7. エクセルによるデータ処理
7.1. エクセルの起動と初期設定
図 7-17.2. データの保存とエクセルの終了
せっかくデータを入力しても,保存しなければ無くなってしまいます.まず保存の仕方を覚えましょう.基本的に ワードの場合と同じです.新規のデータを初めて保存するときは「名前を付けて保存」をします.一度,名前を つけて保存した後は適当な間隔で「上書き保存」しましょう.特にエクセルを終了するときは,まず「上書き保存」 をしましょう.「保存」せずに「終了」しようとしたときは警告が出ますが,終了する前に「保存」をする習慣をつけた ほうが無難です.以下には,「名前を付けて保存」と「上書き保存」の手順を説明します. 「名前を付けて保存」エクセルを起動したときは,「Book1」という名前で文書が開かれます(タイトルバーの Microsoft Excel の隣りに 「- Book1」となってますね).ここでは名前を変えて,自分のホームディレクトリーに保存する方法を説明します. 1. 左上の[ファイル ]→[名前を付けて保存]→[参照]をクリックしていきます.(図 7-2 参照) 図 7-2 エクセルの起動と初期設定を行います.エクセルを起動するためにはデスクトップ上にある右図のアイコン をダブルクリックします.すると図7-1 のようにエクセルのウィンドウが開き、「空白のブック」を選択するとエク セルが起動します.
2. するとの[名前を付けて保存]ダイアログが表示されます(図 7-3 参照).[保存する場所]は,「学生番号 (s1410xx)」を選んでください。 図 7-3 3. [ファイル名]の隣りの空欄にマウスポインターを持っていって一回クリックします. 4. ま ず , す で に 入 っ て い る 名 前(.xlsx より左側)を[Backspace]キーか[Delete]キーで削除します ([Backspace]キーはカーソルより前の1文字を削除します.[Delete]キーはカーソルより後の1文字を削 除します). 5. 次に「test1」とキーボードから入力します. 6. ここまでできたら,[保存]ボタンをマウスでクリックします. 「上書き保存」 すでに名前を付けた文書を編集中に保存するには上書き保存をします.これは簡単で,[ファイル]→[上書き 保存]をクリックすれば,保存されます.また、タイトルバー左上の「 」を押すことでも保存されます。 「エクセルの終了」 エクセルを終了するにはいくつかの方法があります.ここでは2つの方法を示します.
方法1. [Microsoft Excel]ウィンドウの右上の[×]ボタンをクリックする. 方法2. 左上の[ファイル]→[閉じる]とクリックしていく
7.3. 保存したデータの再編集
すでに作成し,保存した文書をワードで開くためには3つの方法があります. 方法1: エクセルを起動し,左上の[ファイル]→[開く]をクリックする.すると[ファイルを開く]ダイアログ(図 7-4)が開くので,編集したいファイルをクリックして選択し,[開く]ボタンをクリックする. 図 7-4 方法2: エクセルを起動し,左上の[ファイル]をクリックすると,下のほうに最近編集したファイルの一覧が出る ので,そこから編集したいファイル名をクリックする. 方法3: 文書ファイルのアイコンを直接ダブルクリックする.皆さんは自分のホームディレクトリーに「test1」と いう文書を保存したはずなので,[マイコンピュータ]→[‘nefs.cosmos.shimane-u.ac.jp¥u¥gra ¥13’のsXXXXXX(Y:¥)]とダブルクリックして,中にある「test1」ファイルをダブルクリックしてくださ い.すると自動的にエクセルが起動し,編集ができます7.4. エクセルによる実験データの解析
ここでは,エクセルによる実験データの処理とワードによるレポートの作成を勉強します 具体的には,2年生の学生実験で行う「Searle の装置による Young 率」の測定を例に取ります.エクセルを使う と,データ処理やグラフの作成が簡単に行えることを理解してください.以下に,まず実験を簡単に整理しま す. 長さ l の針金に重さ M の重りをつるしたときに針金の伸びl は,Young 率を E とすると弾性変化する範囲内で,M
ES
gl
l
で与えられる.ここでは,教科書と少しやり方を変えて,針金の伸びl を重さ M プロットしたときに,その傾きが
ES
gl
で与えられることからE を求めることを考えることにする.以下では,次のような実験データがあったとする. 針金の長さl
: 116.7cm 5個所ではかった針金の直径: d1 0.779mm d2 0.772mm d3 0.779mm d4 0.776mm d5 0.775mm 表 7-1 重りをつるしたときの針金の相対的な伸び: 重りの重さ(Kg) 重りを増加したときの 長さ(mm) 重りを減少したときの 長さ(mm) 0 6.011 6.016 1 6.120 6.141 2 6.236 6.242 3 6.357 6.354 4 6.475 6.478 5 6.587 6.587表 7-2
7.4.1. データの入力
