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株 式 会 社 語 研 の ケ ー ス ・ス タ デ ィ

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株 式 会 社 語 研 の ケ ー ス ・ス タ デ ィ

一 飽 和 す る英 語 教 材 の 中で の商 品 開発 と販 売 戦 略 一

小 林 敏 彦

日本 にお け る英 語学 習熱 は衰 える気配 はない。書 店 で は英会話 を中心 とす る英語 学習 書が 大 きな スペ ース を 占 め、 特 にTOEICな どの資 格 対策 本 の種類 の豊富 さに は圧倒 され る。本 が売 れ ない時代 にあ って新 規参 入 が多 く、 類 似 品の飽 和状 態 に ある英語 学習 関連 書籍 の市場 とは、

どの よ うな市 場 で あ り、 各 出版 社 が どの よ うな戦 略 を練 って商 品 を開 発 し販 売 を促 進 して い るか。 同 じ製 造 業 で あ りなが ら食 品 や工 業 品 メー カー と異 な り、 ケー ス ・ス タデ ィの対 象 として取 りあ げ られ る こ とは、 これ まで ほ とん どなか った 業種 で ある。 そ こで、語 学書 系 出版 社 として は典 型 的 な規 模 にあ る、 幅広 く良 質 の外 国語 の学 習書 を長 年 出版 して きた実績 の ある株 式会 社 語研 をケー スに取 り上 げ る。 本稿 の 記述 の多 くは、 語研部 長 の奥村 民 夫氏 との度 重 な る対 面 お よび メール に よるイ ンタ ビ ューで得 た情報 、 知識 、見解 を拠 り所 としてい る。 ま ず は株式 会社 語研 の概 要 を説 明 してか ら、 日本 の出版 業界 全体 お よび 語学 系 出版社 を取 り巻 く現状 を明 らか にす る。 次 に、語研 が語 学 系出 版社 の中で いか な る戦 略 を基 に商 品 を開発 し販売 してい るか を分析 す る。 最後 に、今後 の販 売促 進 と英語 学習 者 の便宜 を計 る企 業 としての 語研 の発 展 の一助 とな る よ うな代替 的商 品 開発 ・販 売戦 略案 を提 示す る。 本 ケー ス はあ くまで も商 品開発 と販 売戦 略 に特化 した もので あ り、

語研 の財 務状 況 の分析 に は触 れ てい ない。

1.株 式 会 社 語研 の概 要

東 京 都 千 代 田 区猿 楽 町 に本 社 を構 え る株 式 会 社 語 研 は、1963年(昭 和38 年)2月 に 資 本 金1500万 円 にて 創 業 以 来 、 英 語 を は じ め世 界22の 国 と地 域

(英 語 、 フ ラ ン ス 語 、 ドイ ツ 語 、 イ タ リ ア 語 、 ス ペ イ ン 語 、 ポ ル トガ ル 語 、 ロ

シ ア 語 、 オ ラ ン ダ 語 、 中 国 語 、 香 港 ・広 東 語 、 台 湾 語 、 韓 国 語 、 ベ ト ナ ム 語 、

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タ イ語 、 フ ィ リ ピ ノ語 、 マ レー 語 、 イ ン ドネ シ ア語 、 ア ラ ビ ア語 、 ペ ル シ ャ 語 、 日本 語)に も及 ぶ 言 語 の 学 習 教 材(書 籍 、CD、 カ セ ッ トテ ー プ 、 音 声 教 材 フ ァイ ル な ど)を 多 岐 に わ た り出 版 して きた 豊 富 な ライ ン ア ップ を有 す る

自習 用 語 学 教 材 の専 門 出版 社 で あ る。

2007年!月 現 在 、 語 研 は総 従 業 員 数 は13名(編 集5名 、 営 業4名 、 総 務 ・ 経 理 ・人 事4名)で 、 代 表 取 締 役 社 長 は2003年2月20日 に就 任 した 田 中稔 氏(1958年11月4日 生)で あ る 。1976年8月 に は 、教 材 制 作 会 社 とし て 「ツ デ イ ブ ッ クス 株 式 会 社 」を設 立 した 。1980年 に は、 英 語 の み な らず 、 諸 外 国 教 材 の刊 行 を開 始 し、1999年 に は、学 校 や 企 業 等 の 採 用 を含 め 累 計12万 部 を 突 破 した 。2006年 に は、延 べ 刊 行 点 数 が500点 を超 え て現 在 に至 っ て い る。

2006年 の1年 間 だ けで27点 の新 刊 を出 版 して お り、 増 刷 され た 書 籍 は 延 べ 37点 に な る。

業 績 も2005年 の 売 上 高 は3億1500万 円 で あ り、 業 種 別 売 上 高 で は全 国 9246社 の 中 で は2771位 で あ る(帝 国 デ ー タバ ンク企 業 情 報)。 ま た 、 対 象 業 種(映 像 ・ 音 声 、 文 字 情 報 制 作 作 業)売 上 高 順 位 で は全 国5405社 の 中1922位 で あ る(東 京 商 工 リサ ー チ 企 業 情 報)。 語 研 の4Pは 図 表1に ま とめ られ る。

2.日 本 の 出 版 界 の 現 状

日本 の 出版 界 は長 期 の構 造 不 況 に陥 っ て い る。 とに か く、 本 が 売 れ な い 時 代 な の で あ る。日本 で の書 籍1・ 雑 誌 購 入 費 は減 少 し、日本 流 通 新 聞 に よ る2006 年9月 の調 査 で は一 人 当 り月 平 均 で2628円 の支 出 で あ る こ とが 判 明 して い

る。 また 、 大 型 書 店 や ブ ッ クオ フ の よ う な二 次販 売 店(古 本 屋)の 都 市 部 へ の進 出 に よ り中 小 書 店 の廃 業 ラ ッ シ ュが 続 い て い る。

日本 人 の 活 字 離 れ

日本 人 の読 書 離 れ や活 字 離 れ が 問題 に な っ て か ら久 しい が 、 依 然 と して 読

書 率 は低 迷 し続 け て お り、 特 に青 少 年 世 代 に お い て この傾 向 は顕 著 で あ る。

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図 表1MarketingMix(4P)

英語 をは じめ世 界22の 国 と地域 に及 ぶ言語 の学 習教 材(書 籍 、CD、 カ セ ッ トテ ー プ な ど):英 会 話 、英 文 法 、ボ キ ャ ビ Product

(商 晶 ・サ ー ビ ス)、 ル 、 リ ス ニ ン グ 、 会 話 フ レ ー ズ(決 ま り文 句)集 、 トラ ベ ル 、時 事 英 語 、 ビ ジ ネ ス 英 語 、TOEIC/TOEFL対 策 、受 験 等 。

全 国 の主 要書店(大 学生 協 を含 む)で の販 売が 中心 で あ る Place が 、 自 社 の サ イ ト(http://www.goken‑net.cojp/)で 、PC (立 地 、 流 通) で も、 モ バ イ ル プ レー ヤ ー で も使 用 可 能 な 別 売 音 声 教 材

フ ァ イ ル を ダ ウ ン ロ ー ド販 売 し て い る 。

ほ とん どの教材 に本 文 の例文 等 を収録 したCDが1枚 付 い Price て1500円 か ら2000円 前 後 の 価 格 で 販 売 さ れ て い る 。 他 社 (価格) の教材 よ り価格 競争 力 が あるわ けで はな いが、 この分野 の

書 籍 と し て は 、 ご く一 般 的 な 価 格 設 定 と言 え る 。

4名 の営業i胆当者 が 日常 的 に 日本 全 国の書店 に足 を運 び、

Promotion (販 売 促 進)

個 別商 品 の販 売促進 を行 うほか、 自社 サ イ トで の新刊 案 内 や新 聞(読 売新 聞 ・日経 新聞)で 広告 を年 に数 度 出 してい る。 また 、希望 者 に不定 期 で新刊 案 内 をメール で送 付 して

い る 。

因 果 関 係 は不 確 か で あ るが 、2004年12月 に発 表 さ れ た 経 済 協 力 開 発 機i構 (OECD)の 国 別 の学 習 到 達 度 調 査(PISA)の 結 果 、 日本 人 の 学 生 の読 解 力 は 41か 国 中14位(平 均 以 下)で あ る こ とが 判 明 した 。i数学 、 科 学 、 問題 解 決 能 力 で は 日本 は1位 グ ル ー プ に入 るが 、 読 解 力 だ け は平 均 以 下 とい うの は、 無 視 で き な い事 態 で あ る。 活 字 離 れ の 原 因 と して さ ま ざ まな 要 因 が あ る と考 え

られ るが 、 以 下4つ に集 約 で き る。

第1に 、情 報 メ デ ィア の多 様 化 が 挙 げ られ る。 書 籍 と同 様 ま た は よ り詳 細 な 情 報 を簡 単 に、 しか も無 料 で イ ン タ ー ネ ッ トか ら入 手 可 能 な時 代 で あ る。

