九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
切欠き材の疲労特性に基づく突合せ溶接継手の疲労 強度評価に関する研究
田中, 洋征
https://doi.org/10.11501/3070079
出版情報:Kyushu University, 1993, 博士(工学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
白
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ヰZ短文4 生下 田中主羊むE
EI ミ弘こ
多高 1 重量 F主主 言命 一一ーー
1-1 研究の背景
1-2 1-3 1-4
溶接継手の疲労強度に関するこれまでの研究 一一 これまでの研究の問題点と研究の方針
参考文献
穿事2主主毒装苅三三宅刀タこき-JJ守主
2-1 2-2 2-2-1
絡言
銭形切欠き力学について 切欠き底付近の応力場
2-2-2 き裂材または切欠き材同士で同一現象が
2-2-3 2-2-4 2-3
三店 3
3-1 3-2 3-3 3-4 3-5 3-6
ニ�ユ主事Z
起こるための条件
き裂材および切欠き材の破壊の条件 停留き裂が生じるための条件
参考文献
卒司f苧i 雰�!験支子泣ミおよてF t刀タこきキ寺M三
使用材料の化学成分および機械的性質 溶接条件
疲労試験片および疲労試験機
各種材料の疲労における切欠き特性 溶接継手の疲労限度の推定法
結言 ーーー
頁
6 13 17
20 21 22 22
28 30 33
35 41 42 53 69 73
3-7 参考文献 75
第三4 ニ�Z毛主 竺宗主 主全r司きま容 妻妾毒佳 弓三 立ラよて〆喜震三壬て7 歪iZ-t寸ま容圭妾議まξF- CT.:> JlD �鈎写初子 一一一 76
4-1 緒言 -ー一一ーー 77
4-2 突合せ溶接継手の余盛り形状と応力集中係数との関係7 8
4-3 突合せ溶接継手の応力集中係数の近似式 一ー一 一 一一一 一 89
4-4 裏当て金付溶接継手の応力集中係数
4-5 結言 一ー一一一一ー一ー一一一一ー一一一一一一一一ーーーー 一一一一一一一一 一ー一一 ー 97
4-6 参考文献 ーーー-ーー 一一一一一一一一一一一一一一一ー一ー一一一一一一一一一 一一一一 99
多蕗 5 主主 華美接蓬��司主主容安委毒径三子三
。〉楚支ラ�弓愈彦芝 101
5-1 絡言 102
5-2 模擬突合せ溶接継手の試験片および巾げ疲労強度一一 105
5-3 模擬突合せ溶接継手の曲げ疲労強度の鎖種 による相違と応力比の影響
5-4 結言
130
5-5 参考文献 一一一一一 一 一一一一一一一一一 一一一ー 一 一一一一一一一一ー 一一ーーーー - 136
第三6 ニコ�二主主主
6-1 緒言
革実接蓬喜�当て歪�-t寸言答圭妥
毒桂三子じり安支タヂヲ食E蔓E - ー一 一一一一一一一一一 139
6-2 模擬裏当て金付溶接継手の試験片と引張りおよび
曲げ疲労強度 一一一一ーーー 一 一 一 141
6-3 模擬裏当て金付溶接継手の引張りおよび1111げ疲労強度
におよぼす余盛り形状の影響 162 6-4 結言 一一一一一一一一一一一一一一一一ーーーー一一一一一一一一一ー一一一一一一一一 一 - 172
6-5 参考文献 一一一一一一ーー一 ーー一 ー一一一一一一一一ーー一一一一一一一一ーーー一一 174
言おマ ニ�ユ主寺主 ラ走き12r司圭ま容圭妾奉桂三J=-:fラよてFご 喜�三壬て:-f寸歪B主主容主妾毒佳ミF- O"J
dtr ,‘デ楚支タヲヲ食居芝 一一一一一一一一 ー一一一一一一一一 1 75
7-1 緒言 ー ー ーーーーーー ー一 一 ー一一一一一ーー一一一一一一ー一一一一一一一一一一一一一一 176
7-2 溶接継手の試験片とSM 490突合せ溶接継手および
裏当て金付溶接継手のrthげ疲労強度 一一一一一一一一一 ーーー 177
7 -3 SS 400およびHT 780溶接継手の尚げ疲労強度と TIG処理の有効性
7-4 結言 一一ー ーーーー 一一 ーー 一ー一一一一ーーーー一一一一一一一一一ー一一ー一 一 一一一 205
7-5 参考文献 一一一一一 ーー 一一 一一一一一一一一一一 ー一一一一一一一一一一 一一一一 206
重信 8 主主主 記号言命
結論 一一一一一一一一ー一一一ー一一ー一一一一一ー一 一一一一一ー一一一 一ー一- 208
謝辞 一一一一一一一一一一一一一← 一一一一一一一ー一一一一一一一一一一一一一一 212
.,eaA
芸高 1 重量
F予 言命
本章では疲労に関する歴史的展望を含 めた研究の背景, 溶接継手の疲労の歴史,
問題点および研究の方針について述べる。
1 - 1 研究の背景
2
疲労破壊現象が認識され, それに続く疲労試験の始まりはドイツ
の鉱山技師J. Albert が最初であるらしい (1) (2) 。 彼は鉱山の巻き 上げ装置に用いるチ ェ ーンの破断を研究するため試験機を考案して
実験を行い, 静的な破防f荷重よりも小さい荷重でも繰返し作用する ことによ って, 突然破損することを確かめている (2 )。 しかし疲労に
関する系統的な研究は蒸気機関車の車軸の疲労破壊に ついてドイツ の鉄道技師 A. Wるh 1 e r が1852年'""1870年に行 った一連の研究が最初 であると言われている (1) '"" (3)。彼は車軸を対象とした小型の試験機 を製作して実験を行い, 疲労寿命は応力振幅に依存すること, 壊れ ない限界の応力があること, さらに応力集中や 平均応力の影響につ いても研究し, 今日の疲労研究の基礎が彼によ って形成されたと言
える。
その後, 機械工業の発展とともに疲労に関する研究は多くの人々 に よ って行われた。 これまでになされた疲労に関する著名な研究を挙 げれば, 光学顕微鏡による観察から, 鉄の疲労メカニズム (すべり 線とき裂の発生および伝ぱ〉の基本的概念を明らかにしたEwing (3) Rosenhain (2), IIurnfrey (2)の研究, 変動応力下の疲労被害予測を可能 にしたPalrnGreen-Miner 則〈4)〈5〉, ひずみ制御による低サイクル疲
労試験の結果から, 塑性ひずみと破断寿命の関係を論じたMason- C 0 f f i n JlIJ (6) , エネルギーバラン スの考え方によ って線形破壊力学の 先駆とな ったGriffith理論(7 )や 1 r w i nによる応力拡大係数 (8 )の導 入を挙げることができる。
えL-, では疲労に関する研究論文は年間1, 400件以上(1 )にのぼり,
以前には知られなか った現象に関して多くの知見が発表されている。
円ベU
一方, わが国における疲労の本格 的研究は昭和初期の小野鑑正C9 )
や西原利夫らC1 0 )に始 っているようである。
西原らはM iner とほぼ同じ時期に同じような内容の論文を発表し ており, 小野は疲労における切欠きの重要性を指摘し, 自ら小野式
回転11lJげ疲労試験機を考案して切欠きの実験を精力的に行 っている.
