6.1 投票し、コメントを提出する(投票画面)
2007年から、ISOの定期見直し(Systematic review:SR)の方式が変更になりましたが、これまでとの 違いと対処上で注意すべき事項にはどんなことがあるのでしょうか。
【答え】
ISOでは、世界市場性(Global relevance)政策の導入に併せて、発行された規格が世界で広く使われ ているかを確認するために、発行後3年で全ISOメンバーを対象に見直しの投票を行うことを決めまし た。また、その後の5年毎の定期見直しも、「世界で出来るだけ広く使われる規格の作成」という国際 市場性政策の目的に鑑み、全メンバーボディ(MB)を対象に行うことにしました。
従来の定期見直しと大きく異なるのは、次の4点です。
(1) 従来は発行後 5年毎に行っていましたが、今後は規格発行後の初回は3年後、その後5年毎、即 ち発行後 8,13,18…年に定期見直しが行われます。
(2) 従来は、年初に依頼し、6月末締め切りで年1回の6ヶ月投票を行ってきましたが、今後は四半 期ごとに年4回に分けて行われ、投票期間が5ヶ月に短縮されます。ただし、国際幹事がISO/CS に要請すると、時期を選んで年1回にまとめて行うことも出来るようになっています。
(3) 従来、TC/SCのP-メンバーを対象に国際幹事が投票を始動してきましたが、今後はISO中央事 務 局(ISO/CS)が 全MBを 対 象 に 行 い ま す 。 従 っ て 、 従 来 は 投 票 の 依 頼 は 委 員 会 メ ン バ ー
(Committee member: P-, O-及びLiaison メンバー)に限られていましたが、今後は委員会での 地位には関係なく、全てのMBが規格の定期見直しに投票が出来ます。
ただし、投票義務があるのは当該規格を所管するTC/SCのP-メンバーのみで、O-, Liaison, ノン メンバーには義務はありません。
(4) 従来e-mailで行ってきた投票を、今後はTCサーバー上で行うことになり、そのためのGuideが 提供されていますが、概要は以下の通りです。
(JSAホームページ:国際標準化関連資料集http://www.jsa.or.jp/itn/itn08.asp 参照)
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他の投票と同様に、定期見直し(Systematic Review:SR)投票プロセスは以下の主な段階によって特 徴づけられています:
段階1:新たに開始された投票の通知
ISOメンバーボディ(MB)経由で登録した投票者に、特定の日(通常1月、4月、7月、10月の15日) に開始されたすべての投票がEメールで通知される。SR投票は全てのISO MBが対象であり、全ISO MBに通知される。その通知には、ISO会員団体の委員会での地位(P-/O-/非メンバー)に関係なく、
その時期の見直し対象の全規格リストが含まれている。一方、TC/SC単位で登録している各国内審議 団体の投票者(Balloter)には、当該TC/SCのSR投票対象の規格リストがEメールで届けられる。
段階2:投票へのアクセスとファイルのダウンロード
投票者は、電子投票システムを経由して投票にアクセスする。他の投票と異なり、SR投票に添付ファ イルは存在しない。
段階3:投票を決定するための協議の開催
利害関係者から提出された(賛否の)立場とコメントを取りまとめるが、この協議のための場の提供 はMBの責務*であり、電子投票システムには含まれていない(*日本では審議団体の責任)。
段階4:投票とコメント提出
投票とコメントは電子投票システムを経由して行われる。
段階5:催促状
投票締切日の4週間又は1週間前までに会員団体が投票しなかった場合、その会員団体の投票者へE メールで催促状が送付される。
段階6:投票の締切
投票の締切日に達すると、投票は締めきられる。全ての締め切った投票の通知が公認の投票者にEメ ールで送付される。
段階7:投票結果(返信一覧)とコメントへのアクセス
投票締め切り後、登録された投票者、TC/SC幹事と議長、支援スタッフの全ては、投票結果とコメン トを見ることが出来るようになる。
段階8:コメントについての委員会によるフォローアップ
