サ ー ビ ス 化 ・ ソ フ ト 化 現 象 と 市 場 分 析 ( I )
―
基
礎
的
価
値
分
析
と
べ
テ
ィ
の
法
則
―
Market Analysis on the Phenomena of Service and Soft (I)
目 次 Ⅰ 基礎 的価値分析 (1) 市場価値の形式
(
2
)
物理財 とサービス (3) ソフ ト化 と市場価値 II ぺテ ィの法則 とその問題点(
1
)
経済 の基本問題 と財の性格 (2) ペ テ ィの法則の妥当性 (3) べ テ ィの法則の結末 (4) ペ テ ィ法則を超 える技術革新 の可能性 むすび- 多面的分析の必要性 は じ め に1
7
世紀, ウィリアム・べテ ィはその 『政治算術』 において,所得水準は農業 よ り製造業 において, さ らに製造 業 よ りも商業 にお いて高 い ことを述 べ,産業形態 がその よ うな方 向で傾向的に推移す ることを示唆 した。 べテ ィは,当時のオランダの 所得水準が高 いのは,他国に比較 してオランダの 商工業が発展 しているか らだ と結論づ けた。2
0
世紀 にな り, コ- リン ・クラークは産業を第1
次産業,第2
次産業,第3
次産業 に分類 し,そ れを用いて帰納的法則を導いた(r経済的進歩の諸 条 件』
)
。 ク ラークによると,経済段階が進むにつ れ労働力や所得の構成比が第1次産業か ら第2次 産業へ, さらに第3次産業へ と推移す ることを示 し, この傾 向的法則を 「べテ ィの法則」 と名づけ た。 サイモン ・クズネ ッツは,各国の経済成長 と産 業構造の推移 を体系的かつ実証的に研究 し,主要 国における労働力や所得の構成を時系列的に明 ら かに した(『諸国民の経済成長』)。 したが って,今 日 「べテ ィの法則」は,
「べテ ィ-クラークの法則」 とも 「ペテ ィ-クラーク-クズネ ッツの法則」 とも山
崎
匡
毅
Masaki Yamazaki
いわれ る。 「べテ ィの法則」は経済の進展 に伴 う産業構造の 変化に関す る法則であるが,それは技術革新 に深 くかかわ っている。1
8
世紀末,産業革命が生起 し, 経済の工業化が始 まった当時,その中心 は織物業 な どの軽工業 と呼ばれる分野であ った。蒸気機関 の実用化によって,人間の労働が機械 (資本) に よって代替 され,その結果,労働形態や生活様式 は大 き く変化 した。1
9
世紀の中頃か ら2
0
世紀の中頃にかけて,鉄鋼, 校械,電気,化学 などの重化学工業が発展 し,そ れが産業の中心的存在 になった。強力 な生産力を 背景に経済は著 しく成長 し,それが成熟 した段階 で ロス トウのい う高度大衆消費社会が出現 し,大 衆が豊か さを享受で きる社会が可能 になった。そ れはまた,豊富で安価 な石油資源に支 え られた時 代であ り,第2次産業の全盛期で もあった。 ところが,1
9
7
3
年の石油危機を契機 に,経済は 停滞を余儀 な くされ,重化学工業を基盤 とした大 衆消費社会 に陰 りがみえて きた。その よ うな状態 の中か ら,最近ME(マイクロエ レク トロニクス) 革命 といわれ る新 た な技術革新 の波 が生 じて き た。す なわち, ロボ ット, オフィスオー トメーシ ョン(OA),光通信などの新技術が現われ それ らは社会 に大 きな インパ ク トを与 えは じめてい る。 産業革命 は 「人間の肉体労働」を蒸気機関 (後 には電気 ・内燃機関が主 となる)の動力で代替す るものであ った とすれば,現在進行中のME革命 は,
「人間の頭脳」をエ レク トロニクスで代替 しよ うとす るものである。 産業革命 が急速 に浸透 した1
9
世紀 中頃 にお い て,機械が就業構造や生活形態 に重大 な影響を与 えた よ うに,M E革命の進行は,大衆の労働形態 や生活様式 に大 きな変化 を与 えてい く。現象的に みれば,それは経済の ソ7 日 と・サー ビス化 といわれ るものであ る。 それでは,現在進展 しつつあ る ソフ ト化 ・サ ー ビス化現象 とは, いかな るものであろ うか。 また どのよ うに評価すべ きであろ うか。この点 に関 し,
F
2
0
0
0
年の 日本J において,次の よ うに述べ られ ている (注 1)0 -- ここでい う 「ソフ ト化」 とは, モ ノ,資源 等の 「- - ド」 よ りも,知識 サ ー ビス等で 「ソ フ ト」の評価 が相対的 に高 まる とい う変化を総 称 した ものであ る。 ソフ ト化 は,付加価値 の高 い知識集約型 の産 業, サー ビスの増加 は もとよ り,
「モ ノ」につ い ての ソフ ト化 (衣料 の ファ ッシ ョン化等), 同一 産業 内での ソフ ト関係 の売 り上 げの増加 (コン ピュータ産業 の ソフ トの売 り上 げ等) な ど多様 な形 態 を とって進 展 して い くもの と考 え られ る。 消費の個性化,多様化, よ り高度で創造的 な 方面への労働力の活用, エネルギー,資源の制 約等を考 える と, ソフ ト化- の流れは必然的で かつ我が国に とって好 ま しい ものだ といえる。 また,
「麗 済 の構造変化 と政策の研究会」におい ては,次の よ うに述べてい る (注2)
0 ・・-・量的拡大を重視す る近代化 ・工業化 は,規 模の利益 を追求す ることに よって物的生産 を飛 躍的 に増大 させ,
「豊 かな社会」を実現す ること に成功 した。 しか し, その よ うな近代化 ・工業 化が公害や資源制約 とい う壁 に突 きあた り転換 を余儀 な くされたのが現代であ り,その ことか らい って,
「新 しい途」は量 に代わ って質を重視 す る ソフ ト化 の途 にな らざるを得 ないのではな いか。そ して,その現 れが,先進工業 国の ソフ ト化 ・サ ー ビス化 にはかな らない とい うのが報 告書 の基本的 スタンスであ る。 経済構造が多様化す る中で,経済のサ ー ビス化 や ソフ ト化 に対す る見方や評価 は一様 ではない。 また,今後 の社会や生活様式 に与 える影響 につい て,明快な結論 を出す こ とは時期 尚早であ るが,『
2
0
0
0
年の 日本』 でい うよ うに,果 して好 ま しい 現象なのか,生活 の質的 向上や精神的 ・文化的満 足 と合致す るものであ るか, とい うことになる と 極 めて問題であ る。 ソフ ト化 ・サ ー ビス化が経済 の必然的流れであ るに して もそ こに内在す る危険 性 を十分考慮 した うえで,経済運営や政策を行 う 必要 があ る。 本稿 においては, この よ うな点を踏 まえ, ソフ ト化 ・サー ビス化 の問題 を総合的 に分析 し,将来 の政策的視点を探 ろ うとす るものである。 そのた め には, まず ソフ ト化 ・サ ー ビス化 を市場価値 と の関連で明確 に し,現在 いわれ る ソフ ト化 ・サ ー ビス化 の流れの実態 を考察 しなけれ ばな らない。Ⅰ
基礎 的価 値 分 析 (1) 市場価値 の形式 市場経済 においては,市場価値の分析が前提 に なる。 したが って,今 日いわれ る 「サ ー ビス化」 「ソフ ト化」の意義 も,市場価値 の分析 との関連 で基礎づ ける必要 があ る。 まず,市場価値 について論及 しなければな らな い。市場価値 とは,市場 において生ず る価値形態 であ り,貨幣に よって計測 され その一般的価値 形式 は次の2式 によって与 え られ る (注3)0 第 1に,市場価値その ものは形式的 にI
i-P
・
Q
(
1
)
と表わ され る。 ここでHは貨幣単位 に よって表わ され,P
は市場財の価格,Qはその数量であ る。 第2
に,(1)式 に対す る利用価値 は,形式的 にR-γ・
H′
(
2
)
と表わ され る。ここで,RはH'とい う価値 を市場 で利用 ない し貸借す る際生ず る利用価値であ り, γはその ときの利用価格 (貸借価格)であ る。 さて,市場価値 (H)お よび利用価値 (R)は,通常 は生産物 (商品),労働,土地,資本 に区分 され る。 それ らに対応す る市場価値お よび利用価値 をそれ ぞれ,H.
