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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨(乙)

論文題名 回復期脳卒中患者の自主トレーニング実施と関連する要因

掲載雑誌

Japanese Journal of Comprehensive Rehabilitation Science 2016年掲載予定 内科系リハビリテーション医学 井原緑

内容要旨

【目的】脳卒中患者は,要介護認定者の 24.1%を占める.介護度の高い要介護 4・5認定者では,最も人数が多い.このような寝たきりへの移行を回避するた めには,発症直後からのリハビリテーション(以下リハ) が重要である.しかし,

現在,医療資源には限界があり,脳卒中患者もリハをやってもらうのではなく,

自ら行うという態度が必要である.Bandura の社会的学習理論では,結果予期 や効力予期が人の行動を促すとされているが,脳卒中患者の自主的な行動と予 期との関係は明らかにされていない.医療者が,患者の行動に関連する要因を 知ることによって,その行動を促すことができる.脳卒中患者においても,こ れらの予期は,患者の自主的な行動を促し,その結果,寝たきりの予防や患者

のQuality of lifeの維持につながると考えた.そこで,本研究では,行動の予期

に着目し,脳卒中患者の自主トレーニング実施に関連する要因を明らかにする こととした.

【方法】脳卒中発症後1ヶ月以上の入院患者33例を対象とした.対象者の特性 は,平均年齢66.9 歳で,配偶者との2 人暮らしが多く,発病後月数は平均 2.7 ヶ月であった.Activities of Daily Livingの程度は,Barthel lndex 合計点で平均 67 点であった.麻痺の程度は,Brunnstrom stage のⅤが最も多かった.一般的 背景や疾病に関する特性,自主トレーニング実施状況,リハへの結果予期およ び効力予期,生活の満足度について,尺度やVisual Analogue Scaleなどを用 いて測定した.分析は,Mann-WhitneyのU検定,Fisherの直接確率検定,Spearman の相関係数を用いた.

【結果】1 週間の自主トレーニング実施日数は,発病後月数と有意な正の相関 を認めた(ρs=.437,P=.014).リハへの結果予期および効力予期,生活の満足度 とは有意な相関を認めなかった.発病後月数は,結果予期(ρs=-.418,P=.017),

効力予期(ρs=-.500,P=.004)と有意な負の相関を認めた.生活の満足度は,2.7 ヶ月未満群と2.7ヶ月以上群で比較し,2群間で得点差はなく,有意差も認めな かった.

【結論】発病後数ヶ月の回復期脳卒中患者の自主トレーニング実施に関連する 要因は,発病後月数であった.Banduraの理論をもとに,自主トレーニング実

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施は結果予期や効力予期と関連があると仮定したが,関連を認めなかった.生 活の満足度も,自主トレーニング実施と関連を認めず、低かった.回復期では,

発病直後の急激な回復の時期は高い結果予期や効力予期を持っているが,その 後,回復が緩やかになるとそれらは下がると考えられた.回復期の脳卒中患者 では,このような心理的動揺や低い満足度のため,結果予期,効力予期,生活 の満足度と行動は関連しない可能性があると考えられた.

参照

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