• 検索結果がありません。

東 東 京 京 都 都 廃 廃 棄 棄 物 物 審 審 議 議 会 会

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "東 東 京 京 都 都 廃 廃 棄 棄 物 物 審 審 議 議 会 会"

Copied!
91
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

 

                 

   

 

         

                           

 

       

資料3 

(2)

     

(3)

目   次   

計画策定の趣旨       p1   

 

序  章  東京の産業廃棄物をめぐる4つの緊急課題         p3   

 

第1章  計画の基本的考え方       p11   

 

第2章  計画目標      p17   

 

第3章  14の重点施策       p25   

 

第4章  計画の円滑な推進のために      p43   

 

  附章1  東京の産業廃棄物の現状      p附‑1   

  附章2  東京の産業廃棄物の将来予測      p附‑17   

  附章3  第5次産業廃棄物処理計画について       p附‑25    附章4  都庁内における取組      p附‑35 

(4)

 

(5)

計 画 策 定 の 趣 旨

 

1  計画策定の背景 

 

深刻化する産業廃棄物処理 

近年、産業廃棄物の不法投棄や焼却施設のダイオキシン類排出問題などから、産業 廃棄物処理に対する住民の不安感・不信感が高まり、新たな処理施設の整備に理解を 得ることはますます困難になってきている。このため、全国的に最終処分場の残余年 数が急減し、あと1.6年にまでひっ迫している。 

また、平成11年には大量の廃棄物が古紙の名目でフィリピンに不正輸出される事 件が発生し、大きな社会問題となった。 

都内からは年間2,400万トンを超える大量の産業廃棄物が排出されているが、処 理施設の不足から、最終処分量の約8割は他県に依存している状況にある。また、高 度成長期に整備された建築物や都市基盤施設の多くが更新期を迎えており、今後都内 から大量の建設廃棄物が排出されると見込まれている。 

 

廃棄物リサイクル関連法体系の整備 

廃棄物を取り巻く状況が深刻化する中で、国は平成12年度を「循環型社会元年」

と位置づけ、「循環型社会形成推進基本法」や「建設工事に係る資材の再資源化等に関 する法律」(以下、「建設リサイクル法」と言う。)の制定、「廃棄物の処理及び清掃に 関する法律」(以下、「廃棄物処理法」と言う。)や「再生資源の利用の促進に関する法 律」の改正など、循環型社会の構築に関する基本的枠組と廃棄物・リサイクル関連法 体系の整備を図った。これにより、拡大生産者責任が打ち出され、また、廃棄物の発 生抑制からリサイクルの推進、適正処理の徹底が図られ、事業者責任も強化された。 

 

新しい世紀における処理計画の策定 

循環型社会を構築していくために、今後の産業廃棄物対策は、これまでの適正処理 の確保に加え、発生抑制、リサイクルを積極的に推進し、最終処分量を限りなくゼロ に近づけることが強く求められている。都民・事業者・行政は、産業廃棄物処理に対 する共通認識のもとに、それぞれの役割分担を明確化するとともに、相互に連携して これに取り組まなければならない。 

(6)

2  計画の性格 

 

(1)  都の環境行政の一翼を担う産業廃棄物行政の基本的指針である。 

(2)  排出事業者・処理業者が、産業廃棄物の発生抑制、リサイクル及び適正処理を 推進していくための指針である。 

(3)  都民に、産業廃棄物の発生抑制、リサイクル及び適正処理についての関心を喚 起し、産業廃棄物に対する認識と理解を求めるための指針である。 

   

3  計画の対象期間 

 

計画の対象期間は平成13年度から平成17年度までの5年間とし、中間年である 平成15年度には本計画の見直しを行うこととする。 

また、今後、社会経済情勢の変化、リサイクル技術の開発や新たな環境規制等によ り、産業廃棄物の発生量や処理・処分状況が変化することが予想される。このため、

毎年度、産業廃棄物の発生抑制、リサイクル、適正処理の状況を調査するとともに、

施策の進行状況や効果等を評価し、必要な場合には本計画を随時見直していく。 

   

4  廃棄物処理計画と本計画との関係 

 

廃棄物処理法では、これまでは、都道府県は当該都道府県の区域内の産業廃棄物処 理に関する計画を定めることとされていたが、今回の法改正により、平成13年4月 からは、都道府県は国の基本方針に即して、また、環境省令に定める基準に従って、

当該都道府県の区域内における一般廃棄物と産業廃棄物を併せた廃棄物処理計画を定 めることとなった。 

このため、本計画は、改正法に基づく「東京都廃棄物処理計画」の産業廃棄物処理 計画編として取りまとめている。「東京都廃棄物処理計画」については、現在検討中で あるが、この策定の際は、産業廃棄物処理計画に関する部分については、本計画の内 容を改めて盛り込んでいくこととする。 

 

(7)

           

序  章    

   

東京の産業廃棄物をめぐる4つの緊急課題   

     

・建設廃棄物をはじめとする産業廃棄物の大量発生

・不足する産業廃棄物の中間処理施設・最終処分場

・後を絶たない不適正処理

・特別管理産業廃棄物に係るリスクの拡大  

(8)
(9)

1  建設廃棄物をはじめとする産業廃棄物の大量発生 

 

都内からは毎年多量の産業廃棄物が排出される。平成10年度は、全国の約6%に あたる2,473万トン、都民1人1日あたり6キログラム近くの産業廃棄物が排出さ れた。この65%は脱水や焼却などの中間処理により減量化され、21%が再生利用 されたが、残りの14%は最終処分された。また、排出量の約4割、最終処分量の約 9割が、建設汚泥、コンクリートがらなどの建設廃棄物である。 

また、昭和40年代の高度成長期に整備された建築物や都市基盤施設の多くが更新 期を迎えつつあり、近い将来、コンクリートなど建設廃棄物の排出が大幅に増加する と予測されている。現在、コンクリートがらは、主に再生砕石として路盤材等に利用 するという方法でリサイクルされているが、量が増加した場合には、再生砕石の供給 が需要を大幅に上回り、リサイクルが行き詰まることも懸念される。 

