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タマネギ表皮煎汁の血圧降下作用

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(1)タマネギ表皮熊汁の血圧降下作用. 浅野. 省子、l. 元一・小林. は. し. が. き. タマネギはギリシャのプリニウスによれば28種の病気をいやすといわれ,その後タマネ ギは主にヨーロッパで薬用として広く用いられ,その成分について医学的,化学的によく 研究されている。最近イソド,イギリス,フラソスなどが近代医学の手法を用いてタマネ ギの医学的評価を行って,動脈碑化,高血圧,血栓症,糖尿病などに非常に薬効があるこ とが証明された1)0. 日本でも巷間「タマネギ表皮の煎汁は高血圧に効く+といわれているので,本報でほ実 験的にそれを検討した。 実験村料,実験方法及び結果 Ⅰ.実. 験. 村. 料. タマネギ:タマネギほ品種も多く,出荷時期も異なるため,市販のタマネギでは品種不 明であったが,専ら表皮の多い黄色種の辛タマネギを使用した。 ⅠⅠ・タマネギ表皮煮汁による血圧降下に関する実験 (1)ラットを用いた動物実験 ラットの餌育方法 実験に使用したラットは,本態性高血圧症のすぐれた疾患モデル動物として岡本らによ り確立された高血壁自然発症ラット(SHRラブりで,藤沢市の生物医学研究所より購 入した. SHRラット3適齢の告を12匹購入し, 1985年4月8日-7月2日にわたり飼育 し,その間実験を行った.ラットは1匹ずつラットケージに入れ,飼料としてオリエソ libに投与した。飲料水ほ永道永(対照) タル酵母製の実験動物用(飼育用MF)告ad または試料液とし,試料液は毎日その都度調製しad libに授与した。飼育終了後ほラッ トをエーテル麻酔し,肝臓を創出し,生理食塩水で軽く洗った後,水分をろ斌でとり,肝 臓重量を秤ってからEtoHを加えて冷蔵庫に保存し,肝臓コレステロールを定量した。 血圧測定法.

(2) 浅野. 省子. 元一・小林. J●●. 一-・b Ir. a. e・_. < ●. I. +I. ・・--. 1. I. u ̄ヽ鞄= O. ∩. O.. Qc. 守. ■■i. I I. l '<. ∫. C. d. J ttl // γ. =. a ---■●一ヽ ヽ--■■■■■一. l、F? a-プレスチモグラフ(水柱) a-T字管 e・・・三方コoJク i-注射器. i. ・・・ホルダー. 宮. b-マノメータ-. i-永銀. c-カフ. g-ゴム球. j -金網. 図1プレスチモ式ラット血圧計とラブt・固定器.

(3) タマネギ表皮煎汁の血圧降下作用. 血圧 200. 190. 180. 170 bD. 記 ≡ヨ. ′一′ ̄. E3. ′. ,S'. 160. I ′. (:二_△・-・・-A. ,∼. +. ′. ′ 1 ′ ∫ ∫. +'/. /. \. ′. ′. ′. ^l. ▲:. 150. ′. ∫ ′ ′. ∫. /. I. ン′ △′. 140. 0. 1区 (水道水). △. 2区. (タマネギ表皮). ●. 3区. (-ルチン). ▲. 4区(ケルセナン). 130. 120 0. T 7. 8. 9. 10. 11. 12 W. 図2・飲料水によるラットの血圧変化. 13. 14. 15. (ラット週齢). 16.

(4) 浅野. 元一・小林. 省子. コ▲. 300. ′ ′. /a. ′■. ノ■. ▲-▲ 一′ ′. ,A/. ′ ′ ′ ′. 250. ,; ′■. ′. ▲_--一i′. ′. ′▲′. ′. ▲ ′ ′ ′. ′. ▲ ′ ′. 200 o. △. 1区(水道水) 2区(タマネギ表皮).. ●3区(ルチン) 4区(ケルセチン). ▲. 150. 100. 50. 4. 5 図3. 6. 7. ラットの体重変化. 8. 9. 10 W. 11. 12. 13. (ラット週齢). 14. 15.

