• 検索結果がありません。

森崎剛史 学位論文審査要旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "森崎剛史 学位論文審査要旨"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1

平成30年 1月

森崎剛史 学位論文審査要旨

主 査 片 岡 英 幸 副主査 久 留 一 郎 同 竹 内 裕 美

主論文

Adipose-derived mesenchymal stromal cells prevented rat vocal fold scarring

(脂肪由来間葉系間質細胞はラットの声帯瘢痕化を予防した)

(著者:森崎剛史、岸本曜、楯谷一郎、河合良隆、鈴木良、辻拓也、樋渡直、中村達雄、

大森孝一、北野博也、竹内裕美、平野滋)

平成29年 The Laryngoscope DOI:10.1002/lary.26855

参考論文

1. Angiomyolipoma at the base of the tongue: A type of mucocutaneous angiomyolipoma

(舌根部の血管筋脂肪腫:皮膚粘膜血管筋脂肪腫の一種)

(著者:森崎剛史、森谷季吉、武信真佐夫、賀集一平、小山哲史、福原隆宏、北野博也、

竹内裕美)

平成28年 Journal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathology 28巻 522頁〜524頁

2. 急速な増大傾向を示す甲状腺癌骨転移巣に対するチロシンキナーゼ阻害薬の使用経験

(著者:森崎剛史、森谷季吉、武信真佐夫、吉岡佳奈、北野博也、竹内裕美)

平成29年 日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 34巻 254頁〜257頁

(2)

2

学 位 論 文 要 旨

Adipose-derived mesenchymal stromal cells prevented rat vocal fold scarring

(脂肪由来間葉系間質細胞はラットの声帯瘢痕化を予防した)

手術、外傷、炎症、放射線照射により生じる声帯瘢痕は不可逆的な嗄声を引き起こす。

声帯瘢痕では組織学的に声帯粘膜固有層における過剰なコラーゲン沈着とヒアルロン酸の 喪失を認める。この細胞外基質の分布は音声治療や外科治療では是正することができない ため治療効果は限られる。成長因子、間葉系間質細胞などを用いた再生治療が試みられ細 胞外基質の是正が多少認められたが、未だに最適な治療選択肢は確立されていない。その 中にあって細胞治療は、それ自身が細胞外基質を産生すること、成長因子を産生すること が知られており有望な治療選択肢である。脂肪由来間葉系間質細胞(Adipose-derived mesenchymal stromal cells: ASCs)は骨髄由来間葉系間質細胞に比べて増殖能が強く採取 し易い特徴がある。本研究ではラット声帯損傷の直後にASCsを声帯に移植し組織変化の様 子とmRNAレベルでの治療効果を検討した。

方 法

実験には13週齢のSDラットと、GFP遺伝子組換えSDラットを用いた。ラットを麻酔し経口 的に内視鏡明視下に右側の声帯粘膜を切除した。その直後に、予めGFP-SDラットの鼠径部 皮下脂肪から分離培養しておいたGFP標識ASCsを懸濁した生理食塩水を声帯筋層に注入し た(ASC群)。sham群には同量の生理食塩水のみを注入した。組織学的な検討として、術後 3日、14日、56日時点でラットの喉頭を摘出し、薄切切片を蛍光顕微鏡で観察してGFP標識 ASCsの生存の有無を検討した。また、特殊染色と画像解析ソフトでヒアルロン酸とコラー ゲンの密度を算出し、統計学的に群間の差を検討した。

mRNAの発現量の検討については、術後3日、14日時点でラットの喉頭を摘出し、右側の声 帯粘膜のみから全mRNAを抽出して定量的RT-PCRの手法で各細胞外基質、各成長因子に関連 するmRNA量を算出した。声帯損傷を加えないnormal群を設けて比較対象の一つとし、群間 の差を検討した。

結 果

GFP標識ASCsは3日では多数組織中に確認できたが、14日、56日では確認できなかった。

(3)

3

14日、56日時点ではヒアルロン酸の密度がASC群で有意に高くなり、コラーゲン濃度はASC 群で有意に低くなった。mRNA発現量は、3日でASC群のみがnormal群に比べて有意に

