塊和歌集本文及び総索引
春
正月一日よめる
ーけさ見れば山もかすみてひさかたの あまのはらよりはるはきにけり
立春の心をよめる
2こsのへのくもゐにはるぞたちぬらし 大内山にかすみたなびく
故 郷 立春﹂︵ーウ︶
3あさがすみたてるを見ればみつのえの よしのx宮に春はきにけり
はるのはじめにゆきのふるをよめる
4かきくらし猶ふる雪のさむければ はるともしらぬたにのうぐひす
5春たふばわかなつまむとしめをきし のべとも見えずゆきのふれxば
はるのはじめのうた
6うちなびきはるさりくればひさぎおふる かた山かげにうぐひすそなく
7山ざとにいへゐはすべしうぐひすの なくはつこゑのきかまほしさに 屏風のゑにかすがの山にゆきふれる 所 8松の葉のしろきを見ればかすが山 このめもはるのゆきぞふりける﹂︵2ウ︶
をよめる わかなつむところ
9かすがの二とぶひのsもりけふとてや むかしがたみにわかなつむらむ
雪中わかなといふことを
ーo
わ か な つむころもでぬれてかたをかの あしたのはらにあはゆきぞふる む め
のはなをよめる
u
む あ が え にごほれるしもやとけぬらむ ほしあへぬつゆのはなにこぼるs﹂
屏 風 に む め
の木にゆきふりかxれる
12
む め の花いろはそれともわかぬまで かぜにみだれてゆきはふりつ二 む め の はなさける所をよめる
13
わ が やどのむめのはつ花さきにけり まつうぐひすはなどかきなかぬ
花あひだのうぐひすといふことを
14
はるくればまつさくやどのむあのはな﹂︵3ウ︶かをなつかしみうぐひすそなく む め の
花 か ぜ
にふほふといふことを
人くによませ侍しついでに
15
む めがふをゆめのまくらにさそひきて さむるまちけるはるのやまかぜ
16
このねぬるあさけのかぜにかほるなり のきばのむめのはるのはつ花
梅
香薫衣﹂
w
むめがふはわがころもでにNほひきぬ 花よりすぐるはるのはつかぜ む め
のはなをよめる
18
はるかぜはふけどふかねどむめのはな さけるあたりはしるくそありける
はるのうた
19さわらびのもえいつるはるになりぬれば のべのかすみもたなびきにけり﹂︵4ウ︶
かすみをよめる
勿
み ふゆつぎはるしきぬればあをやぎの かづらきやまにかすみたなびく
飢おほかたにはるのきぬれば春がすみ よもの山べにたちみちにけり
2
をしなべて春はきにけりつくばねの このもとごとにかすみたなびく や なぎをよめる﹂
幻はるくればなをいうまさる山しろの ときはのもりのあをやぎのいと あめの中やなぎといふことを
別あさみどりそめてかけたるあをやぎの いとにたまぬく春さめぞふる
%
水 たまるいけのつふみのさしやなぎ このはるさめにもえいでにけり や なぎ﹂︵5ウ︶
勿あをやぎのいともてぬけるしらつゆの たまこきちらすはるのやまかぜ あめそほふれるあした勝長壽院の む め
所くさきたるをみて花にむすび
つけしうた
ガ
ふるでらのくち木のむめもはるさめに そぼちて花ぞほころびにける 雨 後うぐひすといふことを﹂
田
はるさめのつゆもまだひぬむめがえに うはげしほれてうぐひすそなく 梅 花 厭 雨
29わがやどのむめのはなさけりはるさめは いたくなふりそちらまくもをし 故 郷 梅 花
30
た れ に かもむかしもとはむふるさとの のきばのむめは春をこそしれ
31としふればやどはあれにけりむめの花﹂︵6ウ︶花はむかしのかにNほへども
鉋
ふるさとにたれしのべとかむめのはな むかしわすれぬかにsほふらむ
ふるさとの春の月といふことをよめる
33
ふるさとはみしごともあらずあれにけり かげそむかしの春のよの月
誕たれすみてたれながむらむふるさとの よしのふみやの春のよの月﹂
春月
籠ながむればころもでかすむひさかたの 月のみやこのはるのよのそら 梅 花をよめる
鉤わがやどのやへのこうばいさきにけり しるもしらぬもなべてとはなむ
