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博 士 ( 薬 学 ) 伊 藤 邦 郎

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Academic year: 2021

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博 士 ( 薬 学 ) 伊 藤 邦 郎

学 位 論 文 題 名

フ ラ ビ ン 含 有 モ ノ オキ シ ゲ ナ ーゼ の 毒 性 学的 機 能 の 解 析 を め ざ し て : 分子 生 物 学 的ア プ ロ ー チ

学 位 論 文 内容 の 要 旨

  フラ ピン含有 モノオキ シゲナー ゼ(flavin‑contammgmon00XygenaSe以下FMO) は 広 い基 質 特異性を 有する薬物 酸化酵素 であり、NADPH.依存的 に主とし て含 窒素 、含硫黄 、含燐化 合物を代 謝する。 窒素、硫黄 を含む薬物は数多く存在し イミ プラミン やクロ少 プロマジ ンも本酵 素の基質と なることが知られている。

ま た 、ndOの 関 与す る 遺伝 的 疾 患と し て、 多 量 のト リ メチ ル ア ミン が 体内に 蓄 積 され 、 呼 気中 に 排泄 さ れ るflshodorsyndromeが 報 告さ れ てお り 、FMOは 生 体 内 で 重 要 な 役 割 を 担 う 酵 素 と し て 位 置 付 け ら れ て い る 。   本 研 究 を 始 め た 時 点 で は ブ 夕 肝 、 ウ サ ギ 肝 そ し て ウ サギ 肺 のFMOのdDNA が報 告されて いるのみ であった 。実験動 物として繁 用されているラットやマウ ス か らは そ のdDNAは 単 離 され て い なか った。 そこで本 酵素の機 能を明ら かに す る た め に ラ ッ ト 、 マ ウ スFMOcDNAを 単 離 し た 。 さ ら に酵 母 を用 い た 発現 系 を 構築 し 、FMOに よ るパ ー キ ンソ ン 病様 症 状 誘発 物 質の 代 謝 につ い て検討 した 。

  7週 齢 雄 性SD系 ラ ッ ト 肝 、 お よ び7週 齢 雄 性C57BI舶 マ ウ ス 肝 よ り 恥u を 調 製し 、 こ れを も とに そ れ ぞれ ラ ット 肝およぴ マウス肝cDNAライプラ リー を 作 製し 、 抗 ラッ トFMO抗 体 を 用い た イム ノ ス クリ ー ニン グ に より 得 られた cI冫NA断 片を プ ロー プ と して ス ク リー ニング を行った 。その結 果、ラッ ト肝 cDNAラ イ ブ ラ リ ー か ら 完 全 長 ク ロ ー ンRn竹1を 単 離 し た 。 マ ウ ス 肝CDNA ライ プラリー からは完 全長クロ ーンは得 られなかっ た。しかし、開始コドンを 含 む ク ロ ー ンMF19と 終 止 コ ド ン を 含 む ク ロ ー ンMF9を 連結 す るこ と に より 完 全 長 ク ロ ー ンMFM01と し た 。Rnめ1、M恥 め1と も に プ タ 鮒01、 ウ サ ギ n竹1と82ワ。 以 上の 高 い 相同 性 を 示し 、剛01フ んミリー に属する ことが示 さ れた 。

  本研 究 を 開始 し た後 、 ヒ ト肝 、 プ夕 肝、 ウサギ肝 そしてモ ルモット 肺から nめ のdDNAが 単 離 さ れ 、FMOが 複 数 の 分 子 種 か ら な る 酵 素 で あ る こ と が 明 らか にされた 。そこで ラットに おいて対 応する分子 種の単離を行った。まず、

報 告 さ れ たcDNAの 塩 基 配 列 を も と にPCR法 に よ ル モ ル モ ッ トn壇02、 ヒ ト FM03、FM04そ し て ウ サ ギFM05のCDNA断 片 を 単 離 し た 。 恥 舳2は 肺 に 多 く 存 在す る 分 子種 で ある こ と から モ ルモ ットFM02cDNAをプ ロープと してラッ ト 肺cDNAラ イ プ ラ リ ー か ら 、 そ し て ヒ トFM03、R岨04そ し て ウ サ ギFM05 cDNAを プ ロー プ とし て ラ ット 肝cDNAライ プラリー からスク リーニン グを行っ