このようなことから、まず、産業廃棄物、特に建設廃棄物の発生そのものの抑制を 図ることが重要である。さらに、発生した産業廃棄物については、リサイクルを進め て最終処分量を限りなくゼロに近づけることが必要である。 

事業者には、製品や建築物等の長寿命化への配慮、建設工事における発生抑制工法 の採用、建築物等の分別解体・再資源化、再生品の積極活用、新たなリサイクル技術 の開発など様々な取組を進めることが求められる。都民にも、産業廃棄物を身近な自 分の問題としてとらえ、建築物等の所有者・建築工事の発注者としての責任を果たす ことが求められる。 

 

   表  都内の廃棄物排出量(平成10年度) 

  産 業 廃 棄 物   一 般 廃 棄 物  

都 内 年 間 総 排 出 量       2 ,4 7 3 万 ト ン           5 3 1 万 ト ン   都 民 1 人 1 日 あ た り の 排 出 量       5 ,8 2 0 グ ラ ム       1 ,2 5 0 グ ラ ム    

(10)

 

  生活由来の産業廃棄物 

  都 内 か ら 排 出 さ れ る 産 業 廃 棄 物 は 年 間 2,4 7 3 万 ト ン ( 都 民 1 人 1 日 あ た り 5,8 2 0 グ ラ ム ) で あ る が 、 そ の 3 4 % 、 約 8 4 0 万 ト ン は 、 生 活 排 水 の 処 理 に 伴 っ て 発 生 し た 下 水 汚泥(690万トン)や、一般住宅の 建築・解体に伴って発生したがれき類

( 1 5 0 万 ト ン ) な ど 、 都 民 生 活 に 直 接 的 に 由 来 す る も の と 推 測 さ れ る 。   こ の 他 に も 、 道 路 や 地 下 鉄 、 公 共 施 設 な ど の 建 設 工 事 か ら 発 生 す る 建 設 廃 棄 物 、 医 療 機 関 で 診 察 を 受 け る こ と に 伴 い 発 生 す る 医 療 廃 棄 物 な ど 都 民 生 活 と 関 連 の 深 い 産 業 廃 棄 物 が 多 く 発 生 し て い る 。

うち 下水汚泥 

(生活排水分) 

約690万トン  うち がれき類等 

(一般住宅分) 

約150万トン 

生活由来の産業廃棄物

(平成10年度推計)

上下水汚泥  (50%) 

がれき類等  (18%)  建設汚泥  (19%) 

その他汚泥  (7%) 

その他  (6%) 

全排出量  2,473万トン

うち がれき類等 

(一般住宅分) 

約150万トン 

(11)

図 最終処分場の残余容量と残余年数(全国)

15,000 20,000 25,000 万m3

3.0 4.0 5.0

2  不足する産業廃棄物の中間処理施設・最終処分場 

 

近年、産業廃棄物の不法投棄や焼却施設のダイオキシン類排出問題などから、産業 廃棄物処理に対す住民の不安感・不信感が高まっている。このようなことから、廃棄 物処理法の度重なる改正が行われ、都も規制指導を強化してきたが、未だに、新たな 処理施設の整備に周辺住民の理解を得ることが困難な状況が続いている。また、焼却 施設については、平成14年12月から適用される新たな構造・維持管理基準やダイ オキシン類濃度基準に適合するように改善を指導していく必要があるが、基準を満た せない施設の休廃止も予想される。 

このため、すでに残余年数があと1.6年(全国)となっている最終処分場のひっ迫 の度合は、一段と深刻となるものと考えられる。 

都内には、平成12年度末現在、焼却や破砕などの中間処理の許可施設が257カ 所あるが、過半数が工事現場に工期中だけ設置される汚泥の脱水施設である。市街化 が進み、処理施設建設の適地が少なくなったことや地価の高騰などから、新たに中間 処理業を行う施設の整備は進んでいない。 

また、最終処分についても約8割を他県に依存しており、都内における産業廃棄物 の処理体制は十分ではない。 

産業廃棄物は県域を越え広域的に処理されているが、全国的に最終処分場の残余年 数がひっ迫していること、不適正処理により環境への負荷が顕在化していることなど により、他の地域から流入する産業廃棄物に対して事前協議制を導入する県が多くな っている。産業廃棄物処理の多くを他県に依存している都にとっては、他県への負担 を軽減する上からも、また広域処理を維持する上からも、発生抑制、リサイクルを推 進し、最終処分量を可能な限り削減するとともに、都内における処理・処分率の向上 を図っていく必要がある。 

都内に処理施設を整備することは、中小の民間事業者にはリスクが大きいため、民 間の力のみでは施設設置がなかなか進まない。民間施設整備を促進させるための環境 づくりや、都の積極的な調整によるモデル的施設の整備を進めていくことが必要であ る。 

           

(12)

3  後を絶たない不適正処理 

 

平成11年度の全国の不法投棄件数は1,049件、投棄量は約43.3万トンであ り、投棄量は概ね横ばいであるが、その件数は増加傾向にある。都内では不法投棄が 確認されることは少ないが、都内から発生した産業廃棄物の多くが他県に搬出され処 理されており、中には不法投棄や野外焼却など、不適正に処理される例が見られる。 

平成12年2月に警視庁、東京消防庁、市町村、都で構成する連絡協議会で実施し た多摩地域の合同パトロールでは、立入を行った145件のうち、82件で野外焼却 が行われていた。 

不適正処理に対応するためには、行政もより広域的な連携を図り、予防はもちろん だが事後の迅速な処理も含め、実践的な取組を進めることが必要である。都内から排 出された産業廃棄物が不適正処理されることがないよう、他県や関係機関と連携した 広域的取組を強化していくことが求められている。 

廃棄物処理法の改正により、平成13年4月から排出者の原状回復責任や野外焼却 の原則禁止など規制が強化されたが、法の趣旨の実現を図るためには、改正法の周知 とともに、これに対応した指導体制を整備・強化していくことが重要である。 