留うぐひすはいたくなわびそむめのはな ことしのみちるならひならねば﹂︵7ウ︶
38さりともとおもひしほどにむめのはな ちりすぐるまできみがきまさぬ
額わがそでにかをだにのこせむめのはな あかでちりぬるわすれがたみに
⑩
む め の はなさけるさかりをめのまへに すぐせるやどははるぞすくなき
よぶこどり
41あをによしならの山なるよぶこどり いたくなふきそ君もこなくに﹂
すみれ
昭あさちはらゆくゑもしらぬのべにいでふ ふるさと人はすみれつみけり きゴす
姶
た
かまどのおのへのきゴすあさなく つまにごひつふなくねかなしも
坐
を の が つまこひわびにけりはるのふに あさるきsすのあさなくなく﹂︵8ウ︶
名所桜
45
をとにきくよしのふさくらさきにけり山のふもとにかLるしらくも とをき山のさくら
46
か づらきやたかまのさくらながむれば ゆふゐるくもに春さめぞふる 雨中桜
邸あめふるとたちかくるれば山ざくら﹂ はなのしつくにそぼちぬるかな
胡けふも又花にくらしつはるさめの つゆのやどりをわれにかさなん
山路夕花
ω
みちとをみけふこえくれぬやまざくら はなのやどりをわれにかさなむ
春山月﹂︵9ウ︶
50
か ぜさはぐをちのとやまにそらはれて さくらにくもる春のよの月 屏 風 ゑ に た び
人あまた花のした
に ふ せる所
51
このもとの花のしたぶしよごろへて わがころもでに月ぞなれぬる
銘このもとにやどりはすべしさくらばな ちらまくおしみたびならなくに﹂
53
このもとにやどりをすればかたしきの わがころもでにはなはちりつN
誕
いましはと思しほどにさくらばな ちるこのもとにひかずへぬべし
山家見花ところ
田時のまと思てこしをやまざとに はな見るくとながゐしぬべし 花ちれる所にかりのとぶを﹂︵−oウ︶
56
かりがねのかへるつばさにかほるなり はなをうらむる春のやまかぜ きさらぎの廿日あまりのほどにやあり けむきたむきのえんにたちいでsゆふ ぐれのそらをながあて一人おるにかり のなくをきふてよめる
訂
な がめつsおもふもかなしかへるかり ゆくらむかたのゆふぐれのそら﹂
ゆみあそびをせしによしの山の か たをつくりて山人のはなみたる 所 をよめる
鵠
みよしのふやまの山もりはなをよみ ながくし日をあかずもあるかな
ペト59
みよしのs山にいりけむやま人と なりみてしがなはなにあくやと
屏 風 によしのやまかきたる所﹂︵1ーウ︶
60
み よしのふやまにこもりし山人や 花をぼやどのものと見るらん 古 郷 花
61さとはあれぬしがの花そのくかみの むかしのはるやこひしかるらむ
62
た つ ね てもたれにかとはむふるさとの はなもむかしのあるじならねば 花
をよめる﹂
63さくらばなちらまくをしみうちひさす みやちの人ぞまどゐせりける
磁さくら花ちらばおしけむたまぼこの みちゆきぶりにをりてかざsむ
衡
みちすがらちりかふはなを雪とみて やすらふほどにこの日くらしつ
価さけばかつうつろふ山のさくらばな 花のあたりにかぜなふきそも﹂︵12テ︶
人 のもとによみてつかはし侍し
訂はるはくれど人もすさめぬ山ざくら かぜのたよりにわれのみぞとふ
山家見花といふことを人くあまた
つ かうまつりしついでに
68さくら花さきちるみればやまざとに われぞおほくのはるはへにける 屏 風
に山中にさくらさきたる所﹂
69山ざくらちらばちらなむおしげなみ よしや人みず花のなだてに はなをたつぬといふことを
70はなを見むとしもおもはでこしわれぞ ふかきやまちに日かずへにける 屏風のゑに
71山かぜのさくらふきまくをとすなり ょしのSたきのいはもとぶろに﹂︵13ク︶
72
たきのうへのみふねの山のやまざくら かぜにうきてぞはなもちりける ちる花
73 はるくればいとかのやまの山ざくら かぜにみだれて花ぞちりける 花 か ぜ を いとふ