エクセルを起動してデータを入力します.エクセルは非常に大きな表にな っています.ここには自由にデータを書きこむことができます.まず,表 7-1のデータを入力しましょう(右図参照).数値データを入力するときは 必ず「半角英数」で入力します.入力を終えたら7.2章に従ってまず[名 前をつけて保存]をしましょう. 表を構成する四角はセルと呼ばれ,その列に対応するアルファベットと行 番号により名前がつけられます.例えば上の図で「直径(mm)」と入力し たセルは[B1]という名前で呼ばれます.図 7-5
7.4.2. 数値処理 ここでは,5箇所で測った直径の平均値をもとめてセル[B7]に代入し,また平均の直径から平均の断面積を計 算する方法を学びます.平均の直径の計算(ウィザードを用いた例) 1. セル[B7]をクリックして選択します(図7-5).選択されると太字の四角でセルが縁取られます. 2. メニューから[数式]→[関数の挿入]とクリックします.すると図 7-6(a) の[関数の挿入]ダイアログが表示 されます. 3. [関数の分類]で[統計]を選択し,[関数名]で[AVERAGE]を選択します.ダイアログの下にその関数が 行う処理が表示されます.これはわれわれの目的に合っているものなので,[OK]をクリックします. 4. すると,図 7-6(b)のダイアログが表示されます.平均を行う範囲もセルB2からB6と正しいのでこのまま[O K]をクリックします. 5. するとセルB7に平均値「0.7762」が入っています(図 7-6(c)). (a) (c) (b) 図 7-6
図 7-6(c)の上を見ると[B7=]の横に[=AVERAGE(B2:B6)]となっていることが解ります.B2からB6は数値 データが入っていますが,B7には「B2からB6の平均値を計算する」という数式が入っているわけです.従って B2からB6の値を変えるとB7の値も自動的に変わります. 関数を覚えれば,上のような手続きを取らずに直接数式[=AVERAGE(B2:B6)]をセルB7に入力すれば平均 値を求めることができます. 平均の断面積の計算(数式の直接入力の例) 次に,針金の平均の断面積をSI 単位系で求めます.今度はセルに直接数式を入力して計算します.円の面積 は 2
r
で求められますから, 2 3)
2
10
7
(
141592
.
3
B
S
で求まります.エクセルでは四則「+,-,×,÷」は「+,-,*,/」で行います.またべき乗は「^」で行います. 従って上の式は 3.141592*(B7*10^(-3)/2)^2 と表現されます.そこでセル B8 をクリックして選択し, そこに「=3.141592*(B7*10^(-3)/2)^2」と入力し,エ ンターキーを押します(図 7-7).「=」を先頭に入れる のを忘れないでください.また入力はすべて半角英数 を用いてください.すると断面積が自動的に計算され ます.図 7-7
数式のペースト 今度は,重りを下げたときの針金の伸びのデータを入力します(図 7-8). 次に,重りを増加したときと減少した ときの相対的な針金の伸びの平均値をだして SI 単位系に直して見ましょう.ここでは直接数式を代入して処理 します. 図 7-8 1. まずセルD12 をクリックして選択します. 2. セルB12 と C12 を平均して1000で割ればよいので,「=(B12+C12)/2/1000」と入力しエンターキーを押しま す(図7-9).図 7-9 セルD13 から D17 にも同様の数式を入力すれば平均値を求めることができますが,ここではペーストを使って, もう少し簡単に入力をすることを考えます. 1. まずセルD12 を左クリックして選択し,次に右クリックします. 2. 図7-10 のプルダウンメニューが表示されるので[コピー(C)]をクリックします. 3. 次にセルD13 から D17 を左ボタンでドラッグ(左ボタンをしたままマウスを移動)し選択する.選択した領域 は黒く反転する 4. 選択した領域内でマウスの右ボタンをクリックする. 5. 図7-11 のプルダウンメニューが表示されるので,ここで[貼り付け(P)]をクリックする. 6. 図7-12 のように D13 から D17 にも平均の針金の伸びが計算され代入される. (注) セルD12 は「=(B12+C12)/2/1000」なので,これをコピーすると良くないように思われるがエクセルは自動 的に行番号を変更してコピーしてくれる.例えばセル D13 には「=(B13+C13)/2/1000」が入力されてい る. 図 7-10 図 7-11
図 7-12
7.4.3. グラフの作成
次に,重りの重さと針金の伸びの関係をグラフにすることを学びましょう. 1. まずグラフにするデータを選択します.そのためセルA12 から A17 をマウスの左ボタンでドラッグして選択し ます. 2. 次に,[Ctrl]キーを押したままセル D12 から D17 をドラッグして選択範囲を追加します.[Ctrl]キーを押 したまま選択することで以前選択したA12 から A17 も選択されたまま残ります(図 7-13). 図7-13 3. [挿入]→「散布図」→「散布図」 の順にクリックします(図7-14).4. 図 7-15 のグラフが描かれます.