   表  全国の不法投棄の件数及び量の推移 

  5年度  6年度  7年度  8年度  9年度  10 年度  11 年度  投棄件数(件)     274     353     679     719     855    1,197    1,049  投棄量(万トン)   34.2    38.2    44.4    21.9    40.8     42.4     43.3 

    注   都 道 府 県 及 び 保 健 所 設 置 市 が 把 握 し た 不 法 投 棄 の う ち 、 1 件 当 た り の 投 棄 量 が 1 0 ト ン 以 上        ( 特 別 管 理 産 業 廃 棄 物 を 含 む 事 案 は 1 0 ト ン 未 満 を 含 む す べ て ) の 事 案 を 集 計 対 象 と し て い る 。  

   

4  特別管理産業廃棄物に係るリスクの拡大 

 

(1)PCB廃棄物による環境汚染のリスク拡大 

PCBは、昭和43年のカネミ油症事件を機に、昭和49年に製造・使用が原則と して禁止された。以後PCB廃棄物は事業者が自らの責任で保管することとなったが、

その後、処理施設の整備は進まず、保管が長期間にわたっている。 

国はPCB廃棄物の保管状況について、平成4年度に引き続き、平成10年度にも 調査を実施した。調査結果によると、これまで使用されていたPCB使用機器が使用 から保管に切り替わることに伴って保管量が増加したことから、都内の高圧トランス・

コンデンサの保管は、平成4年度調査と比較して事業所数で約5倍、個数で約4倍に 増加している。このうち、都庁が保管している量は都内の約18%を占めている。 

(13)

また、平成4年の保管量の約2.9%が不明紛失となっている。長期保管に伴う管 理の不徹底や事業所の閉鎖に伴う不明紛失といった問題とともに、使用中の機器が廃 棄物に該当しないことから、管理が徹底されず使用から保管に切り替わる際にそのま ま紛失されるなどの事態も懸念されている。 

平成10年から高温焼却に加えて新たに化学処理が認められ、多量保管者の中には 自社で保管するPCB廃棄物の化学処理を開始したところもある。PCB処理につい ては住民の不安感や不信感、用地確保の困難、高い処理コストなど多くの課題を抱え ているが、保管事業者の負担を軽減し、PCBの環境への流出の防止を図るために、

リスクコミュニケーションを推進しつつ、処理施設の整備を促進し、早急な処理を図 っていくことが必要である。 

   

   表  都内におけるPCB使用機器(高圧トランス・コンデンサ)の保管・使用状況  10年度使用中 

  4年度 

保管中 

不  明  紛  失 

新たに  保  管 

10年度  未 報 告 

10年度 

保 管 中  確 認 済  未 確 認  事業所数 

  (所)    1,051     53    4,605     251     5,523     2,197     4,733  機器個数 

  (個)    3,747    107   11,879     373    15,288     4,120     6,511   

 

(2)感染性廃棄物、その他の特別管理産業廃棄物の不適正な管理・処理 

平成11年末、大量の廃棄物が古紙の名目でフィリピンへ不正輸出され、その中に 医療廃棄物が含まれていた事件があり、大きな社会問題になった。都はこの事件を機 に、医療廃棄物の適正処理を徹底するため、改めて多量排出者である都内の病床数 500床以上の病院に立入検査を実施した。 

立入検査の結果では、約9割の医療機関で感染性廃棄物と非感染性廃棄物が正しく 分別されていた。しかし、約8割の医療機関では処理業者との契約自体が未締結であ ったり、委託契約書に契約期間・契約料金等が明記されていない等、法の委託基準に 反した不備があった。また、料金の支払い先については、収集運搬業者と処分業者と に個々に処理料金を支払っている医療機関は2割以下であった。 

(14)

そ の 他 ガ ラ ス 及 び (9%)

陶 磁 器 く ず (7%)

廃 プ ラ ス チ ッ ク 類 (7%)

廃 ア ル カ リ (9%)

廃酸 (13%)

特別管理 産 業 廃 棄 物

( 感 染 性 廃 棄 物 ) 25 (55%)

 

   表  医療業からの産業廃棄物の種類別排出量(平成10年度) 

   排  出  量  廃棄物の種類 

   千トン    % 

    特別管理産業廃棄物(感染性廃棄物)       25     55 

  廃 酸      6     13 

  廃アルカリ      4      9 

  廃プラスチック類      3      7 

  ガラス及び陶磁器くず      3      7 

  その他      4      9 

  合  計     45     100 

   

図  医療業からの産業廃棄物の種類別排出量(平成10年度、単位:千トン) 

                                 

総排出量  45千トン 

(15)

           

第1章   

   

計画の基本的考え方 

 

(16)
(17)

1  産業廃棄物行政の基本方針 

   

  まず廃棄物等の発生を抑制するとともに、その循環的な利用を図り、生じ た廃棄物については適正な処理を確保することにより、天然資源の消費を抑 制し、環境への負荷の低減を図り、「安全で安心して暮らせる環境都市東京 の実現」に寄与することを基本とする。

   

現在の経済社会は大量生産、大量消費、大量廃棄を前提としているが、天然資源や 環境は限られており、このような経済社会の構造は、将来にわたり安全で質の高い生 活環境を維持し健全な経済、産業活動を営む上で大きな制約となる。21世紀を迎え、

経済活動のあらゆる面で環境と資源への配慮が強く求められている。 

産業廃棄物についても、量の増大、質の多様化、最終処分場のひっ迫などにより、

問題が深刻化している。産業廃棄物の問題を解決して、安全で安心して暮らせる環境 を次世代に引き継ぐことは、私たちの世代の責務である。 

 

環境に十分配慮し、都民の健康と生活を守り東京の活力を維持させていくためには、

今後は貴重な天然資源の消費を抑制し、環境への負荷の低減を図る経済社会へと大き く転換していくことが必要である。産業廃棄物対策においても、廃棄物を安全適正に 処理するだけでなく、環境に配慮した新しい社会の構築を目指して廃棄物の発生抑制、