74さきにけりながらの山のさくらばな かぜにしられで春もすぎなん 花 をよめる﹂
75
み よしのsやましたかげのさくらばな さきてたてりとかぜにしらすな
名所ちる花
76さくらばなうつろふ時はみよしのふ やましたかぜにゆきぞふりける 花 雪 に﹂たりといふことを
η
か ぜ ふけば花はゆきとそちりまがふ よしの二山は春やなからむ﹂負ウ︶
78山ふかみたつねてきつるこのもとに ゆきと見るまではなぞちりける
乃春のきて雪はきえにしこのもとに しろくもはなのちりつもるかな 雨中夕花
80山ざくらいまはのこうのはなのえに ゆふべのあめのつゆそこぼる二
81
やまざくらあだにちりにし花のえに﹂ ゆふべのあめのつゆのNこれる 落 花をよめる
田はるふかみあらしのやまのさくらばな さくと見しまにちりにけるかな 三月のすゑつかた勝長壽院にまう で たりしにあるそう山かげにかくれ をるを見てはなはとふひしかばちりぬ
となむこたへ侍しをき﹀てよめる
田ゆきて見むと思しほどにちりにけり﹂︵15ウ︶あやなのはなやかぜたsぬまに
包さくら花さくと見しまにちりにけり ゆめかうつsか春のやまかぜ 水 邊 落
花といふ事を
肪さくらばなちりかひかすむはるのよの おぼろ月よのかものかはかぜ
86ゆく水にかぜふきいるsさくらばな ながれてきえぬあはかともみゆ﹂
田山ざくらきゴのこずゑにみしものを いはまのみつのあはとなりぬる
湖邊落花
田
やまかぜのかすみふきまきちる花の みだれてみゆるしがのうらなみ
故
郷 惜花心を
額さsなみやしがのみやこのはなざかり かぜよりさきにとはましものを﹂︵16ウ︶
90ちりぬればとふ人もなしふるさとは 花そむかしのあるじなりける
91 ことしさへとはれでくれぬさくらばな はるもむなしきなにこそありけれ 花 恨 風
田
心うきかぜにもあるかなさくらばな さくほどもなくちりぬべらなる 春 風 を よ める﹂
93さくらばなさきてむなしくちりにけり よしのsやまはた貸春のかぜ
さくらをよめる
助さくらばなさけるやまちやとをからん すぎがてにのみはるのくれぬる
鮪はるふかみ花ちりかsる山の井の ふるきしみつにかはつなくなり 河 邊 款冬﹂︵17ウ︶
96山ぶきのはなのしつくにそでぬれて むかしおぼゆるたまがはのさと
97
やまぶきのはなのさかりになりぬれば 井でのわたりにゆかぬ日ぞなき 款冬を見てよめる
蕗わがやどのやへの山ぶきつゆをsもみ うちはらふそでのそぼちぬるかな ああのふれる日山ぶきをよめる﹂
旬はるさめのつゆのやどりをふくかぜに こぼれてにほふ山ぶきのはな 山ぶきを〜りてよめる
m
いまいくか春しなければはるさめに ぬるともおらむ山ぶきのはな 山ぶきに風のふくを見て 皿 わ が 心
い か に せよとかやまぶきの うつろふはなにあらしたつらん﹂︵18ウ︶
蝿 たちかへりみれどもあかずやまぶきの はなちるきしのはるのかはなみ やまぶきのはなをsりて人のもとに つ か は
すとてよめる
鵡をのつからあはれとも見よはるふかみ ちりゐるきしのやまぶきのはな
W
ちりのこるきしの山ぶきはるふかみ このひとえだをあはれといはなん﹂山ぶきのちるを見て 鵡 たまもかる井でのかはかぜふきにけり みなはにうかぶ山ぶきのはな 迎 たまもかる井でのしがらみ春かけて さくやかはせの山ぶきの花 まとゆみのふりうに大井がはを
つくりてまつにふちかsる所
皿 たちかへりみてをわたらむ大井がは かはべのまつにかsるふちなみ﹂︵19ウ︶
屏 風 ゑ に たこのうらにたび人のふち
のはなをsりたる所
螂 たこのうらのきしのふちなみたちかへり おらではゆかじそではぬるとも いけのへんのふちのはな 珊
ふるさとのいけのふちなみたれうへて むかしわすれぬかたみなるらん
m
いとはやもくれぬる春かわがやどの いけのふちなみうつろはぬまに﹂
正月二ありしとし三月にほとsぎす
