『古今和歌六帖標注』翻刻(一ニ)
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(2) 北海道数台大学紀要︵人文科学・社会科学編︶第五十四巻 第二号 平成十六年二月. ﹃古今和歌六帖標注﹄翻刻︵一二︶. 藤一. 北海道教育大学旭川校国文学研究室. 伊. 男. いはひ. わかな. たむけ. つゑ. たび. かざし. せどうか. ぬさ 古き長歌. わかれ こなが歌. 恋. かなしひ. 一九七二 我こひは行へもしらずはてもなし逢ふをかぎりと思ふばかりぞ. 元七二 わが恋はむなしき空にみちぬらし思ひやれどもゆくかたもなし. ︵副恋一︵六≡みつね・馴︵七八七︶・制覇︵四二︶・州︵二九︶︶. ○本稿は、﹁﹃古今和歌六帖標注﹄翻刻 ︵一︶﹂︵﹃旭川国文﹄第一三号一九九. ︵同恋一︵只八︶よみ人しらず・鮒樹︵二三〇︶・剣到︵四〇︶︶. ︵樹恋四︵八九六︶よみ人しらず︶. ︻頭︼﹃続詞花﹄雑上 ︵七七二︶. なが歌. いぎやまたちゞのやしろもしらぬ身はこやそなるらんすくなみの神. さねかた. 一九畠 いざやまた恋てふこともしらなくにこやそなるらんいこそねられね. 七年一一月︶ ﹁﹃古今和歌六帖標注﹄翻刻︵二︶﹂︵﹃語学文学﹄第三六号一九 九八年三月︶﹁﹃古今和歌六帖標注﹄翻刻︵三︶﹂︵﹃北海道教育大学紀要︵人文. 科学・社会科学編︶﹄第四九巻第一号一九九八年八月︶、以下、同紀要、第 五〇巻第一号︵一九九九年八月︶・第五一巻笥二二号︵二〇〇〇年八月︶・第. 五一巻第二号︵二〇〇一年二月︶・第五二巻第二号︵二〇〇一年九月︶・第. 完七五 我恋は人しりねとやとよめとやとよむらんとやしらばしれとや. ︵司︵空︶・﹃興風集﹄︵圭一童宍︶︶. すがの∼たゞおん. れるこ、ろかヰ. なみだ河 完七七 身をもかつ思ふ物から恋といへばもゆる中にもいるこ∼ろかな. ばエ. つれなきを今はこひじとおもへどもこゝろよわくもおつるなみだか. ﹃古今﹄恋五 ︵八〇九︶. あはれをばしらしと田心へどむしの苦の下同. ︻頭︼﹃重之集﹄︵二七二︶. ︵代恋三︵二二八六︶よみ人しらず︶. を代. 五二巻第二号︵二〇〇二年二月︶・第五三巻第〓号︵二〇〇二年九月︶・第. 完七六 こひしとはいはしと思ふにきのふけふ心よわくもなりぬべきかな. 夢. ざふの思ひ. うた∼ね. 五三巻第二号︵二〇〇三年二月︶・第五四巻第一号︵二〇〇三年九月︶所載. かたこひ. ないがしろ. おもかげ. の ︵四︶∼︵一一︶を受けるものである。. 恋. うらみず. 古今和歌六帖第四. うらみ.
(3) 伊 藤 一 男. よみ人しらず. 元ヒ八 恋てへばしらぬ道にもあらなくにあやしくまどふ我心かな ︻頭︼同雑下︵九七五︶. も占・だ. しきか占・光. りて新. 今さらにとふべき人もおもはえずやへむぐらして門させりてへ 一九七九 わりなくぞねてもさめても恋らる∼心をいづちやらばわすれん ︵副恋二︵吾○︶よみ人しらす・矧︵一七二︶・抑ガ︵崇八︶︶. ︻頭︼﹃続古今﹄哀傷︵一四六四︶ 円融院御製. たづぬべきかただにもなきわかれにはこゝろをいづちやらんとぞ思ふ しけエ. いもを万. りす万. 完八〇 いかばかり恋てふ山のふかければいりといりぬる人まどふらむ ︵代恋一︵亘ハ二︶よみ人しらず︶. 完八一恋しなん後は何せんいけるひのためこそ人は見まくほしけれ. く方. しぬぺくおもへは万. さかの上の大娘 ︹戎本。大伴宿奈暦女︺. ︵万四︵栗0︶大伴百代・矧恋一︵六八先︶︶. し万. 完八二 世の中のくるしきものにありけらし恋にたへずて命しぬへし ︵矧四︵七﹁八︶︶. あくと善のあらん伊. いざやまた恋にしぬてふこともなしわれをやのちのためしにはせん. 百夜乎願鶴鴨. にあにまさらめや万. かさのらう女︹戎本︺. 喝もり万. 笠金村 ス ベ ヲ ナ ミ アキノモ、ヨ ヲ ネガヒツルカモ. 完八ヒ 秋の夜のちよをひとよになずらへてやちよしねばやこひはさめなん ︵例︵崇︶︶. ︻頭︼﹃万葉﹄四︵五四八︶ コノヨラ′ハヤクアクレパ. も方. 今夜之早開者為便乎無三秋 やほ万イ. 九八八 なぬかゆく浜の真砂とわが恋といづれまされりおきつしら波. ︵ガ四︵先九︶笠女郎・鮒観︵二三︶︶ ︻頭︼﹃土佐日記﹄ ︵二八︶. ばかり万イ. わがかみの雪をいそべのしらなみといづれまされりおきつしまもり. 完八九 かくのごとこひつ∼あらずはいは木にもならましものを物思はずして ︵同︵七二二︶家持︶. ︻頑︼﹃漢書﹄司馬遷伝云、﹁身非・一木石一独与二法吏一為レ伍﹂。. ﹃雑阿含経﹄第廿一云、﹁無心如二木石こ。. てひとこと︿ 哉. すけみ. か占. こひくに人こひくに恋しなばもえんはのはも恋のかやせん. ︵甘恋二 ︵六≡ふかやぶ︶. 完九出 今ははやこひしなましを逢みんとたのめしことぞ命なりける. やへ雲を風ふくそらはなひきけり恋のけふりぞやるかたもなき. ︻頑︼﹃夫木﹄雑一︵七八六一︶雲 藤原資光. ︵萄︵一一■穴︶︶. 一九空. ︵楓恋二 ︵六七一︶源うかふ・古本﹃能宣集﹄︵l二ヒ八︶︶ けふりイ・恵 てひとりくにイ. 完九二 恋しさはねぬになぐさむともなきにあやしくあはぬめをもみるかな. の古. 秋風のよもの山よりおのがじ∼ふくにちりぬる紅葉かなしな. ︻頭︼﹃拾遺﹄物名︵四三一︶. 一九九一こひはみなさまぐありと聞なへにおのがしゝとぞねはなかれける. ︵同十一︵二二七こ︶. まとひ古・寵・断たちなん新 完八三 こひしきにわびてたましひ出ていなば空しきからの名にや残ら でむ 万る万も万 一九九〇 心にはちへにおもへど人にいはぬわが恋妻をみんよしもがな ︵副恋二 ︵モー︶よみ人しらず・諷︵完○︶・新刀︵二元︶︶. ︻頭︼﹃新後拾﹄恋五 ︵一二二四︶ 素性法師. わすれなん時しのべとぞうつせみのむなしきからを袖にと∼むる ぐる万く万 一九八四 あまさかるひなともしるくこ∼たくもしげき恋かもながき日もなし ︵矧十七︵川○云家持︶. 一九八瓦 朝夕にみん時さへやわぎも子がみれど見ぬこと猶恋しけん ︵同四︵七崇︶ 家持︶. 伊勢 ︹戎本︺ わひてしぬてふことはまたなきを後. 元八六 こひしきにしぬる物とはきかねども世のためしにも成ぬべきかな. しぬてふ弔はきこえぬを古木 ︵観恋六︵一≡ハ︶忠琴・樹観恋二︵ヒ≡伊勢・古本集︵Ⅰ崇四−皿妄七︶︶. したかふ. ︻頭︼﹃源氏﹄藤裏柔巻云﹁世のためしにもなりぬべかりける身を云々﹂ ﹃玉葉﹄恋四︵一七一四︶. 10.