新 聞 も配 達 前 に ネ ッ ト上 で 読 む こ とが で き る。 第2に 、情 報 化 が 進 み 、 編 集

され 、 製 本 とな り書 店 に並 ぶ まで 数 か 月 か ら数 年 の時 間 を経 て伝 え られ る書

i籍か らの情 報 や 知 識 は、 刊 行 時 に は既 に情 報 的 価 値 を 失 い 陳 腐 化 す る恐 れ が

あ る。 毎 日刊 行 さ れ る新 聞 で あ って も、 数 時 間 単 位 で更 新 され るウ エ ッ ブ サ

イ トに はか なわ な い 。 こ う した 理 由か ら、 情 報 や 知 識 の 収 集 や 獲 得 の 手 段 と

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して 、 ハ ー ドコ ピー の 活 字 と並 ん で 電 脳 空 間 の活 字 の 需 要 が 高 くな っ て い る の で あ る。 第3に 、 現 代 人 の 生 活 が 多 忙 にな っ て い る こ とが 挙 げ られ る。 現 代 人 は ゆ っ く り と腰 を据 え て本 を読 む時 間 の 確 保 が 困 難 に な っ て きた 。 携 帯 電 話 や メー ル で我 々 は互 い に24時 間 繋 が っ て い る。ビ ジネ ス マ ン は一 日 に何 度 も仕 事 上 の メ ー ル を チ ェ ッ ク し読 み書 き をす る。 また 、 青 少 年 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン に お け る携 帯 メ ー ル の 占 め る割 合 も大 き く、 読 書 離 れ は進 ん で い る分 、 メ ー ル の活 字 に は接 す る機 会 が 増 えて い る。 そ の た め、 眼精 疲 労 に な る人 が 多 く、 暇 な 時 間 に読 書 す る気 に な れ ず 、 少 しで も 目 を休 め た い と思 う だ ろ う。 特 に、 文 学 、 小 説 な ど、 情 報 の獲 得 を 目 的 と し な い書 籍 の 活 字 を読 む時 間 が な くな っ て き て い る。 第4に 、 日本 人 の消 費 パ ター ン、 特 に学 生 の 消 費 パ タ ー ン の 変 化 で あ る 。 現 代 の 中 高 生 、 さ らに 大 学 生 は毎 月 の 携 帯 電 話 の支 払 い の た め に 、 本 や 雑 誌 を買 わ な くな っ て き て い る。 この よ う な低 迷 期 が 長 期 間 続 き な が ら出 版 社 が 存 続 し続 け られ る理 由 の ひ とつ に 、 再 販 制 度 の 存 在 が挙 げ られ る。

再 販 制 度 の 維 持

日本 の 出版 界 は、 「 再 販 売 価 格 維 持 制 度 」、 い わ ゆ る再 販 制 度 と い う定 価 販 売 制 度 で これ まで 守 られ て きた 。 そ の年 の 生 産 量 や 出 荷 量 で決 ま る農 産 品 の 生 産 者 と異 な り、 出 版 社 は 自由 自在 に 自社 の 出版 物 に 「 定 価(本 体 ○ ○ 円)+

税 」 と明 記 して 、 それ を値 引 き し て売 っ て は い け な い とい う再 販 売 価 格 維 持 契 約 を販 売 会 社(取 次)と 結 ぶ こ とが で き る。 販 売 会 社 は さ ら に書 店 の個 々 の 間 で も再 販 契 約 を結 ぶ。

1953年9月 、独 占禁 止 法 の一 部 改 正 で 、 出版 物 は独 占禁 止 法 の 適 用 か ら除

外 され 、 再 販(法 定 再 販)が 認 め られ る よ う に な っ た 。 そ れ は、 出 版 物 が 単

な る商 品 で は な く、 文 化 性 の 高 い商 品 とし て保 護 され て い るた めで あ る と さ

れ て い る。 しか し、1978年 秋 、 公 正 取 引 委 員 会 が 「 出 版 物 の再 販 制 度 を廃 止

の 方 向 で 検 討 を始 め る」 と表 明 し、 出版 界 に大 き な衝 撃 が 走 っ た 。1994年 、

公 正 取 引 委 員 会 再 販 問 題 検 討 小 委 員 会 が 発 足 し、さ まざ ま な経 緯 を 経 て 、2001

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年3月 、再 販 制 度 の存 続 の結 論 が 出 さ れ た 。 この よ う に 日本 の 出版 界 は 日本 の 稲 作 農 家 の よ う に厚 い保 護 を受 け て安 泰 して い る よ う に思 わ れ るが こ こに 新 た な る懸 念 が 芽 生 え始 め て い る。

再 販 制 度 は あ く まで も一 次 販 売 にお け る価 格 維 持 を保 証 す る もの で あ る の で 、 書 籍 は 一 度 書 店 で販 売 さ れ た 後 に は、 古 本 屋 や ネ ッ ト上 のオ ー ク シ ョン で は 自 由 な価 格 で 取 引 され て い る。 日本 人 は 元 来 稼 れ を忌 み 嫌 う文 化 の 中 で 育 っ て きて お り、 他 人 の 手 垢 が付 い た 書 籍 を魅 力 の な い もの と して顧 客 の 目 に映 る。 米 国 の 大 学 で は、 学 期 終 わ りに多 くの 学 生 が 大 学 の キ ャ ンパ ス セ ン ター に あ る書 店(日 本 の 大 学 生 協 に類 似 した もの)の 前 に列 を作 り、 使 用 し た 本 を惜 しみ な く売 っ て は新 学 期 の テ キ ス トの購 入 経 費 に充 て る。 書店 は買 い取 った 本 にXXUSED"と 大 き く書 か れ た ラベ ル を表 紙 に貼 って 新 学 期 に合 わ せ 、 店 頭 で3割 か ら5割 程 度 に値 下 げ し て新 品 の 本 の脇 に積 み上 げ て販 売 す る。 多 くが書 き込 み が あ った り、何 度 も売 却 が繰 り返 さ れ て い そ うな 、 持 主 が 数 名 い た よ う な くた び れ た り、 表 紙 が 破 け て い る もの も少 な くな い 。 しか し、 だ い た い こ の古 本 の 方 か ら売 り切 れ て い く。 日本 の大 学 で は この 習 慣 は な い 。 先 輩 か ら後 輩 へ と教 科 書 が 譲 られ る こ とは あ るが 、日本 の 出版 社 に とっ て教 科 書 の使 い 回 しが この 大 き な脅 威 に な っ て い る とい う指 摘 は ほ とん ど聞 か れ な い。

古 本 が 稼 れ た もの で あ る とい う意 識 は、 近 年 の 日本 に お い て もは や 消 滅 し

た か の よ う に思 わ れ る。 い わ ゆ る 「ブ ッ ク オ フ商 法 」 と呼 ぶ べ き、 発 刊 ま も

な い 新 品 同様 の 古 本 を一 般 の人 か ら買 い取 っ て 拭 い て即 日売 りさ ぼ く商 法 の

成 功 が あ る。 新 刊 の本 を買 っ て は破 損 し な い よ う に気 をつ け て読 み切 り、 す

ぐ に ブ ッ ク オ フ に持 っ て行 っ て 買 い 取 っ て も ら う読 者 が 多 い 。 ブ ック オ フ は

新 刊 の本 の販 売 日か ら数 日後 、 もの に よ っ て は翌 日、 さ ら に同 日 に新 刊 書 の

半 額 で 店 頭 に並 べ て販 売 す る。 破 損 の な い新 しい 本 しか買 い 取 らな い の で 、

そ こで 売 られ て い る 本 は新 品 と変 わ らな い。 当 然 、 多 くの 人 は 発 売 日 か ら

ち ょっ と待 っ て か らブ ッ ク オ フ で 買 い求 め る よ う に な る。 これ は漫 画 本 で 顕

著 に見 られ る傾 向 で 、 か な り出版 社 及 び 印税 を受 け取 る著 者 に大 きな 影 響 を

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与 えて い る とい う意 見 も あ る。 二 次販 売 で は何 度 売 り買 い が繰 り返 さ れ て も 出版 社 や 著 者 に は ま っ た くお 金 が 入 ら な い。 出版 社 や 著 者 は一 次 販 売 で も売 り上 げ で収 入 を得 て い るの で あ る。 漫 画 業 界 が い ま この煽 りを ま と もに 受 け て い る よ うで あ るが 、 これ が 徐 々 に他 の ジ ャ ンル に も広 が り、 読 ん だ本 を本 棚 に入 れ て飾 った り、 また 後 で 読 み返 す とい う習慣 が 徐 々 に 失 わ れ 、 情 報 や 知 識 の使 い捨 て が この ま ま放 置 さ れ 蔓延 し て い け ば出 版 業 界 全 体 の利 益 が 大

き く損 な わ れ る可 能 性 が あ る。

漫 画 本 の よ う に一 気 に読 み 上 げ る こ とが で き、 また 読 み返 す と感 動 が か な り薄 れ る種 類 の 本 は、 二 次販 売 へ 流 れ や す い特 徴 を抱 え て い る と言 え る。 そ れ に対 し て語 学 書 は、 あ る一 定 の時 間 をか け て継 続 的 に使 用 を続 け、 反復 し て使 わ れ る特 徴 が あ る こ とか ら、 本 へ の 愛 着 もそ の 分 増 す た めか 、 そ う容 易 に は手 放 さ な い で あ ろ う と も思 え るが 、 実 際 は 、 大 学 近 辺 の 古 本 屋 に 並 ん で い る語 学 書 の 数 は少 な くな い 。 ゆ え に、 売 り上 げ を確 保 す るた め に も、本 に 直 接 書 き込 ん で 学 習 を進 め る よ うな作 りに す る な ど、 二 次 販 売 を促 進 しな い よ う な本 の形 態 につ い て 何 らか の工 夫 をす る準 備 を し て お く必 要 が あ るだ ろ う。

3.日 本 の 語 学 書 出版 界 の現 状

日本 に お け る英 語 学 習 熱 は衰 え る気 配 が まっ た くな い。 そ れ を反 映 して 、 英 会 話 やTOEICの 対 策 本 を 中 心 とす る英 語 学 習 書 の 出 版 ラ ッ シ ュが 続 き、

2006年1月 か ら10月 の 出版 科 学 研 究 所 の 統 計 で は、 日本 全 体 で の 書 籍 の 新 刊 点 数 は約7万 点 、 語 学 書 の 新 刊 点 数 は約930点 、 英 語 学 習 書 の新 刊 点 数 は 約500点 で あ る。 こ れ は一 日 あた り約1.7冊 の英 語 学 習 書 が 出 版 さ れ て い る こ と に な る。 この 他 、 売 れ 行 き の よい 書 籍 の改 訂 や 増 刷 もあ るが 、 初 版 だ け で絶 版 に な る書 籍 の ほ うが 圧 倒 的 に 多 い の も事 実 で あ る。

