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特性を明らかにするとともに,2) それらと今後想定される巨大地震を想定した避難行動との関連性について統計的に解析する. (2) 本研究の構成第 2 章で本研究の位置づけを行う. 第 3 章では, 分析対象地域とアンケート調査の概要を述べるとともに, 岡山市沿岸部居住者の津波に対する危機意識の評価と,

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1. 序章 (1) 研究の背景・目的 わが国は,地震,津波,台風,豪雨など様々な自然災害 を経験してきた災害常襲国である.2011 年 3 月に発生した 東日本大震災では,甚大な津波被害を受け,津波対策に関 する様々な課題が浮き彫りとなった.また,近年では,南 海トラフの巨大地震への社会的関心も高まっている.この 地震では,東日本大震災を超える甚大な被害や,過去に津 波被災経験がほとんどない地域(以下,津波非常襲地域)へ の津波の来襲が予想されており,各地で津波防災対策を見 直す必要性が指摘されている. 津波防災対策には,津波防波堤の整備や津波避難ビルの 設置等の行政が主体となって行うハード面での対策と,津 波防災教育や住民の津波避難の促進等,住民一人ひとりの 取組が重要となるソフト面における対策が想定される.特 に,東日本大震災以降は,想定外の津波により防波堤が機 能しなかったことや1),釜石の奇跡と呼ばれる日常の津波 防災教育の効果が発揮された事例 2)から,ソフト面におけ る津波防災対策の重要性が注目されている.ソフト面の津 波防災対策において,住民個人が行うものとしては,日頃 から避難経路や避難場所を考えておくこと,非常持ち出し グッズの準備,津波避難訓練やワークショップへの積極的 な参加,津波に関する正しい知識の習得等,様々なものが 考えられる.これらの対策は,個別に取り組めばよいとい うのではなく,総合的かつ複合的に取り組むことで,より 効果を発揮すると考えられる. また,津波非常襲地域で予想される津波の特徴としては, 津波常襲地域と比較すると津波高が低いこと,津波到達時 間が長いこと等が挙げられる.津波非常襲地域で予想され る津波高は,津波常襲地域のように高さ10m を越えるよう な大きなものではないが,一般に,高さ1m の津波であっ ても人命に影響するとされている3).したがって,津波非 常襲地域においても津波対策を進める必要があると言える. さらに,南海トラフの巨大地震での津波非常襲地域は,わ が国の人口や産業の集中する地域を多く含むため,津波非 常襲地域での被害が国全体に影響を及ぼす可能性も大きい. また,過去に津波被災経験のない津波非常襲地域では,津 波常襲地域のように,津波に対する備えや津波避難に関す る知識の伝承はないと考えられる.以上のように,津波非 常襲地域と津波常襲地域を比較した場合には,想定される 被害や津波被災経験において大きな違いがある.このよう なことからも,津波非常襲地域においては,住民の津波に 対する関心や危機意識が低いことが想定され,津波に対す る備えも十分ではないと類推される. その一方で,津波防災に関する研究は多くなされており, 後述するように,住民の津波に対する備えや防災意識の現 状とその要因などが明らかにされてきた.しかし,住民の 津波に対する備えに関して,備えを行う人の特性に着目し た研究や,日常の備えが避難行動に及ぼす影響について詳 細に把握した研究はほとんどなく,研究蓄積は不十分であ る.また,既存研究の多くが津波常襲地域に焦点があてら れており,津波非常襲地域を対象とした津波防災に関する 研究は十分になされていない. 以上を踏まえ,本研究では,津波非常襲地域の居住者を 対象に津波防災に関する独自のアンケート調査を行い,津 波に対する個人の備えの実態を明らかにするとともに,「思 考」,「行動」,「知識」の3 方面から,個人・世帯属性によ る備えの傾向の違いを把握することを目的とする.具体的 には,1)個人レベルの備えの実態について複数の取組内容 に基づき類型化を行い,個人・世帯属性から各グループの 津波に対する“備え”特性の類型化と避難行動への影響

-津波非常襲地域の居住者を対象として-Preparation properties and its effects on evacuation activity for tsunami

- For regions with tsunami-inexperienced residents -

氏原岳人*・阿部宏史*・佐々木麻衣** Takehito Ujihara*,Hirofumi Abe*,Mai Sasaki** A huge earthquake centered in Nankai Trough is expected. Tsunami preparedness is required in regions where

residents have no tsunami experience. This questionnaire survey of a coastal area of Okayama city, a region with no tsunami experience, revealed properties of individual preparation and their effects on evacuation activity. Results show the following. 1) Five preparation types were identified based on nine tsunami-preparedness items. If a huge Nankai Trough earthquake occurs, 2) an “All-round type” comprising mostly households of old people and couples will tend to evacuate by foot. “Non-preparation type” comprising mostly single-person households will tend to evacuate by car. 3) Evacuation activity of “Knowledgeable type” resembles that of “Non-prepared type”

