(東女医大誌第30巻第4号頁691 一 703昭和35年4月)
三型肺動脈狭窄症に関する研究
第2編心電図,心音図,レ線所見
1 緒
東京女子医科大学心臓血圧研究所(主任 榊原f千教授)
高 尾 篤 良
タカ オ アツ ヨシ
(受付 昭知35年1月29H)
言
第一編においては,純型肺動脈狭窄症の解剖学 的及び臨床所見について述べたが,本編にわいて は,心電図,心音図,レ線所見について報告す
る。
H 心 電 図
心電図は先天性心疾患の診断上必須の検査法の
一一・ツであるが,其の所見は本症でも血行動態によ る変化を非常によく反映し,定型的弓症例では心 電図所見のみでも診断可能であり,また重症度,
手術適応,術後経過の判定にも手掛りを与える。
(1) 観察イオ来斗と方法
本症50例中,データの完全な45例に就て心電図所 見の観察を行った。誘導法は標準肢誘導,単極肢誘導 及びV↓RからV7に到る胸部誘導の15誘導である。
右室内圧分類による重症度と血行動態学的相関に重き
り《
病 翰 及
を置いて検討を行った。
(ll)成 績
A)軽症型(右室収縮期圧50mmHg以下)
軽症型は10例であったが,Pfi波高は全例とも 0.2mv以下であった。 P−Q間隔は全例0.20秒 以下で,まkP波罫もO. 10秒以下であった。所 謂電気軸(前額面QRS軸)は十100度を示した 1例を除いて全例が十90度から+40度の閥にあ った。V1のQRS波形は全例rS型を示し, R/S 値は1.0以「下であった。ViのR波高は10才と6 才の2例を除き,1.Omv以.下であった。 V星のT 波の上向きのもの3例をみたが,何れも15才以上
であった。
B)中等症型(温室収縮期圧51〜100mmHg)
15例が本型に該当したが,Pu波高は塵室内圧
100mrnH9を示した1例が0.3mvを示した他は
2200
■●● ●
, 一 一 一 曳 一 辱 一 一 一 ■ 一 一 曽
@ ■
@ ● ●
●@ 9 9
@8・. .
@● ●
@ ■ ●ソ 。・・
鼈齲M一一一揶黷香E一一一一
●
Q 一 一 _ 一 一 π , 一 舳 _ ,
@ ●
釦
●
@ ●●●……
諠ム:鉛 一 「 一 一 一 一 曹 一 一 一 一 曹 F 一 一 , 一 冒 一 一 一 甲 7 , 冒 一 . 噛 A
悌け留
O +30
第2図
t6e tgo +t?e
電;k軸 右 室 収
†150 土180。 一爬ド0 →20 −90 一60 ,30 (ノ
縮期 圧 と 電 気 軸
Atsuyeshi TAKAO (The Heart lnstitute of Tokyo Woinen s Medical College) : Studies on pure pu],moii.a y Stenosi s. 1[ F12ctrocardiographic, phonecardiographic and radiologic findings.
一 6)vfil 一
全例0.2 5・mv以下であった。 P−Q間隔とP波巾 は全例夫々0.20秒,0.10秒以下であった。Vユの QRS波形は, Rs型2例, rS型5例, rs,R f型5 例rR 型3例であった。
電気軸は第2図の如く,大部分のものが十70度 と十100度の間にあり,右目内圧100nlmHgを示 した1例が+130度を示し,動脈管開存を合併し た1例が一一 40度を示した。V1のR波高(rsR/
rRノではRノ)をみると,1. O rnv以上のもの9例 で,最:高は右室内圧100mmHgを示した例の2.8 mvであっt。V1のR/S値は1. 0以上のもの10 例,未満のもの5例であった。
V1のT波では,丁波の上向きまたは水平に近 いもの9例(60%)で,他の6例では下向きであ った。前者の内,T波の上向きのもの6例は右室
内圧75mmHg乃至100 mmHgを示した。
C)重症型(右室収縮期圧101mmHg以上)
重症例は20例であるが,P ll波高は20一中15 例が0.25mv以上を示し,最高は1.Omvを示し
た例がある。P波は鋭く高くなって所謂右心P,
先天性Pを示し,胸部誘導でもV4R〜Vユ, V2で P波の増高や,初期陽性波の急速尖鋭な二相性波 をみた。P−Q間隔は0.20秒のもの1例,他は何 れも其れ以下であっアこ。P波巾は全例に於て0.10 秒以下であった。電気軸は第2図の如く,全例に 於て十110度以上の右軸偏位を示し,最:右は一150
度を示した1例がある。V、のQRS波形は第6
表に示す如く,rsRノ型3例, rRノ型5例, R型5 例,qR型6例, Rs型1例であった。 V 1のR波 高は最低1.2mv,最:高は右室内圧240 mmHgの 例で4.8mvであった。第3図にみる如く,大部 分は2.Omv以上を示している。右室内圧の上昇
につれV、のR波高が増す事が分る。qR型の6例 中5例はT波一転の度が強く,陰転域が左方V ,i,
V5, V6へ拡がる傾向を示した。 T波は1例を除 き,全例で陰転し,またST下降を伴い,その形 態は尖鋭化し,いわゆる乏血性Tの像を示し,
Sodi−Pallaτes 57)一派或はDonzelot等58)のSytolic
第6表 :重症度とV】QRS,Ti形態
q住sT d症度
τS Lq5 ・5尺 xk R 〜代 T↑ T↓
々 ↓ ハ
細
人 郭輕 症 ュ5◎岬H揮
1◎ 3 7
中等症
T0− IOO
5
之5
3 呂 7重 症 P。oく
1 3 5 5 6 19
鳳v
4
Rv,
m ]
、彰
? 2
1
.mV.
