第6学年 理科学習指導案
1 単元名 「からだのつくりとはたらき」 2 指導観 ○ 単元観 本単元は、人及び他の動物を観察したり資料を活用したりして、呼吸、消化、排出及び循環の働 きを調べ、人及び他の動物の体のつくりと働きについての考えを持たせるとともに、人及び他の動 物の体のつくりや働きに関する事象を多面的に追究する能力を育てることをねらいとしている。こ れらのねらいの上に本単元では、体内に酸素が取り入れられ、体外に二酸化炭素などが出されてい ること、食べ物は、口、胃、腸などを通る間に消化、吸収され、吸収されなかった物は排出される こと、血液は、心臓の働きで体内を巡り、養分、酸素及び二酸化炭素を運んでいることをとらえさ せることができる。 本単元は、「呼吸」「消化・吸収」「血液の循環」という関連する学習内容を構造化し、単元全体 を見通した総合的な問題を設定することが可能である。そして、見いだした問題から「呼吸」「消 化・吸収」「血液の循環」という複数の追究対象を見いださせることが容易である。さらに、追究 対象が人、魚など多様な生き物にあり、各器官の働きが異なるので複数の方法で追究させることが できる。そして、複数の観察や実験を基に、複数の追究結果や複数の結論を総合した結論を導かせ ることができる。このようにして、呼吸についてのつくりや働き、消化・吸収についてのつくりや 働き、血液の循環についてのつくりや働きについての相互関係や規則性を明らかにさせることがで き、自然事象を多面的とらえる能力を育てる上で意義がある。 また、本単元の体のつくりや働きは、一人一人の中に存在しているものの普段はあまり意識をし ない内容である。しかし、体感できる観察・実験や他の動物との比較、情報の活用をすることで、 生きていくために外部から取り入れたものも吸収しやすいように工夫して血液の中へ取り入れる という器官のつくりや働きの精巧さを感じさせることができる。そして、生命活動を継続させるた めに、器官が相互に関連しあって必要な物を取り入れ、不要な物を排出しているという見方や考え 方を育成することができることからも意義がある。さらに、人及び他の動物と環境とのかかわりを とらえさせるとともに、生命を尊重する態度を育てることができる上でも価値がある。 本単元に関して、第5学年ではメダカを飼育したり資料を活用したりして、人や動物の発生や成 長について学んできている。また、生命が連続しているという見方や考え方を持つことができるよ うにもなっている。これは、中学校理科第2分野「動 物の体のつくりと働き」において、外界の刺激に適切 に反応することを感覚器官、神経系、運動器官のつく りと関連づけてとらえさせる学習へと発展する。 ○ 児童観 図1は単元の内容に関わる概念やイメージを質問 紙法により調査し、児童の記述を表1の基準により4 段階で評価し、整理したものである。児童は、呼吸、 消化・吸収、循環に関する体のつくりについては概念 やイメージを持っているが、それぞれの働きについて の概念やイメージはあまりもてていないことが分か る。特に循環の働きについては、心臓を動かし血液を 送るという働きまでしか考えてはおらず、酸素や二酸 化炭素を運んでいるという概念をもっている児童は 少なく、循環についての器官は、体に必要な物や不要 な物を運び、他の器官と関連して働いているという新 しい概念をとらえさせる必要がある。 図1 単元の学習内容についての児童の実態 33% 0% 61% 0% 22% 0% 33% 28% 33% 17% 56% 17% 17% 50% 6% 72% 22% 33% 17% 22% 11% 50% 0% 0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 呼吸・つくり 呼吸・働き 消化・つくり 消化・働き 循環・つくり 循環・働き 4段階 3段階 2段階 1段階 表1 単元の学習内容に関わる評価基準 左記の観点につ いての記述がな い。 左記のうち1つの 観点での記述が ある。 左記のうち2つの 観点での記述が ある。 気管、気管支、肺 についての記述 がある。 