リサイクル、そして適正処理に至るまでの施策を積極的に展開していかなければなら ない。このため、生産から流通、消費、廃棄に至る各段階で、まず、省資源化や長寿 命化によって廃棄物等の発生抑制に取り組み、次にリサイクルを進め、資源とエネル ギーの有効利用を図るとともに、最終的に生じる廃棄物についても適正処理を徹底し、

安全で安心して暮らせる生活環境を形成していく必要がある。 

 

「循環型社会形成推進基本法」により、拡大生産者責任が明記され、また、発生抑 制を第一とする処理の優先順位が示されるなど、循環型社会構築の基本的枠組が整備 された。また、廃棄物処理法の改正により、排出者の最終処分までの確認など産業廃 棄物の事業者処理責任が強化されるとともに、産業廃棄物処理施設整備の促進などに

(18)

2  施策展開の基本的な方向 

 

「安全で安心して暮らせる環境都市東京の実現」に寄与するため、次の基本的な方 向のもとに産業廃棄物施策を展開する。 

   

(1)  発生抑制・リサイクル・適正処理の推進  

廃棄物の発生抑制・リサイクルの仕組みづくり 

廃棄物対策は、これまでは適正処理を中心に進められてきた。しかしながら、増大 する廃棄物に対応して処理施設を整備拡充することには用地難などから自ずと限界が ある。また、リサイクルに際してもエネルギーの消費などの環境負荷を伴う。安全で 安心して暮らせる環境都市東京を実現していくためには、生産者は生産段階から製品 や建築物などの長寿命化を図る、都民は修理による長期使用を図るなど、産業構造や ライフスタイルの変革を進め、廃棄物の発生そのものを抑制していくことが最も重要 である。 

このため、都は、廃棄物の発生抑制・適正なリサイクルの仕組みづくりに積極的に 取り組み、環境への負荷の軽減と天然資源の消費抑制に努めていく。 

 

廃棄物を安全・適正に処理して環境への負荷を低減 

廃棄物は、発生抑制やリサイクルの徹底を図っても、なおこれをゼロにすることは 難しい。残った産業廃棄物は、その化学的・物理的性状に応じて、環境への負荷がも っとも少ない方法で安全かつ適正に処理しなければならない。 

特に、爆発性や毒性、感染性を有する特別管理産業廃棄物は、不適正処理により人 の健康や生活環境に大きな影響を与えるため、その排出から運搬、処理・処分に至る まで、より厳しい基準が定められている。 

また、不法投棄などにより環境が一度汚染されると、香川県豊島の不法投棄の例で も分かるとおり、元に戻すには多大の経費と時間が必要となる。 

産業廃棄物の処理は、事業者処理責任の原則のもとに広域的に行われており、都内 から排出される産業廃棄物の最終処分も約8割が他県で行われている。都は発生抑制 やリサイクルを図るとともに、排出された産業廃棄物が他県で不適正に処理されるこ とがないよう、取組を徹底する。また、都が積極的に調整をはかることにより処理施 設の整備を推進し、都内処理率を向上させ、近隣自治体の理解と協力のもとに産業廃 棄物の広域処理体制の維持に努める。 

 

(19)

 

(2)  都民・事業者・行政の役割分担を明確化し、連携を強化  

 

拡大生産者責任と排出者責任の徹底 

廃棄物の発生を抑制していくためには、生産者に使用済み製品の処理やリサイクル の責任を負わせ、そのことによってリサイクルしやすい製品づくり、廃棄物の少ない 製品づくりなどを促進していく必要がある。このような拡大生産者責任の考え方は、

循環型社会形成推進基本法にも盛り込まれたところであり、一般廃棄物のみならず産 業廃棄物の発生抑制のためにも重要である。都は、その徹底や拡大を国に働きかける とともに、事業者による自己回収システムについて、都独自の仕組みづくりを進めて いく。 

また、廃棄物処理法の改正により産業廃棄物の排出者責任の強化が図られたところ であり、法の規定に基づいて不法投棄の原状回復を求めるなど、排出者責任の徹底を 図っていく。 

 

都民・事業者・行政の役割分担の明確化 

産業廃棄物は、都民が日常使用する製品の製造、医療や住宅の解体など、都民生活 に密着した事業活動からも多量に排出されている。これらの利便を享受する都民も産 業廃棄物に係る責任の一端を担うことが必要で、それには行政が産業廃棄物問題を都 民自らの問題として考えるための情報を提供し、積極的に都民の意見を産業廃棄物対 策に反映させる都民参加の仕組みづくりが必要である。 

産業廃棄物の発生工程や性状を熟知している事業者は、事業者処理責任に基づき法 令等の規制を遵守するだけでなく、環境への負荷の低減を目指し、自主的に発生抑制 やリサイクル、適正処理に取り組むことが重要である。また、業界団体の自発的取組 として、業界が取組方針を明確に掲げ、発生抑制やリサイクル、適正処理の自主基準 を策定するなどして、各事業者を指導していくことも有効である。 

都は、事業者の適正処理等を指導監督する立場にあるとともに、自らも建設工事の 発注者、産業廃棄物の排出事業者であり、発生抑制やリサイクルなど、民間の模範と なるような取組を全庁的に進める。 

産業廃棄物の適正処理なくして生産や流通を始めとした経済活動は成り立たない。

産業廃棄物の問題を解決するためには、都民・事業者・行政の三者が共通の認識をも

(20)

3  計画目標の設定 

 

この計画では、以上のような基本的考え方のもと、序章で述べた産業廃棄物をめぐ る4つの緊急課題を解決すべく、平成17年度までに達成すべき5つの計画目標を設 定し、それを実現するための14の重点施策を示す。 

 

(21)

           

第2章   

   

計  画  目  標 

 

(22)
(23)

 

計画目標1  発生抑制・リサイクルを推進し、最終処分量を平成10年度対比で       60%削減する。

   

都内では、毎年2,400万トン以上の多量の産業廃棄物が排出され、その14%が 最終処分されている。最終処分場の残余容量はひっ迫しており、環境への負荷軽減と 資源の有効活用を図るためにも、最終処分量を限りなくゼロに近づける必要がある。