書 店 で は 英 語 学 習 書 が 売 り 場 の 大 き な ス ペ ー ス を 占 め て い る。 特 に

TOEICな どの 資 格 対 策 本 の 種 類 の 豊 富 さ に は圧 倒 され る 。 語 学 書 の プ ロ ダ

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株 式 会社 語 研 の ケ ー ス ・ス タ デ ィ 61

ク ト ・ラ イ フ サ イ クル(商 品 寿 命)は い まや1年 半 未 満 と短 命 化 し、 各 出版 社 は生 き残 り をか け て他 社 の 商 品 との差 別 化 を計 るた め に売 れ る本 の制 作 に 必 死 の 努 力 を して い る。 書 店 に は類 似 本 が 温 れ、 店 員 も顧 客 もそ の 飽 和 す る 書 籍 の 中 に埋 没 して し まい 、 良 き本 を 見 極 め る能 力 が 低 下 して安 易 な広 告 に 踊 ら され る ブ ロ ッ クバ ス タ ー 時 代 に突 入 した 。

需 要 が 高 い分 野 だ け に多 くの 出版 社 が 存 在 し、 また 英 語 教 育 と は無 縁 と思 わ れ て い た 医 者 や タ レ ン トが 書 い た本 まで も書 店 に 並 んで い る。 タ イ トル も 一 目 を引 く 「 何 日で 〜 マ ス タ ー で き る」 と い う言 葉 や 日本 人 の オ ー セ ン テ ィ シ テ ィ(本 物)嗜 好 を狙 っ た 「 ネ イ テ ィブ の 〜 」 とい う もの が 多 い 。 しか し、

英 語 の 学 習 本 は 、 一 般 に店 頭 で 目 に す る英 会 話 やTOEICの よ う な受 験 対 策 本 だ けで は な い 。 通 常 は一 般 の 書 店 に は並 ぼ な い 、 中 高 大 、 さ ら に民 間 の 英 語 ・英 会 話 学 校 用 の テ キ ス トの 市 場 も存 在 す る。

語 学 書 の売 り場 は、100社 を超 え る語 学 関 連 出版 の創 意 の結 晶 で あ る作 品 の展 示 場 で あ り、 熾 烈 な競 争 が 繰 り広 げ られ て い る競 技 場 で もあ る。 有 能 な ア ス リー ト(売 れ 筋 の 本)は 、 ア リー ナ(売 り場)の 中 心 を 占 め 高 い表 彰 台 に上 げ られ る(本 が 平 積 み さ れ る)。 無 能 な ア ス リー ト(売 れ な い本)は 片 隅 に追 い や られ 、 い ず れ 退 場(返 品)を 命 じ られ る 。 これ らの選 手 は一 目 を 引 く色 取 り取 りの ユ ニ フ ォ ー ム(表 紙)を 身 に付 け 、胸 に誇 ら し気 に国 旗 や名 前(本 の タ イ トル)や メ ッセ ー ジ(宣 伝 コ ピ ー)を 刺 繍 して 出番(顧 客 の 目

に留 ま る)を 待 っ て い る。 観 客(顧 客)は 彼 らの 勇 姿 に魅 了 され 彼 らの演 技 (本の 内容)を 真 剣 な 眼 で 見 守 る(本 を実 際 に開 く)。 あ る者 はそ の 外 見 通 り の演 技 で あ る こ と に満 足(購 入)し 、 あ る者 は そ の あ ま りに も貧 弱 な演 技 に 落 胆 し 目 を背 け る(元 の位 置 に戻 さ れ る)。

国 際化 の 中 で英 語 関 連 産 業 は成 長 を し続 け て い る。 出 版 社 だ けで な く、 英 語 学 校 、 海 外 語 学 研 修 を企 画販 売 す る旅 行 会 社 や代 理 店 、 さ ら に洋 画 や洋 楽

に つ い て も英 語 とい う言 語 の 世 界 的普 及 の 波 に乗 っ て い る の で あ る。

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図 表2ミ ク ロ 的 分 析(Porte〆sFiveForces)

既 存競 争企 業 間 の敵 対 関係 (業界 内の競 合企 業) 強

本 が売 れ ない時 代 に あって、飽 和状 態 に近 い ほ ど豊 富 な商 品 の 中で類 似 品 が あふ れ、CDの 無 料 付録 化 も標準 化 され て るな ど、価 格競 争 も激 化 してい る。

新規参入企業 の脅威 中

優 秀 な編集 者 の確保 と特 殊 な出版 流通 システ ム に精通 した営業 担 当者 の確保 が参 入時 の大 きな 課 題 で あるが、 大 きな設 備投 資等 は不 要で 参入 時 投資 は巨大 で ない。

代 替 品 ・サ ー ビ ス の 脅 威 中

他 メ デ ィ ア との 競 合 が あ り、 特 に 電 脳 空 間 で の 情 報 、 知 識 、 音 声 フ ァ イ ル 等 の 学 習 素 材 が 無 料 で 入 手 で き る時 代 と な り、 ハ ー ド コ ピ ー の 売 り 上 げ に 影 響 が 出 か ね な い 状 況 に あ る。

供 給業 者 の交渉

(売 り手 の交 渉 力) 中

書 店店 頭 で のPOSに よる販 売 管理 の デー タ を 活 用 した 、品揃 え と陳列 方法 を指 導 す る提 案型 営 業 が積極 的 に行 われ、 メ デ ィア広告 と連 動 し

た販 売 促進 活動 も行 われ て い る。

買 い手 の交渉力 強

書 店 は 自由返 品制度 に守 られ、 リス ク を負 わ ず に商売 が で きる。顧 客 は、再販 制 度 のた め に店 頭 の一 次販 売 で は定価 で買 わ ざる を得 な いが、

二 次販 売 で は選 択 の余地 が あ る。

日 本 の 語 学 書 出 版 界 の 業 界 構 造

日本 の 語 学 書 出 版 界 の 業 界 構 造 は ミ ク ロ 的 分 析(Porter'sFiveForces)の フ レ ー ム ワ ー ク を 用 い る と 図 表2に ま と め られ る 。

3‑1.既 存 競 争企 業 間 の 敵 対 関 係(業 界 内 の 競 合 企 業)

飽 和 状 態 に近 い ほ ど類 似 した ジ ャ ンル や タ イ トル の 本 が 多 く、内 容 、分 量 、 表 紙 の デ ザ イ ン、 レ イ ア ウ ト、 価 格 設 定 等 な ど一 冊 の 書 籍 が有 す る属 性 は豊 富 で あ り、 そ れ の い ず れ か が 顧 客 の販 売 動 向 に どの よ う な影 響 を与 え て い る か は 、 各 社 が 長 年培 っ た ノ ウ ハ ウ の 中 に あ り、 各 社 差 別 化 を模 索 して い る。

蒋 に価 格 競 争 に つ い て は 、 か つ て別 売 と され て い た音 声 もCDが 無 料 で 付 録

に付 くこ とが 標 準 とな り、 激 化 し て い る。

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株 式 会社 語 研 の ケ ー ス ・ス タ デ ィ 63

3‑2.新 規 参 入企 業 の 脅威

本 作 りの ノ ウハ ウ に精 通 した優 秀 な編 集 者 の確 保 と奥 村 氏 の 言 う 「 前 近 代 的 と も特 殊 と も言 え る 出版 流 通 シ ス テ ム に精 通 した 営 業 担 当者 の 確 保 」 が 参 入 時 の大 き な課 題 で あ るが 、 印 刷 工 程 の 技 術 的 な進 歩 に よ り、 デ ス ク トップ で で き る編 集 作 業 の 幅 が 大 き くな り、 所 要 時 間 も短 縮 され 、 大 き な設 備 投 資 等 は不 要 なた め に 、 参 入 時 投 資 は 巨大 で は な い。 現 実 に、 英 語 学 習 熱 の高 ま りを背 景 に、 既 存 大 手 出版 社 や 非 出版 業 界 か らの新 規 参 入 も続 い て お り、再 販 制 度 に よ る抑 止 は あ る もの の 、 価 格 競 争 が 激 化 して い る とい う。

3‑3.代 替 品 ・サ ー ビス の 脅 威

書 籍 を金 を 出 して 購 入 しな くて も電 脳 空 間 で の情 報 や 知 識 の 即 時 か つ無 料 の 入 手 可 能 性 が 存 在 し、他 メ デ ィア との競 合 が あ り、特 に電 脳 空 間 で の 情 報 、 知 識 、 音 声 フ ァイ ル 等 の学 習 素 材 が 無 料 で 入 手 で き る時 代 とな り、 ハ ー ドコ

ピー の売 り上 げ に 影 響 が 出 か ね な い状 況 に あ る。 しか し、 書 籍 に は装 備 が 要 らず 、 手 軽 に ど こへ で も持 ち 運 び で き、 ハ ー ドコ ピー の 目 へ の 優 し さ な どの 人 間 工 学 的 な優 位 点 が 健 在 で あ る た め に、 代 替 品 と し て脅 威 に は至 っ て い な

い とい う意 見 もあ る。

3‑4.供 給 業 者 の 交 渉(売 り手 の 交 渉 力)

か つ て の 出版 社 と書 店 との 関 係 に お い て は、 飽 和 状 態 に近 い 種 類 が豊 富 な 書 籍 につ い て 、 出 荷 し店 頭 に どれ を どの よ うに 陳 列 す る か はす べ て各 書 店 が 決 定 す る事 項 で あ り、 出版 元 は ほ とん どタ ッチ で き な い分 野 で あ る。 書 店 へ の売 り込 み な ど は メ ー ル 等 で 定 期 的 に書 店 側 に告 知 した り、 営 業 担 当者 が 口 頭 で 売 り込 む程 度 で 、 書 店 と顧 客 との 関 係 に お い て は、 顧 客 は各 人 の 自由 意 思 に 基 づ い て選 定 し て選 び 、 他 の商 品 に見 られ る よ うな売 り込 み は な く、 書 店 側 はた だ静 か に顧 客 の 動 静 を見 守 り会 計 す るだ け で あ っ た 。 し か し、 い ま