(4) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一二). ︻頭︼﹃後撰﹄恋六 ︵一〇〇三︶. よみ人しらず. いにしへのこ∼ろはなくやなりにけんたのめしことぞたえてとしふる. くにか万. ゆゑにこひに古. 完九五 逢みずは恋しきこともなからまし音にぞ人を聞べかりける ︵同四 ︵六七八︶ よみ人しらず︶. 一九九六 いつはりもにつきてぞするいつよりか見ぬ人こひに人のしにする ︵万l十一︵二至二︶・古本﹃人丸集﹄︵Ⅱ二看︶︶. 人丸 ︹戎本︺ か家なし家 一九九七 恋しなばこひもしねとや玉ぼこの道行人にことつてもせぬ ︵同︵≒七〇︶・矧恋五︵些■七︶人丸・家︵ユ九九童元一−謁二妄九一︶︶. ︻頭︼此うた、﹃万葉﹄ に﹁事告兼﹂とありて﹁コトモツゲケン﹂とよめ るはわろし。こ∼に ﹁ことつてもせぬ﹂とあるにて、意もよく聞ゆ。宣. いは万. 長云、﹁﹁兼﹂は﹁無﹂ の誤にて、﹁こともつけなく﹂なるべし﹂といほ れたる、よろし。. ひま万. 人九八 ますらをのうつし心も我はなしよるひるわかず恋しわたれば ︵第三 ︵二三七六︶ 巳出︶. 一九九九 年わたるまでにも人はありてふをいつのまにぞも我こひにける ︵矧十三︵≡ハ門︶︶. にけ方. 人老年母有云乎何時問曽毛吾恋ホ釆. ︻頭︼﹃万葉﹄四︵五二三︶ ヨクワクルヒトハ トシニモ アリトフヲ イ ツノヒマゾ モ ワガコヒニケル. 好渡. まさけん万. 二〇8 我命いけらんかぎりわすれめやいや日ごとには田心ひますとも ︵矧四︵夏空笠女郎・第五︵二九完︶重出︶. 等母忘哉弥日異者思益等母. ︻頭︼﹃万葉﹄十二 ︵二八八二︶ アハズシテ コヒワタルト モ ワスレメヤ イヤヒニケニハ オモヒマスト モ. 不相而恋渡. かさのらう女 ぬイ. 二D〇一天地の神もことわりなくはこそ我おもふ君と逢ずしにせめ ︵同︵六C吾︶. なかとみの郎女 ︹伝未詳︺. こちたく万. 二〇〇二 たゞに達てみてばのみこそたまきはる命にむかふ我こひやまめ ︵同︵六七八︶︶. ヨソメェモ キミガ スガタ ヲ ミ テ バ コソイノチニムカ7ワガコヒヤマメ. ︻頭︼﹃万葉﹄十二 ︵二八八〇︶. 家持. かくるしく続. 恋しなんそれもおなじな何せんに人めひとごとふたみわがせん. ぞ万. 外目毛君之光儀乎見而者社寿向吾恋止目 二8三. わびたえ続. ︵同︵克八︶︶. ならん古. 二8四 思ひたえわびにしものをなかノ︵\に何にすべなくあひみそめけん ︵同︵董U︶・観甘恋四︵三〇七︶︶. こ∼ぱくも万. 二〇〇五 恋しとは誰なづけけんことのはぞしぬとぞたゞにいふべかりける ︵副恋四︵六九八︶ふかやぶ︶. 二〇〇六 あひみてはいく日もへぬをいかばかりくる日にくる目おもほゆるかも ︵万四︵七至︶家持︶. ︻頭︼﹃毛詩﹄国風采葛篇云、﹁彼采レ文号一日不レ見如二三歳一号﹂。 も万 んかと万. 二〇〇七 逢みてはしばしは恋はなぎなんを思へどいよ/\恋まさりけり. き万. よのはども出つ∼くらくあまた∼びなれはわがむねいりやくがごと. ろ万. ︵同 ︵七竺︶︶. 二8八. ︵同︵七菜︶︶. 人緒念心之職者身緒曽焼畑立砥者不見沼者袴. ︻頭︼﹃新撰万葉﹄上恋︵二一三︶ オキミエヌカラ. ﹃左詩﹄云、﹁胸中刀火例焼レ身寸府心灰不レ挙レ姻﹂。. ﹃遊仙窟﹄云、﹁未二曽飲一レ炭腹熱如レ焼不レ憶呑レ刀腸如レ割﹂。 われなり万はしき万. 二〇〇九 我心やくもわがわざをしへやし君にこふるもわがこ∼ろから ︵同十一︵≡七こ︶. く万. い万も万てに万 二〇一〇 あひみては千とせやへぬるいなをかの我やしか恩ふ君待かねて ︵同十一︵二凹吉︶︶. 二〇一”人もなくふりにし里にある人をめでゝや君が恋にしにせん. 11.
(5) 伊 藤 一 男. ︵同︵二突0︶︶. も上皇万. し万. ]かさねて古. にけに万. 二与一なぐさむる心はなしにかくてのみ恋や渡らん月に日ごとに ︵同︵二完六︶・古本﹃人丸集﹄︵晶克︶︶ 貫之 ︹戎本︺ ねとも家まどふ占ぞわびしかりける古・髭. もさだめ家. 二C二一人 我恋はしらぬ山路にあらなくになどか心のまどひけぬべき こヽろ家. キマサ. 百千鳥なく時あれど君をのみこふるわがねはいつとわかれず. ︵副恋二 ︵束ヒ︶・家︵1要一︶︶. 二〇蒜 ︵家︵工完こ︶. クレド. ﹃伝﹄云、﹁﹃神名式﹄云﹁大和国吉野郡宇陀郡宇陀山辺郡都祁葛上郡葛. 木などに、おの︿水分神社あり。みくまりの社はこ∼かしこにおほく. あり。実はみくまりといふべきを、後にみこもりとなまれる也﹂。. ﹃枕草紙﹄ に、﹁神はみこもりの神﹂とみゆ。はやくよりとなへあやま れりと見ゆ。. 二〇完 水こもりの神にうれへんかく計恋しき人をみずとおもへば ︵租︵八八二︶︶. われ河まさしきすぢ河 二〇二〇 みこもりのかみし誠の神ならば我片恋をもろこひになせ ︵河藤裏葉︵一五宍︶・柑︵八八E︶︶. ︵二〇三 みこもりの神にうれへんかくばかりこひしき人を見せずとおもへば︶. ︻頭︼﹃万葉﹄十六 ︵三八七二︶ ハム. 吾門之榎実毛利喫百千鳥千鳥者雑来君曽不釆座. 笠女郎 念西死為物ホ有麻世波千遍曽吾老死変益. 人丸・古本﹃人丸集﹄︵品八﹁︶︶. ︻頭︼﹃古今﹄恋四︵六九三︶. は誤りて﹁水の沫﹂と出せるなるべし。 も万某所ヲカヌ すべのしらねは方 カィ 二〇二七 思ひやるかたはしらねどかたこひのそこにぞわれは恋は成にける. ク\ル﹂とよめるに従ふべし。﹁泳﹂﹁沫﹂、字体よく似たれば、こ∼に. よめり。﹁泳﹂を﹁そこ﹂とよまん事おばつかなし。こは契沖の ﹁ミナ. ︻頭︼今接するに、此うた、﹃万葉﹄に﹁水泳﹂とありて﹁ミナソコ﹂と. ︵同︵二圭ハ︶・刻雉九員︵三■〇八二︶人丸︶. そ万かたこひのみに万・夫につ∼万・夫 二〇二六 水のあわの玉にまじれるいろがひのなど片恋に年はへぬらん. いせのあまの朝な夕なにかづくてふみるめに人をあくよしもがな. よみ人しらず. ︵同︵二七九八︶・酎捌樹恋四︵九七二︶よみ人しらず・対雑九員︵≡〇八二︶. し万 二〇妄 伊勢のあまの朝な夕なにかづくてふ胞の貝のかた思ひにて. ︵同十一︵二塁五︶︶. れ万の万との万き万 二〇二四 ねんごろにかた思ひするか此比はわが心からいけるともなし. ︵矧十︵一九岩︶・﹃赤人集﹄︵Ⅰ垂・Ⅱ七二︶︶. 契沖云﹁百千鳥は百つ鳥の義なり。諸烏をさしていへる也。鴛なり、と こそ思へ土. 二〇二二 水こもりの神にとひても聞てしが恋つ∼あはぬ何のつみぞも けふ万 もとのしげ∼は万 二〇二三 はる霞立にし日より今までに我恋やまず片恋にして ひとめしげきに赤. いふ説は、いと/\後の事なり﹂。 にも点けくもなき家. 一∵〇一貫 あめやまぬ山の天雲たちゐつ∼やすき空なく君をしぞ恩ふ ︵同︵l究門︶・丑恋一︵一≡一︶︶. わがみは下たび万・椒. かさのらう女 ︹戎本︺. 二〇一六 足曳の山下瀧ついはなみのこゝろくだけて人ぞこひしき ︵同︵1二〇こ・新制恋一︵一宍ヒ︶︶. にする万. .一C王 恋するにしぬる物にしあらませば千たびぞわれはしにかへらまし. カヘラマシ. ︵万十一︵二完○︶・矧恋五︵九嘉︶・﹃人丸集﹄︵Ⅰ六ヒ・竺八〇・血相C二︶︶. チ タビ. ︻頑︼﹃万葉﹄四 ︵六〇三︶ ./ニスル. かたこひ. よみ人しらず. 二C二八 かた恋はくるしきものとみこもりの神にうれへてしらせてしがな ︻頭︼﹃古今﹄恋一︵五四〇︶. こゝろがへするものにもがかたこひはくるしきものと人にしらせん ﹃古事記﹄神代巻云、﹁次天之水分神 ︹訓レ分云、久麻理︺ 次国水分神云 云﹂。. 12.