(5) タマネギ表皮煎汁の血圧降下作用 表1飲料水によるラットの血圧変化 区一. 1. No.. 週 \ \令. (水道水). (タマネギ表皮). 2. (単位:mmHg). (ルチン). 3. (ケルセチソ). 4. ・l213lM士SD・l2]3EM士SD・l213lM士SD・l213lM土SD. 5. 150】. 1170. 6. 0士1.. 7土. 6.0. 7. 148王150;160F152. 7士. 6.. 0]=. 8. 3土. 2.. 155至148. 3土. 9. 7士. 3.. 0土. 0土. 6.. 170】166. 0土. 3士. 2.. 3土. 7.6. 7:土 4.. 0土. 2.7. 3土. 6.. 0士1.7. 0士. 2.. 3士. 5.0. 168 163.7±. 4.. 3土. 2.1. 160 162 163.0土. 3.. 3土. 5.1. 10 ll 12 13 14 15 16. 註.. 葦…鮮. 9.5 7. 0 2.0 4. 6. 董妻喜牒書. 159 164 163 170 158 164. ≡: ;≡ ≡: ;l‡……!壬……!;≡.3i;≡:: 2,. 5週令は全区水道水を与えたo各区のNo.1,. 表2. 3. 79. 4. 109. 5. 143. 13 5 1. 6. 185. 19 1 1. 7. 232. 2. ラットの体重変化. 76.7士 5. 9:111FllOlllO:110.. 24 0 2. 8. 2 43 2 38. 9. 2 71 2 59 2471259. 0土12.. 3の血圧値は3回以上の測定の平均値である.. 3士. 2.1】 65 0.6】 85. 1. 2 99 2 75. 12. 3. 288!294. 0士11.. 13. 3. 14. 3. 15. 3. 3 18. 55. 2. ll. 3:291. 9. 2. 10. 281. ≡:fl;…i ≡;: Z≡1≡:乱…… …! 1.8…ll……: 33:;≡:. ≡…………. 2 86 2 67. 266 2. 7. 1. 芸喜i…芸 ≡…喜蔓……喜: ≡ …≡;≡: 0:251 2. (単位:g). 0士. 9. 8:235!230. 0士12.. 1 240 245. 0士14.. 5 254 253. 0土18.. 5 257r257i235E249.. ≡6:Z…….;. 7土12.. ………………… 喜喜姦書喜喜萱 臣 …i喜 3土15.. 627. 64 】259. 0土17.. 5 28. 75 26 9. 7土17. 5 28. 79. 7.

(6) 浅野 表3. 元一・小林. 省子. ラットの体重と肝臓重量 体重(g). ラット. 肝臓(g). 1-1. 33312.3. 1-2. 31110.7. 2-1. 32712.6. 2-2. 316. 3-1. 3031畠.2. 3-2. 285. 4-1. 28610.7. 4-2. 27910.6. 13.5. 10.3. 1985.. 表4. ッ. 飼育後のラット肝臓コレステロール(喝/100g). 第1区:水l第2区去マネギ皮 tl. コレステロール. 量(喝/100g) 平. 2測定. 第3区:ルチソ液. 区 ラ. 7.. 1-1 218. 均1. i-2. L. 225. 1. 1. 221.5. 2-1 196. L. 212. 3-1. 3-2. L. 182. 197. 207. 189. 第4区: ケルセチソ液 4-i. I. 202. 202. 4-2 204. 203. ラットの血圧測定ほ毎週1回火曜日に行い,体重測定は毎週1回月曜日に行った。 装置:夏目製作所製KNII型プレスチモ式ラット血圧計,予熱箱,ラットホルダー 支持台 操作:. 1.ラットを50oCに保った予熱箱に入れて約3分おく。尾と耳の免瑞が赤くなる程度が最 適で,鼻から泡を吹くようでは行き過ぎである。 2. ⇒ットに金解をかぶせる。このときラットの習性を利用して,金網を頭のところに持 ってきてラットから手を離すと,ラットは自然に中に飛び込む。と同時にプラスチック のホルダーの中にすばやく固定する。. 3.尾をカフ及びプレステモグラフのT字管の中に通す。 4.そのまま尾の中の血液をしぼり出すような気持で,プレスチモグラフに左手に持った 注射器で圧力をかける。. 5.この圧力をゆるめないで,右手でゴム球をおさえ,水銀マノメーターを一気に最高血 圧以上(200-300. mmHg)に上げる。. 6.注射器をゆるめながら,プレスチモグラフの圧力が20-30cm. (この圧力を注射器を. 持った手が感じることが出来るよう訓練する必要がある)になった時に,三方コックを 永桂一T字管にする。 7.水柱が20-30cmにならなければ何度も6.の操作をくり返す。.