は 、 書 店 店 頭 で の 物 品販 売 の売 上 実 績 を単 品単 位 で 集 計 す るPOS(pointof

sale)に よ る販 売 管 理 の拡 大 と と もに 、出版 社 もそ の デ ー タ を活 用 した 、書 店

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の 利 益 の拡 大 化 と、 出版 社 の利 益 も拡 大 で き る よ うな 品揃 え と陳 列 方 法 を指 導 す る提 案 型 営 業 も積 極 的 に行 う よ う に な っ て い る。ま た 、大 規 模 出 版 社 は 、 一 般 の顧 客 に対 し て メ デ ィ ア広 告 と連 動 した販 売 キ ャ ンペ ー ン を熱 心 に行 っ て い る。

3‑5.買 い 手 の 交渉 力

出 版 者 を売 り手 、 書 店 を買 い手 と見 る 関係 にお い て、 本 の 売 れ 筋 な ど を研 究 し独 自 の判 断 で 出荷 す る本 を選 定 し、 部 数 を決 め る の は各 書 店 で はな く、

出版 社 と書 店 の 間 に立 つ 「 取 次 」(ト ーハ ン、 日販 、 大 阪 屋 な ど)の 役 割 で あ る。 書 店 は基 本 的 に取 次 か ら送 られ て き た商 品 を店 頭 に 並 べ て 購 買 に 結 び 付 け るだ け で あ る。 書 店 独 自 の商 品調 達 は書 店 在 庫 の 追 加 補 充 の形 で行 わ れ 、 自由 返 品 とい う壁 に守 られ 、 リス ク を負 わ ず に商 売 が で き る立 場 に あ る。 ま た 、 書 店 を売 り手 、 読 者 を買 い手 と見 る関 係 にお い て、 一 般 の書 店 に お け る 一 次 販 売 で は 、 再 販 制 度 の た め に価 格 は一 定 で あ り、 価 格 交 渉 な どの 余 地 は な い 。 書 店 を売 り手(出 版 者 が ネ ッ トな どで 顧 客 に直 接 売 る こ と も あ る)、 顧 客 を買 い手 と見 る関 係 にお い て は 、再 販 制 度 の た め に一 般 の 書 店 の店 頭 の 一 次 販 売 で は 定 価 で 買 わ ざ る を得 な い 売 り手 市 場 で あ るが 、 古 本 屋 や ネ ッ ト オ ー ク シ ョ ンの 二 次 販 売 で は選 択 の 幅 が 広 が り買 い手 市 場 と な る。

4.語 研 の 現 状

語 研 が 語 学 関 連 出版 業 界 の 中 で どの よ うな特 性 を持 っ て い る の か 、 これ ま で の 記 述 を含 めSWOT分 析 の フ レ ー ム ワー ク を用 い て 分 析 す る と図 表3に 集 約 で き る。 こ こで 掲 げ た 項 目 の 中 で 、 主 要 な もの を以 下 それ ぞ れ取 り上 げ 分 析 を試 み る。

4‑1.dPPoRTuNITIEs(機 会)

日本 に お け る英 語 学 習 熱 は これ か ら も継 続 す る もの と思 わ れ る。 民 間 企 業

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株 式 会 社語 研 のケ ー ス ・スタ デ ィ 65

図 表3SWOTanalysis

OPPORTUNITIES THREATS

(機 会) (脅威)

[ ]英 語学習熱 の継続 [ ]本 が売れ ない マイナ ス成長 を続 ける出版 市場 [ ]「英語が使 え る日本人」の育成戦略構想 [ ]飽 和化 する競合教材(類 似品)の 存在

[ ]TOEIC受 験 者 の増 加 [ ]多 様化 する他 メデ ィアの存在

[ ]小 学校での英語 の必修化 一 [ ]外 資系 ・大手出版社や非出版業界の新規参入 [ ]ネ ッ ト普及 に伴 う英語 スキル の必要性 の拡 大 [ ]商 品寿命 の短命 化 と新刊刊行点数 の激増 [ ]英 語以外の外国語学 習熱の浸透 [ ]ブ ロ ックバ ス タ ー 時 代 の 到 来

[ ]日 本 語学習の必要性 の認識 強化、 [ ]TOEFLの 出題 ・受験形 式 の変化 と受験者 減

STRENGTHS WEAKNESSES

(強 さ) (弱 み)

[ ]堅 実で内容が充実 した高品質の教材 [ ]非 効 率 な プ ロ モ ー シ ョ ン活 動

[ ]コ ーパ ス言語 学 を活 用 した信頼 性の高 い用例 [ ]組 織化が足りない販売力と不十分な価格競争力 [ ]多 言語 を網羅す る豊富 な品揃 え [ ]商 品寿命の短命化 ・新企画制作過程の短縮化 [ コ 多ジ ャンル を網羅す る豊富 な品揃 え [ ]占 有 率 が 小 さ い店 頭 の販 売 ス ペ ー ス [ ]英 米双 方の英語の良質 な教材作 り [ ]大 学 テキ ス ト・大 学受験 教材 の販売 網 の不 備 [ ]音 声教材 の質の高 さ [ ]ESP教 材 や ライ テ ィ ン グ教 材 の 不備 [ ]強 固な財 務体質 と比較 的高い労働 生産性 [ ]英 検教材やTOEFL教 材の不備

で は社 員 全 員 にTOEICの 受 験 を義 務 付 け、 配 属 や 昇 給 の 目安 に して い る と ころ も少 な くな い 。 官 か ら も 「 英 語 が使 え る 日本 人 〕 の 育 成 構 想 が 打 ち 出 さ れ 、 大 学 セ ン タ ー 試 験 で も リス ニ ン グ が 導 入 さ れ 、 小 学 校 で の 英 語 教 育 が 必 修 化 さ れ た 。

「 英 語 が 使 え る 日本 人 」 の 育 成 の た め の 戦 略 構 想

文 部 科 学 省 は2002年 、 日本 人 に対 す る英 語 教 育 を抜 本 的 に 改 善 す る 目 的 で 、 具 体 的 な ア ク シ ョン プ ラ ン とし て 「『 英 語 が 使 え る 日本 人 』の育 成 の た め の 戦 略 構 想 」 を作 成 した 。 これ は経 済 ・ 社 会 等 の グ ロ ーバ ル 化 が 進 展 す る 中、

子 ど も達 が21世 紀 を生 き抜 くた め に は、 国 際 的 共 通 語 とな って い る 「 英 語 」 の コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン能 力 を身 に付 け る こ とが 必 要 で あ り、 この こ とは、 子

ど も達 の将 来 の た め に も、 我 が 国 の一 層 の 発 展 の た め に も非 常 に重 要 な課 題 とな っ て い る とい う認 識 の も と に提 言 され た 戦 略 構 想 で あ る。

この構 想 に基 づ き、 国 民 全 体 に求 め られ る英 語 力 と して 、 中学 校 卒 業 段 階

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で は挨 拶 や 応 対 等 の平 易 な 会 話(同 程 度 の 読 む ・書 く ・聞 く)が で き る(卒 業 者 の 平 均 が英 検3級 程 度)こ とが 求 め られ 、 高 等 学 校 卒 業 段 階 で 日常 の 話 題 に関 す る通 常 の 会 話(同 程 度 の読 む ・書 く ・聞 く)が で き る(高 校 卒 業 者 の平 均 が 英 検 準2級 〜2級 程 度)こ とが 求 め られ て い る。 また 、 大 学 レベ ル で は英検 準1級 、TOEFL550点 、TOEIC730点 程 度 と認 識 さ れ て い る。

この 流 れ の 中 で 、2005年 度 の 大 学 入 試 セ ン タ ー試 験 で の リス ニ ン グ テ ス ト の導 入 、 高 校 で3年 間 で100校 指 定 す る 「ス ーパ ー ・イ ン グ リ ッ シ ュ ・ラ ン ゲ ー ジ ・ハ イ ス クー ル 」 に お け る先 進 的 な 英 語 教 育 の 実 践 研 究 、 外 国人(ネ イ テ ィ ブ)の 正 規 の 教 員 へ の 採 用 の促 進 、 海 外 へ の 留 学 を希 望 す る高 校 生 ・ 大 学 生 の た め の海 外 派 遣 奨 学 金 の 充 実 、 英 語 教 員 の 資 質 向 上 の た め の研 修 計 画 、 な ど さ ま ざ まな 政 策 が取 られ て きて い る。

この よ う に 中 高 大 のす べ て の レベ ル で 英 検 の級 が例 示 さ れ る こ とで 、 英 検 (日本 英 語 教 育 協 会 主 催)の 英 検 受 験 者 増 が 期 待 で きそ うで は あ るが 、 少 子 化 や 資 格 試 験 の文 科 省 認 定 が一 斉 に廃 止 され た 煽 り を受 け、 か つ て 隆 盛 を極 め て い た 英 検 の受 験 者 は、2003年 の 総 受 験 者 数 が253万6千666人 、2004年 が 249万2千287人 、2005年 に は248万9千414人 と減 少 の一 途 をた どっ て い る。 また 、TOEFLは ぺS‑・ 一 … パ ー か らコ ン ピ ュー タ を使 用 し た受 験 に切 り替 わ り、 さ ら に 出題 形 式 が 何 度 も変 化 し出版 社 もお手 上 げの 状 態 にな り、 これ ら の 出版 数 も激 変 して い る。

TOEic受 験 者 の 増 加

対 照 的 に、TOEICの 受 験 者 数 は増 加 の一 途 をた ど り、そ の 関連 書 物 の 売行 き は独 走 状 態 に 入 っ て い る。 世 界 中 で 年 間450万 人 以 上 が 受 験 す るTOEIC は、 国 内 で は企 業 ぐる み の 受 験 やTOEICの ス コア を海 外 派 遣 や 昇 進 の基 準 に使 う企 業 が 増 えて き た り、 大 学 の カ リキ ュ ラム の 中 で 受験 で 義 務 付 けた り、