(6) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一二). ︵同四 ︵七〇ヒ︶︶. ︻頭︼﹃万葉﹄に﹁片堤﹂とある、よろし。こ∼に﹁かたこひ﹂とあるは. にいひかけたる也。﹃和名抄﹄瓦器類に、﹁﹃説文﹄云、怨. 誤れり。﹁かたこひ﹂にては﹁そこ﹂といひかけたるせんなし。﹁片田心﹂. を﹁片浣﹂ ︹﹃弁色立成﹄云、末利、俗云毛比︺ 小孟也﹂と見ゆ。 とねりのわうじ ︹天武天皇皇子︺ しこ万. 二〇二八 ますらをやかた恋せんとなげ∼どもおにのますらを猶恋にけり ︵河二 ︵二七︶︶. ︻頭︼﹃柚中抄﹄巻一云、﹁﹁おに﹂とは誠の鬼にはあらず。わろしといふ. 小町. 詞也。﹁しこ﹂といふもわろしといふ詞なり云々﹂。 夢. 二C二九 田心ひつゝぬればや人のみえつらん夢としりせば覚ざらましを ︵封恋二 ︵董一︶・家︵土六互九︶・州︵六三︶︶. ︻頭︼﹃万葉﹄十五 ︵三七三八︶. 於毛比郡迫奴礼婆可毛等奈奴婆多麻能比等欲毛意知受伊米ホ之見由流 なりひら. るら寛. 二〇﹁−○ ねぬる夜の夢をはかなみまどろめばいやはかなにも成まさる哉 ︵同三︵盃門︶・家︵Ⅰ吉−n一六壷亨Ⅳ一〇︶・例︵石九︶︶. 敏行 へる斬. 二〇三 恋わびてうちぬる中に行かよふ夢のたゞちはうつ∼ならなん ︵同二 ︵雲八︶・矧︵幸一︶・折方︵二〇九︶・家︵九︶︶. ︻頭︼﹃粥恒集﹄ ︵Ⅰ三七九・Ⅱ四〇三・Ⅲ三〇・Ⅳ一二八︶. あはぬ夜もあふよもいをしまだね∼ば夢のたゞちはあれやしぬらん 二〇三 こひしねとするわざならしぬば玉のよるはすがらに夢にみえつ∼ ︵同一︵竺六︶ よみ人しらず︶ ︻頭︼﹃万葉﹄十五 ︵三七三二︶. 安加祢佐須比流披毛能毛比奴婆多麻乃欲流夜須我良ホ祢乃未之奈加由. 看三. としゆき. 住吉の岸による波よるさへや夢のかよひぢ人めよくらん ︵同二 ︵霊九︶・寛︵六六︶︶. とい古・新. 二〇昌 ぬば玉の闇のうつ∼はさだかなるゆめにいくらもまさらざり長. ︵副恋三︵六四ヒ︶よみ人しらず・笥︵四六︶︶. おき風. 二〇言 俺ぬればしひてわすれんと思へども夢てふ物ぞ人だのめなる. よみ人しらず. ︵同二︵突九︶・矧︵一高︶・新月︵四七〇︶・家︵一七四︶︶. ︻頭︼﹃詞花﹄恋上 ︵二〇三︶. きみやこし我や行けんおもはえず夢かうつ∼かねてか覚てか. 斎宮 ばつかな占本. わびぬればしひてわすれんと思へどもこ∼ろよわくもおつるなみだか. l萱大. なりひら. ︵同三︵六四五︶よみ人しらず・例︵三六︶・古本﹃業平集﹄︵Ⅰ四八重忘二三︶︶ かへし. よひと古・宋 ニ〇二七 かきくらす心のやみにまよひにき夢うつ∼とは今よひ定めよ. ︵同︵六冥︶・家︵1莞・Ⅱ讐皿二川・Ⅳ一九︶・例︵三七︶︶. ︻頭︼﹃後撰﹄哀傷︵一三八八︶. よみ人しらず ︹戎本︺. やどみればねてもさめても恋しくて夢うつ∼とはわかれざりけり. み万. て占. かひなみ占へ万・夫つ∼古 二〇二八 わぎも子に恋てすべなし白妙の袖かはし∼は夢に見えきや. 小野小町. ︵万十一︵二八一二︶・対雑十八︵石〇六八︶・古本﹃人丸集﹄︵晶九〇︶︶. ︻頭︼﹃古今﹄恋二 ︵五五四︶. せ万. たもとかへせる占. さしくいも古. あへりしかごと万・夫. いとせめてこひしき時はぬばたまのよるのころもをかへしてぞぬる. る万. か万. 二〇三九 我妹子が柚かへす夜の夢ならしまことも君に逢ことありき に万は古. ︵同︵二八三︶・同︵一七〇六九︶・同︵品九一︶︶. 二〇四〇 夢にだになぞかもみえぬみゆれども我にもまどふ恋のしげきに. ︵同︵二莞五︶・古本﹃人丸集﹄︵晶五一■一︶︶. 13.
(7) 伊 藤 一 男. めイ・占. め占. 二︹西ゆめぢにはあしもやすまずかよへどもうつゝにひとり見しごとはあら ず ︵封恋三︵六欠︶小町・家︵∫二首占±︶︶. ︻頭︼﹃続古今﹄恋三 ︵一一八五︶ 大蔵卿有家 はとがめじ占・家. ねぎめまで猶ぞくるしき行かへりあしもやすめぬ夢のかよひ路 を占・家. にぃり・家. 二〇讐 かぎりなき恩ひのま∼によるもこん夢路にさへや人のとがめん ︵同︵六雷︶小町・家︵1七〇・環三︶︶. 二つ門二 夢のうちに逢みん事をたのみつ∼くらせるよひはねん方もなし. 見しゆめの恩ひいづれどはかなきは此よのことにあらぬなりけり. ︵同恋一︵至吾 よみ人しらず︶. 二〇謁 二〇買 いをしねば夢にも人をみるべきにこふと思へばたゞにあかしっ ︻頭︼契沖云、﹁ふかく人をこふる時ほよるもいねられぬとなり﹂。 ﹃毛詩﹄国風、終風佃扁云、﹁寓言未レ沫願言則噴﹂。. けんげい法師 二〇門六 唐もゆめにみしかば近かりきおもはぬ中ぞはるけかりける ︵副恋五︵実八︶︶. 深養父 ︹戎本︺. 水苔ま占. 二〇四﹂ ぬば玉のゆめになにかはなぐさめんうつゝにだにもあかぬこ∼ろを ︵同物名︵川四九︶︶. ︻頭︼契沖云、﹁かはなぐさは、﹃和名抄﹄水菜類云、﹃弁色立成﹄云、水苔、 一名河苔 ︹和名加波奈︺。﹃延書式﹄鎮火祭祝詞云、水神鞄川菜埴山姫四 種物 ︹乎︺ 生給 ︹比︺ 云云。此二書を引合せて案するに、これかはな草. 二〇只. もの思へばいもねられぬをあやしくも忘るゝことを夢にみるかな. 世の中はねてもさめても夢ならばわすれぬさへを忘るとやせむ. なるべし﹂。. 二記元. ︵鮒矧恋五︵三三︶深養父︶ つらゆき. 業平朝臣. つ∼家. 二〇吉 ねぬるよの夢は波にもあらなくに立かへりても君をみつるか ︵家︵共二六︶︶. ︻頭︼﹃古今﹄恋三 ︵六四四︶. みなもとのよるか ︹伝未詳︺. たのむ後. ねぬるよの夢をはかなみまどろめばいやはかなにもなりまさるかな のごと後. 二〇空 夢ばかりはかなき物はなかりけり何とて人にあふとみつらん. こひしさのなぐさむべくもあらざりき夢の中にも夢とみしかば. ︵観恋三︵美汽︶︶. 二C空. 二〇竺 忘れねどなにぞもしるし夢の中に物はかなくてやみにし物を. よみ人しらず. 二〇語 うつ∼にもはかなきことの催しきはねなくに夢と田心ふ也けり ︵観恋三︵亡じ二︶よみ人しらず︶ ︻頑︼﹃後撰﹄恋一︵五九八︶. うつゝにもはかなきことのあやしきはねなくにゆめのみゆるなりけり. 伊勢. 二〇雲 見し夢の思ひ出らる∼宵ごとにいはぬをしるは涙なり鼻. ぎり家. ︵同恋四 ︵八二吾・家︵圭一四・Ⅱ三八・竺一七︶・第五 ︵二五六こ二軍出︶. 貴之. 二〇真 君をのみおもひねにねし夢なれば我心からみつるなりけり. もの家. ︵薗恋二 ︵六〇八︶みつね︶. を∴新・家. 二〇五七 夢にみてかひなきことの侍しきはさむるうつゝの恋にぞ有ける. ︵新刊恋二 ︵二竺︶・家︵其完︶︶. ︻頭︼﹃新古今﹄雑下︵一七九〇︶ 権中納言資実. おもはヾ家. みつね. こしかたをさながらゆめになしつればさむるうつゝのなきぞかなしき だに後・貰. 二〇宍 ゆめにてもうれしとも見ばうつ∼にてわびしきよりは猶まさりなん. 大江千里. ︵観雑二︵一■詰︶・家︵主立九八重八川一V川四︶︶. ︻頑︼﹃風雅﹄雑下︵一八九九︶. 14.