(7) 7. タマネギ表皮煎汁の血圧降下作用 8.. L永銀柱を一定のスピードで下げ,水柱がかなり勢いよく上昇するところの目盛りを^読. んで,この億に10mmHgを加えて最高血圧とする。. 9.数回(3回以上)測定をくり返して平均をとる。測定ほ90,. 100,. 110,. 120のように. 10とびに行なう。それ以下の細かい数字ほ意味がない。 試料液投与によるラットの血圧及び体重の変化. この実験でほ飲料水として,永道水(対照)の他に,試験区としてタマネギ表皮煎汁区 (タマネギ表皮1gに150mlの水を加え,還流冷却器をつけて10分間煮沸抽出し冷却する. これを3匹分の試料とする),ケルセチソ区(ケルセチソ0.1%永溶液を還流冷却器をつけ 加熱し冷却後使用),ルチソ区(ルチン0.2%永溶液を同様加熱,冷却後使用)の4区をつ くり,各区3匹ずつ合計12匹のラットにつき血圧の変化をしらべた。その結果を表1と図 2に示す。 low (8W P<0・02, タマネギ表皮煎汁区ほ対照区に、比べて有意に血圧値は低い。 13, 14, 15, 16W P<0.05, ll, 12W P<0.001, P<0・01)ケルセチソ区も対照区に比べ 12, 13WPく0・001, P<0.02, 10WP<0.05, て有意に血圧値は低い。 (8, 9, llW 15, 16W (6, 8, 13, P<0.01)ルチソ区も対照区より有意に低い血圧値を示したo low P<0.05, ll, 12, 14WP<0・001)しかし,タマネギ表 9WP<0.02, 16WP<0.01,. 14, 15,. 皮煎汁区,ケルセチソ区,ルチソ区のそれぞれの間には有意差はなかった。対照区ほ高血 圧自然発症ラットの名の通り,遇齢を増す毎に血圧が上昇していくが,各試験区では加齢 L6=よる血圧の上昇は認められず,血圧上昇は抑えられむしろ柄低下の傾向すらみられた. J(図2) 又ラットの発育については,対照区とタマネギ煎汁区の問では発育の差は認められず,. ほぼ等しい体重増加を示している。ルチン区は対照区に対して8週齢で有意(Pく0・05) 8遇齢で有意(Pく0・01)に低い体重増加. ・に低い発育を示し,タマネギ区に対しても7,. を示している。ケルセチソ区は対照区に比べて8遇齢以降有意に低い億を示しており, ・(8W. 9,. P<0.05,. 10,. ll,. 12,. 14,. 13WP<0.02,. 15Ⅵ【 Pく0・001),対照区と比べて発. 育が妨げられている。この区ほタマネギ区と比べても有意に発育が妨げられている. p<o.o5,. 8,. 9,. 10,. ll,. 12,. 13,. 14,. 15W. (7W. P<0.01)ルチソ区とケルセテン区の問には. 有意差は認められないが,ケルセテン区の方が梢発育が劣る。 飼育彼のラットの肝臓重量と肝臓コレステロール量. 1985年7月2日ラット屠殺時の体重と肝臓重量は表3の通りであるo肝臓コレステロ「 ルの定量ほ川端氏の鹸化抽出直接比色法に依った2)。その結果は表4に示した。 222mg/100gであり,タマネ 肝臓コレステロール量は,対照区(水道水)がが最も高く ギ表皮煎汁区が最も低く189mg/100gで約15%も低いoルチン区,ケルセチソ区はほぼ 同じで202,. 203mg/100gであり約9%低い。血中コレステロールは測定しなかったが,. 肝臓コレステロールと同じ傾向と考えられる。 (2) Volunteerを用いた人体実験 _ この実験の目的ほ, Volunteerを用いてタマネギ表皮煎汁を飲用させ,その血圧降下状 態をしらべることである。実験期間は1984年9月17日-10月9日で,. VolunteerはA. (63.