Keywords: huge Earthquake, preparation for tsunami, evacuation activity 巨大地震, 津波に対する備え, 避難行動

* 正会員 岡山大学大学院環境生命科学研究科(Okayama University, Graduate School of Environmental and Life Science) ** 学生会員 岡山大学大学院環境生命科学研究科(Okayama University, Graduate School of Environmental and Life Science)

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特性を明らかにするとともに,2)それらと今後想定される 巨大地震を想定した避難行動との関連性について統計的に 解析する. (2) 本研究の構成 第2 章で本研究の位置づけを行う.第 3 章では,分析対 象地域とアンケート調査の概要を述べるとともに,岡山市 沿岸部居住者の津波に対する危機意識の評価と,回答者の 個人属性の整理を行う.第4 章では,岡山市沿岸部居住者 の津波に対する備えの現状を明らかにする.第5 章では, 住民の津波に対する備えからクラスター分析による類型化 を行う.さらに,個人属性についてクロス集計,統計的検 定を行うことで,各グループの特性を明らかにする.第6 章では,第5 章で行った類型化の結果をもとに,備えが避 難行動に及ぼす影響を明らかにする.その上で,備え特性 と避難行動への影響から,岡山市沿岸部における津波避難 の課題を検討する.そして,第7 章で結論を述べる. 2. 本研究の位置づけ (1) 既存研究レビュー 津波防災対策に関する研究として,片田ら4)の研究では, 防災対応に関する行政依存意識が住民の防災行動の実施状 況に与える影響を明らかにした.また,防災対策・体制に 対する住民の意識構造を把握した菅原ら5)の研究や,市町 村における自治体が行う津波防災対策の実施率の現状を明 らかにした田中ら6)の研究がある. 津波防災教育に着目した研究としては,学校での防災教 育が,子供や家庭の防災意識向上に繋がっているかの実態 を把握した大木ら7)の研究や,高校生を対象とした津波エ キスパートによる防災講座が,津波防災の理解度及び当事 者意識に与える心理的影響の質と程度を明らかにした柄谷 ら8)の研究がある.また,照本9)は,防災教育と防災まちづ くりの連携に着目し,実践的津波避難訓練の実施体制を示 すと共に,その実施効果及び課題を検討した. 津波避難行動に関する研究として,山本ら10)は,予想さ れる津波の規模や避難場所に対する認識というアプローチ から,住民の避難行動に関わる意識構造を明らかにした. 河田ら11)は,被災経験の伝承に着目し,被災経験の伝承の 有無と避難行動の関係や,住民意識の現状を把握している. 避難の要因に関する柴山ら12)の研究では,震災以前の防災 に対する取組や地域防災訓練の参加状況に着目して,地域 特性から避難遅れの要因を明らかにした.また,南海トラ フの巨大地震を想定した防災意識や避難行動に着目した孫 ら13)の研究では,東日本大震災での課題を検討することか ら,今後は,住民一人ひとりに寄り添った津波防災対策が 必要であるとしている. このように,津波防災に関する研究は多くあり,行政が 行う防災対策の取組の実態や,住民意識と津波に対する備 えの関係は明らかにされてきた.また,住民の避難行動に 関しても,住民の防災意識や,津波常襲地域における被災 経験の伝承との関係は明らかにされている.しかし,津波 に対する備えに関して,住民の個人・世帯属性に着目し, どのような居住者が津波に対してどのような備えを行って いるのか,多種多様な取組内容を総合的な視座から捉えて 評価した研究は見当たらない.さらに,津波防災に関する 研究の多くは,津波常襲地域を対象としたもので,津波非 常襲地域を対象とした研究の蓄積は十分ではない. (2) 本研究の特長 本研究における特長を以下に示す. 1) 津波非常襲地域居住者を対象としたアンケート調査を 実施し,住民個人が行う津波に対する備えとして,「思考」 を伴う対策,「行動」を伴う対策,「知識」を伴う対策を 扱っており,個人レベルの津波に対する備えを総合的に 評価している. 2) 住民の津波に対する備えの現状から類型化を行い,各 グループの特性を,個人・世帯属性により統計的に明ら かにしている.また,特性指標は,誰もが容易に入手で きる国勢調査の基本指標を採用している.このため,自 治体や地域コミュニティ組織が,地域住民に対して津波 に関するソフト施策に取り組む際に,対象とする住民の 備えの現状と傾向を把握するための基礎資料となる. 3) 今後想定される巨大地震での津波被災の可能性がある 一方で,これまでの津波防災に関する研究ではあまり対 象とされておらず,研究蓄積が不十分な津波非常襲地域 を対象とした研究である. 3. 分析対象地域及びアンケート調査の概要 (1) 分析対象地域の概要 図-1 に示す岡山市南区は,過去に大きな津波被災経験は ないが,今後想定される巨大地震では,沿岸部で3m 程度 の津波が約3 時間後に来襲すると想定されており14),一部 地域を除くほぼ全域が浸水想定区域に入っている.また, 同区は,広大な干拓地から構成されており,近くに高台が なく,津波による人的被害が拡大する恐れのある地域であ る.なお,本研究では岡山市南区の中でも,図-1 に示すエ リアを対象とする(1).このエリアにおいても,今後想定さ れる巨大地震では,最大で2m~3mの津波の来襲が予想さ れている. (2) アンケート調査の概要 アンケート調査の概要を表-1 に示す.2012 年 11 月 21 日 に岡山市沿岸部(図-1)の居住者を対象に,各町丁目単位 の世帯数や居住形態(一戸建て・集合住宅)及び居住階数 に配慮して,1000 部を直接配布し,12 月 28 日までに郵送 回収により444 部を回収した.アンケート抽出率は,アン ケート調査対象地域の人口ベースで約2%,世帯ベースで 約5%となっている.なお,本アンケート調査では,今後 想定される巨大地震を想定した避難行動について尋ねてお り,家庭において,災害時の避難場所や避難経路を決定す