呼吸に関する 体のつくり 左記の観点につ いての記述がな い。 左記のうち1つの 観点での記述が ある。 左記のうち2つの 観点での記述が ある。 酸素、二酸化炭素、 体が働くのに必要 という観点がある。 呼吸の働き 左記の観点につ いての記述がな い。 左記のうち1つの 観点での記述が ある。 左記のうち2つの 観点での記述が ある。 食道、胃、腸につ いての記述がある 消化・吸収に関 する体のつくり 左記の観点につ いての記述がな い。 左記のうち1つの 観点での記述が ある。 左記のうち2つの 観点での記述が ある。 消化、吸収、血液 に取り入れるとい う観点がある。 消化・吸収の 働き 左記の観点につ いての記述がな い。 左記のうち1つの 観点での記述が ある。 左記のうち2つの 観点での記述が ある。 血管、心臓、肺に ついての記述が ある。 循環に関する体 のつくり 左記の観点につ いての記述がな い。 左記のうち1つの 観点での記述が ある。 左記のうち2つの 観点での記述が ある。 血液を送る、必要 な物を運ぶ、不要 な物を運ぶという 観点がある。 循環の働き 1段階 2段階 3段階 4段階図2は、自然事象についての多面的にとらえる 能力 について調査し、児童の記述を表2の基準 により4段階で評価し、整理したものである。児 童は予想を立てたり、復習の対象を複数の方法で 追究したりすることは概ねできている。しかし、 複数の結果から結論を出したり、複数の結論から 総合的な結論を導いたりする能力は十分ついて いないことが分かる。 図3は、多面的に追究する過程についての意 識を調査し、分析、整理したものである。(1) 疑問を持つことができているか。(2)問題を見 いだすことができているか。(3)追究対象を見 いだすことができているか。(4)追究方法を見 いだすことができているか。(5)分析的な結論 を導くことができているか。(6)総合的な結論 を導くことができているか。という質問項目に対 する回答を「よくできている」と考えているもの を4、「できていない」と考えるものを1とする 4段階に数値化し、その割合を表している。その 結果、出会った事象から問題を見出すことと複数 の結論から総合的な結論を導くことに課題を感 じていることが分かる。 図4は交流活動についての意識を調査し、分析、 整理したものである。(1)話し合いは必要か。 (2)話し合いをすることで考えに自信をもつこ とがあるか。(3)話し合いをすることで納得す ることがあるか。(4)話し合いは好きか。とい う質問項目に対する回答を「そう思う」と考えて いるものを4、「そうは思わない」と考えるもの を1とする4段階に数値化し、その割合を表して いる。その結果、話し合いは必要だと感じている 児童が多いことがわかる。その理由は、話し合う ことによって、納得できる考えを導き出すことが できると考えている児童が多いからだと考える。 これらのことから、各器官の働きについて理解 させることや、出会った事象から総合的な問題を 見いだしたり、その問題についての予想から複数の追究対象を明らかにしたり、複数の結果から得 られた複数の結論を関連させて総合的な結論を導き出したりすることに課題があると考える。 ○ 指導観 本単元では、「つかむ」「つくる」「深める」という3段階で単元を構成する。「つかむ」段階で自 然事象と出会い、生まれた疑問についての交流を設定し、総合的に思考し単元全体を見通した総合 的な問題を見いださせる。その問題についての予想の交流を設定し、分析的に思考し複数の追究対 象についての分析的な問題をつくらせる。「つくる」段階では、それぞれの分析的な問題について 複数の方法で追究させ、それぞれの分析的な問題に対する結論を出させる。ここでは人と魚のから だのつくりと働きを追究させ比較させることで、体のつくりと働きを多面的にとらえさせる。「深 める」段階では分析的な結論を関連させる交流を設定し、総合的な思考により総合的な結論を出さ せる。このように総合、分析、総合の思考ができるように単元を構成し、自然事象を多面的にとら えることができるようにする。 