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Academic year: 2021

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(1)

〔注意事項〕 .監督者の指示があるまで,この冊子と解答用紙を開いてはいけません。 .この冊子の問題は ページからなっています。また,解答用紙は 枚,下書用紙は 枚あります。監督者から解答開始の合図があったら,この冊子,解答用紙,下書用紙 を確認し,落丁・乱丁および印刷の不鮮明な箇所などがあれば,手をあげて監督者に 知らせなさい。 .解答用紙には,受験番号を記入する欄がそれぞれ 箇所ずつあります。監督者の指示 に従って,すべての解答用紙(合計 枚)の受験番号欄(合計 箇所)に受験番号を必 ず記入しなさい。 .この冊子の白紙と余白は,適宜下書きや計算などに使用してよい。 .解答は,必ず別紙「解答用紙」の指定された場所(問題番号や設問の番号・記号などが 対応する解答欄の中)に記入しなさい。なお,指定された場所以外や,裏面への解答 は採点対象外です。 .解答用紙は,持ち帰ってはいけません。 .この冊子と下書用紙は,持ち帰りなさい。

平 成 年 度(後期日程) 入学者選抜学力検査問題

総 合 問 題

( 分) Bk ( )

(2)

問題訂正

1.科目等名

総合問題

(応用生物学課程)

(後期日程)

2.訂正箇所及び訂正内容

Ⅳ 問2 2行目

〔誤〕名称を漢字で

〔正〕名称を解答欄に

問2 下から8行目

〔誤〕得意な

〔正〕特異な

(3)

核酸に関する以下の設問に答えなさい。 (配点率 %) 問 .以下は DNA を構成する塩基の構造式である。アとウには塩基の名称,イとエには適当な 記号を入れなさい。 NH2 N N N H N O NH 2 NH N N H N NH2 O N N H H C3 O NH N H O アデニン (A) ア (イ) ウ (エ) チミン (T) 問 .以下の分子のオとカの名称を書き, つの分子間の構造の違いを書きなさい。 OH 1 2 3 4 5 OH OH CH OH2 O OH 1 2 3 4 5 H OH CH OH2 O オ カ 問 .ATP はどのような分子からできているか答えなさい。 問 .問 のアデニンとチミン,アとウの間で水素結合が形成された状態を構造式を使って示し なさい。 問 .DNA 分子内に問 のアデニンとチミンよりもアとウの含有量が多い場合,二本鎖の DNA 分子を一本鎖にするためにはより大きな熱を必要とするが,その理由を答えなさい。 ― ― Bk ( )

(4)

次のAとBの文章は生物学に関する書籍に対する書評(『ヒトの見方』養老孟司,ちくま文庫, 年)の一部である。以下の文章を読み,問に答えなさい。 (配点率 %) さとし A 生物学と自由−渡辺慧『生命と自由』 生物学は厄介な学問である。もっとも,大抵の学問はそれぞれ違った風に厄介なのであろう。 生物学には昔から,生気論と機械論,統合論と還元論,という対立がある。この本を読むと, それがどういうことであるか,良く判る。他人の厄介事を理解する為に,本を読もうというきと くな人は余り無いかもしれぬが,それはさておこう。 生気論,統合論は同系で,機械論,還元論は同系である。つまり,生物学というものは,物理 化学に還元できる,と思うのは還元論の方である。このことを詳しく言い出すと際限が無くな り,この本のように,本を一冊書かなくてはならなくなる。だから,右の要約でまけておいて頂 く。 ところで,現実に生物学をやっている人と話し合うと,機械論者というのは,探せば探すほど 居なくなる。もし居るとしたら,貴重な存在であるから,大切に保存しなくてはならぬ。 考えてみれば,これは当たり前のことで,近代の生物学は人間も生物の中にまぜてしまった。 生物学をやるのは人間であるから,誰も自分を機械だとは本当のところ思っていないし,あの女 ほ に惚れたのは ⑴ ホルモンの故だ,とは思っていないのである。だから,抽象的に論ずる限り,機械 論も還元論も人気は全く無い。 ところで,もう一つ厄介な事がある。患者は医者に行くと,薬をもらいたがる。注射をしてく れ,と言う。これは明らかに,機械論,還元論の立場に立っているのである。自分の体の動きが 悪いから,油を差したら何とかなるか,と思っているのである。 具体的な生物学の現場,つまり研究室でも話は同じである。機械論,還元論の立場で仕事を進 めない限り,普通は論文にはならない。当人が論文の積りでいても,エッセイにされてしまう。 もうか 受け付ける体質が無い。薬づけにしなければ,医者が儲らないのと同工である。論文が無いと飯 の食い上げになる。第一,論文というのは形式が決まっていて,それにはまる様に書けば,ちゃ んと機械論,還元論になるようにできているのである。 この『生命と自由』という本は良い本である。内容に反対すべき点を見出すことはできなかっ た。判らぬ所も含めての話である。私が付け加えたいのは,問題は論じられている内容の正否で はないような気がする,ということである。現場の生物学は,今や構造汚職ならぬ構造的還元論 状態とでも言うべきものに陥っており,この書物に書かれた趣旨に対しては,総論賛成,各論反 対という,てんけい的な病状を示している,ということなのである。 それにしても「生命と自由」という題は示唆的である。今度は「生物学と自由」という本を,誰か に書いて頂きたいものである。 ― ― Bk ( )