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るのは世帯主となる場合が多いと考えられるため,アンケ ート回答者を世帯主とした.また,津波常襲地域の既存ア ンケート調査15)と比較するために,同項目及び形式の調査 を追加している.アンケート調査項目は合計25 問で構成さ れており,個人属性や津波危機意識,防災対策への取組, 今後想定される巨大地震を想定した避難行動などについて 尋ねている. アンケート回答者の個人・世帯属性を図-2 に示す.本研 究におけるアンケート調査では,アンケート回答者を世帯 主としているため,性別では男性の割合が高くなっている. また,対象地域の60 代以上人口の割合は約 3 割であるのと 比較すると,アンケート回答者は60 代以上の高齢層の割合 が高くなっており,この点については,分析結果を考察す る際にデータ上の制約として留意する必要がある. (3) 岡山市沿岸部居住者の津波に対する危機意識 本研究で実施したアンケート調査では,東南海・南海地 震(2)に関する質問をしている.その結果を,津波常襲地域 である和歌山県で実施された地震・津波に関する県民意識 調査15)の調査結果と合わせて,クロス集計,独立性の検定 及び残差分析を行うことで,岡山市沿岸部居住者の津波に 対する危機意識を相対的かつ統計的に評価する.なお,和 歌山県の調査では,東南海・南海地震による津波で全域も しくはほとんどが浸水深1m 以上とされる地域を津波危険 地区,それ以外の地域を全県と定義している.結果を図-3 と図-4 に示す.東南海・南海地震への関心(図-3)では,非 常に関心があるとした人が,和歌山県ではそれぞれ45%, 44%であるのに対して,岡山市南区では 27%と低い.また, 東南海・南海地震が起こる可能性への考え(図-4)でも同様 に,明日起きても不思議はないと思っている人が和歌山県 ではそれぞれ47%,45%であるのに対して,岡山市南区で は24%と低い.以上の結果から,今後想定される巨大地震 において津波被害が想定されている岡山市沿岸部居住者の 津波に対する危機意識は,津波常襲地域と比較して相対的 に低いことが統計的に示された.このことからも,今後想 アンケート調査対象地域 北区 中区 東区 南区 岡山市 図-1 分析対象地域 表-1 アンケート調査の概要 調査方法 直接配布、郵送回収 配布地域 岡山市南区浦安学区、南輝学区、福島学区 調査対象者 世帯主 調査期間 2012年11月21日-12月28日 配布部数 1000部 回収部数 444部(回収率44.4%) ①回答者自身について ②東南海・南海地震について ③地域との関わりについて ④津波防災対策への取組について ⑤東南海・南海地震を想定した津波避難 あについて ⑥今後の調査協力について 調査項目 82% 2% 47% 9% 84% 5% 18% 8% 24% 3% 16% 9% 16% 28% 3% 15% 14% 1% 32% 17% 29% 6% 19% 31% 32% 21% 14% 11% 1% 3% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 性別 (n=430) 年齢 (n=435) 世帯内 高齢者人数 (n=432) 世帯構成 (n=433) 居住形態 (n=435) 居住年数 (n=431) 男 女 20代 30代 40代 50代 60代 70歳以上 0人 1人 2人 3人 三世代同居 夫婦+親 世帯主+親 夫婦+子 世帯主+子 夫婦のみ 単身世帯 その他 一戸建て 集合住宅 1年以内 2‐5年 6‐10年 11‐20年 21‐30年 31‐40年 41‐50年 50年より長い 図-2 回答者の個人・世帯属性 27% 45% 44% 48% 39% 42% 21% 15% 11% 3% 1% 1% 1% 1% 2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 岡山市南区 (N=444) 和歌山県 津波危険地区 (N=947) 和歌山県全県 (N=961) **(+) **(‐) **(+) *(+) **(‐) **(‐) *(‐) **(+) **(+) 非常 襲 地 域 非常に関心がある 関心がある 多少関心がある 関心がない 無回答 (p値:0.0000) 独立性の検定1%有意 <残差分析>**1%有意 5%有意 (+)割合が高い (‐)割合が低い 常襲 地域 <出典:平成23年度地 震・津波に関する県民 意識調査 和歌山県> 図-3 東南海・南海地震への関心

