ッ データを活用した
道の 正の取組
Updating of Mountain Trails on the “Digital Japan Basic Map” Using Big Data of Walking
Paths
基本図情報部 中 清 ・大
・本田 和
National Mapping Department Kiyoaki NAKAMINAMI, Koji OTSUKA and
Yoshikazu HONDA
要 国土地理院では，電 国土基本図の整備を行って いるが，その一部として 道情報を更新している． 空中写真に写らないような 道は現地調査を 要 とするため，迅速に更新することが難しかった．他 方， の 難の は道 いであり， の 安全のために正 な 道情報を提供することが められている． 国土地理院は 道情報を迅速に 正するため， によってス ートフ ンなどで取得された 動 路情報が， ッ データとして 積されている ことに着 した． 2017 年 12 月に コ イトを運 する民間企業2 社と協力協定を締結し， 2 社から提供を受けた 動 路情報の ッ データ を活用して 道情報の 正を開始した．2018 年 3 月には， 動 路情報の ッ データを活用して 正した 道情報を地理院地図で公開した．その後， 日本全国の 要な 域を中心に 正を行ってきたが， 道と 等の他の地 との 置関係など， 動 路情報だけでは が難しいことがわかり，公 益社団法人日本 会からも情報提供を受けながら 正を進めている． 引き き 動 路情報の ッ データを活用して 正 な 道情報を迅速に提供することで， の安全と利便性向上に貢献していく． 1. はじめに 国土地理院は国の基本図として電 国土基本図を 整備しており，このうち 要な道路や大規模 ， 行 等の地 に変化が生じた場合は資料を し て迅速な更新を行っている．一方，その他の地 に ついては， ル 画像や地方公 団体が整備する 市計画基図等を活用し，比 的長期の間 で，変化 状況に応じて日本全国を面的に更新している． 道情報については，電 国土基本図の 道 の一部として更新を行っている．初期整備時には空 中写真や現地調査をもとに 画し，その後，部分的 に更新を行ってきたが，土 崩れなどで道が付け わることも多い．一方， の する地域では空 中写真で 道を明 に することが難しく， 正には現地調査が 要となり，迅速に 正すること が であった．また， の 難 のトッ は道 いであり， が安全に を行えるよう に，正 な 道情報を迅速に提供することが め られている． 国土地理院では， 道情報を迅速に 正するた め， がス ートフ ンなどで取得した 動 路情報が， ッ データとして 積されていること に着 し，2017 年から電 国土基本図の 正に活用 することとした．本稿ではその取組について報告す る． 2. 協 協定の 近年， ンデ GNSS 受 機の利用 だけでなく， GNSS 機能つきのス ートフ ンに ア リをイ ンストールして利用する が急速に えている． ス ートフ ンなどを利用すれ ， ら いた 路 情報を でも 易に取得・保 することができる． インター ットに できれ リアルタイムに地図 を表示することができるが， ア リを活用して 事前に地図データを保 しておけ ，インター ッ トに できない状況でも らの 置を地図上で することが可能である． は， 時に取得した らの 路情報を コ イトに し， 間と 有したり， 一般に公開して し でいる． ア リの利用 が えるとともに， の いた が ッ デ ータとして コ イトに大量に 積さ れるようになってきた． 国土地理院では， 動 路情報の ッ データ（以 下「 ッ データ」という．）を電 国土基本図の 正に有効に活用できないか検討し，2017 年 10 月に データ提供の協力事業 を公 した．公 の結果， コ イトを運 する 会社 レ コ（以下「 レコ」という．）， 会社 ッ （以下「 ッ 」という．）の2 社から応 があり， 2017 年 12 月に 社と「 ッ データを活用した地 形図 正のための協力協定」を締結した（写真-1）． 協定では，国の基本図に表示する 道の正 性 の向上を図り， の安全性向上を すことを 的としている（図-1）． これまでに レコ， ッ 社が 積している は約300 にのぼる．これらの 路情 報について， 人が 定できないように 名化され たものを無 で提供いただき， 道情報の 正に 活用できることとなった． また， 社は のコ イトで地理院 地図を活用しており，現地での利用のほか事前に 行計画を立てるといったことも可能である．国土地 理院が 道情報を 正することによって，コ イトを じて へ正 な 道情報を 提供することができ， の安全・利便性の向上 に することができる（図-1）． 写真-1 山道 に る協 協定 図-1 山 との協定と 正の 3. データの 用 3.1 の ッ データを 道情報の 正に活用するにあ たり，最初に 正 の予 を行う． レコ及び ッ のウ ブ イト，市 の 地図，インタ ー ットの情報等を活用し， 道の変化情報を把 握する． 正する範囲が決まると，協力事業 2 社 にデータの提供依頼を行う．その際， の と して一般の や イ ン として取得されたデー タを 定し， りや り等，一般の 道以外 のデータが含まれないように依頼している．また， 積 期の では 道を いていたか不明なため， から にかけての無 期の時期を 定している． 提供を受けた 動 路情報については， 測 で取得されたデータを 用し， が した可 能性のあるデータを した． 3.2 データ 3.2.1 要 ッ データを活用するに際し， 動 路情報の 置精度検証を行った．検証地区として， の おたつ コース（以下「 地区」という． 図-2）と長 の に る コース（以下「 地区」という．図-3）を 定した． 地区では ット ーク RTK 法で取得したデータ， 地区 では電 国土基本図の 道の 置データを正解 として， 動 路情報の点データと比 を行った． なお， 地区では ッ データをAndroid の搭載 されたス ートフ ンで取得されたデータ，iOS の 搭載されたス ートフ ンで取得されたデータに分 けて検証を行った． 図-2 山地区（ ー RTK によるデータ ） 図-3 地区（ 道データ ） 3.2.2 山地区
