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A Study on the Analysis of ExperimentallyInduced Canine Liver Disease and Portal Vein Hemodynamics Using Ultrasonography as a Noninvasive Diagnostic Method

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Academic year: 2021

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博士(獣医学)Mwanza Timothy

  A Study on the Analysis of Experimentally Induced Canine Liver Disease and Portal Vein  Hemodynamics Using Ultrasonography as a          Noninvasive Diagnostic Method

(超 音波 画像 診断法 を用 いた 実験 的イ ヌ肝 疾患とその   門 脈 血 流 動 態 の 非 侵 襲 的 評 価 法 に 関 す る 研 究 )

学位論文内容の要旨

  肝臓は,生命維持に必要な物質代謝の異化および同化反応の中心的な役割を担う とともに,様々な生体機能を有している。そのため,代謝性,感染性あるいは中毒 性因子によって種々の傷害を受けやすい。肝疾患においては,特異的な臨床症状を 示すことが少く,また単独の診断法で肝疾患の程度を十分に把握することが困難な ため,肝疾患の診断と治療に大きな障害となっている。

  肝特異酵素の血清中活性の測定は,最も一般的に用いられている肝機能検査法の ーつであるが,その値は測定日の状態を反映しているに過ぎない。X線検査およぴ 身体検査では,肝の萎縮や腫大あるいは触診時の疼痛などの所見を認めることもあ るが,肝機能の詳細や疾患の進行状況に関する情報は得ることができない。した がって,適切な診断や治療を行うためには,異なるいくつかの診断法を併用する必 要がある。

  超音波検査法は肝や腎などの腹腔内臓器を非侵襲的に評価することが可能である。

高性能画像診断装置の導入により,深部臓器の形態や構造ばかりではなく,臓器血 行動態の計測が可能となった。

  臓器の血行動態と機能は密接な関連を有すると考えられることから,本研究では 超音波検査法を用いた肝血行動態計測のイヌ肝疾患の診断における有用性を次のと おり検討した。

1.初めに,超音波検査法およびX線血管造影検査法による正常犬の肝静脈および 門脈の解剖学的所見を示した。この解剖学的知見は,門脈体循環短絡のような肝血 管異常を適切に診断し,矯正するために不可欠である。本実験では10頭の雑種成犬 を用い,経静脈的逆行´陸血管造影法によって肝静脈の走行を明らかにし,前腸間膜 門脈造影検査法によって門脈とその分枝血管の走行を確認した。超音波検査におい ては,各々の肝血管の描出および門脈血行動態指標の計測に至適なアプローチ法を 決定するため,左および右横臥位で肝臓の縦断面および横断面の走査を実施した。

  超音波およぴ洫管造影の両検査法によって肝静脈と門脈の分布状況は明らかにで

(2)

きたが,肝動脈の走行は確認できなかった。血管造影検査法では,すぺての血管は 重複して可視化されるため,分枝血管の確認は困難であった。さらに,超音波ドプ ラ法を応用することによって,血管造影検査法では得ることができない血流の動的 情 報が 非侵 襲的 に得 られI正常 犬の 門脈 血行動態の諸指標値を明らかにした。

    以上の結果,超音波検査法はイヌの肝疾患の診断や肝血管異常の矯正における 手 術 法 の 決 定 に 重 要 な 情 報 を 提 供 し 得 る こ と が 示 唆 さ れ た 。 2.次 いで,肝臓に特異的な毒物であるニトロソジメチルアミン(DMNA)の静脈内 投与によって作出した肝硬変モデル犬を用い,血液学的および血液生化学的検査結 果による肝機能所見と比較することにより,超音波検査法の有用性を評価した。肝 硬変 モデル犬には,DMNA(2mg/kg)を毎週2連日,10週間静脈内投与した7頭のイ ヌを用いた。

  DMNA投与回数の増加に伴い,これらのモデル犬は肝硬変の自然発症例に認めら れる典型的な臨床症状と血清肝酵素活性の変化を示した。5週目に死亡したイヌでは 重度の貧血と血小板数の著明な減少が認められたが,その他のイヌでは貧血や血小 板数の減少は僅かであった。DMNA投与開始後,すぺてのイヌにおいて,血清総蛋 白濃度(TP)およびアルプミンノグロプリン(A/G)比は徐々に減少したが,アル カリフォスファターゼ(ALP),アラぅンアミノトランスフウラーゼ(ALT),アスバラ ギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)およびガンマグルタミルトランスベプチダー ゼ(GGT)の血清中活性は有意に上昇した。超音波検査では,イヌの肝硬変に特徴的 なエコー輝度の増強を伴う粗い不均一なエコーノヾ夕一ンが肝特異酵素の血清活性の 変化と同時に認められた。

  これらの結果から,超音波検査法はイヌの肝硬変における診断法としてその有用 性が示唆された。

3.最後に,実験的に胆管を結紮したイヌを用い,血液学的およぴ血液生化学的検 査結果による肝機能所見と超音波検査,特に門脈血行動態との関係を評価した。胆 管閉塞モデルは,5頭のイヌに対して総胆管を外科的に結紮することにより作出し た。