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定される巨大地震に対する危機意識の低さから津波に対し て油断が生じている地域であると考えられる. 4. 住民の津波に対する備えの実態把握 本研究のアンケート調査においては,住民の津波に対す る備えについて尋ねている.なお,対象項目としては,津 波避難時の避難場所や避難経路を決めているかどうか,非 常持ち出しグッズの準備の有無,津波ワークショップや避 難訓練への参加の有無,大津波警報・津波警報・津波注意 報の違いや避難勧告・避難指示の違いを知っているか等を 挙げている(表-2). その結果を図-5 に示す.避難場所や避難経路,交通手段 などを決めているかについては,「決めている」とした人が それぞれ41%,31%,37%であった.また,「決めようとは している」と答えた人がそれぞれ20%以上を占め,津波避 難について考える必要性は感じている一方で,避難場所や 避難経路を実際には決めることができていない人も多数い ることが明らかとなった. 非常持ち出しグッズの準備についても同様に,「準備して いる」とした人はわずか17%に止まり,「準備しようとは している」とした人が31%を占めており,8 割以上の住民 が準備をしていない状況が明らかとなった. 地域の津波避難訓練への参加(3)やワークショップ等の津 波に関する勉強会への参加の有無については,「参加したこ とがある」とした人は,それぞれ2%,4%と他の項目と比 較しても著しく低い割合となっている.これは,過去に大 きな津波被災経験のない岡山市沿岸部では,津波避難訓練 や津波に関するワークショップの開催自体が少ないことも 示唆していると考えられる. 津波ハザードマップ(以下,津波HM)を「閲覧したこと がある」とした人は40%を占めている. 津波に関する警報・注意報の違いについては「知ってい る」とした人は42%であるのに対し,避難勧告・指示の違 いについては「知っている」とした人は70%と大きな割合 を占めている.津波災害がほとんどない岡山市沿岸部であ るが,高潮や大雨による洪水の被害はあるため,避難勧告・ 避難指示の違いについては多くの住民が知っていると考え られる. 5. 津波に対する備え特性 (1) クラスター分析による備えタイプの類型化 本研究における住民の津波に対する備えの項目として, 先述の「避難場所を決めている」,「非常持ち出しグッズの 準備」,「ワークショップへの参加」,「津波警報・注意報の 違いを知っている」などの9 項目を扱う.また,表-2 のよ うに,備えに関するそれぞれの項目を「思考」を伴う備え, 「行動」を伴う備え,「知識」を伴う備えの3 つに分類して 分析する.例えば,表-2 の上から 3 項目については,津波 避難時の避難場所や経路,交通手段を決めているかのよう に,津波避難時の行動を頭で考えているかに関する項目で あることから,「思考」を伴う備えとして分類される.その 一方で,頭の中で考えていることと,実際に避難訓練など に参加して行動に移しているかは別問題である.このよう に,津波に対する備えに関する項目を分類して扱うことで, 「思考」,「行動」,「知識」の3 方面から総合的に個人の津 波に対する備えの現状を評価する. 表-2 備え項目の分類 津波避難時の避難場所を決めている 津波避難時の避難経路を決めている 津波避難時の交通手段を決めている 津波避難に備えて非常持ち出しグッズを準備している 地域の津波避難訓練に参加したことがある ワークショップ等の津波に関する勉強会に参加した ことがある 津波ハザードマップを閲覧したことがある 津波警報・大津波警報・津波注意報の違いがわかる 避難勧告・避難指示の違いがわかる 思考 行動 知識 41% 31% 37% 17% 2% 4% 40% 42% 70% 26% 27% 21% 31% 98% 96% 60% 58% 30% 33% 42% 42% 53% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 避難場所を決めている (n=430) 避難経路を決めている (n=431) 避難の交通手段を決めている (n=429) 非常持ち出しグッズの準備 (n=429) 津波避難訓練への参加 (n=431) ワークショップへの参加 (n=432) 津波HMの閲覧(n=429) 津波警報・注意報の違い (n=432) 避難勧告・指示の違い (n=433) 決めている 決めようとはしている 決めていない 準備しようとはしている ある ない 知っている 知らない 準備している 準備していない 図-5 津波に対する備えの現状 24% 47% 45% 6% 3% 4% 17% 12% 16% 10% 10% 11% 3% 2% 2% 39% 25% 20% 1% 1% 2% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 岡山市南区 (N=444) 和歌山県 津波危険地区 (N=947) 和歌山県全県 (N=961) ここ10年くらいの間に起きそうだ (p値:0.0000) 独立性の検定1%有意 <残差分析>**1%有意 5%有意 (+)割合が高い (‐)割合が低い 明日起きても不思議はないと思っている 2~3年以内に起こりそうだ ここ20~30年の間に起きそうだ もっと先のことだと思う 起きる時期はわからない 無回答 **(‐) *(+) **(+) **(+) *(‐) **(‐) *(+) **(‐) *(+) 非常 襲 地 域 常襲 地域 <出典:平成23年 度地震・津波に関 する県民意識調査 和歌山県> 図-4 東南海・南海地震が起こる可能性への考え