(8) 8. 浅野. 歳,男)とK. 省子. 元-・小林. (23歳,女)の2名である。血圧測定にほ横浜国大保健管理セソタ一億付の. 自動血圧計Sphygmomanometer. BP-103. (日本コ- 7)ソE.K)を用いた.. 方法:. 1.タマネギ表皮5.Ogに水道永300mlを加え,冷却器をつけて10分煮沸抽出し,その 煎汁を約150mlずつ飲用した. 2.煎汁飲用前に普通時の血圧(コントロール)を3回以上謝りそれを平均した.翌日に 照汁を飲用し,. 30分後と1時間後に血圧を3回以上測り平均値をとったoその結果を表. 5,図4,図5に示す。 Volunteerによる飲用実験では,高年齢の被験者Aでは血圧降下は甚しい場合ほ,最高 (通常20mmHg内外),最低血圧で18mmHg. 血圧で40mmHg. (通常10mmHg)程度. の降下がみられた。これに反して若年の被験者では,最高血圧も最低血圧もおおむね変化 が少なく,煎汁飲用による血圧降下は殆ど示さないことは興味深い。 表5. Volunteerによるタマネギ表皮煎汁飲用後の血圧変化. Volunteer. A. syr- ̄1読as. 日.時 9. .. 17. syrnias. コソトp-ル. 152. 93. 1 10. 69. 18. 0.5h後. 139. 82. 1 11. 66. 1.On後 0.5b後. 113. 75. 1 12. 65. 19. 130. 83. 1 10. 66. 1.On後. 133. 82. 1 12. 62. 0.5b後. 136. 88. 1 06. 65. 1.Oh&. 137. 87. 1 07. 68. 0.5b後. 134. 79. 1 09. 64. 79. 1 11. 66. 25. 1.On後 飲用せず. 130 130. 86. 1 14. 69. 26. 0.5b後. 139. 81. 1 10. 68. 1.On後. 138. 82. 1 11. 67. 27. 0.5h後. 135. 81. 1 13. 62. 28. 0.5h& 飲用せず. 139. 80. 10 8. 60. 126. 89. 10 4. 71. 20. 21. 10.. K. 1. 0.5b後. 128. 78. 10 7. 68. 2. 0.5b後. 130. 80. 1 11. 64. 3. 0.5h後. 133. 86. 1 10. 70. 0.5b後 0.5h後 飲用せず. 131. 82. 1 12. 71. 133. 81. 1 11. 64. 133. 84. 10 9. 73. 0.5b後. 123. 79. 10 7. 68. 4. 5 8. Syst--・最高血圧(mmHg) Dias=-・最低血圧.

(9) 9. タマネギ表皮煎汁の血圧降下作用 JJ・-・コントロール. 血圧. ロー--・飲用せず ○--0.5王1後●-・-1.Oh後. 140. ㍗. 130・. gdS yst. 120. 110 bD-. H 】ヨ 責. 100. 90. ㌦℃. 80. 冒. Dias. 70. 60. 5q oJ. 山⊥_++_L_+. 18. 20. 9月. 22. 24. 26. 28. 30. 2. 10月 図4. タマネギ表皮煎汁飲用による血圧変化,. A. (63才, 8).

(10) 浅野. 10. 元一・小林. 省子. 血圧 150. 140 Jt・-・コントロール(通常時) 亡コ-・飲用せず ○--・0.5b後. 130. ●--・1.Ob後. 120. 110. 恥r. I ヽ. 冒syst. b8. EE: a. 100. 己 90. 80. 70. !. ロー℃. ㌔Vl. ヽ. ㌔.・' '*. 60. ,ias. 50. _⊥_⊥山L. 18. 9月. 山L. 28. 22. 24. 26. 28. 30. 2. 10月. r. ∼-. ・図5. タマネギ表皮煎汁飲用による血圧変化,. K. (23才, 早).

