11 (東京汝医大誌・第23巻第2号頁41−42 昭 矛日29年5 月)
血清蛋白分劃’iS滲出液或lt[気胸蓄水の
蛋白分劃この關係についで
東京汝子医科大学内科教室(圭任 笹 サ’サ (受1付 昭和27年4月23日) 三神美和教授)井 順 子
イ スナ コ 血清蛋白及び滲出液蛋白二丁の関係については 従来の諸家の記載は必ずしも一致していない。例 えば蛋白係数乃至蛋白濃度について,瀬野。小川 等は両者は略相伴って変動する事を認めている。 これに対して中瀬・藤井は両者は逆行的に変動す るといい,叉Meyer, Reicheは単に1血清蛋白は 滲出液蛋白より常に高値を示すといっている。更 に病状に関聯しては,山中,Nishiyamaは滲出 液吸収期に両者が逆比的関係を示すことを認め, 岩田は軽症結核症患者に於ては両者が逆行的に変 動するといっている。 電気泳動法による研究では,Luetscher,北本, 土屋,平井・島尾等のいつれも両者が略々平行す る如き成績を得ている。 本研究は,滲出性肋膜炎:5名,初期結核症8名 浸潤性肺結核症4名,混合性肺結核症3名,計20 名の同一患者の同一時期に採取した血清と,滲出 液及び気胸二水の両蛋白二二について統計的に考 察を試みた。 測定は吉川・斎藤氏の蛋白分劃方法に従った○ 結果は図に示した通りで,アルブミン百分率に ついては,滲出液が血清より高い例11名,両者 が相等しい例1名,血清が滲出液より高い例8名 であって,Luetscherは滲出液のアルブミンは血 漿のアルブミンより高いといっているが,本研究 の成績では特に滲出液のアルブミンが高いとは言 い得ない。しかし両者は5%以下の危険率で相関 k係を認める。 αグロブリン百分率については,滲出液が」血浩 より高い例4名,両者が相等しい例3名,1血清が 滲出液より高い例13名であった。両者は危険率 5%以下で相ee k係を有し,一般に血清において 高値をみとめる。 βグロブリン百分率については,滲出液が一血清 より高い例11名,両者が相等しい例2名,血清 が滲出液より高い例7名であって,Luetscherは 二二液のβグロブリンは血漿より低値を示すと 言っているが,本研究ではむしろ高値を示す者が 多い。街両者は5%以下の危険率で相ee k係をみ とめる。 γグロブリン百分率については,滲出液が血清 より高い例13名,両者が相等しい例2名,血清 が滲出液より高い例5名であって,平井・島尾は 滲出液の7グロブリンはその患者の血清に比して 高値を示す事が多いといっているが;本成績も一・v−i 致した結果を得た。両者は5%以下の危険率で相 関々係がある。 Luetscher,平井。島尾等は血清アルブミンは 一般に滲出液に比して低い値を示す事が多いと葺 っているが,私が経過を逐って観察した所,滲出 期,吸収三等によって両者の関係が変化する事を 認めた。平井・島尾は1血漿アルブミンの減少に対 して,胸腔内にアルブミンが主として滲出し,そ れが急速にグロブリンに変化するという無理な仮 定をしない限り,血漿内のグロブリンはアルブミ ンに比して,何等かの形で急速に充当されるとい う老えを抱かねばならないと言っている。 父 Radioactive i$otopeを使ってのTaverの 研究によると,一般に血漿グロブリンはアルブミ ンに比して2倍も代謝が早いようである。私も血 漿蛋自の再成速度に差のある事は確認したが,ア ルブミンのグロブリンへの移行については云々出 一 41 一一12 来ない。しかし同一患者において,其の血清と滲 出液の蛋白分劃は5%以下の危険率で相闘々係を 示し,各分屑については,evグnプリンは血清に 於て,γグUプリンは滲出液に契て高櫨を示す傾 向がある様に思われる。 御指導御校閲を頂いた前東京女子医科大学教授岩崎 秀之先生,東京大学教授島薗順雄先生並びに種々御助 力を頂いた東京女子医科大学教授三神美和先生に感謝 する。 1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9> 文 二 瀬脇:日本内科学会雑誌,13,1925. 小川:中外医事新報,No.1926. 中瀬・籐井:十全会雑誌,33.1928. 山中:日新医学,12.1932. 岩田 : 日本内科学会秦佳ilξ, 37. 1948. 北本・土屋: 第42回結核学会発表,1949. 平井・島屋:薬学,3.2,1949,
Luetscher: J. chin. lnvest. 19. 313. 1940. Luets.eher: J. cnin. lnvest. 20. 99. 1941.
滲液及び血清Alb百分峯 滲液及び血清αglb百分牽 211