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自律分散型ロボット間通信のための適応予約型TDMAプロトコルの性能評価

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(1)

『マルチメディア通信と分散処理ワークショップJ 平成16年12月

自衛撒型ロボット時国言のため例都予業型

TDMA

プロトコルの幽包開面

荒井[J慎平t.什 小 山 明 夫ttt パロリ・レオナルドtttt 自律分散型ロボットシステムは複数台で協調動作を行うことにより,単

Z

虫型ロボットでは困難な高度で 複雑なタスクを新子することが可能となる.協調動作を実行するためにはロボット開通信が不可欠となる. 本論文では,複数台の自律移動ロボットによる協調搬送作業を想定し,実時間性・適応性を考慮したメディ アアクセス制御プロトコノレAR-TDMA(A句 tiveR!鋭rvation-Tune Division M

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ω)方式を提案す る.シミュレーションによる性能矧面の結果,本方式は従来方式に比べ通信遅延特性,スケーラピリティ 特性,運搬時間に優れていることを確認した.

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1

.はじめに

近年の急速な少子高齢化と技術の進歩により, 生産技術としてのロボット技術が,介護や福祉 また建築現場など非製造業分野への応用も進ん でいる.また,原子力施設のメンテナンス,都 市災害時のレスキュー,地雷探知・撤去などへ の対応も急務となっているJ) このようにロボットへの作業要求は高度で多 様化しており,従来のような単独型ロボットで すべての作業を達成することは困難になりつつ ある. そこで近年,複数台の自律移動ロボットを協 調させ高度で複雑な作業を効率よく行わせる, 自律分散型ロボットシステムの研究が盛んに行 われているの-7) 複数台に分散化することにより, T山形県立産業技術短期大学校情報制御システム科 Depar加entofInformation and Control Engineering, Yamagata College of Industry and Technology tt山形大学大学院理工学研究科システム情報工学専攻 Graduate School of Science and Engineering, Yamagata University ttt山形大学工学部情報科学科 Department of Informatiω, Yamagata Unive凶ty tttt福岡工業大学情報工学部情報通信工学科 Dep81匂nentofInformation and Communication Engin白rin,FgukuokaInstitute ofTechnoJogy ロボット 1台あたりの機能を単純化することが でき,コストと信頼性を向上させることができ る.また 1台のロボットが故障しでも残りの ロボ、ットでタスクを達成できるといった耐故障 性と,入口が狭く移動経路が入り組んでいるよ うな大規模プラント内・災害現場などで,行動 形態を分散・集中させてタスクを実行できると いった柔軟性も向上させることができる.この ような協調動作を実行するためにはロボット開 通信が不可欠となる.通信を行うためには,通 信の多重アクセスを制御する M AC (Medium Access Control; メディアアクセス制御)プロ トコルが必要となる 3).4).5).6) これまで筆者らは,複数台の自律移動ロボッ トによる協調搬送作業を想定し(図1),実時間 性・適応性を考慮したメディアアクセス制御プ ロ ト コ ル A R - T D M A (Adaptive Reservation-Time Division Multiple Access)方式を 提案している 8) 本論文では,シミュレーションによる性能評 価により,本方式が従来方式に比べ通信遅延特 性,スケーラピリティ特性,運搬時間に優れて いることを示す. 本論文の構成は次のようになる 2章で従来 方式の問題点について述べる.3章では,

(2)

AR-μ

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図1.複数台のロボットによる協調搬送作業

TDMA

方式の基本動作について述べる.

4

章 では,

AR-TDMA

方式の伝送特性等をシミュ レーションによって求め,従来方式と比較し性 能評価を行う. 5章は本論文のまとめである.

2.

従来方式の問題点

はじめに本論文で基本とする

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時分割多重アクセ ス)方式について述べる.

TDMA

方式とは,時 間軸を一定間隔で分割し,分割された時間のな かでノードの送信権を切り替えることで,パ ケットの衝突なしに伝送を行う通信方式である 9) 図

2

TDMA

方式の概念図を示す.一定時間 に分割された時間軸はスロットと呼ばれ,ス ロット群の1周期をフレームと呼ぶ.各ノード はあらかじめ割り当てられたスロットを使い送 信する.受信ノードはスロット内のあて先アド レスを参照し自分あてのデータの時は受信し, それ以外のあて先アドレスの場合は破棄する. 各ノード聞では同期が必要なため,同期させる ための大域時計もしくはネットワーク全体の同 期が必要となる.また全体のノード数も既知で なければスケジューリングができない.した がって協調動作中にロボットが離脱・新規参入 するような,ノード数が動的に変化するような 環境に適用するためには工夫が必要である. ロボット開通信のM A Cプロトコルとして,

