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東京都廃棄物審議会 計画部会

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東京都廃棄物審議会 計画部会 (第4回)

平成18 年1月 24日(火)

資 料

中間のまとめ(案)の骨子(案)

1 新たな計画の策定に当たって - 6つの主要課題 - 2 新たな計画の基本理念

- 循環型社会への変革 - 3 施策の柱と目指すべき方向

4 発生抑制・リサイクル(省資源化)の促進を図るための施策

5 廃棄物処理・リサイクルに係る環境リスクを軽減させるための施策 6 健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスの発展に資する施策

7 計画の目指すべき目標

- 最終処分量の目標 - 8 計画の推進方策

(資料一覧)

資料1 区市町村に対するヒアリング結果 ··· 1

資料2 中間のまとめ(案)の骨子(案) ··· 5

別添資料 新たな廃棄物処理計画の体系イメージ

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区市町村に対するヒアリング結果

1 総論・計画のスタンス

○ 「区市町村に対する技術的支援」というが、技術面だけでなくもっと実効性のあ る支援策を希望する。

○ 東京都廃棄物処理計画において示される方向性は、直接的に区市町村の取組を縛 るものになるべきではない。

○ 廃棄物の減量施策を推進するためにも、既存の埋立処分場をできる限り長く使っ ていくべきだという主張を、より積極的に出してもらいたい。

○ 都は、八都県市の広域的な取組と区市町村の取組との一層の連携を図ってもらい たい。

2 発生抑制

○ 廃棄物の発生抑制については、発言力のある都から事業者団体等に対する働きか けをしてもらいたい。

○ ごみの発生抑制を区から商店会に働きかけても協力を得るのは難しい。各事業者 団体に強く働きかけてもらいたい。

3 家庭ごみの有料化

○ 有料化するには、収集運搬の原価を明らかにするようにと言われているので、2 3区の全体で統一した方法で原価計算できるようにならないと有料化は難しい。

○ 有料化してから1年が経過し、多少リバウンドしてきたようだ。市民ばかりに減 量を求めても、事業者の取組をなかなか促すことができない。

○ 有料化するかどうかは、各区で判断することではあるが、周辺区との調整が必要。

○ 市民からは、東京として制度を統一化してほしいと言われている。

○ 有料化を促進する旨の記述を盛り込んでもらいたい。

資料1

都と区市町村との役割分担を前提としつつも、都が今後の方向性をより具体 的に示していくことを期待する意見が多かったが、一部で都は区市町村の取組 を束縛すべきでないとの意見も寄せられた。

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○ 家庭ごみの有料化については「技術」の支援ということで済まさないでもらいた い。最終処分場の縛りがあるからというスタンスなのか、環境上望ましいからと いうスタンスなのか、もう少し踏み込んでもらえれば区民の意識が醸成される。

処分場についての区民の危機意識はあまりない。

○ 多摩地域の有料化がうまくいったかどうかの検証結果がほしい。

○ 有料化を始めたものの途中でやめてしまった市の例など、有料化に失敗したとこ ろの情報もほしい。

4 排出事業者指導

○ 大規模事業所における立入指導を行っているが、排出事業者の立場から見ると廃 棄物を減量していくという面では、一般廃棄物と産業廃棄物との区分は関係ない。

プラスチック廃棄物などの産業廃棄物についても、どのようなリサイクルルート があるのかを都が示してくれれば、一般廃棄物の減量とあわせて指導していくこ ともできる。

5 プラスチック廃棄物のサーマルリサイクル

○ 特別区長会では、平成20年度からプラスチックごみのサーマルリサイクルを本 格実施することを確認しているが、これまで「焼却不適ごみ」と説明してきたプ ラスチックごみを「埋立不適ごみ」であるとの意識への転換を求め、定着させる には時間がかかる。区民の不安感を払拭するために、収集されたプラスチックご みがどのように処理されていくのかを分かりやすく説明していかなければならな い。

○ サーマルリサイクルについての専門的な助言が必要。

○ 可燃ごみと不燃ごみの区分については、住民からの問い合わせが多いため、統一 していく方向が望ましい。

○ これ以上分別基準を細かくすることは、高齢者に負担となり難しい。

6 容器包装廃棄物のリサイクル

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リサイクルに係るトータルのコストと環境負荷によって優先順位づけされていく ことが望ましい。

○ 国に対して、EPR(拡大生産者責任)を進めるべきだともっと積極的に言って もらいたい。

7 ごみ処理コスト

○ ごみ処理コストをはっきり出したら、かなりの反響があった。議会にはコストを 出す姿勢を評価されている。

○ 収集運搬について原価計算をしてみても、工場のある区と無い区でかなり違った 額になる。

8 ごみ量

○ 平成22年度の排出量590万トンをもう少し減らせないのか。

○ 計画目標値が一人歩きしないか危惧している。

○ 事業系の区収集ごみを今後どう減らしていくのかが課題。事業系ごみでリサイク ルできるものは少量しか排出されないので収集効率が悪いなどの課題が多い。

○ 区内のごみ量について、家庭系は減っているが、事業系は増えている。具体的に 事業所にどう取り組んでもらうのかが難しい。

9 環境教育

○ 市内の人口の約1割が1年で替わってしまう。都市部は地方とは違って、市民啓 発が難しい。

○ 違反行為に罰を科すだけではなく、優れた取組を公表して、それらが模倣されて いくことが重要。

10 その他

○ 個別収集の実施と有料化によって、可燃ごみ量はかなり減少した。残されたのは 生ごみである。

○ スラグの安全性については、十分理解が得られていない。

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東京都廃棄物審議会 中間のまとめ(案)の骨子(案)

1 新たな計画の策定に当たって

(1) 現行計画策定後のこれまでの動き

○ 現行の東京都廃棄物処理計画は、当審議会の答申を受けて平成14年1月に策定 された。計画に定められた主な施策について、以下に示す点において、着実な進 展がなされてきた。

○ 国の都市再生プロジェクトの一環として、東京臨海部の都有地において、民間事 業者等が主体となり廃棄物処理・リサイクル施設の整備を進めるスーパーエコタ ウン事業が大きな進展を見せた。これにより、これまでリサイクルが困難だった 建設混合廃棄物について、都内排出量の全量を処理できる体制が確保され、プラ スチック廃棄物、事業系食品廃棄物及び廃情報機器類をリサイクルする施設の整 備も新たに進められてきた。