なくをきsてよめる
皿きかざりきやよひの山のほとsぎす はるくはsれるとしはありしかど 春のくれをよめる 田春ふかみあらしもいたくふくやどは ちりのこるべきはなもなきかな 田ながめこしはなもむなしくちりはてS はかなくはるのくれにけるかな﹂︵20ウ︶
取 い つ か た にゆきかくるらむはるがすみ たちいでs山のはにも見えなで 価 ゆく春のかたみとおもふをあまつそら ありあけの月はかげもたえにき
三月壷
㎜ おしむともこよひあけなぱあすよりは
はなのたもとをぬぎやかへてむ﹂
」
皿(ウ︶
夏
更 衣 をよめる
m
おしみこし花のたもともぬぎかへつ 人の心ぞなつにはありける 夏のはじめのうた 田 な つごろもたつたの山のほとsぎす いつしかなかむこゑをきかばや春
m
すぎていくかもあらねどわがやどの﹂ いけのふちなみうつろひにけり
ほとsぎすをまつといふことをよめる
m
夏ごろもたちし時よりあしびきの 山ほとsぎすまたぬ日ぞなき捌 ほとsぎすきくとはなしにたけくまの まつにぞ夏のひかずへぬべき 辺 は つ
こ
ゑ をきくとはなしにけふも又 やまほとsぎすまたずしもあらず﹂︵2ウ︶
田 ほとsぎすかならずまつとなけれども よなくめをもさましつるかな 山家時鳥 以 やまちかくいゑゐしせればほとsぎす なくはつこゑはわれのみぞきく
ほとsぎす寄
斑あしびきのやまほとsぎすごがくれて あにこそ見えねおとのさやけさ﹂
鵬 か づらきやたかまの山のほとsぎすくもゐのよそになきわたるなり
m
あしびきのやまほとsぎすみやまいでs よぶかき月のかげになくなり 田ありあけの月はいりぬるこのまより やまほとsぎすなきていつなり 鵬 み な 人 の な をしもよぶかほとsぎす なくなるこゑのさとをとよむか﹂︵鴉ウ︶夕時鳥 蜘ゆふやみのたづくしきにほとsぎす こゑうらがなしみちやまどへる 夏 寄
斑さつきまつをだのますらおいとまなみ せきいるsみつにかはつなくなり 皿さみだれに水まさるらしあやめぐさ うれはかくれてかる人のなき﹂
五月あめふれるにあやめぐさを み
てよめる 皿 そ で ぬ れ てけふ〜くやどのあやめぐさ いつれのぬまにたれかひきけむ 皿 五月雨は心あらなむくもまより いでくる月をまてばくるしも 皿さみだれに夜のふけゆけばほとsぎす ひとりやまべをなきてすぐなり﹂︵勿ウ︶
螂さみだれのつゆもまだひぬおくやまの まきのはがくれなくほとsぎす 卿 五月雨のくものかsれるまきもくの ひはらがみねになくほとsぎす 皿さ月山こだかきみねのほとsぎす たそかれ時のそらになくなり 故 郷
盧橘﹂
珊 い にしへをしのぶとなしにふるさとの ゆふべのあめにsほふたちばな 盧 橘 薫 衣
蜘うたsねのよるのころもにかほるなり ものおもふやどのsきのたちばな
ほとsぎすをよある
皿ほとSぎすきけどもあかずたちばなの 花ちるさとのさみだれのころ﹂︵25ウ︶
社 頭 時鳥 迎さみだれをぬさにたむけてみくまのs 山ほとsぎすなきとよむなり 雨いたくふれるよひとりほと\ぎす
をきsてよめる
皿 ほとsぎすなくこゑあやなさ月やみ きく人なしみあめはふりつ〜﹂
深 夜 郭 公 14さ月やみおぼつかなきにほとsぎす ふかきみねよりなきていつなり 螂さつきやみかみなびやまのほとsぎす つまこひすらしなくねかなしも 蓮 露 似 玉 泌さよふけてはすのうきはのつゆのうへに たまと見るまでやどる月かげ﹂︵船ウ︶
河 風 似 秋 蜥 いはくぶるみつにや秋のたつたがは かはかぜすゴし夏のゆふぐれ
螢 火 乱 飛 秋 已
近といふ事を
螂 かきつばたおふるさはべにとぶほたる かずこそまされ秋やちかけむ 珊夏やまになくなるせみのこがくれて 秋ちかしとやこゑもおしまぬ﹂