具体的には、まず「つかむ」段階で、最初に人の赤ちゃんとメダカの成長の過程の写真を提示し、 成長を続けていくことについての共通点を考えさせ、食べること、心臓が動いていることなどに着 【表2 多面的にとらえる能力に関わる評価基準】 結論から総合的 な結論を出すこ とができない。 1つの結論から 結論を出すこと ができる。 2つの結論から 結論を出すこと ができる。 3つの結論から 結論を出すこと ができる。 総合的な結論 を出す 結果から結論を 出すことができ ない。 1つの結果から 結論を出すこと ができる。 2つの結果から 結論を出すこと ができる。 3つの結果から 結論を出すこと ができる。 分析的な結論 を出す 内容と方法の関 連がない。 内容と方法の関 連が1つある。 内容と方法の関 連が2つある。 内容と方法の関 連が3つある。 追究方法を見 出す 問題との関連 がない。 問題との関連 が1つある。 問題との関連 が2つある。 問題との関連 が3つある。 追究対象を見 出す 追究対象との関 係がない。 追究対象との関 係が1つある。 追究対象との関 係が2つある。 追究対象との関 連が3つある。 問題を見出す 総合的な問題と 関係のない疑問 総合的な問題に つながる1つの 観点での疑問 総合的な問題に つながる2つの 観点での疑問 総合的な問題に つながる3つの 観点での疑問 疑問をもつ 1段階 2段階 3段階 4段階 図2 多面的な能力に関する児童の実態 28% 44% 61% 44% 50% 44% 61% 39% 33% 33% 39% 56% 6% 17% 6% 11% 11% 6% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 総合的な結論を導く 分析的な結論を導く 追究方法を見いだす 追究対象を見いだす 問題を見いだす 疑問を持つ 4段階 3段階 2段階 1段階 図3 多面的な追究についての児童の意識 11% 22% 56% 33% 56% 11% 44% 67% 39% 50% 28% 56% 44% 11% 17% 17% 28% 0% 0% 0% 0% 6% 0% 6% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 総合的な結論 分析的な結論 追究方法を見いだす 追究対象を見いだす 問題を見いだす 疑問を持つ 4段階 3段階 2段階 1段階 図4 交流についての児童の意識 11% 33% 22% 78% 72% 61% 61% 22% 17% 6% 17% 0% 0% 0% 0% 0% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 交流が好き 納得する 自信が持てる 交流は必要だ 4段階 3段階 2段階 1段階
目させ、総合的な問題を見いださせる。次に、それらの共通点についての考えを6人グループで話 し合わせ、「体」「生きていく」「働き」というキーワードを明らかにさせる。それを持ち寄り、学 級全体で話し合わせ、キーワードを基に全員の考えが含まれた総合的な問題をつくらせる。 次に、総合的な問題についての予想を考えさせ、追究対象を明らかにさせる。まず6人グループ で話し合わせ、「呼吸」「消化・吸収」「血液の循環」というキーワードを明らかにさせる。それを 持ち寄り、学級全体で話し合わせ、「呼吸の働きやそのためのつくりについて調べよう。」「消化・ 吸収の働きやそのためのつくりについて調べよう。」「血液の循環の働きやそのためのつくりについ て調べよう。」という分析的な問題を見いださせる。 「つくる」段階では、「呼吸」「消化・吸収」「血液の循環」という3つの分析的な問題について それぞれ「体感できる実験」「人と魚の比較」「資料の活用」の順に多様な方法で追究させ、それぞ れの追究対象を多面的にとらえさせる。 まず、呼吸については、呼気と吸気は同じものかどうか考えさせ、呼吸について問題意識を持た せる。そして、石灰水や気体検知管を用いて呼気と吸気の質の違いを明らかにさせ、呼吸の働きを 理解させる。また、呼気をためたビニール袋の水滴に着目させ、血液中の水分も排出することも理 解させる。