, 騨 蔭 l I b
I l ミ の
l l :
ゆ の
: 1 . ; 1
.
.
・
l i
l:.1:ジ
ザ・εi.
.
e
o
se teo sse 200
ち望綴締廟圧
第3図右室収縮期圧とRViの高さ
一692一
2sc rm to Hs
第7表 右室内圧とT波陰転域
T波陰転1例数1右室収縮期圧
V4R 一 VL} 2 125, 140
mmHg
v,R 一. v, 1 1 1 一一 …若
110
V4R 一. V4 4 110, 120
12e, 190
LY坐二y一∵L 1
1201 V・IR 一. v6vr 3 130, 170,
240.
overloading或はbarrage型を示している。第 7表の如く,T波陰転の左方に及ぶものでは重症 度が高い。甚しい例ではV.LRからV了迄T波が陰 転していた。V、のT波の陽性のものは1例で,
この例ではVユのQRS波形はRs型を示し,右室 内圧110mmHgで左室圧に接近していた。 T早 早転がVuからV, V・、・に及ぶものは,第7表の 如く11例で内3例は胸部誘導全部に陰性T波を 認めた。此等の例では耳掛内圧も極度に高い。
(皿) 老 案
軽症例では心電図所見も正常範囲内にあり,
Abrahamsら10)Sodi−Pallares,37)Ga5u1鋤 ら も述べる如くである。中等症ではV、のR波の増 高,R/S比の逆転,.QRS形態の変化,T波の変 化,電気軸の右方偏位が程度に応じ現われてく
る。Keith 4)の小児の40例では,中等症で大部分 のものが電気軸十110度,P波は正常で, Viでの R/Sは逆転し,V1のR波高は2. Omv以一下であ
り,Y3にrsRノ型のいわゆる不完全右脚ブロック を認めている。Tv1は}郵こ陽性で,2/3は正常に 陰転していた。
中等症の狭窄で不完全右脚ブロックが認められ
ることはDonzelot,38), Gasul,59), Miller 40)ら
も述べているところで,心電図所見上心房中隔欠 損症と鑑別に苦しむことがある。QRS及びTの 変化としてDonzelot 58)のいわゆる Surch算ge 或はadaptation型を中等症でしばしばみるがフ
ァロー四徴症で高率に表れるTv、の軽度の上向ま たは下向及び水平形態が本症でも認められ,この ことに関してSouli641)も述べている。小児では とくに,また成入でもRvユの増高を伴った水平T 波または軽度の上向,下向T波は,右室内圧の中 等開進,左室圧への接近を示していると考える。
この場合,QRSの諸形態よりもR波高と丁波の 態度が重要である。
璽症例では心電図の変化は著明で,諸家4)5)37)
59)42)の述べる如く,高度の右軸偏位,異常に高い 尖鋭P波,ViV6のR/S比の変化, T 1∫,T皿の 陰転,Rv,の増高, TVi〜Tv6の陰転がある。 P ll 波高は第4図第5図に示す如く,酒室内圧上昇に つれて増高し,また右房内圧上昇につれ増高の傾 向を示している。重症ではしばしばV.,R〜V、で
1,0
O.9
as a7 Pz a6 の a5
為碍
さ α3
op af
nV.