単 位 に代 用 す る大 学 も増 え て きて い る。2003年 度 の 国 内 受 験 者 数 は142万3

千 人 、2004年 度 の 国 内受 験 者 数 は143万3千 人 、2005年 が149万9千 人 と増

え続 けて い る 。た だ し、TOEICは ビジ ネ ス 英 会 話 に あ る程 度 特 化 し て い るた

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株 式 会社 語 研 のケ ー ス ・ス タ デ ィ 67

め 、 中 高 校 生 が 受 験 す る に は適 切 で は な い と思 わ れ るが 、 試 験 を作 成 して い るETSは 、 ビジ ネ ス の専 門 用 語 に 関 す る知 識 は必 要 な い と解 説 して い る。

都 市 部 の大 き な書 店 に 入 る と、 語 学 、 特 に英 語 学 習 関 連 の 書 籍 の コ ー ナ ー が大 き く設 け られ て い る 。 それ らは大 き く、 英 会 話 、 リス ニ ング 学 習 書 と資 格 対 策 本 に三 分 され る 。 英 会 話 は 、旅 行 な どの場 面 ・機 能 ・概 念 別 の フ レー ズ集 が 主 流 で 、 リス ニ ング 学 習 書 は 、 ニ ュー ス な どの メ デ ィア 英 語 の聞 き取 りの た め の 内容 で 、 資格 対 策 はTOEIC、TOEFL、 英 検 な どの 受 験 者 の た め の対 策 本 で あ る。 語 学 書 全 般 の実 売 デ ー タ(他 社 の 刊 行 物 も含 む)分 析 に よ れ ば 、 現 在 の語 学 市 場 に お け る売 れ筋 の ジ ャ ンル は 「 英 会 話 」 「TOEIC」 「 英 文 法 」 「 語 彙 」 「リ スニ ング 」 「日本 語 」 「 中 国 語 」 「 韓 国語 」 「フ ラ ン ス語 」 に 限 られ る。従 って 当面 は これ らの 分 野 に集 中 す る こ とに な る。中 で もTOEIC 関 連 の 書 籍 は も っ と も魅 力 の あ る商 品 で あ り、 英 語 関 連 書 籍 の ス ペ ー ス の 多

くをTOEIC受 験 対 策 本 で 占 め られ て い る 。

米 国 の テ ス ト開 発 会 社 で あ るETS(EducationalTestingService)が 制 作 す るTOEIC(TestofEnglishforlnternationalCommunication)は 、 日 本 の み な らず ます ます 隆 盛 を極 め、 受 験 者 も世 界 規 模 に拡 大 を続 け て い る。

出題 形 式 が 長 年 一 定 して 安 定 して い たTOEICも 日本 で は2006年5月 の 公 開試 験 か ら出題 形 式 が 変 わ り、 い ま まで ア メ リカ人 の朗 読 だ った もの が 、 よ り国 際 化 を意 識 して イ ギ リス 人 、 カ ナ ダ 人 、 オ ー ス トラ リア人 の4人 が 吹 き 込 む形 式 に変 わ り、さ ら に2007年 に は ライ テ ィ ン グ とス ピ ー キ ン グ も導 入 さ れ 、い ま まで の 対 策 本 は一 新 さ れ る こ と とな り、TOEICの 受験 対 策 本 は さ ら に 出版 ラ ッシ ュが 続 い て い る状 態 で あ る。 そ れ まで の 受 験 対 策 本 は紙 切 れ 同 然 とな って し ま った と言 え る。

語 研 は2007年1月 現 在 で43点 のTOEIC関 連 本 を 出版 し て い る。2006年

の25点 の 出 版 数 の うちTOEIC関 連 だ けで9点 あ り、 英 語 が 総 数15点 の 中

で 実 に6割 を 占 めて い る 。TOEICの 隆 盛 と対 照 的 に 、英 検 の 衰 退 と共 に英 検

関連 につ い て語 研 に は今 後 は完 全 にi撤退 す る予 定 とな っ て い る。 同 様 に、 国

連 英検 も まっ た く出版 の 予 定 は な い 。収 益 性 の 高 いTOEICに 、各 社 社 運 をか

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けて 売 れ る商 品 の 開 発 に務 め て い る様 相 を呈 し て お り、TOEICの 対 策 本 を 見 れ ば、 そ の 出 版 社 の ノ ウハ ウ や本 の 質 が わ か る と言 え る。

ネ ッ ト普 及 に伴 う英 語 ス キ ル の 必 要 性 の 拡 大 、 ネ ッ トの普 及 で これ まで は英 会 話 が 実 用 英 語 の 中 心 で あ る よ うに考 え られ て い た のが 、 英 語 で の メ ー ル 送 信 の機 会 の拡 充 で リー デ ィ ング や ラ イ テ ィ ン グ が 極 め て実 用 性 の高 い ス キル と して 認 識 さ れ 、 それ に伴 い 文 法 学 習 の 重 要 性 が 語 彙 学 習 の 重 要 性 と共 に再 認 識 され て きて い る。 特 に 、 届 い た メ ー ル に 対 して 短 時 間 で 返 答 す る必 要 性 が 国 際 業 務 を担 う企 業 や 国 際 交 流 の進 展 か ら 外 国 人 と の交 流 の あ る 日本 人 が 増 え、 メ ー ル を 短 時 間 で 作 成 して 返 答 す る ニ ー ズ が 大 き くな っ た 。 こ のた め 、 受 容 ス キ ル で は漠 然 と解 釈 に使 わ れ て い た文 法 に関 す る知 識 が よ り明 確 に理 解 し使 え な けれ ば な らな い とい う認 識 が 拡 大 し、 話 した り書 い た りす る た め の 英 語 の文 法 を解 説 した 教 材 が 書 店 で も

目に 付 く よ う にな っ た 。

ス ピー キ ング とラ イ テ ィ ン グ の よ う な発 信 技 能 の習 得 に は、 学 習 者 の ア ウ トプ ッ トに対 す る ポ ジ テ ィ ブ ま た は ネ ガ テ ィブ な フ ィ ー ドバ ッ クが 不 可 欠 で あ る。 ゆ え に 、 一 方 通 行 の 書 籍 の 販 売 で は、 学 習 者 で あ る 購 入 者 に 対 す る フ ィー ドバ ッ ク の提 供 は望 め な い 。 この 点 が 独 習 者 の最 大 限 の 不 利 な 点 で あ り、 英 会 話 学 校 や 正 規 の 学 校 の授 業 に あ る よ うな 教 師 や他 の 学 生 か ら得 られ る フ ィー ドバ ッ ク は金 に 変 え られ な い 価 値 が あ るの で あ る 。 しか し、 現 実 に は 英 会 話 学 校 や 正 規 の 学 校 の 授 業 で さ え も、 ス ピー キ ン グ と比 較 して ラ イ テ ィ ン グ は実 際 に は需 要 が あ る に も関 わ らず 地 味 で あ る た め か 、 英 会 話 学 校 等 で は ほ とん ど宣 伝 の対 象 に な っ て い な い。 また 、 正 規 の学 校 の 授 業 で も教 え る側 に添 削 等 過 度 の 負 担 が か か っ た り、 ノ ンネ イ テ ィブ の 教 員 の英 文 を修 正 す る技 能 の 問題 もあ り、 い わ ば未 履 修 に近 い状 態 に な っ て い る と言 え る。

書 籍 販 売 の物 理 的 制 限 か ら、 発 信 技 能 に関 して は、 書 籍 で は会 話 や作 文 の コツ や 頻 度 の 高 い会 話 フ レー ズ集 や 電 子 メ ー ル の 作 例 集 を発 売 して い て も、

学 習 者 の発 す る英 語 の管 理 そ の もの はで き な い の で あ る。 ス ピー キ ング につ

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株 式 会社 語 研 の ケ ー ス ・ス タ デ ィ 69

い て は、 会 話 の 授 業 が 断然 高 い た め に 、 フ レ ー ズ本 の 売 れ 行 き は よ いが 、 ラ イ テ ィ ン グ学 習 本 の 数 は極 めて 少 な く、 語 研 の場 合 も ほ とん どな い 。

4‑2.THREATS(脅 ・ 威)

本 が 売 れ な い マ イ ナ ス 成 長 を続 け る出版 市 場

最 大 の 脅 威 は他 の ジ ャ ンル の 書 籍 と同様 に本 が 売 れ な くな っ て きて い る こ とで あ る。 日本 人 の 活 字 離 れ が 進 ん で行 く中 で 、 さ ら に追 い討 ち をか け る よ うに、 オ ッ ク ス フ ォー ド、 ケ ン ブ リ ッジ な ど の海 外 の テ キ ス ト会 社 が 日本 人 向 け の学 習 書 も出版 す る よ う に な っ て きて い る。 また 、 本 来 語 学 を扱 っ て い

なか っ た 大 手 出版 社 も英 語 学 習 関 連 書 籍 を出 版 す る よ う に な っ て きた 。 さ ら に、 英 語 学 習 熱 の高 ま り と共 に非 出 版 業 界 の新 規 参 入 も近 年 目立 つ よ う に な っ て き た。 また 、 本 来 英 語 の専 門 家 で も な い タ レ ン トや 他 分 野 の著 名 人 が 著 者 と さ れ る本 も販 売 され て き て い る。 売 れ な い 市 場 に新 規 参 入 、 類 似 した 本 が 溢 れ 、 プ ロ ダ ク ト ・ライ フ サ イ ク ル が 短 縮 化 す る市 場 で の 生 存 競 争 は ま す ます 今 後 過 熱 化 す る もの と思 わ れ る。