(11) 11. タマネギ表皮煎汁の血圧降下作用. ⅠⅠⅠ.タマネギ表皮中のFlavonoid色素に関する実験. (1)タマネギ表皮よりケルセチソの単離同定 タマネギ表皮約40gに水約1.5∼を加えて還流冷却器をつけ1時間煮沸抽出するoこれ を3回くり返す(表皮合計約120g).この時得られる濃赤褐色抽出液を熱時ろ過して51 広口矧こ入れ,冷蔵庫に一晩放置すると黄土色沈殿を生ずるので,遠心分離して黄土色沈 殿を集める(約9.4g)。上清液を更に濃縮して冷蔵庫に放置し,再び生じた黄土色沈殿を EtoHと活性炭少量を加えて,還流冷却 集める(約1.9g).これらの黄土色沈殿を合せ・ 器をつけて煮沸し,熟時ろ過した赤褐色透明EtoH抽出液に少量の永を加えて冷蔵庫に敬 置すると,黄色結晶を生じた。この黄色結晶を集めてMeoHより2回再結をくり返して 黄色結晶(無定形)を得たo別に棲準品のケルセチソ,ルチソについても・それぞれMeoH. より2回再,*をくり返して黄色結晶を得て,タマネギ表皮よりわ黄昏結晶と次の項目につ いて比較した。 IRスペクトル. A.. KBr. IR. _スペクトルは,東京大学農学部水産化学教室備付の赤外分析計を用いて, 法により行った。試料はタマネギ表皮よりの黄色再結結晶・標準品ケルセチソ,ルチソ の再鈷結晶である。その結果,図6,図7,図8に示す如く,タマネギ結晶とケルセチ ソ結晶のIRスペク[/レほ全く一致したが,ルチソ結晶のIRスペクトルとは異なったo ち.タマネギ表皮黄色結晶,ケルセチソ結晶,ルチソ結晶のPPC 上記の3つをそれぞれMeoHに溶かし,タマネギ結晶,ケルセチソ,ルチン,タマ ネギ結晶+ケルセチソ,タマネギ結晶十ルチソの5区を作り・それぞれろ紙にspotし, 次のSolvent. Systemを用いた上昇法でPPCを行ない,得られたクロマトグラムを暗. 室でTopcon. Fl-31S蛍光検査灯下でspotをしらベたo. Solvent. System. BAW. :n-BuoH:AcOH:H20. AW. :AcOH:H20. MAW. :. MeoH:. AcOH. 1 :2Vol). (6: (15:85Vol) : H20 (90. :. 5. :. 5Vol). ppcの結果を表6に示したoこれからもタマネギ表皮黄色結晶はケルセチソであるこ とが判る。 c.. UV吸収スペクトル. ∼. タマネギ表皮黄色結晶,ケルセチソ,ルチソ再結結晶をそれぞれMeoHに溶かして, (図9) uv吸収スペクトルを島津製分光光度計UV-180を用いて測定したo D.. I. AIC13によるUV吸収スペクトルのSbift3). タマネギ表皮からの黄色結晶,及び標準ケルセチソ結晶をそれぞれEtoⅠiに溶かし, これらにAIC13のEtoH溶液を混合し,. UV-180分光光度計でUV吸収スペクトル. を測定した。タマネギ黄色結晶のEtoモ王溶液ほ,ケルセチソのEtoH溶液と同様に,. AIC13の存在によってスmaxほ長波長にシフトした.. (図10, ll). disk.

(12) 12. 浅野. 省子. 元一・小林. 両者のImaxの波長ほ少し差があるが,吸収スペクトルのパタ-/ほ非常によく似 ている。 表6. ペーパ-クロマトグラフィーによる同定 Rf値. Solvent. B AW. AW. 0. 71′-0. 74Y. MAW. 0. 04′-0. 05Y. Ta 0. 10′-0. 12P. 0・ 71-0.. 75Y. 0. 62′-0. 65V. 0. 66′-0. 70Y. 0. 03′-0. 04Y. 0. 70-′0. 73Y. 0. 04′-0. 05Y. Ta+Q. 0. 10′-0. 12P 0. 70Y Ta+R. 0. 34-0.. 0. 10′-0. 12P. 0..59-0.. B. 62Y. 0. 58′-0. 59V. 0. 61′-0. 62Y. B. 0. 61′-0. 64Y. B. Y. 0. 62′-0. 65V 38V. B. Y. 0. 04Y. 0. 34′-0. 38V. 0. 61′-0. 62Y. Y. 0. 38′-0. 41V. O. 04′-0. 05Y. :黄色 PY:淡黄色. Ta. Ⅴ. R. Y. Q. :紫色. --・タマネギ表皮結晶 =-・ケルセチソ. ---ルチン. YB:黄褐色 % 100. 90. 2: ⊂) 80 =. 帆 帆. 喜70 ∽. 弓60 P弓. ト. 50. 〔一. 宏40 U 畠30 βィ. 20. 10. 0 4000. 3580. 3000. 2500. 2000. 1900. 1800. 1780. 1600. 1500. ⅥAVENUMBER. 図6. 1400. 1300. 1200. 1100. 1000. (c王打1) タマネギ表皮黄色結晶のIRスペクT・)レ. 900. 800. 700. 600. 500. 400.

(13) タマネギ表皮煎汁の血圧降下作用. 13. % 100 90. 喜80 I-H. ∽. ≡70 ∽. 葛60 Fi. ト. 50. 〔+ 40 Z Ed U. 畠30 良+ L20. 10. 0 4000. 3500. 30002500. 2000. 19001800. 1700. 1600. 1500. 1400. 1200. 1100. 1000. 900. 800. 700. 600. 500. 400. (cm-1). wAVENUMBER. 図7. 1300. ケルセチソ結晶のIRスペクトル. % 100. 90. 喜80 ー. ∽. 賀70. 帆. 喜60 ト. 50. E・1. 宏40 U 30 Ej ロ+ 20. 10. 0 4000. 3500. 3000. 2500. 2000. 1900. 1800. 1700. 1600. 1500. WAVENUMBER. 図8. 1400. 1300. 1200. (cmll). ルチン結晶のIRスペクトル. 1100. 1000. 900. 800. 700. 600. 500. 400.

