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自然排出した唾石症の1例

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Academic year: 2021

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〔図説〕松本歯学27:142∼143,2001

自然排出した唾石症の1例

内田啓一 黒岩博子 音成貴道 塩島勝

   松本歯科大学 歯科放射線学講座

ACase of Spontaneously Removed Sialolithes

KEIICHI UCHIDA HIROKO KUROIWA TAKAMICHI OTONARI and MASARU SHIOJIMA Depα・tment・fO・α1 and Mαxill・faciα1 Rαdi・1・gy,Matsum・t・・D・ntα1・Univer・itor Sch・・1・fDentistrly  唾石症は唾液腺疾患のなかでも代表的なものの ひとつである.しかしながら,自然排出される唾 石は非常に少なく.その多くは観血的処置により 摘出されることが多い.また自然に排出されるも のは,その大きさが非常に小さいもが多いとされ ている.  今回,我々は自然排出した唾石症の1例を経験 したので,その写真を供覧する. 患者:30歳,男性. 初診:2001年3月13日. 主訴:左側顎下部の腫脹と疾痛. 既往歴および家族歴:特記事項なし. 現病歴:2000年12月頃から左側顎下部の腫脹と疾 痛を認めたため某病院を受診した.その際,唾石 症の診断のもとに口腔内から摘出を試みたが,除 去できず経過観察を行っていた.その後,左側顎 写真1:初診時のパノラマX線写真.顎骨に重積    するように類円形の境界明瞭な不透過像     (△印)を認める. 下部の腫脹と疾痛が増大しため,2001年3月13 日,精査目的のため本学を受診した.         現    症 全身所見:特記事項なし. 口腔外所見:左側顎下部の腫脹,疾痛および左側 顎下リンパ節の腫脹を認めた. 口腔内所見:左側舌下部の圧痛,左側舌下小丘部 写真2:初診時の咬合法X線写真.中心部に核を    有する層状構造を呈した小指頭大の石灰    化物を認める. (2001年6月1111受付;2〔〕01年7月25H受{里)

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松本歯え子 272・3 2001 143 写真3:2001年3月30日.エックス線CT画像において,左側顎下腺導管部に認められた石灰化物は認めら    れない.左側顎ド腺は萎縮傾向を呈している〔△印). 写真4:咬合法X線写真においても石灰化物は認    めない. の発赤、腫脹および排膿を認めた. 画像所見および経過:2001年3月13日、精査のた めX線検査を行った.断層方式パノラマX線写 真から,左側下顎第二大臼歯の遠心根根尖部付近 の顎骨に重積するように類円形の境界明瞭な小指 頭大の不透過像(△印}を認めた(写真工).咬 合法X線写真からは左側顎下腺導管内と思われ る位置に.中心部に核を有する層状構造を呈した 小指頭大の石灰化物を認めた(写真2).臨床症 状および画像所見から左側顎下腺導管内唾石症と 診断した.2001年3月30日同部の状態を精査する

ためにX線CT検査を施行したところ(写真

3).左側顎下腺導管部に認められた石灰化物は 認められなかった.  また左側顎下腺は萎縮傾向を呈していた(△ 印).さらに確認のため咬合法X線撮影をおこ なったが,やはり石灰化物は認められなかった (写真4)。検査後患者に問診したところ、数日 前の朝起床時に口腔内から小指頭大の白色の硬固 物が排出されていたことが判明した.  唾石が自然排出されることはきわめて稀である とされており.その機序は唾液腺開口部からの排 泄されるものと.機械的な刺激により導管の自潰 がおこり排出されるものがあるとされている1. 自験例においては,とくに機械的刺激となる義歯 や習癖などや、あるいは口腔内においても自潰を 示唆するような所見,自覚症状が認めないことか ら、導管開口部から自然排出されたものと推考さ れた.  唾石の自然排出の機序は不明な点も多く,今 後,臨床症状や画像所見および唾石の成分解析な どと組み合わせて検討を加えることも大切なこと と思われた.

参考文献

D瀧田正亮.西山知英.西川典良:自然排泄のみ  られた唾石症の3例.阪大歯誌38:525−9,  1993.

参照

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■2019 年3月 10