飽 和 化 す る競 合 教 材(類 似 品)の 存 在

書 店 で は、 「 ネ イ テ ィブ の 〜 」な どの タ イ トル が 極 め て 似 た 類 似 品 が 浴 れ て い る。 そ れ は英 語 学 習 者 の需 要 と タ ー ゲ ッ トが 比 較 的 明 白で 各 社 が 把 握 して お り、 そ こ に集 中 す るた め に 同 時 期 に似 た 内 容 や タ イ トル の 提 供 品 が 結 果 と して 市 場 に出 る た め で あ る。 内容 以 外 で の 差 別 化 を は か るた め に 、各 出 版 社 は、 本 の タ イ トル や 宣 伝 コ ピー 、 装 丁 、 価 格 な どに販 売戦 略 を う ま く立 て て 行 か な けれ ぼ な らな い 。 ま た 、 ブ ロ ッ クバ ス ター 時 代 の 到 来 と言 わ れ る よ う に、良 書 を見 極 め る 目 を備 えた 書 店 員 や 読 者 が減 少 して い るた め に 、「 聞 くだ けで 話 せ る よ う に な る」 「 英 語 は勉 強 す る な」に代 表 さ れ る甘 言 宣 伝 に左 右 さ れ る時 代 で あ る。 飽 和 す る教 材 の 中 、 あ ま り に も選 択 肢 が 広 す ぎ て 、 顧 客 は 選 択 す る確 固 と した 基 準 を見 失 い つ つ あ る と言 え る か も知 れ な い。

語 研 は そ う し た 厳 し い市 場 の 中 で 競 合 す る ラ イバ ル 出 版 社 と し て 、Jリ

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サ ー チ 出版 、 ベ レ 出版 、 ジ ャパ ンタ イ ム ズ社 の3社 を挙 げて お り、 以 下 の よ う に簡 潔 に分 析 して い る。Jリ サ ー チ 社(資 本 金 お よび従 業 員 数 不 明)は 、 TOEIC関 連 書 で は実 質 シ ェ ア3位 に あ る 出 版 社 で あ る。 最 大 の 強 み は価 格 競 争 力 と書 店 営 業 を 中 心 とす る販 売 力 で あ る。 ベ レ出 版 社(資 本 金4000万 円 、

従 業 員 数9名)は 、 語 研 同 様 、 英 語 以 外 に ア ジア 系 諸 言 語 や 欧 州 系 諸 言 語 の 入 門 書 な ど も幅 広 く出版 して い る 。 特 に入 門 書 の わ か りや す さ に は定 評 が あ り、英 語 を含 め 、や は り販 売 力 と宣 伝 力 の う ま さ に語 研 は脅 威 を感 じ て い る。

ジ ャパ ン タ イ ム ズ 社(資 本 金5億6000万 円 、 従 業 員 数260名)に 関 し て は 、 総 じて 企 画 、 本 の作 り方 が 良 質 で 、 時 流 に あ っ た もの を 出版 して お り、 四 技 能(リ ス ニ ング 、 ス ピー キ ン グ、 リー デ ィ ング 、 ラ イ テ ィ ング)の そ れ ぞ れ

に つ い て幅 広 い 品 揃 え を して い る 。

多様 化 す る他 メ デ ィア の 存 在

今 や 新 聞 も無 料 で ネ ッ トで 読 め る 時 代 で あ る。 同 様 に、 本 を購 入 しな くて も同様 の コ ンテ ン ツ を ネ ッ トで 読 ん だ りダ ウ ン ロー ドで き る。 電 脳 空 間 に ア ク セ ス し さ え す れ ば、 必 要 な 情 報 を必 要 な時 に必 要 な分 だ け選 ん で 入 手 で き る時 代 で あ る。

英 会 話 の フ レー ズ 集 を と って も、 紙 面 とほ ぼ 同様 の もの が ネ ッ トで は入 手 で き る。 ま た 、 活 字 だ けで な く、 米 国 国 営 ラ ジ オ 放 送 のVOA(Voiceof America)の サ イ トな どで は、 ニ ュ ー ス の ス ク リプ ト と複 数 の再 生 形 式 の音 声 フ ァイ ル が共 に無 料 で 入 手 で き る 。 この よ うな状 況 に お い て 、 ドイ ツ な ど

で は ハ ー ドコ ピー の 新 聞 が 売 れ な い事 態 に な っ て い るが 、 日本 で は朝 夕 の新 聞 配 達 網 が 確 立 して い る こ と も あ り、 そ れ ほ どの影 響 は な い よ うで あ る。

英 語 書 に つ い て も、 語 研 は危 機 感 を 抱 きつ つ も、 書 籍 の優 越 性 を支 持 して

い る。 これ は 、書 籍 が 手 軽 に持 ち運 び で き、 ハ ー ドコ ピ ー の 目へ の 優 し さ な

どの人 間 工 学 的 な優 位 点 が健 在 で あ る とい う点 で あ り、 代 替 品 とし て脅 威 に

は至 っ て い な い と考 え て い るの で あ る。 しか しな が ら、 音 声 フ ァイ ル の無 料

ダ ウ ン ロー ドの存 在 は、 例 え ぼ ま だ ニ ュー ス メ デ ィア の限 定 され た もの で あ

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株 式 会 社 語研 のケ ー ス ・ス タ デ ィ 刀

る とし て も、i‑Podな どのMP3の 普 及 に伴 い、い ず れ 大 きな 脅 威 に な る可 能 性 が あ る と思 わ れ る。

4‑3.STRENGTHS(強 さ) 堅 実 で 内 容 が 充 実 した 高 品 質 の 教 材

語 研 の最 大 の 強 み は、 中 上 級 レベ ル の 学 習 者 を対 象 と した 堅 実 で 高 品 質 で 多 ジ ャ ン ル を網 羅 した豊 富 な 品揃 え と それ に対 す る信 頼 で あ る。 英 語 以 外 に 地 球 全 部 を カ バ ー す る と思 わ れ る そ の 多 言 語 へ の こだ わ り は社 会 的 使 命 感 さ え感 じ させ る。 また 、 語 研 の書 籍 の タ イ トル に は、 技 能 習 得 本 に あ りが ち な

「 ○ 週 間 で ○ ○ 語 マ ス タ ー 」の よ うな 甘 言 コ ピ ー は 少 な く 、 モ チ ベ ー シ ョ ンの 高 い 中 上 級 レベ ル の 学 習 者 を タ ー ゲ ッ トに した書 籍 が 多 く、 努 力 を継 続 す る こ と に よ っ て得 られ る ス キ ル の習 得 を促 進 す る とい う極 め て 常識 的 な ス タ ン ス を取 っ て い る。 これ 自体 が 飽 和 す る市 場 の 中 で 光 を放 つ他 社 製 品 との 差 別 化 戦 略 で あ る と も 言 え る。 市 場 が 飽 和 す れ ば安 易 な 宣 伝 文 句 や キ ャ ッチ フ レー ズ に踊 ら され る顧 客 も少 な くな い だ ろ う。 しか し、 中上 級 レベ ル の 学 習 者 は比 較 的 教 材 の 質 を見 極 め る 目 が肥 え て い る 層 で あ る。 彼 ら に支 持 され て い る出版 社 は 、 そ れ だ け高 品 質 で信 頼 で き る本 作 りを して い る出 版 社 と言 え る だ ろ う。

コーパ ス 言 語 学 を活 用 した 信 頼 性 の 高 い用 例

語 研 は、 言 語 の 研 究 と学 習 理 論 の構 築 コ ン ピ ュー タ を活 用 して 、 学 習 書 の

信 頼 性 を高 め て い る。 特 に コー パ ス 言 語 学(CorpusLinguistics)と い う現 実

の言 語 使 用 の場 面 で 収 集 され た 生 の 会 話 な どの デ ー タ に基 づ く頻 度 調 査 や 特

定 の語 句 同士 の 結 び 付 きの 強 さ な どの 事 実 を教 材 の 用 例 な どの 選 択 に活 か し

て お り、FEN英 語 ニ ュー ス、TOEIC、TOEFLな どの 語 彙 分 析 な どを、他 社

に先 駆 け て行 う良 質 の教 材 を世 に送 り出 し て きた 実 績 が あ る。 これ が語 研 が

出版 す る教 材 全 般 に渡 る信 頼 性 の確 保 に繋 が っ て い る と言 え る。 コ ーパ ス を

活 用 す る こ とで 、 単 に著 者 の主 観 や 限 られ た デ ー タ で は な く 、 、 よ り現 実 の 言

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語 使 用 の現 実 を反 映 した 教 材 の素 材 が 収 集 で き る。 そ して 、 学 習 者 は安 心 し て 学 び将 来 の 使 用 に備 え る こ とが で き る の で あ る。

多 言 語 を網 羅 す る豊 富 な 品 揃 え

語 学 系 出版 社 の大 半 が 英 語 また は中 国 語 、韓 国語 、 ドイ ツ語 、 フ ラ ン ス語 、 ス ペ イ ン語 、 ロ シア 語 の よ うなNHKの 語 学 番 組 で 取 り扱 わ れ て い る 日本 で の 学 習 人 口の 多 い外 国 語 に限 られ て い た が 、語 研 は22か 国 語 とい う他 社 の追 随 を許 き な い 特 別 な地 位 を堅 持 して い る。 これ は、 語 研 の 教 材 で 学 習 して き た 英 語 学 習 者 が 他 の 言 語 の学 習 を始 め よ う と思 い 立 っ た 時 に、 まず は これ ま で の 経 緯 か ら同 社 の 出版 物 が 選 び や す くな る。

語 研 は英 語 で 好 評 だ った 内容 や タ イ トル を他 の 言 語 の 書 籍 に も活 か し て い る。 例 え ぼ 、 今 井 久 美 著 『3パ タ ー ンで 決 め る 日常 韓 国語 会 話 ネ イ テ ィ ヴ表 現 』は 、 先 に刊 行 され た小 林 敏 彦 著 『3パ タ ー ンで 決 め る 日常 英 会 話 ネ イ テ ィ ヴ表 現 』 を模 倣 した もの で あ る 。 この よ う に英 語 書 に 限 らず 特 定 の 言 語 の学 習 書 の成 功 例 が 、 そ の 後 に発 刊 され る他 言 語 の 企 画 等 に 大 い に参 考 に され る こ とは他 言 語 出 版 を手 掛 け る語 研 の 比 類 な き強 み と言 え る。

