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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名 Effect of Cardiac Rehabilitation on Prevention of Implantable Cardioverter Defibrillator therapy in Patients with Reduced Left Ventricular Ejection Fraction

(植込み型除細動器植込み術を施行した低左心機能患者のデバイス作動に 関する心臓リハビリテーションの有効性)

THE SHOWA UNIVERSITY JOURNAL OF MEDICAL SCIENCE 2017 年掲載予定 内科系内科学(循環器内科学部門) 小川 洸

植込み型除細動器(ICD)は突然死予防に有効と報告されているが、ICD の 作動が予後不良因子という研究もある。心臓リハビリテーション(cardiac rehabilitation: CR)は心不全患者に有効な治療法と報告されているが、

ICD の植込みをした低左心機能患者に対する CR の有効性はあまり知られ ていない。本研究では除細動機能の付いたデバイスである ICD, 両心室ペ ーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)を植え込んだ患者に対し CR が与える影響について検討した。

当院で ICD、CRT-D を植え込んだ患者のうち、植込み前に施行した心臓超 音波検査で左室駆出率 45%以下であった患者 222 名を対象とした。デバイ スの植込み後早期からリハビリを行った CR 群 70 名とリハビリを行わなか った non-CR 群 152 名の 2 群に分けて死亡率とデバイスの作動イベントに ついて検討した。観察期間は植込み後 1 年間とした。死亡率は死亡全体と 心原性死亡の 2 つを検討した。作動イベントは抗頻拍ペーシング(ATP)、

電気ショックと定義した。心室細動、心室頻拍に対する作動を適切作動、

その他の原因による作動を不適切作動と定義した。

2 群間では CRT-D の植込み術を施行した比率と内服薬のうち利尿剤に有意 差が見られたが、その他年齢、性別の比率、BMI や既往症などに明らかな 有意差はみられなかった。

1 年間での死亡率は全死亡が CR 群では 8/70(11.4%)、non-CR 群では 26/152(17.0%) 、 心 原 性 死 亡 は CR 群 で 5/70(7.1%) 、 non-CR 群 で 15/152(9.8%)で あり 、いずれ も 2 群 間 に有意な 差はみら れなかっ た (P=0.28, P=0.49)。

作動イベントのうち適切作動、不適切作動を含んだ総作動数は CR 群が 5/70(7.1%)、non-CR 群が 31/152(20.2%)で、CR 群が non-CR 群に比べ有意

(2)

に 少 な か っ た (P=0.01) 。 適 切 作 動 は CR 群 4/70(5.7%) と non-CR 群 20/152(13.1%)で有意差はつかなかったものの(P=0.09)、不適切作動は CR 群が 1/70(5.7%)、non-CR 群が 14/152(9.2%)で、CR 群が non-CR 群に比べ 有意に少なかった(P=0.03)。

本研究において、CR 群のデバイス作動数が減少した理由として心臓リハ ビリテーションによる運動耐用能の改善が挙げられる。CR 群のうち CR 開 始時と終了時の 2 度運動心肺負荷試験を施行した患者 22 名で CR での前後 比較を行うと、運動耐用能の指標とされる最大酸素摂取量(Peak VO2)およ び METs に有意な改善を認めた(Peak VO2: P<0.01, METs: P<0.01)。

本研究中に発症した不適切作動は洞性頻脈と心房細動を含む上室性頻脈 が多くを占めており、これらのレートコントロールが作動減少につながり うる。CR で運動耐用能を改善したことで心拍数の過剰な上昇を抑えたこ とが、不適切作動の減少につながったと考えられた。

本研究はイベント数で有意差がついたものの、死亡率については有意差が つかなかった。過去の報告でデバイスの治療イベントが適切、不適切にか かわらず予後不良因子となる、という過去の報告と異なる結果となったが、

過去の報告ではイベントを電気ショックのみと定義していたため、作動イ ベントの定義の違いによるものと考えられた。

除細動機能の付いたデバイスを植え込んだ低左心機能の患者に対して CR を行うことがデバイスの作動回数減少に有効であることが示唆された。

(1178 文字)

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