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表-2 に示す備えの 9 項目について,「取り組んでいる・ 知っている」項目を1 点,「取り組んでいない・知らない」 項目を0 点のように得点化する.なお,「決めようとはして いる・準備しようとはしている」に関しては,現段階で取 り組むことができていないため,「取り組んでいない・知ら ない」と同様に 0 点とする.さらに,回答者1 人ひとりに ついて「思考」,「行動」,「知識」それぞれの総得点を算出 する.例えば,「思考」を伴う備えの3 項目全てに取り組ん でいる人の「思考」の総得点は3 点となり,「思考」を伴う 備えの3 項目のうち 1 項目だけ取り組んでいる人の「思考」 の総得点は1 点のようになる.この得点化した結果をもと に,クラスター分析のward 法を用いて類型化を行い,各ク ラスターの「思考」,「行動」,「知識」それぞれの平均値を 算出した.なお,クラスター分析の距離の計算にはユーク リッド距離法を用いている.その結果を表-3 に示す.平均 値の最大は3.00,最小は 0.00 であり,数値が大きい程備え ができていることを表す.例えば,クラスター2 の「思考」 は3.00 となっていることから,クラスター2 の人は「思考」 の3 項目全てに取り組んでいることを表している.また, 表-3 においては,「思考」,「行動」,「知識」それぞれにつ いてクラスター間で平均値の上位2 つに網掛けをしている. その結果,各クラスターの特徴を相対的に評価し,それぞ れのグループを「思考タイプ」,「行動タイプ」,「知識タイ プ」,「オールラウンドタイプ」,「無対策タイプ」とネーミ ングした.「思考タイプ」,「行動タイプ」,「知識タイプ」は, それぞれ「思考」,「行動」,「知識」を伴う備えを行ってい る割合が他のグループと比較して相対的に高いグループで ある.例えば,「思考タイプ」とは,「思考」を伴う備えは 相対的にできているが,「行動」や「知識」が伴っている割 合が相対的に低いグループを表す. さらに,各クラスターの「思考」,「行動」,「知識」の平 均値の合計を算出した結果,最も平均値の合計が大きいタ イプは「オールラウンドタイプ」であった.しかし,「行動」 の平均値の低さが際立っており,「オールラウンドタイプ」 であっても「行動」を伴う備えはあまりできていない.同 様に,「行動タイプ」であっても「行動」の平均値は,0.42 と高くない.つまり,本研究の類型化に基づくネーミング は,津波非常襲地域である岡山市沿岸部の居住者を対象と した相対的評価に基づくものである.したがって,「オール ラウンドタイプ」は,絶対的評価による「ベストタイプ」 ではなく,改善余地のあるものであることに留意する必要 がある.このため,今回の研究では,あくまで津波に対す る備えの実態を統計的に把握することに主眼を置いており, 「ベストタイプ」を抽出することを目的としていない. (2) 津波に対する備えタイプの特性 前節で行った類型化のグループに対して,表-4 に示す個 人・世帯属性の指標とのクロス集計,独立性の検定,残差 分析を行うことで,各タイプの特性を把握する.なお,残 差分析は独立性の検定で有意となった指標のみに行った. 検討指標には,国勢調査にて誰でも容易に入手できる基礎 統計指標であることを考慮して選定した. 表-4 には独立性の検定結果を示しており,検討指標のう ち,年齢や高齢者の有無,世帯構成などで有意な結果が得 られた.それら指標を特性指標として採用し,さらなる詳 細な分析(残差分析)を実施した結果を表-5 に示す. 備えタイプ別にその特性を見ていくと,「思考タイプ」で は,居住年数が31-40 年の人が多い傾向が見られ,同じ地 域に比較的長く居住する住民は,避難場所や避難経路につ いては考えている傾向にあった.一方で「行動」や「知識」 を伴う備えができていないという問題もあるタイプである. 「思考」や「知識」が伴っていない「行動タイプ」には, 30 代以下で居住年数も 6-10 年以内と短い比較的若年層の 人が多くみられ,若い居住者は頭で考えるよりもまず,実 際に非常持ち出しグッズを準備する等の行動に移す人が比 較的多い傾向にあることが明らかになった.また,津波避 難に関する知識しかなく,具体的な避難行動を考え,実際 に自分自身で行動して津波避難に備えることができていな い「知識タイプ」には,60 代の人が多い傾向にある.一般 に,60 代というのは体力が衰え始める年齢でもあるため, 自分自身の体力や状況を考慮できていない備えだけでは, 災害時に避難したくても安全に避難できないという状況に 陥る可能性が高いと考えられる.津波に対する備えについ てどの備え項目の分類でも相対的に高く評価された「オー 表-4 備え特性分析の検討指標 指標 分類 χ2値 P値 採用 性別 男、女 3.92 0.42 不可 年齢 30代以下、40代、50代、 60代、70代以上 27.34 0.04 可 職業 会社員など勤め人、 非勤め人、無職 8.49 0.39 不可 世帯人数 1人、2人、3人、4人、 5人以上 23.34 0.11 不可 高齢者の有無 いる、いない 8.43 0.08 可 世帯構成 三世代同居、核家族、 夫婦のみ、単身世帯、 その他 26.78 0.04 可 居住形態 一戸建て、集合住宅 9.66 0.05 可 居住年数 1年以内、2-5年、6-10年、 11-20年、21-30年、 31-40年、41-50年、 50年より長い 41.67 0.05 可 表-3 備えタイプの類型化 クラスター n 思考 行動 知識 合計値 タイプ 1 57 0.44 0.42 0.97 1.83 行動 2 44 3.00 0.25 2.43 5.68 オールラウンド 3 78 0.28 0.10 2.36 2.74 知識 4 44 0.00 0.00 0.00 0.00 無対策 5 36 2.58 0.17 1.00 3.75 思考 サンプルベース 259 1.05 0.19 1.47 2.71