図 7-15
7.4.4. 回帰直線の追加
前章で求めたグラフの回帰直線を求め,その傾きからヤング率を計算します. 1. グラフのプロット点を右クリックします. 2. メニューから[近似曲線の追加(R)]を選択します. 3. ウィンドウ右側に[近似曲線近似の書式設定]ダイアログが表示されるので(図 7-16(a)),[線形近似(L)]を クリックして選択する. 4. さら[グラフに数式を表示する]にチェックを入れます(図7-16(b)). 5. 回帰直線がグラフに追加される.(図7-17) 6. 回帰直線の数式がグラフ上にあるが,このままでは有効数字が足りないので式の書式を変更する.このため にグラフ上の数式をダブルクリックする. 7. ウィンドウ右側に[近似曲線ラベルの書式設定]ダイアログが表示されるので,[ラベルオプション ]の[表 示形式]から,[カテゴリ(C)]で[指数]選択し[小数点以下の桁数]を[2]に設定する.(図 7-18)(a) (b) 図 7-16 図 7-17 図 7-18 以上で,重りの重さとバネの伸びのグラフは傾き
1
.
149
10
4を持つことが解りました.傾きはES
gl
で与えられ4
10
149
.
1
S
gl
E
で与えられ,g
9
.
80
m
/
sec
2,l
1
.
161
m
,S
4
.
732
10
7m
2等を代入すると, 2 11/
10
091
.
2
N
m
E
とヤング率が求まる.7.5. ワードによるレポートの作成
ここでは,エクセルで作成・解析したデータをワードに埋め込んでレポートを作成することを学びます.いままで エクセルで作ったデータはワードで利用することができます.OLE ( Object Link Embedding )という機能を 使うと表や図を他のアプリケーションに埋め込むことができます.埋め込まれたオブジェクト(表や図)は後から 編集することができます.以下ではワード,エクセルともに起動しているものとします.7.5.1. オブジェクトの貼り付け
[表の貼り付け] 図7-19 のようなワードの文書にさきほど作ったエクセルの表(図 7-7)を貼り付ける場合を考えます. 1. ワード上でまず貼り付けたい場所にカーソルを移動します(図7-19). 図 7-19 2. エクセルに移り,貼り付けたい部分をマウスでドラッグ(左ボタンを押したまま移動)して選択します(図7-20) 3. エクセルのメニューから[ホーム]→[クリップボード]→[コピー(C)]とクリックします. 4. ワードに戻って,[ホーム]→[クリップボード]→[貼り付けの下にある▼]→[形式を選択して貼り付け(S)]の 順にクリックします. 5. 図 7-21 の[形式を選択して貼り付け]ダイアログが表示されるので,[貼り付け]を選択し,[貼り付ける形式] は[Microsoft Excel ワークシートオブジェクト]を選択して,[OK]ボタンをクリックします. 6. 図7-22 のように表がワードの文書に貼り付けられます.図 7-20 図 7-21 図 7-22 [グラフの貼り付け] グラフの貼り付け表の貼り付けとほとん ど同様にできます.以下ではエクセル で作成したグラフ(図 7-15)をワードに 貼り付ける場合を考えます. 1. ワード上で貼り付けたい場所にカ ーソルを移動します 2. エクセルに移り,貼り付けたい図を クリックして選択します.選択される とグラフが白い枠で囲まれます (図7-23). 図 7-23 3. エクセルのメニューから[ホーム]→[クリップボード]→[コピー(C)]とクリックします.