: : :
le
: : : : : : :
1 e
e
le
el :e e ee e e
麟●●●3糟●
, 1
回
忌 50 too loo X)O
∫ち望孜論期β
第4図右室収縮期圧とPIIの高さ
一 6J98 一一
250mmHg
Pa
の
あ 2
t,o
ag a8
o.T
O.6
O.5
a弓
a3
o.2
al mV
e
e e e e e
の
e e
e
:.1 el:.e
:ee eJ
t. $ e
e . e
t
o
S tO 15
as房孜縮廟ノL
20
第5世父房収縮期圧とPHの高さ
25 nmHき
qR波をみるが, Sodi−Pallares 57)は工房拡大及び 右室肥大を意味するという。彼はまたP波高を末 梢動脈血酸素不飽和度との相関を述べているが,
著者の例でもチアノーゼを呈した重症例でいわゆ る右心Pをみている。しかしながら異常P波,qR 型の例が必ずしもチアノーゼを現してはいない。
qR型のものではしばしば陰門T波, ST下降, T 陰野域の左:方への移動を認める。Rv1波高は第3 図に示す如く,大部分は2.Omv以上,特に3.O mv以上を示している。右室内圧上昇につれて増 高している。V4 ・c〜V,のORS及びTの変化は
Systolic overloading 57)或はbarrage 58)型の定 型的な形態を示している。T波戸転の左方に及ぶ
ものは重症例に多く。極重症ではV4コ口らVT迄
陰転ずる。
軽症や中等症のものが年令的に成長するにつれ 軍症に進行する可能性があるが,Keith 4)は軽症 が重症になる事はないが,中等症が重症に進む事 はあると云う。成長発育は心搏出量の増 加を必要 とし,したがって右室仕事量,右室内圧の上昇を 来すと考えられる。重症型のものは時問的推移に つれて進行的に心電図変化を示すようである。著 者の例では大部分が思春期前後から症状を現して いるが,:幼若者でも軍:篤症状を示すことがあり,
:重症度の年令的変化,増悪傾向において今後各患 児についての長年月の観察を必要とする。重症度 進行の変化としてP波の増高,V1のqR型出現,
R波の増高,Tv4R〜Tv の尖鋭陰転化とST下
降,陰転T波の左側への拡がりが見られる57)。重 症例で:右→左心房短絡の増加した場合,例外的に 左室肥大の傾向をみることもある。中等症及び重 症例の心電図を写真5に示す。(rv一) 血そ了重力態三白勺‡目関
P波高は右房内圧,三二内圧,特に拡張末期圧 の上昇を反映する。著者の例でもP波は二二内圧 と右回拡張末期圧の高いものに増高する傾向をみ た。しかしP波高,右房内圧と右→左短絡量との 相ee s了)はみられなかった。 VユがqR型を示した
6例では右房内田姪例15㎜Hg以上であっ7:。
qRv1は子房拡大,肥大,右回肥大の徴候で,右 心系負荷の増 加を示し,本症の:重症であることを 意味する。:右房内圧の:最高は25 mmLlgであった が右房内圧とPII波高,:右室内圧とP皿波高は第
4,5図に示す如く,それぞれの圧の上昇につれ て増高している。Rv,波高と右室内圧との関係は 3, Omv以上のものは全例右室内圧110 mmHg以 上であり,2.Omv以上の大部分が重症型であっ
た。ke童th 41)は3. O mv以上では150 mmH:g以上 であったといい,Engle 42)も3. O mv以上は三重 症例であるという。しかし2.Omv以下のもので
も重症例数を認めている。ViのQRS形態は軽
症例では殆どがrS型であり,中等症ではrsR , rR ,Rsを示し, rs,R t型のものは心房中隔欠損と の鑑別困難なことがある。重症例ではrsR「,rRノ,一694一
コ コ
鞠蜘》一㌔へ,
t 騨iへh1一{N・
E N
幽《ノr.《/幽幽
AVK〜 、
■四rノ暉陶劇》『N贈圃
1 ■
よ㎏人〜_
l l
軸 醐
5EVERE P.S.
R.V. PRESSURE 2 k%r」一 ..,.. Hl
I i 賑
騨一剛\!亀一隔「㌔》剛
1 i
VJR P
一 bi,ì・e・vN NA vvYA N k
う〜 舜
v
CX/ V ,XvS.::k)
uv一一.Nk
1 VSi 軸
m−NP tNV 一
一gpaト∴
NV? . e 緋啄駆獅噺〆腫
弓
ゆ
極ト十榊画
品↓嗣」心綱1《際錨臨Hl
顧 1
高卿}唄、轟」L−」」♂.
幽』_司Lr. 斜脚ト掴L」,
一、斗}ト.轟」{↓一
写真
R,1曹qを示し, qR型が最箪症例に多い。QRS形 態変化の成因及び解釈には諸説があるが,Silver 45)らはrsR 型でr時間が0.025秒またはそれ以 上のものではdiaE ・tolic overloadingに多く,心 房中隔欠損にみられ,r時間の0・025秒以下であ った揚含は,qR型, rRノ.型,.結節性R型と共に 圧仕事の増加,室上稜肥大(右室壁肥大を伴う場 合と伴はぬ場合とあり)を示し,高いR型,Rs型
5
は右室肥大と時計方向回転を示すという。Blount 44)ち,Milverら45), Walkerら46>も右室流出 部の肥大によって貰R 型を生ずることを述べて いる。春見47)48)は実験的に右室円錐部でQRS 形態の変化をみており,臨床上みられる上記QR