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た 。 そ の 結 果 、 ウ サ ギFM05 cDNAを プ ロ ー プ と し て 完 全 長 ク ロ ー ンRFM05 を 単 離 し た 。 ま た ヒ トFM03 cDNAを プ ロ ー ブ と し て ラ ッ トFM03 cDNA断 片 を3個 を 単 離 し 、 そ れ ら を 連 結 す る こ と に よ り 完 全 長 ク ロ ー ンRFM03と し た 。 さ ら に FM02に つ い て は 翻 訳 領 域 を 一 部 含 む 約1200bpのcDNA断 片 を 単 離 し た 。 ヒ トFM04 cDNAを プ ロ ー プ と し た ス ク リ ー ニ ン グ で は 陽 性 ク ロ ー ン は 得 ら れ な か っ た 。 こ の こ と か らFM04に つ い て は ラ ッ ト 肝 に お い て そ の 含 量 が 極 め て 低 い の で は な い か と 考 え ら れ た 。 以 上 の 結 果 か ら 、 ラ ッ ト に お い て FM01、 FM02、 FM03、FM05フ ん ミ リ ー に 属 す る 分 子 種 が 存 在 す る こ と を 明 らかとした。

  次 に 、 ラ ッ ト お よ ぴ マ ウ ス の 各 組 織 に お け る RFM01、MFM01 mRNAの 発 現 を ノ ー ザ ン プ ロ ッ ト 分 析 に よ り 検 討 し た 。 そ の 結 果 、RFM01は 主 に 肺 、 肝 臓 、 腎 臓 に 発 現し て お り 、わ ず か では あ る が´C燗k脳 に も 発現 し て いた 。 ま た 、 MFM01も 主 に 肺 、 肝 臓 、 腎 臓 に 発 現 し て お り 、 わ ず か で は あ る が 心 臓 、 精 巣 、 脳 に も 発 現 し て い た 。 本 研 究 に よ り 初 め て 、RNAレ ベ ´ レ で 脳 にFMOが 発 現 してい・ることを明らかとした。

  単 離 し たRFM01、MFM01の コ ー ド す る 蛋 白 質 を 得 る た め に 、 酵 母 を 用 い た 発 現 系 の 構 築 を 行 っ た 。RFM01は 無 リ ン 酸 状 態 で 誘 導 さ れ る 酸 性 フ オ ス フ ァ タ ー ゼ プ ロ モ ー タ ー(PH05)を も つ 発 現 ベ ク タ ーpAM82に 組 み 込 み 、 組 換 え 発 現 プ ラ ス ミ ド pAMFMOを 、 MFM01は 発 現 ベ ク タ ー pAAH5に 組 み 込 み , 組 換 え 発 現 プ ラ ス ミ ド pMF5を 作 製 し た 。 各 組 換 え 発 現 プ ラ ス ミ ド を 酢 酸 リ チウム法により酵母AH22株に導入し形質転換酵母を得た。

  抗 ラ ッ トFMO抗 体 を 用 い た ウ エ ス タ ン プ ロ ッ ト 分 析 お よ ぴFMOの 基 質 と し て 知 ら れ る チ オ ベ ン ズ ァ ミ ド と チ オ ウ レ ア を 用 いFMO発 現 酵 母 ミ ク ロ ゾ ― ム の 活 性 測 定 を 行 っ た 。 そ の 結 果 、pAMFMO、pMF5導 入 酵 母 ミ ク ロ ゾ ー ム に お い て 、FMO蛋 白 質 が 発 現 し て お り 、 高 い 代 謝 酵 素 活 性 が 認 め ら れ 、FMOと し ての機能を有していることを確認した。

