春
曙
文
庫
蔵
源
氏
物
語
断
簡
︵別
本︶ふちのうらば翻刻
柿
谷
雄 三
この源氏物語断簡︵ははきぎ.ふちのうらば.はしひめ.やどりぎ.てならひ︶は、故田中重太郎博士が愛蔵せられてい 一 たもので、ただ今は、本学図書館春曙文庫の蔵本となっている。このたび原本を直接精査する機会を得たので、ここ 皿 に・﹁ふちのうらば﹂十二丁・﹁はしひめ﹂二十丁・﹁やどりぎ﹂十二丁、﹁てならひ﹂十二丁を順次活字化していくこ 一 ととした。 本 断簡は、かつて昭和三十九年十月、京都の東風社から、原寸大のコロタイプ印刷、綴葉装、桐箱入で限定出版さ れた。目下この複製本も古書目録等に出ることはきわめて稀で、入手も次第に困難となってきた。また同複製には田 中博士の筆になる解説と釈文︵解説一八頁・釈文九頁︶が附せられているものの、釈文は﹁ははきぎ﹂十丁分だけにと どまっている。 活 字 化 するにあたって、草仮名、漢字等を現行の文字に改めた外、行数、書入、ミセケチなどは、できるだけもと の ままとし、原本のおもかげを、少しでも伝えるようにつとめた。︵写真版参照︶ 各 断簡はいずれも、いわゆる升型本で、本文十行書き、料紙は斐紙を用い、ところどころ、型紙をおいて、代赫粉 ﹁ふ ちのうらば翻刻﹂
﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ によるぼかし絵︵花・鳥・紅葉・月など︶の入っているところもある。書写年代は鎌倉後期以前のものかと思われ、筆 者は詳らかではないが、数名によるより合い書きのようである。それぞれの寸法は次のごとくである。 は はきぎ・ふちのうらば 縦一六・六糎横一五・六糎 はしひめ 縦一六・八糎 横一五・六糎 や どりぎ 縦一六・二糎横一五・六糎 てならひ 縦一六・六糎横一五・○糎 本 文 の 系統は、田中博士の解説にもあるごとく、まず別本系統と認めるべきであり、中でも﹁ふちのうらば﹂﹁やど りぎ﹂の本文は、別本中、陽明文庫本との一致が多くみられ、﹁てならひ﹂の巻は青表紙系統本かとも思われるが、何 分 断 簡 の こととて、結論は急がず、ひとまず本文の提供によって、大方のこ示教をまつこととした。 一 なお﹁ふちのうらば﹂十二丁は、﹃源氏物語大成﹄巻二 皿
﹁ なみる人からや色もますらん⋮⋮﹂二〇〇三頁1行目︶から 一 ﹁ひ ゐなのやうなる御有さまをゆめの心ちして﹂二〇二頁9行目︶ までである。 参 考 までに、﹃源氏物語大成 校異編﹄のふちのうらばの巻の本文︵大島本︶との主要異同を脚注として示した。漢 字・かな・かなつかい等の、読み違いの生じないと思われる異同は原則として省略した。例えば﹁ますらんーまさら む﹂と示した上の﹁ますらん﹂は本断簡の本文、下の﹁まさらむ﹂は源氏物語大成の本文︵大島本︶である。
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﹁ふ ちのうらば翻刻﹂ なみる人からや色もますらんつきくす ー むなかれためれとゑひのまきれにはかくし 2 か らてこれよりまさらす七日の夜ゆふ 3 つ くよかけほのかなるにいけのか﹀みのとか 4 にすみわたれりみるにまたほのかなるこ 5 す ゑともさうくしきころなるにいたうけし 6 きはみよこたはれるまつのこちたきほと 7 に はあらぬにか﹀れるはなのさまよのつね 8 ならすをもしろしれいの弁少将こゑいと 9 なつかしうてあしかきをうたふをとx 10 ︵一丁オ︶ ︹ 春 曙文庫本ー源氏物語大成本 ︺ 1 ますらんーまさらむ ー すむなかれためれーすんなかるめれ 3 七日の夜ー七日の 5 みるにーけに
5こすゑともL不すゑともの ↑