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方式が提案されている 6) これはロボ‘ッ ト聞の通信範囲を,最初に協調動作を要求した ロボットから1ホップで届く領域内に限定し, その領域内だけに一時的で部分的なタイムス Frame 図

2

. TDMA

方式の概念図 ロットを割り当てる方式である.協調動作が終 了した時点で割り当ては解放される.このタイ ムスロットは固定されたものでなく,新たなロ ボットからの通信要求により割り当てを拡張し たり,逆に通信が終了したタイムスロットを抜 き出し,割り当てを縮小したりといった動的な 割り当て機構をもっ. しかし,

TDMA/TP

方式には次のような 問題点がある. (1)フレーム内のスロットは 各ノードに静的に割り当てられているため(図 3),送信要求が発生しないノードの割り当て はむだになってしまう.図 3においてノード 3からの送信要求がないとすると,このスロッ ト割り当てはむだに時間を消費することにな る.静的割り当て方式の場合,各ノードが毎周 期とも均一に送信要求があるような場合には 効率的だが,例えば図4のように協調搬送を行 う環境内に,張り出した障害物がありかっ両側 が壁で大きく迂回できないような場合,障害物 と接触しそうなロボットは,握持箇所を持ち替 える必要がある.持ち替え動作を行うロボット は他のロボットに比べ必然的に通信量が増える ことになり,静的割り当て方式では実時間制御 に適応できなくなってしまう. (2)スロット の割り当て・解除通知およびスロットの拡張・ 縮小要求受付のすべてをコントロールスロッ ト(図3)で行っているため,パケットの衝突 を防ぐためにスロットの拡張・縮小要求は,ス ロット割り当てなどの重要な通信が行われて いる聞は送出することができず,柔軟性に欠け る. Frame

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方式の静的スロット割り当て 図4.握持箇所を替えながらの協調搬送作業

(3)

(3)同時に2つ以上のスロットの拡張・縮小 要求があった場合,パケットの衝突を起こす可 能性があり,これらに対する対策が議論されて いない. 本研究ではこれらの問題点を解決するメディ アアクセス嗣胸プロトコルの開発を目的としている.

3

.

提案方式

3.1 AR

TDMA

方式の概要 均一な通信量でない環境やロボット数の変化 など動的な環境に適応できるよう,本方式には 以下のような特長がある. (1)実時間性を保証するためJ

TDMA/TP

方 式の問題点である静的スロット割り当て方 式に代わり,予約機構を取り入れた動的ス ロット割り当て方式を採用している. (2)ロボットの新規参入に柔軟に適応するため, 専用の予約スロットを設けている. (3)複数台のロボットから同時に新規参入要求 があった場合のパケット衝突対策として,ロ ボットの動力源であるバッテリ残量を指標 としたスロット割り当て方式を採用してい る. なお設計にあたっては次の仮定をしている. 協調搬送の作業形態は 1台のロボットが りーダとなり経路計画を行い,残りのロボッ トがフォロワとなりそれに従うリーダ・フォ ロワ型とする7) 通信範囲は

TDMNTP

方式同様,最初に 協調動作を要求したロボットから 1ホップ で届く領域内とし,協調動作終了後はスロッ ト割り当てが解放されるものとする. 通 信 の 同 期 方 式 は 屋 外 で あ れ ばG P S

(Global Positioning System)から,屋内で あれば電波時計から基準時間を受信し,自己 のローカルクロックとの差を評価して行う こととする.

3.2 AR-TDMA

方式のフレーム構造

AR-TDMA

方式のフレーム構造を図

5

に 示す.本方式のフレームは, リーダロボット用 コントロールスロット(以下

CL

)

,フォロワロ ボット用予約スロット(以下R x, xはロボッ ト1D),新規参入ロボット用予約スロット(以 下RJ),フオロワロボット用データスロット (以下Dx,xはロボット 1D)より構成される. ContrQI slot for leader robot 「~Rl I也悶刊、,-ー~一「 CL:Control slot for Leader robot Rx:Reservation slot for follower robots Dx:Data slot for follower robots x:Robot-1D RJ :Reservation slot for Joining robot 図5. AR-TDMA方式のフレーム構造 それぞれ, C Lは予約スロットの割り当ておよ び経路情報送信に, R xはフォロワロボットか らの送信・離脱要求受付に, R

J

は新たに協調 動作に加わりたいロボットからの要求受付に, D xは各フオロワロボットの動作状況送信など に使われる.なお, RJは条件によりミニスロッ トを加え拡張される. 基本的な動作としては,まずデータを送信す る前に予約を行い,その予約状況をもとにデー タスロットが割り当てられ,その後実際のデー タパケットを送信するという手順である.予約 機構により通信が必要なノードだけにデータス ロットが割り当てられるため,静的割り当て方 式のように通信の必要がないノードまでスロッ トが割り当てられ,余分な時聞が生じるという ことがない. 1サイクルの処理時間 Tmaxは,ロボット台数 をn,C Lを tC L' R xを tres' R