TC/SC幹事と議長は、投票結果とコメントに基づいて、規格に関する措置をとるよう求められる。
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【注意】これまで日本ではISOのDIS/FDISの投票をe-JISCを介して行ってきましたが、定期見直しの 投票が電子化されるのを機会に、TCサーバー上にISO審議団体がそれぞれ直接投票する方式に変更し ました。これに対応するには、DIS/FDISの投票者を国内審議団体ごとに登録することが必要です。TC サーバーではSRの投票者はDIS投票者と同じになっています【10. Global Directiryの項参照】。
6.2 ISO規格の中間見直し
ISO/WG会議の議題が少ないので、過去に検討され採択された規格(2004年〜2006年)の見直しを
討議する提案が、WG事務局から出ています。これに関連して【ISO/IEC専門業務用指針;補足指針
−ISO専用手順2.9.1】の理解の仕方と、WGでの審議後に予想される手順を教えてください。
【答え】
ISO定期見直しは2007年より、これまでのTC/SC国際幹事が5年ごとに担当委員会のP-メンバーを 対象に行ってきた方式から、ISO中央事務局が全ISOメンバーボディ(MB)を対象に、最初は3年後、
以後8年、13年と5年ごとに行う方式に変更になりました。また、実施時期が年4回(1,4,7,11月)
に分けられ、投票期間が6年から5年に短縮され、投票方式もTCサーバーへの電子投票に変わりま した。
従って、【ISO補足指針2.9.1】に記載されている「定期見直し」の典型的手続きは次のように直して 理解する必要があります。
① ISO 中央事務局(ISO/CS)が始動し、発行ないし最後の確認(confirm)から所定の期間が経過し た規格文書について全メンバー(MB)を対象に実施
② 定期見直しの中間時期に、
・TC/SCメンバーを対象に、国際幹事の主導と責任で実施
・一ないし複数のメンバーボディ(MB)の要請で実施 ・事務総長の要請に基づいて実施
本件は②の国際幹事の主導と責任で実施する場合に当たると思いますが、このような事例としては次 のような場合があるでしょう。
(1) 規格策定の途中で、状況の変化や追加すべき事項が発生したが、それに対応していると規格発 行の時機を失するので、先ず現状で現在の案を発行まで進め、直ちに見直しを始める場合
(2) 規格発行後に、新たな変化や事実(間違いを含む)、追加すべき事項が見つかり、それを規格 に取り入れるタイミングを、定期見直しまで待てない場合
(3) 規格の内容が一部の地域の実情に偏っており、ISOが新たに導入した国際市場性(Global relevance)政策上、不適当と判断される場合
その後の想定される手順としては次のような動きになるでしょう。
【提案が承認された場合】
WGの担当規格(2004〜2006)について個々に見直しの要否を検討し、見直しが必要と判断される規 格の改定をWGとしてTC/SC国際幹事に提案します。それを受けて国際幹事はTC/SC会議で審議す るか投票にかけることになります。ただし、この場合に注意すべきは定期見直し以外の改正提案は、
NPの扱いになり、NPの投票ルールに従うことです。
しかし、本件は極めて稀なケースと考えます。ISOでは審議は出来るだけ電子的に文書で行い、会議 は是非に集まって協議する案件がある場合に行うよう指導しています。 従って、会議議題を増やすた めという今回の事例は余り勧められることではないでしょう。
とはいっても、コンビーナが定期見直しより早い改定が必要と判断しているので、その審議はTC/SC 国際幹事に助言するための検討と考えると、ケース②に該当し、ISO/IEC Directivesに沿っていると言 えます。
【該当しない場合】
WGが中間での見直しは必要がないと判断した場合には、通常の定期見直しがルールに従って行われ ます。
6.3 ISO定期見直しの投票結果の取り扱い
定期見直しの投票結果の取り扱いに関して以下の事項について、国際幹事への助言をお願いします。
(1)投票の結果で過半数がconfirm だが、一部のメンバーからrevise/amend の提案がある場合、ど のように対処したらよいでしょうか。
