• 検索結果がありません。

4.5 Type Classificarion

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "4.5 Type Classificarion"

Copied!
62
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

JSA 国際標準化支援センター 改訂2007-03

国際標準化 質問と回答

事例集

国際標準化コンサルティング体制整備事業

(Q & A at

consult@jsa.or.jp

目次

1. 組織(委員会・WG)の編成と参加 --- 4

1.1 TC/SC の P-/O-メンバーと National body との関係 --- 4

1.2 ISO への参加地位と投票について --- 4

1.3 国内審議委員会委員長が TC/SC 議長を兼ねる事は可能か--- 6

1.4 WG の構成について --- 7

1.5 TR (Technical Report) 作成を目的にした WG について --- 8

1.6 Chairman’s Advisory Group (CAG ) について --- 8

1.7 Vice chairman を置く --- 8

1.8 Liaison officer を置く --- 9

1.9 台湾の ISO/IEC への参加 --- 9

2 新規提案 (New work item proposal:NP)をする---10

2.1 提案先 TC/SC の見つけ方 ---10

2.2 特定分野で最近の規格開発状況を調べたい---11

2.3 Stand-by 状態の TC/SC ---12

2.4 ISO への規格の提案と Fast track(迅速法)---13

2.5 迅速法の手順と FDIS への直接提案 ---14 2.6 規格改正に当たっての NP の成立要件---15 2.7 新作業項目の掘り出し---16 3 新たな委員会の設置を提案する ---16 3.1 新たな TC の設置の提案---16 3.2 新たな SC の設置の提案---18 3.3 新たな WG の設置の提案---18 4 国際規格を書く ---19 4.1 ISO テンプレート;STD と Basic の違い、どちらを使うべきか---19 4.2 ISO/TR,TS,PAS 作成用のテンプレート ---19 4.3 文字化けを防ぐ ---20 4.4 規格用図面の作成---20

(2)

4.5 Type と Classificarion ---21 4.6 数値の規定に実験の外挿値を用いる---21 4.7 Normative reference に国家規格を引用する ---22 4.8 Normative reference に TR を引用する---23 4.9 Bibliography への記載事項 ---23 4.10 企業名の記載 ---23 5 規格策定の審議の過程で ---24 5.1 著作権と審議用文書の配布---24 5.2 特許の取り扱い ---24 5.3 公式言語ルールと仏・露語の扱い---26 5.4 ISO(DIS/FDIS)文書の仏語訳 ---26 5.5 なぜ提案段階と照会段階での投票依頼先が違うのか ---27 5.6 投票結果の集計の仕方---28 5.7 DIS/FDIS の承認要件;反対投票 1/4 以下について ---28 5.8 CD 案件の投票結果への対応と DIS 文書の作成 ---29 5.9 CD 昇格決定後の WD の修正 ---29 5.10 DIS 投票結果のとりまとめと連絡 ---30 5.11 DIS を TS として発行する ---30 5.12 投票結果の扱いの異議申し立て ---31 5.13 FDIS の校正(proof)の仕方---32 5.14 TR の作成手順について---32

5.15 IWA(International Workshop Agreement)について---33

5.16 キャンセルが迫った案件の Target date の延長 ---33 5.17 作成中の規格の番号の変更 ---34 6 ISO 規格を見直すに当たって ---35 6.1 投票し、コメントを提出する(投票画面)---35 6.2 ISO 規格の中間見直し ---36 6.3 ISO 定期見直しの投票結果の取り扱い ---37 6.4 ISO 定期見直しでの改正(Revision)の手続き ---38 6.5 定期見直し後の報告までのリードタイム---39 6.6 定期見直し結果報告の配布先---39 6.7 MINOR REVISION(小改正) ---40 7 ウイーン協定について ---41 7.1 ウイーン協定の CEN リードについて ---41 7.2 ISO/CEN 同時並行投票の案件の進め方 ---42 7.3 並行投票の結果の集計とコメント処理---43 8 国際市場性(Global relevance)---44

(3)

8.1 ISO の国際市場性の政策とは ---44

8.2 国際市場性の規格に仕上げる---45

8.3 Market difference と Essential difference ---46

8.4 ISO と IEC の国際市場性の政策の違い ---47 9 国際会議への参加と招聘・開催---47 9.1 ISO の国際会議に初めて参加する手続き ---47 9.2 国際会議へ参加する心構え ---48 9.3 国際会議の招聘と国内手続き ---51 9.4 国際会議の開催準備---51 9.5 会議開催通知の時期---54 9.6 ISO TC/SC/WG 会議を開催する際の定足数 ---55

9.7 会議結果のまとめ:Minutes と Report of the meeting ---55

10 Global Directory ---57 質問 1. 「Global Directory: GD」とは? ---57 質問 2. 国内委員会全員の登録をしたいが? ---57 質問 3. 手持ちの Username と Password でアクセスできない ---57 11 その他の一般的事項に関る Q&A ---58 11.1 Technical corrigendum の入手方法 ---58 11.2 国際規格の正式翻訳版の作成と発行 ---58

11.3 規格発行の際の Standards Marketing Data Form---59

11.4 ISO/IEC での公式文書の管理・保管義務---60

11.5 International Standard と international standard との違い---60

(4)

1. 組織(委員会・WG)の編成と参加

1.1 TC/SC の P-/O-メンバーと National body との関係

【ISO/IEC Directives ISO Supplement ;Annex SF】で、文書の配布に関する規定が表になっています。 この表中、上の欄に、TC or SC P-members と、TC or SC O-members とがあり、そのずっと右方に National bodiesというのがあります。このNational bodies とは何を意味するのでしょうか。会員団体 であればMember body(MB) のはずですが。

【答え】

P-/O-memberとは、TC/SCにその旨を登録しているMBを指しますが、単にMBと言えば、TC/SCとは 関係なく、ISOで正会員の会費を払っている国の代表団体を指します。

ちなみに、IEC側は正会員をNational Committee(NC)と呼んでおり、ISOではMember bodyと呼んでい ます。ISO/IEC Directivesは両組織に共通であるため、「正会員」をISO/IECの折衷にしてNational bodyと呼んでいるのではないかと思われます。従って、ISOではNational body = Member bodyと理解 されます。

1.2 ISO への参加地位と投票について 質問 1. ノンメンバーについて

【ISO/IEC Directives, Part 1, 1.7.1】には“ノンメンバー”という用語が出てきませんが、「P メンバー でもO メンバーでもない地位を選ぶことができる」とあります。 これがノンメンバーを指すのでしょ うか?

【答え】

その通りです。ISO の仕組みは、正規の会費を払って正会員(Member body:MB)になると、希望す るどのTC/SC にでも参加できます。この裏返しは、希望しない TC/SC には参加しなくともよいとい うことになり、TC/SC 側から見ると、その委員会に登録している MB は P-/O-のいずれかですが、登 録していないMB もあるわけで、これを Non-member と呼んでいます。

質問 2. 照会原案及び FDIS への投票について

【ISO/IEC Directives Part 1, 1.7.1】に、「すべての各国代表団体は、その TC 又は SC 内のこれらの 地位にかかわりなく、照会原案(ISO は DIS;IEC は CDV) 及び FDIS 投票の権利を有する」とありま すが、投票の分類ではPメンバーは義務、Oメンバーとノンメンバーは権利ということでしょうか。 【答え】 その通りです。CD までの規格案の審議と投票は TC/SC に登録している MB(この MB と Liaison メン バーを合わせてCommittee member:委員会メンバーと呼びます)の間で行われますが、DIS/FDIS で はISO の全 MB を対象に投票が行われます。 しかし、投票の集計に際し、重みが異なります。DIS/FDIS の集計では、賛成票は P-メンバーを対象に 集計し、反対票は投票した全てのメンバーを対象に集計します。承認条件は、投票したP-メンバーの 2/3 以上の賛成と、投票した有効投票の全数の1/4 以下の反対であり、この両者が同時に満たされて初 めて成立します。棄権票と理由が付いていない反対票は投票がなかったと同等に扱われ、集計から除 外されます。 この集計と成立条件の考え方は、賛成票は直接関係する国々の意向をくむと同時に、DIS 段階になっ て初めて規格案を見るノンメンバーで、不都合がある国々の意向をくみ上げるとの趣旨と理解されま す。