小野の研究はさらに石橋正 ・ 西谷弘信らに継続されている。 石橋は LcsselsC)))やFennerC1Z)らとほぼ同じ時期に切欠きの疲労限度に存 在する停留き裂を指摘し, その現象を説明する2 nd point theory の提案C) 3 )し, さらに疲労限度がき裂発生曲線と停留き裂の伝ぱ曲
線とのこっからなることを明らかにするとともに, 両者の交点を分
|岐点と名付ー けている。 また, 疲労における観察の重要性に ついても 指摘している。 西谷は小野 ・ 石橋らの研究をさらに発展させ, 線形 切欠き力学を提案C) 4 )している。 線形切欠き力学によれば, き裂の 力学量が応力拡大係数Kで評価できるのに対応して切欠きの力学量 は切欠き先端の最大応力び ma xと切欠き半径ρ で評価できること,
停留き裂の存在限界は切欠き半径ρのみによ ってほぼ決まること等 を明らかにしている。
このように, 疲労に関する多くの研究にもかかわらず, 破壊の多 くが疲労に起因している。 例えば, 機械学会溶接部門委員会は溶接 構造物の破壊のうち6 1. 3 %が疲労破壊であることを報告C1 5 )してい る。 これは疲労現象が材料, 部材形状, 負荷条件, 環境等の影響を
受け複雑な挙動を示すこと, 使用環境 ・ 使用条件が厳しくなるとと
もに, 榊造物が高性能化 ・ 大型化の方向にあるので新たな要因が加 味されているためと言える。 このため, 疲労に及ぼす各種因子の挙 動を切らかにすることは安全でしかも経済的な設計を行ううえで必
』斗A
要不可欠である。
ところで, 溶接は海洋構造物, 船舶, 運搬機械, 橋梁等の製作に
おいてリベ ッ ト継手に比べ設計の自由度が大きいため欠かすことの
できない接合法の一つであるが, 局所に高熱を短時間に加えるため
いくつかの問題点も有している。 そのーっとして, 溶接構造物にお
いて溶接継手はしばしば疲労破壊の原因となることである。 これは,
溶接止端部に局所的応力集中が起こること, 溶接継手が溶接入熱に より母材と異なる組織を持つこと等が原因である。 しかし, 溶接に よ って生じた余盛りを削除し応力集中をなくすと母材とほぼ同程度 の疲労強度が得られる。 このことは, 溶接継手の疲労において, 入 熱による組織的劣化よりも形状による応力集中が重要であることを 示唆するものである。 ところが, 溶接を模擬した (形状が正確な)
試験片で余盛り形状を種々変えて疲労実験を行うと, 条件によ って 疲労限度が最大応力のみでは評価できない現象がある。 これらにつ いてはこれまでに明確な説明がなされていないのが実状である。
さて, 線形切欠き力学では, 前述したように切欠き材の力学量は 最大応力σ m a xと切欠き半径ρで評価できる。 さらに, 切欠き半径ρ が停留き裂の存在限界である分岐点のそれより小さくなると, 切欠 き材の疲労限度は切欠き半径ρに無関係にほぼ一定の値となること が知られている。 溶接継手を一種の切欠き材とみなせば, 溶接継手 の疲労強度が線形切欠き力学で評価できることになる。 このことは 溶接継手の疲労限度が最大応力のみでは評価できない現象を説明で きることを示すものと言える。
一般に溶接継手の応力集中は, 継手の全体的形状および溶接部の
形状によ って著しく変化する。 突合せ溶接継手では, 応力集中に影
「hd
響する肉子は余盛り止端部切欠き半径, 余盛り角, 余盛り高さ, 余 盛り幅および板厚である。 裏当て金付き突合せ溶接継手では, さら に母材と裏当て金の接合部の切欠き, ルート間隔および裏当て金厚 さ等が加わる。
本論文では, 溶接継手を一種の切欠き材と見なし, 切欠き材の疲 労特性から溶接継手の応力集中と疲労限度の関係を検討し, 溶接継 手の疲労限度の統一理論を提案する。 さらに応力集中におよぼす各 種因子の影響についても検討する。
1 - 2 溶接継手の疲労強度に関するこれまでの研究
金属材料の疲労研究の歴史に比べると, 溶接継手の疲労の研究は 比較的新しくほぼ半世紀を経過したに過ぎない (18)0 これまでに行
なわれた主な研究は, 余盛り形状による切欠き効果と溶接部の残留 応力lこ関する研究が多く, 溶接によ っ て生じる熱影響部の母材と異 なる組織や材質変化に関するものは少ないようである。 これは溶接 継手の疲労強度が母材に比べ大幅に低下する原因は主に余盛り形状 に基づく応力集中であること, 金属組織学的研究が溶接継手の疲労 強度を高めることは少ないこと等が原因と言える (16)__ (18)0 この ためここでは, 主に余盛り形状と疲労強度の関係の研究に ついて以
下に述べる。
194 1年に, Wilsonとその共同研究者(1 9 )らは, 軟鋼のU型開先の
突合せ溶接継手で疲労強度に およぼす余盛り形状の影響の研究を行 い, 余盛り形状を余盛り高さとその縁に おける角度を基準として A からDまでの 4等級に分類し, 中間の余盛り形状( Bとc ) には疲 労挙動に関して大きな相違はないが, 良い余盛り形状( A ) と悪、 い 形状( D ) の聞には相違あることを示している。
1 959年に, NewmanとGurney(20)は, 軟鋼材の片振り引張り疲労強
度に およぼす開先加工の影響, 応力除去の影響, 余盛り形状の影響 の研究を手溶接と自動溶接を用いて何種類かの突合せ溶接試験片を 作製して行 っ ている。 この結果によると, 余盛りを削除すると母材 と同程度の疲労強度が得られたことから, 溶接継手の疲労強度を支
配する因子は余盛り止端部の切欠き効果であり, 余盛り形状が重要 な因子であるとしている。
余盛り形状を余盛り高さh, 余盛り幅w および余盛り角。 で示せ
-7-
二
疲労き裂
20
18
(N三\5#) 16
14
12
10
8
6
4
玄
。
回凶DH×N)随一志紋様
2
180 170
140 150 160
余盛角 Õ(度)
130 120 110 0 100
突合せ溶接継手の余盛り角と疲労強度との関係( 2 0 ) (注) 図1
と余盛り幅wには大き 自動溶接において余盛り高さ h
ば. 手溶接と
θの値は. 手溶接で θのみに差異があり,
な差異はなく. 余盛り角
てほぼ一定で 自動溶接では長さに沿っ
は溶接長さに沿って変化し,
θが厳しい点で発生 破壊は手溶接では余盛り角
このため.