(8) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一二). 命にもまさりてをしく有物は見はてぬ夢のさむる也鼻. 忠峯. ゆめにてもうれしきことのみえつるはたゞにうれふる身にはまされり. 二〇究. よみ人しらず. ︵副恋二 ︵六〇九︶・家︵エ七こ三八・謁二・Ⅳl′。一︶︶. ︻頭︼﹃後撰﹄夏︵一七一︶. よそながらおもひしよりも夏のよの見はてぬ夢ぞなるかなりける 藤原のうかふの卿 ︹戎本︺. しくi方. ︻頭︼ こ∼に﹁芋合卿﹂とあるはあやまれり。﹃万葉﹄七はすべて作者不 知のうた也。 ゆめのみにつ卓てみゆれはさ、じまの 万. 二〇六〇 暁の夢に見えつゝ川嶋のいそこす波のしきておもはゆ. なりひら. ︵方七︵一二二六︶・剤雑五嶋︵一〇実八︶よみ人しらず︶ おもかげ. さ松葉集. さかの上の郎女. 二実一めかるともおもはえなくに忘らるゝ時しなければ面影にたつ ︵例︵八六︶︶. 長門. 二〇六二 我せこが面影山のさかゐまに我のみこひてみぬはねたしも ︻頭︼真淵云、﹁此うた、﹃万葉﹄めきて﹃万葉﹄にみえず。今はいたくあ やまりしなるべし﹂。. て万・新. 二〇六二 めをさめてひまより月をながむれば面影にのみ君はみえつる かさの女郎 とも万. 二冥四 陸奥のまの∼かやはら遠けれどおもかげにしもみゆといふ物を と 占. は 古. おもかげにのみみえわたるかな 古. ︵ガ三︵三共︶・新刊恋二 ︵三二六︶・刻椎田原︵九九〇一︶︶. こ 占. 二〇六五 見し時は恋つ∼をれど夕暮の妹かみしかは面影にみゆ. ︻頭︼﹃万葉﹄六 ︵九五一︶ イソカタレ しき万. れ万あを方. トラズハヤマジ. こらは万. 見渡者近物可良石隠加我欲布珠乎不取不巳. 二〇六七 白妙の衣手かへて我まつとあるらん君も面影にみゆ ︵同︵二六〇七︶︶. 粥. 二〇六八 さかざらん物とはなしに桜花おもかげにのみまだきみゆらむ だに占・家. ︵樹雑春︵萱一六︶・司︵二︺・家︵Ⅰ五〇−三一九垂至−V七︶︶. 二〇六九 夢にてもみゆとはみえじ朝なく我面影にはづる身なれば. いせ. ︵副恋四︵六八一︶伊勢・家︵Ⅰ二ハ?芸ハ四阜六門︶︶. 返し. 二〇七〇 面影はみつにつけても見えずやは心にのりてこがれしものを ︵家︵主二亨旦二二讐竺二六︶︶. ︻頭︼此﹁面かげは﹂ の歌は伊勢のうたにあらず。次の ﹁心にやのりてこ こがれし家. ひしき﹂ の歌、いせの也。前後にうたを書あやまりたるなるべし。. さま万. 二〇七一心にやのりて恋しきあふみてふ名はいたづらにみつかけもせで され万. ︵家︵主二六主三亨m三七︶︶. 二〇七二 夕暮は物思ひまさる見し人のこと∼ひし顔おもかげにして. ︵ガ四︵六〇ニ︶笠女郎・第五︵一美八︶重出︶. かさの女郎 ︹家持とも︺. 坂上郎女. 二〇七二 かくばかり面影にのみおもはえばいかにかもせん人めしげくて ︵同︵七五二︶家持︶. ︻頭︼﹃万葉﹄十七 ︵三九二八︶. 伊麻能碁等古非之久伎美我於毛保安婆伊加ホ加母世牟須流須辺乃奈佐 うたゝね. ︻頭︼﹃続千載﹄恋四 ︵一五三七︶ 貫之. ︵鮒観相恋t一︵萱こよみ人しらず︶. ゑまひしおもかげにみゆ方・夫・古 二崇六 ともし火の影にかゞよふ空蝉 面た 影∼ 恋し 二の 〇い 高もがう ねく にお はぼ かゆなく人を夢に見てうつ∼にさへもおつる疾か. ︵副墨滅︵二〇一J貫之︶ うづみび 夫. ︵万十一︵二六讐︶・剤雉一火︵ヒ九一九︶よみ人しらず・古本﹃人丸集﹄︵品吉・ エ崇凹︶︶. 15.
(9) 伊 藤 一 男. こまち ぞあ拾・夫. あかずしてわかれし人を夢に見てうつ∼にさへもおつるなみだか むる夫. コトトヘ. ウシハク. 此山平. ムカショリ. 年掃神従之 来. 二〇ヒ打 たらちねの親のいさめしうた∼ねは物思ふ時のわざにざりける. 吾妻ホ. 他毛言問. ︵掛恋四︵八九ヒ︶よみ人しらず・対稚十七父︵二ハ吾几︶伊勢︶. 吾毛交牟. ︻頭︼﹃万葉﹄九︵一七五九︶長歌. 他妻ホ イサメヌ ワ サ.ソ. 不禁行事叙 二口L六 うた∼ねに恋しき人を見てしより夢てふものは頼そめてき ︵副恋二 ︵章一■︶小町・家︵Ⅰ享竺八︶︶. えてトロ. 二〇巨 仮寝の夢にや有らん桜花はかなくみてぞやみぬべらなる. としゆき. ︵朝≡ハ︶・古本﹃粥恒集﹄︵1一四六■Ⅱ吾●Ⅲ望・Ⅳ讐○︶︶. なみだ何. 業平. 二〇ヒ八 つれ/\のながめに増るなみだ河袖のみひちてあふよしもなし ︵第一︵望八︶ 己出︶ 返し. 二〇ヒ九 あさみこそ袖はひつらめ涙川身さへながると聞ばたのまん 水脈ヲカヌ. 涙川ほりやるかたのなければやみをはなれてはながれざるらん. せき続. ︵古恋三 ︵六六︶・家︵主六・品川ふこ讐Ⅳ九︶・﹃敏行集﹄︵椎讐・伊︵一八門︶︶. 二宍C ︵繍宙恋二 ︵〇九ヒ︶業平︶. ︻頭︼契沖云、﹁此﹁なみだ川﹂ の歌の作者を、﹃続古今﹄に﹁業平﹂とあ. つらゆき ︹戎本︺. るは、こ∼のつゞきよりあやまられたるなり﹂。 ふる家. 二宍一よとゝもにながれてぞゆく涙川水も氷らぬみなわなりけり ひと新・家. 涙河いかなる水かながるらむなどわがこひをけつときのなき. ︵副恋二 ︵吾二︶・家︵1六?J︶. 二宍二. ︵鮒樹恋一︵九完︶みつね・家︵旦⋮九八・Ⅴ八五︶・朝︵至︶︶. ぬる新. 二宍■二■ いかばかり物思ふ時のなみだ川から紅に抽のそむらむ. ︵新勅恋二 ︵七三︶ よみ人しらず︶ ︻頑︼﹃古今﹄恋二 ︵五九九︶. つらゆき. ましものを占. しら玉とみえしなみだも年ふればからくれなゐにうつろひにけり. 貫之. 二宍四 早き瀬にみるめおひせば我柚の涙の川に植て見ましを ︵副恋一︵五二︶よみ人しらず︶. でぬ串・家. 二〇八五 なみだ川みをしがらみにせきかねて流れくるとはしらずや有らむ. いせ. 二〇八六 あふことの君にたえにし我身よりいくらの涙ながれいづらむ. ︵司︵五九︶・家︵1岩予Ⅱ石七・竺〇三︶︶. ︻頭︼﹃元真集﹄︵二〇九︶. はかもなき跡みるからにうれしきはいくらばかりのなみだいづらん. 前関白. 二C八七 涙川うきたるあわと身をなして人のうきせを流てをみん ︻頭︼﹃新勅撰﹄恋四︵八九六︶ ひとをおもふ新. わ新. なみだ河みなわを袖にせきかねて人のうきせにくちやはてなん. 二〇八八 きみこふる疾しなくば唐衣むねのあたりは色もえなまし. ︵副恋二 ︵要一︶ つらゆき・折方︵凹天︶・家︵Ⅰ真二・皿吾︶. 二〇八九 身をせばみ柚よりもふる涙にはつれなき人もぬれよとぞ思ふ ︻頭︼異本﹃貫之集﹄︵Ⅰ五八四︶. せをはやみ柚よりもふるなみだ川ものおもひもなき人もぬれけり. 二〇九〇 つゝめども袖にたまらぬ白玉は人を見ぬめのなみだなり鼻. ︵剖恋二 ︵窒ハ︶安倍清行・謝樹︵三川八︶・﹃小町集﹄︵Ⅰ二九・エ二︶・第五︵三八五︶ 重出︶. 小町. 二〇九一おろかなる涙ぞ袖に玉はなす我はせきあへず瀧つせなれば. ︵同︵夏ヒ︶ かへし・家︵1四U・品︶︶. ︻頭︼﹃法華経﹄五百弟子授記品云、﹁以二無価宝珠一繋一其衣真一与レ之而去. 16.