(5)

質問 3. Oメンバー及びノンメンバーに WD, CD, DIS, FDIS はどのように配布されるのでしょうか? 【答え】

文書配布のルールの詳細は【ISO/IEC Directives, Supplement-ISO(2001 版)付属書 SF(規定)】をご 覧ください(和英対訳版:http://www.jsa.or.jp/itn/itn08.asp)。

Working Draft(WD) は WG に参加しているP-メンバーが指名した専門家(エキスパート)のみに配布 されます。WG で議論をつくした後に、投票者を TC/SC 委員会メンバーに広げて、意見を求めるのが Committee Draft(CD)です。CD は国際幹事から TC/SC の O-, P-及びリエゾンメンバーに配布され、投 票が行われます。その際、投票結果の集計はP-メンバーの賛否のみが考慮されますが、出されたコメ ントはP-,O-,リエゾンの区別無く、同じに扱われ、規格案の修正に当たって考慮されます。 Committee での審議がつくされ、Draft International Standard(DIS) の段階(照会段階)に上げること が合意されると、更に投票対象を全MB に広げて DIS と FDIS(Final DIS) の投票が行われます。これ らは、全MB が対象ですので、ISO の中央事務局(ISO/CS)から配布されます(ISO TC サーバーを通じ て世界に配布されますが、日本では経産省基準認証国際室のe-JISC システムで一旦受けて、国内の審 議団体へ通知・配布されています)。 質問 4. WG への参加者とは、WG の専門家か、指名した MB のどちらを指すのでしょうか? また、 専門家を指名しない P-メンバーには WD 関連文書が、またノン-メンバーには CD は配布され ないと考えてよいのでしょうか? 【答え】 「WG に参加」とは、二通りの意味があります。一つは、P-メンバーとして、専門家を指名して WG 会議等に参加すること(日本の場合はJISC として参加)、今一つは、指名された専門家が WG の活 動に参加(個人の能力で参加)することです。WG に参加する専門家には、メンバー国の指名とはい え、専門家として参加し、個人の能力で寄与することが求められていますが、一方では、自国の利害 関係者の意向を把握の上で、持ち寄るようにも求められています。 WG の内部文書(審議中の Draft を含む)は、WG 内で専門家に配布され、派遣元の MB 宛には配布さ れません。ただし、専門家が自国の委員会などに情報提供として関係資料を配布することは許されて います。 ノン-メンバーは ISO の正会員ですが、TC/SC 活動に参加していないので、委員会内の文書である CD は配布されません。 質問 5. リエゾン-メンバーとはどんなメンバーでしょうか? また、【ISIO/IEC Directives 2.5.2】 には、CD は P-メンバー及び O-メンバーに回付すべしとありますが。 【答え】

【ISO Supplement 付属書 SF】をご覧になると、CD 文書は Category A Liaison にも配られることが分 かります。Liaison の種類は【Part 1 の 1.15;1,16;1.17】に記載されています。Liaison 制度は ISO の規 格開発の上で重要な仕組みで、この仕組みによって関連するISO 内・外の組織と情報交換を行い、利 害関係者の意見を幅広く吸収し、規格内容の重複とダブルスタンダード化を回避しています。 なお、ISO/IEC Directives を理解するには、方々に少しずつ書かれていることを「足し合わせて考え る」必要があり、ある所には書かれていないことが、別の所に書かれていることがよくあります。そ の意味でSupplement の付属書がそれらを総括していますが、実はこの付属書自身も不十分な部分が あり、【付属書SF】の CD 配布先にリエゾン関係の TC/SC が抜けていますので、ISO/IEC のリエゾ ン関係にあるTC/SC にも配布することをお勧めします。

(6)

【注】ISO/IEC Directives の本体の Annex(付属書)は A, B, C・・で、ISO Supplement の付属書は SA, SB, SC・・と S が頭に付いています。

質問 6. DIS、FDIS の投票の際のコメント提出に関して

ノン-メンバーは、【ISO/IEC Directives Part 1,1.7】.では「どの委員会についても∼上述の義務 も権利も持たない。」とありますが、DIS 及び FDIS には投票権があり、DIS 投票及び FDIS 投 票での反対票は数えられます。しかし、反対投票には技術的理由が必要で、理由を書かない場 合は投票数の集計から除かれるとありますが、ノン-メンバーが反対票を投じても、技術的理由 を提出できないため、無効になりませんか? 【答え】 【Directives Part 1;1.7.1】に書かれていることは TC/SC委員会内の活動に関わることと理解くださ い(委員会に参加していないMB をノン-メンバーと呼んでいますので、権利が無いとしているのは 「委員会内では」とか「委員会業務に関しては」という条件内でのことです)。 DIS/FDIS の投票は、委員会の範囲を超えて全 MB が対象ですので、投票は TC/SC 国際幹事ではなく、 ISO 中央事務局(ISO/CS)が実施します。 従って、全てのメンバーがコメントと意思表示をする機会 があり、出されたコメントは、全て同等に扱われます。ノン-メンバーでも賛成・反対投票ができ、反 対投票には必ず理由が明記されねばなりません;ノン-メンバーの理由つきの反対投票は集計の対象に なります。ただし、賛成投票はTC/SC の P-メンバーを対象に集計されるため、集計上は無視されま す。

質問 7. 【ISO/IEC Directives Part 1, 1.7.1】の O-メンバーの規定中の「∼委員会文書の配布を受け、 またコメントの提出と∼」のコメントとは CD 案へのコメントを指すのでしょうか? 【答え】 CD 案についての場合ばかりでなく、幹事が諸々の案件についてメンバーの意見集約のためにコメント を求める場合があります。いずれの場合にも、O-メンバーはコメントを提出することができますし、 出されたコメントはP-メンバーからのものと同等に扱われ、考慮の対象になります。しかし、最後に 投票で決める際には、O-メンバーは参加できません(投票しても集計の対象になりません)。 1.3 国内審議委員会委員長が TC/SC 議長を兼ねる事は可能か ISO/SC議長の任期満了に伴い、辞退したいとの申し出がありました。国内審議委員会委員長が後任候 補ですが、【ISO/IEC Directives Part 1;1.8.2 a】に「議長は、自身の委員会で自国の代表を兼務するこ とは出来ない」とありますが、国内の委員会委員長が国際議長を兼ねることはできるでしょうか。 【答え】 結論は「可能です」。ただし、TC/SCの議長は国際的に中立な立場であることが求められますから、 国内と国際とで明確に役割と立場を分けて、対処する必要があります。さもないと、委員会の各国の 代表からの信頼は得られにくく、委員会運営も難しくなってくるでしょう。 指摘されているISO/IEC Directivesの記載は、国際議長を務める担当のTC/SC“会議”では、日本の代表 を兼ねることができないとの意味であり、従って委員長に代わる別の日本の参加者の代表者 (delegate)を選び、会議ではこの代表を通じて日本の主張を述べるようにする必要があります。そ して、国際議長は公平な立場で議事を進めることになります。 この国際議長が担当以外のTC/SC会議で日本代表者を勤めることは何の問題もありません。

(7)