あった。
ら さの幅にわたって発生した。
溶接長のかなり 自動溶接では,
し.
き裂発生点、 の余盛り角を投影顕微鏡でmlJ き裂発生点を切断し,
1 のよ
。には相関関係があり, 図 定し2 x 1 0 h回における疲労強度と
を報告している。
と うに整理できたこ
θは. 本論文で 第1章で説明する図1,...,_, 3における余盛り角
(注)
。 =18 0 - θ 外国では余盛り角を
国内では0で表しているのでごれに従った。
を意味している。 一般に,
。 の180- で表し.
24 。。
22 .
;-,20 ト1 '-\\
1 "
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18ト 、ト
. ー \
11 \\
• 繰返し数105回
16 卜\ 、 、、 、'- /
I \ � - ー・』
: 1 4 ト \
• ー・ー一一一一・
と 1 , 1
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12ト \ー 」
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.,、 繰返ド数2XlO・回 |l 、、 I I
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凶 E 8
8.../乙一一一L
� �一� ,_ー
6
4 2
。。 0・1 0・2 0・3 0・4 0・5
180 158 137 118 10] 90
。(度)
図2 疲労強度におよぼす余盛り形状の影響( 2 1 )
その後, 溶接継手の疲労強度におよぼす余盛り形状の影響の系統 的研究は山口ら(2 I )やSander(22lらによって行われた。
山口ら(2 I 1は溶接によって生じる複雑な要因を除き .形状のみの影
響を検討するため. 溶接を模擬して余盛り高さh と余盛り幅w を種 々変えた円弧状の余盛り試験片を母材から機械加工により製作し実 験を行っている。 その結果によれば, 余盛り角。が一定であれば.
疲労強度も一定で, θが大きくなれば疲労強度も低下し, Newman と Gurney が指摘したと同じような結果になるごとを報告している 図2 )。
Sander(22lらは山口らと同じ目的で余盛り高さを一定にし, 余盛 り角θと余盛り止端部切欠き半径ρを種々変えた模擬溶接試験片を 機械加工で作製して引張り疲労試験を行い. 模擬溶接継手の疲労強 度の低 1îは, 余盛り角θのみならず余盛り止端部切欠き半径ρに依
n同d
研磨した平滑な板の 疲れ強さの低下%
40
8
止端部切欠き半径ρin
図3 疲労強度におよぼす余盛り角と止端部切欠き半径の影響( 2 2 )
存することを切らかにしている。 この結果によれば,
① 余�J,�り11:制m�切欠き半径pを大きく, 余盛り角0を小さくすれば 疲労強度はJW力1Iする。
② Oが1 0 '"'"' 1 5 0 より 小さければρの影響は 無視できる。
③ ρが大きくなるに つれ Oの 影響は小さくなり, ρが6 '"'"' 10 mm 以
上であれば Oの 影 響はな くなる。
④ ρに11!�関係に Oが4 0。 以上あればOの影響がないこと等を指附し ている。
さらに, jia 仮りおよび両振り引躍りにおける模擬溶接継手の疲労強 度の低下率は, 余躍り止端部切欠き半径ρと余盛り角θとで示せる
ことを切らかにしている(図3 )。
疲労強度を支配する重要な囚子として, Newmanらが余盛りf7�を,
Sandcrらが余躍りfì�と止端部切欠き半径を指摘して以来, 応力集中
-10-
C
�D :
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二l σ トヰポ l
Þ I
G収j
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円h山同PM沼恒
理論形状係数
異なる引張り強さを持つ鋼の疲労挙動の比較( 2 3 )
4
図
の研究が報告されている。 例 る疲労強度の低下に関連した多く
によ
軟鋼に比べて引張り強さが高い値を示す高張力 えば高橋ら( 1 q lは.
レ ベルま で低下 じ
と軟鋼溶接継手の疲労強度とほぼ同 鋼を溶接する
実際の高張力鋼溶接継手の余盛り止端部の詳細な観察 する原因を,
以下 余盛り止端部に存在するo . 1 m m
と模擬溶接試験片の実験から,
している。
と の鋭い切欠きに基づく応力集中である
高張力鋼溶接継手の疲労強度が母材の疲労強度に Gurney(23lは.
溶接していない鋼の切欠き材に停留き裂がある 依存し ない理由を,
どのよ Cの値は各鋼種で一定であり.
