は,我々にとってすべてプラスに働くことは限らない。 一歩間違 うとマイナス作用が働く危険を内在している。 本講義は,このような状況をふまえ,人 間,組織, 社会活動等の情報処理の原理を システム理論を媒介項として理解を深めつつ, コンピ ュータを中心とする情報技術の 現時点での能力 の限界と可能性を明らかにする。 そし てその効率的で健全な適用方法 を探る。単な るコンピュータのハード,ソフトの学習ではない 。 とくに,社会的注 目をあびているVAN,LAN,INS 等 の通信ネット ワークとコ1/ ピュータとの統合技術をベースにしつつ, 情報システムと経営組織 との関連およびそ
͡- ≫- 皆! ͡ −μ一占 、.ご .− 、 /JK:3 目目_J .ツ マe そs之 ふ ソ 吃ノ月 伺 リ フ 刊f −゛ノ り` に も 圧剛 刑3-^^^ 人ヒ り 泥)^o
情 報 管 理 論
〈 東 洋 大 学 経 営 学 部 〉 教 授 山 中 富 太 郎 現代の経営では,第4 の要素とい われる情報要素がきわめて重要な比重を占め, し か も,これは常に新しい展開を示し ている。 企業経営の態様につい ても情報システ ムの発展を軸として 急速な変化をとげつつあ る。だが,このような変革の成否は, 一方では企業経営の場において情報システ ムの 運用 と管理の適正化,妥当化に左 右される関係にあることはい うまでもない。 本講ではこ の問題について学生諸君が,将来, より高度の研究に入るための基礎的 知識に重点をおいて講述する。 主要項目は次の通 りである。 1 2 3 情報 の意義 経営情報管理の理論と方法 経営情報管理の展開 〈 近 畿 大 学 商 学 部 〉 情報 シ ス テ ム論 教 授 王 員 鍾 近年コンピュータ技術 の進歩 と経営情報システ ムの本質に 対する研究が進む につれ て,人間とコンピュータ との対 話による相互作用が技術的に可能になった。 加えて, 企業の意思決定活動におけ る人 間の行動パターンや 意思決定過程を表わすモデルの構 築技法もかなり進んできている。これらの進歩により, 企業 の経営に対するコンピ ー。 一タの適用方法もマシン・シ ステ ムからマン・マシン・システ ムへと 拡がってきてい る。 この講義は,これらの進歩をふまえて,企業がコンピ ュータを 利用するに際して, 企業が直面する経営の諸問題 のタイプとそ の特徴を説明し, そ れぞれの問題に適し た 経営情報システ ムのタイプお よびこれらのシステ ムの構築の 方法などを実例中 心に説 明し たい。 〈近畿大学商学部〉 経 営 情 報 論 専任講師 旭 貴 朗 次 の項目を取り上げながら議論を 進める。 項目:情報社会,ニ-1-ーメディア( データベース, ネットワーク), 情報の特徴, コンピ ュータの原理,人工知能と記号論理学,意思決定と情報, 意思決定支援システ ム,システム理論。 〈東洋大学経営学部〉経営学 教育 での大 学教授法序説1107 経 営 情 報 シ ス テ ム 論 助 教 授 − 瀬 益 夫 「 経 営 意 思 決 定 と コ ン ビ 。− タ ・ ベ ー ス の 情 報 シ ス テ ム」 組 織 の 発 生 と 同 時 に 組 織 の 情 報 シ ステ ム は 形 成 さ れ る が , 最 近 そ こ に コ ンピ ュ ー タ が 導 入 さ れ て い る 。 コ ンピ ュ ー タ が 経 営 者 や 管 理 者 に ど の よ うな 支 援 を 提 供 す る こ と が 可 能 か , ど んな 問 題 が 生 じ る か を 検 討 す る こ と が 本 講 義 の 目 的 で あ る 。EDP,MIS,DSS,OA 等 の 代 表 的 な コ こノピ ュ ー タ ・ ベ ー ス の 情 報 シ ス テ ムを 歴 史 を 追 っ て 順 に 解 説 し , そ れ ぞ れ の 特 徴や 課 題 を 明 ら か に し て い く 。 年3 回 の レ ポ ー ト を 課 す 。 コ ン ピ ュ ー タ は 使 わ な い 。 ビ デ オ 教 材 の利 用 も 予 定 し て い る 。 〈 東 京 経 済 大 学 経 営 学 部 〉 経 営 情 報シ ステ ム 論 助教授 宮 下 洋 経甘hな報シ ステ ムとは企業の経営管理に必要な 情報を組織内の各階層に的確かつ適 時に提供するものである。講義内容として,経営シ ステ ムと情報, 経営情報システム の発展・構成・設計・管理,経営情報 と意思決定,コンピ ー,一タの基礎知識, オフィ スオートメーシロソ(OA )などを予定している。 〈京都産業大学経営学部〉 事 務 管 理 論 昭62 オ フ ィ ス ・ オ ー ト メ ー シ ョ ン (OA ) 問 題 を 検 討 す る 。 項 目 は 下 記 の 通 り 。 (1) 企 業 経 営 と 情 報 (2) 意 思 決 定 と 情 報 処 理 (3)OA の 考 え 方 と技 術 (4) 現 代 の オ フ ィ ス とそ の 機 能 (5) 事 務 シ ス テ ム の 設 計 と 活 用 (6) 経 営 情 報 科 学 の 応 用 (7) 経 営 情 報 科 学 と経 営 学 教 授 涌 ・田 宏 昭 と 情 報 科 学 を 基 礎 と し て , 経 営 管 理 の 情 報 的 (8) 経 営 情 報 科 学 と 社 会 情 報 シ ス テ ム 〈東 洋 大 学 経 営 学 部 〉 情 報管 理 論 昭63 教 授 涌 田 宏 昭 高度情報化時代におい ての経営学と経営管理の技術体系について考えてみる。 講義 は,OHP やVTR 等の情報機器を 使用して話をすすめる。 おお よその講義項目は下 記の通り。1. 高度情報化時代とは何か