14 6ころー比 一 7 こちたきーこたかき 10 なつかしうてーなつかしくてけやけくもつかうまつるものかなと ー うちみたれたまひてとしへにけるこの 2 い ゑ の とうちくはへたまへるいとをもし 3 うしをかしきほとにみたれかはしき 4 御 あそひにてものをもひのこらすな 5
りぬめりやうく夜ふけ行ほとに 6
いたうそらなやみしてみたり心ちい 7 とたえかたくまかてむそらもほとく 8 しくこそはむへりぬへけれと﹀のゐ所 9 ゆつりたまひてむやと中将にうれへ給 10 ︵一丁ウ︶ ﹁ふちのうらば翻刻﹂ 1 けやけくもーいとけやけうも ー つかうまつるーつかふまつる ー ものかなーかな 3 いとー御こゑいと 4 みたれかはしきーみたりかはしき 8 たえかたくーたへかたうて 9 はむへりー侍 9 と﹀のゐ所1とのいところ 一 燭 一﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ をと﹀あそむやその御やすみところも ー とめよをきないたうゑいす﹀みて 2 む らいなれはまかりいりぬといひすてx 3 いりたまひぬ中将はなのかけのたひねよいか 4 にそやくるしきしるへにそはへるやとのた 5 まへはまつに契れるはあたなるはなかは 6 ゆ﹀しやはとてせめ給中将は心のうちにねた 7 の わ さやと思所あれと人さまのおもふさま 8 に め て た きにかうもありはてなむと 9 こ﹀ろよせわたる事なれはうしろやすく 10 ︵二丁オ︶ 1 その御やすみところー御やすみ所 5 のたまへはーいへは 一
ぷ 6 契れるーちきれる 一 7 ゆ﹀しやはとてーゆ﹀しやと 8 思所1おもふところ
道 ひ きつをとこきみはゆめかとおほえ 1 給 にも我みいと﹀いつかしうそおほえ給けむ 2 か しをむなはいとはつかしとおもひしみ 3 て ものしたまふもねひまされる御有さ 4 まいと﹀あかぬところなくめやすしよ 5 の ためしにもなりぬへかりつるみを心も 6 て こそかうまておほしゆるさるめれあは 7 れ をしりたまはぬもさまことなるわさか 8 なxとうらみきこえ給少将のすxみいたし 9 つるあしかきのおもふきはみ﹀と﹀めた 10 ︵二丁ウ︶ ﹁ふちのうらば翻刻﹂ 1 道ひきつーみちひきつ 3 をむなー女 7 かうまてーかうまても 8 わさかなxとーわさかなと 10 おもふきーおもむき 一 瑠 一
﹁ ふちのうらば翻刻﹂ まひつやいたきぬしかな﹀かはくちのと ー こそさしいらへまほしかりつれとのたまへは 2 をんなきみきxにく﹀おほして 3 あさきなをいひなかしけるかはく 4 らイ ちはいか﹀もらしxせきのあしかきあさ 5 ましとのたまふさまいとこめきたりす 6 こしうちわらひて 7 もりにけるくきたのせきをかはく 8 ちのあさきにのみはおほせさらなんとし 9 月のつもりにいとわりなくなやまし 10 ︵三丁オ︶ 3 をんなきみー・女いと 3 にくxlくるしと 5 あしかきーあらかき 一
蝿 6 のたまふーの給 一 7 うちわらひてーうちはらひて 10 つもりにーつもりも 10 わりなくーわりなくて
きにものおほえすゑいかこちてくる ー しけにもてなしてあくるもしらす 2 か をなりひとくきこえわつらふをを 3 とxしたりかをなるあさいかなととか 4 め給されとあかしはて﹀そいてたま 5 ふ ねくたれの御あさかほみるかひ有かし 6 御 文 はなをしのひたりつるま﹀の心づ 7 か ひ に て あるをなかくけふはえきこえ 8 た まはぬを事はりとものいひさかな 9 きこたちつきしろふにをと﹀のわ 10 ︵三丁ウ︶ ﹁ふちのうらば翻刻﹂ 1 おほえすーおほえすと ー ゑいーゑひに 7 ま﹀のーさまの 8 けふー今日 9 事はりとものいひーものいひ 10 つきしろふーつきしろう 10 をとxのーおと﹀ 一 珊 ︸