とに関係して ,臨界割れ強さ
(._ ‘ヲ,
して説明
o pを有すると うな切欠き深さについても鋼は同じ工学強さ
mmの微少切欠きを入れた (図4 )。
は余盛り止端部にo . 3,..,_" 1 . 1 している
)1 f I崎ら ( 2 4 l
.,aaeEEム
模擬溶接継手の実験から高張力鋼溶接継手の疲労強度の低下は巨視 的応力集中の効果のみでは説明できず, これらに微細な欠陥や溶接 による組織変化等が加わ っ た総合的効果の結果であるとしている。
村木ら (2 5 )は高張力鋼j容接継手の疲労き裂は, 余盛り止端部のみ ではなく余盛り止端からO. 7 m m以内の余盛りのくぼみからも発生し ており, き裂発生点の切欠き半径は0.02 mm以下と大変小さいことを
指摘している。 また, 引張り強さが大きい鋼ほど切欠きに敏感であ ると言われていることから, 高張力鋼溶接継手の疲労強度の低下は 余盛り止端部およびその近傍の微細な切欠きの存在によるものとし ている。 さらに, 溶接継手の疲労限度において停留き裂の存在を発 見している。 停留き裂は切欠きが鋭く応力集中係数が大きい場合に 発生するので, 停留き裂の存在は微細な欠陥がき裂の発生に影響を 与えている証拠であるとしている。
S i g n e sら (2 6 )は溶接部に存在するア ン ダカ ッ トや非金属介在物が
余盛りによる応力集中の影響で, き裂の発生点とな っ ていることを
指摘している。
一方, 寺崎ら (2 7) (2 8 )は溶接構造用鋼SM 400の模擬溶接継手の余 盛り止端部に深さ18-- 35μ mの微小な切欠きをいれて実験し, この範
囲に おける微小切欠きは疲労強度にほとんど影響を与えないこと
および疲労限度の応力を繰返した試験片に停留き裂が存在すること から, き裂先端の応力拡大係数に関連させて疲労限度を検討してい る。
平川ら (2 9 )は高調力鋼溶接継手において, 引張り強さを増大させ ても, 疲労限度は大きくならず, 溶接止端部の形状と残留応力の影 響が大きいことを報告している。
n,L 1i
近年にな っ て溶接継手の疲労強度を破壊力学的手法(3 0 )... (3 4 )で
評価しようとする研究が行われるようにな っ てきた。 これには, き 裂伝ぱ速度( d a/ d N) と応力拡大係数幅ムK との関連から下限界 応力拡大係数幅ムK t h を種々 の条件下で推定する研究(1 !i) (3 0) ... (
3 4 )や,
疲労破壊起点が余盛り止端部か溶接欠陥であることから,
これらはいずれも先端の曲率半径が零に近いため, 応力特異点と見 なしムK t h ,こ関連づけた宇佐美らの研究(3 5 ) ... (3 7 )がある。 このよ うな研究が行われる背景は
① 非破壊検査による欠陥検査能力の向上と, 設計に許容欠陥寸法 の考え方が取り入れられるようにな ったこと,
② 溶接の施工法上, 不溶接部やア ンダカ ッ ト等の欠陥が残ること,
あるいは使用中にき裂の発生する例があること,
などの理由によるものと言える(30)0
以上のように, 溶接継手の疲労強度に関するこれまでの研究を概 観したところ, 溶接による疲労強度の低下の要因がいくつか明らか にされている。 そして, その低下の主な原因は残留応力や組織的因
子ではなく余盛り形状による応力集中, 特に余盛り角。と止端部切 欠き半径ρ の重要性の指摘である。 しかし, これまでの研究は, 最 大応力に基づく評価であり, 切欠き半径pが小さい範囲における余 盛り角0 と止端部切欠き半径pとの関係, 言い換えれば, き裂の停
留現象からの研究が系統的になされていない。 このため, これまで の研究結果から各種材料の溶接継手の疲労挙動を総合的iこ検討する
情報が少ないのが現状である。
丹、u'lA
1 - 3 これまでφ研5Lの問題一点よúIfÆ G_2_Y5_鎧
ごれまでに述べたように, 突合せ溶接継手の疲労強度が母材平滑 材と比べ著しく低下する原因は. 余盛り形状による切欠き効果であ ることを多くの研究者が明らかにしている。
一般に疲労強度におよぼす余盛り形状因子は止端部切欠き半径ρ,
余盛り角θ, 余盛り高さhおよび余盛り幅wと言える。 こごでは.
これまでになされた余盛り形状と疲労強度に関する代表的研究の問 題点について述べる。
NewmanとGurneyが最初に余盛り形状の重要性を指摘し, 余盛り幅
と余盛り高さがほぼ一定であれば. 溶接継手の疲労強度は余盛り角 θと1対lの関係になることを示したけが。 さらに. 山口らも模擬 溶接継手の実験結果から, Newmanらと同じように余盛り角の重要性 を指摘したが 2 1) これらの研究では止端部切欠き半径ρの影響が 考慮されていない。 一般に余盛り止端部の切欠き半径は. 手溶接で
はほぼ一定とは言えず大きくばらついており. 余盛り角。との関係 で整理すれば切欠き半径ρはばらつきの原因となるはずであるが.
ごのごとについての説明もなされていない。
Sanderらは模擬溶接継手の実験から, 疲労強度の低下の原因は,
切欠き半径ρと余盛り角。の相乗効果であるごとを示したが( 2 2)
ごの研究では, 止端部切欠き半径ρの大きい範囲での実験であり.
ρの小さい範囲でのそれがなされていない。 また疲労強度におよぼ す余盛り角。の影響については, 応力解析がなされておらず定性的 指摘にとどま っ ている。
NewmanやSunderあるいはあとに続く多くの研究者による溶接継手 の疲労強度の研究は. 主に最大応力に基づく評価である。 と 乙ろが.
-14-
実際の溶接継手の余盛り止端部の切欠きは大きな値から小さい値ま でばらついており( ��引,...__. ( 11 2) ρがo . 1 m m以下の鋭い切欠きが存在
するごとも多い。 このような場合. 最大応力に基づけ ば, 疲労限度 は大幅に低下していいはずであるが. それほど低下しない。 この傾
向は軟鋼溶接継手において特に顕著であるが, これらの現象の物理 的背景については明らかにされていないのが現状である。
さらに近年. 余盛り止端部を応力特異点、 とみなし破壊力学的に評
価する研究があるが. とれは. 浅い欠陥の場合, 小規模降伏条件が
満足されるとは限らず. 応力拡大係数が有効とは限らないので非線 形的取扱いが必要であること. 停留き裂の存在が考慮されていない
ごと. さらに. き裂の停留現象が力学的に応力拡大係数から説明で きず. 応力勾配のみによ っ て説明できること等から, 溶接継手をき
裂材として取扱うよりも切欠き材と考え. 弾性計算から精度良く評 価するごとが必要と言える。
裏当て金付突合せ溶接継手の疲労強度の研究は少ない。 Gurneyは.