・
,
H
L.
,H
AL
,
H
h,・お よびR
z,R
Lt,RA
z
・
,
R
ht とすれば,市場価値 は一般 にH-H(
H
,・
,H
Lz・
,HA
l,HA
.
・
)
(3)R-R(
R,
・
,R
L.,RA
"RA
,
.
)
(4) とい う形式で表現 され る。 た とえは,生産物市場 において, ある財 才の市 場価値その もの (所有権 の移動) は,(1)式 と(
3
)
式 に よ りH,・-P.・・Qz. (5) となるが, この式 はその財 の市場価値が価格 と数 量 との積にな ることを示す。 また利用価値 は(2)読 と(4)式 よ り R`-竹・H; (6) になる。この式 の意味は
,H
;とい う価値の財 を市 場で利用す る (させ る)際 に生ず る価値であ り, 竹 はその利用価格である。生産物 (商品)を貸 し 付 けてその代償 として貨幣を得 るとい う行動は, かつてはかな り行われ,R
,・は商品利子,ylは商品 利子率 として知 られ る。 しか し,今 日では 1)-ス 産業や レンタル産業 な ど一部を除いては,あま り み られな くな っている。 もっとも,今後 これ と類 似 した形態 (た とえは ソフ トウェアの外部化)の 比重が高 まる可能性がある。 同様 に,労働 の価値を形式的に表現すれば,i
とい う人の労働 自身の市場価値 は,(1)式 と(
3
)
式 よ り HL,.-PLz.・QLl・ (7) となる。ここでP
L,・は労働 の価格,Q
Ll・はその数量 であ る。 この よ うに,労働 自身の市場価値 は(7)式 によっ て形式的に表 わ され るが,労働 には他の財 にみ ら れない面倒 な問題が存在す る。す なわち,労働 は 「人格をもった人間」 に本来的に属 してお り,経 済行為その ものに よって任意に制抑で きるもので もない し,市場で 自由に取 り引 きされ るわけで も ない。現在 の法治国家では,人間その ものの売買 は認め られていないか ら,(7)式の市場価値形式が 直接登場す ることはない。 したが って,市場 に現われ る労働価値は本質的 に利用価値であ り, (2)式 と(4)式 よ りR
Lf-yLl
・
・
H'
Lz・(
8
)
と表現 され る。す なわち,人間は労働(力)H'Lz.を利 用 させ る代 償 としてRLz・とい う利 用価値- 質 金- を得 る。労働の利用価格yLz・は賃金率(労働 価格) とよばれ る。 このよ うに,労働の価値形式 か らいえば,すべ ての労働 (刀)は本来的 に利用価格である。 した が って,
「労働のサー ビス化」とい う現象は, この 価値形 式か らは エ クス プ リシッ トには現われな い。それに もかかわ らず, ここで述べた価値形式 が,経済のサ ー ビス化 ・ソフ ト化現象を解 明す る 礎石を与 えている。 (2)物理財 とサー ビス それでは 「サ ービス」 とは,一体何 を意味す る のであろ うか。理髪店 の従業員の仕事 (労働)は, 通常サ ービスとみな され る。 しか し,機械工場 の 工員の仕事 (労働) は,サー ビスとはいわれず, それは 「生産要素」 とみなされ る。市場 の価値形 式では利用価格 とい う同一の価値形式 に従 うはず の労働が,一方ではサ ービス として,他方では生 産要素 とみなされ るのは,いかなる理 由によるの であろ うか。 この点を市場の価値形式 で分析す る ことが,経済のサ ー ビス化現象の解明の第1歩で ある。 理髪店の従業員の仕事がサ ービスといわれ るの は,それがモノの生産を行わず,労働力が直接商 品労働 とな り,貨幣的代償に還元 され るか らであ ろ う。すなわち,労働 とい う行為を通 じて,直接 (8)式 に連結 し,そ こにはモ ノの生産を通 じた迂回 路が存在 しない。簡単 な価値形式で示す と, RLl(労働)(販売.分配)貨幣的代価 (賃金) となる。 これに対 して,機械工場の工員の仕事が生産要 素 となるのは,工員 の労働が直接貨幣的代価に転 化せず,-担機械 とい う製品にな り,それが商 品 と な り市場価値 に転化 した ときにはじめて,労働価 値が具現化す るか らである。す なわち,労働力が -担物理的商品に転化 し,商品の中に労働が内在 化 し,それが市場で取 り引 きされた ときは じめて, 労働 としての価値が発効す るか らであ る。 簡単 な価値形式で示すな らば, RLt
,
蛙
萄
商 品喝
Hl.(市場価値) 建 国 )貨 幣的代価 (賃金) とい う迂回路を経 由す る場合,労働 は生産要素 と され る。 この よ うに価値形式を使 えば,サ ー ビス と生産 要素を厳密 に区分 し うるが,現実の経済 において は,かな り面倒 な問題が存在す る。 まず,価値形 式 か らすれば,純粋 なサ- ビスに近い もの として, た とえは個人教授,理髪, マ ッサージ,売春 な どの私的サー ビス と,義務教育,行政サ ー ビスな ど の公的サー ビスがある。 次 に,小売 ・卸業な どの流通産業 を考 えてみ る と,確かにモ ノの生産 とい う過程はないけれ ども, マ ッサ ージな どの形態 とは異 な り,そ こにはモノ の介在がある。つ ま り,商品 とい うモ ノの取 り引 きを通 じて,労働提供の代価 となる流通 マージン を とっているわ けであ り,労働の代価 は商 品の卸 売 ・小売価格 に内在 していることになる。 したが って,い くら働 いて も商品が取 り引 きされない限 り労働 の代価 は生れないか ら,労働の直接商品化 である純粋 なサ ー ビスとは異 った形態であ る。た だ し, モ ノの生産 に直接関係 しないか ら,その意 味で流通産業の労働は生産要素 となることは無理 があ り,それゆえにサー ビスの範噂 に区分 され る のであろ う。 さらに,現在拡大 しつつあ る外食産業を とって み ると,これ も純粋 なサー ビス とは異 な っている。 食事や弁当な どのモ ノを介在 して,労働 の代価が 生 じているか ら,その意味では流通産業 と煩似 し ている。ただ異 なる点は,流通産業 には製品の加 工 とい う過程が存在 しないけれ ど,外食産業 には た とえ簡単 な ものであるにせ よ,製品の加工過程 が存在す る。 た とえば,天ぷ ら屋 はエ ビ,野菜, 小麦,油な どの食材を加工 して,客 に食事 とい う 商品 (モノ)を提供 している。 この意味において, 外食産業 は後 に触れ る
2.