このため、廃棄物の発生そのものを抑制し、発生した廃棄物については、適正なリサ イクルを進めていくことが重要である。 

特に、建設廃棄物については排出量の約4割、最終処分量の約9割を占め、また、

建築物や都市基盤施設が更新期を迎え、今後多量の廃棄物の発生が見込まれることか ら、都はその発生抑制・リサイクルの促進に取り組む。 

   

   図  最終処分量の削減目標   

                           

        実績及び将来予測         最終処分量削減目標

344 347 351 357

1,605 1,638

1,663

524 530 535 544 524 766

344

136 1,605

1,665 1,621

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000

H10年度実績 H12年度予測 H14年度予測 H17年度予測 H10年度実績 H17年度目標値 万トン

再生利用量 減量化量 最終処分量

60%減

2,473 2,497 2,524 2,565 2,473 2,565

H10年度最終処分量 344万トンを、H17年 度には60%削減して 136万トンとする。

(24)

    表  平成17年度目標値 

平成17年度目標 

  平成10年度 

実   績   値    (万トン) 

目 標 値 

(万トン)  増 減 率   最終処分量      344      136    60% 減  再生利用量      524      766    46% 増  減 量 化 量    1,605    1,663     4% 増 

   ( 注 )   平 成 1 0 年 度 実 績 値 に 対 す る 、 平 成 1 7 年 度 目 標 値 の 増 減 率  

   

   表  廃棄物の種類別の減量・資源化目標値 

  平成10年度 

実   績   値    (万トン) 

平成17年度  目   標   値    (万トン) 

最終処分量       304       111  再生利用量       485       721  建設廃棄物 

減 量 化 量       217       224  最終処分量        22         6  再生利用量         7         3  下水汚泥 

減 量 化 量      1,178      1,240   

   

計画目標2  環境への負荷が少なく、信頼性の高い中間処理・最終処分を推進し、

都内処理率の向上を図る。排ガス中のダイオキシン類は、平成14 年末までに平成9年対比で90%削減する。

   

産業廃棄物の問題は首都圏全体の課題であることから、七都県市の広域的な役割分 担と相互の連携のもとに、先進的なリサイクル施設・廃棄物処理施設の整備を推進し、

新たな環境産業の創生を図る。 

都内から排出される産業廃棄物の最終処分は、その約8割を他県に依存しており、

他県の負担を軽減する上からも、また広域処理を維持していく上からも、都内処理率

(25)

の向上を図ることが重要である。 

医療系廃棄物とPCB廃棄物については、全量を都内で処理することを目指す。 

なお、民間事業者のみによる施設整備が難しい場合や緊急対応が必要な場合などに は、積極的に都が調整を図っていく。 

また、発生抑制、リサイクルを推進し、最終処分量を可能な限り削減していくとと もに、都の埋立処分場での産業廃棄物の受入れや、清掃工場での木くずの焼却につい て、関係機関等との協議を進める。 

 

   表  焼却施設におけるダイオキシン類削減目標値 

  平 成 9 年 推 計 値  平成14年末目標値 

ダイオキシン類排出量  8.0gTEQ  0.8gTEQ  平 成 1 4 年 末 削 減 率         90% 削減 

   ( 注 )   平 成 9 年 推 計 値 は 、 都 内 の 平 成 1 0 年 の ダ イ オ キ シ ン 類 総 排 出 量 ( 実 測 濃 度 × 年 間 焼 却 量         等 × 排 ガ ス 係 数 ) に 、 国 の 削 減 率 を 乗 じ て 推 計  

   

   表  産業廃棄物の都内処理・処分率(平成10年度実績) 

  処理・処分量 

(万トン) 

都内処理・処分量 

(万トン) 

都内処理・処分率 

( % )  中間処理       2,449 

   (1,214) 

   1 857     (622) 

    76     (51) 

最終処分      344     (321) 

     86      (63) 

    25     (20) 

   ( 注 1 )   か っ こ 内 は 上 下 水 汚 泥 を 除 い た 値 で あ る 。  

   ( 注 2 )   最 終 処 分 量 に は 、 中 間 処 理 後 の 残 さ 物 の 処 分 量 も 含 ま れ る 。 こ の た め 中 間 処 理 量 と 最 終          処 分 量 の 合 計 は 、 都 内 排 出 量 と 等 し く な ら な い 。  

 

(26)

 

計画目標3  不法投棄などの不適正処理を撲滅する。

   

都内から排出される産業廃棄物の多くが都外で処理されていることから、他県で不 法投棄される産業廃棄物の中には都内のものが含まれている例もみられる。また、野 外焼却などの不適正処理は都内においても多く、規制の強化が図られたにもかかわら ず減少していない。 

より安全で環境に配慮した処理を進めていくために、都は近隣自治体との連携を強 めながら、不法投棄や野外焼却などの不適正処理の防止に取り組んでいく。 

   

計画目標4  特別管理産業廃棄物の適正管理及び適正処理の体制を整備する 。 特にPCB廃棄物については、10年以内に無害化処理を完了させ る。

   

爆発性、毒性、感染性を有する特別管理産業廃棄物は、不適正に処理されると、人 の健康や生活環境に大きな影響を及ぼすため、適正な処理を徹底することが重要であ る。 

PCB廃棄物はこれまで処理施設の整備が進まず、保管が長期間にわたっており、

管理の不徹底、事務所の閉鎖などによる紛失等から環境リスクの拡大が懸念されてい る。このためPCB廃棄物について、都は適正処理体制の整備やリスクコミュニケー ションの推進、適正保管の徹底に取り組む。 

また、感染性廃棄物などについて、排出事業者や処理業者がより一層の適正管理及 び処理を行うよう、資格制度などの新たな仕組みづくりを進める。 

   

10年以内に全てのPCB廃棄物の無害化処理を完了

都内のPCB廃棄物量  約1万800トン

  高圧トランス・コンデンサー内の絶縁油   約770トン   廃感圧複写紙等      約5トン   照明用安定器に含まれる絶縁油        約30トン   柱上トランス内の絶縁油         約10,000トン  

