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Estrogen-related receptor alpha induces epithelial-mesenchymal transition through cancer-stromal interactions in endometrial cancer

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名 寄木 香織 論 文 題 目

Estrogen-related receptor alpha induces epithelial-mesenchymal transition through cancer-stromal interactions in endometrial cancer

論文内容の要旨 近年、子宮体癌の罹患者数は増加している。なかでも進行・転移症例は極めて予後不良で あり、病巣が子宮外に進展した場合には有効な治療法はない。癌の浸潤・転移機構には上 皮間葉転換(EMT)が重要な役割を果たしている。EMT は上皮細胞が間葉系細胞に形質 変化する現象で、癌細胞の運動能が亢進することにより転移に有利な性質を獲得する。EMT の誘導には、癌自身が産生する因子以外に間質から分泌される液性因子などのシグナルに よる協調作用(癌-間質相互作用)が必要と考えられている。 我々は、エストロゲン受容体と構造が類似しているが、リガンドを有さないオーファン 核内受容体であるエストロゲン関連受容体α(ERRα)に着目してきた。これまでに ERRα の発現が子宮体癌患者の予後不良と相関し、腫瘍促進的に作用することを明らかにした。 しかし、ERRα が病巣の浸潤・転移に関わる作用機序は未だに不明である。本研究では、 ERRα が癌-間質相互作用を介して癌細胞の浸潤・転移促進を制御する分子メカニズムを解 明することを目的とした。 子宮体癌細胞におけるERRα が癌-間質相互作用を介して間質細胞に及ぼす影響について 検討するため、子宮体癌細胞株であるIshikawa 細胞および HEC-1A 細胞と、子宮内膜間 質細胞株である T-HESCs を共培養した。子宮体癌細胞株に対して、ERRα プラスミドと ERRα の co-activator である PGC-1α プラスミドを一過性導入し ERRα を過剰発現させ、 癌 細 胞 の ERRα が T-HESCs に 及 ぼ す 影 響 に つ い て定 量 PCR を 用いて 評 価 し た 。 ERRα/PGC-1α を過剰発現させた癌細胞と共培養した T-HESCs において、ERRα の発現と 強力なEMT 誘導因子である TGF-β の発現が有意に上昇した (p< 0.01)。次に、子宮体癌細 胞株にsiRNA を導入し、ERRα 抑制下での T-HESCs に及ぼす影響について検討したとこ ろ、TGF-β の発現が有意に低下した (p< 0.01)。さらに、共培養後分離した癌細胞における EMT 誘導について検討した。ERRα/PGC-1α の過剰発現下に共培養した癌細胞では、間葉 系細胞マーカーであるvimentin の発現や EMT 誘導転写因子である Snail や ZEB1 の発現 が有意に上昇した (p< 0.01)。一方、単培養では弱い反応しか観察できなかった。ERRα 抑 制下では、Ishikawa 細胞の Snail 以外の EMT 関連因子の発現は有意に低下した (p< 0.01)。 そして、wound healing assay を用いて癌細胞の運動能について評価したところ、ERRα/ PGC-1α を過剰発現させた癌細胞では有意に運動能が亢進し (Ishikawa, p< 0.05; HEC-1A,

p< 0.01)、T-HESCs との共培養によってさらに亢進する傾向がみられた。これらの所見か ら、間質細胞から分泌されるTGF-β が子宮体癌細胞の EMT を誘導すると考えられた。 そこで、子宮体癌細胞におけるERRα と TGF-β による EMT 誘導効果との関連について 検証するため、単培養で癌細胞にTGF-β 10 ng/mL を添加し EMT 関連因子の発現を定量 PCR と western blotting を用いて調べた。ERRα/PGC-1α を過剰発現させた癌細胞では、 TGF-β を添加時に vimentin, Snail, ZEB1 の発現が有意に上昇し (p< 0.01)、western blotting でも同様の変化と上皮細胞マーカーである E-cadherin 発現の低下を認めた。一方、 ERRα 抑制下で TGF-β を添加すると vimentin, Snail, ZEB1 の発現が低下し、E-cadherin の変化は認めなかった。すなわち、子宮体癌細胞においてERRα の発現上昇が TGF-β 誘導 性のEMT を促進することを見出した。

最後に、子宮体癌細胞におけるERRα が TGF-β 誘導性の遊走能および浸潤能に及ぼす影 響についてMatrigel invasion chamber system を用いて検討した。TGF-β の添加は癌細胞 の遊走能を有意に促進し (p< 0.01) 、さらに浸潤能も有意に促進した (Ishikawa, p< 0.01; HEC-1A, p< 0.05) 。しかし、ERRα の発現を抑制すると TGF-β 誘導性の遊走能および浸 潤能は有意に低下した (Ishikawa, p< 0.01; HEC-1A, p< 0.05)。 以上の結果をまとめると、(1)子宮体癌細胞の ERRα の発現上昇は癌-間質相互作用を介し て、間質細胞のTGF-β と ERRα の発現を誘導すること、(2)子宮体癌細胞において ERRα は癌-間質相互作用を介して、EMT 関連因子の発現を誘導すること、(3)子宮体癌細胞にお いてERRα は TGF-β 誘導性の EMT を増強させることにより、癌細胞の遊走能と浸潤能を 促進することが示唆された。 ERRα は子宮体癌における上皮間葉転換を阻害するための新たな治療標的となり得ると 考えられた。

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