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国際会議の開催準備

ドキュメント内 4.5 Type Classificarion (ページ 51-54)

8 国際市場性 (Global relevance)

9.4  国際会議の開催準備

ISOの国際会議を引き受けることが決まりましたが、会議の開催準備をどのように進めるか、注意す べき点などを含めて教えてください。

【答え】

会議の招聘については【ISO Supplement 付属書SO】に記載がありますが、ルール的な書き方ですの で、実務的な視点で気が付くままに、幾つかの項目を挙げてみましょう。

1.会場を選ぶ:

(1) ISOの会議はそれぞれのTC/SCで流儀があり、異なっていますし、会議の規模によっても会場 の必要条件が異なってきます。従って、会議を設定し、舞台裏を担当する責任者は、予め招聘す る会議に出席して、会議の様子や会場のセッティング、会議運営のサポート、コーヒブレークの 様子、晩餐会などをつぶさに見ておくとよいでしょう。例えば、晩餐会がホスト国の招待である 場合と、会費制で参加者が費用負担をする場合がありますし、またホスト国の招待の場合には、

晩餐会のスポンサーを掲示したり、簡単な社名リストを席に予め配ったりする場合があります。

(2) 招待する会議の規模をこれまでの会議の実績を踏まえて、参加者総数、TC/SC/WGなど会議数 と参加者数を想定し、それらをまかなえる会議開催場所を探します。インターネットで「コンベ ンションビューロー」で検索すると、国内各地のコンベンションビューローの情報が出てきます ので、会議の規模、必要条件、予算などを提示して、相談窓口に問い合わせると、適当な会議場、

使用料、会場のサービス内容の情報が得られます。

(3) 開催都市の選定に当たっては、海外からの到着、その後の国内交通機関の便利さ、その場所の 国際的な対応の能力等を勘案するとよいでしょう。地方都市によっては、援助が受けられる場合 があります。コンベンションビューローで確かめるとよいでしょう。ただし、地方で開催する場 合には、大都市からバス等での集団移動も考慮する必要があるかもしれません。

(4) ある程度以上の規模の会議で、会議場の選定に当たって配慮すべき点を列挙すると;  

(a) 最寄り駅、宿泊施設と会議場との位置関係;外国人にも楽にアクセスできること。

(b) 推薦できる宿泊施設を、出来れば料金を階層分けして、準備する;参加者の財政事情に合わ せて、選べるようにする。

(c) 必要な会議室、規模と数が確保出来るか。

(d) 会議場のマイク、電子機器等の対応状況;最近では参加者の多くが会議場でPCを使用し、プ ロジェクターを使って報告等を行いますので、その対応を確認する(電源、設備、機器、外 部へのインターネット接続など;外部から借り入れると余分の経費負担が発生する)。

(e) 会議場ではそのようなサービス(コーヒー ブレーク;昼食サンドイッチ等の提供を含め)が 受けられるか

(f) 会議運営のために、国際会議の運営に手馴れたスタッフの対応が可能か;受付、コピーサー ビス、近隣の情報提供など

(5)会議参加費は徴収してはならない【Supplement 付属書SO.8】ことになっています。しかし、

宿泊施設つきの会議場で行われる場合には、宿泊費に会議室の借料等が加算されている場合があ ります。この場合、会議慣れした代表は、外部に宿泊して節約をる知恵者がいます。

2.会議案内を作成・配布する:

 会議案内には、次の事項を記載するとよいでしょう。

(a) 会議の国際会議名、会議場(名前、住所、通信法等)、期間 (b) 会議登録案内と登録方法(登録書式)

(c) スケジュール(会議時間と場所、晩餐会等ソーシャルイベント案内)

(d) 会場へのアクセス(会場の最寄り駅よりの地図)

(e) 推薦する宿泊施設、予約の方法、アクセス(会場との交通手段)など (f) ビザが必要な国からの入国者への手続き支援

(g) 晩餐会等ではソーシャルイベントの計画*と登録方法(登録書式:同伴者の参加数の確認も)

ホスト国が作成した会議案内等を、国際幹事がTCサーバーにアップロードし、各国へ通知します。

ソーシャルイベントの詳細は、会議場で知らせることもあります。

3.会議場を設営する:

(1)会議参加者の受付の設営:会議の規模で、受付の仕方が変わってきます。

規模が大きく並行して複数の会場を使うような場合;