みな月の廿日あまりのころ夕風 すだれをうこかすをよめる 皿 秋ちかくなるしるしにやたまだれの こすのまとをしかぜのすゴしき 夜 風冷衣といふことを 皿なつふかみ思もかけぬうたsねの よるのころもにあきかぜぞふく 夏のくれによめる﹂︵留ウ︶
皿昨日まで花のちるをぞおしみこし ゆめかうつsか夏もくれにけり 鵬 み そぎするかはせにくれぬ夏の日の いりあひのかねのそのこゑにより 皿夏はたゴこよひばかりと思ねの ゆめぢにすぶし秋のはつ風﹂
秋
七月一日のあしたによめる 皿きのふこそ夏はくれしかあさといでの ころもでさむし秋のはつかぜ 海 遍 秋きたるといふ心を ぷきりたちてあきこそsらにきにけらし ふきあげのはまのうらのしほかぜ﹂︵田ウ︶
研うちはへて秋はきにけりきのくにや ゆらのみさきのあまのうけなは 寒 蝉鳴 ぷ ふくかぜのす貸しくもあるかをのつから 山のせみなきて秋はきにけり 秋のはじめのうた
珊すむ人もなきやどなれどおぎのはの つゆをたつねてあきはきにけり﹂
蜘 のとなりてあとはたえにしふかくさの つゆのやどりに秋はきにけり 白露
皿 秋は\やきにける物をおほかたの のにも山にもつゆぞをくなる 秋 風 ほゆふさればころもですぶしたかまとの おのへのみやの秋のはつ風﹂︵四ウ︶
迎ながむればころもでさむしゆふつくよ さほのかはらの秋のはつかぜ 秋
のはじめによめる 脳あまのがはみなはさかまきゆく水の はやくもあきのたちにけるかな ぷ ひさかたのあまのかはらをうちながめ いつかとまちし秋もきにけり 頂 ひこぼしのゆきあひをまつひさかたの﹂ あまのかはらに秋風ぞふく 聯ゆふされば秋かぜすゴしたなばたの あまのはごろもたちやかふらん
七夕
鵬あまのがはきりたちわたるひこぼしの つまむかへぶねはやもこがなん 陶こひくてまれにあふよのあまのがは かはせのたつはなかずもあらなむ﹂︵30ウ︶
m
た なばたのわかれをsしみあまのがは やすのわたりにたつもなかなんm
いまはしもわかれもすらしたなばたは あまのかはらにたつぞなくなる秋
の
はじめ月あかsりしよ
m
あまのはらくもなきよゐにひさかたの 月さえわたるかさsぎのはし 鵬 秋 か ぜによのふけゆけばひさかたの﹂ あまのかはらに月かたぶきぬ 七月十四日夜勝長壽院のらうに
侍りて月のさしいりたりしをよめる 偽 な が め やるのきのしのぶのつゆのまに いたくなふけそ秋のよの月 あけぼのににはのおぎをみて 田あさぼらけおぎのうへふく秋風に したばをしなみつゆそこぼるS﹂︵3ーウ︶
秋 のsにおくしらつゆはたまなれや といふことを人くにおほせてつかう
まつらせし時よめる 描さsがにのたまぬくいとのをsよはみかぜにみだれてつゆそこぼるs 秋 寄
m
花にをくつゆをしづけみしらすげの まのsはぎはらしほれあひにけり路
萩頭
聞 みちのべのおのsゆふぎりたちかへり見てこそゆかめ秋はぎのはな 草 花をよめる
仰 の べ に い でsそぽちにけりなからころも きつsわけゆく花のしつくに
距め
ふちばかまきてぬぎかけしぬしやたれ とへどこたへずのべの秋風﹂︵忽ウ︶
とがりしにとがみがはらといふ所にいで 侍し時あれたるいほりのまへにらんさ けるをみてよめる 皿 秋 か ぜ になにsほふらむふちばかま ぬしはふりにしやどsしらずや 故 郷 萩 迎 ふるさとのもとあらのこはぎいたづらに 見る人なしみさきかちりなん﹂
にはのはぎをよめる 螂 秋風はいたくなふきそわがやどの もとあらのこはぎちらまくもおし
夕秋風といふことを
秋
W
ならでたSおほかたのかぜのをとも ゆふべはことにかなしきものをゆふべの心をよめる ぷ お ほ か た にもの思としもなかりけり たゴわがための秋のゆふぐれ﹂︵田ウ︶
聯 た そ が れ にもの思をればわがやどの おぎのはそよぎ秋かぜぞふく ぽ わ れ の み やわびしとはおもふはなすsき ほにいつるやどの秋のゆふぐれ
に は の はぎわつかにのこれるを月さし い
でsのち見るにちりにたるにや花
の み