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ルラウンドタイプ」では,70 歳以上の高齢者,高齢者のい る世帯,三世代同居や夫婦のみ世帯が多く,他タイプと比 較して統計的に明確な傾向が見られた.災害弱者となる可 能性が高い世帯は,他の居住者と比較して突出した傾向が 浮き彫りになった.さらに,「オールラウンドタイプ」の割 合が少ないのは,30 代以下で高齢者がいない核家族世帯で, 居住年数の短い世帯であった.この特性は,新興住宅地に 該当し,このような地域では,地域コミュニティでの防災 対策が急務となる.最後に,備えをいずれの項目において も全く行っていない「無対策タイプ」では,単身世帯の人 が多い傾向にあり,単身世帯に対してどのように津波に対 する備えを促していくかも今後の課題となる. また,「思考タイプ」,「行動タイプ」,「知識タイプ」のよ うに1 つの備え指標が秀でたタイプと比較し,総合的な備 えが評価された「オールラウンドタイプ」で,個人・世帯 属性による特性の差異が明確に見られた.この結果は,タ イプ分類を行い,「思考」,「行動」,「知識」の 3 方面から備 えを評価したことで見えた傾向と言える. 6. 備え特性が津波避難行動に及ぼす影響 岡山市沿岸部における津波の特徴として津波到達時間が 長いことが挙げられる一方で,同地域は,地形的な要因か ら長距離の避難が必要になる可能性が高い.したがって, 岡山市沿岸部において津波避難を考える際には,「避難時の 交通手段」及び「避難開始のタイミング」が重要なポイン トになると考えられる.そこで,本分析では今後想定され る巨大地震が発生した場合の避難行動として,「津波避難時 の交通手段」と「避難開始のタイミング」を扱う.なお, 避難開始のタイミングは,地震の揺れが治まってから自宅 を出るまでの時間としている.さらに,アンケート調査で は,これらの避難行動について避難することを前提に尋ね ているため,実際に津波が発生した場合に避難するかどう かの「避難意向」についても避難行動の指標とし,以上の 3 項目を避難行動として採用した.これらの避難行動と備 えタイプとのクロス集計,独立性の検定,残差分析を行う ことで,津波に対する備え特性が,今後想定される巨大地 震を想定した場合の避難行動に及ぼす影響を統計的に明ら かにする.なお,さきほどと同様に残差分析は独立性の検 定で有意となった項目にのみ行った. 分析結果を図-6 に示す.その結果,「津波避難時の交通 手段」,「避難意向」においては統計的に有意な差が見られ たが,「避難開始のタイミング」については,統計的に有意 な差は見られなかった. 津波避難時の交通手段(4)については,「オールラウンドタ イプ」,「思考タイプ」の人は徒歩での避難を想定し,「知識 タイプ」,「無対策タイプ」の人では,自動車での避難を想 定する傾向が統計的に見られた.つまり,津波に関する知 識を持っている「知識タイプ」よりも,避難時の経路や避 難場所を考えている「思考タイプ」の居住者の方が,徒歩 での避難を想定できている.したがって,自動車避難を考 える居住者に徒歩避難を促す場合には,津波に関する知識 を与えるより,むしろ実際に避難経路や避難場所を住民自 身に考えさせることが効果的であると考えられる.加えて, 事前に避難ルートや手段を考えていない居住者は,突発的 に発生する地震災害の場合に,自動車を選択する傾向にあ ることも類推される. 避難意向については,“避難する”,“避難する可能性が高 い”,を避難意向があると考えると,タイプ特性による違い はほとんど見られない.しかし,実際に“避難する”と考 えている人は「オールラウンドタイプ」,「思考タイプ」に 多い傾向にあり,「知識タイプ」,「無対策タイプ」では少な い傾向であった.この結果から,「オールラウンドタイプ」, 「思考タイプ」の人は,避難行動をより現実的に考えるこ とができていると考えられる. 避難開始のタイミングに関しては,備え特性によって統 計的に有意な傾向は見られなかったが,「オールラウンドタ イプ」と「思考タイプ」では似た傾向が見られる等,タイ プ毎に特徴が見られた.その中でも特徴的なタイプを見る 表-5 津波に対する備え特性 年齢** 高齢者の有無* 世帯構成** 居住形態** 居住年数** 三世代同居 夫婦のみ 核家族 単身世帯 高 31-40年 低 高 30代以下 6-10年 低 60代 高 60代 低 高 単身世帯 低 <独立性の検定> ***  : 1%有意 <残差分析>  : 1%有意 **  : 5%有意  : 5%有意 *  : 10%有意 思考タイプ(n=36) 有意 無対策タイプ(n=44) 有意 行動タイプ(n=57) 有意 知識タイプ(n=78) 有意 低 30代以下 いない 6-10年 オールラウンドタイプ(n=44) 有意 高 70歳以上 いる