(10) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一二). 其人酔臥都不二覚知一﹂。 つらゆき と家. ながるゝ. 二〇九二 恋しきや色には有らん涙河ながる∼おくの水ぞうつろふ ︵家︵1五望︶︶. も河. 二〇九二 かけていへば涙の河のせをはやみ心づからやまたはながれん. 藤原よし風. ︵﹃伊勢集﹂︵1一八主九重七︶枇杷左大臣・何様︵二ハこ︶ ︻頭︼﹃古今﹄春下︵八五︶. はる風は花のあたりをよきてふけこ∼ろつからやうつろふとみん そ 視. みしっみて 新. け 寛. こそ新みしっみ1寛あり覚 れ新 二〇九四 あかずして君をこひつる涙にはうきしづみつゝやせ渡りつる ︵剋︵一七〇︶・新矧︵崇六︶︶. 二〇九五 うきことのかくわくときは涙川めのまへにこそ落たまりけれ ︵﹃伊勢集﹄ ︵Ⅰ二ハ丁皿二ハ吾Ⅲ長吉︶. ひつ1後は後り後 二萱 あさなげに世のうきことを忍ぶとてながめせしまに年ぞへにける. 竃. ︵繊維二 ︵二七四︶・劃︵ナシ、作者名ヨリ莞カ︶︶. ︻頭︼﹃古今﹄離別︵三七六︶. 小野小町. あさなげに見べき君としたのまねばおもひたちぬるくさまくらなり 同春下︵一一三︶. わかごとく盾. 花の色はうつりにけりないたづらにわがみよにふるながめせしまに. 三〇二 我ばかりわれを思はん人もがなさてもやうきと世を心みん. れぬ占はれ斬. たかむら ︹戎本 小野峯守男︺. ︵封恋五︵七五〇︶みつね・矧恋五︵九九五︶よみ人しらず・古本﹃信明集﹄︵量ハ︶︶. ナシ占. 三〇三 しかありとてそむかれなくにことしあればまづなげかる∼あなうよの 中 ︵剖雑下︵九二六︶・鮒樹︵二男︶︶. ︻頭︼﹃古今﹄雑下︵九四九︶. よみ人しらず. ︻頭︼﹃源氏﹄総角巻︵六八三︶. おき大. よの中をいとふ山べのくさ木とやあなうの花の色に出にけん. るペく拾. わたつうみの深き心は有ながらうらみられぬる物にぞ青ける. ︵同︵九八四︶︶. ︻頑︼﹃後撰﹄雑二 ︵一一六九︶. なほも占. あひみてはむつましくこそなるときけつれなさのみも増る君哉. 紀伊. かは占. ひとごとはあまのかるもにしげくとも思はましかばよしや世の中. 二看九 ながれてはいもせの山の中におつるよしの∼たきのよしやよの中. 三〇八. ︵副恋五︵七九二︶友則・﹃友則集﹄︵至︶・稚の思の条︵ニス四︶重出︶. 三〇七 水のあわのきえてうき世としりながらながれても猶たのまる∼哉. 伊勢 み古いひ舌. ︵夫−雉十八恋︵妻≡ハ︶平定文︶. 二萱ハ. かずならぬ身におくよひの白玉はひかりみえますものにぞ有ける. 武蔵. 丁二〇禿 かずならぬ身は心だになからなん思ひしらずば恨みざらまし. ︵矧恋五︵九八二︶よみ人しらず・対︵七一︶︶. 二看四. ゆくすゑをみじかきものと思ひなばめのまへにだにそむかざらなん うらみ こヽろにものヽ河. 二〇九六 うくも世に思ふ心にかなはぬか誰も千とせの松ならなくに ︵河相木︵二六二︶小野小町︶. 二〇九七 世の中のうきもつらきも悲しきもたれにいへとか人のつれなき ︵繍観恋二 ︵七八八︶よみ人しらず︶. 業平朝臣. 二〇九八 いへばえにいはねばくるし世の中をなげきてのみもつくすべき哉 ︻頑︼﹃新勅﹄恋一︵六三五︶. いへばえにいはねばむねにさわがれてこ∼ろひとつになげくころかな 二〇九九 人やりにあらぬ物からたましひとひとつ心に身をぞうらむる ︻頭︼﹃源氏﹄総角巻 ︵六六二︶. おもはずはつれなきこともつらからじたのめば人をうらみつる哉. かたくにくらす心をおもひやれ人やりならぬ道にまどはゞ 三〇〇. ︵矧恋五︵九至︶よみ人しらず︶. 17.
(11) 伊 藤 一 男. ︵古恋五 ︵ハニ八︶ よみ人しらず・新撰≡ハこ︶. ︻頭︼﹃続古今﹄雑中︵一六六〇︶ 延喜御歌. ほ後. こ後. ありしだにうかりし物をあかずとていづくにそふるつらさなるらむ. 中務 ︹敦慶親王卸女︺. まだたえぬよしの∼何のみなかみやいもせの山の中をゆくらん. 二二〇 ︵楓恋五︵九至︶・家︵三毛︶︶ みつね ひこぽL・正. 二ニー我のみぞかなしかりけるたなばたもあはで過せる年しなければ ︵尉恋二 ︵一六二︶・古本集︵Ⅰ二子二九チ皿一九二六苧空車Ⅳ翌﹂︶︶. る後. 友則 ︹戎本︺ うみ後いそ練. たかむこのとしはる. 二二二 みるもなくめもなき浦の浜に出てかへす/\もうらみつる哉 ︵観恋四︵七九九︶・家︵二七︶︶. ︻頭︼﹃古今﹄物名 ︵四五〇︶. とものり ぬみは古・家. 花の色はたゞひとさかりこけれどもかへすくぞつゆはそめける けぬるあわとも古. ぬる家 ︵封恋五︵八二七︶・家︵竺︶︶. 雲もなくなぎたる朝の我なれやいとはれてのみよをばへぬらん. 甚哺ヲカヌ. 三一三 うきながら消せぬ沫と成な∼んながれてとだにたのまれなくに. 三高 ︵同︵七要一︶・同︵吾︶︶. 往来. 二二五 玉藻かる海士のゆきかひさす樟の長くや人を恨わたらむ. 源宗干朝臣. た拾 ︵矧雑恋︵三七二︶ つらゆき・﹃貫之集﹄︵ユ一〇九︶︶. ︻頑︼﹃古今﹄恋三 ︵六二四︶. あはずしてこよひあけなば春の日のながくや人をつらしとおもはん 貫之 ︹戎本︺. よみ人しらず. そむかんかたをしらねば後 三二ハ をしからで悲しき物は身なりけりうき世をすてんかたしなければ ︵後恋二 ︵一一八九︶・家︵去八九︶︶. ︻頭︼﹃金葉﹄雑下 ︵六一一︶. いせ. られねばう喜よにぞ代・家. 身にまさるものなかりけりみどり子はやらんかたなくかなしけれとも. も代. 二二七 憎からぬ命なれども心にしまかせたらねば恨みてぞふる. こ∼ろひとつを後・家. うくもつらくも後・家. ︵五経五︵二葉九︶・代雑六︵■■六〇七︶・家︵三宝主二〇壷豆︶︶. 二一一八 いかでかくうきもつらきもふたしへに心ひとつをなしてみすらん. ︵観恋一︵五菜︶伊勢・家︵三党童二三品二≡︶︶ ︻頭︼﹃宇津保﹄俊蔭巻云︵八︶. 秋風のふくをもなけくあさぢふにいまはとかれんをりをこそおもへ. とはのかにいへば、ふたしへに、いとをかしくあはれなることをおもひ. わすれねといひしにかなふ君なれどとはぬはつらき物にぞ有ける. 入て云々. 二二九. 何方に行かくれなん世の中に身の有ばこそ人もつらけれ. つらけれどいざまた人をうらみずにかひなくならんさまのうければ. うらみず. ︵同恋五 ︵九二八︶本院のくら︶. 三二〇 三三. ︵樹恋五︵九三〇︶・新制恋五︵一三ハ吾よみ人しらす︶. ︻頭︼﹃法句誓喩経﹄三安寧品云、﹁天下之苦無レ過レ有レ身身為二苦器一憂畏 無量云云﹂。. 秋はぎの玉まく葛のうるさく我をな恋そあひもおもはず. ないがしろ. 二≡一人よりは我こそさきに忘れなめつれなきをしも何かたのまん. 三≡. ︵柑︵二蓋︶︶. ︻頭︼﹃色葉和難﹄云、﹁﹁うるさ/\﹂とは、葛かづらをいふ。葛のかたち、 こと晶. 葉おほくしてまきあつまり、むつかしげなれば、かくつゞけたり。. 二二面 いなといはん人をもしひじ敷島の大和の国に人や絶たる ︵薗︵天王︶. ︻或︼﹃万葉﹄十三 ︵三二四九︶. 18.