S形態の変化は本症血行動態の反映と思われる。
著者は本症術後例で並エ行動態改善につれて,R,
Rs, qR, rR t型からrεR , rSrノ型への変化も三
一 6 95 一
察している。
左側胸部誘導では軽症例を除いて中等症,重症 ではS波が深くなり,R/S比は逆転しrS, QS,
qrS型をしばしば認める。 Sodi−Pallares一派49)
によれば,右→左短絡を伴ったいわゆるファロー一 三徴症では右室肥大像の他に,1,AVL及び時に V5, V6におけるSTの上昇,またSTの変化の ない時はT波の高二化があるという。V4R〜V、
のT波の形態は軽症では正常で,中等症で開室内
圧75〜100mmHgのものではT波型はR波高と
共にファロー四徴症やアイゼンメンゲル複合のそ れに似ている。ファロー四徴症との鑑別として,一般に肺動脈 狭窄でチアノーゼを示すものは,右室内圧は左室 圧を越え,T波の陰転が著しいのが普通であり 4),非チアノーゼ性ファロー一四生州の場合は心内 圧曲線によって鑑別し得る。陰性T波と右室内圧
との関係では,V2から左で陰性Tのみられた
11例は重症であり,V4からV・,に及ぶものは最 重症例である。陰性T波の形感はCabrera,50)Sodi−Pallares 57)一派のsystolic overloading,
Donzelot 58)のbarrage型で尖鋭で深く暗転して いる。T波の変化はしばしばSTの変化を伴い,
皿,AVF, V,tR〜V,でST降下を,1, AVL
にST上昇,またAVR, HにSTの変化をみる
こともある57)。Johnsonら51), Marquis 52)は重
症例で短期間内にT波明転が左方へ移動した場合 は,心手術上予後不良の徴候であるという。
(V) 小 括
本症45例の観察にもとづいた本症心電図所見の 特徴は次の如くである。
1) 軽症では心電図所見は正常範囲内にある。
2) 中等症,重症では電気軸の右方偏位を示す。
3) P波高は右四内圧,右下内圧特に拡張宋末期 圧上昇につれ増高し,1,ll,またはfi,皿誘導,
右側胸部誘導にその変化をみる。
4)Rv1波高は右回収縮期圧上昇につれて増高 し,2mv以上を示した大部分は璽症型であり,
3mv以上では右室内圧110 mmHg以上を示し
た。
5)ViのQRS形態は軽症型ではrS,型,中等
症ではrS, rsR , rR , Rs型を示し,重症では rsR「, R, rR , qR, Rs型を示した。
6) rsR , rRノ, R, qR, Rs型は中等症または:重
症で室上野,または室上田と右室壁の肥大を意味
する。
7)rsR 型を示すものでは心房中隔欠損のそれ
と似る。
8)Tv↓R〜Tv1の平低化,軽度上向または下向 は中等症,重症で認められ,右伊野が左室内圧に 接近した例で認められ,ファロー四二症,アイゼ
ンメンゲル複合の心電図所見と似る。
9)重症型ではP波の高尖化,胸部誘導陰性T波 の広域化と左方への移動,T波の尖鋭化と深い響 町,またST下降を皿, AVF,V4R〜V1,にみる。
それに応じST上昇を1, AVLに認め,またH,
AVRのSTが変化することもある。
10)V4R〜V1でqR型を示すもの,陰性TのVs
Vc,V7に及ぶものは最重症型に多い。IH 心 音 図
最近は心音図の先天性心疾患診断への応用が盛 んである。肺動脈狭窄症の心音図所見については
Leatham, 29) 5e) Kjellberg, 5), Mc Kut) ick, 55)
Holldack 54)らが既に述べているが,其の所見は 本症の.rf11.行動態をよく反映するといわれている。
(1) 観察材料と方法
著者は25例の潮型肺動脈狭窄症において,クリスタ ノレマ/ クVフォン,本学生理学教室の組立てになる増 瓦器,及び記録には横河式電磁オツシ…ブラフを用い 記録した心者図について観察を行った。
心音は,心尖部,胸骨左縁第四肋間,胸骨左縁第二 肋間,胸骨右縁第二肋間,及び症例に応じて頸部及び 背部で記録した。
(ll)成 績
25例全例で,収縮期心雑音を肺動脈弁口部に最:
大に認め,第6図に示す如く,右室内圧上昇につ れて心雑音の強さを増している。大部分はLevine 28>3〜4度を示し,4度以上では全例収縮期振額 を伴った。また雑音は頸部及び背部へ放散する傾 向を示した。
収縮期雑音の形態は写真7に示す如く,紡錘形 またはダイヤモンド形をなし,心雑音の最:大振幅 部は収縮申期から末期にある。1音から雑音頂点
迄の距離(これを1−MPとする)と1音から2
音大動脈弁閉鎖音迄の距離⊂これを1−2Aとする)との比即ち1−MP/1−2Aをみるると第7
図に示す如く,全例,0.5以上を示し心雑音最頂 点は収縮中期から後半期にあることが分る。また一 696 一
v
t・ご
雑 音
の 匪 猟
?
R
1
LτVj〜ε爬
1
:「:o●3 8
6●P o o● ● 0 0 0 ● ● ● ●
1
} { 嘘 「 } ↑ 1
1
3 5
1
●8
・翫 ■
●R認 1 ,133
一 脚
駈
@酢怩X 0
一9陰
e
so too ese
石望峡焔.鯛広
2co 2sO m Hs
第6図 右室収縮期圧と心雑音の強さ
ヰ,
!