(2)定期見直しの投票結果と幹事国の「対処結果報告/扱いの提案」の文書はどのように回付します か。
(3)一部のメンバーからのコメントを却下し、confirmにする場合、【Form 21(ISO)】の「The following criteria have been met」の4項」にはマークを付けられず、その下の欄の「Confirmation [Criteria 1, 2c, 3, 4 met 」を満たさないことになり、矛盾が生じます。このような場合、Form の 中、あるいはカバーレターで説明をする必要がありますか。
(4)ISO規格の定期見直しで、Normative references(引用文献)のタイトルの変更や、改正の結果 で発行年月日が変わる場合、どのような変更手続きになるのでしょうか。ISO/CSが自動的に変更 するのでしょうか。
【答え】
(1)そのrevise/amend の提案内容が重要と思われる場合は、プロジェクトリーダやWGの意見を求 め、revise/amendに値すると判断されれば、幹事国としてrevise/amendの提案を行います。しか し、revise/amend に値しないと判断すれば、その提案を却下してconfirm の提案を行います。
「対処結果報告/扱い提案」を委員会メンバー等へ回付する際は、カバーレターに「国際幹事とし ての理由をつけて取り扱い(confirm とかrevise とか)を提案します。もしこの提案に異議のある 場合は、何月何日までに申し出て下さい」という文章を付けることをお奨めします。その期日ま でに届いた異議がP-メンバーの過半数以下であれば、他は賛成とみなし、幹事国の提案が承認さ れたことになります。
(2)「定期見直しの投票結果と対処」に関する幹事国の報告/提案はISOサーバーの通常「04.
Projects」のホルダーにアップロードし、回付の必要なメンバーにe-mailでフォルダ「04 Projects」の該当項目を見るよう連絡します。
(3)“In the light of results, this International Standard is proposed for”の1〜4項は国際幹事の判断と 提案ですので、[Criteria 1, 2c, 3, 4 met]を必ずしも満さなくてもconfirmationと判断する場合は、
その提案が出来ます。また、コメントの取扱について個々に説明をつけることは通常しません。
国際幹事の判断の例として、1ヶ国のみのコメントでも、重要な内容であり、幹事としてrevision が必要と判断する場合には、仮にrevisionの投票が過半数に達していなくとも、幹事はRevisionに チェックし、メンバーへ回付します。その場合メンバーへ回答期限を設け、異議のある場合には その旨連絡するように要請し、「連絡がないメンバーは賛成とみなす」という文章を付けること を奨めます。
(4)この場合は多くはrevisionになりますが、editorialな変更で引用規格のタイトルや年号の変更だ けで済むか、規格自体の技術内容の変更(本格的revision)が必要かの判断が重要になります。
発行年がない引用規格は常に最新版を引用することを意味しますが、発行年が併記されている場 合には、その年の規格の部分的内容を、引用することを意味します。従って、引用規格の改定に よる技術的内容の変更が、当該規格の技術内容に影響するか否かの判断は専門家が行う必要があ り、ISO中央事務局(ISO/CS)が自動的に変更することはありません。単なる年次の変更や、タ イトルの変更のみで、技術的な影響がない場合にはその扱いはISO/CSのTechnical programme manager: TPM)と相談されると良いと思います。Technical corrigendumで済ませると簡単ですし、
可能ではないかと思います。
6.4 ISO定期見直しでの改正(Revision)の手続き
規格の定期見直しで、既存のISO規格がAmendment あるいはRevisionと決まった場合、新規業務項目 提案(NP)は省いて進めることが出来るのでしょうか。【Consolidated version of Part 1and
Supplement、2.9.3.2;Option 2】はどちらともとれる記述になっていますが。