○ 日本環境安全事業株式会社の整備する東京PCB廃棄物処理施設が稼働し、都内 のPCB廃棄物を平成22年度までに処理できる見通しが立った。

○ 産業廃棄物の不法投棄問題の解決に向け、排出事業者の適正処理への取組を促進 するとともに、処理業者の処理状況を透明化していくため、産業廃棄物の排出事 業者に適正処理のための取組状況を、処理業者に対して処理の状況について報告 を求め、それを公表する制度を新たに導入した。

○ この間の国内的な動きとしては、建設リサイクル、自動車リサイクルの各種リサ イクル法が施行され、事業者によるリサイクルが進展するとともに、相次いだ大 規模不法投棄事件を踏まえ、数度にわたる廃棄物処理法の改正によって産業廃棄 物を排出する事業者の責任を求める規制が強化されてきた。

○ 海外との関係では、多くの使用済みのプラスチック類などの輸出が拡大しており、

国際的な資源循環の動きの中で、適正な循環利用の実現に向けた取組が求められ てきている。

(2) 東京都の廃棄物行政が抱える6つの主要課題

○ 以上に示したこれまでの動きを踏まえた上で、都が取り組むべき課題としては、

資料2

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新たな計画期間5年間のうちに取り組んでいくべきものと、循環型社会への変革 を実現していくために中長期的な視点に立って取り組んでいくべきものとがあ るが、以下に主要な課題を6つに整理して示す。

【6つの主要課題】

課題1 依然として廃棄物等を大量に発生させている社会

○ 東京都内の人口は、依然として増加傾向にあり、より一層の高齢化の進展が見込 まれている。また、都内の経済動向については、景気が回復基調にあり、今後の 都内成長率は、プラス成長が見込まれる。さらには、今後建築物等の多くが更新 期を迎えることになる。これらによって、廃棄物等※1の発生量は増加すると予測 される。

○ 持続可能な社会を実現していくためには、生産や消費活動の在り方を廃棄物等の 発生抑制が進展する方向に変革していく必要がある。

課題2 埋立処分に依存しているプラスチック廃棄物

○ 前回答申で、プラスチック廃棄物は、貴重な資源であり、「埋立不適物」である との方向が示され、様々な検討や取組が進められてきてはいるが、依然として、

一般廃棄物、産業廃棄物ともに多くが埋立処分されている。

○ また、使用済みのプラスチック類の一部が海外に輸出され、必ずしもその全てに ついて適正な再生利用がなされることが担保されていない。

○ そこで、引き続き可能な限りプラスチック廃棄物の発生抑制を促進するとともに、

国内において適正なリサイクルが徹底されるようルートづくりを促し、埋立処分 量をゼロに近づけていくことを目指す必要がある。

課題3 有効活用されていない建設泥土

○ 建設リサイクル法の施行に伴い、がれき類や木くずの再生利用は拡大してきてい

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○ 依然として東京で排出された産業廃棄物が不法投棄されるなど、廃棄物の不適正 処理の問題は解決していない。特に、ここ数年、不法投棄された産業廃棄物の総 量は減少傾向にあるものの、不法投棄の件数は横ばいであり、小規模化している。

○ 今後は、引き続き取締りを徹底するとともに、小規模化している不法投棄の現状 を踏まえた、不適正処理の未然防止策を講じていく必要がある。

課題5 徹底すべき有害廃棄物等の適正処理

○ これまで有害廃棄物の約6割が他県における処理に依存している。

○ PCB廃棄物、感染性医療廃棄物、飛散性アスベストなどについては、都内処理 を進めるとともに、適正な処理が確実に行われるよう、必要な監視指導等を行っ ていく必要がある。

○ その他の産業廃棄物についても、確実な処理の実現に向けて必要な措置を講じて いく必要がある。

課題6 健全な発展が求められる廃棄物処理・リサイクルビジネス

○ 廃棄物の適正処理を徹底し、リサイクルを促進するためには、その処理に関わる 廃棄物・リサイクル関連ビジネスが、社会から十分な理解や評価を受け、健全に 発展していくよう、誘導していく必要がある。

(3) 目指すべき循環型社会を見据えた計画の策定

○ 循環型社会への歩みをより確固としたものとするには、実現すべき社会の姿を明 確にして、都の施策がその方向に確実に向かうよう適切な舵取りをしていかなけ ればならない。

○ 新たな計画においては、目指すべき循環型社会の在り方や、循環型社会において 定着していることが臨まれる社会の規範を示し、それを実現していくために、施 策が目指すべき方向性を明らかにして、その方向ごとに進めるべき個々の施策を 具体的に定めていくべきである。

(4) 新たに策定すべき計画の位置付け

○ 新たな計画は、廃棄物処理法第5条の5第1項に基づく都道府県廃棄物処理計画 としてだけでなく、地域における循環型社会の形成に関する施策を定めた計画と しての性格を合わせ持つものと位置付けるべきである。

○ 東京都廃棄物処理計画の上位計画である東京都環境基本計画においては、「健康

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で安全な環境の確保と持続可能な社会への変革を、東京から発信する」を基本理 念に、より広域的に、地球規模での環境問題に対しても、先駆的な取組を開始す べき責務があるとしている。東京都廃棄物処理計画は、この東京都環境基本計画 の理念を踏まえ、東京から循環型社会への変革を果たすまでの道筋を広く発信し ていく性格を持つものでなくてはならない。

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2 新たな計画の基本理念

「循環型社会への変革」

(1) 目指すべき循環型社会

○ 私たちの経済活動は、日々新たな製品やサービスを産み出し、そこに付加価値を 創出させ、豊かな社会の実現を目指してきた。しかし、その反面、地球の温暖化 や天然資源の枯渇、貴重な自然環境の喪失などの問題を引き起こしてきている。

私たちが物質的な豊かさを追求してきたがゆえに、美しき国土の恵みや地球上に 住む生物の営みからもたらされる豊かさを、私たちは永久に失ってしまうことに なりかねない。

○ 私たちが持続可能な発展を続けていくためには、できる限り環境に負荷を与えず に「物質」を循環利用する社会を構築していくことが必要なのは勿論である。し かし、より望ましい社会の在り方としては、物質を消費することによって効用を 得ようとするのではなく、物質的な豊かさよりも、自然を慈しみ、地球環境を大 事に思う心の豊かさを一人ひとりが大切して、持続可能な社会の実現に向けた取 組を進めていかなければならない。