﹁ふ ちのうらば翻刻﹂ たりてみたまふにそいとxわりな ー きやつきせさりつる御けしきにい 2 ︵x︶ と﹀思しらるしみのほとかなたえぬ心に 3 またきこえぬへきにも 4 とかむなよしのひにしほるても 5 なと た ゆ み けふあらはる﹀袖のしつくをいと 6 なれかほにかき給へるをうちゑみて 7 て をいみしうもかきなれにけるかな> 8 とみたまふもむかしのなこりなし 9 御 返 い といてきかたけなれはいとみくる 10 ͡四丁オ︶ 1 みたまふにそーみ給ふそ ー いと﹀わりなきやーいとはりなきや 3 思しらるしーおもひしらる> 3 みのほとかなー身のほとを 4 きこえぬへきにもーきえぬへきも 7 にかき給へるをーなり 8 かきなれーかきなられ 9 みたまふもーの給も 10 いとみくるしやーみくるしや 一 50 一
しやとてさもおほしは﹀かりぬへ ー き事なれはわたり給ぬ御つかひのろ 2 くなへてならてたてまつり給へり 3 中将をかしきさまにもてなしたま 4 ふ つ ね に ひ
きかくしつxかくろへあ 5
り きし御使けふはをもxちなと人く 6 しくふるまふめりうこのそうなる 7 人 のむつましうおほしつかひ給なり 8 けり六条のをと﹀もかくときこし 9 め してけふ宰相つねよりもいといたうひ 10 ︵四丁ウ︶ ﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ 3 なへてならてーなへてならぬ 3 たてまつり給へりーさまにて給へり 7 うこのそうー右近のそう 10 けふーけり 10 いといたうーいといたうナシ ﹁ 皿 一﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ か りそひてまいりたまへれはうち ー まほりたまひてけさはいかにふみなと 2 ものしつやさかしきひともをんなの 3 すちはみたるxためしあるをひとわ 4 ろくか﹀つらひこ﹀ろいられせてすくさ 5 れ た るなんすこしひとにぬけたるみ心 6 となむおほえけるをと﹀のみをきての 7 あまりすくみてなこりなくxつをれた 8 まひぬるをよ人もいひいつる事あらむや 9 さりとても我かたxけう思かほに心 10 ︵五丁オ︶ 1 うちまほりーうちまもり 4 すちはーすちには 一
皿
6 ぬけたるーぬけたりける 一 6 み心となむー御心と 9 いひいつるーいひ出る 10 思 か ほ にーおもひかほにお こりしてすきくしきこxろはへなと ー もらし給なさこそをいらかにおほきなる 2 心 をきてとみゆれとしたのこ﹀ろはへ 3 を﹀しからすくせ有てひとみえにく 4 き所つきたる人なりなとれいのをしへ 5 きこえ給事うちあひめやすき御ゆかりと 6 お ほさる御事もみえす﹀こしかこの 7 か み とそ見えたまふほかくにてはをな 8 しかをうつしたるとみるををまへにて 9 はさまくあなめてたとみえ給へりをと> 10 ︵五丁ウ︶ ﹁ふちのうらば翻刻﹂ 5 たるー給へる 一 陶 6 御ゆかりー御あはひ 一 7 このかみとそーこのかみはかりと 9 かーかほ 9 うつしたるーうつしとりたる 9 みるーみゆる 9 をまへにて1御まへにて
﹁ ふちのうらば翻刻﹂ はうすき御なをししろき御そのから ー めきたるかもむけさやかにつやくとす 2 きたるをたてまつりてなをつきせす 3 あてになまめかしうおはします宰 4 相 のきみはすこし色ふかきなをしにちや 5 しそめのこかるxまてしめるこ﹀あやのな 6 つ か しきをきたまへることさらめきて 7 卯月八日事也 えむにみゆくわむ︹う︺ふつゐてたてま 8 つ りて御たうしをそくまいりけれは 9 ひ くれて御かたくよりわらはへつくろひいたし 10 ͡六丁オ︶ 4 宰相のきみー宰相殿 5 なをしー御なをし 一 5 ちやし1丁子 54 ユ 6 こ﹀あやーしろきあや 一 8 くわむ︹う︺ふつー灌佛 9 御たうしー御導師 10 ひくれ−日暮 10 わ らはへつくろひいたしーはらはへいたし