(14) 浅野. 14. 省子. 元一・小林. CX) l∫) 亡勺. 八. ヰ、 .ゝ ■■・\ ′へヽ. r+. く.⊂) ぐ/つ. U. ユ ヽ. ,i. 中、. ). ○( t(. 尊 感 > ⊃ e. 笠. く.D l∫) N. ,t. +. ヽ. 心. #. .ゝ ヽ. 喜. _ゝ -・\. ゝ. 小. 心 # .ゝ ヽ. (. ら. m 亡・-CY'). ロコ ). 豆 噌 港 せ】. 舵 敬 ・*. † A ¢). く.亡) Ln Cq. &&. 国. ・*. ノ㌣. やヽ (. m t-I CY'). i ). 蜜. 米. 朝.

(15) 15. タマネギ表皮煎汁の血圧降下作用. 鶴 栄. 432. #. 268. 400. 300. 200. 波長さ.(nm) 図10. AIC13によるUV吸収スペクトルのshift. (タマネギ黄色結晶).

(16) 16. 浅野. 遊星 栄 密. 元一・-小林. 省子. 436 270. 400 図11. 300. AIC13によるUV吸収スペクトルのshift. 波長(nm) (ケルセチソ).

(17) タマネギ表皮煎汁の血圧降下作用. 論. 17. 議. タマネギの表皮煎汁を飲むと高血圧に効くと巷間かなり前から伝えられているので,そ れを実験的にたしかめるためこの研究を始めた。実験動物として高血圧自然発症ラットが 入手できたことほ好都合であった。、血圧計にはより高価-eJ隆能のよいKN210型もある が,我々の使用したKNII型ほ熟練の必要なタイプで,信頼しうるデータを得るのに最. も苦労したが,そのためには単に操作の熟練のみでなく,測定されるラットを極力注意し て取扱い,無用の不安や興奮をおこさせないよう,また始終ラットに手をふれて取扱いに よく慣れさせることなどが非常に大切であることが判り,次第にラットを麻酔しないで非 観血的に自然の状態の血圧を測りうるようになった。表1に示した結果ほ2回目の飼育実 験の時のデータ-である。表1,図2に示す如く7-8適齢ごろから血圧上昇抑制効果が 現われ頻めた。最終の16適齢でほ対照区の血圧ほ19ImmHgにも達したのに,タマネギ 表皮煎汁区では160mmHg,ケルセテン区161mmH宮,ルチソ区163mmHgと約30mm. Hgも血圧上昇を抑えた。この3区ほほぼ等しい血圧降下を示しており,. 0.1%ケルセチ. ソ水溶液とケルセチソ配糖体であるルチン0.2%水溶液とほとんど同じ抑制効果を示して いること,タマネギ表皮中にほ遊離のケルセテンが非常に多く含まれていること(本研究 室小田らの定量によるとケルセテン約2.7%)などから,血圧上昇抑制効果ほ主として表 皮中の遊離のケルセチソによるものと考えられる。飼育中のラットの体重変化でほタマネ ギ煎汁区と対照区との間には有意差ほない。 対照区に比べてケルセチソ区,ルチン区の発育は劣り,ケルセテン区の発育が最も抑制 されている。. Ambroseら4)の実験でほケルセチソ(1%). 毒性と発育の抑制を示した。又Wilsonら5)のルチソ(1%). 410日投与では低いorderの 400日投与では毒性ほ示さ. ないがやはり発育ほ劣った。要するにタマネギ表皮煎汁区は血圧上昇抑制効果ほケルセチ ソとほぼ同じで,しかもラットの発育ほ一番良いことになる。ラットの場合は飼料と飲料 永だけしか与えず,しかも毎日連続的に否応なしに投与するので,当然ながらその実験効 果ほ表1,図2の如く明瞭に現われる。 Volunteerによる飲周実験では,. Volunteerの数が少ないこと,休日があったり都合が あったりして長期的,連続的に実験できないこと,食事もラットに比べてほるかに複雑か つ多量であること,高等動物であるため心理的要因が血圧に影響することなどから,結果 のフレも大きく,統計的な処理もできず,実例として考察するに過ぎない。しかし,約20 (63歳,男)についてほ,通常時最大血圧が152mmHg 日間の飲用実験で,被験者A. (対. 顔)と鞘高いが,タマネギ煎汁の飲用で20-30皿mHg位の血圧降下がみられ,しかも時 々飲用すれば,対照より20mmHg位低い状態を保つことができた。一方被験者K 才,女)ほ通常時最高血圧110mmHg,最低血圧69mmHgで正常であり,タマネギ煎汁 飲用後も血圧ほ殆ど降下しない.1即ち限界領域の高血圧者には20mmHg位一過的に血圧 を下げるが,若い正常な血圧者にほ殆ど影響がないことになる。タマネギ煎汁飲用実験は そのほかに1日飲用実験及び3日飲用実験とを行った。 これは1日1回だけの飲用,もしくほ3日連続飲用の効果がどの位持続するかをみるた. (23.