5
次産業 に も関連 してい る。 この よ うな加工過程が本質的に介在す ると,厄 介な問題が生 じて くる。外食店で食材 を天ぷ らな どに加工 して客 に提供す る, とい うよ うな簡単な 加工段階 と労働提供はサー ビスの形態 になるが, 食品工場で魚貝頬 を加工 し,缶詰を製造 している 場合,それは製造業 とな り,サ ー ビス業 には分校 されない。 この よ うに, ある労働や産業形態がサー ビス と みな され るか否 かの境界はかな り酸味であるが, この点 はまた労働 における 「ス トック」 の有無に も関係 している。 よ く,サ ー ビスはモ ノと異 な り 「ス トック」不 可能 といわれ,その意味でモ ノは池に,サー ビス は河 にた とえる人 もいる(注 4)。 しか し, この区 分法は厳密ではない。 なぜ な らは,人間の労働行 為その ものは,本来的に ス トックで きるものでは な く,それ 自身は完全 な 「フロー」 としての性格 を もっている。 したが って,ス トックで きるもの は,労働 に関 してではな く,労働 を通 じて迂回的 に生産 され るモ ノである。 マ ッサ ージや売春な どの純粋 なサ ービスは,す でに強調 した よ うに,モ ノとい う概念が全 くな く, 労働 は人間の行為その ものであ る。外食産業はモ ノとい う迂 回的過程を とるが,客が来た とき随時 食事を提供す るとい う意 味で, ほ とん どス トック が きかない。 もっとも, あ らか じめ作 っておいて ス トックしてお くこともで きるけれ ども, この場 合客 との好みが不一致を きたす こともあるし, ス トックが完全でないと味 が落ちて しま うか ら,現 実的には食事 とい うモ ノを大量 にス トックす るこ とは無理である。 これに対 して,缶詰工 場 では,労働を投入 して 生産 した製 品はかな り長 期 間 ス トック可能 で あ る。す なわち,缶詰の中 に人間の労働が缶詰に さ れている。換言すれば, 本来 ス トック不可能な労 働を製品に内在化 し,製 品の在庫を通 じて,間接 的に労働のス トックが行われる。 この点はサー ビ ス と生産要素 としての 労 働 との大 きな差異 で あ り,今 日のサー ビス経済化 に伴 う諸問題を分析す る うえで重要 なカギとな る。 それでは,市場経済で は,労働の価値 は どの よ うに確定す るであろ うか。 サー ビスはモノの生産 とい う迂 回路を経由しないので,本来的に売れ残 りとい うことはない。つ ま り,サー ビスの価値 は 労働の行為 と同時に生 じ,それはただちに貨幣的 代価 (賃金) となって支 払われ る。 ところが,商 品の中に内在化 された生産要素 と しての労働 は,そのままで は市場価値は生 じない。 それが生 じるためには, その商 品が売れ,貨幣に 転換 されねばな らないc Lたが って, い くら労働 力が投入 された商品 とい え ども,それが売れ残 っ た ときは,労働 に対す る市場価値は生 じない。 こ の ことは,過剰生産が労働力の ムダを作 り,重大 な損失 の要田になることを示唆 している。(
3
)
ソフ ト化 と市場価 値 近年 「ソフ ト化」 とい う用語が多 くみ うけ られるよ うになったが,その使われ方は一様ではない。 その概念は多分 に唆味であ り
,
「サービス化」とい う用語 と混同 して用い られていることも珍 しくな い 。 「経済の構造 変化 と政策の研究会」 において も, ソフ ト化 につ いて次 の よ うに記 述 して い る (注 5)0
社会 ・経済 の 「ソフ ト化」 について厳密 な定 義 を行 うこ とは,その内容が多岐であることか ら困難であ り, また,不用意 な定義を行 うこと は適 当で もない。 この よ うに,社会・経済の ソフ ト化 とい う場合, 極めて漠然 として用い られてい るが,その ニュア ンスには共通 の理解 も存在す る。そ もそ も,
「ソフ ト」 とい う用語は, コソピュークを作動 させ るた めのプ ログ ラ ミソグ言語である 「ソフ トウェア」 か ら由来 している。それは, コンピュータの理論 回路を形成す る機械である 「-ー ドウェア」 に対 す る用語であ る。今 日では これを広義に解釈 し, 一般 に,物質 ・機械 ・エネルギー系に関す る分野 を 「-ー ド」 と呼び,非物質的行為 ・情報系 に関 す る分野を 「ソフ ト」 と呼んでいる。 もっと簡略 化す ると,物質 とい う「モ ノ」に関す るものが 「-- ド」,非物質的 な「サ ービス」に関す るものが「ソ フ ト」となる。 とい うことは,
「サ ービス化」と「ソ フ ト化」 とは密接 に関連 してい るわけであ り, こ の ことを もって 「サー ビス化 ・ソフ ト化」 と俗 に いわれ るのであろ う。 しか しなが ら, この よ うな用語の使い方 は,市 場価値分析 に際 してあま りにも酸味である。 とい うのは,すで に述べた よ うに,労働 とい う人間の 行為その ものは,生産要素であろ うとサ ー ビスで あろ うと,区別 され ることはな く,その区別は, 労働が商品の中に埋没 され るか,単 なる直接商 品 化であるか, とい うことに依存 しているか らであ る。つ ま り,サ ー ビス化 とソフ ト化 とは密接 に関 連 しているに もかかわ らず,異 った概念に依拠 し なければな らない。 この点を明確にす るために, 1
例 として 自動車 の製造企業 における最近 の変化をみてみ よ う。周 知の よ うに,自動車会社は典型的な製造業であ り, 第2次産業 に属す る。以前は,部品加工,組み立 てな どは人間が行い,そのためにかな り労働集約 的であ った。 ところが最近, ロボ ット, コンピュ ータな どの技術革新 によって,部品加工 は数値制 抑 の工作機械 によって, また組み立ては ロボ ッ ト に よって多 くの部分が代替 され るよ うにな ったの で,それ らに従事 していたかな りの工員は,他の 部門に配転 となった。この場合,配転先 の多 くは, モ ノの生産 に携わ らない販売部門ない し系列の販 売会社であ り,一部 は ソフ トウェアや生産管理で あ る。 エ レク トロニクス革命 の進行によって,多 くの 企業で この よ うな変化が生 じ, ブルーカラー (肉 体労働)のホ ワイ トカラー化 (販売,管理,企画, ソフ トウェア)が進 んでいる。 もし, 自動車会社 が余剰の工員を 自社 の販売部門や ソフ トウェア部 門に配転 した場合,統計上では第2次産業 の就業 者 として カウン トされるか ら,統計上 は何 らの変 化 は現われない。 しか し, もしこの 自動車会社が 余剰の工員を他の販売会社に転出させた場合は, 統計上第2次産業の就業人 口は減少 し,第 3次産 業 の就業人 口が増加す る。 また, もし, 自動車会 社が ソフ トウェアを外部 の企業 に依頼すれば, ソ フ トウェア会社の売 り上げが伸 びるか ら,第3次 産業の生産額の比重 は高 まる。 ソフ トウェア会社 をサー ビス業 に分類すれば,経済の ソ7 日 とはサ ー ビス化を加速 させ る。 この よ うに,労働者に対す る企業の対応 によっ て,統計上現われ る数字が異 なって くるが, ソフ ト化はサ ー ビス化 と密接 に関連 してお り,その間 に代替的関係があ る (図 1)0 図1 ソフ ト化 とサービス化の代替的関係図 2 産業のソフ ト化 ・サービス化 ・システム化 - - ソ フ ト化 -- - - - 一一