4‑4.WEAKNESSES(弱 み)

非 効 率 な プ ロ モ ー シ ョ ン活 動 『

語 研 が も っ と も立 ち 遅 れ て い る点 と して認 識 し て い るの は、 他 社 の 製 品 と の 差 別 化 の た め に 販 売 経 路 な ど の マ ー ケ テ ィ ン グ 戦 略 で あ る。4Pの う ち Promotionが 効 果 的 に行 え な い た め 、「 売 れ る もの を よ り多 く売 る」姿 勢 が 十 分 に取 れ て い な く、 そ の改 善 策 を模 索 して い る。 現 在 の と ころ、 語 研 で は4 名 の営 業 担 当 者 が 日常 的 に 日本 全 国 の書 店 に足 を運 び 、 個 別 商 品 の販 売 促 進 を行 う他 、 自社 サ イ トで の新 刊 案 内 や 新 聞(読 売 新 聞 ・日経 新 聞)で 広 告 を 年 に数 回 出 し た り、 希 望 者 に不 定 期 で 新 刊 案 内 を メ ー ル で 送 付 して い る に留 ま っ て い る。

プ ロ モ ー シ ョ ンが 効 果 的 に行 え な い理 由 は、「 売 れ る もの を、売 れ る と き に、

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株 式 会社 語 研 の ケ ー ス ・ス タ デ ィ 沼 売 れ る と こ ろへ 」 とい う販 促 の原 則 が な か な か 実行 で き な い た め で あ る と語 研 自身 が 分 析 して い る。 「 売 れ る もの を、 売 れ る とき に 」とい う問題 は営 業 態 勢 よ り編 集 態 勢 の 問 題 で あ る。つ ま り、「 今 何 が 求 め られ て い る か を敏 感 に察 知 し、 そ れ を迅 速 に商 品化 す る」 とい う点 で 、 編 集 者 ひ と りひ と りの 能 力 の 向上 が 求 め られ て い る こ とで あ る。 語 研 の 書 籍 に つ い て は そ の質 の 高 い こ と が 評 価 され て い るが 、 そ の半 面 、 質 に こだ わ る あ ま り、 他 社 以 上 に制 作 期 間 を要 す るた め、 迅 速 性 に劣 る弊 害 が 起 きて い る。 そ の 点 を改 善 す るた め に 、 編 集 部 で は企 画 は原 則 と して 立 案 か ら刊 行 ま で を1年 以 内 に す べ く努 め て い るが 、 十 分 に実 行 で き て い る とは言 え な い 状 況 に あ る。

「 売 れ る もの を 、 売 れ る と ころ へ 」とい うの は営 業 部 が 行 う商 品 流 通 の問 題 に な る 。語 研 の 現 在 の書 店 販 売 網 は か な りPOS化 が 進 ん で きて い る が 、まだ ま だ不 十 分 な状 態 で あ る た め に、 売 れ 筋 の 大 型 書 店 で は店 頭 在 庫 が な くな っ て機 会 損 失 が 生 じて い る の に、 地 方 の 中 小 書 店 で は 売 れ な い ま ま店 頭 に並 ん で い る とい う状 況 が 珍 し くな い 。 書 店 間 で の商 品 流 通 に出 版 社 が 介 入 は で き な い の で 、 出 版 社 と し て は傍 観 せ ざ る を得 な い。 また 、 異 業 種 や 異 メ デ ィア と共 同 で の 販 促 お よび 大 規 模 な 広 告 宣 伝 も必 須 で あ る と考 え られ るが 、 語 研 の 規 模 で は それ だ けの 予 算 を確 保 で きな い 現 実 に あ る。

組 織 化 が 足 りな い販 売 力 と不 十 分 な価 格 競 争 力

語 研 は また 、 組 織 力 の足 りな い 販 売 力 と価 格 競 争 の 不 十 分 さ を 自社 の弱 み とし て認 識 し て い る。 組 織 力 の 足 りな い販 売 力 は 、 営 業 部 の人 材 の 不 足 が 大 き な原 因 で あ る と語 研 は分 析 して い る。こ こ数 年 の 出 版 界 の構 造 不 況 の結 果 、 語 研 もあ る程 度 の人 員 削 減 が避 け られ ず 、 そ のす べ て が 営 業 部 の人 員 を減 ら す こ とで対 処 せ ざ る を得 な か っ た 事 情 が あ る。 新 刊 の刊 行 点 数 を増 や す た め に は編 集 部 の人 員 を減 らす わ け に は い か な か っ た か らで あ る。 結 果 と して 、 営 業 部 に お い て語 学 書 に強 い 関 心 を持 ち 、 戦 略 的 に語 学 書 の販 売 策 を考 え ら れ る人 員 が 不 足 して い る の が 現 状 で あ る。

販 売 業 にお い て 売 り上 げ を伸 ばす に は 、顧 客 数 を増 や す と と もに 、 顧 客 単

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価 を 向上 させ る とい う2つ の命 題 を同 時 に ク リア し な け れ ば な らな い 。 書 籍 は基 本 的 に リピ ー ト購 入 の な い 特殊 な商 品 で あ り、 この2つ の命 題 は トレ ー ドオ フ の 関 係 に な る こ とが 少 な くな い だ け に頭 の 痛 い と こ ろで あ る。しか し、

「 規 模 の 経 済 」の メ リ ッ トを享 受 で き な い 出版 業 で は 、 価 格 競 争 に加 わ れ ば結 局 自分 の首 を絞 め る こ とに な る と認 識 して い る。

販 売 力 が 足 りな け れ ば必 然 的 に価 格 競 争 力 は下 が る。 語 研 が 、 本1冊 を売 り上 げ る と得 られ る収 益 は、本 やCDの 制 作 費 、宣 伝 広 告 費 、流 通 費 、著 者 へ の 印 税 の 支 払 い な どの 諸 経 費 を差 し引 く と、 お お よ そ40パ ー セ ン トで あ る。

例 え ば1600円 の 定 価 の本 で あ れ ぼ、600円 に な る 。学 習 媒 体 が 書 籍 か ら、ネ ッ トやi‑Podな どの 他 の メ デ ィア 、 さ ら にCDやDVDな どの ソ フ トを使 った 学 習 が 普 及 しつ つ あ る。 か つ て書 籍 本 体 よ り高 い 価 格 で別 売 とさ れ て い た 本 文 を 収 録 し た カ セ ッ トテ ー プ も1990年 代 か らパ ソ コ ン 関 連 雑 誌 を 中 心 に CDが 付 録 に付 く よ う に な り、 そ の 中 に はTOEICな どの 語 学 演 習 を付 け る 雑 誌 も現 れ た 。 多 くの語 学 系 出版 社 が 書 籍 の裏 表 紙 に価 格 を据 え置 い た ま ま CDを 一 枚 付 け る こ とが 標 準 化 し、語 研 も遅 れ ず そ の慣 例 に従 っ た 。最 近 の雑 誌 で はDVDを 付 録 に付 け る もの まで 出 て きて お り、 語 学 系 出 版 社 もか つ て の 道 を歩 む もの か と思 わ れ た が 、画 像 を付 け る必 然 性 が な く、CD付 きの ス タ イ ル は今 後 も続 き そ うで あ る。

語 研 は、 価 格 競 争 に 関 し て は 、学 習 者 に とっ て 付 加 価 値 の 高 い満 足 の い く 高 品 質 な教 材 を提 供 す る方 針 を持 っ て い る た め 、 あ え て価 格 競 争 に は加 わ ら な い 戦 略 で あ る。 そ れ は、 語 学 書 の よ うな 自己啓 発 書 は安 けれ ぼ売 れ る とか 安 くな け れ ば 売 れ な い とい う もの で も な く、 妥 当 な価 格 帯 に あ る限 り、 そ の 価 格 が 商 品 の付 加 価 値 に見 合 っ た もの で あ れ ぼ 、 他 社 との競 合 に お い て も勝

算 は十 分 に あ る と考 え て い る た め で あ る。

商 品 寿 命 の 短 命 化 ・新 企 画 制 作 過 程 の 短 縮 化

語 研 は、 商 品 寿 命 の短 命 化 に追 い つ か な い新 企 画 制 作 過 程 の 短 縮 化 を 自社

の 弱 点 と して 認 識 して い る。 一 般 に 書 籍 は さ ま ざ ま な ジ ャ ンル に分 類 され る

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株 式 会 社 語研 のケ ー ス ・ス タデ ィ 拓 た め に、 本 の 出 版 の 目的 も、 読 者 層 も、 構 想 か ら執 筆 、 編 集 、 出 版 、 流 通 の 経 路 も異 な る。 英 語 学 習 関 連 書 籍 の 中 で もさ ま ざ ま な分 類 が で き、 需 要 も異

な る。

プ ロ ダ ク ト ・ラ イ フ サ イ クル とい う点 で は、 資格 対 策 本 は受 験 後 に は も う 使 わ れ な くな った り、 試 験 の 出題 形 式 が 変 わ っ た 段 階 で終 わ って し ま う。辞 書 や 時 事 英 語 を 扱 った も の は時 代 の 変 遷 と共 に 中 の情 報 が 古 くな っ て し ま

う。 学 習 法 の解 説 書 や 体 験 談 な どは あ る程 度 普 遍 性 が あ り息 が 長 い よ う に思 わ れ る が 、 近 年i‑PodやMP3系 の メ デ ィア を活 用 した リス ニ ン グ が 流 行 っ て きて い る よ う に、 テ ク ノ ロ ジ ー の発 達 で よ り効 果 的 な学 習 方 法 が 試 案 され て くる の で あ る。 この よ う に随 筆 や小 説 か ら見 る と語 学 書 の プ ロ ダ ク ト ・ラ イ フサ イ ク ル は平 均1年 半 以 下 と言 わ れ 、 そ の分 語 学 専 門 出版 社 は次 々 と新 刊 を出 す こ とに な る。 語 研 は2006年 だ け で27点 の 書 籍 を 出版 し て い る 。