裏当て金付突合せ溶接継手の研究において. 溶接の破壊は. 余盛り 止端部からではなく溶接金属と裏当て金問の継目にある切欠きから 必ず起こり. 通常の溶接余盛りにより作られた形状より悪い影響を 与え 疲労強度が著しく低くなることを報告している。 しかし. 裏当 て金形状の影響についての詳細な検討がなされていない (42\
とこ ろで. 切欠き材の研究によれば, 切欠き材の疲労限度には,
き裂発生に基づく破断限度o w 1と停留き裂が存在する範囲で破断し ない最大応力に基づく破断限度。 パの二つがある。 破断限度。パは 停留き裂の存在限界である分岐点における切欠き半径ρ 8の値に支配 され. 切欠き半径に無関係である( 111) ( 11 4 ) ( 4 5)。
Fhυ -EA
溶接継手を一種の切欠き材と見なせば, 溶接継手の疲労強度の研
究は, 主に a w tの立場での研究であり. a w 2の観点から研究がなさ れていないようである。 ごのため, 本研究では, 応力解析を併用し て, き裂の発生と停留の関係から突合せ溶接継手の疲労強度におよ ぼす余盛りおよび裏当て金形状の影響の基本的知見を確立し, 溶接 継手の信頼性の向上を図るごとを目的として, 以下の諸項目を検討 する。
1 突合せ溶接継手を一種の切欠き材と見なし, 線形切欠き力学の 観点から溶接継手の疲労強度を検討する。 乙のため. 本実験に使 用した各種材料の切欠き特性を明らかにするとともに, 溶接継手 の疲労強度を評価する理論の検討を行う。
2 溶接継手の疲労強度におよぼす余盛り形状および裏当て金形状
の影響について調べる。 このため, 突合せ溶接継手では, 止端部 切欠き半径ρ, 余盛り角θ, 余盛り高さhおよび余盛り幅w の各 因子をパラメー タとして応力解析を行い, 余盛り形状と応力集中 係数 α との関係について検討する。
裏当て金付突合せ溶接継手では. 母材と裏当て金の接合部の切 欠き半径ρ, 余盛り高さh. ルート間隔r および裏当て金厚さ d
の各因子をパラメー タとして応力解析を行い. 溶接形状(余盛り および裏当て金形状)と応力集中係数 α との関係について検討す る。
3 突合せ溶接継手の疲労強度におよぼす余盛りおよび裏当て金形 状の影響について検討するため. 次の①および②に関する実験を
千丁う。
① 余盛り形状の影響 : 止端部切欠き半径ρ. 余盛り角θ,
-16-
余盛り高さhおよび板厚tを種々変えた模擬突合せ溶接継手を
SS 400で作製し. 平面曲げ疲労試験を行う。
② 裏当て金形状の影響 : 母材と裏当て金のすき間の母材の側切
欠き半径ρ. 余盛り高さh 裏当て金厚さ dおよびルート間隔 r を 種々変えた模擬裏当て金付突合せ溶接継手をSS 400とSM 570で製 作し. 平面曲げおよび片振り引張り疲労試験を行う。
4 模擬突合せ溶接継手の疲労強度におよぼす鋼種および応力比の 影響について検討する。 このため. SS 400では応力比R = ∞. - 1 およびOのもとで. HT 780では応力比R =- 1と0のもとで平面曲げ 疲労試験を行う。
5 SM 490で実際に突合せ溶接した継手の疲労強度を. 1 ""'--' 3で得ら れた知見に基づき評価する。 さらに溶接継手の余盛り止端部を
TIG 処理によりなめらかした継手の有効性の実験をSS 400とHT 780で行い. 溶接継手の疲労強度改善の効果を示す。
なお. 一般に溶接継手に生じやすいアン ダカ ッ ト, ブロ ホール,
のど厚不足およびその他の欠陥は継手の疲労強度を低下させるが,
ご こではとれらを問題としないで. すべて欠陥のない健全な溶接 継手を実験の対象とした。 このため. 溶接によ って生じる角変形 や目違いなども同様の扱いとした。
司,gt・A
1 - 4 参考文献
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溶接学会誌,
溶接学会誌.
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-2 0-
気空� 2 主主
糸泉汗三三切]クミきプフ守主
本章では. 溶接継手の疲労強度の解析の 基礎となる線形切欠き力学について述べる。
句fAn/臼
2- 1 緒 言
機械や構造物の設計において. 部材が破壊を起こす限界の荷重を
予測するごとは重要である。 一般に強度の予測は, 部材と同一材料 から製作された試験片について規定された条件下で強度試験を行い.
それに基づいて実際 の部材の強度を予測することになる。 その際.