(a)受付を一箇所設けて、諸般の相談やコピーサービスなどの会議支援の窓口を兼ねるとよいでし ょう。受付には英語の堪能な人が必須です。ただし、規模の小さな場合には、特に受付などは設 けず、参加者の確認は会議の中で行います。

(b) 登録の多くは初日に集中します。この際、会議場の案内と地図、ソーシャルイベントの開催情 報、会場周辺の昼食向けレストラン案内、交通案内(地下鉄路線図など)等の参加向け情報のパ ッケージを渡すように準備するとよいでしょう。会議のスポンサーなどから記念品等が提供され る場合には、登録時に資料と共に手交するとよいでしょう。

    (c) 受付周辺の人が集まる場所に、参加者間の連絡用の連絡板を設けるとよいでしょう。

    規模が小さく会議室が小数に限られる場合;

   会議室の入り口で参加者を確認するとか、議事の一部である“Roll call of delegates”で参加者を 確認する方法があります。会場が一ないし二室で、主催者が直接管理できる場合には、これで十

分でしょう。この場合には、参加者への案内地図等は配布会議資料と一緒に、参加者に勝手にと ってもらうことでも十分でしょう。

 (2)会議室の設営:会議の規模(参加数と室の広さ)により設営状況が異なってきます:

    (a) 机等の配置:会議の規模と目的で配置が変わります;教室型、ロの字型、コの字型か

    (b) マイクが必要か;必要な場合は、国ごとに1本は用意するのがよいでしょう

    (c) PC接続で動くプロジェクターの準備(最近はほぼ比すと考える方がよいでしょう)

    (d) 議論の助けにするための白板等;海外では模造紙を束ねたものが多く見られますが、日本では

白板の使用が便利でしょう。

    (e) 追加配布資料、飲み物、スナック等を置く場所;追加配布資料は入り口近くにテーブルを置き、

そこへ並べて、自由に取ってもらうようにするとよいでしょう。ブレーク用の飲食物は、別室、

会議室の後壁側、あるいは廊下などで、自由に取りやすく、出し入れのし易い場所に配置します。

    (f) 会議の数が多い場合には、会場外に、会議名を表示する準備をするとよいでしょう。

(3)その他の運営のための配慮:

    (a) 大規模な会議の場合には、手の空いた中央事務局の担当官、議長、国際幹事などのために、控

え室を準備するとよいでしょう。その際、PCでの作業等を外部とインターネットで接続できる準 備があると便利でしょう。

(b) 公用語通訳:会議での言語は【ISO/IEC Directives, Part 1;Annex E.17】書かれています。現在は 英語・仏語間の通訳は置かない場合が殆どで、この場合は、議長が会議の冒頭で、“仏語での発言 は英/仏両語を話す代表に英語への橋渡しをお願いする”と発言することで処置しています

【E.7.2】が、この依頼を議長がしないでも、問題がない会議も多いようです。

4.会議の運営:

会議の運営は、議長・国際幹事が行います。

(a) 国際幹事は会議開始前に会場の準備状況を確認し、不足があればホストに要請します。

(b) 資料配布等の雑務軽減のため、追加の資料や国名表示、場合によって水ボトル等は会議室入り 口近くに準備された場所に置き、参加者が自主的に取って、自由に着席するようにするとよいで しょう。先着順のため、席がうまく国単位でまとまらない場合がありますが、各国代表は場慣れ していますので、お互い譲り合って纏まる場合が多いです。

(c)会議の冒頭に議長または国際幹事から追加の資料を取るよう注意すると親切でしょう

(d) ホストは各会議の始まる前に少し時間をもらい、参加者に必要な連絡をします;ソーシャルイ ベン 

トへの申し込み、会議昼食を提供する場合にはその数の確認など。会議数が多い場合には、文書 で各議長に連絡を依頼することもなされています。

5.ソシーシャルイベント

  会議関係者の親交のため、ホスト国が晩餐会に参加者を招待する例が多く見られます。これもそ れぞれの委員会の流儀がありますので、それに従うのがよいでしょう。

留意点は次の通りです。

(a) 豪華でなくとも、開催地に相応しい料理や、個性的な場所などで和やかな会になればよいでし ょう。

(b) 晩餐会で、スポンサー企業などがある場合には、その貢献を示すために、スポンサーリストを 表示したり、配ったりする例も多く見られます。このような配慮をすると、スポンサーも得やす いのでしょう。

(c) ホスト国の負担軽減のため、ソーシャルイベントを有料とする例が、次第に増えてきているよ うですが、これはそれぞれの会議の流儀ですので、TC/SCの慣習に沿って実施します。

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