○ 東京都を初めとする行政は、持続可能な社会の実現に向けた歩みを確固としたも のにするため、社会を構成する各主体それぞれの役割と責任の所在を明確にして、

各々に対して自発的な取組を促していく施策を展開し、以下に掲げる循環型社会 を実現していくべきである。

・ 製品の省資源化や長寿命化が進むとともに、できるだけ資源を消費しないライ

フスタイルが定着していくなど、廃棄物等の発生を抑制する取組が進み、さら に経済性と環境への負荷とを勘案した上で望ましいリユースやリサイクルの 取組が一層推進されることによって、温室効果ガスの削減が進み、天然資源の 消費量と廃棄物の排出量の抑制が図られている。

・ 不要となって排出された廃棄物は、処理の過程においてエネルギー消費量の抑

制と有害物質等の管理の徹底がなされた上で、可能な限り埋立処分量を削減す るなど、環境に与える負荷や有害物質等によるリスクが最小限に抑えられるこ とによって、安全で安心して暮らせる生活環境が保全されている。

(2) 循環型社会において実現すべき社会規範

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○ 目指すべき循環型社会においては、以下に示す考え方が社会において規範として 定着している必要がある。

・ 生産者は、できるだけ廃棄物を生じさせない製品を設計、提供するとともに、

消費者は、廃棄物をできるだけ発生させない製品を進んで選択していく行動が 定着している。

・ 廃棄物等の再生利用の過程が、製品の製造・流通・消費と一体の過程としてと

らえられるようになる。

・ 廃棄物の再生利用や処理を含む、製品の一連のライフサイクルにおいて、事業

者ができるだけ環境に与える負荷を抑制する取組を行うことが、市場において 評価されるとの認識が定着している。

・ 廃棄物を適正に処理することが社会の規範として重視され、生産活動及び消費

活動のいずれにおいても、そこから不要となって生じる廃棄物を適正に処理す るために要する費用が、それらの活動に必要な費用の一部であるとの認識が定 着している。

(3) 「循環型社会への変革」を目指して

○ 東京都は、平成14年1月に「東京都廃棄物処理計画」を策定し、循環型社会の 実現に向けて、積極的に様々な施策を展開してきたが、以上に示した「循環型社 会への変革」を実現していくという点においては、途半ばである。

○ 新たな廃棄物処理計画においても、引き続き基本理念として「循環型社会への変 革」を掲げ、変革の実現に向け先導的な施策に取り組んでいくべきである。

○ 特に大都市東京は、カナダ一国に匹敵する経済規模を持ち、かつ東京の産業は、

他県や海外と物資、エネルギー、サービスなどの面において密接な相互依存関係 にある。東京から、積極的に持続可能な社会実現に向けた施策を展開することは、

東京都域のみならず他の地域への波及効果を生じさせるものであるから、地球規 模の視点に立って現在の課題をとらえ、先駆的な取組を進めていかなければなら

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3 施策の柱と目指すべき方向

○ 都は、新たな計画の計画期間である5年以内に完了する取組だけでなく、中長期 的に取り組んでいく必要のあるものも含め、「発生抑制・リサイクル(省資源化)

の促進」「廃棄物処理・リサイクルに係る環境リスクの軽減」「健全な廃棄物処理・

リサイクルビジネスの発展」の3つを施策の柱として掲げ、以下に示す目指すべ き方向性を踏まえて、各施策を推進していくべきである。

(1) 発生抑制・リサイクル(省資源化)の促進

【発生抑制・リサイクルに係る都民、事業者等の社会的責任の徹底】

○ 都民、事業者等に対して、廃棄物等の発生抑制、リユース及びリサイクルを推進 していくことが、循環型社会の実現に向けて自らに課せられた社会的な責任であ るとの自覚を定着させていくべきである。

○ 特に、近年、企業の社会的責任(CSR)が強く求められていることから、自ら 排出する廃棄物等の発生抑制、リユース及びリサイクルに要する費用について、

事業者が適切な負担をしていくよう徹底すべきである。また、製品の構造をでき るだけ廃棄物を発生させないものにするなど環境に配慮した製品の開発や提供 を一層促していくべきである。

【事業者の自発的取組を促進する仕組みづくり】

○ 廃棄物等の発生抑制、リユース及びリサイクルを推進することが、事業者にとっ て市場において競争上優位となる仕組みの実現を図り、事業者の自発的取組を促 していくべきである。

(2) 廃棄物処理・リサイクルに係る環境リスクの軽減

【廃棄物の適正処理に向けた都民、事業者等の社会的責任の徹底】

○ 都民、事業者等に対して、生活環境の保全上支障無く廃棄物が適正に処理される よう最大限の配慮をすることが、循環型社会の実現に向けて自らに課せられた社 会的な責任であるとの自覚を定着させていくべきである。

○ 廃棄物を排出する事業者が、その処理を委託する場合、低廉な委託費用によって 不適正処理を招くことのないよう、処理に必要な費用を確実に負担していくよう 徹底していくべきである。

【廃棄物処理の流れを透明化し、追跡管理する仕組みづくり】

○ 廃棄物の排出から、リサイクルされるまで、又は最終処分されるまでの間におけ

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る廃棄物の処理の流れを明らかにし、廃棄物処理の不透明性を解消させていくべ きである。特に、有害性の高い廃棄物等については、不適正に処理された場合、

生活環境の保全上重大な支障が生じる恐れがあることから、廃棄物を追跡管理す る仕組みを普及させ、一連の処理の流れを一層透明化させていくべきである。

【産業廃棄物の排出量の多い大都市東京から先導的な取組を展開】

○ 都内から排出された有害廃棄物の約6割は他県で処理されてきたが、今後はこれ らを都内においても処理できる体制を目指していくべきである。とりわけ飛散性 アスベスト廃棄物や感染性廃棄物、PCB廃棄物の処理体制を早期に確立すべき である。

○ 産業廃棄物は都県域をまたがって処理されているため、不法投棄の撲滅に向け、

周辺自治体で連携して、首都圏から先導的な取組を展開していくべきである。

(3) 健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスの発展

○ 廃棄物の処理やリユース、リサイクル等を業として行う事業者は、循環型社会を 実現していく原動力として大きな役割が期待される。そこで、不適正な処理を行 う事業者が市場から排除され、環境に与える負荷の少ない優れた取組を行う事業 者が発展できるような社会システムを構築していくべきである。

○ 廃棄物の処理やリユース、リサイクルに関連した事業を行う者は、多くの業種に 及んでいる。また、廃棄物の減量や適正処理に対する排出者の意識が高まりをみ せ、廃棄物処理を新たなビジネスチャンスとしようと考える事業者も増えつある なか、今後は、これらの事業者の取組が相互に連携し合い、総体としてより環境 に与える負荷の少ない優れたリユース・リサイクルシステムが構築されるよう、