1.4 WG の構成について

TC/SCのWGは技術分野ごとに編成し、既存の多くが常設型ですが、【ISO/IEC Directives Part 1, 1.11.3】は、「New Work Item の規格作成活動の開始時にTC/SCの下に組織し、WD, CD, DISまで活 動し、DISがFDISに登録された時点で解散すると」と解釈されます。 (1)常設型のWGはDirectives に規定がありませんが、便宜上そのような形がとられており、ISO中 央事務局(ISO/CS)も認めているのでしょうか。 (2)常設型WGの業務項目が一時的になくなった場合、WGは解散せず、定期見直し時期まで休眠に できるのでしょうか。 【答え】 質問のDirectivesの箇所は実は紛らわしいところです。NPが承認され、それを扱う適当なWGが無い場 合に、新たなWGを設けます【ISO/IEC Directives Part 1,11.3】が、これをNPが出される毎にWGを設 け、規格ができると解散すると解釈して、実行して来たTCもあります。その結果、そのTCはこれまで に35余のWGを設立し、内約2/3を規格発行と共に解散して、現在規格策定中の1/3が残存し ています。しかし、定期見直しが始まり、改正をしようとしたところ、担当WGは既に解散している ことに気がつきました。現在、WGの考え方を改めて、複数の関連規格を扱う常設WGに漸次切り替え ています。

規格毎にWGを編成・解散する仕方は多くのISO TC/SCでは見られず、またISO/IEC Directivesの真意 ではないと思います。WGの組織的な意義は、TC/SCの業務範囲を技術特性に応じて分割し、それぞ れの専門家が深い技術的議論ができるようなグループを設け、質の高い規格作りを目指すことである と理解すると、TC/SC/WGと言う階層的な技術検討の組織的機構とその意義が見えてきます。 また、プロジェクトリーダは規格一1件ごとの責任者で、NWIPの提案国が指名しますが、WGのコン ビーナはある技術領域に関わる複数の規格を、従って複数のプロジェクトリーダを取りまとめる統括 者で、TC/SCが指名します。この違いは大切です【ISO/IEC Directives, ISO Supplement Annex SE】。 このような観点から、新設のTC/SCの幹事の方には、担当分野の技術的特性を細分化して、将来に設 けるべきWGの構想を予め内々もっておくように奨めています。そうすると、新たなNPが入ってきた ときに、どのような技術領域のWGを設置すべきかの判断が出来ますし、合理的なWGの編成が可能に なります。 作業が終わった段階で解散するのは、WGだけでなくTC/SCも同様です。TC/SCの場合は、新たな規 格作成が無くなった時点で休眠状態(dormant)になります。TC幹事国からTMBへ活動休止の申請をす ると正式に活動の中断(STAND-BY)が認められます。この場合、既刊の規格の定期見直しはISO中 央事務局(ISO/CS)の指示を受けてTC/SC幹事国が行いますが、TC Business Planの見直し義務を免れ ます。 作業が終わったSCの解散は、TCが決議し、TMBの承認を経て行いますが、SCが担当していた既刊規 格の定期見直しは、TC幹事の責任下で行われます。TCの解散は担当して策定した規格の全てを他の TCに移管するか廃止にした後でTMBが決定します。 同様に、作業が終わって、規格の提案・改正を受け止める必要が無くなったWGは解散し、その後の 既刊規格の世話は、その上のTC/SC幹事が行います。従って、Directivesにある、「DISを終わったら 解散する」と言うのは、WGの役割が終わる時点、即ち取り扱う「最後の規格がDISを終わった時点」 に関することであって、設立の契機となった規格を指すものではないと理解するのが妥当でしょう (Directivesの文面からこのように理解しろと言うのは少し難しいかもしれません;表現の妥当性を TMB/DMT(Directives maintenance team)が見直す必要がありそうです)。

(8)

1.5 TR (Technical Report) 作成を目的にした WG について TR 作成のために休眠中の WG を再起動しようとしていまが、TR だけを作る WG が可能でしょうか? また、この休眠状態のWG は別の ISO 規格を目的に設けられましたが、新たな WG でなくとも可能し でしょうか。 【答え】 WG はコンセンサスのレベルや種類等で規格の扱いを変える必要はありません。TR を作る WG で何の 問題もありませんし、複数のTR を一つの WG で担当することも何の問題もありません。しかし、気 になるのは、質問の背景にある「WG はもともと ISOxyz を作るために設けられ・・・」です。 どのような考え方でこれまでWG を編成してきたのか分かりませんが、規格一件毎に WG を編成する のは、「WG の編成について(5 頁)」で述べたように、お勧めできません。WG は TC/SC の技術領 域を小区分の領域に分け、その領域の専門家集団が規格原案作成を審議しまので、WG が複数の project を担当することも、また、もともと別の規格策定を目的に設けられたとしても、懸案の TR が そのWG の技術領域であれば何の問題もありません。 新たなWG の必要性は、休眠中の WG がどのような技術領域をカバーするものかによります。TR の 技術内容がWG の Scope(活動領域)に適合しているかどうかが問題で、適合している場合には休眠 中のWG を起こして、再起動させることを、もし不適合な場合には新たな WG を設けることをお勧め します。例えば、用語のWG に試験法を担当させるのは不都合です。

1.6 Chairman’s Advisory Group (CAG ) について

CAG(Chairman's Advisory Group) を TC に設置することになりました。CAG の構成と役割、設立に際 しての手続きに関する規定があるでしょうか。 国際幹事が一方的に設立を宣言してもよいでしょうか。 【答え】

【ISO/IEC Directives, Part 1, 1.13】に Group having advisory functions within a committee があります。 その要点は以下の通りです。 (1) 設置提案は、幹事国が発議する場合が多いと思いますが、設置決定には TC/SC 委員会の承認 が求められます【1.13.1】。 (2) 構成は影響を受ける関係者を十分に代表できること、人数は極力制限することを念頭に、メン バーを各国が指名し、構成案をTC/SC が承認する【1.13.2】。 (3) 役割はTC/SC に規格作成、WG 設置等を含めた提案・勧告をすること【1.13.3;1.13.4】。 (4) AG 内部文書はその構成員に配布し、写しを ISO 中央事務局へ入れる【1.13.5】。 (5) 指定された役割が終了し次第、解散する【1.13.6】。 このAdvisory Group の構成は、TC/SC の運営に関する諮問会議としての位置づけで、メンバーは SC の議長・事務局(幹事国)・WG コンビーナ及び TC/SC の主要なメンバーボディの代表者で構成する のがよいでしょう。参加国はテーマによって関心のある国が異なりますので固定せず、議長、幹事国、 コンビーナを出していない国から、都度Agenda に応じて参加国を募っている例もあります。 1.7 Vice chairman を置く

【ISO/IEC Directives, Part 1(Consolidated Edition;2001) 1.8.3】 に Vice-chairman の規定がありますが、 副議長は発展途上国からに限られるのでしょうか?

【答え】

(9)

The role of "Vice-Chair" applies exclusively to individuals who have been appointed to this

position on the basis of a twinning arrangement. It does not apply to individuals who are affiliated

with the same member body in order to support the official chair. This means these individuals are from developing country members or represent developing countries. The same principle applies also to the role of "Assistant secretary". The twinning arrangements based on which these appointments take place are officially recorded by ISO/CS (in the GD).

If somebody chairs a meeting in agreement with and supporting the official committee chair, then this may be a very important function, but it would be different from the appointment to the role of vice-chair. 結論は“Twinning”での発展途上国からの任命に限られます。ただし、議長が個人的事情で会議を欠席す る場合には、現在でも、議長が代行者(Deputy)を都度指名して会議の進行を託すことは許容されて います。

1.8 Liaison officer を置く

Liaison 関係のある TC が Liaison officer を指名しました。特に当 TC ではその必要を認めないのですが、 此方も指名せねばならないでしょうか?