  すべ ての イヌは術後1日目に明らかな黄疸を呈した。TP濃度およぴA/G比は経 時的に徐々に低下したが,血中尿素窒素濃度は6週目に最高値を示した後低下し,10 週目には術前値まで回復した。類似の傾向が,ALP活性,ALT活性,AST活性,直接 型および間接型ビリルピン濃度,総コレステロール濃度,および空腹時血清胆汁酸 濃度で認められた。空腹時血清胆汁酸濃度は術後急速に上昇し,2から4週日に最大 値を示した後徐々に低下したが,観察期間中は高値で推移した。胆管結紮後,門脈 の血流量と血流速度は有意に減少したが,congest10nindexは僅かな上昇が認められ たに過ぎなかった。門脈の断面積は有意な変化を示さなかった。胆管およぴ胆嚢の 拡張は結紮後1週目以内に認められたが,肝実質のエコー輝度の変化はほとんど認 められなかった。

  以上の結果,肝血行動態,特に門脈血流の超音波ドブラ諸指標の計測はイヌの胆 管 閉 塞 性 疾 患 の よ り 正 確 な 非 侵 襲 的 診 断 に お け る 有 用 性 が 示唆 さ れ た 。   本研究の結論として,血液学的および血液生化学検査による肝機能診断と超音波 検査の併用はイヌの肝疾患の診断に有用であると考えられた。超音波検査による肝 実質の変化の評価に加え,超音波ドプラ法による門脈血行動態の諸指標を評価する ことによって,より正確な肝疾患の非侵襲的評価が可能となるものと考えられた。

    −.980−

(3)

学位論文審査の要旨 主査

副査 副査 副査

教 授 教 授 教 授 助教授

藤 永

  

徹 橋 本

  

晃 斉 藤 昌 之 安 田

  

    

学位論文題名

  A Study on the Analysis of Experimentauy InduCedCanineLiVerDiSeaSeandPOrt

Vein   HemodynamlCSUSingUltraSOnographyaSa     NOnlnVaSiVeDiagnOS

CMethod

( 超 音 波 画 像 診 断 法 を 用 い た 実 験 的 イ ヌ 肝 疾 患 と そ の   門 脈 血 流 動 態 の 非 侵 襲 的 評 価 法 に 関 す る 研 究 )

  超 音 波 検 査 法 は 腹 腔 内 臓 器 を 非 侵 襲 的 に 評価 する こと が 可能 であ る。 また 、超 音波 ド プ ラ 法 に よ り 臓 器 血 行 動 態 の 計 測 が 可 能 と なっ た。 臓器 の 血行 動態 と機 能は 密接 な関 連 を 有 す る と 考 え ら れ る こ と か ら , 申 請 者 は 超音 波検 査法 を 用い た肝 血行 動態 計測 のイ ヌ 肝 疾 患 の 診 断 に お け る 有 用 性 を 実 験 的 に 検 討 し 、 以 下 の 結 果 を 明 ら か に し た 。   初 め に , 超 音 波 検 査 法 お よ びX線 血 管 造 影 検 査 法 に よ る 正 常 犬 の 肝 静 脈お よび 門脈 の 解 剖学 的所 見を 示 した 。両 検査 法に よっ て肝 静脈 と門 脈の 分布 状況 は明 ら かにできたが,

肝 動 脈 の 走 行 は 確 認 で き な か っ た 。 さ ら に ,超 音波 ドプ ラ 法を 応用 する こと によ って , 血 管 造 影 検 査 法 で は 得 る こ と が で き な い 血 流の 動的 情報 が 非侵 襲的 に得 られ ,正 常犬 の 門 脈血 行動 態の 諸 指標 値を 明ら かに した 。

  次 に 、 ニ ト ロ ソ ジ メ チ 少 ア ミ ン に よ る 肝 硬変 モデ ル犬 を 用い ,超 音波 検査 法の 有用 性 を 評 価 し た 。 超 音 波 検 査 で は , イ ヌ の 肝 硬 変に 特徴 的な エ コー 輝度 の増 強を 伴う 粗い 不 均 一 な エ コ ー バ タ ー ン が 血 清 中 の 肝 特 異 酵 素活 性の 変化 と 同時 に認 めら れ、 イヌ の肝 硬 変 にお ける 診断 法 とし て有 用で ある こと を明 らか にし た。

  最 後 に 、 実 験 的 に 胆 管 を 結 紮 し た イ ヌ を 用い ,超 音波 検 査法 の有 用性 を評 価し た。 胆 管 結 紮 後 , 門 脈 の 血 流 量 と 血 流 速 度 は 有 意 に減 少し た。 胆 管お よぴ 胆嚢 の拡 張は 結紮 後 1週 日 以 内 に 認 め ら れ た が , 肝 実 質 の エ コ ー 輝 度 の 変 化 は ほ と ん ど 認 め られ なか った 。 一 方 , 超 音 波 ド プ ラ 法 に よ る 門 脈 血 流 動 態 の計 測値 は、 イ ヌの 胆管 閉塞 性疾 患の 非侵 襲

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的診断における有用な指標となり得ることを明らかにした。

  以上のように申請者は、血液学的および血液生化学的検査による肝機能診断と超音波 検査の併用、特に超音波ドプラ法による肝血流動態の計測は、イヌの肝疾患に対する有 用 な診 断法 であることを明らかにした。よって審査員一同は、Mwanza Timothy氏が博 士 ( 獣 医 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 を 有 す る も の と 認 め た 。

参照

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