  パ ー キ ン ソ ン 病 は 老 化 に 伴 い 多 発 す る 運 動 障 害 を 主 症 状 と す る 脳 の 変 性 疾 患 で あ る 。 そ の 原 因 は い ま だ 特 定 さ れ て い な い 。 そ の 原 因 の ー つ にMlyIP様 の 神 経 毒 が 関 与 し て い る と ぃ う 説 が あ る 。FMOが 脳 内 に 発 現 し て い る こ と か ら 、 神 経 毒 と ぃ う 点 に 着 目 し 、 パ ー キ ン ソ ン 病 様 症 状 誘 発 物 質 で あ る l‑methyl‑4‑phenyl‑l,2,3,6‑tetrahydropyridine (MlyIP)、脳内物質であルパーキンソ ン 病 様 症 状 誘 発 物 質 で あ るtetrahydroisoquinoline (TIQ)、N‑methyl・nQ、 1.benZyllnQ、 脳 内 物 質 で あ ル パ ー キ ン ソ ン 病 の 発 症 を 防 御 す る 可 能性 の あ る 1‐memyl一nQがFMOの 基 質 と な る か ど う か 検 討 し た 。 そ の 結 果 、 上 記5種 類 の化合物はFMOの基質となることが明らかとなった。また、nQ、

N→memyl11rIQ、1‐benZyl.nQ、1‐methyl‐ ,11Qを 用 いKm値 を測 定 し たと こ ろ N.memyl体 が 最 も 親 和 性 が 高 い こ と が 示 さ れ た 。 さ ら に マ ウ スFM01発 現 酵 母 ミ ク ロ ゾ ー ム に よ る 実 験 で は nQを 基 質 と し た と き の 緬 値 が435pMで あ ル ラ ッ ト ( 32. O皿M) と は 異 な る 値 を 示 し 、 ラ ッ トFM01の ほ う が マ ウ ス FM01に 比 ベ11Qに 対 す る 親 和 性 が 高 い こ と が 明 ら か と な っ た 。 こ の ご と は ラ ッ トFM01の ほ う が マ ウ ス nわ1よ り11Qを 基 質 と し や す い ( 解 毒 に 行 き や す い ) と ぃ う こ と で あ り 、 ラ ッ ト よ り も 、 マ ウ ス 特 にC57BI/6系 マ ウ ス が 神 経 毒 に 対 す る 感 受 性 が 高 い た め 一 般 に パ ー キ ン ソ ン 病 の 実 験 動 物 と し て 用い ら れ る こ と と 対 応 し て お り 、 ラ ッ ト と マ ウ ス の 神 経 毒 に 対 す る 感 受 性 の 差 がFMOの 神 経 毒 に 対 す る 親 和 性 の 違 い に よ る も の で は な い か と 考 え ら れ た 。

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学位論文審査の要旨 主 査    教 授    鎌 滝 哲 也 副 査    教 授    野 村 靖 幸 副査    助教授    横井   毅 副査    助教授    徳光幸子

学 位 論 文 題 名

フラビ ン含有モノオキシゲナーゼの毒性学的機能の 解析を めざして :分子生物学的アプローチ

  申 請 者 は フ ラ ビ ン 含 有 モ ノオ キ シ ゲナ ー ゼ( 以 下FMO)の毒 性 学的 な 機 能 を明 ら か にす る こと を 究 極的 な 目的 と し 、先 ず ラッ ト お よぴ マウ スFMO cDNAを 単離 し た。 得 ら れたcDNAク ローンを プロープ としてノ ーザンプ ロツ ト 分析 を 行 った 結 果、FMOが 脳内 に も存 在 す るこ と を見 い だ した 。そこ で FMOが神 経 毒 性物 質 の代 謝 に どの よ うに 関 わ るか を 調べ る た め、FMO cDNA を 酵母 内 に 導入 し てFMO酵 素 を酵 母 に発 現 さ せ、 発 現酵 素 が 外来 性のあ る いは生 理的に存 在するパ ーキンソ ン病様症状 誘発物質を基質として代謝する ことを 明らかに した。本 研究では 分子生物学 的あるいは遺伝子工学的な方泣 論 を駆 使し、 従来知ら れていなか ったFMOの新 しい毒性 学的な機 能を明ら か にした 点でユニ ークであ る。以下 に詳述する ようにきわめて優れた研究成課 である と評価さ れる。

1)ラ ッ ト お よ び マ ウ スFMO cDNAの ク 口 ー ニ ン グ

  ラ ットやマ ウスは代 表的な実 験動物であ るが、興味あることにはこれらの 動 物 種 のFMOに 関し て は ほと ん ど研 究 さ れて い な い。 そ こで ラットお よぴ マ ウ スFMO cDNAの 単 離 を 行 い 、 ラ ッ ト か ら3種 (FM01、FM03、FM05) を 、マウス からFM01 cDNAを単 離し、各 分子種の一 次構造を 明らかに した。