:
L- - - サ ー ビス化 ・シ ステ ム化-- -
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_ - -- - - 一 一 一 - 一一 佐貫禾雌 氏 にJ:る (r
東洋経 済 」近経 シ T}- ズNu66 I1983) ここで, ソフ ト化 とサ ービス化 における混乱を 回避す るために,その間の相違 を明確に し, ソフ ト化が今後 どの よ うな形態 を もって進行す るかに ついて検討 しよ う。サ ー ビス化 とは,すでに述べ た よ うに,労働 の直接商品化であ り, モ ノの生産 に直接関係 しない分野の進行 として定義 した。 こ れに対 して, ソ7 日 ととはある企業内ない し産業 内において,直接 モ ノの生産 に携わ る就業者が減 少す る現象であ ると定義で きよ う。 この定義 によれば,上例の 自動車会社 において は, ソフ ト化が進行 しているが,それを 自社内で 賄 う限 り,市場価値形式 には表面上現われない し, 統計上 も第2
次産業 として処理 され る。つ ま り, 企業 において ソフ ト化が進 んで も, 自動車 とい う 製品になって しまえば,労働 (- - ド的 なもので あろ うとソフ ト的 なものであろ うと)はすべて 自 動車の中に埋没 されている。 佐貫利雄氏に したが って,現在進行 しつつある ソフ ト化のモデルをシステム的に示す と,図2
に なるO佐貫氏の議論では, ソフ ト化 とサ ー ビス化 の相違 が多少暖味であ るけれ ども,言わん とす る ところは,技術集約型 ・情報化の進展に伴 って, 生産 とい う-- ド中心的 なものか ら,企画・調査 ・ 研究 ・開発 とい うよ うな ソフ ト型 の もの-の比重 が高 まることを指摘 しているのである (注 6)0 付言すれば,今 日進行 している産業形態の変化 を第2.
5
次産業 の進展 として捉 える見方 もある。た とえば,吉沢栄蔵氏は次の よ うに述べている (注 7)0 --では今後, 日本では どのよ うな産業が成長 す るだろ うか。私 はその方向が,産業界全般の 第2.
5
次産業化 にあると思 う。 この第2.
5
次産業 化は,次の二つの内容を もっている。その一つ は,第2次産業 (製造業)の第3次産業 (サー ビス産業)分野への進 出 と,第3次産業の第 2 次産業分野への進出であ る。その二つは,第2 次産業での知的サー ビス部門が拡大す ること, 第3次産業分野で第 2次産業的 な経営手法が大 幅に採用 され,製造業化が進展す ることである。 第2次産業の第 3次産業化 は,本稿でい うソフ ト化であ り,第3
次産業分野での製造業化 の進展 は,外食産業にみ られ るよ うな, サー ビス とモノ との新たな結合に対応す ることは明 らかである。 吉沢氏の言わん とす るところは,高度産業社会で は従来の伝統的産業分頬では律 しきれないよ うな 産業形態が進展す ることであ り,それだけに産業 構造が複雑怪奇 になることを示唆 している。Ⅰ
Ⅰ
ベ テ ィの法則 とそ の問題 点 (1)経済の基本問題 と財の性格 経済の基本問題 として,周知の よ うに,生産一 一 分配- 消費の問題がある。産業構造を生産面 でみた場合,それは各産業 における産 出額 の構成 比 によって示 され る。分配面でみ ると,各産業に おける成果は,そ こでの労働者 (従業員) に分配され るわけであるか ら,それは就業構造の構成比 によって表 わ され る。消費面でみると,家計の消 費構造 に表 われ る。この よ うに,産業構造 は生産 ・ 分配 ・消費 の三面に相互 に関連 している (図 3)0 図3 生産 ・分配 ・消費の構成比 生産構造 就業構造 消費構造 (GD P) (分配図) (家計支出) (荘) 昭和55年 について、経済企画庁、 労働 省資料によるo 「ペテ ィの法則」を消費構造面か らみ るな らば, 図 よ りわか るよ うに
,
「エンゲルの法則」や,
「シ ュワーベの法則」 と密接 に関連 している。ある意 味では, マ ク ロ的なべテ ィの法則を家計の消費構 造 とい うミク ロ面か らみ ると,エンゲルの法則や シ ュワーベの法則 となるのである。 エンゲルの法則は, よ く知 られ るよ うに,所得 水準が上昇す るにつれ,家計の食料支 出の割合 が 低下す るこ とであるが, この ことは食料支 出の所 得弾力性が1よ り小 さい ことを意味す る。つ ま り, 家計の食料支 出をE,その増加分を△E,所得 を Y,その増 加分を△
Y とし,所得弾力性をe
E
-
#
(9) とすれば,e
E<1
とな る経験法則が存在す るので ある。 同様 に, シ ュワーベの法則 も住居費に対す る所 得弾力性が1よ り小 さい ことを表わ している。す なわも,家計の住居比の支出をH,その増加分を △Hとし,所得弾力性をe
f
・
-AR
(.o) とすれば,亡
。<1
となる経験則が存在す る。 それでは, なぜ ェソゲルの法則や シュワーベの 法則が現実社会で成立す るのであろ うか。 またそ れはペテ ィの法則 と,いかなる関連性を もってい るのであろ うか。 まず,エ ソゲルの法則が成 り立つ理 由 として, 食料 とい う性格にある。人間が生物である以上, 生命の維持および再生産 には,ある一定以上の食 料が必要であ り,それは経済の発展段階 とかかわ りな く,はば純生物的に規定 され る。生命活動に 必 要 な カ ロ リー 計 算 で い え ば, 1人 当 た り 2,000-3,000cal要求 され る。もちろん,必要摂取 量 は人種や個体に よって異なる。一般的にいえば, 大形で体表面積の大 きい人種ほ ど必要摂取量 も多 くなる (注 8)0 いずれに して も,食料 はカロリー計算で (それ だけでは十分ではないが),2