(12) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一二). ク二、. フタリ. ナニカ ナゲカム. 二三五 いとはれて我やは俺てひとりぬる萩の下葉の色づけばなどぞ. 思はずもあれかしあやな道芝の人のふるせる我ならなくに. 式嶋乃山跡乃土丹人二有年念者難可将嗟. 二三六 やイ. みつね. 今はとて人のかれはて浅茅生にさればなづなの花ぞ咲ける せまし古. よみ人しらず. 五月雨にみだれやばせしあやめ草あやなし今は思ひわすれね. 人もいかヾわすれめ・古. 二二王. 三二八 ︵古本集︵Ⅰ云丁正一莞・Ⅲ九七−Ⅳ四甲︶︶. ︻頭︼﹃古今﹄恋一︵四六九︶. 吉野河よしのかはれよさもあらばあれせになる淵はなくぼ社あらめ. はと∼ぎす鳴やさ月のあやめ草あやめもしらぬこひもするかな 二二元 ざふのおもひ 二三〇 そへにとてとすればか∼りかくすればあないひしらずあふさきるさに ︵副誹譜︵萱ハ○︶よみ人しらず︶. の意にて、けふ. ︻頭︼契沖云、﹁此﹁そへ﹂といふ詞、顕昭もいかゞおもはれけん、注せ られず。﹃後撰﹄に﹁けふそへに﹂といへる詞は﹁副﹂. さへに、といふ詞なれば、今とおなじからず。﹃壬二集﹄︵二四〇五︶ に、. そへにとてたのめしくれもとにかくにいくよ過行月日なるらん 此歌はいかゞ心得て取用られけん、作者の意をしらず。今按ずるに、﹃著. 聞集﹄第十六法師の角力とる事いへる条に、﹁そへにとこたふ﹂といへ る詞、そや、それよ、といふ詞にちかし。 ﹃伊勢物語﹄ ︵一〇七段︶. ﹁されどわかければふみもをさくしからず、詞もいひしらず云々﹂。 ﹃宇津保﹄吹上巻云、﹁藤の花の陰かきたる御屏風ども立わたし、いひ しらずきよげなり﹂。. アフサキルサ. 朗昭云、﹁﹁あふさ﹂はあふさま也。﹁きるさ﹂はくるさま也。とさまか うさま、といふ心也﹂。. ﹃毛詩﹄国風関碓篇云、﹁参差芹菜左 右流レ之﹂。. いなや古. 二二三 田心ふてふ人の心のくまごとに立かくれつゝみるよしもがな ︵同 ︵一〇三八︶︶. 二≡一おもへども思はずとのみいふなれば今はおもはじ思ふかひなし ︵同︵亘二九︶︶. 二三三⋮我を思ふ人を思はぬむくいにやわが恩ふ人の我をおもはぬ. ふかやぶ. 思ひけん人をぞともにおもはましまさしやむくいなかりけりやは. ︵同 ︵一〇四一︶︶. 二三四. 我をのみ思ふといはゞ有べきをいでやこゝろは大ぬさにして. ︵同︵一〇竺︶︶. 二三五. ︵同︵一〇EO︶ よみ人しらず︶. ︻頭︼﹃古今﹄恋四︵七〇六・七〇七︶ よみ人しらず. 業平. 大ぬさのひく手あまたになりぬればおもへどえこそたのまざりけれ かへし. ゆ急に革・エ. には孝. 大ぬさと名にこそたてれながれてもつひによるせはありてふものを. 二≡ハ たれによりおもひみだる∼心ぞはしらぬぞ人のつらさなりける. とも 家 と続 ︵繍副恋一︵九四空みつね・司︵空︶・代恋一︵一七宍︶・家︵旦貢・Ⅴ八六︶︶. 二三七 人こ∼ろいまはかぎりと成ぬれば見しこそみぬにおとらざりけれ りのみ扱ふ後 ひとり家 ひ一と γ﹁一丁 正し 肘れず思へばくるしいかにしておなじ心に人ををしへん. よみ人しらず. ︵観恋二 ︵六〇二︶忠みね・家︵Ⅱ六二・Ⅳ言六︶・第五︵二六一d︶重出︶. ︻頭︼﹃後撰﹄恋六 ︵一〇一二︶. えぞしらぬ今こ∼ろみんいのちあらば我やわする∼人やとはぬと. よ占. おもひつ∼まだいひそめぬわが恋をおなしこゝろにしらせてしかな l≡元. ︵副離別︵二七七︶よみ人しらず︶. ≡四〇 いつはりのなきよなりせばいか計人のことのは嬉しからまし. ︵同序・又恋四 ︵七一二︶ よみ人しらず︶. 19.
(13) 伊 藤 一 男. うつ∼にも夢にも人によるしあへば暮行ばかり嬉しきはなし. ︵同恋四︵七一こ・矧恋五︵九三︶よみ人しらず︶. 一一四一偽とおもふものから今さらに誰まことをか我はたのまん. 三竺 ︵拾l恋二 ︵七二吾よみ人しらず・司︵吾︶みつね・﹃粥恒集﹄︵V八八︶︶. つらゆき. あはれ玉・代. 逢みずて恋しきことをたとふれば苦しきことは物ならなくに. こひ家こと家. するかなるうつの山へのうつゝにもゆめにも人にあはぬなりけり. ︻頭︼﹃伊勢物語﹄ 〓一︶. 三讐. おなし人 も家. あひみずてわが恋しなん命をばさすがに人やつらしと恩はむ. ︵家︵夫完︶︶. 三門四 ︵玉l恋一︵一看二︶・代恋二 ︵一九六七︶・家︵1六六〇︶︶. ︻頭︼﹃山家集﹄ ︵Ⅰ一三〇〇︶. あふことのなきやまひにてこひしなば下同 三関萬 逢ことを月日にそへてまつ時は今行末に成ねとぞ恩ふ. そせい. 二壷ハ あはれをばなげのことばといひながら思はぬ人にかくるものかは ︻頭︼﹃古今﹄春下 ︵九五︶. よみ人しらず. いざけふは春の山べにまじりなんくれなばなげの花のかげかは ﹃後撰﹄恋四 ︵八l一七︶. 心なき草木なれども哀とぞもの思ふときのめにはみえける. ことのははなげのものとはいひながら人にしらる∼なみだなになり 三川七. 哀てふことなかりせばいふべきを何にたとへてこふとしらせん づイ. まれならば級. 三川八. あはれてふことよわひかにある物を人にしらるゝ涙なりけり りほかエ 平中興. 三川九. ︻頭︼同恋三 ︵七二二︶. 世の中はいかにくるしと思ふらんよろづの人にうらみらるれば. こヽ∴り・占. こひしきもおもひつめつゝ有ものを下同 二言○. ︵固誹語︵一C至︶在原元方︶. しものなり古. 二言一いにしへのしっのをだまきいやしきもよきも盛は有こしものを ︵同雑上︵八八八︶ よみ人しらず︶. おもはぬ夫. 興風 ︹戎本︺. をは夫. あひ思はぬ人を思ふぞやまひなる何か有馬の湯へも行べき. おもふ夫. いにしへのしづのをだ巻くりかへし昔をいまになすよしもがな. ︻頭︼﹃伊勢物語﹄︵六五︶. 三至. ︵刻雑八温泉︵三党○︶よみ人しらず︶. み家. 身はすてつ心をだにもはふらさじつひにはいかゞなるとしるべく. おきかぜ. ︻頭︼﹃書紀﹄野明紀云、﹁三年三月乙亥、幸二干摂津国有馬温湯L。. 三雲. ︵甘誹語︵一〇六豊・鮒樹︵二二九︶・家︵去二旦七︶︶. オホキミヲシマニハブリ ︻頭︼同允恭紀太子御歌︵七〇︶ に﹁於褒企禰烏志摩珂波夫利云云﹂。. も家. はト山. いのちかは何ぞも露のあだものをあふにしかへばをしからなくに. や占. ﹁はふらす﹂はすてやることなり。. 二三四. ︵同恋二 ︵六丁空友則・家︵発︶︶ ︻頭︼﹃伊勢物語﹄︵一一八︶. めれは後. いたづらにたびくしぬといふなるはあふには何をかへんとすらん. ごとにしぬといへは信. なかつかさ. おもふにはしのぶることぞまけにけるおふにしかへばさもあらばあれ. 二一夏. を後・イ・家ために家・イ. 源さねあきら ︹戎本 右大弁公忠男︺. ︵観恋三︵吉七︶・﹃信明集﹄︵Ⅰ九〇︶︶ 返し. しぬくときく/\だにもあひみねば命もいつのよにかのこさん. まつはゆきてみてまし□・綺. 心をしふかうのさとに置たらばばこやの山はみまく近けん. む万. ︵同︵七C八︶・同 ︵l八一︶︶. 二云ハ. 三至. ︵万十六︵二八五こ・川風︵二束︶・樹︵二八九︶︶. ︻頭︼﹃荘子﹄遣遥遊篇云、﹁貌姑射之山有二神人一。︹中略︺荘子日、今子. 有二大樹l、患二其無用山。何不レ樹⊥之於無何有郷広真之野一﹂。. 20.
