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鋼橋ブラケットと主桁溶接部の局部応力と疲労強度 名古屋大学

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅰ‑274. 鋼橋ブラケットと主桁溶接部の局部応力と疲労強度 名古屋大学. 正会員. 舘石和雄. 名古屋大学. 学生会員. 名古屋大学. 正会員. 崔. 名古屋大学. 正会員. 判治. 日本車輌製造. 正会員. 吉嶺建史. 誠珉. 1.はじめに. ○高瀬達也 剛. A. 鋼橋においてブラケットと主桁の接合方法はブラケッ トの各部位が伝達する応力に応じて異なり,図‑1 に示す. ブラケット. 箱桁. ように ブラケットの上下フランジは完全溶け込み溶接. にて,ウェブはすみ肉溶接にて接合されている.ブラケ. :すみ肉溶接(P.P.) :完全溶け込み溶接(F.P.) A. ット下フランジには活荷重によって圧縮応力が生じるこ. (b) A-A 断面. (a)ブラケット構造. ととなるが,一般に繰り返し圧縮応力下での疲労強度は引. 図-1 ブラケット溶接部詳細. 張応力下でのそれより高くなる傾向があるため,疲労強度 の観点から下フランジ溶接部を部分溶け込み溶接に変更. 中板. .またその一方で,フラン. ジ接合部にはスカラップが設けられており,その部分が疲 労上の弱点となる可能性が考えられる.そこで本研究では,. A〜D:継手位置 250. 500. ブラケット基部のスカラップ周辺に生じる局部応力挙動 を明らかにするとともに,疲労試験により疲労強度を検討. 500. P. 750. B. A. 200. 上フランジ. 中板. D. C. 9. 14. 3500. することを目的としている.. 試験体形状を図-2 に示す.実際のブラケットと上下逆に. 公称応力:-101.2. -261. なっており,試験体の上フランジがブラケットの下フラン ジに相当する.図中に赤丸で示した継手部がブラケット下. -268. 単位:MPa. -319 -338. フランジと主桁の溶接部を模擬したものであり,中板が主. -210. 9 250 単位:mm. 図-2 試験体形状. 2.試験体および載荷方法. 500. できる可能性が考えられる. 上フランジ. 1), 2). -329 -349. -198. 桁ウェブに対応する.載荷点の左側の継手部は完全溶け込 み溶接で,右側は部分溶け込み溶接で製作した.各継手位. a) 継手位置 B(F.P.モデル) b) 継手位置 C(P.P.モデル). 図-3 変形図及びコンター図(×500). 置におけるせん断応力と曲げ応力の比は,継手位置 B, C では 0.31,A, D では 0.62 である.. R1. R3. R2. R4. 3.継手部周辺の局部的な応力挙動 試験体の継手部に生じる局部的な応力挙動を明らかに するために有限要素解析を行った.8 節点ソリッド要素を 用い,溶接ビードと部分溶け込み溶接内の溶接ルート部も 再現した.上フランジと中板の継手部を完全溶け込み溶接. 図-4 ルート部付近のコンター図(継手位置 C). としたモデルと部分溶け込み溶接としたモデルをそれぞれ作成した.図-3 に変形図および最小主応力のコンター図 を示す.スカラップ内でフランジと中板に局部的な面外曲げ変形が生じており,それにより溶接止端部に高い応力 が発生している.継手部の公称応力は-101.2MPa であるのに対して,各止端では 2~3 倍の応力集中が生じているが, この度合いは溶接方法で差がみられないことがわかる.図-4 にルート部近傍のコンター図の一例を,表-1 に着目点 (R1〜R4,図-4 参照)における最小主応力値を示す.どちらの継手位置においても着目点の応力にあまり差がみら キーワード. ブラケット,繰返し圧縮応力,疲労強度,ホットスポット応力. 連絡先. 〒464-8603. 名古屋市千種区不老町. 名古屋大学工学研究科. ‑547‑. TEL 052-789-4514.