この よ うな商 品 寿 命 の短 命 化 に伴 い 、 新 企 画 制 作 過 程 も短 縮 化 し て い る。

一 般 に新 企 画 の構 想 は 、 編 集 者 各 個 人 の 着 想 お よび 出 版 社 が 最 近 の本 の 売 れ 筋 や読 者 の要 望 、 そ の他 の社 会 的 動 向 を見 定 め て発 案 し著 者 に執 筆 を依 頼 す る 「 社 内 開 発 」 と、 著 者 が 発 案 し出版 社 に企 画 を売 り込 む 「 提 案 企 画 」 に 二 分 され る。 語 研 の 場 合 、5人 の ス タ ッ フ に よ る社 内 開 発 が 全 体 の 出 版 点 数 の 8割 強 を 占 め て お り、 残 る2割 弱 が著 者 の 提 案 企 画 で あ る 。 語研 で は、 企 画 担 当者 が 店 頭 で 他 社 の書 籍 と著 者 を調 べ 、 教 育 機 関 の 著 者 で あ れ ば、 文 科 省 や 学 校 の サ イ トで 調 べ メ ー ル 等 で接 触 す る。 日本 人 の英 語 学 習 を促 進 す る物 を世 に 出 す に は、 や は り 日本 の 事 情 に精 通 し 日本 人 英 語 学 習 の こ と を よ く 知 っ て い る著 者 を求 め る た め に、国 内 に い る適 格 者 を探 し求 め る こ と に な る。

日本 人 だ け で な く、 日本 の 学 校 で教 えて い る外 国人 に直 接 コ ン タ ク トす る こ とや他 の 日本 人 の 著 者 か らの 紹 介 や 、 共 著 とい う形 で 接 点 を持 つ よ う に な る こ と も あ る。

また 、 執 筆 者 との 印 税 率 の 取 り決 め は、 基 本 的 に出 版 界 の慣 例 に従 っ て 印

税 率 を提 示 して い る。 印税 は基 本 的 に 製 造 部 数 に基 づ い て支 払 わ れ る。 苦 境

に あ え ぐ出版 界 で は、 印税 を実 販 売 部 数 に基 づ い て 支 払 い す る出 版 社 も増 え

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て き て い るが 、 現 在 の と ころ語 研 は実 販 売 部 数 方 式 は採 用 し て い な い 。 印 税 率 や 新 企 画 の 立 案 や詳 細 は、 著 者 と 出版 社 との 合 意 で 決 定 され る が 、 一 般 に 交 渉 力 に お い て、 出版 社 の ほ うが 強 い と言 え る。

5.戦 略 的 代 替 案

語 研 の 強 み と弱 み の 中 か ら、 特 に強 み で あ る 「 堅 実 で 内 容 が 充 実 した 高 品 質 の教 材 」 と 「 多 言 語 を網 羅 す る豊 富 な 品揃 え」 お よび 弱 み で あ る 「 非 効 率 な プ ロ モ ー シ ョン活 動 」 を鑑 み 、 さ らに学 習 者 と して の視 点 と収 益 性 との双 方 を鑑 み 、 以 下5点 の 出 版 企 画 と販 売 戦 略 を提 言 す る。

5‑1.大 学 セ ン タ ー 試 験 リス ニ ン グ教 材 の 開 発

英 語 学 習 者 が もっ と も多 い 、 ピ ラ ミ ッ ドの 真 中 か ら底 辺 に か け た 顧 客 を タ ー ゲ ッ トに し た商 品 開 発 が 収 益 拡 大 に効 果 が あ る と考 え る。 語 研 は小 学 校 で の英 語 教 育 の必 修 化 に伴 い児 童 も今 後 の 重 要 な タ ー ゲ ッ トと して い るが 、 児 童 が本 屋 で 購 入 す るの は あ ま り期 待 で きな い の で 、 親 子 で 学 べ るス タ イル の書 籍 を今 後 出版 して い く予 定 で あ る が 、 そ の 次 の世 代 で あ る 中 学 ・高 校 生 を タ ー ゲ ッ トに した 教 材 の充 実 も考 え る べ きで あ る。 な ぜ な ら、 この 層 は 日 本 で は 最 大 級 の英 語 学 習 人 口 層 で あ り、 顧 客 と して取 り込 め ぼ大 きな 収 益 が 期 待 で き るか らで あ る。

た だ 、 前 述 した よ うに学 生 の読 書 離 れ が 進 み書 籍 を購 入 しな くな っ た た め、

語 研 は学 生 を タ ー ゲ ッ ト と しな い 方 針 を 明確 に打 ち 出 して い る。 語 研 は ビジ ネ ス マ ン を タ ー ゲ ッ ト と して お り、 フ レー ズ 集 の例 文 にお い て もキ ャ ンパ ス の会 話 な ど は極 力 さ け、 ビジ ネ ス の場 面 を意 識 した対 話 文 を含 む よ う に著 者 に要 請 して い る。

しか し、 参 考 書 や 問 題 集 の類 い は、 親 が 出 費 して い る と ころ が 多 い が 、 そ

れ は進 学 とい う大 きな 目標 の た め に あ らか じ め設 定 さ れ た 日々 の 経 費 の一 部

と して 家 計 で 位 置 付 け られ、 受 験 に特 化 した もの で あ る。 高 校 ・大 学 の受 験

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株 式 会社 語 研 のケ ー ス ・ス タ デ ィ 77

に準 ず る もの とし て実 用 英 検 の存 在 が あ るが 、 受 験 者 数 の低 下 や 主 催 す る旺 文 社 の 寡 占市 場 とな っ て い る こ と もあ り、 語 研 で は英 検 は ま った く眼 中 にな

い0

2005年 度 の 大 学 セ ンタ ー 試 験 で リス ニ ン グ が 導 入 さ れ た 。語 研 は これ を脅 威 と は見 て い な い 。 しか し、2006年 度 に は、 国公 立 大 学 に加 えて 私 立 大 学 の 8割 強 が 参 加 し、607校 の入 学 審 査 に使 わ れ 、約55万 人 が 受 験 した セ ン タ ー 試 験 は、 特 定 時 期 の受 験 数 だ け で な くそ の対 策 の た め に学 習 に励 ん で い る高 校 生 の 数 を合 わ せ る と膨 大 な数 の学 習 者 が 対 象 に な っ て い る。10人 に1人 で も購 入 す る教 材 となれ ば 、 少 な く と も5万 部 の売 り上 げが 期 待 で き る の で あ る。 これ は実 は 、 大 学 英 語 教 育 学 会(JACET)の 新 テ ス ト研 究 開 発 特 別 委 員 会 の 主 要 テ ー マ にな っ て い た 分 野 で あ る。

1990年 代 半 ぼ まで に全 国 都 道 府 県 す べ て の公 立 高 校 の 入 試 に リス ニ ン グ 試 験 が 導 入 さ れ 、 高 校 で はオ ー ラ ル コ ミュニ ケ ー シ ョンが 導 入 され た。 しか し、 オ ー ラ ル コ ミュニ ケ ー シ ョン の 時 間 に文 法 を教 えた り、 ま った く教 科 書 を 開 か な い な どの 「 実 質 的 未 履 修 」 が横 行 し、 そ れ は大 学 生 を調 査 す る こ と で 一 目瞭 然 で あ る。 し か し、2005年 の 大 学 セ ン タ ー 試 験 を受 験 して 入 学 して

き た大 学 一 年 生 の 現 役 入 学 生 に対 す る調 査 で は この 実 質 的 未 履 修 は ほ とん ど

皆 無 にな っ た。 現 場 の 高 校 教 員 が 真 剣 にオ ラ コ ンを 教 え始 め た の で あ る。 そ

こで 、 リス ニ ング の 指 導 の あ り方 な ど教 授 法 上 の 問 題 は さ て お き、 何 を 高校

生 に聞 か せ る か を 考 え た 際 に、 従 来 の 日本 の英 語 教 材 市 場 で 中 高 生 を タ ー

ゲ ッ ト とし た リス ニ ン グ教 材 は、検 定 教 科 書 の付 属CDや カ セ ッ ト、ま た は 英

検4級 、3級 、 準2級 、2級 な どの 実 用 英 検 の過 去 問 題 を収 録 した 音 声 教 材

ぐ らい しか な か っ た ので あ る。 そ の た め 、 第1回 の 大 学 セ ンタ ー 試 験 に お い

て リス ニ ン グ試 験 前 の 施 行 テ ス トな どで 内 容 や 形 式 、 レベ ル が 明 らか に な る

と、 旺 文 社 を始 め 、 数 社 が 一 斉 に セ ン ター 試 験 の リス ニ ン グ対 策 本 を 出版 し

た。 受 験 生 の数 を考 え る と魅 力 的 な市 場 で あ る。 しか し、 そ れ ら は あ くまで

も対 策 本 で あ り、 一 応 の リス ニ ン グ カ が つ い た上 で の 仕 上 げ段 階 の た め の ガ

イ ドの よ う な性 格 を有 して い る。 教 科 書 の ゆ っ く り と明 確 に た だ 本 文 を朗 読

図 表2ミ ク ロ 的 分 析(Porte〆sFiveForces) 既 存競 争企 業 間 の敵 対 関係 (業界 内の競 合企 業) 強 本 が売 れ ない時 代 に あって、飽 和状 態 に近 い ほど豊 富 な商 品 の 中で類 似 品 が あふ れ、CDの 無料 付録 化 も標準 化 され て るな ど、価 格競 争 も激 化 してい る。 新規参入企業 の脅威 中 優 秀 な編集 者 の確保 と特 殊 な出版 流通 システ ムに精通 した営業 担 当者 の確保 が参 入時 の大 きな 課 題 で

参照