(14) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一二). 梅園翁云、このうた、﹃万葉﹄、今の訓にはこゝの如く﹁ふかうのさと﹂ゝ. てし万. ありて、字には﹁無何有乃郷﹂とあり。﹁無﹂は﹁む﹂の仮字にて﹁ふ﹂ くぎ万. 我やどのひつにじやうさしをさめたる恋のやつこのつかみかゝりて. いへにありし万. とよむべき事なし。. 二言八 ︵同︵一二八二ハ︶穂積親王︶. ンチヘシ. かも 万. こひこしわれを 方. ゆふつくよさすや岡べにつくるやのかたちをかしみしかぞよりくる. 為一恩愛奴こ。. ﹃観普賢経﹄云、﹁以二愛塵一故受二女人身一世世生処惑二著諸色︼色壊二汝眼. 大夫之聡神毛今者無恋之奴ホ吾者可死. ︻頭︼﹃万葉﹄十二 ︵二九〇七︶ マスラヲノサトキコ、ロモイマハ ナシコヒノヤツコニワレ. 三莞 ︵第一︵妄喜 己出︶ はなひひもときまためやも 万. 二二ハ○ まゆねかきひもときわたりまつらんやいつしかみんとおもふわぎも子 ︵河十一︵孟〇八︶・古本﹃人丸集﹄︵晶八九−m至八︶︶. 人磨 ろ万. 三六一はや人の名におふ夜ごゑいちじるくわがなかたえは妻とたのまん ︵ガ十一︵高九七︶︶. ︻頑︼契沖云、﹁﹃延喜大嘗会式﹄十一月卯日、隼人待二門開一乃発レ声云云。 はや人は声をたてゝよばふ役なれば ﹁名におふ夜声﹂とはいふなり﹂。. ︵同︵二六竺︶・夫雑十四鞍︵妄一三︶よみ人しらず・古本﹃人丸集﹄︵Ⅱ四七二︶︶. ︻頭︼﹃陰陽式﹄云、﹁諸時撃級子牛各九下丑未八下寅申七下卯酉六下辰成 五下亥四下並平声鐘依刻数L。. ︵二二ハ互 いもがたもとをまかぬよもありき︶. みしきみにまさらじ万. 二二ハ六 大かたに我し思はゞかくばかりかたき御門をまかり出なんや き五. ︵同︵二五六八︶・第二 ︵≡ハ九︶己出︶. め万. シヌビテ ヌレバ イメニミ ュ ケリ. 二二ハ七 あさがしはぬるやかはべのしの∼めに人もあひあはず君なしがちに. ︵同︵二四七八︶・第五 ︵一萱完︶重出︶. ︻頑︼﹃万葉﹄十一︵二七五四︶ アサガシハウルヤ カハベ ノ シ ヌ ノ メ ノ. 朝相閏八河辺之小竹乃眼笑思而宿者夢所見釆. ら万. 三六八 わきも子をあひしらせたる人をこそ恋のまされはうらみしみ思へ さ∼らなみしかつのこらの夫. ︵同四 ︵Pq九州︶ 田部忌寸礫子︶. ≡六九 生の浦に釣するあまの舟のりに乗にしこ∼ろつねに忘れす. ︵同七︵三九八︶・刻雑五海≡六七吾・古本﹃人丸集﹄︵墨守竺﹂九︶︶. 江. まくず 夫. おもしるこらがみえぬころかも万・夫. ぞも万. みづぐきの岡の葛葉を吹かへし誰かも君をこひんと思ひし. 近. ︵丑恋五︵妻己︶人丸・古本集︵Ⅲ一二〇九︶︶. ち壬まさ王・古 二言○ 今も思ふ後もわすれず刈こものみだれてのみぞ我恋わたる. 二重. ︵万十二 ︵三〇六八︶・刻秋五葛︵五八二九︶よみ人しらず︶. 三七二 をと∼しのさいつとしより今年まで恋れどなどか妹に逢かたき. ︵同四 ︵七八三︶家持・同椎十八恋 ︵妄一望︶︶. 二重二 心こそこ∼ろをはかる心なれ心のあたはこ∼ろなりけり. こそはなけ河. 君によりよ∼よ∼よ∼とよ∼よ∼とねをのみぞなくよゝよゝよゝと ︵河夕顔︵二空︶︶. ︻頭︼﹃袋草紙﹄巻四 ︵二八四︶ 云、. 二妄︵ おく山の霜ふりかゝる楢の葉のあをかりしよりおもひ初てき. 三宝. 三七川 ゆめにのみき∼き∼き∼とき∼き∼とき∼き∼きゝといたくとぞみし. 将待ホ到者妹之憾跡︻ 咲頭 儀︼ 乎﹃ 往而 大早 宝見 積径普明菩薩会﹄云、﹁心如二怨家−能与二一切諸苦悩こ。. ぬ万よぴき万から万 三六二 思はずにいたらば妹がうれしみとゑまんまびきのおもほゆるかな ︵同︵二五崇︶︶. ︻頭︼﹃万葉﹄十一︵二五二六︶. とき 万・夫・古. もあやし 万. かくはかりこひん物としおもはねば妹がたもとをまかぬ夜もありき. ぞと万. マツランニイタラパイモガ ウレシミトヱマムスガタヲユキテ ハヤミム. 二云こ. ︵同︵二禿七︶・第五 ︵三言二︶重出︶. ︻頭︼同十二 ︵二九二四︶ ヨノナカニコヒシゲ、ムト オモハズパ キミガ タ モトヲ マカヌ ヨ モ アリキ うち 夫. 世間ホ恋繁跡不念老君之手本乎不枕夜毛有寸. なす 万. あひみぬあやし 夫. 二ニハ凹 時守のうちならすつゞみ数みればたつには成ぬ逢ぬあやしも. 21.
(15) 伊 藤 一 男. ﹁シグレスルイナリノヤマノモミチバノ下同. 是ハ、和泉式部稲荷へマヰリケルニ、シグレノシケレバ、道ニアヘリケ アラ. ル牛飼童ノ、襖ヲヌギテキセタリケルヲ、カツギテ、ウレシキコトナリ ト云テヤミニケル。後ニコノ童、式部ガモトニ釆リケレバ、ナニゴトニ. 吉. 二六六. ん万. すぎいたもてふける板問のあはぎらばいかにせよとて我ねそめ鋏. そ万. ︵ガ十一︵二六吾︶・矧恋三︵七宍︶・﹃人丸集﹄︵Ⅰ一六主云0︶︶. ちねイ. ︻頑︼真淵云、﹁﹁そぎ板﹂は殺板なり。杉板にはあらず﹂。. ニー八七 人のするあたれもせずては∼きゞや君を思へば夜ぞ更にける ︻頭︼﹃新古今﹄恋一︵九九七︶. ナドタヅネケルニヨメル歌也云々﹂。. 山腹のかきはにかこふませがきのませたりしともみえし君哉. その原やふせやにたてるは∼きゞのありとはみえてあはぬ君かな. 坂上是則. ≡七ヒ 住人はさもこそあらめいふ人のかはる声こそあやしかりけれ. 神山の身をうの花の郭公くやしくと音をのみぞなく. ︵刻夏一郭公︵亮一二七︶よみ人しらず︶. 三八八. 二王八 沙イ癌ヲカヌ. 二王九 も∼しきの庭にかきしく白河のされたりきとも恩はぎりしを よみ人しらず. ︻頭︼﹃続古今﹄夏︵二一三︶. ︻頭︼﹃拾遺﹄恋t一︵七四三︶. かた敷の松のうきねとしのびしはさればよつひにあらはれにけり. わがごとくもの思ふ時やほと∼ぎす身をうの花のかげになくらん. ︵同二 ︵二七六二︶ 同︶. ︻頭︼﹃後撰﹄恋二 ︵六二一︶. 本ノマ、. 千磐破神もきくらんけふよりは長きうへめとたのまるゝ哉. 深養父. 源政成朝臣. みつね ぬる古本・夫. 貫之. ば夫・河. 三九二 ことしげき心よりさく物思ひの花の枝をやつらづゑにつく. かへし. は、いづれともなく、あるにもあらぬ中にも云々﹂。. ︻頭︼﹃狭衣﹄二云、﹁ものおもひの花のみさきまさりて、汀がくれの冬草. ︵刻雑十八述懐︵一七完U︶みつね・古本家︵Ⅳ二七こ・﹃貫之集﹄︵人二三︶︶. ≡九二 革も木もふけばかれ行秋風に咲のみまさる物おもひの花. うへ上目本. うれしきをわする∼人も有物をつらきをこふるわれや何なる. ︻頭︼﹃後拾遺﹄恋一︵六三七︶. 二元一うれしくぼ忘る∼こともありなましつらきぞ長きかたみ也ける. 二元じ. 天の戸をあけぬくといひなしてそらなきしつる鳥の声哉. よみ人しらず. 二一八九 ちはやぶるたゞすの神のまへにして空なきしつる時烏かな. もり夫. 中納言敦思. この ﹁され﹂も﹁洒﹂をかねたり。 本ノマ、. 二八〇 いふ人はさもこそあらめ聞人のいたさはくかほぞ思ひやらるゝ ︻頭︼契沖云、﹁﹁いふ人は﹂より以下二首ともにかなの誤などあるにや、 解しがたし﹂。. き占・朗. 二六一いきはてをいたくないひそそかくたにいそといふなるめかはくもあり 東三条右大臣 二六二 恋しとも我はまをさずあたしそ∼しぬるもの也しぬる物なり の野イ. 二六三 声たてゝ鳴ぞしぬへき秋山に友まどはせる鹿にはあらねど ぎり後・東. 素覚法師. ︵観秋下︵妄一︶友則・新ガ︵三九︶・家︵八︶・風体l︵ナシ︶︶. ︻頭︼﹃新古今﹄釈教︵一九五六︶. もなほ家. ぞ. ・占・朗. 草ふかみかりばのをのにたち出てともまどはせる鹿ぞなくなる いひながらふ. 朗. 二六四 水の沫のきえてうき身と思へどもながれて猶も頼まる∼かな しりながら家. ︵尉恋五︵圭竺︶友則・恨の条︵三〇ヒ︶重出︶. にけん. ︵同誹語︵一宍二︶よみ人しらず・朗︵七六二︶︶ ︻頭︼﹃万葉﹄五 ︵八五四︶. 多麻之末能許能可披加美ホ伊返波阿礼騰吉美平夜佐之美阿良波佐受阿利. 22.