こ れ ま での 例 では 同 一 フん ミ リー に 属 する 分 子 種間 の 相同 性は85%前 後で あ っ た が 、 ラ ッ トFM01と マ ウ スFM01の 比 較 で は94%と ぃ う 高 い 相 同 性 を 示 し た 。 ま た ラ ッ トFM03と ウ サ ギFM03の 相 同 性 は84%で あ る の に 対 し 、 ラ ッ トFM03と ヒ トFM03の 比 較で は76% の 相同 性 し か認 め られ な か っ た 。 FMOの 分類 は 同 一 フ んミ リ ーで は80%以上 の 相同 性 が認め られる

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と定 義 されて いたが、 この結果か ら75%以上の 相同性が 認められ れば|司 ‑ ファミリ ーに属し ていると ぃえるの ではないか と考えられる。またモルモッ トFM02を プ ロ ー プ と し た スク ー リ ーニ ン グに よ ル ラッ ト 肺cDNAラ イ プ ラ リーから 翻訳領域 の一部を 含むクロ ーンが単離 されていることから、ラット に お い て もFM02フ ァ ミ リ ー に 属 す るFMOが 存 在 す る こ と が示 唆 され た 。 ヒ トFM04を プ ロ ー プ と し たラ ッ ト 肝cDNAラ イ プラ リ ー から の スク リ ー ニ ン グ に よ っ て 対 応 す るFM04のcDNAク ロ ーン は 単離 す る こと が でき な か っ た 。 こ の こ と は 、 今 回 用 い たcDNAラ イ ブ ラ リ ー に ラ ッ トFM04 cDNAが ほ と ん ど 含 ま れ て い な か っ た 、 すな わ ちラ ッ ト にお い てFM04の 発 現 量が 極 めて低いのではないかと考えられる。

  明 ら か に さ れ たFMOの 一 次 構造 を 細 菌のFMO(機 能 的 には ま った く 異 な る)と比 較しても 、両者間 で類似性 はほとんど 認められなかった。薬物酸化 酵素 と してFMOよ りも詳し く研究され ている、 チトクロ ームP450の場 合は、

その原型と思われる分子種が下等生物にも存在することが知られているので、

この 点 と 対比 さ せる と 、 哺乳 動 物FMOが 進 化論 的 に 最近 出 現し た 酵素で あ る可 能 性 があ る 。さ ら に ノー ザ ンプ ロット 分析によ り、FM01がラ ット、マ ウスにお いて主に 肺、肝臓 、腎臓に 発現してい ることを見いだした。この結 果はプ夕、ウサギの結果に対応するものであり、動物種に拘わらず肺、肝臓、

腎臓 がFMOの主 に 存在 す る 臓器 で ある こ と を示 し て いる 。 さら に 本研究 に よりわず かではあ るがラッ トの心臓 と脳におい ても、またマウスの心臓、精 巣そ し て 脳に お いて も 発 現し て いる こ と を明 ら か した 。 脳内 にFMOが存 在 すること から、そ の生理的 意義を明 らかにして いくことは極めて重要である と考えられる。

2) FMOcDNAの酵母内発現系の構築と発現酵素の性質

  単 離 し た ラ ッ トFM01、 マ ウ スFM01 cDNAク ロ ー ン が 確 か にFMO蛋 白 をコ ードする ものか否 かを確認 すると同 時に、どの ような活性を有するのか を 明 らか に す るた め に酵 母 で の発 現 系の 構築を 行った。 酵母に導 入された cDNAに よ り 酵 母 内 に 外 来FMOが 発 現 し 、 ラ ッ トFM01、 マ ウ スFM01が 酵 素 活 性 を 有 す るFMOで あ る こ と が 示 さ れ た 。 ま た 、 肝FMOの ア ク チ ベ ー タ ー と し て 働 くn‑オ ク チ ル ア ミ ン、 並 ぴに 、 阻 害剤 と して 働 くa‑ナ フ チ ル チ オ ウ レ ア に 対 し 、 酵 母 内 で 発 現 さ せ たFMOも 肝 臓 内 に 存 在 す るFMO と同 様の挙動 を示すこ とが確認 された。 このことか ら酵母を用いた発現系は FMOの発現系に適していると考えられる。