そして、BTB溶液にフナを泳がせて液の変化を観察させ、フナも呼吸をしていること を理解させる。さらに図書資料やインターネットを活用させ、肺のつくりや酸素と二酸化炭素をや りとりする肺の働きを調べさせる。それぞれの結果について交流させ、呼吸のためのつくりや働き の共通点を明らかにさせる。 次に、消化・吸収については、食べたものはどこで消化されるのか考えさせ、消化について問題 意識を持たせる。そして、唾液によるデンプンの変化を観察させ、唾液による消化の働きを理解さ せる。また、図書資料やインターネットを活用させ、胃や腸のつくりや働き、消化・吸収の仕組み を理解させる。それぞれの結果について交流させ、消化や吸収のためのつくりや働きの共通点を明 らかにさせる。 最後に、血液の循環については、自分の心臓の動きに着目させ、心臓の動きや働きについての問 題意識を持たせる。そして、拍動の仕方と脈拍の仕方を調べさせ、メダカの血管を観察させること で、心臓から送られた血液が体全体に送られていることに気付かせる。さらに、電子顕微鏡を使い、 酸素を多く含んだ血液と二酸化炭素を多く含んだ血液の違いを観察させ、血液や循環の働きを理解 させる。最後に、図書資料やインターネットを活用させ、心臓や血管のつくりや働きを調べさせる。 そして、それぞれの結果について交流させ、血液の循環のためのつくりや働きの共通点を明らかに させる。 「深める」段階では、「つくる段階」の結論を表した図などを基に交流させ、体のつくりや働き についての規則性や相互関係を理解させる。まず、代表児童に自分の考えを発表させ、友達の考え を聞きながら考えを比較させ、呼吸、消化・吸収、循環の働きが関連していることをとらえさせる。 次に、ものの燃焼の仕組みや自動車が動く仕組みについての資料を提示し、呼吸、消化・吸収、循 環の働きは生きるための熱や力をつくっているという規則性や相互関係を明らかにさせる。このよ うな過程で互いの考えに付加修正させ、より客観的で妥当な総合的な結論を見いださせる。 3 目標 ○ 人の体のつくりや働きについて興味・関心をもち、唾液による質の変化や酸素や二酸化炭素に よる様子の変化などを観察したり資料を活用したりして、呼吸、消化・吸収及び循環のための体 のつくりや働きについてのきまりを自ら多様な方法で調べようとすることができる。(関心・意 欲・態度) ○ 呼吸、消化・吸収、循環のための体のつくりや働きについて分析的に考え予想を立て、複 数の対象を複数の方法で追究した結論を関係付けて総合的に考え、自然事象の相互関係や規 則性に着目した結論を導くことができる。(科学的思考) ○ 呼吸、消化・吸収、循環のためのつくりや働きについて実施した実験、観察の結果や、イ ンターネットや図書資料で調べた情報を図や表、言葉などで効果的にまとめ伝えることがで きる。(表現・処理) ○ 肺や腸で体に必要なものを血液中に取り入れ、心臓や血管の働きで運び、生きていくための熱 や力にしているという体のつくりの相互関係や規則性を理解することができる。(知識・理解)
4 単元仮説 ○ 「つかむ段階」で、自然事象と出会って生まれた一人一人の疑問や予想について6グループや 学級全体で話し合う活動を設定し、一人一人の疑問や予想に含まれるキーワードを基にKJ法で まとめさせれば、様々な考えから単元の中心となる総合的な問題や追究していくための分析的な 問題を見いだすことができるであろう。 ○ 「つくる段階」で、複数の方法で追究した結果から、一人一人が導いた追究対象についてのつ くりや働きについての結論を話し合う活動を設定し、図を用いて器官のつくりや働きの関連性に 着目させれば、分析的な結論を導くことができるであろう。 ○ 「深める段階」で、複数の対象を追究した結果から、一人一人が導いた結論について話し合う 活動を設定し、図を用いて各器官の働きの関連性に着目させれば、より科学的な結論を導くこと ができるであろう。 5 単元指導計画(計13時間) 段階 学 習 活 動 と 内 容 教 師 の 支 援 配時 1 提示された事象から総合的な問題を生 み出す。 ○ 人の赤ちゃんとメダカの成長の過程 の写真を見て、人の赤ちゃんとメダカの 成長に必要なことについての共通点や 調べてみたいことをノートに書く。 ○ 考えたことを話し合って、単元を通し た総合的な問題をつくる。 ・ 6人のグループで話し合い、共通す るキーワードを明らかにする。 ・ 各グループから出されたキーワード を基に、学級全員の考えが含まれる総 合的な問題をつくる。 ○ 話し合った内容を基に自分の総合的 な問題をつくる。 ○ 人の赤ちゃんやメダカの成長の様子を 提示し、第5学年の学習を想起させ、問 題意識を持たせる。 ・人の赤ちゃんとメダカの成長の過程の 写真を提示し、成長することについて 共通点を考えさせ、食べること、心臓 が動いていることなどに着目させる。 ・共通点や児童が調べてみたいことをノ ートに書かせる。 ○ 出された考えの共通点に着目させ、問 題を作成させる。 ・6人のグループをつくらせ、考えのキ ーワードを基に分類させ、KJ法を用 いて考えをまとめさせる。 ・学級全体で話し合わせ、各グループで まとまった考えの共通点を基に学級全 体の問題をつくらせる。 ○ 話し合いの結果を基に自分にとっての 総合的な問題をノートに書かせる。 1 2 分析的な問題を見いだし追究対象を明 確にし、学習計画を立てる。 ○ 問題を解決するために何を調べたら いいか考える。 ・ 既習内容や経験を根拠に考える。 ○ 考えについて話し合う。 ・ グループで話し合う。 ・ 学級全体で話し合う。 ○ 話し合ったことを基に分析的な問題 を見いだす。 ・ 呼吸の働きやそのためのつくりについ て調べよう。 ・ 消化、吸収の働きやそのためのつくり について調べよう。 ・ 循環の働きやそのためのつくりについ て調べよう。 ○ 総合的な問題を解決していくことを条 件に、調べる内容と方法を考えさせる。 ・生きていくために絶対必要な体の働き は何かを予想させ、ノートに書かせる。 ○ 考えたことを話し合わせ、共通点から 追究対象を確認させる。 ・6人のグループをつくり、ブレーンス トーミングの手法で拡散的に考えさ せ、多くの考えを出させる。 ・出てきた考えのキーワードについてK J法を用いてまとめさせる。 ・学級全体で話し合わせ、それぞれのグ ループで明らかになったキーワードを 基に共通するキーワードに着目させ追 究対象を明確にさせる。 ○ 話し合いの後の自分の考えをノートに 1 人や魚の体は生きていくためにどのような働きをしているのか調べよう。 つ か む
書かせる。 3 呼吸の働きやそのためのつくりについ て調べる。 すった空気は体の中でどうなっているの か。 ○ 人や魚の取り入れた空気と排出した 空気の質の違いを調べる。 ・確かに吸気には酸素が多く含まれ、呼 気には二酸化炭素が含まれている。 ・呼吸によって酸素と二酸化炭素が交換 されている。 ・フナをBTB溶液に泳がせて水溶液の 色の変化を観察する。 ○ 情報を活用し、肺での酸素や二酸化炭 素のやりとりの仕組みを調べる。 ・酸素を取り入れ、二酸化炭素や水分を 排出している。 酸素を取り入れ二酸化炭素を出している。 ○ 呼気と吸気は同じものかどうか考えさ せ呼吸について問題意識を持たせる。 ○ 石灰水や気体検知管を用いて呼気と吸 気の質の違いを明らかにさせ、呼吸の働 きを理解させる。 ・空気の成分表を提示し、空気の中のご く限られた量だけが呼吸に使われている ことに着目させる。 ・呼気をためたビニール袋の水滴に着目 させ血液中の水分も排出することも理解 させる。 ○ 図書資料やインターネットを活用さ せ、肺のつくりや酸素と二酸化炭素をや りとりする肺の働きを調べさせる。 ○ 調べて分かったことを交流させる。 ・一瞬のうちにガスが交換されることに 着目させる。 ・酸素を血管の中の血液に取り入れて、 血液の中の二酸化炭素を取り出すことを 確認させる。 3 4 消化、吸収の働きやそのためのつくりに ついて調べる。 食べ物はどのようにして消化されるか。 ○ デンプンの質の変化から唾液の働き を調べる。 ・デンプンは唾液によって違うものに変 わってしまった。 ○ フナを解剖し、口の近くと肛門の近く の腸の内容物を観察し、消化の様子を調 べる。 ○ 情報を活用し、食べたものが消化さ れ、吸収される仕組みを調べる。 ・食べたものが口から胃、腸へと移動す る間に消化されること ・消化された養分が腸から吸収されて血 液中に入ること ・吸収されなかったものは糞として排出 されること 食べたものは消化管で消化され、栄養分は 腸で血液の中に吸収される。 ○ 食べたものはどこで消化されるのか考 えさせることで消化について問題意識を 持たせる。 ・噛むことの意味を考えさせ、物理的な 変化に着目させる。 ○ 唾液によるデンプンの変化を観察さ せ、唾液による消化の働きを理解させる。 ・質的な変化に着目させる。 ○ 図書資料やインターネットを活用さ せ、胃や腸のつくりや働き、消化・吸収 の仕組みを調べさせる。 ・調べて明らかになったことを図にかか せる。 ○ 調べて分かったことを交流させる。 ・消化による食べ物の変化について図を 用いて説明させ、物理的な変化と質的な 変化を吸収との関係を明らかにさせる。 ・腸と血管のつながりを図で説明させ、 消化された栄養分が血液の中に取り入れ られることを理解させる。 3 5 血液の循環の働きやそのためのつくり について調べる。 心臓は動き続けてどのような働きをして いるか。 ○ 心臓や血管の動きを確かめる。 ・心拍数や脈拍数を数え、同じリズムで あることを調べる。 ○ メダカの尾びれの血管の様子を観察 ○ 胸に手を当てさせ、心臓の動きに着目 させ心臓の動きや働きについての問題意 識を持たせる。 ○ 聴診器で心音を聞かせ、脈拍を手で調 べさせ、心臓の動きと血管の動くリズム が同じであることに気付かせる。 ○ 電子顕微鏡を使い、酸素を多く含んだ 血液と二酸化炭素を多く含んだ血液の違 3 つ く る
し、血液の流れる様子を調べる。 ○ 電子顕微鏡で赤血球の様子を観察す る。 ・赤血球は丸い形をしている。 ・時間がたつとつぶれてしまう。 ・酸素と結びついて赤くなり、二酸化炭 素と結びついて黒っぽくなる。 ○ 情報を活用し、血液の循環の仕組みを 調べる。 ・心臓のつくり ・動脈や静脈の肺や体の各部分とのつな がり ・血液を確実に循環させる仕組み ・心臓の動きと血液の流れの関係 心臓の力で血液が全身に送られ、酸素や栄 養分を運んでいる。 いを観察させ、血液や循環の働きを理解 させる。 ・働きとつくりの関係に着目させる。 ○ 図書資料やインターネットを活用さ せ、心臓や血管のつくりや働き、循環の 仕組みを調べさせる。 ○ 調べて分かったことを交流させる。 ・図を基に血管と心臓、肺、腸とのつな がりを明確にさせる。 ・心臓のつくりや血管と肺や心臓とのつ ながりを図で説明させ、酸素や栄養分を 運んでいることを理解させる。 6 調べたことを総合して結論を出す。 ○ 追究した結果や結論を結びつけて、図 や言葉で表し、自分なりの総合的な結論 を明らかにする。 ・それぞれの器官のつくりや働きについ てまとめた図を比較 し、共通部分に着目す る。 ・酸素や養分が血液に よって体の各部分に 運ばれ、二酸化炭素、 不要物が血液の循環 によって運ばれ排出 されることに着目する。 ○ 自他の考えを交流する。 ・ 代表児童が自分の考えを発表する。 ・ 友達の考えを聞き、考えを比較する。 ・ 付加修正をする。 ・ それぞれの器官の相互関係や規則性 に着目する。 ○ 各器官が生きていくための熱や力をつ くるために働いていることを考える。 ・ 資料を基に考えたことを交流する。 ○ 交流後の自分の考えをまとめる。 ○ 呼吸、消化・吸収、循環のそれぞれの 働きを確認し、それぞれが働くことで生 きていくことができるか考えさせ、それ ぞれの器官の相互関係に着目させる。 ○ 呼吸、消化・吸収、循環の働きの関連 を図や言葉で表現させ、それぞれの働き の規則性や相互関係に着目させる。 ・酸素や養分の流れを同じ血管の中にか かせる。 ・二酸化炭素や不要物の流れを同じ血管 の中にかかせる。 ・それぞれの働きを比較させ関連性に着 目させる。 ・考えの根拠になる物を掲示しておく。 ○ 図など表現したものを基に交流させ、 呼吸、消化・吸収、循環の働きの規則性 や相互関係を明らかにさせる。 ・事前に一人一人の考えを把握し、それ ぞれの器官の関係を含んだわかりやす い考えの代表児童を決めておく。 ・代表児童の考えの拡大図を提示する。 ・それぞれの器官の相互関係や規則性に ついての発言内容を図に書き込む。 ○ ものの燃焼についての資料を提示し、 熱や力をつくることに着目させる。 ・ものの燃焼の仕組みや酸素と燃料で動 く自動車の仕組みについての資料を提 示し、栄養を燃料に置き換えて考えさ せ、生きていく熱や力を作り出すため に呼吸や消化、吸収、循環が相互に働 いていることに気付かせる。 ○ 交流後の考えをノートに書かせる。 2 2/2 本 時 人や魚の体は、生きていく熱や力をつく りだすために、呼吸、消化・吸収、循環の 働きを互いに関連させ、体に必要なものを 取り入れ、必要ないものを排出する働きを している。 深 め る つ く る
6 検証計画 目指す子ども像 A 人の赤ちゃんとメダカの成長を比較して共通部分に着目し、人や魚が生きていくためにどのよ うな働きをしているかという追究する問題を生み出し、その問題を解決するための複数の追究対 象を明確にすることができる子ども B 「呼吸」「消化・吸収」「血液の循環」という追究対象を複数の方法で追究し、観察や実験をし て結果を出し、それぞれのつくりや働きを明らかにすることができる子ども C 観察や実験から出てきた複数の結果や明らかになったつくりや働きを総合的に考察し、自然事 象の相互関係や規則性を明らかにすることができる子ども 検証内容 検証時期 検証方法 A 自然事象を総合的・分 析的に追究する問題を 生み出すことができる 子ども 自然事象と出会っ て問題を見いだす 段階 ○ 学習ノートを基に、交流後の児童の総合的な 問題を調査し、「体」「生きるため」「働き」が 含まれた問題を見いだすことができたかどう か、交流前との変容はどうか分析する。 ○ 観察法により、発言内容で質的な比較を行う。 B 追究対象を複数の方 法で追究し、観察や実 験をして結果を出し、 それぞれのつくりや働 きを明らかにすること ができる子ども それぞれの追究対 象についての複数 の結果から分析的 な結論を見いだす 段階 ○ 学習ノートを基に、交流後の児童の分析的な 結論を調査し、「呼吸」「消化・吸収」「循環」の それぞれのつくりや働きについて分析的な結論 を見いだすことができたか、交流前との変容は どうか分析する。 ○ 観察法により、発言内容で質的な比較を行う。 C 明らかになったつく りや働きを総合的に考 察し、自然事象の相互 関係や規則性を明らか にすることができる子 ども それぞれの追究対 象に対して出した 結論を総合した結 論を見いだす段階 ○ 学習ノートを基に、交流後の児童の総合的な 結論を調査し、「呼吸」「消化・吸収」「循環」の 働きやそのためのつくりの相互関係や規則性を 見いだすことができたか、交流前との変容はど うか分析する。 ○ 観察法により、発言内容で質的な比較を行う。 7 本時 (1) 本時主眼 ○ 呼吸、消化・吸収、血液の循環について分かったことを表現した図を用いて交流した内容を基 に、「人や魚の体は、生きていくための熱や力をつくりだすために、呼吸、消化・吸収、循環を する器官が力を合わせ、体に必要なものを取り入れ、必要ないものを外に出す働きをしている。」 という呼吸、消化・吸収、血液の循環の相互関係や規則性をとらえることができる。 (2) 本時授業仮説 総合的な問題についての結論についての交流を設定し、追究対象ごとに結論を表した図を活用さ せ、それぞれの器官の働きの目的に着目させれば、子どもは根拠を明確にして呼吸、消化・吸収、 血液の循環の相互関係や規則性をとらえることができるであろう。 【細目】 ① 図を用いて各器官のつながり方や血液によって運ばれるものの行き先を説明させたり、分かっ たことを図や言葉で表現させたりすれば、呼吸、消化・吸収、血液の循環のつくりや働きによっ て生きていくために必要な物を取り入れて不要な物を出すことを理解することができるだろう。 ② ものの燃焼の仕組みや自動車が動く仕組みについての資料を提示し、各器官の働きと比較させ る交流を仕組めば、呼吸、消化・吸収、循環をする器官が生きていく熱や力をつくりだすために 働いていることに気付くことができるだろう。 (3) 準備 既習図、子どもが結論をまとめた図、代表児童が結論をまとめた図、総合的な結論を書くノート