【答え】

Liaison officer についてまとめると、

(1)Liaison officer の指名は、双方にとって重要な案件について関連した領域にアイテムが設定され ている場合で、両委員会が特別に連携を密接にし、調整等が頻繁に必要になる場合です(多いの はCEN の委員会と ISO 委員会の間、ISO と IEC の委員会の間など)。両組織の動きを情報として 把握しておけばよい場合には、文書交換の形で十分で、Liaison officer を設けないのが通例です。 (2)Liaison officer は通常、国の代表として両者の委員会に参加している人に委託します。会議に参 加するには経費が掛かりますが、国から両委員会に代表として派遣されている人であれば、追加 の経費は掛かりません。この場合、Liaison officer は通常両分野の専門家ですので、技術面を含め て的確に両委員会の情報伝達の役割と、必要に応じて調整の橋渡しが出来ます。 (3)Liaison は双方向の関係ばかりでなく、片思いの一方側通行の Liaisonnもあります。これは一 方の委員会がLiaison を設定しても、その相手がそれに呼応しなければ一方通行の Liaison となり ます。Liaison officer についても同様で、一方の国際委員会が Liaison officer を選任しても、他方 の委員会がLiaison officer を設けない場合に片思いの関係が発生します。

一方のみが指名する片思いの Liaison officer の場合ですが、両 TC/SC が通常の Liaison 関係にあれば、 両委員会の情報は文書交換によっておこなわれます。なお、Liaison officer は指名した側の委員会には 相手の委員会の状況を報告することになるでしょう(国内の委員会で得られる情報を紹介することに なるでしょう)。指名しないTC 側は、通常の文書交換で得られる情報の内で委員会に周知すべき情 報があれば、国際幹事が内部に紹介する形になります。 1.9 台湾の ISO/IEC への参加 台湾の企業から,ISO の TC/SC のメンバーになりたいとのメールが国際幹事に来ています。どのよう に扱えばよいのでしょうか? 【答え】

(10)

ISO/IEC の場合は台湾が正式に参加することは、制度上できないと思います。しかし、台湾からの度 重なる要請を受けて、ISO/IEC と中国、台湾との協議の結果、次のような非公式の参加を認める合意 に達しております。台湾からのISO/IEC 会議への参加希望についてはこの合意に沿って処置するか、 中央事務局へ転送するようISO/IEC 中央事務局は求めています

IEC Administrative Circular No.118/1992;3 April,1992

Participation by Taiwanese experts in Working Group related to selected IEC and ISO Technical Committees or Sub-Committees is possible in so far as the Taiwanese experts agree to refer to their country in a neutral way such as “Chinese Taiwan” or “Chinese Taipei” and provide they agree that information about any such participation is made available to the China State Bureau of Technical Supervision(CSBTS) in Beijing.

The national Committee of the People's Republic of China also reaffirmed, on this occasion, its offer for Taiwanese experts to participate in IEC and ISO Technical Committee work as members of any

Chinese delegation representing the IEC/ISO National Committee/Member body, i.e. the Chinese State Bureau of Technical Supervision(CSBTS) whose seat is in Beijing.

要点は次の2点ですが、台湾を会議等に参加させることは中国の了解がないとできないと考えられま す。

(1) 台湾の専門家がChinese Taiwan 又は Chinese Taipei の国名で参加し、その会議情報を中国メ ンバー(CSBTS)に提供することに同意すれば、ISO/IEC の TC/SC の WG への参加は可能; (2) 中国は台湾の専門家が中国メンバー(CSBTS)代表として ISO/IEC の TC の業務に参加する機

会を提供する

なお、この文書はIEC の web-site では公開されていますが、ISO では公開されていません。ISO は IEC に較べて、対象業務が多岐にわたることもあり、IEC に比較して一般原則の適用がより微妙なの ではないでしょうか。ISO の TC./SC がそのような要請を受けた場合には、都度 ISO 中央事務局の意 向をTC/SC を担当する Technical Programme Manager(TPM)を通じて確認することをお奨めします。

2 新規提案 (New work item proposal:NP)をする 2.1 提案先 TC/SC の見つけ方 新規の作業項目をISOへ提案する場合に、どこのTC/SCへ提案すべきかが分りません。どのように考 えて調べればよいのでしょうか? 【答え】 (1)ISOはTC毎に、Scope(活動範囲)を定めており、このScopeの範囲内で、TCが活動すること となっています。従って、先ず、該当するTCをそのTitleとScopeで探します。TCの下には、SCが あり、TCのScopeの範囲内での技術的課題を分類・分割し、それらを各SCが分担するとの考えで す。このTC/SCの情報は次のようにして得られます。

ISOのホームページ(http://iso.org/)に入り、Standards developmentの欄のList of Technical committeesをクリックすると、ISO/TCの一覧が現れます。(http://www.iso.org /iso/en/stdsdevelopment/tc/tclist/TechnicalCommitteeList.TechnicalCommitteeList)。ここで、TCの タイトルを見て、該当しそうなTCを探します。次に、TC番号をクリックするとそのTCのより詳 しい内容が分ります(幹事国・議長、メンバー国名、既刊の規格一覧、作成中の規格一覧、ビジ ネスプラン、TC内部の委員会構成:SC/WGなど)。特に、TCビジネスプランを見るとそのTCの 活動内容が具体的に分かります。SCに入っていくと、同様なSCの情報が得られます。ここで、既 刊、開発中の規格のタイトルを調べ、どのTC/SCがふさわしいかを判断します。

(11)

(2)いま一つのTC/SCを探す方法は、国際規格分類(ICS:International Classification of

Standards)を手がかりにする方法です。規格を分野ごとに分類する際の大分類・中分類・小分類 の分類分けとその表記法(数字で表現)をICSは定めており、ISOのホームページのProducts and serviceからISO store に入り、International Standardsをクリックすると、その大分類が表示され ます http://www.iso.ch/iso/en/CatalogueListPage.CatalogueList 。ここで、近い分類を選び、クリ ックすると中分類が現れ、更に分類がある場合には小分類へと範囲を狭めることが出来ます。最 後にその分類に含まれる全てのISO規格が表示されますので、その中から、タイトルを見て、最 も関連しそうな規格を選び出し、その番号をクリックすると、その規格を作成したTC/SCが表示 されます。 なお、JIS規格には裏表紙の英文表紙にICS番号が記載されていますので、JISに基づいた提案では、 その番号を頼りに探すことができます。 (3)適当な、TC/SCが見つからない場合には、次のような幾つかのケースが考えられます。 (3-1)妥当なTCが見つからない場合には、Scopeの示す領域の隣接した周辺で、探している技術領域 があるかを先ず検討します。その結果、 (a) 隣接領域にある場合は、そのTCに規格案と同時に、TCのScopeへのその領域の追加(拡張)を 提案します。提案の採択に伴うScope変更はTCで決議し、TMBの承認を得て決まります。 (b) 既存のTCのScopeの隣接領域にはなく、新たな領域になる場合は、新規TCの立ち上げを提案し ます。TC立ち上げは、メンバーボディ(MB)よりISO/CSへ申請します。ISO/CSはISOメンバーの 投票(3ヶ月)に掛け、TCの技術領域の発足基準は投票の2/3の賛成と5カ国以上の積極参加があると、 TMBは新規TCを暫定的に設置し、新TCのビジネスプランがTMBで承認されると正式に承認され ます。 (c)提案(a)か新設申請(b)かが、分らない場合には、ISO/CSへ相談すると適切な助言が得られるでし ょう。ISO のhelpdesk@iso.orgに質問を入力すると、回答が返ってきます。 【注】TMBでは、最近、想定される規格数は少ないが、領域としては新規な提案が多く出される傾 向にあることを踏まえて、これら少数の規格を扱う委員会として、TCに代わり、より身軽に動け るProject committee(PC)を設ける方向で議論が進んでいます。当面、サービス分野の各種の提 案がこの対象に考えられています。日本からのNPでも、条件を満たせばこのようなPC立ち上げ を前提に考えることも必要でしょう。 (3-2)妥当なTCが見つかったが、妥当なSCまたは直轄WGがない場合は、TC直轄のプロジェクトに できないかを先ず諮り、できない場合には直轄WG/SCの新設か、他の直轄WG・SCの業務拡張を 求めるとよいでしょう(MBからTCへ)。SC新設は幹事国引き受け国の存在と親TCのP-メンバー 5カ国以上の積極参加を条件に、投票したTCのP-メンバーの2/3以上の賛成で、TCが決議し、TMB が追認します。直轄WGの設置、SC/直轄WGの業務の拡張はTCの決議で決まります。 以上ですので、先ずは既存のTC/SCの業務範囲(Scope) 内で可能か、見直しが必要かを検討すること から始めることが、肝心ですし、該当TC/SCが見つかればそこの国際幹事と事前に相談することをお 奨めします。種々のケースがあり得ますので、個々のケースについては個別にご相談ください (consult@jsa.or.jp)。 2.2 特定分野で最近の規格開発状況を調べたい 新規業務提案を考えていますが、関連するTC/SC に跨るような少し広い領域で、目下どのような規格 が策定段階にあるのかを知りたいと思っています。どのようにすれば分かるのでしょうか?