4. ワードに戻って,[ホーム]→[クリップボード]→[貼り付けの下にある▼]→[形式を選択して貼り付け(S)]の 順にクリックします. 5. 図7-24 の[形式を選択して貼り付け]ダイアログが表示されるので,[貼り付け]を選択し,[貼り付ける形式] は[Microsoft Excel グラフオブジェクト]を選択して,[OK]ボタンをクリックします 6. 図7-25 のようにグラフがワードの文書に貼り付けられます. 図 7-24
図 7-25
7.5.2. オブジェクトの編集
OLE を用いて貼り付けられたオブジェクトは,作成元のアプリケーションソフトウェア(ここではエクセル)を用い てシームレスに編集することができます. [表の編集] ここでは,先ほど貼り付けた表に罫線を加える方法を例に取り,編集の仕方を見ていきます. 1. ワード上で先ほど貼り付けた表をダブルクリックします. 2. 表に枠がつき,表の任意のセルをクリックすると,メニューがエクセルのものに変化します(図 7-26).この状 態ではエクセルのコマンドをほとんど全て利用することができます. 3. ここでメニューから[ホーム]の[スタイル]の中の[テーブルとしての書式設定]をクリックします(図7-26). 4. 好みのスタイルを選択します. 5. 範囲指定のダイアログが表示されるので,適切な範囲を選ぶと表に罫線がひかれます. 6. 表以外の部分をクリックすると,オブジェクトの編集を抜けてワードに戻ります.(図 7-27) 図 7-26図 7-27
[グラフの編集] 先ほど貼り付けたグラフの編集も,ほとんど同様に行うことができます.ここでは軸タイトルをつけたり,目盛りの 刻み幅を変えたりする方法を例に取り見ていくことにします. 1. ワード上のグラフをダブルクリックする.(図 7-28) 図 7-282. グラフに枠がつきます.グラフをクリックすると,メニューに[グラフツール]が現れます. 3. [グラフツール]→[デザイン]の順にクリックしていき,グラフのレイアウトの中のグラフ要素を追加から,目盛 り線や軸ラベルの表示・非表示の選択などができます. 4. またy 軸の設定を変更したい場合は,y 軸を選択した状態で,[軸]→[その他の主縦軸オプション(M)]の順 にクリックすると、ダイアログが開きます.ここで軸目盛りの間隔や,表示方式を設定することができます.(図 7-29) 5. グラフの編集を終えてワードに戻るためには,表の編集のときと同様にグラフを囲んだ枠より外側をクリックし ます. 図 7-29
7.6. 実験レポートの例
Searl の装置による Young 率の測定
氏名:
月 日 共同実験者: 天気: 気温: 気圧: 湿度: 場所: [目的] Searl の装置を用いて... [原理] 長さl
cm
,断面積S
m
2の一様な針金に... [実験方法] ...... [実験結果] 1. 針金の直径の平均値と平均の断面積 以下に5個所で計った針金の直径とその平均値,およびそれから求まる平均の断面積を表にまとめる. 2. 重りの重さと針金の相対的な伸びの関係 以下に重りの重さと針金の相対的な伸びを表にまとめる.針金の伸びは重りを増加したときと減少したときの両 方で測定し,その平均値を実際の伸びとした.重りの重さ(Kg)
増加時の長さ(mm) 減少時の長さ(mm) 平均の伸び(m) 0 6.011 6.016 6.0135E-03 1 6.120 6.141 6.1305E-03 2 6.236 6.242 6.2390E-03 3 6.357 6.354 6.3555E-03 4 6.475 6.478 6.4765E-03 5 6.587 6.587 6.5870E-03 上の結果をもとに重りの重さと平均の伸びをグラフにしたのが次の図である. 黒四角が実測値で,実線は最少自乗法により最適化した1次回帰直線である. 直径(mm) d1 0.779 d2 0.772 d3 0.779 d4 0.776 d5 0.775 平均値 0.776 面積(m2) 4.732E-07重りとバネの伸びの関係 5.8E-03 6.0E-03 6.2E-03 6.4E-03 6.6E-03 6.8E-03 0 1 2 3 4 5 重りの重さ(Kg) バ ネ の 伸 び (m ) 上の図の回帰直線は