ふ せ なとおほやけさまにはかはらすさまく ー に したまへりをまへのさほうをうつ 2 してきみたちなともまいりつとひて 3 なかくうるはしき御前よりもこxうつかひせ 4 られてをくしかちなり宰相はしつ心な 5 くいよくけさうしひきつくろひていて 6 給 をわさとならねとなさけたちたまふ 7 わかきひとくはうらめしとおもふも有けりと 8 ころのつもりとりそへて思やうなる御 9 なからひなめれはみつもらむやはあるし 10 ︵六丁ウ︶ ﹁ふちのうらば翻刻﹂ 1 おほやけさまにはーおほやけさまに ー さまくー心く 4 御前ーこせん 4 こxうつかひせられてーあやしう心つかひせられて 8 わかきひとくはーわか人は 8 ところーとしころ 10 み つもらむーみつも﹀らむ 一 皿 一
﹁ ふちのうらば翻刻﹂ の をとxもいと﹀しきちかまさりをう ー つ くしきものにおほしていみしうもて 2 か しつきxこえ給まけぬるかたのくちをし 3 さはなを﹀ほせとつみものこるましうま 4 めやかなる御こ﹀うさまなとのとしころ事 5 こ、うなくてねんしすくしたまへるなと 6 を有かたくおほしゆるす女御の御有さまな 7 とよりもはなやかにめてたくあらま 8 ほ しけれはきたのかたさふらふ人く 9 なとはこ﹀ろよからすおもひいふもあれとな 10 ︵七丁オ︶ 1 をと﹀もーおと﹀ 4 のこるましうーのこるましうそ 一
皿
6 ねんしすくしーすくし ︸に の くるしき事かあらむあせちのきた ー の か たなともかxるかたにてうれしと︹思︺ 2 お もひきこえ給へりかくて六条の院の御い 3 そきは廿よひのほとなりけりたいのうゑみ 4 あれにまうて給とてれいの御かたくいさな 5 ひきこえ給へとなかくさしもひきつ﹀きて 6
こxろやましきをおほしてたれもくとx 7
まりたまひてことくしきほとにもあらす 8 御くるま廿はかりしてこせむなともく 9 くたくしきひとかすあまたはあらす事そ 10 ͡七丁ウ︶ ﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ 1 事かー事かは 3 給へりー給けり 3 六条の院ー六条院 7 と﹀まりーとまり 9 廿はかりー廿斗 9 こせむ1御前 9 くくたくしきーくたくしき 10 ひとかす1人数 10 あまたはーおほくも 一 田 一﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ きたまひたるしもけはひことなり ー まつりのひあか月にまて給てかへ 2 さにはもの御らむすへきよし御さしきに 3
をはします御方くのひとくおのくくるま 4
御前所 ひきつ﹀きて○しめたるほといかめしう 5 か れ はそれとxほめよりをとろくしき御い 6 きをいなりおと﹀は中宮の御は﹀みやす 7 む 所 の くるまをしさけられ給へりけむを 8 りの事おほしいて﹀時によるこ﹀ろをこり 9 してさやうなることなんなさけなき事 10 ︵八丁オ︶ 1 たまひたるーたる 2 まつりのひーまつりの日の 2 まてーまうて 3 御らむすへきよし1御覧すへき 4 ひとくー女房 5 御前所﹂御まへところ 一 6 >ほめよりー︾をめより 15 6をとろくしきーおとろおとろくしき 一 6 御いきをい1御いきほひ 7 みやすむ所ー宮す所 8 給へりけむーたまへりし 9 時によるー時によりなりけるこよなく思けちたりし人も