誘導していくべきである。

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4 発生抑制・リサイクル(省資源化)の促進を図るための施策

○ 発生抑制・リサイクル(省資源化)の促進を図るため都が取り組むべき主要施策 を以下に掲げる。

(1) 発生抑制の促進

【容器包装廃棄物の発生抑制の促進】

≪施策を必要とする背景≫

容器包装リサイクル法の改正により、容器包装の使用量の削減やリターナブル容器の利用 等を進めるため、国が容器包装を利用する事業者に対して発生抑制等に係る指針を策定し、

対策が不十分な事業者に対して遵守を求め、取組状況を公表していく仕組みの導入が検討さ れている。

○ 都は、容器包装廃棄物の発生抑制を推進するため、容器包装利用事業者の取組状 況を把握、分析して、必要であれば、引き続きさらなる制度提案をしていくべき である。

○ 八都県市で取り組んでいる「容器包装ダイエット宣言」におけるロゴマークの表 示など、事業者による発生抑制の取組を促す仕組みをつくっていくべきである。

また、国における3R活動推進フォーラムの場などを通じて、広く関係団体等と ともに発生抑制の取組を進めていくべきである。容器包装リサイクル制度につい ても、制度の意義が正しく理解され、できるだけ環境への負荷を少なくする取組 が促進されるよう、都は、都民、事業者に対する普及啓発等をさらに進めていく べきである。

○ リターナブル容器、マイカップ自販機など、容器包装廃棄物の発生抑制につなが る製品の使用拡大を促していくべきである。

【家庭ごみの有料化】

≪施策を必要とする背景≫

家庭ごみの有料化は、国においても、経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の排出 抑制や再生利用の推進、排出量に応じた負担の公平化及び住民の意識改革を進めるためにも 推進していくべきとしているが、有料化の実施と併せてどのような施策を講じていくかなど によって、その効果に違いがある。また、都内においても家庭ごみの有料化を導入する市町 村が増えている。

○ 家庭から排出される一般廃棄物の発生を抑制するためには、抑制に向けた取組を

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行うことが各家庭の経済的利益となる有料化が有効な施策の一つと言える。家庭 ごみの有料化について、ごみの減量効果やその具体的導入方法、併せて講じる施 策など、区市町村が有料化の導入を検討するに当たって必要となる情報を提供す るなどの支援をしていくべきである。

【建物の長寿命化による建設廃棄物の発生抑制の促進】

≪施策を必要とする背景≫

東京都内には、数多くの建築物があり、これらが耐用年数を越え、老朽化することに伴い、

解体され、多量の建設廃棄物が排出されることになる。建築物の密集した東京は、潜在的な 産業廃棄物の発生因子を抱えていると言える。

○ 建設廃棄物は、東京から排出される産業廃棄物の約4割を占めており、産業廃棄 物の減量を進める上においては、できるだけ建設工事からの廃棄物の発生を抑制 しなければならない。今後、多くの建築物が更新時期を迎えることになるが、耐 震性や防火性の面で支障のない建物については、リフォーム等により、できるだ け長く使用していくことが求められるとともに、新たに建設される建物について は、長寿命の設計が普及するよう、そのために必要な方策を検討していくべきで ある。

(2) 産業廃棄物のリサイクル促進

【プラスチック廃棄物のリサイクル促進】

≪施策を必要とする背景≫

プラスチック廃棄物は、循環資源として有効活用すべきであり、埋立処分することは貴重 な埋立空間を消費し続けることになる。プラスチック廃棄物は埋立処分すべきでない「埋立 不適物」であるとの認識が排出事業者に浸透していく必要がある。

事業活動によって排出されるプラスチック廃棄物は産業廃棄物であり、排出する事業者は、

生活環境の保全上支障のないように適正に処理しなければならない責任を負っている。しか し、排出事業者が負っている責任の範囲は適正処理までであって、プラスチック廃棄物を再

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別排出したプラスチック廃棄物が適正な費用負担によって適正にリサイクルさ れているかを確認するよう求めていくべきである※1

○ プラスチック廃棄物の排出事業者に対して、的確にリサイクルを行い得る事業者 の情報を提供できる仕組みを検討していくべきである。

○ 再生可能なプラスチック廃棄物のリサイクルを推進するためには、より効率的に 廃棄物を収集する仕組みが必要である。中小規模の事業所では、プラスチック廃 棄物の1回当たりの排出量が少ないため、分別排出を徹底すればさらに収集運搬 費用が割高となるため、複数の事業所を効率的収集するシステムについて検討し ていくべきである。

○ 区市町村の実施する事業用大規模事業所に対する一般廃棄物の排出指導と連携 しながら、事業所におけるプラスチック廃棄物のリサイクルが徹底されるよう事 業者に対して働きかけていくべきである。

○ 東京都の管理する最終処分場では、中小事業者のために一定の基準を満たす産業 廃棄物を受け入れている。現在、プラスチック廃棄物については、破砕、切断等 の処理を行った上での搬入を認めており、この埋立処分の費用は他のリサイクル ルートと比較して安価である傾向にある。そこで、事業者が主体的にリサイクル に取り組むよう促していくためにも、最終処分場において受け入れるものを再生 利用ができない廃棄物に限るという趣旨が徹底されるよう検討すべきである。な お、その際、他県への流出の増加や不法投棄を誘発することのないよう十分配慮 する必要がある。

○ プラスチック廃棄物の再資源化品※2の需要を拡大していくためには、需要先にお いて品質の良い再資源化品が求められていることから、プラスチック廃棄物の品 質を高め、質の高い再資源化品を普及させていく方策について検討していく必要 がある。

※1 事業系プラスチック資源リサイクル研究会の報告書素案では、これら5つの取組を「プラスチック廃棄物 排 出事業者5原則」として、都と産業界の関係諸団体が連携して普及拡大していくとしている。

※2 原料や燃料として加工した物をいう。

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【建設泥土の有効利用方策の拡大】

≪施策を必要とする背景≫

都内の産業廃棄物のうち上下水道汚泥を除くと、約8割が建設工事に伴って排出される廃 棄物である。そのうち、がれき類や木くずについては、建設リサイクル法が施行されて以降、

再生利用が進んできているが、がれき類に次いで排出量の多い建設泥土の再生利用が依然と して、進んでいない。

○ 建設泥土は、その発生の起源は土砂由来のものであるため、建設工事現場内にお ける埋め戻し材としての有効利用等を一層促進していくべきである。

○ 廃棄物処理法の特例措置を積極的に活用するなど、公共事業等における建設泥土 改良土の有効利用を促進していくべきである。

(3) 一般廃棄物のリサイクル促進

【プラスチック廃棄物のリサイクル促進】

≪施策を必要とする背景≫

一般廃棄物のプラスチック廃棄物についても、循環資源として有効活用すべきであり、埋 立処分することは貴重な埋立空間を消費し続けることになるため、「埋立不適物」として取り 扱うべきである。

