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子宮破裂の一例

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Academic year: 2021

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子宮破裂の一例

東京女子醤學專門學校産婦人科教室︵主任堤教授︶

         根 本

俊 子

39  子宮破裂は時に遭遇するものにして陣痛遇度、器械的逮娩の場合、叉嘗って帝王切開を施しπるもの或は 筋層の特に弱いものなどに登來する。  私は最近経験し把子宮破裂の珍しき一例に就いて報告致しπい。 患者 大○と〇 三十歳  家族歴、特筆すべき事はない。  既往歴、幼時より健登にして著患を知らない。  初経は十七歳に來饗し爾來順調持績は三日乃至五日問.量は中等度、経時筈痛を訴へない。  十九歳の時健全なる男子︵現在の夫︶と結婚し三同分娩を輕過した。  初産は二十一歳にして正常分娩であったが子供は小さく生後二十日にして死亡しπ第二同は死産、第三同 は二十七歳の七月にして正常分娩.子供は現在健登である。  今同妊娠分娩野鴨、最終分娩以來無月輕.悪阻は輕度胎動を威じπのは九月︵昭和七年︶であると云ふ。  陣痛は本年三月十六日中昭和八年︶午前五時よう攣り同五時三十分破水、あまウ強い陣痛は來なかつ把と云 ふ。同七時頃産婆が内診して膣中に謄帯が脱出して居る事を失う、早速附近の讐師の診察を受けしめπ..    根本H子宮破︷裂の一例      笛丁三巻 二〇九

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40    根本︾闘子宮破裂の一例       筑丁三巻  二一〇  同黙拝が八時頃陣痛促進剤?の注射を行ひ沈るに、暫時の後二﹁二同可成張い陣痛登作があってその後停止 してしまつ泥。其の後患者は嘔吐を訴へだ。その野上腹部は非常に膨満し緊張して居り膀帯は爾側の上腿の 間に脱出して居回と云ふ十時三十分當院婦人科入院。  入院時の所見、顔貌少しく蒼白コチァノーぜ﹂なし騰格小、榮養良、乳房懸垂して、犬乳腺の登育良、乳量 の着色著明、初乳を差出す。脹搏頻欺八十五至を算す、呼吸は促進せるも呼吸困難などなし。  腹部は蚕禮的に強度に膨満し歴迫疹痛を訴へ、胎兇部分は明瞭に鰯診し難く免心音も聴取せられない。  内診所見、爾上腿の問に平帯脱出し臆動なく、外子宮口は殆ど完杢に開き胎見の頭部を鯛れる事が出來 泥。  娩出術。診察後直ちに分娩室に患者を移し十一時四十分よリコク八月フォルムエーブ川し麻醇の下に廻轄術 を行っπ。  艦部が大きく娩出し難き爲、季肋部を穿孔し、児頭は穿頗術を施しプアイトスメリーの方法にて胎兜を娩 出せしめπ。  胎盤を出さんとして子宮内に手を入れ覧る時に手は腹腔に達し胎盤はこれを堪れる事が出來なかつπ。  故に破裂を起しだるものと診断して直ちに開腹術を行った。  開腹術、オンブレダン氏麻醇の下に開腹を行ふ。先に導尿により血尿を見泥、故に膀胱壁の損傷を想像し 柁。  子宮頸部の前壁に十四−五罪の縦位の頸管破裂あり、膣前壁に及んで居π胎盤は子宮の外に出て骨盤腔内 に存在して居だ腹腔及び破裂個所の附近に二百i三百立方糎の暗赤色の血液があり、一部凝血が混在して居