,000-3,000calで規 定 され,それ以下では正常な生命活動 に支障を き たすが,それ以上 もあま り必要ではない。今 日の 先進国でみ られ るような栄養過多は,逆 に各種の 疾病の原因にな りかねない。食べ物の賛沢は,質 的 な面を別 とすれば,量的にはたかが知れている のであ り,所得水準が上昇 したか らといって食べ 物 に対す る絶対的量 としての需要が,それにつれ て増加す るわけではない。 一方,食料を生産面でみ るならば,それは農業 とい う第1次産業 を基盤 としている。 もちろん, 家計の食料がすべてが第1
次産業 に属す るわけで はない。今 日では各種の加工食品が豊富 に出回 っ てお り,その比重 が除々に高 まっている。それに もかかわ らず,食糧資源の出発点は第1次産業で あ り, ここでの生産力 とそれに対す る需要力が, 第1
次産業の就業水準 と所得水準を規定す る。 食料 に対す る需要力は,すでに述べた よ うに, 所得に対 して硬直的である。 この ことは価格面か らみれば,他の財 に比較 して,食料の需要の価格 弾力佳 ep-会誤 (.1) が小 さい ことを意味す る。 したがって,食料の生 産力の増強によって生産数量が増加 した場合,市 場価格が急落す るか ら,生産力を減殺す る作用が 存在す る。 この よ うに,第1次産業は需要の価格弾力性が 小 さいゆえに,その生産増強力は減殺 され,経済 が発展 した中において も,他の産業 か ら取 り残 さ れて しま うのであ る。 次に,シ ュワーベの法則 も同様に考 え られ るが,これはェソゲルの法則 よ りも多少複雑である。 な ぜならは,住居 は食料 とは異な り,生物学的に規 定 され るものではな く,その所得弾力性は必ず し も小 さい とはいえないか らである。 また,住居費 は衣料費な どとある程度代替性を有す ること, さ らに気候に左右す ることに注意すべ きであろ う。 た とえば,冷暖房完備の しっか りした住居では, 衣料費は少な くて済むであろ うし,熱帯地方では 図4 消費支出に占めるサービス支出 (名目) 昭和40年 昭和 5 0年 昭和 5 7年
サ
ー ビス 商 品 (注 )r
昭和58年度国民経済自書 」よ り 05 就 業 人 口 比 率 貧弱な住居で間に合 うであろ う。 したが って,住 居費は衣料費 ・光熱費 と深 く関連 している。 住居 ・衣料費は,所得水準の上昇 と共 に増加す るが,比例的ではない。その需要の価格弾力性は, 食料の価格弾力性に比較 して小 さくないにせ よ, 住居 ・衣料への支 出は所得 の増加 と比例的には増 加 しないであろ う。生産面でみるな らば,住居は 製造業や建設業 にかかわ ってお り,衣料は織経 な どの軽工業 にかかわ っている。 したが って,経済 段階が進むにつれ,それ らの産業 の相対的地位は 低下す ることになる。 敷街すれば,物理財 (商 品) に対す る所得弾力 性は,経済の発展や所得水準の上昇 と共 に小 さく なる傾 向を もつであろ う。 なぜ な らは,物理財は 有限であ り,資源や環境空間が無限でない限 り, その生産が無限的に行われ ることはない。む しろ, 物質的なものよ りも,教育 ・レジ ャー ・余暇 な ど の非物質的なものへの志 向が強 まるであろ う。事 実,図4
に示す よ うに,消費支出に占め る商品へ の支出は低下 し,逆 にモノの生産 に直接関与 しな 図5 日本 とア メ リカの就 業 構 造 の長 期 的 推 移 1875 1900 1925 1950 1975 2000 西 暦 年 (症 )r
経済学大辞典 J第Ⅱ巻 く東洋経済新報社,I981)・佐貫利堆 rEl本経済の稗造分析J(東 洋経済新報社,I980)などよ り作成 -44-いサ ー ビスへ の支出が増加 している.この ことが, 消費面か らみたサー ビス化現象であることはい う まで もない。
(
2
)
べテ ィの法則の妥当性 べテ ィの法則の内容は二つに大別 される。第1 は,就業構造 に関す るものであ り,第2
は相対所 得 に関す る ものであ る。 この二つは相互に関連 し てい るが同一ではない。 第1
の点 に関 し,就業構造が第1
次産業か ら第 3次産業- と推移す ることは,普遍的に妥当す る であろ うか。わが国 とアメ リカにおいて,この100 年間の推移 を示す と,図5
になる。 この間,わが 国においては,第1次産業 の就業人 口が約80%か ら10%に減少 した。 アメ リカでは,それは約50% か ら4%へ と減少 した。反面,第 3次産業の就業 人 口は,現在わが国 においては60%弱, アメ リカ においては70%弱に達 している。 この よ うな就業構造の変化は, イギ リス, フラ ンス,西 ドイ ツなどの他の先進国で もすべて妥当 す る。 したが って,ベテ ィの法則は,就業構造面 か らみ る限 り, いままでの ところ普遍的なもので 表1 就茅 ・所得構成と相対所得の推移 ある。 もちろん,実際の変化 の仕方や速度は各国の経 済状態の相違によって異 なる。た とえば, アメ リ カでの産業構造の推移 は,はば傾向的に進行 した のに反 し,わが国では第2
次世界大戦を境に大 き な断層がみ られ る。 とくに注 目すべ きことは,戟 後 のわが国の産業構造の変化は,戦前 よ り約3倍 速 くなってお り, この変化速度は他に例をみない ほ どである。 この ことは,第2
次世界大戦が, い かにわが国経済社会に大 きな影響を与えたか, と い うことを如実に示 している。 次に,第2
の相対所得 に関す る問題であるが, これは少々厄介である。 クズネ ッツらの包括的研 究を参照すれば,第1
次産業の相対所得は,経済 の発展 に伴い低下す る傾 向があるが,第2
次産業 の相対所得は上昇す る傾向がある。第3
次産業 に おいては,相対所得が上昇 している国 もあれば, 逆 に低下 している国 もあ り,一般的には明確では ない。わが国の相対所得の推移を表1
に示す。 こ の裏か ら,わが国の相対所得はかな りの規則性を もっていることがわかる。 まず,第1
次産業の相対所得 は恒常的に低 いが, この点はクズネ ッツらの指摘通 り,ほ とん どの国 西 暦 (年 ) 相 対 所 得 B/ A 第 1 次 第 2 次 第 3 次 第 1 次 第 2 次 第 3 次 第 1 次 第 2 次 82. 3% 6. 6% ll. 1%_%
- %
- %