(12)

【答え】ISO の web-site では、発行規格、新規プロジェクト、新 DIS/最終 CD、FDIS について、異な る期間、即ち年初以降、昨月、昨週そして今週にそれぞれ発行または登録した規格(案)が検索でき るようになっています。また、その年初以来、削除されたプロジェトと廃止になった規格の検索も可 能です。更に、より細かな条件を入力すると、特定の期間内での、或いは分野を絞っての上記の規格 案、発行規格の検索が出来ます。

先ず、ISO-Online(ISO ホームページ;www.iso.org)で、右上にある“Extended Search”をクリック し、現れた画面の “Predefined searches”をクリックします。すると、下記のようなリスト(部分例示) が表示されます。知りたい項目をクリックすると該当する文書番号とタイトルの一覧が表示されます。 Predefined searches

NOTE

The search results will include technical corrigenda

・Standards published this week ・Standards published last week ・Standards published this month ・Standards published last month

・Standards published since start of the current year ・・・・・・・

・New projects registered this week ・・・・・・・

・New DIS and FCD registered this week ・・・・・・・

・New FDIS registered this week ・・・・・・・

・Projects deleted since start of the current year ・Standards withdrawn since start of the current year

更に、条件を指定して、検索範囲を狭めたい場合には、表示されている最初のページ ”Search Result (1-50)”の Search criteria の下にある Refine your query and search again をクリックします。すると検 索条件を入力する画面が出ますので、所定の条件を入力し、“Search”をクリックすると絞られた文書 リストが表示されます。例えば、ICS の分類番号を入力すると、その分野に絞り込むことが出来ます。 2.3 Stand-by 状態の TC/SC TC/SC の中にはSTAND-BYのものがありますが、これらはどのような状態なのでしょうか。このよう なTC/SCへNPを出すことは可能でしょうか。 【答え】 Stand-by を決定する際のTMB 内規の概要は次のようになっています。 (1) TMB はTC がSTAND-BY にふさわしいか否かを検討し、決定する。 (2) Stand-by TC の定義は「検討中の又は今後に予想される業務項目がないが、既刊の担当ISO規 格の定期見直しが必要な専門委員会(TC及びそこに付属する委員会全て)」。 (3) ISO/TC は作成した責任のある全ての規格を他のTC に移管するか、または廃止しない限り、 解散の提案は奨められない。STAND-BYのTCについては、ISO/CS はTC 幹事、議長と相談の 上、既存規格類の責任を他のTC への移管の可否を定期的に検討する。 (4) STAND-BY のTC 幹事は定期見直しとMBからの新規業務項目提案の投票と事務処理を行う責 任がある。その結果、改正が必要な場合には、TCは自動的に再起動される。 (5) STAND-BY のTC で承認されたNWI はTMB に諮られ、TC の再起動審議・決定される。 (6) STAND-BY TC はTC Business Plan の提出義務も免除される。

(13)

Stand-byのTC/SCへのNPの提案は可能です。Stand-byのTCでも幹事国はいますし、NPはその国際幹 事に提出し、通常の手続きで、委員会内のP-メンバーの投票に掛けられます。その結果は上記の (5)で、TCが再起動されます。Stand-byのSCでは、国際幹事が空席になっている場合があります が、その場合には、SCに関する案件の処理はTCの国際幹事の責任下で行われます。Stand-byのSCの 再起動はTCが決議します。

2.4 ISO への規格の提案と Fast track(迅速法)

Fast track (迅速法)を使ってISO 規格を提案してはとの示唆を受けています。通常の提案手続きとは何 処が違うのでしょうか?

【答え】

ISO への規格提案のルートは 二つあります。新規作業項目提案(New work item proposal: NP)と Fast Track (FT) です。

NP(新規業務提案)とは;

(1) NP の提案が出来るのはメンバーボディ(MB)、担当TC/SC 幹事国、他のTC/SC、リエゾンメン バー、TMB及びISO事務総長に限られており、国から提案は、MBとして提案し、その際、P-/O-の資格は問いません。WG コンビーナとプロジェクトリーダー(PL)には提案権が無いことに 注意が必要です【ISO/IEC Directives, Part 1;2.3.2】。

(2) NP承認条件はISOとIECでは異なっています【2.3.5】。投票P-メンバーの単純過半数とISOで は参加5ヶ国の専門家派遣で、IECではP-メンバー数によって求められる参加国数が異なり、 16以下の委員会では4ヶ国;17以上では5ヶ国の専門家派遣です。 (3) ISOでは規格策定に許される最長期間が5年、一つの段階に留まれる期間は2 年に制限されてお り、これを超えると自動的にプログラムから削除されます【ISO変更通知#2;02/2005】。こ れを回避するために、NP 提出前にできるだけ原案を詰めるよう奨めています。 完成度の高い規格案を付けた提案では、国際幹事が回付するNP の審議依頼書と投票用紙に添付原 案をCD ないしDIS として審議することの可否を問う仕組みが組み込まれていて、P-メンバーの同 意があれば、直接CD ないしDIS 段階から始めることができます【ISOForm4&5】。

JIS 原案の提案でも、この仕組みを上手に使い、JIS の英訳版を基に、ISO テンプレートに移し替 えたISO 原案を作成して、NP に添付することにより、CD から入れる可能性があります。 【注】英訳JISのISOテンプレートへの移し変えのサービスをJSAが行っていますので、ご希望の方

は出版業務室(電話:3583-8087)へご相談ください。 Fast Track(迅速法)とは:

(1)既存の規格をDIS 原案として、TC のP-メンバーとリエゾンメンバー(カテゴリーA) 【ISO/IEC Directives Part 1,F2.1.1】や、ISO またはIEC と正式な専門業務協定を結んだ機関 【:F2.1.3】が直接にISO中央事務局(ISO/CS)へ規格を提出する手続きと、FDIS原案として ISO/IEC 理事会が認めた国際標準化団体【F2.1.2】ISO/CSに規格を提出する手続きを指します。 しかし、これら【F2.1.2とF2.1.3】の団体は、ISO では3団体しか認められていません。 (2)しばしば突然EN規格原案がDIS投票に掛かることがありますが、CEN はこれらのFast track(FT)の承認特定団体ではなく、ウイーン協定に基づいた協力関係にある団体との位置である ことには注意が必要です。他方、IECとCENELECの関係はこれとは異なり、CENELECはドレス デン協定でDISのFT提案【F2.1.3】ができる団体として認められています。【詳細は次の質問を 参照ください】

(14)

(3) ISO/CSはMB から出されたFT提案文書をTC/SC 幹事国と協議の上、その文書を評価し、他の 国際規格と矛盾が無いことを確認した上で、DIS 投票に掛けます【F2.2】。この投票で承認される とFDIS へ進みますが、否決されると当該TC/SC へ差し戻され、通常の文書審議と同等に扱われま す【F2.4】。 (4)この手続きで、重要なことは、ISO/CS へ提出された提案は、TC/SC 幹事国に相談があり、評 価した上で、投票に掛かることです。提案国とISO/CS の間で、一方的に処理されるような印象を 持っている方が少なからずいますが、相談を受けたTC/SC 幹事には、提案国の真意を確認する余 地が残されています。また、審議中の規格案の戦略的な審議の妨害、牽制ために、一方的に自国 の規格をFT で出す例がありますが、その扱いをISO/CS と協議する余地も残っており、場合によ っては、その扱いはTMB で議論されます。