○ プラスチック廃棄物のうち、容器包装廃棄物については、都と区市町村とが共同 で、容器包装利用事業者等が分別収集から再商品化までの役割を担うよう、国に 対して提案したとおり、中長期的には拡大生産者責任に基づく事業者自己回収の 仕組みを構築し、廃棄物の発生抑制をさらに推進していくことが必要である。都 は、引き続き事業者自己回収の仕組みが構築されるよう働きかけていくべきであ る。

○ 容器包装リサイクル法による分別収集になじまない品質のプラスチック容器包 装廃棄物などについて、発電用の燃料や冷暖房用の熱源等に活用する取組(サー マルリサイクル)がさらに進展するよう、区市町村に対して必要な支援を行って

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【区市町村に対する支援】

≪施策を必要とする背景≫

都は、広域の地方公共団体として、区市町村が実施する一般廃棄物の処理に関する技術的 な面における支援だけでなく、一般廃棄物の減量や適正処理が円滑に、かつ効率的に行われ るよう、必要とされる情報を提供していくなど、区市町村の施策立案に対する支援を充実し ていくことが引き続き求められる。

(発生抑制・リサイクルに関する支援)

○ 区市町村が、ごみの発生抑制やリユース及びリサイクルが着実に進展するよう、

都民や事業者等に働きかけていく際に、必要な支援を行っていくべきである。

○ 区市町村が、効率的な廃棄物処理を実施していくに際して、廃棄物処理に要する 費用の公表は欠かせないが、処理費用を公表していくために、費用の算出に必要 な情報提供を行うなど支援に努めていくべきである。

○ ごみの減量を進めていくためには、環境教育の推進を欠かすことはできない。区 市町村の行う環境教育の取組を支援するとともに、広域的に取り組むことで一層 効果の上がる普及啓発については、八都県市と連携して進めていくべきである。

(ごみの適正処理に関する支援)

○ 区市町村が行う一般廃棄物処理・リサイクル施設の整備に際して、よりエネルギ ー効率が高く、信頼性の高い処理が行われるよう、必要な技術的支援、助言や財 政的支援を引き続いて行っていくべきである。

○ 区市町村間の広域的な連携や相互協力体制を構築していくため、必要な調整を今 後とも行っていくべきである。

(埋立処分量の削減に関する支援)

○ 溶融スラグの有効利用が進むように、利用用途の拡大等について、引き続き支援 を行っていくべきである。

○ 平成18年度に生産が開始される予定のエコセメントの有効利用を図っていく ため、利用用途等について、引き続き支援を行っていくべきである。

○ 埋立処分場は、限りある貴重な資源であり、区部においても、多摩地域において も新たに一般廃棄物の埋立処分場を確保することは非常に困難な状況にある。現 在の埋立処分場を可能な限り延命化させるため、都は廃棄物の減量を都民や事業 者など広く呼びかけるとともに、埋立処分量の削減を呼びかけていく区市町村の 施策に対して積極的に支援していくべきである。

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○ 都は、区部における埋立処分場の管理者でもあり、処分場の効率的な維持管理に 努めていく必要がある。また、今後東京港内に埋立処分場を確保することは不可 能であることから、限りある容量をいかに有効的に活用すべきかについて、中長 期的視点に立った検討をしていく必要がある。

(し尿処理に関する支援)

○ 生活排水に起因する汚濁負荷量の削減を図るため、引き続き合併処理浄化槽の普 及を促進するととともに、区市町村と連携して適正な維持管理が行われるよう設 置者に適切な指導を行っていくべきである。

○ 島しょ地域におけるし尿処理について、循環型社会への変革を図る観点から、し 尿、浄化槽汚泥、生ごみ等の有機性廃棄物を併せて処理し、資源化を図っていく 汚泥再生処理センターの整備を促進していくべきである。

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5 廃棄物処理・リサイクルに係る環境リスクを軽減させるた めの施策

○ 廃棄物処理・リサイクルに係る環境リスクを軽減させるため都が取り組むべき主 要施策を以下に掲げる。

(1) 有害廃棄物の都内処理体制の確立

【飛散性アスベスト廃棄物の適正処理の促進】

○ 都内で排出される飛散性アスベスト廃棄物については、溶融処理が技術的に確立 するまでの間、セメント固化等を行ったものを、都の管理する最終処分場に受け 入れているが、引き続き、適正に処理されるようにしていくべきである。

○ 飛散性アスベスト廃棄物等の溶融技術について、国や産業界の動向も視野に入れ つつ、調査・検討を行っていく必要がある。

【感染性廃棄物の適正処理の促進】

○ 平成18年8月から中央防波堤内側埋立地内にスーパーエコタウン事業として 感染性廃棄物を焼却処理する施設が稼働を開始する。これにより、既存の都内施 設と合わせて都内で排出する感染性廃棄物の全量都内処理が可能となる。都は、

都内で発生する感染性廃棄物が適正に処理されるようしていくべきである。

【PCB廃棄物の適正処理の促進】

○ 平成17年11月から日本環境安全事業㈱のPCB廃棄物処理施設が稼働し、1 都3県のPCB廃棄物の処理が開始されたが、PCB廃棄物の収集運搬及び処分 が安全に実施されるよう、監視、指導を行う必要がある。

○ PCB廃棄物を保管している事業者及びPCBを含む機器を使用している事業 者に対して、平成22年度末の期限までに処理するよう促していくべきである。

(2) 不法投棄対策の強化

【建設廃棄物を総合的に管理するシステムの構築】

○ 解体工事に伴って排出される建設廃棄物の不法投棄を防止するためには、解体か ら処分に至るまでの廃棄物の処理の流れを電子情報により総合的に管理すると ともに、適正な処分を行うために必要な費用が、事前の供託等により工事の発注 者から確実に支払われる仕組みの導入が必要である。ただし、建設廃棄物は、都

(22)

県境を越えて広域的に処理されているので、このような建設廃棄物を総合的に管 理するシステムは、全国的に導入されることが望ましい。都は、八都県市の各県 市と連携して、新たなシステムの導入を国に働きかけていくべきである。また、