えざりしかば
瑚はぎのはなくれρ\までもありつるが﹂ 月いでs見るになきがはかなさ 秋 をよめる 迎 秋はぎのしたばもいまだうつろはぬに けさふくかぜはたもとさむしも あさがほ 蜘 か ぜ をまつくさのはにをくつゆよりも あだなる物はあさがほの花
の べ の かるかやをよめる﹂︵鈎ウ︶
皿ゆふさればのちのかるかやうちなびき みだれてのみぞつゆもをきける 秋 寄 斑あさなくつゆ−におれふす秋はぎの はなふみしだきしかぞなくなる
鵬はぎが花うつろひゆけばたかさごの おのへのしかのなかぬひそなき﹂
脳さをしかのをのがすむのsをみなへし はなにあかずとねをやなくらむ 皿よそに見ておらではすぎじをみなへし なをむつまじみつゆにぬるとも 瑚 秋 か ぜはあやなsふきそしらつゆの あだなるのべのくずのはのうへに 皿しらつゆのあだにもをくかくずのはに たまればきえぬかぜたsぬまに﹂︵鵠ウ︶
山家晩望といふことを 鵬くれかsるゆふべのそらをながむれば こだかき山に秋かぜぞふく 加 秋をへてしのびもかねにものぞ思 をのsやまべのゆふぐれのそら﹂
剛
こ
ゑ た か み は やしにさけぶさるよりも われぞものおもふ秋のゆふべは 秋のうた
批卦だれのこすのひまもる秋かぜの いもこひしらに身にそしみける 鵬あきかぜはやsはださむくなりにけり﹂︵36ウ︶ひとりやねなむながきこのよを 脳 かりなきて秋風さむくなりにけり ひとりやねなんよるのころもうすし 蹴 をざsはら夜はにつゆふく秋風を やsさむしとやむしのわぶらむ 卿
に はくさにつゆのかずそふむらさめに よぶかきむしのこゑぞかなしき﹂
蹴あさちはらつゆしげきにはのきりρ\す秋ふかきよの月になくなり 卿あきのよの月のみやこのきりρ\す なくはむかしのかげやこひしき
㎜あまのはらふりさけ見れば月きよみ 秋のよいたくふけにけるかな
月をよめる
別 わ れながらおぽえずをくかそでのつゆ 月にもの思よごろへぬれば﹂︵37ウ︶
八月十五夜 氾 ひさかたの月のひかりしきよければ秋のなかばをそらにしるかな 海
邊月
鵬 たまさかに見るものにもがいせのうみの きよきなぎさの秋のよの月 鎚 い せ
のうみやなみにたけたる秋のよの ありあけの月にまつかぜぞふく﹂
珊すまのあまのそでふきかへす秋かぜに うらみてふくる秋のよの月 舗しほがまのうらふくかぜにあきたけて まがきのしまに月かたぶきぬ
月前鳩
脚あまのはらふりさけ見ればますかゴみ きよき月よにかりなきわたる 況 む ばたまの夜はふけぬらしかりがねの きこゆるそらに月かたぶきぬ﹂︵鵠ウ︶
魏 なきわたるかりのはかぜにくもきえて よぶかきそらにすめる月かげ 吻こsのへのくもゐをわけてひさかたの 月のみやこにかりぞなくなる 21あまのとをあけがたのそらになくかりの つばさのつゆにやどる月かげ 海のほとりをすぐとてよめる 盟 わ た の はらやへのしほぢにとぶかりの つばさのなみにあきかぜぞふく﹂
脇 な が め やる心もたえぬわたのはら やへのしほちの秋のゆふぐれ 鳩 を
盟 秋風に山とびこゆるはつかりの つばさにわくるみねのしらくも 認あしびきのやまとびこゆる秋のかり いくへのきりをしのぎsぬらむ ぴ かりがねはともまどはせりしがらきや まきのぞま山きりたSるらし﹂︵39ウ︶
夕鷹
卿 ゆ ふさればいなばのなびくあきかぜに そらとぶかりのこゑもかなしや
田家夕鷹
認 かりのゐるかどたのいなばうちそよぎ たそがれ時に秋かぜぞふく 野 邊 露 幼 ひさかたのあまとぷかりのなみだかも﹂ おほあらきのsさsがうへのつゆ
田家露
蜘 秋 たもるいほにかたしくわがそでに きえあへぬつゆのいくへをきけむ
田家夕
21 かくて猶たえてしあらばいかぶせん 山だもるいほの秋のゆふぐれ
田家秋といふ事を﹂︵ωウ︶
蹴 からころもいなばのつゆにそでぬれて ものおもへともなれるわが身か 郷山だもるいほにしをればあさなく たえずきsつるさをしかのこゑ