NP でCD/DIS を目指すのと、FT でDIS 投票にかけるのとの違いは、NP ではCD から、FT はDIS から を想定すると、段階が一段階異なることでしょう。FT でも、規格が各国の様式のままでFDIS へ進む ことには抵抗が予想されますので、DIS.2(第2 回DIS投票)へ回る場合を考えると、一般に考えられ ているほどに、大きな時間的な違いは無いように思われます。しかし、FTではNP承認の条件が課され ない点が異なります。 FT で他国が提案してきても、冷静に、厳しく対処すること、また、NP やFT もこのような仕組みを理 解して、上手に使い分けることが大切と思います。 2.5 迅速法の手順と FDIS への直接提案

【ISO/IEC Directives Part 1, Annex F.2】に迅速法の手順がありますが、【F2.1.2】のISO/IEC の理事 会が認めた国際標準化団体、【F2.1.3】のISO/IEC との間に正式な専門業務協定を結んだ団体とはど んな団体でしょうか。 ISO ではDIS 段階で突然CENのprENが回付されてきますが、それらにはCEN やCENELEC は含まれるのでしょうか。

【答え】

(1) 迅速法が使える正式な協定団体について、ISO とIEC のhelpdesk に問い合わせた結果次の回答が それぞれ届きました。

(ISO)

At this time the two phrases ("organizations recognized by ISO") & "organizations having entered into a formal technical agreement with ISO") refer to the same organizations. At this time this means the International Union of Leather Technologists and Chemists Societies (IULTCS), International Institute of Welding (IIW) and the International Commission on Illumination (CIE).

(IEC)

The IEC currently has formal agreements with IEEE and CENELEC to submit Fast-track documents in accordance with the procedures given in F.2.1.3, though in the case of the IEC, the SMB has taken the decision to submit the documents directly to the FDIS ballot rather than passing through the enquiry stage. The procedures described in F.2.1.2 do not require a formal agreement with the organization concerned and in the IEC, the decision is taken on a case-by-case basis following a request from the technical committee/ subcommittee concerned.

ISO/IEC Directives の共通規定でも、両組織ではその運用の細目が全く異なります。IEC ではドリスデ ン協定でCENELEC の規格をCVD として直接に受け入れるという迅速法を取り決めているのに対し、 ISO ではCEN はウイーン協定に基づく協力団体の関係にあり、並行投票を前提にした協同開発が決め られていますが、迅速法の定めはありません。 即ち、ISO では【F2.1.2(FDIS へ直接提出)とF2.1.3 (DIS/CDV として直接提出)】とも、3 団体(IULTCS, IIW 及びCIE)に限られており、CEN はその

(15)

対照ではありませんが、IEC では【F2.1.2】では特定の団体を決めておらず、TC/SC からの要請で、 SMBが決定しており、【F2.1.3】では団体はIEEE とCENELEC が対象団体になっています。 また、ISOでは国際的に使われる任意規格の作成団体(PSDO:Partner Standard Development Organization)を【F2.1.2】の対象団体とするとの方針が理事会で承認され、米国のASTM との協定の 交渉が行われています。

DIS 段階でCEN のprEN が唐突に回付されることがありますが、これには二つの場合があります。一 つは、EN規格を欧州のメンバー国が迅速方でISO中央事務局へ提案する場合【F.2.1.1】と二つ目は、 ウイーン協定のCENリード案件のDIS投票です。

後者は、ISO のTC/SC がウイーン協定の協同開発をCEN リードにすると決定した項目が、CEN 側の 作業が照会段階に入った時点で、ISO との並行投票に掛かってきているもので、Fast Track ではあり ません。 新規作業項目をウイーン協定のCEN リードの対象項目とすることは、ISOのTC/SC が決めますが、欧 州勢が多勢の委員会での議論では、日本代表はこの議論に往々にしてついていけず、気が付かずに決 議がとられている場合があります。その結果、唐突にprENがISO の審議に掛かるような印象を受ける 結果になっていると思われますが、過去の決議と議事録を調べると、TC/SCとしての正式決定である ことが分かります。 CEN リードになる場合にも、TC/SC の決議で、非欧州メンバーにはCD 段階での審議状況を報告し、 関係文書を配布するようにCENのTC/SC に求めることができますし、CENのTC/SC会議には、ISO 代 表としてISOのTC/SC委員会の指名を受けると、4 名まで出席できますので、是非このような手段で CEN 側の進捗をフォローし、意見を出すように仕組まれることをお奨めします。 2.6 規格改正に当たっての NP の成立要件

規格改正の必要条件は【ISO/IEC Directive Part1,2.3 】では新規提案(NP)と同じ扱いと記載され、 【ISO Supplement Annex SN】では改正の成立条件に専門家5人の指名の記載がありませが、改正での 専門家5人の要件はどのように考えればよいのでしょうか。

【答え】

本件をISO中央事務局に問い合わせた結果、次のような回答を得ました:

① 【ISO Supplement Annex SN】では規格作成に携わっていた専門家が残っているとの前提で、5人 の専門家の必要を書いていないが、時間の経過と共に専門家がいなくなれば新たな専門家を捜さ ねばならず、5人の専門家の条件を加味すべきであろう。

② 改正の提案を正規のNP 同様に扱おうとするのであれば、それ自体は妥当である。

この回答の裏返しは、規格作成に携わった専門家がWG に健在ならば、NPで5 カ国の専門家が登録さ れる(はず)との考えであり、ルール上は「専門家5人の要件は必要」と解釈できます。

ISO/IEC Directives の内容がISO Supplement と矛盾する場合は、Supplement は補助的規則ですので、 ISO/IEC Directives 本体の規則を優先すべきと考えます。従って、定期見直しの中間での改正提案は NP 成立の要件で処理するのが妥当と考えられます。 一方、定期見直しの場合には、TC/SCが改正を決めた場合には、NP の手続きは不要です。従って、 TC/SCの決議がISO/CS に報告されると、直ちに見直し作業に掛かれます。ISO/CSは作業開始を確認 して、作業項目として正式に登録します。(参照:定期見直しについて−項目2 定期見直しでの改正 の手続き)。

(16)

2.7 新作業項目の掘り出し

SC 幹事国の業務の一環として、新しい作業項目の掘り出しを考えています。新業務項目の取上げ方は、 予備業務項目(Preliminary work item:PWI)や新業務項目(New work item:NWI)の提案があります が、これらはどう違うのでしょうか。また、掘り出しに当たってはどのような注意をすればよいでし ょうか。

【答え】

先ず、NWI と PWI の違いを理解するため、PWI について考えてみましょう;

(1) 現在、規格策定の標準期間は 3 年で、5 年経過するとプログラムから削除されます【ISO 変更 通知#2;01/2005 & 02/2005】。従って、現在は 3 年以内での規格成立を確実にするために、新業 務項目提案(NP)には規格原案を添付するよう奨励しています。しかし、既存の地域ないし国家規 格の提案ではなく、構想の提案では、内容は十分な説明がなく Scope と目次案(昔は NP がこの 形のものが多く見られた)のみが添付されたり、場合によっては具体的な添付資料が無い場合も あり、規格の国際市場性(Global relevance)の視点から、内容の検討が必要な場合があります。こ のようなNP は、幹事・議長の判断で PWI として委員会に諮ることになります。 【注】国際市場性(Global relevance)については、(財)日本規格協会ホームページ>国際支援 業務>国際標準化関連資料集に、ISO の政策文書、適用文書(Q&A)を掲載していますので、 参照くださいhttp://www.jsa.or.jp/itn/itn08.asp。 勿論、メンバーボディ(MB)が PWI として提案することも可能ですが、多くは NWI としては内 容が未熟だが、検討に値すると委員会が判断して、PWI に登録するケースが多いと思われます。 従って、Preliminary 段階への登録は NWIP 提案の内容が不十分な場合に格下げて登録することと 理解できます。