提案に当たって、都としても積極的に実証実験を行っていくべきである。

【排出事業者・処理業者の報告・公表制度の実施】

○ 平成17年9月に施行された改正廃棄物条例により、新たに導入された排出事業 者の報告・公表制度において、排出事業者の取組を公表することによって、適正 処理を確保するために、より望ましい取組を行っている排出事業者が、社会から 環境に関する社会的責任を果たしているとの評価を受け、排出事業者の適正処理 に向けた自覚が促され、さらに積極的に望ましい取組が行われるよう制度の円滑 な普及を図っていくべきである。

○ 併せて導入された処理業者の報告・公表制度において、処理業者の処理の状況を 公表することによって、処理の状況が透明になり、産業廃棄物の処理に対する社 会的な理解と信頼性を高めていけるよう、制度の円滑な普及を図っていくべきで ある。

【ICタグによる医療廃棄物の追跡システムの拡大】

○ 有害性が高く、不法投棄された場合の影響が特に大きい感染性廃棄物の適正な処 理を確実に担保していかなければならない。そのため、病院を対象にして、排出 場所である病院から焼却施設まで、ICタグで追跡するシステムの更なる普及拡 大を図っていくべきである。

【バーコードを利用した医療廃棄物の適正管理の支援】

○ 診療所等から排出される医療廃棄物について、診療所等からの搬出時と中間処理 施設への搬入時に、バーコードにより情報を読み取ることで、個々の廃棄物を識 別、追跡し、収集運搬から中間処理までの情報管理を確実に行うことのできるシ ステムが順次拡大されていくよう支援していくとともに、ICタグによる追跡シ ステムとの統合を検討していくべきである。

(23)

周辺自治体と情報の共有化を進めていくべきである。また、違法行為に対しては、

厳格な行政処分や刑事告発を迅速に行うべきである。

(24)

6 健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスの発展に資する施策

○ 健全な廃棄物処理・リサイクルビジネスを発展させるため都が取り組むべき主要 な施策を以下に掲げる。

【スーパーエコタウン事業による先進的な廃棄物処理施設の整備促進】

○ 首都圏の廃棄物問題の解決を図るとともに、21世紀をリードする新たな環境産 業の立地を促進し、循環型社会への変革を推進することを目的に、都は、東京臨 海部において民間事業者が主体となり廃棄物処理・リサイクル施設を整備するス ーパーエコタウン事業を進めているが、その事業運営が円滑に推進できるよう、

今後とも必要な調整を行っていくべきである。

○ これらの民間事業者による事業の成果を、先進的な取組事例として、東京から広 く情報発信していくべきである。

○ スーパーエコタウン事業については、これまで整備した施設のほかに、先進的で 信頼性の高い新たな施設の立地について、検討していくべきである。

【優良な取組を行っている処理業者を評価する仕組みづくり】

○ 産業廃棄物の排出事業者からは、確実に適正な処理を行う処理業者の情報を求め る声が大きい。都は、国に先駆けて産業廃棄物処理業者の報告・公表制度を設け たことで、排出事業者は都内の全ての産業廃棄物処理業者の施設等を容易に確認 できるようになった。国において「産業廃棄物処理業者の優良性の判断に係る評 価制度」が具体化されたことも考慮しつつ、法令で定められた義務以上の優れた 取組を行っている事業者を第三者が評価する仕組みの導入について、検討を進め るべきである。

【事業者の優れた取組の普及促進】

○ 産業廃棄物の適正処理を推進するために設置された、排出事業者団体、処理業者 団体、行政の三者で構成する東京都産業廃棄物対策推進協議会において、産業廃

(25)

を内外に公表すべきであるため、産業廃棄物処理施設向けの環境報告書ガイドラ インを策定し、環境報告書の普及に努めていくべきである。

【産学公連携などによる新たなリサイクル方策の調査研究】

○ 大学や産業界と連携して、より優れた廃棄物の減量・リサイクルの技術開発等が 促進されるよう、調査研究を進めていくべきである。

(26)

7 計画の目指すべき目標

○ 計画期間の5年間の取組目標として、一般廃棄物の最終処分量及び産業廃棄物の 最終処分量の目標を立てる。

計画目標値「最終処分量」 (試算)

区 分 平成12年度

(実績)

平成15年度

(実績)

平成22年度

(計画目標)

ごみ

排出量

548万トン 545万トン

約590万トン

約570万トン

般 廃 棄 物

最終

処分量

99万トン 91万トン 約40万トン

排出量

2504万トン 2358万トン 約2540万トン

業 廃 棄

物 最終

処分量

232万トン 149万トン 約120万トン

最終処分量

総量

321万トン 240万トン 約160万トン

(注)平成22年度の値は試算値であり、今後、平成16年度の排出量の実績等も加味した上 資源ごみ収集

約90万トン ごみ処理過程での資源化

約40万トン 焼却(熱回収)による減量

約400万トン

資源化量

約910万トン 焼却(熱回収)・脱水等による減量 約1500万トン 資源ごみ収集

82万トン ごみ処理過程での資源化 10万トン 焼却(熱回収)による減量 362万トン

資源化量 679万トン 焼却(熱回収)・脱水等による減量 1527万トン

発生抑制 約20万トン

(27)

(参考) 最終処分量の目標設定方法について

(1) 一般廃棄物の予測

(ア) ごみの発生・排出量

家庭ごみの排出源調査の結果※1等から発生源単位(1人1日当たりの資源ごみ を含めた発生量)を設定し、予測人口を乗じて家庭ごみ発生量を試算した。

事業系ごみの発生量は、これまで都内経済成長率の動向との相関が高かったた め、景気が回復傾向にあることを踏まえて、年率2%で増加すると試算した。

以上の仮定を元にすると、目標年次である平成22年度における(何も新たな発 生抑制の取組を行わない場合の)ごみの排出量は、約590万トンと予測される。

(イ) 発生抑制量

容器包装リサイクル法の改正動向を踏まえ、製造及び販売事業者の発生抑制の 取組が促進されることなどを想定し、約20万トンの減を見込む。

(ウ) 排出抑制量(資源ごみ収集量等)

事業系ごみの更なるリサイクルが促進されることを想定

その他プラスチック製容器包装の分別収集が拡大されることを想定

家電リサイクル法の改正が予定されているから平成19度以降粗大ごみの減 量がなされると想定

以上の想定から、資源ごみ収集等の排出抑制効果を、約90万トン(平成15 年度は82万トン)と見込んだ。

(エ) ごみの処分量

焼却灰の溶融施設やエコセメント化施設の稼動開始に伴って、焼却灰の資源化 が進展することを踏まえて、ごみ処理過程における資源化量を約40万トン(平 成15年は約10万トン)と見込んだ。