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と,「知識タイプ」では,5 分以内で避難を開始する人がお らず,61 分以上経ってから避難を開始する人が他のタイプ と比較して最も多い17%であった.このことから,津波に 関する知識だけ持っていても,迅速な避難に繋がるという わけではないと考えられる. また,「思考タイプ」は,備え対策が相対的に高く評価さ れた「オールラウンドタイプ」と類似した傾向にある一方 で,「知識タイプ」は備えが全くできていない「無対策タイ プ」と似た避難行動をとる傾向が見られた.つまり,防災 に関する知識があるからと言って,必ずしもそれが安全な 避難行動につながらない可能性が示唆された. 7. 結論 本研究によって得られた主要な結果を以下に示す. 1) 住民の津波に対する備えの現状を,「思考タイプ」,「行 動タイプ」,「知識タイプ」,「オールラウンドタイプ」,「無 対策タイプ」の5 つの備えタイプに分類し,年齢,高齢 者の有無,世帯構成,居住形態や居住年数による特性の 差異を明らかにした.一方,(津波非常襲地域を対象とし たこともあり,)類型化したいずれのタイプにおいても 「行動」項目において課題を有することが明らかになっ た. 2) 本研究の対象の中では,備え対策が相対的に高く評価 された「オールラウンドタイプ」には,70 歳以上の高齢 者や夫婦のみ世帯が多く,徒歩避難を想定している傾向 が見られた.一方,どの項目においても全く備えができ ていない「無対策タイプ」は,単身世帯が多く,自動車 避難を想定する傾向にあった. 3) 備えタイプは,津波避難時の交通手段や避難意向に関 しては統計的に有意な差が見られたが,避難開始のタイ ミングでは見られなかった.また,関連性が見られた避 難時の交通手段に関しては,「思考タイプ」では徒歩避難 を想定し,「知識タイプ」では自動車避難を想定する傾向 にあった.したがって,徒歩避難を促す際には,知識を 与えるよりも,実際に避難経路や避難場所を考えるなど, 住民自身に“自ら”避難行動について考えさせることが 効果的であると示唆される. 4) 個人の津波に関する備えに関して,「思考」,「行動」, 「知識」という3 つの指標から見たことで,タイプ毎に その特性を把握すると共に,どういった人がどのような 備えを怠る傾向にあるのかも明らかとなった.自治体等 が住民に対して津波に関するソフト施策を実施する際に, この成果を情報として提供することで,対象とする住民 が怠りがちな備えを意識づけることに繋がると考えられ 26% 28% 42% 57% 69% 5% 8% 8% 14% 58% 50% 37% 25% 19% 7% 8% 15% 9% 12% 9% 14% 25% 13% 14% 28% 28% 42% 55% 62% 67% 64% 40% 32% 19% 42% 33% 40% 44% 40% 12% 22% 19% 17% 19% 2% 1% 28% 31% 19% 25% 17% 2% 2% 3% 16% 14% 8% 17% 14% 0% 20% 40% 60% 80% 100% オールラウンドタイプ(n=43) 思考タイプ(n=36) 行動タイプ(n=52) 知識タイプ(n=75) 無対策タイプ(n=42) オールラウンドタイプ(n=43) 思考タイプ(n=36) 行動タイプ(n=52) 知識タイプ(n=75) 無対策タイプ(n=42) オールラウンドタイプ(n=43) 思考タイプ(n=36) 行動タイプ(n=52) 知識タイプ(n=76) 無対策タイプ(n=42) 交通 手段 避 難のタ イ ミ ン グ 避難 意向 自転車 徒歩 自動車 その他 **(+) **(+) **(‐) *(‐) 5分以内 6‐10分 11‐30分 31‐60分 61分以上 *(+) **(+) *(‐) **(‐) 避難する 避難する可能性が高い 避難する可能性が低い 避難しない **(+) *(‐) *(‐) *(‐) *(‐) *(+) *(+) 避難の 交通手段 避難開始の タイミング 避難意向 χ2値 自由度 P値 35.22 12 0.00 χ2 自由度 P値 19.73 16 0.23 χ2値 自由度 P値 26.88 12 0.01 図-6 備え特性と避難行動の関係 <残差分析>**1%有意 *5%有意 (+)割合が高い (-)割合が低い