(2) PWI 提案には決まった書式はありませんが、NWI 提案書式(Form 4)で提案し、投票P−メ ンバーの単純過半数の賛成で成立します。PWI の提案元についても NWIP と同じで、【ISO/IEC Directives Part1,2.3.2】に記載の組織が提案の資格を持っておると理解ください。PWI から NWI に格上げするには、改めてNP 投票が必要になります。 次に新作業項目の掘り出しについては、 (1) 「不要な規格は作らない」との立場から、無理強いをするような印象を与えないようにするこ とが肝心と思います。 (2) NP の提案の勧誘は、直接 MB に回状を出すのではなく、Business Plan に記載する政策・戦略 立案のための、TC/SC としての新たな標準化対象の議論を行って、その領域で新たな活動を進め るように仕向けるのが良いのではないでしょうか。この意味では、幹事国がそのように委員会を 誘導することは有意義だと思います。

そのために、TC/SC の会議の席上、Agenda の future items のところで、議長から最近新たな業務 の提案がないが、必要な事項は全て標準化が終わったのだろうかと投げかけてみるのも良いでし ょうか。ただし、定期的に督促をする件は、委員会のMB に NP を出すよう強いている印象を与え る懸念があり、個人的に抵抗を感じます。 3 新たな委員会の設置を提案する 3.1 新たな TC の設置の提案 JIS をベースに ISO 提案をしようとしていますが、その技術分野を担当する TC/.SC が見つかりません。 従って、新たなTC の設置を提案したいと考えています。どのような手続きが必要でしょうか。

(17)

【答え】

TC(専門委員会)の設置に関しては、【ISO/IEC Directives Part 1, 1.5 Establishment of technical committees】 に規定があり、決定は TMB(Technical Management Board) が行いますが【1.5.2】、そ の提案ができる資格者は【1.5.3】に書かれています。ここではメンバーボディ(MB)として提案す る場合を、国内の手続きを合わせて説明します。

提案は、【ISO 書式 Form 1: PROPOSAL FOR A ANEW FIELD OF TECHNICL ACTIVITY】に所定の 事項を書き込みます。その内容は【ISO/IEC Directives Part 1, Annex C4】に示されていますが、要点 をまとめると以下の通りです: ・ Subject:提案するTC の名称、簡潔で明快な表現で ・ Scope:対象とする規格策定活動の領域を端的に、具体的に記述する。特にその領域の境界が分 かるように表現することが大切です。例えば、「製品の呼称、ただし用語、試験法を対象にする が、製品仕様は除外する」など。また、近接する活動領域の一部重複する既存の TC がある場合 には、その重複領域を除くとの記載を含める(具体的な書き方は、幾つかの TC の事例を参考に してください)。

・ Purpose and justification:新TC の設立が妥当であると考える理由を、第 3 者が分かり易い表 現でまとめ、記載します。その際に考慮すべき事項が【Annex C.4.3】に挙げられていますので、 提案する新 TC の理由として相応しいものを選んで、記述するのがよいでしょう。また、提案す るScope が既存の TC に隣接する場合には、既存の TC の Scope を拡張して扱うことが適当では ない理由を付記する必要があります。

・ Programme of work:ここではTC が具体的に取り組む対象を明記します。その内容は、Scope と Purpose and Justification に記載した内容を、規格群として具体的に整理して記述するとよい でしょう。例えば、製品の場合には、用語、製品の種類、材料仕様、性能特性、試験法、データ の提示法など活動が具体化した場合に、必要に応じて設置する WG や SC の業務内容を考えなが ら整理するとよいでしょう。【Annex C.4.4.4】で求めている優先順位、目標期日もこのような整 理をすると明らかになってくるでしょう。この場合、差し迫って具体的な要請がない場合には、 目標期日は大まかのもので十分だと思います。

・ Survey of similar work undertaken in other bodies:その分野で、世界的にどのような標準化 活動があるのを示すのが目的ですので、提案する領域に関係する JIS 以外の諸外国の規格を出来 るだけ調べて、Programme 分類ごとに、国名と規格番号、題名をまとめて一覧にすると分かり やすいでしょう。完璧なものでなくとも、判る範囲で主要なものが含まれていていればよいと思 います。実際、提案が投票に掛かると、コメントとして各国から自国の関連規格のリストが提出 されることがあります。 ・ Liaison organizations:ISO では規格作成の過程で関連情報を交換して、業務の重複を避け、適 切な規格を策定するために“Liaison:連携”という仕組みがあります。従って、情報交換を密接に 行う組織名を、ISO 内部の TC/SC 名と外部機関名で記述します。例えば、健康・医療に関る場合 には外部機関は WHO が考えられますし、内部の TC としては幾つかの医療機器等に関る TC が あります。 ・ Other comments:特別に追記したい事項があればここに記載します。特に、承認された場合に は日本(JISC)が幹事国を引き受ける用意があるとの意思表示をしておくことが大切です。さら に、この分野での新規 TC の提案が各国との事前妙技の結果であれば、例えば、これまで日・ 米・欧の関係業界で協議した結果であり、その提案を日本が行っているなどもここに記載すべき 対象になるでしょう。

・ Signature of proposer::日本の提案はJISC を通じて行います。従って、ここの名前は JISC の Secretariat(経済産業省標準審議官)名になります。

国内の手続きは、TC 設置の提案をしたい旨を、経産省規準認証ユニットの標準化推進室の担当官に相 談の上で、所定書式(ISO Form 1)の提案書を作成し、標準化推進室の担当官を通じて、ISO への

(18)

JISC の窓口である規準認証国際室に提出します。 規準認証国際室は役所内の決裁を取って、ISO の事 務総長宛に送付します。 ISO では、TMB の事務局が本件を担当し、提出された文書の内容をチェックの上、必要と判断すれば TMB 委員の意見を聞き、不足部分は更に記述を求めてきます。その上で、ISO の全メンバーを対象に 投票が行われ、有効投票の2/3 以上の賛成と 5 カ国の参加を条件に、TMB の決議で決定します。 3.2 新たな SC の設置の提案 TC 直轄の WG のコンビーナを当審議団体の委員が勤めていますが、審議の公平で迅速な進行のため に、WG を SC(分科委員会)に昇格させようと考えていますが、どのようにすればよいのでしょうか。 【答え】

SC の設置に関しては、【ISO/IEC Directives Part 1;1.6】に手続きが書かれています。その概要は、 SC の設置はメンバーボディ(MB)が幹事国の引き受けを前提に TC に提案し、TC が投票した P-メンバ ーの2/3 以上の賛成と親 TC の P-メンバー5 カ国以上の参加表明を条件に決定し、TMB の承認を経て 決定されます。 提案用の書式は特に決められていませんので、自由な文書で提案できますが、その記載内容は、TC が 設置を決定したことをISO 中央事務局(ISO/CS)へ報告するための書式【ISOForm3】が参考になりま す。また、TC で決定されると、TC の国際幹事は提案国にこの書式で TMB 提出書類作成を求めてくる 可能性が高いので、提案書として最初からこの書式を使うことを奨めます。 書式の記載についてはTC の設置の提案書と同じ項目はそちらを参照ください。異なる 2 点のみ注記 します。

・ Member bodies:SC の MB は投票の結果で、参加国が決まりますので、JISC から提案する段階 では空欄です。決まってから、TC 国際幹事が記入するでしょう。 ・ Secretariat:日本が幹事国を引き受けたい場合には、「日本が国際幹事を引き受ける」ことを明 記します。この意思表示を明確にしておかないと、投票時に他国が幹事国引き受けの意思表示を した場合、その国になってしまう場合があります。 国内の手続きは、TC の場合と同様ですが、JISC からの文書の提出先は TC 国際幹事になります。TC 国際幹事は提案を受けると、TC の P-メンバーの投票に掛け、承認条件が満たされると、 【ISOForm3】を ISO/CS に提出し、TMB が追認すると正式に発足の運びとなります。 3.3 新たな WG の設置の提案 新業務項目の提案に合わせて、WG を提案しようとしています。WG 設置の提案はどのように行い、 どのように決まるのでしょうか。 【答え】