(4) 展開 学 習 活 動 と 内 容 教 師 の 支 援 1 前時学習を想起し、本時の学習課題を設定 する。 ○ 前時学習を想起し、自分の総合的な結論 をどのようにつくったか確認する。 ○ 本時学習のめあてをもつ。 2 本時学習の見通しを持つ。 ○ それぞれの器官の働きで分かっている ことと分かっていないことを明確にする。 ・呼吸により肺で酸素を取り入れて二酸化 炭素と水を外に出している。 ・消化・吸収により体に必要な栄養分を腸 から取り入れている。 ・血液の循環により酸素や栄養分を体全体 に運んで二酸化炭素を体全体から集めてい る。 ・3つの器官が働けばなぜ生きていけるの かが分からない ・それぞれの器官の働きの共通点や目的に 着目して話し合えば良さそうだ。 3 一人一人の結論を交流する。 ○ 代表児童はそれぞれの追究対象につい ての結論をかいた図を活用し、調べた内容 を根拠にして、考えを説明する。 ・「肺で取り入れられた酸素は血液によっ て体全体に運ばれた。」 ・「腸で取り入れられた栄養分は血液によ って運ばれて体全体に運ばれた。」 ○ 代表児童の説明を聞いたことをメモし、 友達の考えや自分の考えと比べる。 ・考えの違いや良さ、矛盾するところ、わ からないところをノートに書き加える。 ○ 考えの根拠や似たような事象を基に交 流する。 ・ものの燃焼の仕組みと比較する。 ・体の各器官は血液によって運ばれた酸素 と栄養分で働いていることに気付く。 ・黒板の図や掲示された写真などを指しな がら考えを言う。 4 本時学習のまとめをする。 ○ 総合的な結論を自分の言葉で書く。 5 学習を振り返る。 ○ 呼吸、消化・吸収、血液の循環の仕方について 前時までの学習内容をまとめたものを掲示し、そ れぞれの追究対象についての結論を確認させる。 ○ 総合的な問題や写真、人体模型を提示し、解決 意欲を喚起させる。 ○ 各器官について調べて明らかになったところ やまだ明らかになっていないところを確認し、交 流の視点を明らかにさせる。 ・図や写真を指しながら確認させる。 ・図を示し心臓から全身へ向かう血管と全身から 心臓に向かう血管の間を指し着目させる。 ○ 前時に作らせた図の中から本時説明に使う作 品を1点選んでおき、説明させる。 ・呼吸、消化・吸収、血液の循環についての考え が含まれ、各器官の働きについての相互の関係が わかる作品を1点選んでおく。 ○ 説明を聞いて気付いたことを記録させる。 ・発表を聞いたあとで、自分の考えと比べる時間 をとり、意見を言う準備をさせる。 ・説明に使った図を全員に配布し、それに気付い たことを書き込ませる。 ○ 児童の説明の共通点や差異点に着目させ、共通 点の部分に焦点を当てる。 ・自分が調べた資料や表現した図を根拠に考えを 説明させる。 ・図や写真を活用しやすいように掲示しておく。 ・共通点を板書し目立つようにする。 ○ 各器官の共通の目的が明確にならなかった場 合は、ものの燃焼についての資料を提示する。 ・どこで、どのようにして酸素が二酸化炭素に変 わるのか問題意識を持たせる。 ・栄養を燃料に置き換えて考えさせ、酸素と燃料 で動く自動車などとの共通点から、呼吸や消化、 吸収、循環が相互に働きあって、生きていくため の熱や力をつくっていることに気付かせる。 ○ まとまった考えを自分の言葉で表現させる。 ・数名を指名し書かせた結論を紹介させる。 ○ 交流活動の内容を基に自分の結論をノートに 書かせる。 ○ 学習の足跡を参照させ、単元を振り返らせる。 ・交流活動を中心に自己評価をさせる。 人や魚の体は生きていくために、なぜ呼吸や消化・吸収、血液の循環をしているのか、自分 でまとめたことを交流して結論を出そう。 人や魚の体は、生きていく熱や力をつくりだすために、呼吸、消化・吸収、循環の働きを互 いに関連させ、体に必要なものを取り入れ、必要ないものを排出する働きをしている。