J

を tjoin, Dxをtd耐とすると式(1)で表される. Tm出

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+ nXtres+

oin+n X匂ata (1) 3.3動的なタイムスロット割り当て ロボットの故障やバッテリ残量不足等により, 協調動作中にロボットの離脱・新規参入が発生 することが予想される.このような状況に柔軟 に適応するため,本方式ではスロットの動的な 割り当てを行う.協調動作から離脱する場合に はR xに離脱専用のコードを書き込む.逆に協 調動作に新たに加わる場合には, R

J

に自己の IDを書き込む.図 6にロボットの離脱,図 7 に新規参入の流れを示す.

(4)

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図6.ロボットが離脱する場合 Control slot for leader robot ¥ Joining request from rob叫4

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図7. ロボットが新規参入する場合 3.4 パケットの衝突回避方法 新規参入の要求を複数台のロボットがもって いる場合,送信タイミングが閉じであればパ ケットの衝突が発生する.そこで本方式では, パケット衝突が発生した際 2回目以降のパ ケット衝突を以下の手順で回避する.図8に処理 の流れを示す. (1)リーダロボットは信号レベ ルを検知することによりパケット衝突を認識す る.(2)パケット衝突を認識したリーダロボッ トは, R

J

を通常のデータ領域の前に ID番号 順に構成されたミニスロット領域を加え拡張す Control slot for leader robot

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図8.パケット衝突時の処理 ることをブロードキャストする.(3)新規参入 要求をもっロボットは,拡張された

RJ

内のミ ニスロットに,自己のバッテリ残量を ID番 号の小さい方から順次書き込む.(4)最後のミ ニスロットまで処理が進んだ後,バッテリ残量 の最も多いロボットが自己の IDをデータ領域 に書き込み,新規参入要求を再送信する.同じ バッテリ残量の場合には, 1 D番号の小さいロ ボットが再送信する.

4

.

性能評価

提案方式である

AR-TDMA

方式と,従来 方式である

TDMA/TP

方式の性能をシ ミュレーションにより評価する.性能評価の尺 度としては,まずデータ発生率と平均伝達時間 の関係を表す通信遅延特性について行う.次に ロボット数と平均伝達時間の関係からスケー ラピリティ特性について行う.さらに運搬時間 について行う.ここで,データ発生率とは,各 ロボットからの送信要求ノぐケット生成間隔の ことである.生成間隔が短くなるほどデータ発 生率が高くなる.平均伝達時間とは,各ロボッ トにおける送信要求パケット発生から待ち時 間を経て,各ロボットの割り当てスロットで処 理されるまでの時間の平均である.スケーラビ リティ特性とは,ロボット数の増加に対する通 信遅延の増加量を示す特性である.ロボット数 が増加しでも通信遅延の増加量が小さいほど, スケーラピリティ特性に優れていることにな る.運搬時間とは,複数台のロボットが通信を 行いながら協調搬送作業を行う時,ある距離ま で進むのに要した時間のことである.時間が短 いほど性能が優れていることになる. シミュレーションの諸条件を次のように仮 定する. (1)作業ロボット数は20台とし, うち 1台が リーダロボット,残りがフオロワロボット とする.各ロボットのタイムスロット割り 当ては完了しているものとする.

(

2

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フレーム長は

TDMA/TP

方式は固定長

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方式は送信予約 によってデータスロットが割り当てられる ため,可変長

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とする. (3)送信要求パケットの生成間隔は,指数分布 とする. (4)ロボットの通信速度は 11[Mbps]とする.

(5)

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ロボットの移動速度は

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とする. (7)シミュレーション時聞は

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とする. (8)協調搬送作業中,通信の輔楼状態により情 報交換ができない場合には,正常な通信状 態に回復するまで,ロボットは一時停止す るものとする. (9)上記の条件に加え,スケーラピリティ特性 評価時のロボット数は5...50台とする. また,運搬時間評価時の協調搬送距離は最 大

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, シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 時 間 は