  弖ユ酵母内に発現させたFMO tr:よる神餐童墜塑質の代謝

  FMOを 発 現 する 酵 母の ミ ク ロゾ ー ムを 用 い 、パ ー キ ンソ ン 病様 症 状 誘発 物質であるl‑methyl‑4‑phenyl‑l,2,3,6‑tetrahydropridine (MPrP)、脳内物質で あル パーキン ソン病様 症状誘発 物質であ るterrahydroisoquinoline (TIQ)、 N‑methyトTIQ、1‑benzyl‑TIQ、さらにパーキンソン病の発症を防御する可能性

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の あるl‑methyl‑TIQの 代謝 に つ いて 検 討 した 。 これ ら 全 ての 物 質がFMOの 基質と なり、特 にN―methyl‑TIQが最も親和性が高いことが明らかとなった。

TIQの毒性 発現メカ ニズムは 脳内のN‑methyltransferaseに よりN‑位がメチル 化 さ れ そ の 後 、 モ ノ ア ミ ン オ キ シ ダ ー ゼB (MAOB) に よ ル イソ キ ノ リウ ムイオ ンとなル ドパミン 作動性神 経に取り 込まれ毒 性を現すことによると考 え られ て い る。FMOがN‑methyl‑TIQに 対 し 最も 親 和性 が 高 く、 代 謝物 と し てその オキシド 体を生じ ることは 毒性発現 を予防、 っまり解毒として作用し ていることを示唆するものである。

  ま た 、 ラ ッ トFM01と マ ウ スFM01のTIQに 対 す るKm値 を 測 定 し た と ころマウス>ラットとなった。−ー般にパーキンソン病の実験動物としてはラッ ト で は な く マ ウ ス 、 主 にC57BL/6系 マ ウ スが 用 いら れ る 。C57BL/6系 マウ スにお いて神経 毒性物質 に対して 感受性が 高いため と考えられている。今回 の 結果 と 照 らし 合 わせ る と 、こ の 神 経毒 に 対す る 感 受性 がFMO活 性 の 違い に よる も の では な いか と 考 えら れ る 。仮 に、神 経毒に対 する感受 性が実験 動 物種 間 あ るぃ は 系統 間 で のFMO活 性 の違 い によ る も ので あ ると す れ ば、

パーキ ンソン病 の治療薬 の開発に おける実 験動物の 選択は慎重に行わなけれ ばならない。

  FMOは 食 物中 に含まれ るホスフ んチヂルコ リンなど が腸内細 菌によっ て分 解され て生ずる ト゛リメ チルアミ ンをN‑酸化 し、体外 に排泄させる酵素では な いか と 考 えら れ 注目 さ れ てき た 。 本研 究 では 酵 母 に発 現 したFMOが トリ メチル アミンを 酸化する ことも証 明した。 白人やタ イ人ではトリメチルアミ ン酸化 酵素の遺 伝的な欠 損者がお り、彼ら は呼気か らトリメチルアミンを排 出しそ の悪臭の 故に社会 から疎外 され、犯 罪を起こ すなど社会問題を起こし て いる 。 本 研究 を 基盤 に し て将 来FMO酵素 欠 損者 の 遺 伝子 治 療が 可 能 にな ることが期待される。

  以 上、 本 研 究で はFMOのcDNAク ロ ーニ ン グ、cDNAを 用 いた 酵 母に お ける 発 現系の構 築、発現 酵素によ る神経毒 性物質の代 謝と一連 の先端的な研究成 果 が得られ た。分子 毒性学的 見地から 極めて高度 な研究と 評価される。本論 文 「フラビ ン含有モ ノオキシ ゲナーゼ の毒性学的 機能の解 析をめざして:分 子 生物学的 アプロー チ」に含 まれる研 究成果は薬 学におけ る基礎および応用 のいずれにおいても優れており博士(薬学)の学位を受けるに充分 ̄値するもの と認めた。

参照

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