- -76. 2 10. 4 13. 4 48. 4 15. 3 36. 2 0. 64 1. 47 70. 0 13. 8 16. 2 39. 4 21. 2 39. 4 0. 56 1.p54 63. 0 17. 7 19. 3 32. 5 26. 0 41. 5 0. 52 1ー 47 53. 8 20. 5 23. 7 30. 2 29. 1 40. 7 0. 56 1. 42 49. 7 20. 3 29. 8 - - - - -44. 3 26. 0 29. 0 24. 1 35. 9 40. 0 0. 54 1. 38 48. 5 21. 8 29. 6 26. 0 31. 8 42. 2 0. 54 1. 46 41ー 1 23. 4 35. 5 23. 1 28. 6 48. 3 0. 56 1. 22 32. 7 29. 0 38. 3 14. 8 36_ 3 48. 9 0. 45 1. 25 24. 7 31. 9 43. 3 ll. 2 35. 8 53. 0 0. 45 1. 12 19. 4 33. 9 46. 7 7. 8 38. 1 54. 1 0. 40 1. 12 13. 9 34. 1 51. 7 6. 6 35. 5 57. 9 0. 47 1. 04 10. 9 33. 7 55. 4 3. 7 38. 2 58. 1 0. 34 1. 13■ 18 8 0 18 9 0 19 0 0 1 9 1 0 1 9 2 0 1 9 3 0 1 9 4 0 1 9 5 0 1 9 5 5 1 9 6 0 19 6 5 1 9 7 0 19 7 5 19 8 0 8 3 6 8 2 6 2 5 3 4 3 2 2 1 1 0 輯 『経 済学大辞典E
l第 R巻 (東洋経済新報社 ,1981年 ),経済企 画庁資料 j:り作成。但 し、信頼性のない と思 われ る 数字 は省略 した。に共通 している。次に,第
2
次産業における安定 的所得水準であ る。 この点 も多 くの国に共通 して いる。 さらに,第3
次産業の相対所得の逓減傾向 である。第3次産業の就業人 口の構成が着実に上 昇 しつつあるのにもかかわ らず,その相対所得は 年 々低下 してい る。第3次産業におけるこの轟離 こそが,後に述べ るように,わが国 (他の国 も同 様である)の将来に重大 な諸問題 に深 くかかわ っ ている。 べテ ィの法則 に関 して,一般論をいえは,ある 傾向法則が進行す るときは,それを緩和す るよ う な 「反作用力」 が存在す るはずであ る。 もしべテ ィの法則の よ うな傾向法則が無限に進行す るな ら ば,それを押 し進め る無限の 「駆動力」が必要で ある。従来,ペテ ィの法則 について論及 され ると き, この 「反作用力」 と 「駆動力」 の分析が十分 でなか った ことは意外である。 それでは,ペテ ィの法則 における 「反作用力」 と 「駆動力」 とは何であろ うか。 まず,反作用力 であるが, この説明は容易である。所得水準の高 い産業 に向けて労働力が移動すれば,当然参入 さ れた産業の所得水準は低下す る。一般的に換言す れば,利潤の高い分野への参入によって生ず る「利 潤率平準化」であ り, この作用力は,産業間に永 続的な障壁がない とすれば有効 に琉能 し,時間の ずれを伴 うに して も,各産業の利潤率(所得水準) は平準化 してい く。 次に 「駆動力」であるが,ある産業分野の利潤 率や所得水準を押 し上げる要因には, さまざまな ものが考 えられ る。それ らを大別すれば,第1
に 市場の寡 占 ・独 占的要因であ り,第2
に技術革新 であ り,第3
に政治的 ・制度的要田に関す るもの である。それ らが,高い利潤率や所得水準を維持 させ る市場障壁 を形成 している (注 9)0 第1
の駆動力要因は,市場競争が完全ではな く, 寡 占 ・独 占化す る際生ず るものである。 巨大な規 模 の寡 占 ・独 占的企業は,小規模 な農家や競争的 企業 に比較 して高 い利潤率 を得 る ことがで きる し,その結果 として,相対的に大 きな所得が可能 になる。 第2
の要因は,長期的に経済発展を牽引 した原 動力である。最大の技術革新は,1
8
世紀末か らの 産業革命であ り,基本的には今 日の科学技術 もそ の流れに沿 うものである。2
0
世紀中頃か らの技術 革新は, 自動車,テレビな どの大衆民生用 に関す るものであ り,大 きな需要 を創 出 し,そ こでの産 業の利潤率や所得水準を急速 に高めた。 したがっ て,経済の高度成長期においては,製造業 を中心 とした第2次産業の陸生 がめざましい。 第3の要田は,政治的 ・制度的な ものに関連 し た市場障壁である.具体的 には種 々なものが考 え られ るが,た とえは銀行 な どの金融機関の利子率 を政府が統制 し,それが倒産 しないよ うに保護 し ているとすれば,そ こで の利潤率や所得水準 は, 他の業種 に比較 して高 く維 持 され る。 また,政府 機関や地方 自治体のよ うに,市場機構に依 らない 分野 においては,往々に高 い所得水準が維持 され る。 とくに,後進国に多 くみ られ るよ うに,政府 故関が優位 なところでは, その所得水準は高 く固 定 されがち となる。 しか しなが ら,上述の 「駆動力」が無限に続 く ものでなければ,いずれ 「反作用力」 によって打 ち消 されて しま うであろ う。そ して,主要先進国 において, このよ うな兆候 が現れて きつつあるの ではなかろ うか。 (3) べテ ィの法則の結 末 産業構造 に関す る研究 において,べテ ィの法則 の実証的分析は多 くなされ るけれ ど,その法則の 結末が論 じられ ることはほ とん どない。換言すれ ば,現在 までの産業構造の推移か ら将来を外挿 し, 将来 の産業構造 を予測す る とい う手法 が な され る。 しか し,社会科学にお ける法則は, 自然科学 の もの と異な り,いかな る経済社会に も普遍的に 妥当す るものではな く,経 済社会が進化 し変質す るにつれ,その妥当性 も失 われて くる。べテ ィの 法則 も例外ではないであ ろ う。 とすれば,ペテ ィ の法則がある時点か ら妥 当 しな くなる 「臨界点」 が存在す るはずであ り, これがペテ ィの法則 の結 末 とい う問題である。 現在行われている研究 は,ペテ ィの法則の妥当 性を前提 に,過去の推移 の結果か ら将来の産業構 造を予測 しよ うとす る。た とえは,『
2
0
0
0
年の 日本』 において,わが国の産業構造 の予測がなされてい る(注1
0
)
。それによると,西暦2
0
0
0
年では,第1
次産業,第2次産業,第3次産業の就業人 口比率 が,それぞれ
4.
9%,3
3.
3%,61.
8%
と予測 してい る。 また, 国内総生産 については,第1
次産業, 第2
次産業,第3
次産業 の比率が,それぞれ4.
2%
,31.
5%,6
4.