夕鹿 頚 なくしかのこゑよりそでにをくかつゆもの思ころの秋のゆふぐれ
しかをよめる
郷 つまこふるしかぞなくなるをぐらやま﹂ やまのゆふぎりたちにけむかも 鰯ゆふさればきりたちくらしをぐら山 山のとかげにしかぞなくなる 却くものゐるこずゑはるかにきりこめて たかしのやまにしかぞなくなる 蹴さよふくるまsにとやまのこのまより さそふか月をひとりなくしか 籾月をのみあはれと思をさよふけて みやまがくれにしかぞなくなる﹂︵4ーウ︶
閑居望月 脚こけのいほにひとりながめてとしもへぬ ともなき山の秋のよの月
名所秋月 刎月みればころもでさむしさらしなや をばすてやまのみねの秋かぜ
把山さむみ衣でうすしさらしなや をばすての月に秋ふけしかば﹂
脇さsなみやひらのやまかぜさよふけて 月かげさむしsがのからさき 秋 寄 拠月きよみ秋のよいたくふけにけり さほのかはらにちどりしばなく
月前揺衣
鍋あきたけてよぶかき月のかげ見れば あれたるやどにころもうつなる﹂︵犯ウ︶
蹴さよふけてなかばたけゆく月かげに あかでゃ人のころもうつらむ 閣よをながみねざめてきけばなが月の ありあけの月に衣うつなり 揺 衣 をよめる 拠 ひとりぬるねざめにきくそあはれなる ふしみのさとにころもうつこゑ 脚 み よしのsやましたかぜのさむきよを たれふるさとにころもうつらむ﹂
秋 寄 鋤 む
かし思あきのねざめのとこのうへを ほのかにかよふみねのまつかぜ 蹴 見る人もなくてちりにきしぐれのみ ふりにしさとの秋はぎのはな
蹴 秋はぎのむかしのつゆにそでぬれて ふるきまがきにしかぞなくなる
鵠あさまだきをのsつゆじもさむければ﹂︵43ウ︶秋をつらしとしかぞなくなる 蹴あきはぎのしたばのもみちうつろひぬ なが月のよのかぜのさむさに あめのふれるよにはのきくをみてよめる 捌 つゆをsもみまがきのきくのほしもあへず はるればくもるよゐのむらさめ
月夜きくの花をsるとてよめる
ぴ ぬ れ て おるそでの月かげふけにけり まがきのきくのはなのうへのつゆ﹂
あるそうにころもをたまふとて
募べ見ればつゆじもさむききりぐすよるのころものうすくやあるらん
な が月のよきりρ\すのなくをき︑て
よめる
璽りぐすよはのころものうすきうへにいたくはしものをかずもあらなむ
九月霜降秋早寒といふ心を﹂︵ウ︶
祝 むしのねもほのかになりぬはなす〜き あきのすゑばにしもやをくらむ
秋のすゑによある 捌 かりなきてふくかぜさむみたかまとの のべのあさちはいろづきにけり 別 かりなきてさむきあさけのつゆじもに やのsかみ山いろづきにけり 名所紅葉﹂
魏 は つかりのはかぜのさむくなるまsに さほのやまべはいろづきにけり 鍋 かりなきてさむきあらしのふくなべに たつたのやまはいろづきにけり
かりのなくをきsてよめる
捌けさきなくかりがねさむみから衣 たつたのやまはもみちしぬらん 邪神な月またでしぐれやふりにけむ﹂︵45ウ︶みやまにふかきもみちしにけり さほやまのはsそのもみちしぐれに
ぬるといふことを人くによませし
つ い で によある 飾さほやまのはsそのもみちぢぶのいうに うつろふ秋はしぐれふりけり 秋 寄
邪
こ の
はちる秋のやまべはうかりけり﹂ たへでやしかのひとりなくらん 鍋もみち葉sみちもなきまでちりしきぬ わがやどをとふ人しなければ
水上落葉
加ながれゆくこのはのよどむえにしあれば くれてのsちも秋のひさしき 測くれてゆく秋のみなとにうかぶこのは あまのつりするふねかともみゆ﹂︵妬ウ︶
秋のすゑによめる
頚はかなくてくれぬと思をsのつから ありあけの月にあきそのこれる 秋を〜しむといふことを 祝なが月のありあけの月のつきずのみ くるあきごとにおしきけふかな 別としごとの秋のわかれはあまたあれど けふのくるsぞわびしかりける 九月じんの心を人くにおほせてつかう﹂