噛鞘 1
i
鯛 ぞ難
き
1 韮 il*{ 1 も ・蒼
晒拶
i
illi
窒
ご x ≧ 壷 ≧ 唾
で
llゴ 1
ptUV ept m1vi1mmmm
3石 ifERE 汽5.・
M◎P.夢.s.
写 真 7
1−MPと右室内圧との関係をみると,第8図の 如く右室内圧の上昇につれて1−MP間隔の延長
している事がわかる。1音の直後に少し間隔を置 き収縮早期駆出音といわれる過剰心音をみるが,
25例中13例に認められ,1音からの時間は第9図 に示す如く,0.03秒から0.08秒にわたっている。
纏,中等症即ち右室内圧100㎜Hg肝の11
例中7例}こ認められ,右室内圧100mmHg以上の 重症例では14例中6例にみられた。1音と駆出音
との距離は右室内圧と一定の関係を示していな
tpW−pt ,vnvpAmeammeaa
い。1音は全例において正常であった。2音の大 動脈弁成分は正常である。肺動脈弁閉鎖音は軽症 では正常であったが,重症例では全例減少してい た。肺動脈弁ロ部における2音分裂と右室内圧と の関係は,第10図に示す如く,右室内圧上昇に つれて分裂距離の増加がある。最短0.04秒から最 長0.13秒1こわたっている。右室内圧240 mmHg の最重症例では心音図上2音を認め得なかった。
第11図に示す如く,心房収縮による4音を25例中
14例に認めたが,大部分は右室内圧110mmHg
一 697 一
/
l
Me 州
,崎
。・4
e.3
q2
o,1
坪♪曽
1,0
as
ノ瓢
。
●
匪@I
@I8●
@1 ● ●・?・・●● ● ● ●
●
●・1●
めち 室 loo
繒k,期
ウ
150 200 250mHも第7図1−MP/1−2Aと偶吟収縮期圧
i l i i i i li
Ii li.・
1 i
ll営
i l i 1 1 l I I i l
l i
.
.
o
gm一一一.L一一一一一;一
50 leo lm
rs 室収監謝凡
200 25,0 −nHs 第8図 1−MP間隔と右窒収縮期圧
以上の重症例であり,そのうち,心房中隔欠損を 伴ったものが5例あった。Pと4音との距離は右 室内圧上昇につれて増す傾向を示している。左→
右心房短絡例で短絡量5L/min以上を示した3例 では拡張中期雑音を認めたが,他は全例拡張期雑 音を示さなかった。
(皿) 老 案
本症における1音は一般に正常であるとされて いるが,Reinhold 55)らは1音の充進を認めてい
る。ただしいわゆる駆出音が高く強く聞えた場合,
1音の血書または分裂と聴診上誤られることもあ ると思われる。1音と収縮期雑音の起始との関係に ついては,漏斗部狭窄では,1音に引続き発生し,
弁性狭窄では多少の間隔を置いて駆出音を以て始 まることはKjellberg,5、 Vogelpoe1,56)Crevasse 57),三科58),古田59)らも述べて居り,漏斗部狭 窄では心雑音の頂点が比較的早くみられることと 共に鑑別診断に利用され得るが,一方Leatha皿29)
はかかる相異点は認められぬという。駆出音の出 現は軽症型に多く29),1音と駆出音との聞隔は重 症になる程短縮するともいわれるが60厘症例では 駆出音は現われ難いという報告5)29)56>もある。
著者の例では右室内圧と1音一駆出音間隔との一 定の関係はみられなかった。駆出音の成因として は,狭窄後性に拡張した肺動脈壁の緊張状態が右 室からの血液駆出によって急激に変化して起ると いわれ53),また拡張期には肺動脈弁円蓋が右室内 腔方向へ凸となり,収縮早期には動脈幹方向へ凸 となり,その闇血流はなく,1音と雑音起始との 間に間隙を来すとなすものがある。2音では,狭 窄による抵抗のため右室の血液駆出時間が延長
し,肺動脈弁閉鎖は遅れて,大動脈弁閉鎖音と分 裂する。ζの分裂の成因に関しては,右室内圧弁
口面積だけでなく,弁ロを通る血流量と速度にも 左右されると思われる。大動脈弁閉鎖音と肺動脈 弁閉鎖音の分裂間隔と右室内圧との相関は諸家5)
29)55)も認めている。
Leatham,29)Crevasse 5了)は分裂度から逆に右
一 698 一
a博
α臣
ato
二鯛
ぶ。。s
欝 旛aOP
s i
t/
rie
o.eo
/
O.09
畜一
{ o.08 島ε O.07
盗
.着一〇・06
圏 α05 箇 o.04.
O.03
O. 02
O.Ol 秀少
i i
l i l lI I
i el .