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4正 た子宮頸部前壁に一致しπる膀胱の後壁に於て第三糎の長さの膀胱破裂ありそこより尿の流出して居るのを 見牝。  子宮を摘出し、膀胱破裂はこれを閉資し.尿道よりは持績﹁,カテーテ川﹂を置き、腹部には・、、クリッッ氏 ﹁タンポン﹂を挿入し膣よう﹁ヨードフオ川ムガーゼしを邊画して手術を終へπ。  手術後五日目兵長は非常に重書にして膿濫は三十入度五分から九度二三分を昇降し、失禁二三同、榮養は 痙口的に絶封に撮取する事が出訴なかった併し六絹目頃よ命漸次良好に向ひ八日目に抜練をなし九日目に持 績﹁カテープ川﹂を抜だした十六日目よう畢熱となり一ヶ月後全治退院し覚。  妊娠子宮の破裂に就いてはボ∼ヅロック氏が種々なる分娩障.碍の際に起る事を報告したその後バンデル氏 等が破裂の登生に就いての理論的研究及び産婦の綿密なる観察をなした。  子宮破裂の原因は一、産道の分娩障碍郎ち母語側にては狡窄骨盤、産道の閉塞、内生殖器の腫瘍等、胎児側 にあうては互大兇、麟水腫.横位、或は斜位等、二、子宮壁に原因のあるもの即ち多産婦、帝王切開後搬痕 形成、磯育不全、面形等、以上の原因申本例は骨盤外計測を試み鴨るに棘問距離二〇糎学問距離二三糎轄子 聞距離二⊥四穴外結合線一七糎なる所より狡窄骨盤によるものと察せられる。而して恐らく陣痛促進剃を與へ πる爲破裂を起し把ものと思はれる。既往症に述べ泥通り前三園分娩を経過して居るが患者の訴へによれば 第一同は非常に小さく生後二十日にして死亡し第二同は死産第三同は小さかったが登歯して居る。  狡窄骨盤はしばしば子宮破裂の原因となるものにしてパンデ川付の報告によれば三十二例の子宮破裂中十 九例帥ち五十二%は狭窄骨盤によるものであると云ふ。  症候、子宮頸部過度に伸展して破裂が窮追して來れば産婦は多く不安の歌を呈するか非常に興奮し賑博は    根本﹂一−子宮破裂の一例       第三雀  二一一

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42    根本目子宮破裂の一例       第三巻 一二二 黒点となり、呼吸も促迫し、子宮は持論的に牧麗し爲に陣痛間着時に於ても疹痛が甚しい。外診により所謂 攣縮輪を腰部邊に稽突隆せる溝嵩物として縦られ、又燭知せられる。圓靱帯は子宮燈上部緊縮の爲陣痛問敏 時に於ても張く緊張し腹壁より鯛知し得る。  此の際内診すれば卵膜は已に破れ、胎兜先進部は多くは骨盤入口にめり頸管が歴漏せられて居る時は子宮 口唇は俘腫を呈して居る本例に於ては以上の如き症歌は現はさなかったやうである。  破裂の症候 破裂が登來すれば今迄あり起る張烈なる陣痛は停止ずる。出血は内出血及び外出血あり爲に 急性貧血或は虚脱の状態となる普通は貧血及び腹膜刺戟の爲に﹁ショック﹂症歌が現れるものである。又子宮 より出陀る胎兇を腹部より入頭大にふれる事が出島る。本例に於ては腹部の膨満が著しく爲に燭知する事は 出來なかつだ。不完登破裂の場合血腫をつくる事がある本例に於ては以上の如き症候はあまり認められなか つπ。  豫後 子宮破裂の豫後は不良の事多く稀に良好である。これは損傷の種類程度それに伸ふ出血傳染或は治 療の如何によって異るものである。  心見の豫後は極めて悪い破裂進行中胎盤の剥離によって死亡するが胎盤附着して居り三見を早く出しだる 時は死を繋れる。只非常に稀に腹腔に出だ所の胎児を開腹によって援ける事が出認る。  治療 切迫性破裂の症歌が現れ陀時は距離をかけて陣痛を抑制し速に分娩を絡了せしむる様にする。胎見 死亡せる時は穿六窓や戯脚注を施して途娩せしむる胎児生存する時は帝王切開を行ふ。此の際傳染の危瞼あ るものに於てはボロ言意手術をなす。若し周園の歌謡により手術不可能なる時は胎児尚生活せる場合に於て も穿顧術を施し母艦のみを救ふ。破裂起らば開腹術を行ふ此の際止血に注意を彿ひ胎児及び胎盤を挽出し不

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完登破裂の場合及び破裂の大ならざる時はこれを縫合する。破裂の大なる時は膣上部切断術をなし樽染の危 瞼あるものに短しては子宮蚕誓事術を施すべきである不幸にして開腹術の出置ない時に於ては自然道より胎 見を出し開腹手術の設備ある病院へ運ぶべきである。  手術後の腱置としては興奮捌、強心魂を輿へ,フンゲ〃氏液.生理的食墨水葡萄糖等の静脈内或は皮下注 入をなし叉輸血等をなして杢国歌態の恢復に努むべきである。  陣痛促進剃によって起りたる子宮破裂の前駆症及び破裂症候の不朋瞭な一例に就いて簡輩に御報告しπ次 第である。  終りに臨み堤教授の御懇切なる御指導を謝謝致します。 43 根本−一子宮破製の一例 第三巻 二一三

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