 

PCB廃棄物の処理目標

(27)

 

計画目標5  都民・事業者・行政の役割分担を明確化し、それぞれの取組と相互 の連携を強化する。

 

産業廃棄物は、都民が日常使用する製品の製造、医療や住宅の解体など、都民生活 に密着した事業活動からも多量に排出されている。これらの利便を享受する都民も産 業廃棄物にかかる責任の一端を担うことが必要である。 

排出事業者には、産業廃棄物の発生抑制やリサイクル、適正処理の責任が自らにあ ることを認識し、環境保全への配慮と廃棄物問題の解決の主体として積極的に取り組 むことが求められている。また、産業廃棄物処理業者は、廃棄物処理を行う専門事業 者として高いモラルと技術力とを培い、リサイクルや適正処理を通じて環境を保全す る重要な責務を負っている。 

このため、都民、事業者、行政の三者がそれぞれの役割を認識し、相互の連携を図 っていくことを、計画を推進する上での基本に置く。 

都は、関係者に都の施策への積極的な協力を求めるとともに、都民の参画の仕組み、

事業者の自主的取組を促進するための仕組みづくりに取り組んでいく。 

 

(28)
(29)

           

第3章   

   

14の重点施策 

 

(30)
(31)

前章で掲げた目標を達成するため、平成13年度から17年度までの計画期間に、

以下の14の重点施策を中心に施策を展開していく。 

 

    平成17年度までの目標           14の重点施策  

                                                                       

1  発生抑制・リサイクルを推進し、 

  最終処分量を平成10年度対比で    60%削減する。        

2  環境への負荷が少なく、信頼性の高 い中間処理・最終処分を推進し、都 内処理率の向上を図る。排ガス中の ダイオキシン類は、平成14年末ま でに平成9年対比で90%削減する。

3  不法投棄などの不適正処理を撲滅    する。 

4  特別管理産業廃棄物の適正管理及び    適正処理の体制を整備する。特に    PCB廃棄物については、10年    以内に無害化処理を完了させる。 

(2)  建設廃棄物等のリサイクル     促進 

(3)  公共事業に係る産業廃棄物の 最終処分量の削減 

(4)  産業廃棄物処理施設整備 の    促進 

(5)  都・区市町村の処理施設への 受入れ検討 

(7)  他自治体との連携による不適 正処理の防止 

(8)  規制監視体制の強化  (9)  優良処理業者の育成・支援 

(11)  PCB廃棄物の処理体制 の      確立          (12)  感染性廃棄物等の適正管理・

適正処理の推進 

(6)  民間処理施設への支援・指導  (1)  建築物の長寿命化促進 

(10)  建設工事の発注者責任の明確 化の検討 

(32)

  重点施策1  建築物の長寿命化促進   

 

建設廃棄物の発生抑制を進めるためには、既存の建築物や土木工作物を適切に維持 管理し、リフォームを行っていくことで、できる限り長く大切に使っていくことが必 要である。また、新たな建築物を建設する際にも、長寿命化対策を図る必要がある。

そのため、次のような施策を展開していく。 

 

  建築物の環境配慮の促進   

「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」に基づき、床面積1万平方メー トルを超える建築物の新築または増築を行う者は、都知事への建築物環境計画書の提 出を義務づけられている。その概要を公表することにより、省エネルギー設計、再生 資材などの採用、長寿命化対策を促進する。 

  中古住宅流通市場の活性化   

中古住宅の家歴書のフォーマットを作成し、ガイドブックを通じて普及させる。ま た、家歴書に基づく住宅の評価や価格の算定方法の検討等、客観的評価を確立するこ とにより、中古住宅流通市場を活性化させる。 

  都営住宅のスーパーリフォーム事業   

都営住宅の老朽化に対応し、居住環境の向上やバリアフリー化を進めるため、躯体 はそのままに住宅内部を抜本的に改善して新築並に機能を向上するスーパーリフォー ム事業を実施する。 

   

年度  13  14  15  16  17 

建築物の環境配慮の促進 

●配慮指針の作成 

●環境計画書提出の義務 づけ 

   

     

6月施行 

     

中古流通市場の活性化 

●ガイドブックの作成 

●評価システムの検討 

  作成・普及 

   

 

   検討   

     

 

   普及 

都 営 住 宅 の ス ー パ ー リ フォーム事業 

●都営住宅等ストック総合 活用計画の策定 

   

   策定   

     

     

効率的にスーパーリフォーム事業を実施 

(33)

  重点施策2  建設廃棄物等のリサイクル促進   

 

昭和40年代に整備された建築物等の多くが更新期を迎え、近い将来、建設廃棄物 の排出が大幅に増加すると予測される。建設廃棄物をはじめとする産業廃棄物のリサ イクルを促進するため、次のような施策を展開していく。なお、公共事業に係る産業 廃棄物のリサイクルの推進については、重点施策3として展開していく。 

 

  建設リサイクル法に基づく指導・助言等   

建設リサイクル法の規定に基づいて、建築物等の分別解体と建設廃棄物の再資源化 に関する指針を定め、建設工事の発注者や工事を請け負った建設業者に対する指導・

助言を行う。 

  廃棄物処理法及び廃棄物条例に基づく減量計画書の提出   

廃棄物処理法及び廃棄物条例に基づいて、建設業者など多量の産業廃棄物を排出す る事業者から、産業廃棄物の減量及び処理に関する計画書の提出を求め、これを公表 していく。 

  エコトライ協定(産業廃棄物適正処理・資源化推進協定)の締結   

平成10年度から、建設業者や産業廃棄物処分業者と自主的に資源化の目標値を設 定し、その達成を目指すエコトライ協定を締結しているが、今後、対象を産業廃棄物 収集運搬業者など他の事業者にも拡大し、廃棄物発生量・排出量の抑制目標の設定や 再生資材の積極的利用などの自主的取組を促進していく。 