(18) 浅野. 18. VolunteerほA. めに行ったもので,. (21才,女),. M. 元一・小林. 省子. (64才,男),. K. (24才,女),. (21才,女),. S. 0. (21才,女)である。このような1-3回の飲用ではタマネギ煎汁の効果. ほバラツキも多く,そゐ持続も短かいことが判った。. Volunteerとして高年の高血圧者又. ほ限界高血圧者についてもっと飲用効果をしらべてみる必要がある。医師が高血圧者に投 与する降圧剤ほ,飲み始めたら一生飲み続けなければならないといわれるが,飲用者にき くと,ある飲みづらさがあるとのことである。タマネギ表皮煎汁ほ飲用時少しいがらっぼ. さばあるが,紅茶位の色の漬さではそれほど飲みにくいことばない。 タマネギの中にほこれまで薬理的な活性成分として, disulpbide,. Allylpropyl. disulphide,. Diallyl. cyclo-alliin, Alliinなどの含硫化合物や1)6)最近注目されているProstaglandin. 又はProstaglandin様物質7)なども血圧降下と関係しているかもしれないが,本報でほ Flavonoid色素のケルセチソ,ルチンに限って実験し,これらだけでもほっきりした血圧. 降下作用を認めた。 次にタマネギ表皮アルコール抽出液から得た多量の赤褐色沈殿から再結して得られた黄 色結晶,標準品ケルセテン,ルチソの再結晶品についてIRスペクトル,. UV吸収スペク. トルをとり,又3つのSolventSystemを用いるPPCも行ったが,いづれもタマネギ表皮 結晶が,ケルセチソと全く一致し,ルチソとほ異なった.又AICl3を添加した時のタマ もほぼ同一であった. ネギ結晶,ケルセチソ結晶のUVスペクトルの長波長へのShift タマネギbulb (食用部)に存在するFlavonoid色素についてはいくつかの報告がある (1965)8),Herrmann が,研究結果ほ必ずしも一致していない。しかし最近のBrandvein. (1976)9)らの報告をみると,. Quercetin, Quercetin-4′-glucoside(spiraeoside),quercetin-. 3, 4'-diglucoside,. 4',. quercetin. 7-diglucosideなどがあって量的には前二者が多いといわ. れる。タマネギ表皮のFlavonoid色素についてほ報告が少いが,我々の実験で表皮にほ Aglyconeのケルセチソが相当大量にあることが判った。そこでケルセチソ以外にいかな. るFlavonムidがあるかを調べるため,タマネギ表皮抽出液についてAmberlite CG50を 用いるカラム・クロマトグラフィーを行った。そして得られた50フラタンョソすべてにつ いてUV吸収スペクトルをとり,スペクトルのパターソにより5グループに分けた。第 261nmのもの,第3グ 1グループほスmax297nmのもの,第2グループはスmax297, ループほImax366,. 293,. 257nmのもの,第4グループはスmax371,. 297, 256nmのも. の,第5グループほスmax371,255nmのものである。量的にみると,第4グループのケ. ルセチソと考えられるものが一番多く,次にケルセチソ配糖体と推定される第3グループ が多かったがこれを解明するに至らず追求中である。 ケルセチソはFlavonoid色素の中では変異原性は最も強いといわれる10)ll)。そこでケ. ルセチソの琴がん性が問題になるが,発がん性(腸,勝朕)を主菜する論文はA・M・Pamukcuらの一報告のみ12)で,広野,杉村などの日本の学者は発がん性を否定している13)o ケルセチソほBrQWn14)によると多くの果物や野菜(グレープ・フルーツ,レモソ,. ソゴ,/1ナナ,トマト,セロ1),馬単著,二十日大根,慕,蜂蜜など)に存在するので,ち し発がん性があれば大変である。しかしケルセチソは薬理活性の強い物質で,強い変異原 性があるのに発がん性ほなく発がん抑制作用があるとか,抗酸化性,多くの酸素阻害性な. 7).