2%
と推計 されている。 ここでは, こ の推計方法 の詳細や可否 については問わない とし て, 目立 っている点は,第1次産業の就業人 口の 減少 と,第3次産業における就業人 口と生産額の 増大である。 もちろん, この推計は,図5
で示 し た よ うに, 明治以来のわが国の産業構造の推移を 延長 した ものである。 しか し, この よ うな延長方式 は,今 まで歩んだ 経済社会の体質が変わ らない限 り, とい う前提条 件下でのみ妥 当す るものであ り,今後 も従来通 り の推移を示す保証は何 もない。 もし,単純 な外挿 方式が正 しい とすれば,将来を予測す るとき過去 の推移を延長すればよい ことになる。第1次産業 の比重 は着実 に低下 しているのであるか ら,それ を単純 に延長すれば,いずれ第1
次産業の就業人 口や産 出額 はゼ ロにな り,それは消滅 して しま うo 逆 に,第3
次産業の傾向を単純 に延長すれば,い ずれすべての人が第3次産業 の従事者 となって し ま う。 この よ うな ことがあ りうるだろ うか。そ し て,その こ とがお こるとすれば, いかなる条件が 要求 され るであろ うか。 最 も常識的 に考 えれば,第1次産業 のない社会 は考 えられ ない。すなわ ち,農業か ら産 出され る 食糧 な くしては人間の生命維持は不可能であ り, この意味か らして,農業 は最 も強固な産業形態で あ るともいえる。同様に,すべての人 々が第3次 産業で生計 を立て ることも考 え られない。 モ ノの 生産 な くして,経済社会が存立 しえない ことか ら 明 らかであ る。 とい うことは,べテ ィの法則はあ る時点 (夷 は これが問題であるが)で限界に達す ることを意味す る。 この よ うな点 と関連 して,各産業 における生産 性 と技術革新 のかかわ りが重要 となる。結論的 に 言 えば,現在 の技術文明において (後に述べ る革 命的技術革新 は別 とす る),最 も生産性の上げやす い分野は第 2次産業であ り,最 も上げに くい分野 は第3
次産業である。第1
次産業 はその中問に位 置す るであ ろ う。た とえば,製造業においては ロ ボ ッ トな どの技術 と資本 を導 入す る こ とに よ っ て,何十倍,何百倍の生産性向上が可能であ る。 ところが,農業になると,生産相手が穀物や畜産 物 であるゆえに,その生産性を2倍 にす ることは なかなか大変であ り,一般的に生産性 の向上 には 数十年 とい うよ うなタイムスケールが必要 とされ る。サ ー ビス業 は,労働の直接商品化 とい う面が 強いか ら,その生産性は本来的に上昇 しえない性 格を もっている。'散髪に今まで1人当た り1時間 で していたのを,1
0
分で して しまえば生産性は6
倍 になるが,現実 にはそ うもいかないだろ う。 上述 した ことと,すでに述べた利潤率の平準化 傾 向を総合すれば,べテ ィの法則の結末はある程 度予測で きる。 まず,利潤率平準化原理 によって あ る時点で第1次産業,第2次産業,第3次産業 の相対比 が一定値 に近づいて くる。 この ことは何 もそれが漸近的 に一定値 にな る こ とを意味 しな い。産業間の利潤率の変動 に 「ゆ らぎ」 が存在す る とすれば,その一定値付近で小 さな周期的変動 を伴いなが ら収束 してい くであろ う。この状態は, 新たな社会的大変化,大技術革新 が生ず るまで保 持 され るが,その よ うな変化以後 は新たな産業構 造 の再編成が生ず るであろ う。 次に,産業構造が一定値 に収束す るか らといっ て,それが静止 しているわ けではない。各産業内 では新旧の企業や業種が入れ替わ りなが ら推移す るのが通常であ り,この意味で静的均衡ではな く, 動的均衡である。 また,各産業の産 出額 の相対比 が一定 になるか らといって,それ に相応 して利潤 水準や所得水準が一定になるとは限 らない。第3 次産業の所得水準 は,べテ ィの予言 に反 して,そ の結末においては最 も低 くなる可能性が高い。 な ぜ な らば,すでに指摘 した よ うに,第3
次産業 の 多 くは労働力の直接商品化であ り, ス トックが き かず,生産性を上 げに くい分野だか らであ る。加 えて,他産業か ら排除 された労働力 は,定義の う えか らも第3次産業に参入す ることにな り, この 点か らも所得水準 の低下が予想 され る。 第3次産業の相対所得の低下傾 向は,表 1に示 した よ うに,わが国においてはっき りと現われて い る。 また,最近 の通産省の試算 に よって も,経 済の ソフ ト化 ・サ ービス化が指摘 され るなかで, 実 はサ ー ビス業の生産額のシ ェアは低下 し,逆 に 製造業のシ ェアが伸びていることがわか ってい る(注11)。すなわ ち,昭和
5
0
年対比で昭和5
6
年 にお いて,全生産額 に占め るサー ビス業のシ ェアは,1
4.
1
%
か ら1
3.
2%
へ と低下 した。運輸 ・通信業 の シ ェア も6.
7
%
か ら6.
5%
へ と低 下 し,産業(
9.
1
%),金融 ・保険 ・不動産(
8.
0%)
は横ばい とい う状態である。 この よ うに,第3次産業が停滞 し は じめていることは,わが国において もそろそろ べテ ィの法則が限界に直面 しつつあるか もしれな い. そ こで,第3
次産業の所得比率 と就業人 口比率 をそれぞれ横軸 と縦軸 に とり,正方型 にグラフを 作 り,最近 の主要 国の推移をプ ロッ トす ると図6 になる。 この図において,右上方へい くほ ど,第3
次産業の比率が高 くな り, またA
領域では第3
次産業 の相対所得が大 きく,B
領域では相対所得 が小 さいことを示す。 この図か ら二つの点に気づ く。一つは, フランス,西 ドイツ,わが国では, 第3次産業の比率は高 まっているが,相対所得比 率 は低下傾向を示 している。す なわち,A
領域か らB領域へ と移行す る傾 向にある。他は, アメ リ カの動 きであ るが,その比率はほ とん ど変化 して いない。つ ま り, アメ リカにおいては,べテ ィの 法則の限界点 に近づいていると考 えられ る。 この 図6 主要国における第 3次産業の比率の推移 30 40 0 5 就 業 人 口 比 率 視点か らみれば,西 ドイ ツ, フランス,わが国の 延長線上 にアメ リカの状態があることは,図か ら も察せ られ る。 アメ リカの よ うに,第3次産業の 就業人 口や所得構成が7割 に達 しつつある状態で は,べテ ィの法則が結末 に近づいている, といっ て も過言ではない。(
4
)
べテ ィの法則を超 える技術革新の可能性 産業形態 と技術革新 の関連を歴史的に若干論及 すれば,古代においては,第1次産業 と第3
次産 業 しか存在 しなか った。 この段階での第3次産業 は,行政機関 と使役 (召使 ・奴隷的労働を含む) であった。第2
次産業の原始的形態が形成 された のは, 中世 にな り,武具や農機具が分業的に作 ら れ るよ うになってか らであ る。鉄 とい う鉱物資源 が利用 され,それに従事す る職人階層が生 まれた。 近世 にな り,工場制手工 業な どの発展によ り,工 業 の原型がで き上が って くる。 第2次産業が不動の地位を占め るよ うになった 主要因は,産業革命 にあ ることは論をまたない。 産業革命に よって近代工業国家が確立 し,その強 力な生産力が人類史上空前の豊か さの基盤 となっ た。現在,経済の ソフ ト化 ・サー ビス化現象 とい われているが,大 きな視点か らみれば, ソフ ト産 業やサ ービス産業 も強力 な第2
次産業の生産力に 依存 していることは明 らかである。1
9
7
3
年の石油危機以後,経済が停滞 し,それに 伴 って社会 にさまざまな問題が噴出 して きた主要 因は,現代産業国家を支 えている第2次産業の生 産力に陰 りがみ えて きた ことにある。す なわち, 安価で豊富 な石油エネルギー文明の終蔦 であ り, このエネルギー的制約は今 日で も基本的 には変わ っていない。 今 日進行 しつつある技術は,