(16) 『古今和歌六帖標注」】翻刻(一二). 大輔. ︵夫雑十八述懐︵一七﹁五こ貫之・家︵1八二四︶・河斉木︵看八一︶︶. ︻頭︼﹃古今﹄誹譜︵一〇五六︶. 紀友則. なげきこる山としたかくなりぬればつらづゑのみぞまづつかれける 女をはなれてよめる 二一九四 たきつせにうき草の根はとめつとも 人の心をいかゞたのまん. あさがはのきのふの花はかれずとも. ︻頭︼﹃惟南子﹄原道訓云、﹁夫拝樹こ根於水れ木樹二根於土二蚕至。. 三宝 木ノマ、. 二重ハ うつせみをそめてともしにかひつとも. しら露をけたで千とせはありぬともいかゞたのまん人のこゝろを. 業平朝臣. 二二〇三 いるつきを山のはにげていれずとも ︻頭︼﹃古今﹄雑上 ︵八八四︶. あかなくにまだきも月のかくる∼か山のはにげていれずもあらなん. しげはるイ ありはらのときはる ︹イ本に ﹁しげは. る﹂とあるに随ふべし。在原姓にとき. はるといふ人はみえず。︺. 二二〇Fq けのすゑにはねつく馬はつなぐとも. ︻頭︼﹃和名抄﹄牛馬類云、﹁孫価日、屏︹此間云波祢無万︺突悪馬也﹂。. 二二〇五 そでのうちに月の光はとゞむとも ︻頑︼﹃重之集﹄︵二六五︶. 二完七 とりの子をとをつ∼とをはかさぬとも ︻頭︼﹃伊勢物語﹄︵九二︶. まつ人のかげはみえずて秋の夜の月のひかりぞ袖にいりぬる. ︻頑︼﹃芸文類策﹄言語部詩云、﹁蛸角列二州県一豪端建二朝市一﹂。. 二三二 かのまゆにくにこほりをばたてつとも. ︻頭︼ こふの石の事はいはほの条に巳にいへり。. 二二二 こふの石をありにおはせてはこぶとも. ︻頭︼﹃稚阿含経﹄巻州九云、﹁欲下以二髪綿糸一旋中転於大石上﹂。. 二≡○ かみすぢに千ひろの舟はつなぐとも. いともイ 二二〇九 水のあわを白玉とてはぬきつとも. 能レ避二此難︼也﹂。. 促一七日必死我等兄弟神通自在︹中略︺ 移レ山住レ流無レ所レ不レ弁寧当不レ. ︻頭︼﹃法苑珠林﹄巻四十九云、﹁昔有二梵志兄弟四人一. 二二〇八 たごの浦の波をばしづめとめつとも. 二二〇七 もみぢ葉に風をばつゝみとめつとも. ふく風にこぞのさくらはちらずともあなたのみがた人のこゝろは. ︻頑︼﹃伊勢物語﹄ ︵九四︶. 二二宍 ちらずしてこぞのさくらはありぬとも. とりの子をとをつ∼とをはかさぬともおもはぬ人をおもふものかば ﹃芸文頸究﹄諷諌郡、引二﹃説苑﹄一日、﹁普霊公造二九層台一謂二左右一目散 有二諌者一斬孫息乃諌日臣能累一十三伝英一如﹂一九鶏子其上一公日危哉々々﹂。. 三九八 かたなもてながる∼水はきりつとも ︻頭︼﹃本線経﹄月光王品云、﹁誓如.止横レ水求レ酢是実難仙得﹂。. よみ人しらず. 三九九 くものあみに吹くる風はとめつとも ︻頭︼﹃拾遺﹄恋四︵九〇二︶. 吹風に雲のはたてはとゞむともひとのこゝろをいかゞたのまん 二二〇〇 ふく風を雲のふくろにこめつとも ︻頭︼﹃新撰万葉﹄ ︵三九三︶ ワ ガ タ モトニシツーマレパ ッ ト. 夏之風吾欺手本西被裏者思年人之土毛丹芝手中. 二二〇一ふる雪をそらにとめてはありぬとも 二二〇ニおく露をけたで玉とはなしつとも ︻頭︼同 ︵三一三︶. ハナス. 夏之夜之露那駐曽病薫之誠之玉砥成芝果祢者 ﹃伊勢物語﹄ ︵ナシ︶. 23.
(17) 伊 藤 一 男. ﹃列子﹄湯問篇云、﹁江浦之間竺一磨虫査ハ名日l一樵瞑一群飛而集一於蚊陣二云 云﹂。. 紀貫之. 二三一■ 火をうちて水のうちにはともすとも はエ. 三一川 郭公春をなけともあとふとも. かげろふのかげをばゆきてとりつとも. ひげをばぬきて戎本. 四〇︶詠二浦鳴子一長歌に、﹁相跳良比言成之賀婆云云﹂。. アヒ7トラヒコトナリンカバ. とのあやまりたるなるべし。﹁あとふ﹂はあつらふ也。﹃万葉﹄九︵一七. ︻頭︼﹁春をなけ﹂とはいかゞ。﹁を﹂﹁き﹂字体よく似たれば、春きなけ、. ≡葺 ︻頭︼﹃抱朴子﹄論仙篇云、﹁無レ為下握▲一無形之風一捕中難執之影上﹂。. ︵二三六 はなすすきほにいでぬ秋はありぬとも︶ 二二七 わたつみの彼の花をばとりつとも. 為. 安貴王 ︻頭︼﹃万葉﹄三 ︵三〇六︶ モ ガ ツ、ミティヘットニセン. ﹁数ならぬ身は水の上の雪なれやなみだの上にふれどかひなき. 御らんじこそおとさめ﹂と聞え給へり。あてみや. ﹁水の上に雪は山ともつもりなんうきてのみふる人のかひなき. あなみぐるしや﹂と聞え給へり云々﹂。 二二三−我柚の涙にいをはすみぬとも ︻頭︼﹃俊頼口伝﹄下︵三五三︶. こひわびて音をのみなけば敷たへのまくらの下にあまぞつりする. 凡河内のみつね. 二二元 ます鏡ぬしなきかげはうつるとも. ︻頭︼﹃放光般若経﹄超越法相品云、﹁誓如卜幻師持二一鏡一現二若千種俊一若. 男若女若馬若象若舘若浴池於レ中示中現若千種上﹂。. 二二二五 さほ山のもみぢぬ秋はありぬとも. 二二二六 かるかやをほたるの火にはともすとも 笥 二二二七 ひとつけにとらのまだらはわきつとも. 二二二八 春かへるかりをばみなもとゞむとも. 伊勢海之奥津白波花ホ欲得裏而妹之家裏. 二二六 こぐ舟のさをのしづくはおちずとも. 二二二九 しろきけをこきみどりにはかへすとも. ︻頑︼﹁露霜を云々﹂此うたに似たる事、﹃大宝積経﹄第州七に見ゆ。云. 二二三 霜霜をとけての後はわきつとも. 頬一唯阿修羅王能得・真底一余則不仁得﹂。. ﹃大集経﹄巻十八云、﹁如卜大海中有二羅喋羅阿修羅王一亦有二其余衆生之. ︻頭︼同巻一云、﹁撃如二大海水欲;尽二其涯底L。. 二二二 わたつみをむすびて底は見せつとも. 万物燻欄日月和合万物成熟﹂。. ︻頭︼﹃大智論﹄巻七十九云、﹁但有レ月而無レ日則万物湿壊但有レ日無レ月別. 三二〇 年のうちに月なき月はありぬとも. 不レ競門生日此即亦管中窺レ豹時見二一班二至至。. ︻頭︼﹃晋吾﹄王献之伝云、﹁献之字子敬少有二盛名−嘗観こ門生樗清一日南風. 二二完 あみのめにふきくる風はとまるとも ︻頭︼﹃散木集﹄恋上︵Ⅰ一〇七八︶. おもはんとたのめしことはあみのめにたまらぬ風のこゝちなりけり ﹃月上女経﹄巻下偶云、﹁羅雨可下用縛中猛風L。 ﹃本縁経﹄毘羅摩品云、﹁如下以レ網盛上レ風是幸甚難﹂。. 二≡U あるゝ馬をくちたるなはにつなぐとも ︻頭︼﹃尚書﹄五子之歌云、﹁予臨・一兆民▲凛乎若一朽索之駅二六馬一﹂。. 二−一三 女郎花わがつまにては年ふとも 二二二二 ゆく水にふりくる雪はとまるとも ︻頭︼﹃寛平后宮歌合﹄︵一五四︶. 冬のうみにふりいる雪や底にゐてはるたつなみの花とさくらん ﹃宇津保﹄菊之宴巻︵四三八・四三九︶云﹁東宮、雪を見てきこえ給へり﹂. 24.
(18) 『古今和歌六帖標注』翻刻(−二). ﹁或如来に水l滴をさづく。如来そを兢伽河の中におく。河波にひかれ、. 遂に大海にいる、後其人来て彼一滴をかへせといふ。如来不思議知をな し、大海の中に就て本の一滴を是人に還す﹂とあり。 三≡一てをさへて吉野のたきはせきつとも ︻頭︼﹃河海抄﹄蘭︵一四九四︶. てをさへてよし野のたきをせきつとも人のこゝろをいかゞとぞおもふ ﹃抱朴子﹄詰絶諾云、﹁開二涌天之源一激二不測之流一寒レ之以−撮壌一陣レ之. 以二指掌一也﹂。 ︵旭川校助教授︶. ウ仁.
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