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とする. 4.1通信遅延特性 図9にデータ発生率と平均伝達時間の関係 を表す通信遅延特性を示す.横軸は各ロボット からの送信要求パケット発生率,縦軸は送信要 求パケット発生から待ち時間を経て,データス ロットで処理されるまでの時間の平均を表し ている.協調搬送中の各ロボットからの送信要 求によって通信遅延がどのような特性を示す かを計測する. 図9より,パケット発生率が 900/0まではT DMA/TP方式に比べ, AR-TDMA方式 の方が遅延の増加率が小さく優れた特性を示 している.これは動的割り当てにより,送信要 求のあるロボットだけにタイムスロットが割 り当てられ,フレーム長が短くなるためである. この特性は,第2章で述べたように障害物回避 等により,特定のロボットだけ頻繁に通信しな ければならないような,均一でない通信環境(図 4)で有効となる.しかし,パケット発生率が 2500 2000

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1500 ω .~

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1000 ω 白 500 o o ーベ>-1DMAITP

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-AR-1DM A 0.5 Generation rate of sending packet 図9. 通信遅延特性 1.0 90%を超えると遅延の構加率が大きくなり, TDMA/TP方式との遅延の差が小さくな り性能が低下している.これは, トラヒックが 常にあるような状況下では, トラヒックに応じ たスロット割り当てが可能という,動的割り当 て方式の長所が生かされないためである. 以上より, AR-TDMA方式は均一でない 通信環境において優れた通信遅延特性になる ことが示された. 4.2スケーラピリティ特性 図10にスケーラピリティ特性を評価する ための,ロボット数と平均伝達時間の関係を示 す.横軸は協調搬送を行っているロボット数, 縦軸は送信待ち時間の平均を表している.平均 パケット生成間隔は

1

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とし, 2つのトラヒック状態を示している. 図10より, 2つのトラヒック状態とも,ロ ボット数増加に伴い,通信遅延は増加している が, TDMA/TP方式に比べ, AR-TDM A方式は遅延が少なく優れた特性を示してい る.次に,ロボット数精加に伴う,各方式のト ラヒックの違いによる通信遅延増加量に着目 すると,ロボット数50台におけるT D M A / T P方式の増加量が約

1

2

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なのに対し, A R-TDMA方式は約

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と, T D M A / T P方式の1/3となっている.これはロボッ ト数が増加しでも通信遅延の増加量が小さい という,スケーラピリティ特性に優れているこ とを示している. 以上よりスケーラピリティ特性においても AR-TDMA方式の有効性が示された. 1600 1400 1200

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-AR・1DMAintcrvaJ2.S[ms) 5 10 15 20 25 30 3S 40 45 50 Nmnber of¥Wrking robots 図 1O. スケーラピリティ特性

(6)

4.3運搬時間 本研究で想定しているロボット間協調動作 は,各ロボットが常に通信を行い,互いの状態 を把握しながら協調動作を進めていくことを 基本としている.そのため,ロボット聞の通信 方式が直接ロボットの位置や速度制御に影響 してくる.したがって通信方式を評価する上で, 運搬時聞は重要となる.運搬時間を示す搬送距 離と所要時間の関係、を図 11に示す.横軸は協 調搬送を開始してからの搬送距離,縦軸は協調 搬送を開始してから,ある距離まで到達するの に要した時間を表している.協調搬送中に通信 が滞り無く行われないとロボットの軌道修正 が効率的に行われず,搬送に要する時間も多く なる. 図11より,いずれの搬送距離においてもT DMA/TP方式に比べ, A RーTDMA方式 の方が優れた性能を示している.特に搬送距離 が長くなるほど,所要時間の差が顕著になって いる.搬送距離100[m]における所要時間に着目 すると,ロボットの移動速度が最大

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[m/s] であることから,所要時間約 1015[sec]である AR-TDMA方式は最大移動速度に近い速 度を維持しながら協調搬送を行ってきたこと がわかる.したがってAR-TDMA方式は実 時間性に優れていると言える.一方TDMA/ T P方式は約 1160[sec]である.これは通信待 ち時間の増加により,通信が滞り障害物回避の ための軌道修正が効率的に行えなかったこと によるものである. 以上より運搬時間においてもA R - T D M A方式の有効性が示された.

おわりに

本論文では,複数台の自律移動ロボットによる 協調搬送作業を想定し,実時間性・適応性を考慮 した自律分散型ロボット開通信のためのM A C プロトコル, AR-TDMA方式を提案した.さ らに本方式の特性を検証するためシミュレー ションによって性能評価を行った.その結果, (1)本方式は,障害物回避等により,特定のロ ボットだけ頻繁に通信しなければならない ような均一でない通信環境において, T D M A/TP方式より優れた通信遅延特性を示 す. (2)本方式は,ロボット数が増加しでも通信遅延 の増加量が小さく,スケーラピリティ特性に 優れている. (3)本方式は,ロボットの最大移動速度に近い速 度で運搬が行える実時間性を有している. 今後は実装により,実時間性,適応性を検証し ていく予定である.

5

.

参考文献

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600 400 図11.運搬時間

参照

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