予測が可能であるためには. 力学的状態の厳しさを特徴づけるパラ メー タが明らかである必要がある。 乙 こでは, 溶接継手の強度を予 測する上で重要である切欠きや段付きなどの形状の変化による応力 集中部の, 切欠き底の力学的厳しさを特徴づけるパラメータについ て述べる。
き裂を持つ部材の強度を予測するための工学的手法は, 線形破壊 力学と呼ばれているが. それは元来「線形き裂力学」と呼ぶべきも のである ( 1)。 線形き裂力学において, き裂の厳しさを表す力学量は
応力拡大係数である。 同様に切欠きを持つ部材の強度を予測するた めの工学的手法は[線形切欠き力学]と呼ばれている。 線形切欠き 力学において, 切欠き底の力学的厳しさを表す力学量は切欠き底の
最大応力a m a xと切欠き半径ρ である( 1 ) "'" • ( 4)。
き裂に関しては. すでにその尺度として応力拡大係数の有効性が 明らかにされているので. ここでは. 切欠きを持つ部材における力 学的厳しさの尺度の物理的意味について述べる。
円ノunJb
一一…
t�形切欠き力学に ついて 切欠き底付近の応力場
( 6) (6)
関2-1 のように, 一線引張り応力を受ける無限板中に 1 {1mのだ円 孔がある場合を考える。 こ のときの切欠き底付近の応力分布( x市111
上の応力分布) は次の辺りである (1)0
σ y (X ) =九{m4 f 3 + m2 (m2-m-3)ど+ m+ 1} / {(m-l) (m2-1)} (1) ,
α - 1 + 2 m, m = ( a /ρ) 1/2
E (a + x) / (a p + 2 aX+ x2 ) 1 / 2 ( p / a ) 1 / 2 /t、 円J白 ーIJ こ こ で α は応力集中係数である。 き裂はm→∞の極限として表され
る。
x {ρ のとき, 式( 2 )より
ど = (a+ x) /rす予 ( 1 + ( 2 a X+ X2 ) /(ap)) 1/2 / ρ/ a ( 1+1/m2 ・ x/ρ) // 1+ 2x/p +1/m2 . x 2 /ρ2 ( 3 ) これ を 式(1 )に 代入し整理すれ ば
σ y (X) = σ m . " [1- (3+ 4 m) / (1+ 2 m) ・ (x / ρ) + 3/2 ・
(5+ 6 m) / (1+ 2 m) ・ ( X 2/ρ2) + ・ ・ ・ ] (4)
cr
図2-1 だ円孔の座標
句、uつゐ
ご 乙 で, 0 m a x = α 0 = 0.回 ( 1 + 2 m) (5 )
式(4)において. x /ρの係数は mの関数であるが, mがo �∞の問 で変化しでも大きくは変化しない。 例えばx/ρの係数はm : 0 ,...___,∞
に対して3,...___, 2の問で変化するに過ぎない(X 3 P 3以下の項の係数は mがOに近くなると大きく変化する)。 従って, 式( 4 )から, a/ρが 小さいときの切欠き底付近の応力分布が, 切欠き深さ a にほとんど
無関係に. 切欠き底の最大応力o m a x とρのみによってほぼ決まる ごとがわかる。 そのごとをより具体的に示したのが図2 - 2 (a)である。
以上では, 切欠きとしてだ円孔を取り上げたが. 円周切欠きを持 つ丸俸の引張りや曲げにおいても. 全く同様の関係(応力分布が
o m a 'と ρ のみで決まるとと)が成立する[図2-2(b )J。 すなわち.
切欠き材に対して切欠き底の力学的状態の厳しさは. 切欠き底の最 大弾性応力o ma、と切欠き半径p によって規定されるごとになる。
1.0k: -j 1.0
σ1
(x) I 、
ρ α =0.1 �ム
σ1(x)
0 5 [
i:XL二
4 4 4 rιCC4-川
弐\
ドf FFi �J二』:!?三 I
0.4 0.6 . 0.8 1.0 1.2 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
ェ/ρ xjρ
( a)だ円孔の穴縁付近の ( b)深い双曲線切欠きの切欠き 相対応力分布 底付近の相対応力分布
iorべ
図2-2 切欠き底の相対応力分布
2 -2 -2 き裂材または切欠き材同士で同一現象が起こ る ための条件 ( 1)) (6)
- 24 -
き裂問題( p ==. 0)において, 小規模降伏条件が満たされていれば,
破壊や一定量の降伏域が生じる限界の荷重は, 応力拡大係数Kのみ によ っ て支配される(とくに断わらない限り, 板では, 板厚一定と
して議論するものとする)。 すなわち, 小規模降伏条件で, 二つの き裂材において, 応力拡大係数を揃えると(K 11= K I2なら), 同 一現象が生じることになる。 それは, Kが等しければ, き裂先端付
近に塑性変形が生じた後も, 両者における弾塑性応力分布は等しく なるからである。 弾性応力分布が等しくなる理由は次の二つの事実 に基づいている。
( 1) K I が同じならば, き裂先端付近の応力分布は き裂の大きさや部材の幾何学的条件に無関係に
ほぼ等しい[図2-3 (a) ]
( II ) き裂先端付近に一定の微小な塑性変形が生じたこ と
によ っ て付加される応力場は, き裂の大きさや, 他 の幾何学的条件に無関係に ほぼ等しい
[ responceの等価性, 図2-3 (b) ]
切欠き問題に関しても全く同様な議論が成り立つ, すなわち, 切
欠き問題において, 小規模降伏の条件が満たされていれば, 破壊や 一定量の降伏域が生じる限界の荷重は, 最大弾性応力σ m・x と切欠 き半径ρ のみによ っ て支配される。 このことは, 二つの切欠きにお
いて弾性最大応力と切欠き半径を揃える(σ m・x 1 σ m・x 2 , P 1
Ed nJb
ρ 2 ) ならば, 同一現象が生じることを意味している。 それは,
σ m・K 1 σ m・K 2 , ρ 1 ρ 2 のとき, 小規模降伏条件下では, 切欠き 底付近に塑性変形が生じた後も, 両者における弾塑性応力分布は等
しくなるからである。 その理由はき裂問題におけると同様に, 次の 二つの事実に基づいている。
1 ) 郊性計算に よる最大応力σ 固いと切欠き半径pが同じ ならば, 切欠き底付近の応力分布は, 切欠き深さや他 の寸法に無関係に互いにほほ等しくなる[図2-3 (a) ]
I1) P I- P Z ならば, 切欠き底付近に一定の塑性変形が生 じた ことに よ って付加される応力場は切欠き深さや他 の寸法に無関係に互いにほぼ等しい
[ responceの等価性, 図2-3 (b) ]
き裂材同士または切欠き材同士で, それぞれ同一現象が生じるため の条件を模式的に示したのが図2 - 4である。 この図より線形き裂力学 と線形切欠き力学が極めてよく似た力学的背景をも っ ていることが
わかる。 ここで, 注意すべきは点は, 板材において, responceの等 価性が保証されるためには, き裂材でも, 切欠き材でもP 1 ρ 2 の
条件のほかに板厚が一定でなければならないことである。 板厚が異 なれば自由表面の影響が異なることにより, responceの等価性は一
般に保証されなくなる。
し一一ーー
「一一一ー
σ
α 2
K ( controls elastic stress field'
( a)
-26-
σmaxl一σmax2 σ Pl = P2
4 4句“
「 1 1
a m a x and ρ control elastic stress field.