1 .1 eh :
i l
re l i t e
I i i lee
l・ i
l il l
l l
e
i
i lt e
ieee
i ee ; el
o
第9函
e 一
so tpo Iso 200 鱒。聯Hg rc望収縮期星
右室収縮期圧と 1者一駆出音間隔
。.ou
砂
e
秤
Gl
s
δ…噛T。 ・。・ ls・ 脚 25。一H呂
ち望・ft縮.期瓦
第10図 右室収縮期圧と二音分裂間隔 室内圧を推定し得るといい,RVI波高からの推定 度よりも信頼性をおいている。しかしWitham61)
の如く,その相関を認めぬものもある。重症例で は大動脈弁成分は心雑音に被われ,また肺動脈弁 成分も減弱し,2音分裂の聴診は困難であり5)29),
また最重症のもの特に右心不全を伴つアこものでは 心二音図上にも肺動脈弁閉鎖音を認め難い。
2音の大動脈弁成分は正常で,肺動脈弁成分も 軽症型では正常であるが,重症では減弱する5)。
Leatham 29)は肺動脈弁閉鎖音の強弱と右室内圧 との関係よりも,胸廓,弁,及び狭窄後拡張の解 剖学的状態を重視している。軽症例と心房中隔欠 損症では,何れも駆出音,駆出雑音,2音分裂を 現わし,鑑別に困難なことがあるが62),心房中隔
欠損症では2音分裂0.06秒以上に及ぶ事は少な く,2音の強さは正常で,2音を心尖部でも聴取 する。肺動脈狭窄症では2音分裂は吸気時に延長 するが心房中隔欠損症では分裂が固定している。
肺動脈高血圧症でも駆出音をみるが,2音は二進 して分裂はないか,または正常分裂を示し,或は 拡張期雑音を伴うことがある。本症に心室中隔欠 損や動脈管開存を二つk場合,肺動脈弁閉鎖遅延 は認められなくなるといわれている55)。収縮期雑 音は一般に紡錘形またはダKヤモンド形を示し,
高調粗雑で,その最大振幅部位は重症度の進むに つれ収縮期後半へ移行する。一:方最頂部と右室圧 曲線頂部とは時期的に一致する。機能性狭窄では 雑音頂点は収縮期前半にある55)。漏斗部狭窄では 雑音は1音に直続して始まり,大動脈弁閉鎖音の 前またはそれと共に終り,それを越える事はない 5)。漏斗部狭窄では,第3〜4肋闇に最大点を有 する事が多い。最重症例では弁口を通る血流:量が 低下し雑音も減弱または消失することもある。心 雑音強度の場合は振額を触知し,頸部や背部に放 散する傾向を認める。3音は普通聴取されないが,
本症における音の存在は心房中隔欠損への共存を 示すともいわれる57)。4音の登生は,心房の拡大,
心房内圧の上昇に関係し29)53),したがって右房内 圧上昇した重症例に多く出現し,本症に心房中隔 欠損を伴った例に比較的多く現われる傾向があ
る。P波から4音迄の距離は右室内圧,右房内圧 の上昇につれ増大している。4音を心房収縮期に
一 699 一一一
U艶O
OJS
f)
i 千 ale
者一
息
瞬1
o.os
1
1
el
le
・1
: e
i
i叢3・・
e l・ 蝉
:
l e
旨 : : : : : : : :
Rs. fA S. b. 5fP S
e
o ぢO loO lδ⑪
尼望収論,期広
蜘
2SOpmm g第11図右室収縮期圧とP−4音間隔
頸静脈上に聴くことがあり,また心房収縮時,空 房から右室への血液流入が,狭小になった三尖弁 輪を通過する際,比較的な狭窄を起し,心房性雑 音も起り得ると揮えられる。かかる例ではa波は 著しく高い。
Kjellberg 5 J)らは釣上性肺動脈狭窄例を経験 し,大動脈弁及び肺動脈弁閉鎖音の後に過剰心音 を認めている。
本症で拡張期性雑音をみる事弦,合併症を伴わ ぬ限り稀であり,Leatham 29)は1例に認めてい
るが,著者の例ではない。
(rv) 小 括
本症25例についての心音図所見は次の如くで
ある。
1) 全例において肺動脈弁口部に最:大仁を有する 高調粗雑な収縮期雑音を認める。雑音は右室内圧 即ち重症度の進むにつれ増強する。中等症,重症 では頸部及び背部へ放散し,また振額を伴うこと が多い。
2)心雑音は紡錘形,ダイヤモンド形を示し,最大 幅頂点は収縮期後半にある事多く,1−MP/1−2A は0.5以上を示し,重症程後半に移動している。
3) 2音分裂は0.04秒から0,13秒に及び,右室 内圧上昇につれ分裂間隔を増している。
4) 4音を右室内圧110mmHg以上の重症例及
び心房中隔欠損を伴ったものに認め,P−4音間隔は右室内圧上昇につれて延長している。