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る. なお,今後の課題として,避難行動に関しては,居住地 や住民の状況によっては自動車での避難が必要になる可能 性もあるため,津波避難時の自動車利用の可能性について も検討していきたい. 【謝辞】 本論文のアンケート調査の実施にあたっては,岡山県岡 山市南区の住民の皆様,岡山大学地域環境計画学研究室の 学生を含め,多くの方々の多大なる協力を頂いた.ここに 記し,感謝の意を表す. 【補注】 (1)調査実施時には,岡山市では津波避難時に利用可能な避 難施設について検討段階であった.平成25年9月時点では, 市内に公共・民間施設合わせて50 の津波避難ビルが指定さ れている. (2) 従来,岡山県及び岡山市では「東南海・南海地震」に 対して,地震発生後約2 時間45 分前後で,最大津波高2.82m の津波が想定されていた.そのため,調査段階では,「南海 トラフの巨大地震」ではなく,「東南海・南海地震」の用語 を用いた.この想定は,「南海トラフの巨大地震」に関する 想定と,浸水範囲に多少の差異は見られるものの,ほぼ同 規模であり16),アンケート調査対象地域においても同様で ある. (3)同地区では,国道交通省,市及び県が主催する大規模津 波防災訓練が年1 回実施され,小・中学校での防災キャン プが年に数回実施されている.しかし,町内会等の小規模 な地域レベルの取組状況は,把握できていない. (4)内閣府の方針で,「原則徒歩」と定められているが,居 住地や人によっては,自動車での避難が必要な場合も考え られる. 【参考文献】 1) 朝日新聞 DIGITAL「日本一の防潮堤」無残想定外の大 津波、住民ぼうぜん」:http://www.asahi.com/special/10005/ TKY201103190440.html,2013 年 7 月 16 日最終閲覧 2)片田敏孝:人が死なない防災,集英社新書,2012. 3)河田恵昭:大規模地震災害による人的被害の予測,自然災 害科学,Vol.16(1),pp.3-13,1997. 4)片田敏孝,木下猛,金井昌信:住民の防災対応に関する行 政依存意識が防災行動に与える影響,災害情報学会,No.9, pp.114-126,2011. 5) 菅原遼,畔柳昭雄:津波防災対策・体制に対する住民の 意識構造に関する研究―和歌山県串本町の 4 地区を対象 として―,日本建築学会大会学術講演概要集,E-2,建築 計画Ⅱ,住居・住宅地,農村計画,教育,pp.561-562, 2009. 6) 田中亮平,高橋智幸,河田恵昭,井上雅夫:行政へのア ンケート調査に基づく津波防災対策の指標の提案,土木 学会関西支部年次学術講演会講演概要集,pp.Ⅱ-112-1-Ⅱ-112-2,2002. 7) 大木麻美,田中直人:防災教育の実施状況と世代別に見 た住民意識―高知県安芸市・和歌山県串本町における調 査―,日本建築学会大会学術講演梗概集,F-1,都市計画, 建築経済・住宅問題,pp.359-360,2007. 8)柄谷友香,越村俊一,首藤伸夫:持続可能な津波防災教 育に向けた知識の体系化に関する研究,土木学会地震工 学論文集,第27 巻,pp.1-8,2003. 9)照本清峰:地域と学校の連携による津波被害軽減のため の実践的活動のあり方に関する考察,土木計画学研究・ 講演集(CD-ROM),第 46 巻,2012. 10)山本尚明,村上仁士,上月康則,後藤田忠久: 四国にお ける津波被災地住民の意識構造分析に基づく津波防災の あり方について, 土木学会海岸工学論文集,第45 巻, pp.381-385,1998. 11)河田恵昭,柄谷友香,酒井浩一,矢代晴実,松本逸子: 津波常襲地域における住民の防災意識に関するアンケー ト調査,土木学会海岸工学論文集,第46 巻,pp.1291-1295, 1999. 12)柴山菜摘,森田哲夫,細川良美,塚田伸也,三上卓,後 藤洋三:東日本大震災津波避難行動調査に基づく避難遅 れの要因分析,土木計画学研究・講演集(CD-ROM),第 46 巻,2012. 13)孫英英,矢守克也,谷澤亮也,近藤誠司:南海トラフ巨 大地震・津波を想定した防災意識と避難行動に関する住 民,災害情報学会,No.11,pp.69-79,2013. 14)内閣府南海トラフの巨大地震モデル検討会(第二次報 告),2012. 15) 平成 23 年度地震・津波に関する県民意識調査,和歌山 県 16)岡山市ホームページ:http://www.city.okayama.jp/soumu/ bousai/bousai_00051.html,2013 年 11 月 29 日最終閲覧

参照

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