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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名 The nationwide epidemiological survey of Stevens-Johnson syndrome and toxic epidermal necrolysis in Japan, 2016-2018 (日本における Stevens-Johnson 症候 群ならびに中毒性表皮壊死症の全国疫学調査(2016-2018 年))

掲載雑誌名 Journal of Dermatological Science

医学研究科社会医学系衛生学公衆衛生学 須長由真

内容要旨

背景: Stevens-Johnson 症候群(SJS)および中毒性表皮壊死症(TEN)は発熱や全身の紅斑、

びらんを生じる重症薬疹であり、本邦では指定難病となっている。SJS/TEN の第一回全国 疫学調査は 2008 年に実施されたが、その後診断基準の改正や治療ガイドラインの制定、治 療の保険適応の拡大が行われ、第一回調査からの変化を明らかにするため第二回調査を実 施した。

目的:日本における 2016 年から 2018 年の3年間の SJS/TEN 患者数の推定、前回調査との 比較、治療法ごとの予後の比較を行うことを目的とした。

方法:皮膚科専門医研修施設および全国の病院から病床数別に層化無作為抽出された施設と 全大学病院の皮膚科、全 1205 施設を対象にした。期間中の SJS/TEN の患者数のみを調査 する一次調査票を対象の施設に郵送し、患者の報告があった施設に対して詳細な情報を記 入する二次調査票を郵送した。

結果: 一次調査の結果 709 施設から SJS 653 例、 TEN 249 例が報告された。 100 万人あた りの年間患者数は SJS で 2.5 人、 TEN で 1 人であった。 二次調査では全 160 施設の SJS315 例、TEN174 例で分析を行った。平均年齢は SJS で 53.9 歳、TEN で 61.8 歳、死亡率は SJS で 4.1%、 TEN で 29.9%であった。両疾患ともに原疾患は感冒、悪性腫瘍が多く、被疑 薬は抗菌薬、解熱消炎鎮痛剤の順に多かった。他臓器障害としては末梢血異常、肝機能障害、

腎機能障害の順に多かった。治療は SJS ではステロイド大量療法、続いてステロイドパル ス療法が多く TEN ではパルス療法と免疫グロブリン療法(IVIG)の併用、続いてパルス療法 が多かった。第一回調査と比較し、TEN の平均年齢と死亡率の上昇、原疾患としての悪性 腫瘍の増加、被疑薬として抗てんかん薬の割合の減少、原因薬検索としてパッチテストの施 行率の低下と薬剤誘発性リンパ球刺激試験(DLST)施行率の上昇、他臓器障害として腎障害 の増加、治療として集学的治療、とりわけ IVIG 併用例の増加、後遺症として眼の後遺症の 割合の低下が認められた。

実際の死亡数と SCORTEN スコアを用いて計算した予測死亡数との比はステロイド大量療 法が 0.40 で最も低く、続いてステロイドパルス療法が 0.52 でこの 2 つのみが有意に死亡 数を低下させる結果となった。全体でも死亡数は予測値の 59%にとどまった。

結論:本研究の結果から患者の平均年齢の上昇や悪性腫瘍の患者の割合の増加のため TEN の死亡率が増加したと考えられた。治療法を比較した結果、ステロイド大量療法、続いてパ ルス療法が死亡数を減少させた。 IVIG の保健適応により、 IVIG 併用療法が増加していた。

本研究、また他国の報告においても死亡数は SCORTEN スコアで算出した予測値より大幅

に少なく、今後改良のためさらなる研究が期待される。

参照

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