(5)

B 単純なる前提−丸山工作『筋肉のなぞ』 食用とする肉は,ふつう筋肉である。シャトーブリアンというステーキは,ウシの腸腰筋の筋 腹を用いるらしい。やや細長い筋の,中央部だけを切り出す。だから,本当は,一頭のウシか ら,左右二コしか取れない。腸腰筋の類の筋肉は,腰の内側,つまり脊柱の腹側にあって,ヒレ というのはこの辺の筋の総称である。そう思って見ていると,ヒトの腸腰筋も少し小さめとはい うものの,軟らかく,旨そうな筋ではある。 この本は,特にステーキとは関係はない。わが国の研究者を中心におき,戦後の筋肉の生物学 の発展を解説したものである。 頭脳労働に対して筋肉労働,というが如く,われわれは筋肉の機能に対し,へんけんを抱く。 筋肉には,別に不可思議な生命の力は含まれていない。筋肉が行うのは,まさに ⑵「機械的な」運動 に過ぎぬ。 ろう 筋肉の機能が単に力学的なものだ,という牢固たるへんけんは,筋肉の物理化学的な解析を助 けたに違いない。ここでは,「高次の」神経活動,という表現に見られるような,生き物を物理化 学に還元することに対する,心理的なしょうへきは存在しにくい。 戦後わが国における筋肉の研究が,期せずしてアルバート・セント=ジェルジの書物を読んだ 数人の研究者にはじまるということを,私はこの本で知った。 セント=ジェルジは,研究生活をウサギを材料とする仕事からはじめた。しかし,彼はウサギ という材料は複雑にすぎる,と考え,やがて材料を細菌に変えた。しかし,細菌もなお,複雑に たん すぎたので,筋から抽出した蛋白の研究に移った,という。 セント=ジェルジの晩年のじゅっかいはこうである。「私は生命を理解しようとして,生命を バラバラにしていった。しかしその間に,生命は指の間からこぼれ落ちてしまった。私が今やろ うとしていることは,その生命を再構成することである」 この本では,単純な前提から,明確な結論がどれだけ次々に導き出されてくるか,という,い わば成功した生物学の分野のてんけいが示される。科学的な真理とは単純なものである,と私は 教えられてきたように思う。しかし,このような例を見る限り,単純なのはむしろ前提だ,と言 わねばならぬ。前提が単純でなければ,実行,つまり実験,の役には立たないからである。 教科書風ではない,現代の生物学の解説として,この本は良いものであるし,雰囲気がよく伝 すくな えられていると思う。こういうそっちょくな本は,科学では少い。現に活躍している人達を取り 扱っているだけに,著者の解釈と評価には,異論が有り得よう。しかし,その点はまさに,著者 が語るに落ちているのであって,著者の考えは考えであり,そっちょくにそう見なせば良い,と 思うのである。 注 出題の都合上,一部改変しました。 ― ― Bk ( )

(6)

問 .下線部 ∼ のひらがなを漢字に改めなさい。 問 .下線部 について,筆者はなぜこのように主張しているのか,その理由を本文に即して説 明しなさい。 問 .下線部 について,なぜ「むしろ」という表現を用いているのか,その理由を本文の内容に 基づいて説明しなさい。 問 .下線部⑴について,血糖値が低下した際の生体の反応について下記の単語をすべて用いて 説明しなさい(同一語を複数回使用しても良い)。 [すい臓,肝臓,筋,副腎髄質,副腎皮質,ランゲルハンス島,タンパク質,グルコース, グリコーゲン] 問 .下線部⑵について,骨格筋を構成する構造の つにサルコメア(筋節)と呼ばれるものがあ し かん る。骨格筋の弛緩しているときと収縮しているときのサルコメアの構造を図示しなさい。な お,図示するサルコメアは Z 膜から隣の Z 膜までの つとし,図中に下記の要素を明示し なさい。 [Z 膜,太いフィラメント,細いフィラメント,明帯,暗帯] 問 .AとBの内容を踏まえて,生物学に対する筆者の考え方を推察しなさい。また,筆者の考 えに対してあなた自身はどのように考えるか,本文の内容を踏まえて論じなさい。 ― ― Bk ( )