同一弾性応力場
し一ー一「一一一一
」ーーー
「一ーー
(b) responseの等価性( P t = P 2であればよい)
図2 -3 き裂同士および切欠き同士におげる同一弾性応力場と responceの等価性の条件目) (6 )
ワtn/臼
K 11 = K.12
(き裂)
I I
同一抑性I I
同一弥塑性--ーーーーーーー ーー・・ー ー・・ー・4 ー→ーー今 I I -ー+ーー。
am8 xl = a岡田x2
I I応力場I I I応 力 場
PI=ρ2 I I
(切欠き)
Responsesの等価性
図2-4 二つのき裂材または二つの切欠き材に おいて同一現象が生じるための条件{ら) (6 )
口ハu
nJ臼
2-2-3 き裂材および切欠き材の破壊条件 ( 2) (3)
前節で述べたように応力場の強さの尺度は, き裂では応力拡大係 数Kであり, 切欠きでは弾性最大応力σ m• x と切欠き半径ρ である。
したが っ て, き裂材 および切欠き材の小規模降伏条件下における脆 性的破壊の限界条件は次のようになる。
( a ) き裂材では
K 1 - K 1 C
、、』fFhu
,,t、
( b ) 切欠き材では
σ m・x - σ m・x c ( p )
、、,,J
円,t,,‘、、
式( 7 )は脆性破壊を起こすときの弾性最大応力σ m・x は切欠き半径 p のみで決まり, 切欠き深さに無関係であることを示してい る。
σ m・x c (ρ) は, K l cに相当する量で, 材料の固有の値で, それは 切欠き半径p の関数でもある。
式( 6 ) , 式( 7 )は見かけ上異なる条件のように見えるが, 物理的には 共通の基盤の上に立つものである。 すなわち, 式( 7 )を切欠き底から 微小な一定距離離-れた点の応力が, p によ っ て決まる限界値に達し たときに脆性的破壊が起こることを意味すると考えれば, 式( 6 )は式
( 7 )の なかに含まれることになる。
ここでは破壊の例として脆性破壊を取上げてその限界条件を示し たが, 他の破壊形式に関しでも同様な関係式が存在する。 すなわち,
Kが脆性破壊以外のき裂問題に対しでも有効であるのと同様に, 応
力場の強さをσ mI Xとp でとらえる考え方は切欠き材における各種荷 重条件下の破壊問題に対しでも有効である。
線形き裂力学と線形切欠き力学は, 以上述べたことから分かるよ
nHd つL
うに, 非常によく似ている点もあるが相違点もある。 r線形き裂力 学」と[線形切欠き力学]の本質的に異なる点は, 後者では pが変 化し得るためにρ を変えることによ っ て別な現象が起こり得ること である。 このことは, 現象の遷移限界がρ によ っ て支配されること を意味し, そのよう な例は, 疲労における停留き裂の問題や静的破
壊における延性 -脆性的遷移の問題などにおいて見られる。
き裂では, つねに P '=T 0であるので, き裂を持つ二つの部材がある
とき, 両者のき裂先端付近の応力分布は片方の荷重を調整すること によ っ て一致させることができる。 このことは, 小規模降伏の条件 が満たされている限り 両者において同じ現象しか起こらないこと を意味している (ただし, 板では板厚を一定とする)。 切欠きでは ρ が変わるので, 切欠きを持つ二つの部材があるとき, 例えば一方 には停留き裂が存在し得るのに対し, 他方にはそれが存在し得えな いということが起こる。 逆に切欠き材でも, pが一定ならつねに同
じ現象が起こることになる。
nHu
n4・u
2-2-4 停留き裂が生じるための条件 ( 1 ) ___ (3)
引張り圧縮および繰返し曲げとねじりではき裂の停留機構が異な るので, ここではねじりについては省略する。 また, 両振り応力の
場合(したがって, 平均応力は零)である。
分岐点は停留き裂の存在限界であり, これはき裂発生に基づく破
断限度σ wlと停留き裂が存在する範囲での破断限度σ υ が等しくな る点として定義されるが, σ wlは 材質が一定ならば, 応力勾配x の み, したが っ て切欠き半径ρのみによ っ てほぼ決まる。 停留き裂が 存在するためには, 分岐点での切欠き半径は多くの材料でほぼO. 5 mm 前後であるので, pはほとんどの材料においてO. 5mm (程度〉以
下の値をとる必要がある。 このため, 分岐点付近では応力勾配はま たρのみによ っ てほぼ決まると考えてよし、。 このような状況のもと で, 同一材料からできたρが等しいこつの切欠き(p 以外の寸法は 異なる)を考える。 このとき, 二つの切欠きの切欠き底にち ょ うど き裂が発生するための条件は, いずれも, 最大応力σ ma xがχ によっ
て決まる値σ 。〈ρ。 でのき裂発生するための最大応力を示す。 この 値 σ 。は X, したが っ てp。 のみで決まるから両方の切欠きにおい て等しい)になることである。 このような二つの切欠きの一方の切 欠き底に, σ 。を繰返したとき, き裂が発生しそれが停留き裂にな っ たとすると, 他方の切欠き底にσ 。を繰返せば, やはりき裂が発生し,
そのき裂は停留することになる。
それは, 二つの切欠きにおいてσ mー とpがそれぞれ等しいとき,
同一現象がおこるべきこと(図2-4 )から理解できる。
pが小さくなった時に, 停留き裂が生じ易くなる理由は, 図2 - 5に 示されている。 図2 - 5において, P 1 > ρ。 の切欠きとρ 2く ρ。 の切
市'Aqδ
\
�l.Omm\(出))
1 =0. 5mm
① d= 5 mm,
I=O.lmm
① d= 5 mm,
t =0.2mm
し(昌也)
① d =10mrn,
250
FHZ
nu
nu phd
nHU -aEA
'E'A
険制巳hhuh-。-hu
杭l町 非破断,
非破l析,
-⑩O
50
き裂あり き裂なし
5
なる)
α 4 3
ρが一定と
5 2
(分岐点では切欠き半径
α 4 3
5 1 2
( [1 )低炭素鋼の回転曲げ
4 α 3
0 2 1
62 ペ
J ρ』
く 円〉凡 円
停留き裂が存在する場合
き半径 ( 0 1 • ( 0 1・ 02. き裂発生限界応力. ρ。 分岐点の切欠
o 2 > 0 1ではあるが o 2 � 0 1であり. したがって o 2
なのでK 1 2 ;三 02' Fヲ子C ( K 11;三 0 1・fヲ子℃である) ( c )
き裂が存在しない場合 (b)停留