まつらせしついでによめる 別 は つ せ山けふをかぎりとながめつる いりあひのかねに秋ぞくれぬる﹂︵留ウ︶
久、
十月一日よめる
ぴ 秋
は い ぬ か ぜ にこのはsちりはて\ 山さびしかるふゆはきにけり
まつかぜしぐれにsたり
76 ふらぬよもふるよもまがふしぐれかな このはのsちのみねのまつかぜ 邪神な月このはふりにし山ざとは﹂ しぐれにまがふまつのかぜかな 冬のうた 舗このはちり秋もくれにしかたをかの さびしきもりに冬はきにけり
m
はつしぐれふりにし日より神なびの もりのこずゑぞいうまさりゆく⑳神な月しぐれふるらしをく山は とやまのもみちいまさかりなり﹂︵48ウ︶
冬のはじめの寄
袈神な月しぐれふればかならやまの ならのはがしはかてにうつろふ 搬したもみちかつはうつろふはsそはら 神な月してしぐれふれりてへ 脇 み むろ山もみちsるらし神な月 たつたのかはににしきをりかく 捌よしのがはもみちばながるたきのうへの﹂ みふねのやまにあらしふくらし
籾ちりつもるこのはくちにしたにみつも こほりにとつる冬はきにけり 捌ゆふつくよさはべにたてるあしたつの なくねかなしき冬はきにけり 野
霜といふことを
留 はなすsきかれたるのべにをくしもの むすぼsれつsふゆはきにけり しもをよめる﹂︵ωウ︶
螂あづまちのみちのふゆくさかれにけり よなくしもやをきまさるらむ 卿 お ほさはのいけのみつくさかれにけり ながきよすがらしもやをくらむ 月かげしもに〜たりといふことを
よめる
蜘月かげのしろきを見ればかさsぎの わたせるはしにしもぞをきにける﹂
冬 寄 劉ゆふつくよさほのかはかぜ身にしみて そでよりすぐるちどりなくなり 河 邊
冬月
蹴ちどりなくさほのかはらの月きよみ ころもでさむしよやふけにけむ
月前松風
郷あまのはらそらをさむけみむばたまの﹂︵50ウ︶よわたる月にまつかぜぞふく うみのへんのちどりといふことを人く あまたつかうまつりしついでに 蹴よをさむみうらのまつかぜふきむせび むしあけのなみにちどりなくなり 郎
ゆぶつくよみつしほあひのかたをなみ なみだしほれてなくちどりかな 獅月きょみさよふけゆけばいせしまや いちしのうらにちどりなくなり﹂
名所ちどり
卿 衣 で にうらのまつかぜさえわびて ふきあげの月にちどりなくなり 寒 夜
千鳥
酬 か ぜさむみよのふけゆけばいもがしま かたみのうらにちどりなくなり ふ
かきよのしも
㎜ むばたまのいもがくろかみうちなびき﹂︵5ーウ︶ふゆふかきよにしもぞをきにける 冬 寄 鋤 か たしきのそでこそしもにむすびけれ まつよふけぬるうちのはしひめ 皿 か たしきのそでもこほりぬふゆのよの あめふりすさむあか月のそら 皿夜をさむみかはせにうかぶみつのあはの きえあへぬほどにこほりしにけり﹂
氷 をよめる 鍋 をとはやま山おろしふきてあふさかの せきのをがはsこほりわたれり
月前嵐
脳 ふけにけりとやまのあらしさえくて とをちのさとにすめる月かげ 湖 上
冬月といふ事を
脳 ひらのやま山かぜさむみからさきや﹂︵52ウ︶にほのみつうみに月そこほれる 池 上
冬月
鰯 はらのいけのあしまのつらこ?れどたえぐ月のかげはすみけり 冬 寄 細あしのは\さはべもさやにをくしもの さむきよなくこほりしにけり 珊なにはがたあしのはしろくをくしもの さえたるよはにたつぞなくなる﹂
よふけて月をみてよめる
⑳さよふけてくもまの月のかげ見れば そでにしられぬしもぞをきける 社 頭 霜 鋤さよふけていなりのみやのすぎのはに しろくもしものをきにけるかな 屏 風
に みわのやまに雪のふれる所﹂︵田ウ︶
鉗 ふゆこもりそれとも見えずみわの山 すぎのはしろくゆきのふれsば
社頭雪
鋤 みくまのsなぎのはしだりふるゆきは 神のかけたるしでにぞあるらし 鶴岡別當僧都許に雪のふれりし あしたよみてつかはすうた