地区は 東斜面の 地形であり， が 生えている（写真-2）． 検証に使用した 動 路情報は2014 年から 2018 年に取得されたもので， 路 は 403 本，点 は 22,617 点である．検証結果を図-4 に示す． ット ーク RTK 法によるデータと 動 路情報の点デ ータとの水平 置の は， で 4.62m，最大 で55.34m であった． なお， 動 路情報を年 とに分けて検証した結 果， ね，年が新しくなるにつれて の が さくなる 向があった（表-1）． 写真-2 山地区の 地の 図-4 山地区の 表-1 山地区における との 3.2.3 地区 地区は 東斜面の 地形で 帯であり， 道の近 には 川が れている（写真-3）． 検証に使用した 動 路情報は，2017 年に取得さ れたもので，Android の搭載されたス ートフ ン で取得されたデータは 路 411 本，点 は 41,508 点，iOS の搭載されたス ートフ ンで取得された データは 路 538 本，点 は 33,563 点である．検 証結果を図-5 に示す．電 国土基本図の 道デー タと 動 路情報の点データとの水平 置の は， Android のデータでは で 6.78m，最大で 56.53m，iOS のデータは で 6.84m，最大で 59.67m であり，Android と iOS では大きな は め られなかった． 写真-3 地区の 地の 図-5 地区の 3.3 正 の 用 検証を行った 地区と 地区2 地区につい て，図-4 及び図-5 のとおり， 動 路の分布が中心 付近に明 なピークがあることがわかった． 地区 の は，い れも2 5 千分 1 地形図の 置 精度（平面 置の 17.5m 以 ）であった． 地区でも 地区でも が 50m を える ようなデータもあったが， 動 路情報から中心線 を 出して 正に利用することによって，25000 レ ベルの電 国土基本図の 道を 正することが可 能である．
なお，2017 年に取得された Android 及び iOS のデ ータでは大きな がなかったものの，前 したとお り， 地区では， 動 路情報が新しくなるに つれて の が さくなる 向が められた． これは，新しい機 のス ートフ ンでは，GNSS ッ の性能が良いためであると推測される．このた め， 正に使用する 動 路情報はできる り新し いものを使用することとした． ッ データを活用するに際し， 動 路情報か ら中心線を 出する ロ ラムを開発し，その中心 線を 道の 正に利用することとした．その上で， 他の地 との 置関係を考 して 道情報の 正 を行うが， に等高線や行 ， 等の と の関係に 意を った． 図-6 から図-8 は ッ データを活用した 道情 報の 正事 である． 線が 道， 色が 動 路情報，ピンク色の実線が 正後の 道である． 図-6 正 1（ 地 ） 図-7 正 2（ し ） 図-8 正 3（ の 山道） 図-6 の地域について調査したとこ ， 崩によっ て 道が崩壊し， 道が付け えられたこと がわかった． 図-7 は，2017 年 9 月 25 日以前と以降で 道が 付け わっていることがわかった である． 路情 報の取得日を解析することによって最新の 道の 路を ることができた． 図-8 は，つづら れの 道の 正状況を示す． つづら れのような 道の場合には 動 路情報 の点分布で かな 道の形状を するのは困難 である．そのため， の 路情報から 路の を把握して中心線を し， 道を 正した． 3.4 の 正状況 2018 年 2 月から上高地地域， 地域において ッ データを活用した 正を開始し，2018 年 3 月 には 地域の 正データを地理院地図で公開した （図-9）．
図-9 地地 （ ） 地 （ ） また，2018 年 6 月に「 」，「 」，「 高 」， 「上高地」を，7 月に「 東部」，「 西部」， 「 」，「仙 」，「 」の2 5 千分 1 地形図を 行した．2018 年 4 月からは日本アル ス， のほか日本全国の 要な 域を対象として， ッ データを活用した 道情報の 正を実施し ている． 3.5 山 との協定 ッ データを活用して 正を行っているなかで， 道と との 置関係や 道について， ッ データだけでは 正が難しい があることがわ かってきた． 図-10 は 道と の 置関係を示す事 で ある．図中の 部分のように， 付近で が滞 することで多 のデータが 積されるため， その に が することは推定できるが， の 置を 定することは困難である． 図-10 山道と山 の 置 （ ） このような ッ データだけでは できない事 について，公益社団法人日本 会（以下「日本 会」という．）から情報の提供を受けることとし た．日本 会とは，地形図における 道情報の 正 性を ・向上させ， 等の安全性向上の ために「 道情報の交換に関する協力協定」を平 成22 年 3 月に締結している．この協定に基づいて， 日本 会に設置された国土地理院対応WG の方 から，これまでも情報提供を受けていた． ッ デ ータを活用した 道情報の 正においても， 正 した を してもらい，現況と異なっていると こ があれ 情報を提供いただいている．また， 道情報や がなくなっているなどの情報も合わ せて提供いただいており， 正に活用している． 4. とめ ッ データを活用した 道情報の 正により， 従来の空中写真や現地調査による 正と比 して飛 的に 正効率を上げることができた． 2018 年度は日本全国の 要な 域を対象に 正 を行ったが， 年度以降はそれ以外の 域まで対象 を広げて引き き 正を行い，正 な 道情報を 迅速に提供することで， の安全と利便性向上 に貢献していく． （公開日：平成31 年 3 月 18 日）