5) 収縮早期駆出音は軽症,及び中等症にしばし ば認められるが,1音一駆出音間隔と,右回内圧 とは一定の相関を認めない。
6) 1音は全例に於て正常である。
7) 2音肺動脈弁閉鎖音は中等症,重症で減弱し
ている。
8)左→右心房短絡量の多い例を除き,拡張期心 雑音を認めない。
IV レントゲン単的所見
凹型肺動脈狭窄症のレ線所見については既に多 くの記載があり5)65)64)65),心電図所見と同じく 定型的な重症例ではレ線所見のみで診断を下し得
る程特微的な変化を示す。
(1) 観察材料と方法
本症患者50例に就て,正面(背腹位),両斜位,側位 像をバiJウム嚥下食道造影を行い撮影透視を行い,
診察初期の3例に血管心臓造影法を行った。
(H) 成 績
心型;代表的な本症の三型を示すと第12図の如 くであり,一般に円い右房縁,狭窄後拡張による 左第二弓の突出,円みを帯びた左室縁が特徴的で ある。ファロー四四症のような心尖挙上は見られ
ない。
心の大きさ:心肺係数66)を見るに,第13図に示 す如く,軽症では55以下で,中等症では55以上
一700 一
ハムハ、
ムへ
鴎1\
脳1》
八
ムハ1
八、
へ111醤
第12図 肺動脈狭窄症レ線正面像の種類
を伴ったものに特に著明であった。署明な例では 写真8の如く球状に突出している。
心尖と左心縁:軽症例では正常であるが,中等及 び重症では心尖は円みを帯びるが挙上ずることな く,右→左心房短絡重症例では写真9の如く,肺 動脈弓下の左心縁は卵円形を呈している。
肺動脈弓部:軽症の2例,漏斗部狭窄の1例を除 き,他では肺動脈二部は軽度のものは直線状,他 は軽度から高度にわたる種々の程度の膨隆突出を 示している。肺動脈突出度測定68)の変法として PMI/Mlを突出度として右室収縮期圧との相関を みると,第14図にみる如く,重症ではすべて突 出度が著明であるが,軽,中等症でも大部分が突 出度増加を示している。
酒室:画室の拡大,肥大状況をN.Y. Heart Ase−
OC.67)の基準で判定すると,重症では拡大,肥大 が著明で,軽症では正常範囲内にあり,中等症で は種々の程度に拡大像を示している。
大動脈:全例が左大動脈弓であり,右大動脈弓は なかった。大動脈とその弓部は重症例では比較的
望
杖 陥 朝
25
200
150
t
...el
一一一一一一 ?鼈鼈
e e
.
e
.
e e e e O @e o
一一一一一一一。一一一一
: .
.
:
一一一一一一 rL−e一一 e e e
.
o
o e
.
e e
o 40
1ぐ肺係教
50
第13図右室収縮期圧と心肺係数
のものもあり,重症では大部分が55以上を示して
いる。
右房二:N.Y. Heart Ass㏄.67)の診断基準によっ て判定すると,軽症例10例では右房の拡大なく,
中等症18例では冤に拡大をみ,重症例22例は全 例に右房拡大を認めた。重症例で右→左心房短絡
60
大きくみえる。
肺一血管陰影:軽,中等症では肺野血管は正常陰影 度を示し,左→右心房短絡量の5L/min.以上で
あった3例では稽々増強していた。重症は全例で 肺野明るく,特に末梢で著しい。狭窄後拡張の著 明な2例で,肺動脈主枝特に左肺動脈主枝の拡大 一701一
饗rS
写真8 第二斜位
聖
上 t50 畷 陥 潮 too
/i
50
ne t
o
.
.
.
e 一
:一e e:
e e?e e :
.
e
e一 e .
写真 9
がみられた。
肺門跳動は全例にみられなかった。
其の他の所見:左房拡大は全例に於て認められ ず,鎖骨下動脈異常もなかった。
血管心臓i萱影:3例共重症例であるが写真10の 如き右房拡大像,狭窄後拡張と,造影剤の右心系 停滞時間の延長及び右房内圧充進を示す大静脈へ の造影剤逆流をみた。
(皿) 老 案
本症のレ線上の心型は右房縁円く,狭窄後拡張 著明で,左心縁円く,一見非常に特徴的である。
心横径は右室内圧上昇につれ拡大する傾向がある が,重症肺動脈狭窄症でも右心の代償機能は比較 的良好で,また求心性肥大によって心拡大よりも
噛一一一一一一辱糟,r卿 咽●一一一一一一一幽. 謄一一一一一一一 一一一r一一
・………一一ュ「一一・…一一,.・ド…一 ● ●
● ●●
oo 30 to 50 60 70
静黙κ飯良二λ
第皐4図 懇懇収縮期圧と肺動脈突出度
ぎ\
ま ド
・蝦}恥糠 聯几 .