  新たなリサイクル技術の調査研究   

環境科学研究所などで発生抑制技術、資源化技術に関する調査研究を行うとともに、

その適用可能性、環境負荷などの評価を行う。 

特に、今後は都市更新に伴い大量の建設廃棄物の発生が予測される。このため、現 在破砕・粒度調整により再生砕石として再利用されているコンクリートがらについて は、これに加えて、セメントペーストと砂・砂利など、素材にまでもどす技術が必要 となってくることから、そのような技術についての調査研究を進めていく。 

   

年度  13  14  15  16  17 

建設リサイクル法に基づく

指導・助言  指針作成   

 

指導・助言      廃棄物処理法及び廃棄物

条例に基づく減量計画書の 提出 

         

(34)

  重点施策3  公共事業に係る産業廃棄物の最終処分量の削減   

 

都自らも、下水汚泥などの産業廃棄物の大量排出事業者である。また、都などが発 注する公共工事からも大量の建設廃棄物が発生している。これらの廃棄物の最終処分 量の削減を図るため、都発注工事において再生資材を積極的に活用するとともに、次 のような施策を展開していく。 

 

  都関連工事における建設副産物対策の推進   

都は、これまでも、平成9年度に再生品利用ガイドライン建設資材編、平成10年 度に建設リサイクル推進行動計画、平成11年度に建設リサイクルガイドライン、さ らに平成12年度には建設泥土リサイクル指針を策定するなど、都関連工事から発生 する建設副産物について、積極的にリサイクル等を進めてきた。今後、建設リサイク ル推進行動計画を改定するなど、関係各局が連携して、計画的にリサイクルや再生資 材の利用を推進していく。 

  下水汚泥の全量焼却と焼却灰の再利用推進   

下水処理に伴い、毎日膨大な量の下水汚泥が発生している。都は、平成15年度ま でに下水汚泥の全量焼却を達成して埋立処分量の削減を図るとともに、セメント原料 化等の方法により焼却灰のリサイクルを推進していく。 

   

年度  13  14  15  16  17 

建 設 リ サ イ ク ル 推 進 行動 計画の改定と、それに基づ く施策の推進 

   

       

下水汚泥 

●全量焼却の達成 

●焼却灰のリサイクル       

       

全量焼却達成 

(35)

  重点施策4  産業廃棄物処理施設整備の促進   

 

七都県市の広域的な役割分担と相互の連携のもとに首都圏の産業廃棄物問題の解決 を図る必要があるが、最終処分の多くを他県に依存している都は、都内処理・処分率 を向上させるために、まず民間処理施設の稼働率を上げ、その上で民間による施設整 備を支援していく必要がある。特に緊急に処理すべき廃棄物や、民間のみによる施設 整備が困難または長期間を要する場合には、都が積極的に調整をはかることにより、

信頼性の高い処理施設の整備を促進し、安全な生活環境を確保するとともに、新たな 環境産業の創生を図っていく。 

また、施設の公開や維持管理情報の公開などにより透明性を高めるとともに、施設 の運営に関して都民とのコミュニケーションを進める仕組みをつくる。 

整備が必要な施設は、次のとおりである。 

  ①  PCB廃棄物無害化処理施設[重点施策11として展開していく。] 

  ②  廃プラスチック類のガス化溶融・熱回収施設    ③  建設廃棄物のリサイクル施設 

 

  廃プラスチック類のガス化溶融・熱回収施設   

建築解体廃棄物のうちのクロスや浴槽、リサイクル施設から発生する残渣、医療系 廃棄物のうちの廃プラスチック類などは、再生利用(マテリアルリサイクル)が困難 である。しかしながら、これらの廃プラスチック類は燃焼カロリーが高く燃料として 利用できることから、エネルギーとスラグを回収し、最終処分場への負荷をゼロにす ることを目的に、ガス化溶融・熱回収施設の整備を促進する。 

  建設廃棄物のリサイクル施設   

建設木くずなどの建設廃棄物のリサイクル施設整備を促進し、併せてリサイクル市 場の形成を図る。 

 

年度  13  14  15  16  17 

廃プラスチック類のガス化 溶融・熱回収施設 

 

   

基礎調査   

     

   

 

建設廃棄物のリサイクル 基本構想         

整備構想の具体化 

(36)

  重点施策5  都・区市町村の処理施設への受入れ検討   

 

産業廃棄物の中間処理施設・最終処分場の不足に対応し、都内処理率の向上を図る ため、都の埋立処分場への受入れや、区市町村設置の清掃工場での木くず等の処理を 検討する。 

 

  都の埋立処分場への産業廃棄物の受入れの検討   

現在、都が管理運営する埋立処分場は、一般廃棄物のほか、中小企業から排出され た産業廃棄物を受入れているが、東京港内で確保できる最後の貴重な埋立処分場であ る。長期的には広域処分場について検討することも必要であるが、まず、発生抑制、

リサイクルを進め、最終処分量を可能な限り削減し、さらに、埋立容量の拡大策を講 じ、この埋立処分場をできる限り長期間利用していくことが必要である。このような 認識を踏まえつつ、産業廃棄物の都内処分率向上という視点から、関係機関と十分な 協議の上、産業廃棄物の受入れについて検討する。 

  区市町村の清掃工場での木くずの焼却・熱回収の検討   

木くずのリサイクル施設・焼却施設が慢性的に不足しており、さらに平成14年 12月から施行されるダイオキシン類の規制の強化により既存焼却施設の休廃止も見 込まれる。このようなことから、マテリアルリサイクルを促進するとともに、必要か つ可能な範囲内で、重点施策4による施設での処理体制が確立するまでの間など暫定 的に、公害対策の万全な区市町村の清掃工場において、適切な費用を徴収しながら木 くずの処理を行うことについて、関係区市町村と十分に協議を進める。 

建設木くずは産業廃棄物であり、排出事業者に適正処理の責任があることは当然で あるが、その多くが都民の住宅の解体に伴うものであることから、その処理のあり方 や発注者の責任の明確化等については、都民の意見を広く求めながら検討していく。 

   

年度  13  14  15  16  17 

都の埋立処分場への受入れ の検討 

 

   

     

     