(7)

次の文章ⅠとⅡを読み,以下の問に答えなさい。 (配点率 %) 文章Ⅰ およそ 億年前に誕生した地球には,当初は生物が存在しなかった。生物が誕生するために はまず分子量が小さい有機物がつくられ,さらにタンパク質などの分子量が大きい有機物に変化 する過程が必要であった。このような,原始地球における生物が誕生する前の有機物の生成過程 を( ア )という。 a) やがて,有機物から,現存する地球上の生物の共通祖先である生物が誕生し た。地球の原始大気には( イ )はほとんど含まれていなかった。約 億年前には二酸化炭素 を還元して( イ )を発生する原核生物である( ウ )が地球上に急速に分布を広げたが, b)( イ )が大気中に蓄積を始めたのは ∼ 億年前であった。マーグリスの細胞内共生説によ れば,約 億年前には( ウ )が細胞内共生して( エ )という細胞内小器官となった植物細 胞が誕生した。 ( イ )の濃度がおよそ %を超えた結果,生物によって有害な( オ )を吸収するオゾン 層が十分に形成され,植物が上陸できるようになった。植物の進化の歴史上,シダ植物は被子植 物よりも早期に出現し, c)木生シダ植物は温暖で湿潤であった古生代の数千万年あまりの時期にわ たって大繁栄した。 d) その後中生代の白亜紀になると被子植物が出現した。白亜紀末期には中生 代を代表する動物の大量絶滅が起きたが, e) 被子植物は新生代以降にさらに多様化し,植物種の多 くの割合を占めるようになった。 文章Ⅱ 固有種指数 北 X 250 km 高   ↑   低 図 九州および南西諸島の一部における維 管束植物の固有種指数。固有種指数が高 いほど固有種の割合が多いことを示す。 出典:加藤雅啓・海老原淳編,国立科学博物 館叢書 「日本の固有植物」(東海大学出版 会・平成 年)を改変 進化とは,生物の形質が世代を経るにつれて 変化していくことである。ある地域に生息する 同じ種の生物の集団に含まれる遺伝子全体を ( カ )とよび,この中で生じる対立遺伝子の ( キ )が変化することにより,進化が生じ る。遺伝子に突然変異が生じたとき,その遺伝 子による形質の変化が生存や繁殖に有利になる 場合は,世代を経るごとにその遺伝子をもつ個 体の割合が( A )する。このようなしくみを ( ク )という。一方,一定の時間あたりの DNAの塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列 の変化の度合いが( B )ことがあり,このこ と か ら( ケ )と い う 考 え 方 が 生 ま れ た。 ( ケ )を利用すると,ある種が共通の種から 分岐した年代を推定することができる。 ― ― Bk ( )

(8)

問 .文章ⅠとⅡの空欄( ア )∼( ケ )に適切な語句を入れなさい。 問 .下線部a)に関して,この生物の特徴として適切なものをすべて選び,記号で答えなさ い。適切なものがない場合は「なし」と答えなさい。 遺伝物質として RNA だけをもっていた。 代謝をおこなう能力をもっていた。 外界と自己とを分ける膜構造をもっていた。 問 .下線部b)に関して,( イ )が大気中に蓄積され始めるまでに時間がかかったのはなぜ か,その理由を説明しなさい。 問 .下線部c)とd)に関して,これらの時代に繁栄した代表的な動物として最も適切なものを 以下の ∼ からそれぞれ つ選び,記号で答えなさい。 無顎類 は虫類 真猿類 真獣類 大型昆虫類 三葉虫類 問 .下線部e)に関して,被子植物が多様化したのは,花粉を運ぶ動物(送粉者)との間でお互 いに影響をおよぼし合ったからだと考えられている。このような過程を何というか,答えな さい。 問 .空欄( A )と( B )にあてはまる語句の組み合わせとしてもっとも適切なものを以下 の①∼⑥から選び,番号で答えなさい。 (A) (B) ① 増加 増加する ② 増加 一定である ③ 増加 減少する (A) (B) ④ 減少 増加する ⑤ 減少 一定である ⑥ 減少 減少する 問 .図 は,日本の九州から南西諸島の一部における維管束植物の固有種の割合を示したもの である。図 の楕円で囲まれた X の地域は,かつては九州とつながった陸地を形成してお り,その後の気候変動によって島になったと考えられている。X の地域における固有種の割 合は,図 の他の地域と比べるとどのようであるか答えなさい。さらに,その理由を「地理 的隔離」「遺伝的浮動」「個体数」「生殖的隔離」という つのキーワードを使って説明しなさ い。 ― ― Bk ( )