Has1

Has2

が多く、sham群とASC群の有意差はなかった。

Col1a1

Col3a1

は3日でASC群、sham群と もnormal群と比べ有意に多かった。14日ではsham群のみがnormal群と比べて有意に多くASC 群はnormal群に近かった。

Mmp1

の発現量は3日でsham群がnormal群に比べて多かった。

Mmp8

の発現量はsham群がASC群とnormal群と比べて多かった。

Fgf2

Hgf

の発現量はASC群とsham 群に3日で有意差はなかった。一方でASC群のみが14日でnormal群より多かった。

考 察

塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)、肝細胞増殖因子(HGF)はコラーゲン産生抑制作用 や強い抗線維化作用を有することで無瘢痕創傷治癒において重要な役割を持つ。mRNA発現 量の解析では14日において

Fgf2

Hgf

がASC群のみでnormal群に比べて多かった。移植した ASCsが14日以前に消失していたことを考えるとASCs自身がbFGF、HGFを産生したとは考えに くい。間葉系間質細胞は傍分泌作用により内在する細胞を活性化することが他領域で知ら れている。声帯に内在する細胞がASCsからの傍分泌作用を受けてbFGF、HGFを産生したと考 えられる。声帯創傷治癒に関与する細胞には、マクロファージ、線維細胞、声帯線維芽細 胞、筋線維芽細胞があるが、マクロファージ、線維細胞は創傷治癒の早期にのみ動員され るため、声帯線維芽細胞と筋線維芽細胞がASCsに活性化されbFGF、HGFを産生した可能性が ある。

細胞外基質に関しては14日目においてASC群で

Col1a1

Col3a1

発現量が少なく、より normal群に近かった。コラゲナーゼの量を反映する

Mmp1

Mmp8

の発現量はASC群で少なかっ た。ASC群ではコラーゲン産生が少なかったためにコラゲナーゼの量も少なかったと考えら れる。この結果は組織学的検討でのコラーゲン沈着の抑制を裏付けるものである。声帯粘 膜固有層内のコラーゲン増加は組織を硬化させ粘膜振動を阻害することから、ASCsは細胞 外基質の分布を改善し声帯の粘弾性を改善することができると考えられる。

結 論

移植したASCsは創傷治癒中の声帯でbFGF、HGFのmRNA発現量を増加させた。ASCsは声帯創 傷治癒の過程で過剰なコラーゲン沈着を抑制した。これらの結果よりASCsは声帯瘢痕を予 防する効果があると考えられた。

参照

関連したドキュメント

(p<0.01)。LS 群に比べ HS 群では左室の線維化が進行したが、WT はこの線維化を抑制し (p<0.01)、線維化を促進する心筋 TGF-β1 および酸化ストレスの指標である p22-phox

leading edge 法 と geometric center 法で小 腸腔内のSITS を測定した。DF としては,beet DF (BDF) を 用 い た 。 そ の結 果 ,AM 投与 によ りSITS は有 意に 上昇 し, DF 投与 で有

次ぎにMCM2、Ki-67標識率と患者予後を比較した。MCM2、Ki-67の陽性率の中央値をcut

6.4 mg/dl、T4で114 ± 11.6 mg/dl、R群では、T0で94.3 ± 7.9 mg/dl、T4で101.2 ± 11.6 mg/dlであった。血糖の最低値はG群とR群でそれぞれ88

高 張力 群( H 群 )の 2 群に分けた。L 群の左膝では、この骨片を近位 へ3mm 挙上しACL を弛緩させscrew 固 定し た。 H 群 の左 膝で は、 骨 片を 遠位 へ牽 引し ACL に20N の張

中心 静脈圧、 時間尿 量に差は なかった 。 Anemia 群では人工心肺終了約4 時間後に5 例中3 例が死亡した。血清乳酸値はControl 群では経過中上昇を認めなかったが、Anemia 群では

「結果」@ 75 %尾切断モデルでは出血開始の30 分後から有意な血清IL ・6 濃度 の上昇が認められた◎anti ―IL − 6mAb 投与群では、対照である NRG 投与群と比

NPCS で は負荷試験 後3 分時か ら5 %水準 で有意な 減少が認 められた 。TMD 群の初診時で は、負荷試験前5 分時に比ベ、負荷試験後1 分時にPCS