平成20年度から区部におけるプラスチック廃棄物のサーマルリサイクルの 開始が予定されていることを踏まえ、直接埋立処分される不燃ごみ量の減少する ことで、埋立処分量の計画目標約40万トンの達成を目指すこととした。

※1 東京二十三区一部事務組合「ごみ排出原単位等実績調査報告書」平成 17 年 3 月

(28)

(2) 産業廃棄物の予測

(ア) 排出量

高度成長期に建築された建築物等が更新期を迎えることから、建築物の解体工 事等に伴う建設廃棄物の排出量が年平均5%程度増加するものと見込んだ。

建設泥土(建設汚泥)は、今後とも高速道路等の建設工事が進むことから、ほ ぼ横ばいの排出量で推移するとした。

製造業から排出される廃棄物は、景気が回復傾向にあることを踏まえて、当面 年率2%で増加すると想定した。

以上の想定から、目標年次である平成22年度における産業廃棄物の排出量は、

増加して約2540万トンになると予測した。

(イ) 再生利用量

プラスチック廃棄物は、産業用資源やエネルギーへの積極的な活用を促してい くことにより埋立処分量のゼロを目指していくとした。

建設泥土は、建設工事現場内において埋め戻し材としての有効利用を図るとと もに、公共工事で積極的に活用していくことによる再生利用が大幅に拡大してい くと想定した。

以上の想定から、大幅に増加する排出量に対して、資源化量を約910万トン

(平成15年度は679万トン)にまで拡大することを目標とし、埋立処分量の計画 目標約120万トンの達成を目指すこととした。

(29)

8 計画の推進方策

○ 都は、基本理念である「循環型社会への変革」を実現していくため、広域の地方 公共団体として強いリーダーシップを発揮し、自らも先駆的な取組を進めていか なければならない。また、施策を展開していくに当たって、以下の点を踏まえて、

関係各主体と協働して取り組んでいくべきである。

都民、NPO、産業界等と連携して、日常生活や産業活動のスタイルを見直し、

社会全体の意識を変革させていく。

・ 区市町村が推進する一般廃棄物の減量やリサイクルの推進施策や首都圏自治体

の取組と相互に協力・連携していく。

・ 都は、各主体に対して、必要な情報提供を行うほか、課題解決に向けた問題提

起を行っていく。

・ 都は、廃棄物等の発生抑制、リユース及びリサイクルを進め、適正処理を徹底 していく新たな社会的仕組みを構築していくために、関係各主体間のコーディ ネーターとしての役割を担っていく。

(30)
(31)

参 考 資 料

(32)
(33)

東京都内における経済活動がもたらす CO

排出量への影響(試算)

他道府県 東京都

東京都内の家計消費支出 が1%増加(減少)すると

他道府県の産業から 排出されるCOも 約 0.03%増加(減少)

東京都内の産業から 排出されるCOが 約 0.25%増加(減少)

(注)

東京都産業連関表(平成9 年延長表)により都内の家計 消費支出が1%増加したとき の東京都内外の各部門の生産 額の増分を求め、その増分に 伴い排出が予想されるCO の量を試算したもの(部門別 の単位生産額当たりCO 出量は一定と仮定)

右のグラフは、COの増加 量全体に占める各部門の割合 を示す。

(参考)

南齋規介、森口祐一、東野達

「産業連関表による環境負 荷 原 単 位 デ ー タ ブ ッ ク (3EID)」2002, 独立行政法人 国立環境研究所

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50%

農林水産業 鉱業 食料品 繊維製品 パルプ・紙・木製品 化学製品 石油・石炭製品 窯業・土石 鉄鋼 非鉄金属 金属製品 一般機械 電気機械 輸送機械 精密機械 その他の製造工業製品 建設 電気・ガス・水道 商業 金融・保険 不動産 運輸 通信・放送 公務 教育・研究・医療・保健 サービス

東京都内からの産業から排出 他道府県の産業から排出

東京都内における経済 活動がもたらす環境へ の負荷は、東京都内に 限らず他地域へも影響 を与える。

資源・エネルギー の流入が増大

(34)

東京都内における経済活動がもたらす 産業廃棄物排出量への影響(試算)

(注)

東京都産業連関表(平成9年延長表)により都内の家計消費支出が1%増加したときの東京都内外の各部門 の生産額の増分を求め、その増分に伴い排出が予想される産業廃棄物の量を試算したもの(部門別の単位生産 額当たり産業廃棄物排出量は一定と仮定)

グラフは、産業廃棄物排出量の全体の増加量に占める各部門の割合を示す。

動物のふん尿及び上下水道業の排出する汚泥は含んでいない。

(参考)

環境省「産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 平成 14 年度実績」(平成 17 年3月)

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30%

農林水産業 鉱業 食料品 繊維製品 パルプ・紙・木製品 化学製品 石油・石炭製品 窯業・土石 鉄鋼 非鉄金属 金属製品 一般機械 電気機械 輸送機械 精密機械 その他の製造工業製品 建設 電気・ガス・水道 商業等 運輸 通信・放送 公務 教育・研究・医療・保健 サービス

東京都内からの産業から排出 他道府県の産業から排出

都内の家計消費支出が増加(減少)した場合 産業廃棄物の排出量が増加(減少)する業種

(35)

(注) ごみ発生量は、ごみ量と資源ごみ量(資源ごみ収集量及び集団回収量)の合算

一般廃棄物 都内ごみ発生・排出量、最終処分量の推移

517 463

91 0

100 200 300 400 500 600 700

S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 万トン

ごみ発生量 ごみ量 最終処分量

(年度)

(注) 各年 10 月 1 日現在の人口

H22、H27 及び H32 の数値は、東京都総務局「東京都区市町村の人口の予測」(平成 14 年 4 月)による。

東京都の人口の推移

848 406 1177 3

1257 1270 1270 1259 1,206

1190

0 200 400 600 800 1000 1200 1400

S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H22 H27 H32 万人

島しょ 多摩 区部

(36)

(東京都調査) 産業廃棄物 種類別排出量の推移

上下水道 汚泥 1,263 建設汚泥

248 がれき類

553 その他

295

0 500 1000 1500 2000 2500 3000

H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 (年度)

産業廃棄物の業種別排出量 万トン

(平成15年度)

建設業 875万トン

37%

製造業 177万トン

8%

その他 42万トン

2%

上下水道業 1263万トン

53%

東京都計 2358 万トン

産業廃棄物 都内排出量、最終処分量の推移

最終処分量 149 減量化量

1,535 再生利用量

674 2473 2559 2504 2522

2399

2358 2350

0 500 1000 1500 2000 2500 3000

H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 (年度)