蚤
撫辱饗信 ,
瀞
写真 10
憲
聾
》、細 ・嘆簸
寧ろ内方へ二って肥厚し,ある時期迄は著明な心 拡大を現わさず,右心不全の徴候が出現するにつ れて,拡大すると思われる。したがって,重症例 では心拡大を示すものが多いが,拡大の著明でな いものもある。心陰影の進行的拡大も年令成長に よって起るといわれるが51)69)著者の例では各個 人についての観察期間は短かく,明かでない。薪 生児期,新児期でも重症例て右心不全を伴うと,
著しい心拡大を示す。本症では右室肥大かある が,ファPt r四徴症のような心尖挙上をみる項は 一702一
稀で,左心縁は円みを帯び卵形のことが多い。
肺動脈弓突出は狭窄後拡張に相当し5)4)11)1 J)
63),Keith 4)は90%に認めている。重症例程其 の突出度が著しいが,軽症例でも柑当判然とみら れ,弁狭窄による流体力学的変化の肺動脈壁への 影響の現われと考えられる。肺動脈弓突出は左→
右短絡疾患,肺動脈高血圧症でも現われるが,他 の所見を綜平すれば鑑別は容易である。
漏斗部狭窄症では肺動脈弓部の陥凹または漏.脚 部の膨隆をみるが5)4),薯者の漏斗部狭窄の1例 では肺動脈弓部は直門を示している。大動脈弓が 右へ下る事は稀とされ4>エ5),此の点ファロ・一四徴 症との鑑別点となる。動脈円錐部の不平等分割に
よって,大動脈が肺動脈に比し相対的に大きくな るが5),大動脈はレ線上でも比較的大きくみえ る。肺野.疽暗陰影は軽症では正常であるが,重症 では減少し特に末梢肺野で著明である。透視時,
肺動脈圭杖の搏動を著明にみる事があるが,左→
右短絡疾患にみる如き肺門跳動は認めない。本症 の診断に際しては普通,血管心臓造影法を必要と せず,診断決定には心カテーテル法が用いられ る。然し値視下心手術の発達につれ肺動脈狭窄の 解剖学的位置形態とその程度を予め知る事の有利 な場含があり,右室内へ心カテーテル先端を挿入 して行う選択的血管心造影法は今後共周いらる可 き方法であろう。本症の.血管心造影法では右房拡 大,造影剤停滞時間の延長,大静脈への造影剤の 逆流,狭小化した門門腔をみるが,また流出の遅 延と,心室遣増血による造影剤の稀簿化をみる事 もある70)。三浦71)72)の述べる如く上記所見を確 認するには,一定心搏動時相での所見解析が重要 である。心榑時相の差即ち収縮期と拡張期では,
心臓各部の形態,客積,及び内圧に変化を生じ,
造影剤の流れによる各部の動態的陰影は変化を来 し,右室流出部でも,正常陰影を狭窄と,または 狭窄を正常陰影と誤る事があり,漏斗部,弁口部
の陰影形態を時相に関係なく判続解析するのは危 険である。狭窄部の形態種類,弁円蓋やjet流の 詳細を知るには選択的血管心造影法がよい。心房 で右一ン左短絡の無い閉合,左心系の造影は比較的 遅く,右→左短絡を生ずれば,両心房の造影が貸 室造影に先行し,左房,左室,大動脈の比較的早 期造影がみられる。右筆の選択的造影5)では,弁 狭窄の場合,収縮期には右回容積の減少,流出部
の狭小化,弁円蓋,流臥血液のjet,肺動脈幹の 拡大をみるが,拡張期には流出部は容積を増し,
円蓋部は平担となり,更に右室腔へ向い下降する。
漏斗部狭窄では弁下部に狭小腔を認め,普通狭窄 後拡張はあっても軽度である。前述しtこ如く,本 症では血管心造影法は必須の検査法ではないが,
心カテーテル法で狭窄の存在,謬り種類程度を判 定し難い場合,特に漏斗部狭窄や複含狭窄の予想 される場合,直視下心手術の可能な現在,我々は右 室切開によって如飼なる種類の狭窄にも対処し得 る立場にあるが,予め狭窄の状態を知る事の有利 な事は否定出来ぬであろう。なおまた近年…般化 されつつあるSelective Cinecardioangiography 75略有力な本症検査法の一一・±つとして盛に用いられ
るであろう。
(IV)小 括
本症5G例のレ線所見として次の結論を得た。
1) 心型は右野縁円く,肺動脈弓突出し,心証縁 は円く,心尖は拳上しない。
2) 心の大きさは,軽症では正常であるが,中等 症,重症では拡大の傾向を示す。然し重症でも心 拡大の著明でないものもある。
3) 中等症,重症では右房拡大及び右室肥大像を 認める事が多い。
4) 大動脈弓は全例に於て左大動脈弓である。
5) 肺動脈弓は軽症から重症迄大部分に干て突出 し,狭窄後拡張を示し,重症程著しい。
6) 肺.血管陰影は軽症では正常であるが,中等症,
重症では減少する。時に肺動脈主粒,殊に左主枝 の拡大をみるが,肺門跳動はない。
7)左房の拡大は認められない。
8)血管心造影法では,右房拡大,大静脈への造 影剤の逆流,右心系での造影剤停滞時問の延長,
狭窄後拡張を認め,右→左心房短絡例では左心系 の早期造影をみる。
9) 選択的血管心造影法,」1 it管忌避画法は右室流 出部の狭窄部位,其の種類,程度,弁円蓋,血流 jet等の確認に役立ち,術前診断へ浜田が期待さ
れる。
稿を終るに当り御指導御校閲をたまわった恩師榊原 任教授及び御協力下さった教室員各位に深く感謝いた
します。
文 献
:文献はまとめて最終篇の末尾に掲げる。
一 708 一