区 市 町 村 の 清 掃 工 場 での 木くずの処理の検討 

●検討・区市町村との協議   

●ダイオキシン類規制    (平成14年12月) 

     

         

    ● 

     

 

検討・関係機関との協議の上、実施   

検討・関係機関との協議の上、実施 

(37)

  重点施策6  民間処理施設への支援・指導   

 

都内の民間産業廃棄物処理施設での処理を促進するため、引き続き処分業者に対す る支援を行うとともに、施設の信頼性、透明性の向上を促進していく。 

 

  現在ある処理施設の活用   

都内には資本金が1億円未満の小規模な処分業者が多く、高度な処理技術や設備の 導入は容易ではない。都は、このような多くの小規模な事業者がリサイクルと適正処 理を積極的に推進できるよう支援していく。特に、稼働率が低い施設については、稼 働率を上げられるように技術指導や施設の改造等のための融資をあっせんするなど、

経営改善を支援する。 

  民間事業者による施設整備の支援   

都は、東京及び周辺県における処理施設の設置状況、処理技術情報などの基礎情報 を提供するとともに、経営や技術指導などによる民間事業者の創業支援と育成に取り 組む。また、都内には中小零細な処理業者が多く、意欲は持っていても技術力や資金 の確保から新たな事業展開が困難な者も予想されるため、事業の協同化に向けた経営 相談などの支援に取り組む。 

  焼却施設への立入指導   

すべての許可焼却施設への立入検査を実施し、平成14年12月からのダイオキシ ン類規制強化に適合するよう技術指導や公的融資制度について情報提供する。規制強 化後は、構造・維持管理基準に適合しない施設に対し行政処分を実施し、規制の徹底 を図る。また、排ガス、ばいじん、焼却灰のダイオキシン類濃度の測定を指導すると ともに、測定結果を公表する。 

  処理施設の情報公開の促進   

事業者が産業廃棄物処理施設の公開や維持管理情報の公開を行うなど、施設運営の 透明性を高め住民の理解を得る仕組みをつくる。 

   

年度  13  14  15  16  17 

現在ある処理施設の活用   

         

民間事業者による施設整備  の支援 

         

焼却施設への立入指導           

(38)

  重点施策7  他自治体との連携による不適正処理の防止   

 

都内から排出される産業廃棄物の多くが都外で処理されていることから、他県で不 法投棄される産業廃棄物の中には都内のものも含まれている。産業廃棄物の広域処理 に対応して、自治体間の広域的な連携により不適正処理対策を強化していく必要があ る。そのため、次のような施策を展開していく。 

 

  首都圏ルールの確立   

首都圏の七都県市で構成する七都県市廃棄物問題検討委員会において、事業者の指 導・監視を行うために必要な統一的指導基準(首都圏ルール)を確立するとともに、

その共通マニュアルを作成する。 

  産廃スクラム21による広域連携体制の整備・強化   

関東甲信越静地区の21自治体で構成する協議会(産廃スクラム21)での取組に より、関係自治体が連携して検問や共同パトロールを行うことで、不適正処理の未然 防止、早期発見を図る。また、広域に渡る不適正処理などを発見した場合は、事案の 迅速かつ的確な改善を図る。 

   

年度  13  14  15  16  17 

首都圏ルールの確立 

●首都圏ルールの検討 

●共通マニュアルの作成 

●首都圏ルールの実施   

   

 

         

   

産廃スクラム21による 広域連携体制整備・強化 

●広域パトロール、検問 

●広報啓発    (ポスター作成) 

         

       

(39)

  重点施策8  規制監視体制の強化   

 

産業廃棄物の不法投棄、野外焼却などの不適正処理を防止するため、都民等からの 苦情等による情報に対し迅速な現場確認・指導を実施する。また、夜間早朝や休日の パトロールなど監視体制を強化するとともに、排出事業者・産業廃棄物処理業者に対 して計画的に立入検査を実施し、適正処理を指導する。不法投棄に対しては、早期に 処分者等を特定し、原状回復を図る。 

 

  事業者に対する指導計画の策定   

適正処理を推進するため、毎年度、重点項目を決めて指導計画を策定し、計画的に 事業所への立入検査等を進めていく。 

  不適正処理防止特別班による事業所指導   

警視庁派遣職員を含め、不適正処理防止特別班を編成し、改善が必要な事業所に対 する指導の徹底を図る。さらに必要に応じて厳格な行政処分を迅速に行う。 

また、刑事罰との関係や暴力団の排除等に留意して、行政処分要綱を改正、公表す る。 

  多摩地域における野外焼却等不適正処理の早期発見・措置   

多摩地域市町村、警視庁、消防庁、都で構成する「多摩地域における野外焼却等の 不適正処理の防止に係る連絡協議会」による野外焼却等の対策会議を開催し、効果的 な防止策を協議する。また、市町村と合同パトロールを実施して不適正処理の早期発 見、早期措置を図る。 

   

年度  13  14  15  16  17 

指導計画の策定 

           

不適正処理防止特別班に よる事業所指導 

● 行政処分要綱の改正・

公表 

●特別班による事業所指導          随時 

         

     

参照

関連したドキュメント

都内人口は 2020 年をピークに減少に転じると推計されている。また、老年人 口の割合が増加し、 2020 年には東京に住む 4 人に

Global warming of 1.5°C: An IPCC Special Report on the impacts of global warming of 1.5°C above pre-industrial levels and related global greenhouse gas emission pathways, in

・生物多様性の損失も著しい。世界の脊椎動物の個体数は 1970 年から 2014 年ま での間に 60% 減少した。また、世界の天然林は 2010 年から 2015 年までに年平 均 650

2012 年度時点では、我が国は年間約 13.6 億トンの天然資源を消費しているが、その

(1) 学識経験を有する者 9名 (2) 都民及び非営利活動法人等 3名 (3) 関係団体の代表 5名 (4) 区市町村の長の代表

産業廃棄物の種類 排    出   量. 産業廃棄物の種類 排   

産業廃棄物の種類 排    出  

産業廃棄物の種類 排    出   量. 産業廃棄物の種類 排