ー なけきを﹀うやうにてなくなりにきとそ 2 のほとはの給けちてのこりとまれる人くの 3 中将はかくた﹀人にてわつかに成のほる 4 めり宮はならひなきすちにてをはす 5 るおもへはいとこそあはれなれすへていと 6 さためなきよなれはこそなに事も思ま 7 まにいけるかきりのよをすくさまほしけ 8 れ とのこり給はむすゑのよなとはたとしへ 9 ら なきをとろへなとをさへおもひは﹀かるれは 10 ︵八丁ウ︶ ﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ 2をxうやうーおふやう 3 人く1人 4 成ーなり 5 をはするーおはするも 一 皿 一 7 思ままにーおもふさまにて 9 なとはーなとの
﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ とうちかたらひたまひてかむたちめ ー なとも御さしきへつとひたまへはそなたに 2 い てたまひぬ近衛官の使は頭中将なりけり 3 か の 大 殿 に て たつ所よりそひとくまいりけ 4 るとうないしのすけもつかひなりけり 5 お ほえ事にてうち春宮よりはしめた 6 て まつりて六条院よりも御とふらひ所せ 7 きまて御こ﹀ろよせいとめてたし宰相中将 8 い てたちのところにとふらひたまへりうちと 9 けすあはれをかはしたまふ御なかなれはか 10 ︵九丁オ︶ 2 御さしきへつとひー御さしきにまいりつとひ 2 たまへはー給へれは 3 たまひぬー給ぬ 3 近衛官−近衛つかさ 3 頭中将ーとうの中将 4 大殿ーおほとの 4 たつーいてたつ 4 ひとくー人くは 一 む 4 まいりけるーまいりたまふける 16 6 春宮1とうくう ﹁ 7 六条院−六条院なと 7 御とふらひー御とふらひとも 8 宰相中将−宰相の中将 9 ところにーところにさへ
くやむ事なきかたにさたまりたまひ ー ぬ るをたxならすうち思けり 2 なにとかやけふのかさしよかつみつ> 3 お ほ めくまてもなりにけるかなあさま 4 しとあるををりすくしたまはぬはか 5 りをいかx思けんいとものさはかしく﹀るま 6 に のるほとなれと 7 か さしてもかつたとらる﹀くさのな 8 はかつらを﹀りしひとやしるらむはかせならて 9 はときこえたりはかなけれとねたきいらへと 10 ︵九丁ウ︶ ﹁ふちのうらば翻刻﹂ 皿 6 さはかしく﹀るまにーさはかしくるまに 一
﹁ふ ちのうらば翻刻﹂ お ほ す な をこのないしにそ思はなれて ー はひまきれたまふへきかくて御まいりには 2 きたのかたそひたまふへきをつねになかく 3 しうはそひさふらひ給ましか﹀るつい 4 て にこの御うしろみをやそえましとおほす 5 うゑもついなるへきことのかくへた﹀りて 6 す くしたまふをかのひとも﹀のしと思な 7 けかるらむこの御心にもいまはやうくおほつか 8 なくあはれにおほししるらんかたくこ﹀ろを 9 か れ たてまつらむもあいなしとおもひな 10 ︵十丁オ︶ 1 はなれてーはなれす 2 御まいりにはー御まいりは 4 はそひさふらひ給ましーえそひさふらひ給はし
5このーかの
一皿 6 ついなるへきーつゐにあるへき 一
りたまひてこのをりにそへたてまつり 1 給へまたいとあえかなるほともうしろめ 2 た な
きにさふらふひとくとてもわかくし 3