「新産業革命」とい われ るほ ど大 きな技術革新の波であるか ど うか疑 しい。
ME
革命の原動力になっている集積回路(I
C)
の大規模化 は,1
9
5
0
年前後 に誕生 した トラン 50 60 70 ジスター技術の精教化であ り,光通信な どの情報 (% 国 内 所 得 比 率 革命 も,テ レビ技術の延長線上 にある。もちろん, その技術を過少評価す るわ けではない。技術的に 餌 日本以外は1970- 1980年の推移 ,経 済企画庁 は革命的でな くて も,それが普及す ることによっ oECD資料 よ り作成 . て経済社会 に重大 な イ ンパ ク トを与 え る こ とは往 々に してあ りうる。 ロボ ッ ト
,OA
な どはその 代表例であろ う。つ ま り, ロボ ットやOA
による 合理化 ・省力化の波は,労働市場に大 きな影響を 与 え, ひいては人々の生活 に重大 な影響を及ぼす 可能性があ る。 バイオテクノロジーに して も,農 業 に大 きな影響を及ぼすだろ う。た とえば,-イ ブ リッ ド米の技術の確立 に よって,米の生産力は 近 い将来5割増 になるだろ う。 このよ うな技術の 出現 によって第1次産業 の生産力は強化 され,そ こでの所得水準を高め るか もしれない。 しか し, 太陽-ネ/レギ ーの利用 とい う,現在の農業の根本 は変わ るものではない。 それでは,現在の産業構造を根幹か ら変更す る よ うな技術革新 はあ りうるだろ うか。原理的には 十分あ る。た とえば,無公害的 な核融合技術 (人 工太陽)の確立 によって,無限的なエネルギーが 得 られ るとすれば,枯渇す る石油エネルギーの制 約か ら解放 され,第2次産業 の活力が回復す るば か りでな く,農業の工業化が生 じ,その結果農業 (第1
次産業) 自体が消滅 して しま うであろ う。 換言すれ ば,人工太陽の技術が確立 し,それが 容易に利用可能 になれば, 自然の太陽エネルギー に頼 ることな く,工場的 に野菜や穀物を生産す る ことが可能 にな り, 自然的 な土地生産の必要性 は な くなる。人 々は農業 に従事す るのではな く,食 糧生産工場 に勤務す るサ ラ ])-マソにな り,農業 は第2次産業的な もの となる。有史以来必須 と思 われていた農業形態 は消滅 し,産業は第2次産業 と第3次産業 の二つ になる。 この段階で クラーク の分類は意味を失 うだろ う。 残念 なが ら,核融合技術 は現在極めて困難 な問 題 に直面 してお り,その技術の確立がいつの時代 (21世紀中 には確立 され る とい う人 もいるが) に なるか,予測困難であ る。 しか し,いずれ人類は この困難な問題を解決 し, エネルギー的制約か ら 解放 され るだろ う。その時 こそ,
「真の産業革命」 が生ず るに相違 ない。 む す び- 多面 的 分 析 の必要 性 本稿において,経済のサ ー ビス化 ・ソフ ト化 と は何か, とい う点について市場の価値分析 との関 連で論 じ, べテ ィの法則の意義 と妥当性を考察 し た。 この中で強調 した よ うに,サービス化 ・ソフ ト化 といわれる今 日の経済現象は,従来 の第1次, 第2次,第3次産業 とい う区分では律 しきれない 複合的現象であ り,それは技術革新の流れ と深 く かかわ っている。 第1次産業の農業 は,従来後進国型産業の代表 とみ られていた。 しか し, アメ リカの農業 にみ ら れ るよ うに,大型 トラクターの導入,大量 の農薬 散布な どによる工業的手法が生産性上昇の原動力 となってお り,現在の農業 は資本 (第2次産業) の浸透を強 く受 けている(注12)。換言すれば,磨 業の第1.5次産業化 とい うことである。最近では,さ らに農業-の先端的技術や知識の応用が活発 にな ってお り,農業 にもソフ ト化の波が押 し寄せ よ う としている。今や,農業 は先進国型産業 にな りつ つある, とい う見方 も出て きた(注13)。将来,逮 伝子工学 などの進歩に伴 って,農業の ソフ ト化は 急速 に進むであろ う。 第2次産業において も,すでに述べた よ うに, 第2.5次産業化が急速に進 んでいる。ロボ ッ ト,0A
な どのME
革命の成果 は,第2
次産業 において 最 も早 く効果的 に活用 された。その結果,第2次 産業の生産効率は急速 に上昇 したが,その ことが, また経済社会に さまざまな作用 と反作用を及ぼ し つつあ る。一 口で言 えば,第2次産業 の利潤 (所 得)水準が相対的に高 くなるのに反 し,第2次産 業 における過剰労動が発生 し,その大部分は第3 次産業- と流出 してい く。その結果,労働力の流 動化 とサ ー ビス化が生 じるばか りでな く,わが国 固有の労働形態 (年功序列的賃金体系,終身雇用 制 な ど) の崩壊 につなが る恐れがある。 第3次産業は,最 も厄介な産業分野である。そ もそ も第3次産業 には適当な分類基準 はな く,そ の特徴を強いてあげれば,モ ノの生産 に直接従事 しない分野 とい うことになるが,本稿で指適 した よ うに, この定義 はかな り暖味である。現実 には 第3次産業 とは,全産業か ら第1次産業 と第2次 産業を差 し引いた総体であ り,相撲のチ ャンコ鍋 に似て,あ らゆ る業種が ゴチ ャゴチ ャに混合 して い る分野である。 したが って,その分析 は極めて 面倒であ り,経済 のサ ー ビス化 ・ソフ ト化の進行 と共 に, ます ます複雑 になるであろ う。 この よ うに,各産業構造 は大 きく変質 しつつ あるが,個 々の産 業 は独立 的 に変化 して い るので は な く,相互 に密接 に関連 しなが ら傾 向的 に変化 し てい るか ら, そ れ らを総合的 に分析 す る必要 があ る。 す なわ ち, 特定 の産業 の研究 とい うよ うな一 元的 な もので な く,多面 的分析が要 求 され る。 そ の うえに立 って,経済社会 に及 ぼす サ ー ビス化 ・ ソフ ト化 の影響 を考察 し, 旧来 の経 済政策 や社会 政策 の再検 討が必要 であ る。 技術革新 の浸透 に伴 う経済 のサ ー ビス化 ・ソフ ト化 の イ ンパ ク トは,社 会 の多方 面 に及 ぶ可能 性 が強 い。 それ は F2000年 の 日本』 において述べ ら れて い るよ うに,歴史 の必然的流 れ であ るか も し れ ないが,好 ま しい現象で あ るか ど うか は疑 しい。 む しろ, サ ー ビス化 ・ソフ ト化 の現状 を放 置す る こ とは,労働市場 に重大 な マイナ スの効果 を与 え, そ の帰結 として経済社会 の安定 性 が抗われ る危快 があ る。 そ の よ うな事態 を回避 す るため に, サ ー ビス化 ・ソフ ト化 に対 して複 眼的分析 を行 い,経 済 ・社会政 策 を再構築す る ことが要 請 され る。次 回は, サ ー ビス化 ・ソフ ト化 の実態 を考 察 しなが ら, 問題 の所 在 を明 らか に してい く予定 であ る。 注および参照文献 (1)経済企画庁編r2000年の 日本』シ 1)-ズI,(大 蔵省印刷局),第2章,63ページ。 (2)経済の構造変化 と政策の研究会編 rソフ トノミ ックスJ(日本経済新聞社,昭和58年),2べ-ジ。 (3) 拙著 r市場価値分析の再構築- 現代市場経済 の病理J(学文社,昭和57年),第1章,17ページ。 (4)深谷庄一 「サービス経済化の思想的背景 と財の 耐久性にみる経済分析
」
(r
東洋経済J近経 シ リー ズ,No.67,1983)0 (5)経済の構造変化 と政策の研究会編,前掲 rソフ トノ ミックスJ
19ページ。 (6)佐貫利雄 「急速に進む産業構造の ソフ ト化 ・サ ービス化- その実態 と展望」
(F東洋経済J近経 シ リーズ,No.66,1983)0 (7) 鶴田俊正編 r成熟社会のサービス産業j第7章, 225ページ。(8) 詳細については,OECD"FoodComsumption statistics1955-1973",農林省 「農業の動向に関 す る年次報告