WG の設置については【ISO/IEC Directives Part 1;1.111】にルールがあります。TC/SC の決定(決 議)で設置し、NP の提案・承認を受けて、その作業を進めるために設けることになります。しかし、 WG は規格毎に設置するのではなく、TC/SC の技術領域を必要に応じて細分化したものですので、予 め設けるべきWG の構想を持っておき、その WG に担当させるべき NP が提案された段階で、TC/SC で正式に設置を決議し、活動を始めるのがよいでしょう。 WG 設置の手続きは、TC/SC 決議の上で、TC 直下の WG は ISO 中央事務局)(ISO/CS)に、SC の WG はISO/CS と TC 国際幹事に合わせて報告すればよく、TMB の承認は不要です。

(19)

なお、WG の取り扱いについては、「組織(委員会・WG)の編成と参加;WG の構成について」(頁 4)を合わせて参照ください。 4 国際規格を書く 4.1 ISO テンプレート;STD と Basic の違い、どちらを使うべきか ISOのテンプレートにはSTDとBasicがありますが、どちらを使うべきでしょうか。 また、それらは どう違うのでしょうか。 【答え】 ISO規格作成用のテンプレートはISOのホームページからをダウンロードできます(JSAのホームペー ジhttp://www.jsa.or.jp/itn/itn08.aspを介して、アクセスが出来ます)。テンプレートにはお尋ねの通り、 STDとBasicの二種類があります。 STDテンプレート: ISOの規格発行のための“Print on demand”システムに対応する自動化マクロが組み込まれているテン プレートです。MSWordにSTDテンプレートを導入した上で使用します。従って、STDテンプレート で作成された文書を修正する場合にも、先ずSDTテンプレートを導入して、その上で修正作業を行い ます。 このテンプレートはISOの公式言語である英語、仏語とCENの公式言語である独語に対応するように 作られています。従って英・仏・独語のコンピューター上では問題なく作動しますが、他の言語環境、 特に独自の文字を持つ国々、例えば日本、中国、韓国、タイ、アラビヤ語圏などでは、コンピュータ の環境が微妙に影響して作動不調が生じている模様です。特に、多くの人が異なる環境で扱う場合に は、円滑に業務を進めるために、ISO中央事務局(ISO/CS)は次に説明するBasicテンプレートの使用を、 むしろ推奨しています。 Basicテンプレート: MS Wordをベースにし、規格作成上の様式等に関するガイドを書き込んであるテンプレートです。こ れ等のガイドに沿って書き込んでいきながら、ガイド部分を消していく形で使います。特殊なマクロ が付いていませんので、通常のMSWordと同様に入力していくことになり、特殊な文字を持つ国々の PC環境でも問題なく使用できます。 STDテンプレートはBasicテンプレートから移し変えるためのシステムを持っており、ISO/CSでは発 行段階の時点で、規格の編集を担当するComposition sectionが最終の確認と合わせて、STDテンプレ ートへの移しかえを行っている模様です。 結論として、日本の方々には“Basic Template”を使うことを奨めています。なお、(財)日本規格協会の ホームページの国際標準化支援業務>国際標準化関連資料集にBasic TemplateのISOサーバーよりの入 手先と使用マニュアルを掲載していますので、活用くださいhttp://www.jsa.or.jp/itn/itn08.asp。 4.2 ISO/TR,TS,PAS 作成用のテンプレート TR を作成する際のテンプレートは,ISO/Portal から Templates はダウンロードした IS 規格用のテン プレートを使ってよいのでしょうか。 【答え】

(20)

TS, PAS 及び TR の作成も、通常の ISO テンプレートで行います。ただし、テンプレートは ISO 規格 用に出来ていますので、それぞれの規格の形式にあわせて、定型文を入れ替える必要があります。こ れ等の定型文はBoilerplate Text と言われますが、ISO の web-site からダウンロードして、入れ替えて ください(JSA の web-site から ISO の所定のページにリンクできます:

http://www.jsa.or.jp/itn/itn08.asp)

4.3 文字化けを防ぐ

ISO テンプレートで規格を書いたが、一部に文字化けがあり、電子配布が出来ないと ISO 中央事務局 (ISO/CS)から連絡があった。文字化けの原因と防ぐ方法を教えてください。

【答え】

ISO の手続き用の Form や Template には予めフォントが設定されていますので、「直接入力」で入力 することが肝心で、それによって所定のフォントで書き込むことができます。 日本語フォントはダブルスペースで構成されており、英語フォントはシングルスペース(半角)で構 成されています。欧米の言語を前提にした環境のPC では、日本語フォントに対応するソフトが入っ ていないために読み取り不能になり、文字化けが発生します。つまり、このような文書は日本語環境 のPC では読めるが、英語環境では読めないことになります。 また、ISO で頻繁に用いられる PDF 文書は、日本語フォントが混じっている Word 文書の PDF では、 そのページが白紙になりますし、PDF File の文書名(タイトル)に日本語フォントが混在すると PDF ファイル自体が開かなくなります。 日本の方々が日本語設定のPC で文書を入力する際に、うっかりすると日本語フォント(MS 明朝、 MS ゴシック、MSP ゴシックなど)のままに入力してしまうことがあります。このような事態を回避 するためには、入力中のフォントがMSWord では表示されますので、フォントの確認をしながら、必 ず「直接入力」で入力します。

日本語環境以外のPC との間での MSWord の文書交換は、基本的にアルファベット(a, b, c. .A, B, C.), アラビヤ数字、四則計算記号 (+,-,x, /)及び限られた図形記号のみが可能で、ギリシャ文字・数式記号 などの特殊文字は含まれていません。従って、数式や記号の入力には特別の配慮が必要です。 数式の入力や記号の入力でα,∆,ε などのギリシャ文字や数式記号(例えば

)を用いる場合には、 「数式エディタ」を使用します。このエディタに用意されている数式ソフトと記号は、言語環境に関 係なく共通ですので、英語環境のPC でも読み取ることが出来ます。なお、「数式エディタ」を使う ためには、MSWord のインストール時に「数式エディタ」を予めインストールする必要がありますの でご注意ください(*)。 (*):「挿入」→「オブジェクト」→「オブジェクトの種類」に「Microsoft 数式」がない場合には、 追加インストールが必要です。 文字化けの箇所が分かれば、そこを直接入力で変換できますが、発見しにくいのは「スペース」です。 特に、文字が入っていない文末のスペースが日本語フォントになっている場合があるので、注意が必 要です。日本語フォントの混在の確認方法はJSA ホームページ「国際標準化関連資料集」の「文字化 けを防ぐためのフォントの確認方法」http://www.jsa.or.jp/itn/itn08.aspを参照ください。 4.4 規格用図面の作成 規格の図面作成ソフトはどこに規定がありますか。図表の作成の最終責任者は誰でしょうか。

参照

関連したドキュメント

○池本委員 事業計画について教えていただきたいのですが、12 ページの表 4-3 を見ます と、破砕処理施設は既存施設が 1 時間当たり 60t に対して、新施設は

○齋藤部会長 ありがとうございました。..

【大塚委員長】 ありがとうございます。.

○片谷審議会会長 ありがとうございました。.

★ IMOによるスタディ 7 の結果、2050 年時点の荷動量は中位に見積もって 2007 年比約3倍となり、何ら対策を講じなかった場合には、2007 年の CO2 排出量 8.4

これらの船舶は、 2017 年の第 4 四半期と 2018 年の第 1 四半期までに引渡さ れる予定である。船価は 1 隻当たり 5,050 万ドルと推定される。船価を考慮す ると、

授業は行っていません。このため、井口担当の 3 年生の研究演習は、2022 年度春学期に 2 コマ行います。また、井口担当の 4 年生の研究演習は、 2023 年秋学期に 2

私たちは、2014 年 9 月の総会で選出された役員として、この 1 年間精一杯務めてまいり