きのみこそおほかれ御めのとたちなとも 4 み をよふかきりあるをみつからはつとしも 5 さふらはさらむほとうしろやすかるへうと 6 きこえ給へはいとよくおほしよる事かな 7 とおほしてさなんとあなたにもかたらひ 8 たまひけれはいみしう﹀れしう思事かなふ 9 心ちしてひとのさうそくなにかのこと 10 ︵十丁ウ︶ ﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ 2 うしろめたなきにーうしろめたきに 3 ひとく1人 5 かきりーことの心いたるかきり 一 5 つとしもーえつとしも 63 ユ 6 うしろやすかるへうーうしろやすかるへく 一 7 事かな1哉 9 たまひけれはーの給けれは 9 いみしうxれしうーいみしくうれしく 9 かなふーかなひ侍る﹁ふ ちのうらば翻刻﹂ もやむ事なき御有さまにをとるまし ー ういそきたつあまきみなんなをこの御を 2 ひ さきみたてまつらむのこ﹀ろふかxりけ 3 るいまひとたひみたてまつらむよもやと 4 命 をさへしうねくなしてねんしける 5 をいかにしてかはとおもふもかなしその 6 よはうゑまいり給に御てくるまなとにも 7 た ちくたりうちあゆみなとひとわうか 8 るへきを我御ためはおもひはxからすたか 9 くみかきたてたてまつり給たまのきす 10 ︵+一丁オ︶ 1 をとるましうーおとるましく 4 たてまつらむー・奉る 5 しうねくーしふねく 一 脳 一 7 うゑまいり給ーうへそひてまいり給ふ 7 御てくるまなとーさて車・ 8 ひとわうかるへきー人わるかるへき 9 御ためはーためは 9 たかくーた﹀かく 10 た てたてまつりーたてまつり
に て 我 か くなからふるをかつはいみし ー うこ﹀ろくるしとおもふ御まいりのきしき 2 ひ とのめをとろかすはかりのことはせしと 3 お ほ しつxめとをのつからよのつねのさまに 4 そあらぬやかきりもなくかしつきすへ 5 たてまつり給てうゑはまことにうつくし 6 とみたてまつり給につけてもひとにゆ 7 つるましくま事にか﹀る事もあら 8 ましかはとおもほすをとxも宰相のきみも 9 たxこの事ひとつをなむあかぬ事かなと 10 ︵+一丁ウ︶ ﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ 1 なからふるーなからうる 2 こxろくるしとおもふー心くるしう思 2 御まいりーまいり 3 をとろかすはかりーおとろく斗 一
面
6 うつくしーあはれにうつくし 一 7 みたてまつりーおもひきこえ 7 ゆつるましくーゆつるましう 9 おもほすーおほす﹁ ふ ちのうらば翻刻﹂ お ほ しける三日すくしてそうゑはまかて ー たまひけるたちかはりまいり給よ御たいめ 2 ありかくをとなひたまふけちめになむ 3 侍
とし月のほともしられはうとくしきへたては 4
の こるましうやとなつかしうのたまひて 5 ものかたりなとしたまふこれもうちとけ 6 ぬ るはしめなめりものなとうちいひたる 7 けはひをうへこそはとめさましうみ給又 8 い とけたかくこめかしうさかりなる御 9 けしきをもかたみにめてたしとみてそ 10 ︵±〒オ︶ 1 すくしてーすこして 2 たまひけるーさせ給 2 たちかはりーたちかはりて 2 御たいめ−御たいめん 4 侍ー侍れ 5 のこるましうーのこるましく 一燗 8 けはひをーけはひなと 8 うへーむへ 9 けたかくーけたかう 9 こめかしうさかりなるーさかりなる 9 御けしきをもー御けしきを
こらの御なかにもすくれたる御こxろ ー さしにてならひなきさまにてさた 2 まり給けるもいとことはりと思しら 3 る﹀にかうまてたちならひきこゆる 4 契をうかなりやはとおもふものからいて 5 たまふきしきのいと事によそほしく御 6 てくるまなとゆるされたまひて女御の 7 御有さまにことならぬをおもひくらふるさ 8 す か なるみのほとなりいとうつくしけにひ 9 ゐなのやうなる御有さまをゆめの心ちして 10 ︵±〒ウ︶ ﹁ふ ちのうらば翻刻﹂ 2 ならひなきさまにてーならひなきさまに 5契ーちきり 一