(19) タマネギ表皮煎汁の血圧降下作用. どが報告されている。いずれにしてもタマネギ表皮煎汁を血圧降下のための家庭用生薬と して安心して推奨できるためにほ,未だ検討すべき問題があろう。 結. 論. (1)高血圧自然発症ラット(SHR)を用いる飼育実験で,飼育用MF飼料,飲料水として,求 道水区(対照),タマネギ表皮煎汁区,ケルセチソ溶液区,ルチン溶液区に分けて飼育す ると,. 3週間で有意差が現われ始め,対照は血圧が上昇しつづけるが,タマネギ区,ケ. ルセチソ区,ルチン区は5週間位でほぼ横ばいとなり,最終11週になると,対照は最大 血圧191mmHgにもなるのに,タマネギ区は160mmHg,ケルセチソ区は161mmHg,. ルチソ区ほ163mmHgと約30mmHgもの差を生じ血圧上昇ほ完全に抑制された。一 方ラットの発育ほ対照とタマネギ区ほ殆ど同じのよい発育を示すのに反して,ルチン区 ほ5.3%,ケルセチソ区は12.2%も発育が阻害される。つまりタマネギ煎汁は血圧上昇 は抑制するが,ラットの発育ほ阻止しない.又タマネギ煎汁はラットの肝臓コレネテロ -ルの増加を抑制した。 (2)Volunteerによる人体実験でほ,ラットほどほ明確でほないが,高年の限界域にある高 血圧着でほ最大血圧で約20mmHg,最小血圧で10mmHg程度の血圧降下を示し,短 期間その効果が持続するので,連続して長期間飲用すれば血圧を低いレベルに止めるこ とができる。一方20才代の若い正常血圧者はタマネギ煎汁を飲用しても,全然影響がな いか,あっても僅かしか血圧降下を示さなかった。 (3)タマネギ表皮抽出液から多量に得られる黄色結晶のIRスペクトル及びUV吸収スペ UV吸収スペク7,Jレと完全に一致し,ル. クトルは,療準ケルセテンのIRスペクトル,. Systemを用いるペーパー・クロマトグラフィ. 3つのSolvent. チソとほ異なった。又,. ーでほ,タマネギ黄色結晶とケルセテン結晶のスポットは一致した。又AIC13添加に よるタマネギ結晶EtoH溶液とケルセチソEtoH溶液のUV吸収スペクトルのShift. も全く同一であることなどから,タマネギ表皮中に多量の遊離ケルセチソが存在しこれ が血圧を降下させることが判った。. 謝. 辞. IRスペクトル測定にご協力下さった東大農学部,鴻巣章二教授,渡辺勝子氏,自動血 圧計の使用を許可された,横浜国大保健センター,. SHRラットにつきいろいろ御教示下. さった自治医大,曽我部博文教授,岸浩一郎氏,ラットの飼育や飲用実験に協力された小 田真美,本木きよみ,関口純子の諸氏に深謝いたします。. 引. 1) 2) 3) 4). 用. 文. 献. 38, 113頁(1977) 宮尾興平:食の科学no. 12, 142頁(1961) 川端純一:北海道衛生研究所報no. 中林敏郎ら:食品の変色とその化学 光琳書院(1967) A・. MI. Anbrose. et. al: I. Am.. pharm.. Assoc.. 41, 119. (1952). 19.

(20) 浅野. 20. 5) 6) 7) 8) 9) 10) ll) 12) 13) 14). R.. H.. Wilson. a.. T.. Augusti. a.. A.. Attrep. B.. ∫.Brandvein:. K.. Eerrmann:. L.. ど.. T.. Sugimura. A.. M.. biol. ned. 64. 324 exper. al: Proc. soc. : Atherosclerosis 21, 409 et al (1975) 8. No. 8. 484 (1973) et al: Lipids. Vol. et. ∫.Food ∫.Food. Bjeldanes et. Pamukcu Brown. :. Mutation. (1947). S°i. 30, 680. Tecbnol.. (1965) (1976) 197,577 (1978). ll, 433. Vol et al : Science. 53, Ser B, al: Proc. Japan Acad. Research 40, 3468 et at : Cancer. 杉村隆:発がん物質 ∫.P.. 省子. 元一・小林. 中公新書670 (1982) Research. 75, 243. (1980). 194. (1977) (1980).

(21)

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