万トン

都内経済成長率の推移

4% 3.6%

5%

(37)

◆ 国としての目標を定め、各種施策を総合的に推進していくべきである。

例 日 本 一般廃棄物の減量化目標値 約5%削減(H9→H22)

オランダ 容器包装量 10%削減(1986→2001)

ド イ ツ ビール等のリユース容器の率 目標値72%

◆ 基本方針で定めた目標の達成に向けて、資源有効 利用促進法で事業者の取組を促進しているように、

省令で取り組むべき措置を定めるべきである。

例 ・リターナブル容器や詰め替え方式商品の 積極的採用

・トレイやレジ袋の削減への取組 等

◆ 発生抑制や再使用に積極的に取り組む事業者の認 証制度などを検討すべきである。

◆ 容器包装利用量の公表を行うことにより、事業者の削減努力をさらに促進すべきである。

提案2 発生抑制と再使用の政策目標を達成するために、省令で、容器包装利用事業者が 発生抑制と再使用に関して取り組むべき措置を定め、取組が著しく不十分である 事業者に対しては国が必要な助言・勧告・命令を行う制度を創設すること。また、

優れた取組を実施する事業者が社会的に評価され、消費者に広く周知、理解され る仕組みを創設すること。

資源有効利用促進法

政令指定した業種・品目について、製品の 製造段階における3R 対策、設計段階にお ける3R の配慮、分別回収のための識別表 示、製造業者による自主回収・リサイクル システムの構築など、判断基準(省令)に より事業者の取組を求め、助言・勧告・命 令により取組を促進している。

提案3 一定規模以上の容器包装利用事業者に容器包装利用量の報告を義務付け、それを 公表する制度を創設すること。

提案 1 容器包装廃棄物の発生抑制と再使用の政策目標を基本方針などで定めること。

政策目標:容器包装減量目標値設定

容器包装利用事業者

【省 令】

容器包装利用量の公表

【基本方針】

促進

発生抑制と再使用の

取 組

容器包装利用量の報告 事業者の取組を具体的に規定

・リターナブル容器、詰め替え方式商品の積極的採用

・トレイ、レジ袋の削減への取組 等

助言・勧告 等

認証制度等により優れた取組を評価

東京都容器包装リサイクル自治体連絡会

『容器包装リサイクル法の抜本的改正に向けた7つの提案 』

における発生抑制に関する提案

(平成16年11月)

(38)

八都県市容器包装ダイエット宣言

八都県市廃棄物問題検討委員会では、容器包装の発生抑制等を行う「メーカー・小売 業者」の自主的な取組を支援していくため、以下の制度を導入する。

ウェブサイト(http://www.diet-youki.jp/)に登録した特定事業者は、取組事例を紹介す るとともに、該当製品や広告などにロゴマークを使用することができ、消費者が環境負 荷の少ない商品を選択する判断材料となる。

【要件等】

1 宣言資格

・ 特定容器利用事業者、特定容器製造等事業者又は特定包装利用事業者

・ 容器包装リサイクル法に基づく再商品化義務を履行している事業者 2 宣言内容(取組事例)

・ 容器等の軽量化 ・ 容器等の簡素化

・ 詰め替え製品の増加 ・ 容器等の製造、運搬、販売又は配布等の環境への配慮等 3 申込期間

平成17年11月1日から12月25日まで

陶磁器 4.8%

プラス チック類

45.1%

ゴム・皮 革等

4.1%

可燃物 15.8%

ガラス 12.8%

金属 17.4%

平成10 年度

陶磁器 5.3%

プラス チック類

56.5%

ゴム・皮 革等

3.2%

可燃物 16.7%

ガラス 6.4%

金属 11.9%

平成16 年度

不燃ごみの組成(区部)

金属 3%

その他 4%

最終処分場搬入ごみでの組成(重量ベース)

(39)

都内の事業系プラスチック廃棄物処理フロー (平成15年度推計値)

(東京都環境局推計)

(出典)事業系プラスチック資源リサイクル研究会「事業者排出プラスチック廃棄物のリサイクルの推進につい て(素案)

リサイクル業者に係る情報の提供 分別排出に係る事務作業の軽減化 安全・安心の確保、 品質の確保

リサイクルの取組を支援する仕組

都設置・管理 埋立処分場

廃プラ受入の見直し 小口回収システム

事業者排出プラスチック廃棄物の主な流れ

排出場所

収集運搬

有効利用

需要先

中間処理施設

(中継拠点)

※集約・破砕・選別

(広域移動)

再資源化施設

※ペレット・フレーク

※固形燃料化 3R推進ルール策定・普及

※ 複数のビル・現場等 需要拡大

A B C D

ビル

集積所 テナント テナント テナント テナント テナント

建設現場

(広域移動)

直接最終処分 31千トン 中間処理(焼却)

57千トン

焼却処理 57千トン 廃プラ(産廃)

排出量 496千トン

資源化

44千トン 有価売却

4千トン

中間処理(破砕等)

404千トン

処理後再生利用 40千トン

処理後最終処分 364千トン

埋立処分 395千トン

(うち中防埋立処分)

291千トン

80%

9%

11%

※ モデル的な事業の実施

(40)

建設泥土(建設汚泥)とは

建設工事に係る掘削工事に伴って排出されるもののうち、含水率が高く、粒子が微 細な泥状の土であり、廃棄物処理法の汚泥に該当する。

※ 泥状とは、ダンプトラックに山積みができず、その上を人が歩けない状態をいう。

再利用 26%

減量化 43%

最終処分 31%

再利用 76%

減量化 1%

最終処分 24%

0% 50% 100%

建設泥土 461万トン がれき類 453万トン

(平成10年度)

再利用 18%

減量化 52%

最終処分 30%

再利用 96%

減量化 3%

最終処分 0%

0% 50% 100%

建設泥土 248万トン がれき類 553万トン

(平成15年度)

都内産業廃棄物(がれき類、建設泥土)の処理状況 産業廃棄物の種類別排出量

(上下水道業除く。)

(平成15年度)

その他 汚泥 94万トン

9%

その他 201万トン

18%

建設泥土 248万トン

23%

がれき類 553万トン

50%

東京都計 1095万トン

産業廃棄物の種類別最終処分量

(上下水道業除く。)

(平成15年度)

その他 52万トン

35%

その他汚泥 5万トン

3%

建設混合廃 棄物 14万トン

9%

がれき類 3万トン

2%

建設泥土 74万トン

51%

東京都内 排出計 146万トン

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