永久影を探査する月面ローバのための帰還可能性を考慮した行動決定
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(2) Fig. 1: Data of a PSR. Left: Sunshine ratio [%]. Right: Slope angle [deg] and Gradient vector.. Fig. 2: Exploration area. White grid: illuminated region, red grid: unsafe region, blue dot: water ice.. のように定義する.ここで n(x) はローバが x に訪れた 回数を表わし,各水氷の報酬が訪問回数に応じて減少 していくように設定した.また,s(x) は状態 x に隣接 する未探索領域の数と定義する. このとき,. u∗t = arg max u. T −t ∑. r(xt+τ ). (4). τ =1. のように,ミッションの残り時間である (T − t) 時刻先. Fig. 3: Rover’s path.. までの報酬を最大化する行動が時刻 t における最適な 行動といえる.(4) 式を満たす行動は価値反復法 [3] で. は 74.3 %,発見した水氷は 16 地点中 11 地点であった.. 推定することができる.. 3. これらのことから,提案法によって未知環境である永. シミュレーション. 久影を探索し,多くの水氷を発見できているといえる.. 月極域の永久影周辺の日照率,傾斜の実データの一. 障害物周辺を通る経路に注目すると,傾斜を滑り落. 例を Fig. 1 に示す.これをもとに作成した Fig. 2 に示す. ちることによって障害物に衝突する可能性のある領域. 20 × 20 のグリッド状の領域を対象に提案法の有効性を. を避けていることが確認できる.充電率についても,最. シミュレーションにより検証する.ここで,日照率 55 %. 低でも 4 ステップ分の充電を残して日照領域へ戻って. 以上を日照領域(白),傾斜 20 deg 以上を走行不可能な 障害物(赤)とし,水色の地点に水氷が存在するとする. また,各グリッドにおける軸方向の傾斜を ϕ とおくと,. 0.05ϕ の確率で斜面を下る方向へ 1 グリッド滑り落ちる. おり,リスクのある行動を避けていることがわかる.こ のことから,ローバの状態遷移の不確かさを考慮した 行動決定ができているといえる. 以上より,環境が未知であり状態遷移も不確かな環. とする.ローバは領域内の事前情報をもたず,現在の位. 境である永久影において,提案法が水氷の調査が行う. 置と周囲 8 グリッドを観測可能であり,上下左右への移. ことに有効であるといえる.. 動と停止の 5 つの行動が選択できるものとする.報酬. 4. 関数のパラメータは,cunsafe = clost = 1000, csafe = 1. まとめと今後の展望 本稿では,永久影内において安全に水氷を探査する. とし,(1) 式の重みは α = 20, β = 2 とした.また,バッ. ために,帰還可能性を考慮した探査法を提案した.今後. テリ容量は 40 ステップ分であるとし,ミッション終了 時刻を T = 400,終了時に初期位置に帰還するものと. は計算負荷の低減および他手法との比較を検討したい.. する.. 参考文献. このような問題設定に対して,提案法によって星の 位置からローバを探査させた移動経路を Fig. 3 に示す. 図より,ローバは障害物を避けながら充電と探査を繰. [1] AB Sanin, et al. Hydrogen distribution in the lunar polar regions. Icarus, Vol. 283, pp. 20–30, 2017.. り返し,水氷を調査できていることがわかる.時刻 0 ≤. [2] 菊池惟子 他. 月極域探査ミッションのための時相論. t ≤ 150 の範囲では日照領域の近くから周囲を探索し. 理を用いた経路計画法. システム制御情報学会研究. ており,150 ≤ t ≤ 304 では発見済みの水氷を再度訪. 発表講演会講演論文集, Vol. 63, pp. 162–165, 2019.. 問して報酬を獲得していることがわかる.その後探査. [3] Richard Bellman.. 領域内の残報酬が減少した結果,305 ≤ t では初期位置. A markovian decision process.. Journal of mathematics and mechanics, pp. 679–684,. で停止し続ける行動が選択された.この探査領域の探. 1957.. 索率(探査領域に占めるローバが観測した領域の割合). 47.
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