(2) 土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月). Ⅰ‑274. 表-1 ルート部における最小主応力 (MPa) R1 R2 R3 R4. れない.継手位置 C と D の曲げ応力はそれぞれ-101.2MPa, -50.6MPa であり,両者は 2 倍程度異なるのに対して,ル ート部の最小主応力も同様に継手位置 C では D の 2 倍程 度となっている.その一方でせん断応力は継手位置にかか. 継手位置C (∆τ=31.2,∆σ=101.2) 継手位置D (∆τ=31.2,∆σ=50.6). わらず一定であることを考えると,ルート応力にはせん断. 1.0~1.7Hz とした.全ての継手部において繰り返し回数 410 万回 までき裂の発生は確認されなかったため,繰り返し回数 410 万回 時点での結果を示す. 図-5 に公称応力で整理した疲労試験結果を示す.着目する継手. 公称応力範囲⊿σ(MPa). 載荷荷重は上限荷重-4.9kN,下限荷重-274.4kN とし,振動数は. -105.2. -111.3. -107.5. -52.2. -49.0. -47.1. -42.8. 1000 1000. はほとんど影響しないといえる. 4.疲労試験結果. -110.2. 100 100. :継手位置 A, D. 部は見方によって十字溶接継手もしくはスカラップを有する継. :継手位置 B, C. 10. 10 105 1.E+05. 手とみなすことができるため,疲労強度等級の低いスカラップデ. 106. ラップ内に中板が貫通しているため,一般的なスカラップディテ. σ. ③. 公称 応力. は G 等級とされている.しかしながら,継手位置 A,D は H 等. ラップより高くなると考えられる. 図-6 に示す方法によりひずみゲージの実測値からホットスポ ット応力を算出し,疲労試験結果を整理した(IIW 2007).図-6 a) に示す位置①,②の止端部には 3 点外挿法を,③の止端部には 2 点外挿法を適用した.図-7 にその結果を示す.既往の研究により, 止端破壊に対してホットスポット応力で整理する場合は E 等級 の疲労設計曲線を用いること,ただし荷重伝達型部分溶け込み溶 接とみなされる継手については F 等級の設計曲線を用いることが 示されている.つまり,継手位置 C,D のフランジ側の止端部(止 端位置③)については F 等級で,それ以外は E 等級で評価する.. HSS. HSS. σ. 4 8 12 Unit:mm. 公称 応力. 0.4t 1.0t. t : 板厚. c) 2 点外挿法 a) 止端位置 b) 3 点外挿法 図-6 ホットスポット応力(HSS)の算出 ホットスポット応力範囲⊿σ(MPa). れ,このような中板を有するスカラップの疲労強度は通常のスカ. ①. ②. 級を満足しており,継手位置 B,D は G 等級を大きく上回ってい によって拘束され,止端部の応力集中が低減されたためと考えら. 8 10 1.E+0. 支点側 載荷側. ん断の比によって継手位置 A と D は H 等級と,継手位置 B と C. ることがわかる.これはせん断によるフランジの面外変形が中板. 107. 1.E+06 繰返し回数 1.E+07. 繰返し回数 (cycle). 図-5 公称応力で整理した疲労試験結果. ィテールの疲労設計曲線と比較して検討する.本継手部ではスカ. ールとは厳密には異なるが,現行の疲労強度曲線では,曲げとせ. JSSC-A B C D E F G H. 1000 1000. JSSC-A B C D E F G H. 100 100. :止端①,② :止端③(F.P.) 10 10. 105 1.E+05. :止端③(P.P.) 106 1.E+06. 7 10 1.E+07. 8 10 1.E+08. 繰返し回数 (cycle). 図-7 HSS で整理した疲労試験結果. 図より,E 等級もしくは F 等級より高い領域でも疲労き裂は生じておらず,設計曲線を満足しており,ホットスポ ット応力と設計曲線を比較することにより安全側の疲労照査が可能であるといえる.以上より,止端破壊に対して E 等級以上の疲労強度を有しており,ルート破壊も生じていないことから,完全溶け込み溶接から部分溶け込み溶 接へ変更できる可能性が示されたといえる. 5.まとめ 疲労試験より,部分溶け込み溶接を用いた場合の下フランジ基部の疲労強度を明らかにし,完全溶け込み溶接か ら部分溶け込み溶接へ変更できる可能性を確認した. 参考文献 舘石和雄ら(2011):鋼橋のブラケット基部の疲労強度に関する研究,土木学会第66回年次学術講演会,pp.295-296.. ‑548‑.

(3)

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