(9)

以下の文章を読み,下記の問いに答えなさい。 (配点率 %)

(出典:B. Albert 他著 Essential cell biology 3rd edition, Garland Science, USAを改変)

注:decipher,解読する;anatomy,解剖学的構造;cytoplasm,細胞質;cram,詰め込む; miscellaneous,種々雑多な;jumble,寄せ集め;organelles,細胞小器官;

hazily,ぼやっとした

― ― Bk ( )

(10)

図 Interpretive drawing of electron micrograph of a cell (×12,000).

(出典:B. Walpole 著 Biology for the IB Diploma, Cambridge UK より改変)

問 .下線部⒜,⒟を和訳しなさい。⒜の these が何を示すか,明確に訳すること。 問 .右ページの図は英文中に述べられているような細胞内構造を電子顕微鏡で観察した画像の イラストである。図中の( )∼( )に相当する細胞内構造の名称を漢字で解答欄に記入しな さい。さらに下記の文章中の空欄( A )∼( J )に適切な語句を入れなさい。ただし, ( A ),( D ),( I )には数字を記入しなさい。 ( )は( A )枚の膜で囲まれた構造体で,内部には DNA が( B )というタンパク質 に巻き付いた状態のクロマチン繊維と ∼数個の( C )という構造が存在する。( )は ( )の周りを取り囲むように存在する( D )重の膜構造である。この構造は( E )上で 合成されたタンパク質などの物質輸送に関わっている。( )に輸送されるタンパク質には ( F )配列という得意なアミノ酸配列が存在する。( )は,数層に重なる扁平な袋状構造 と,その周りに散在する球状の小胞からなる。この構造は( )から受け取ったタンパク質を 濃縮し,細胞外へと運びやすいかたちにする。細胞の活動に必要なエネルギーは,( )での 有機物の分解によって合成される( G )として供給される。この構造は内外 重の膜構造 をしており,内膜には( H )反応に関わる酵素などが存在する。( )は細胞質の最外層に ある脂質( I )重膜であり,物質の出入りを調節している。( )で合成された分泌タンパ ク質は,( )を介して分泌顆粒に内包され,それが( )と融合して,細胞外に放出される。 この過程を( J )という。 ― ― Bk ( )

(著作権の関係で掲載しておりません)

(11)

問 .ヒト赤血球の顕微鏡画像には長さ mmのスケールバーが添えられており,その長さは 顕微鏡視野内では μm に相当する。この画像上の赤血球の直径は mmであった。 ⑴ この赤血球の実際の直径は何μm であったか。計算しなさい。 ⑵ この細胞は上からみると円形,横から見ると扁平な構造をしている。その構造を円柱と 仮定して,その厚さを μm とした場合の細胞の容積 μm を求めなさい。小数点以下は 四捨五入すること。 ⑶ 観察に用いた顕微鏡には 倍の接眼レンズが装着してあった。対物レンズは何倍のレ ンズを使用したのか。拡大倍率から計算しなさい。 問 .下線部⒞に述べられているように顕微鏡には観察できるサイズの限界がある。以下の ( )∼( )を(A)肉眼でも観察できるもの,(B)肉眼では見分けられないが,光学顕微鏡を 使えば観察できるもの,(C)光学顕微鏡では見分けられないが,電子顕微鏡を使えば観察で きるものという 群にわけ,各群の中でサイズが小さい順に記号で記入しなさい。なお光学 顕微鏡は光源として可視光を使うものを使用する。円形のものはその直径,楕円形のものは 長径を観察する。 ( )カ エ ル 受 精 卵、( )中 心 小 体、( )DNA の 二 重 ら せ ん の 太 さ、( )ゾ ウ リ ム シ、 ( )ES 細胞、( )リボソーム、( )大腸菌、( )ミオグロビン分子、( )インフルエンザ ウイルス、( )ヒト卵子(排卵時) 問 .細胞内構造を,光学顕微鏡を用いて観察したい。ところが下線部⒝に述べられているよう な問題点のため検出は容易ではない。細胞内にある特定の構造を,電子顕微鏡を用いないで 観察するにはどのようにすればよいか。考えられる観察方法を具体的に 字程度で説明し なさい。 (以 上) ― ― Bk ( )

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