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Bak-Sneppenモデルのネットワーク構造依存性

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Academic year: 2021

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Bak-Sneppen モデルのネットワーク構造依存性

岡本 麻衣子† 穴田 一‡ 武蔵工業大学大学院 工学研究科† 武蔵工業大学 工学部‡ 1. はじめに 脳や免疫系の能力は相互作用の絡み合いの中 から生まれてくるといわれている。また経済活 動や生物の進化においても相互作用が重要な役 割を果たしているといわれている。ところが、 相互作用が重要だといわれているにもかかわら ず、相互作用のネットワーク構造を考慮した研 究は少ない。 一方、生物の進化を表したモデルの一つとし てBak-Sneppen モデル[1]がある。このモデルは 相互作用しあう種同士の共進化を表したモデル であるが、化石データから算出されたベキ分布 と合わない。これは、Bak-Sneppen モデルが 1 次元のネットワーク構造を用いたモデルで、自 然界のネットワーク構造と異なっているからで ある。 そこで、本研究では、Bak-Sneppen モデルに、 現実のネットワーク構造に近いといわれている Scale-Free ネットワークを用いることを考えた。 Bak-Sneppen モデルに Scale-Free ネットワー クを用いた研究で、Sungmin Lee と Yup Kim による研究[2]がある。しかし、この研究では同 一種で複雑さを変えた1種類の Scale-Free ネッ トワークしか用いていない。 もし、Bak-Sneppen モデルがネットワーク構 造に依存するならば、同じ Scale-Free ネットワ ークでも異なる種類のネットワーク、つまり、 トポロジーの異なるネットワークによって、異 なった振る舞い方をすることが考えられる。 そこで、本研究では、複数のトポロジーの異 なる Scale-Free ネットワークを Bak-Sneppen モデルに用いて、その結果から、Bak-Sneppen モデルのネットワーク構造依存性を確かめるこ ととした。 2. Bak-Sneppen モデル 生物の進化は自然淘汰による最適化を行って いると考えられる。この最適化のプロセスを視 覚化したものが適応度地形である。適応度地形 では、生物の進化は凹凸のある地形上を高みに 向かって進んでいく過程にたとえられる。つま り、適応度の高低を地形上の高さ、地形上の位 置を生物の表現型、そして地形上の移動を進化 として表現している。 ここで疑問なのが、生物が進んでいく(進化し ていく)地形に変動がないのだろうかということ だ。それぞれの種にとっての最適なあり方は、 相互作用しあう他の種に依存する。したがって、 ある種が進化すれば、相互作用しあう別の種の 進化にも影響が及ぶこととなり、その結果、地 形の変動が起こると考えることができる。そこ で、この地形の変動の効果を適応度地形に含め たものが「結合適応度地形」である。 結合適応度地形とは、相互作用しあうような 最適化のプロセスを視覚的に表現したものであ り、地形上の移動を進化、そのときの相互作用 による影響を地形の変動として表現したもので ある。 この結合適応度地形のモデルの一つが Bak-Sn eppen モデルである。このモデルは生態系のネ ットワークを想定したものであり、生物の断続 平衡進化を説明するモデルとして提案されたも のである。 Bak-Sneppen モデルは、N 個の要素とそれら を配置する一次元トーラスから構成されており、 トーラス上で隣接する要素間には相互作用があ る。それぞれの要素は内部状態 を持ち、初期 値は(0,1)の一様乱数によって与えられる。この 内部状態 は以下のような手順による更新を それぞれのステップごとに繰り返す。 1. 内部状態 のうち最小の要素 を選択 する。 2. 選択された 、及び、その要素と相互作 用のある要素、 と を一様乱数によ って更新し、その他の内部状態はそのま

Network structure dependence of Bak-Sneppen model †Maiko OKAMOTO, Graduate School of Engineering, Musashi Institute of Technology

‡Hajime ANADA, Faculty of Engineering, Musashi Institute of Technology i n b

{ }

i n b

{ }

i n b bnk k n b 1 + k n b bnk−1

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1B-3

情報処理学会第69回全国大会

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まにして、 とする。 各要素の持つ内部状態とは、それぞれの要素 に起こる次の変化(進化)までにかかる時間を表し ていると考えることができる。結合適応度地形 上では、ある要素に変化が起こると、相互作用 の及ぶ範囲の要素の地形に変化が起こることと なり、その結果それらの要素に表現型上の変化 はなくとも、次の変化(進化)までにかかる時間、 すなわち適応度地形の形には影響が及ぶことと なる。つまり、上記の手続きは、1 で表現型が進 化する唯一の要素を選択し、2 では、その要素の 表現型の進化による他への影響(適応度地形の形 の変化)を表している。 Bak-Sneppen モデルの種の寿命分布を図 1 に 示す。図 1 は要素数4096、ステップ数 200 万の 場合で、x 軸は寿命を、y軸はそれぞれの寿命の 頻度を表し、両軸とも対数で表されている。ま た、図中の直線はベキ分布の漸近線である。こ の図よりベキ分布の指数は約1.6 であることがわ かる。 図 1 Bak-Sneppen モデルの寿命分布 (N=4096 2000 万ステップ) 横軸は寿命、縦軸は寿命の頻度を表す(両対数目盛) ところが、化石データより算出された結果か ら、生物の種の寿命分布は指数 2 のベキ分布に 漸近することがわかっており、Bak-Sneppen モ デルの種の寿命分布と化石データとでは合わな いことが知られている。これは Bak-Sneppen モ デルのネットワーク構造が生物におけるネット ワーク構造とは異なっている可能性があること を示していると思われる。 3. 結果 ここでは、ランダムネットワークによる結果 と複写-除去モデルによる結果を載せる。 ランダムネットワークモデルの種の寿命分布 を図 2、複写-除去モデルの種の寿命分布を図 3 に示す。図2、図 3 ともに、要素数 4096 、ステ ップ数 2000 万の場合で、x 軸は寿命を、y軸は それぞれの寿命の頻度を表し、両軸とも対数で 表されている。 図2 Random Network モデルによる寿命分布 (N=4096 2000 万ステップ) 図3 複写-除去モデルによる寿命分布 (N=4096 2000 万ステップ) 4. まとめ 発表ではこれらの結果とともに、トポロジー の異なる複数の Scale-Free モデルを用いた結果 に触れ、Bak-Sneppen モデルのネットワーク構 造依存性について議論する予定である。 参考文献

[1]P.Bak and K.Sneppen : “ Punctuated Equilibrium and Criticality in a Simple Model of Evolution ” 、 Phys. Rev. Lett. 71 、 4083(1993)

[2]Sungmin Lee and Yup Kim : “Coevolutionary dynamics on scale-free networks”, Phys.Rev.E 71, 057102(2005)

{ }

i n b+1

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情報処理学会第69回全国大会

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