引張り圧縮または曲げにおいて停留き裂が生 じる 理由の説明( 5) (6)
2 - 5 図
円ノ白内ぺU
欠きを比較する。 き裂発生限界に おいて切欠き底に繰返される最大 応力σ 1, σ 2 はP 1, P 2 の切欠きに おいてそれ程大きくは異なら ない。 すなわち, σ 1< σ 2 であるが σ I =; σ 2 である。 一方, それ
ぞれ σ 1, σ 2 のもとで両方の切欠きに等しい長さc( cはρより十分 小さいとする)のき裂が生じたとすると, c の点の応力σ J , σ 2
は大きく異なり(σ l' � σ 2' ), かっK ( 1ーτ£ー σ l' rnで ,
K (2 与 σ 2' rnでとなるので, 結局 K ( 1 � K (2となる。 このよ うに, 切欠き半径がρ 1(> Po )とρ 2 (< Po )の切欠きに おい てき裂を発生させるための最大応力σ 1, σ z には大きな差はなく,
かっ同一長さのき裂発生後のK ( の値は, P が小さい ほど, 小さく なる。 このことがρがある値以下のとこ ろで停留き裂がが認められ るfill由である。
以上述べたように, 切欠き底に停留き裂が認められるか否かは, 切 欠き半径pが 材料ごとに決まる定数ρ。 より小さいか大きいかによ
っ て支配される。
このことは, 部材の疲労限度が, き裂発生限界応力σ wlで決まる か停留き裂の伝ぱ限界応力σ w2 で決まるかをpが支配してい ること を意味する。 すなわち, ρ > ρ。 かP < ρ。 によ っ て部材の疲労限 度(li皮断限界)を予測する方法が全く異なるわけである。 疲労限度 はP > P 。 のとき σ wlで決まり, p < p 。 のとき σ w2で決まる。 例 えば, 通常の溶接部はp < p。 と考えられるので, 溶接継手の疲労 限度は σ υで決まることになる。 また切欠きを持つ部材の疲労限度 がムK t hと関連をもつかどうかは, その部材の切欠き半径pがρ。
より小さいか大きいかによ っ て決まる。
円、unぺυ
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anuz
rhu
,,I、
,,t、
西谷,
西谷,
第三 3 主主
キオ米斗 , 多言E 患食 ズヨ「 、と去ヰ5よ び、 七刀 クミき4寺f生
本章では研究に使用した材料の化学成分.
組織, 機械的性質, 試験片形状および実験 方法に ついて述べる。 さらに切欠き材の疲 労における切欠き特性を線形切欠き力学の 尺度から検討し, それらの結果に基づいて 溶接継手の疲労限度を推定する方法を提案 する。
- 34 -
phu nぺU
3 - 1使用材料の化学成分, 組織および機械的性質
木研究に使用した素材は市販の一般構造用圧延鋼材SS 400 (板厚 12,16,19および32 mm) ,溶接構造用圧延鋼材SM 490 (板厚6 および
12 mm), SM 570 (板厚32 mm )および板厚9 mmの780 MPa級高張力鋼
(以下 HT 780 と呼ぶ)である。
表3 -1 に各材料の化学成分を示す。
図3-1 に各材料の組織を示すO
表3-2 に各材料の機械的性質を示す。
一般構造用圧延鋼材SS 400 (板厚 12,16,19,および32 mm ) と溶
接構造用圧延鋼材SM 490 (板厚6および12 mm) ,SM 570 (板厚32 mm ) の組織は フ ェ ラ イト, パー ラ イト組織であるo HT 780の組織は焼き
入れ ・ 焼き戻し組織である。
機械的性質を求めるための試験片の形状と寸法はJ 1 S Z -2 201の2号 および4号試験片lこ基づいたものである。
使用した試験機は最大容量3 0 t 0 n ア ム ス ラ一万能試験機である。
RU n4U
表3 - 1 使用した材料の化学成分( % )
S
料 C S i Mn P S
o. 11 o. 20 o . 48 o . 0 1 8 o . 0 2 1
0.18 o. 1 � o . 5 5 o . 014 o. 013
S � 00
0.18 O. 1 3 O. 1 4 O. 018 o . 012
0.11 O. 1 1 0.56 O. 0 1 6 o . 018
O. 1 2 O. 3 3 1 . 2 9 O. 0 2 1 o . 0 11
M 4 9 0
O. 1 6 O. 4 2 1. 2 1 O. 021 o . 0 11
M 510 0.15 O. 2 6 1. 2 4 O. 0 1 8 O. 006 キオ
S
S
その2 HT 180の化学成分( % )
内,L-Ei pし-nHU
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O. 015
S
O. 0 0 5 O. 2 2 0.03
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縦 断 面 横 断 面
SS 400 (板厚12 rnrn)
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縦 断 面 横 断 面
SS 400 (板厚16 mm)
縦 断 面 横 断 面
SS 400 (板厚19 rnm)
図3-1-1 組織写真 200 μ m
38
•
縦 断 面 横 断 面
S S 400 (板厚32 mm)
縦 断 面 横 断 面
S M 490 (板厚6 mm)
縦 断 而
S M 490 (板厚12 mm)
図3-1-2 組織写真
--
縦 断 而
SM 570 (板厚32 mm)
縦 断 面
H T 780 (板厚9 rnm )
図3-1-3 組織写真
横 断 面
j.J.m
___,
横 断 面
400 μm
39
-
- 40 -
表3 - 2 使用した材料の機械的性質
材 料 板 厚 σ B σ Y δ や 11 B
rnrn MPa MPa % %
1 2 421 284 3 0 149
1 6 441 313 2 8 6 8 150
S S � 00
1 9 4 5 1 2 9 4 2 8 6 9 1 5 8
3 2 .{ 2 2 275 3 4 7 1 150
578 451 2 6 205
S M 490
1 2 559 412 3 2 193
S M 570 3 2 6 3 7 539 3 0 225
II T 780 9 882 8 2 3 3 5 3 0 5